JP2014009190A - イミダゾールシラン化合物、合成方法及びその利用 - Google Patents

イミダゾールシラン化合物、合成方法及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なイミダゾールシラン化合物及びその合成方法ならびに、当該イミダゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤を提供する。
【解決手段】下式(I)で示される2−メルカプトイミダゾール化合物または下式(II)で示される2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物と、3−ハロプロピルトリアルコキシシラン等を反応させて得られるイミダゾールシラン化合物。
Figure 2014009190

[式中、R〜Rは、水素原子、C1〜C20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なイミダゾールシラン化合物に関するものである。
シランカップリング剤は、有機物とケイ素から構成される物質であり、分子中に2種以上の異なった反応基を有しているので、通常では馴染まない有機材料と無機材料を結ぶ仲介役としての機能を発揮する。そのため、複合材料の開発や生産には不可欠の薬剤である。
このようなシランカップリング剤の成分として、分子中にイミダゾール骨格(環)を導入したシラン化合物を使用すると、イミダゾール化合物の特徴である金属の防錆や、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂を硬化させる機能を付加したシランカップリング剤とすることができる(例えば、特許文献1および2を参照)。
特許文献1には、本発明に類似する物質として、化学式(IV)で示されるイミダゾールシラン化合物が開示されている。
Figure 2014009190
特開平05−186479号公報 特開2005−112822号公報
本発明は、新規なイミダゾールシラン化合物及びその合成方法ならびに、当該イミダゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、化学式(I)で示される2−メルカプトイミダゾール化合物または化学式(II)で示される2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物を合成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
Figure 2014009190
(式中、R〜Rは、水素原子、C1〜C20のアルキル基、アリル基、ベンジル基、またはアリール基を表す。)
Figure 2014009190
(式中、RおよびR10は、水素原子またはC1〜C3のアルキル基を表し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、nは1〜3の整数を表す。)
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示される2−メルカプトイミダゾール化合物または化学式(II)で示される2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物である。
第2の発明は、化学式(I)で示される2−メルカプトイミダゾール化合物または化学式(II)で示される2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させることを特徴とするイミダゾールシラン化合物の合成方法である。
第3の発明は、第1の発明のイミダゾールシラン化合物を成分とすることを特徴とするシランカップリング剤である。
本発明のイミダゾールシラン化合物は、分子中にアルコキシシリル基と共にイミダゾール環を有する物質であるので、イミダゾール化合物の特徴である金属の防錆や、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂を硬化させる機能を付加したシランカップリング剤とすることができる。
即ち、本発明のイミダゾールシラン化合物は、シランカップリング剤の成分として好適なものであり、表面処理剤、樹脂添加剤、樹脂組成物、ペースト、ワニス、レジスト、プリプレグ、プライマー、塗料、接着剤、封止材料等の用途への利用が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のイミダゾールシラン化合物が合成される工程を表す反応スキーム(A)及び(B)を以下に示す。
Figure 2014009190
(但し、式中のR〜R3、R、R10、Xおよびnは、前記と同様である。)
Figure 2014009190
(但し、式中のR4〜R10、Xおよびnは、前記と同様である。)
反応スキーム(A):化学式(I)で示される2−メルカプトイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロプロピルシラン化合物とを塩基存在下で反応させることにより、化学式(V)で示される本発明のイミダゾールシラン化合物が生成する。
反応スキーム(B):化学式(II)で示される2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロプロピルシラン化合物とを塩基存在下で反応させることにより、化学式(VI)で示される本発明のイミダゾールシラン化合物が生成する。
前記の2−メルカプトイミダゾール化合物または2−メルカプトベンゾイミダゾールと、前記のハロプロピルシラン化合物との反応温度は、室温〜100℃とすることが好ましく、同反応時間は、15分〜48時間とすることが好ましい。
この反応は化学量論的に進行するが、2−メルカプトイミダゾール化合物または2−メルカプトベンゾイミダゾールの使用量(仕込量)を、ハロプロピルシラン化合物に対して、0.1〜10倍モルの範囲における適宜の割合とすることができる。
前記の塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三セシウム、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二セシウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等を使用することができ、その使用量は、2−メルカプトイミダゾール化合物に対して、0.1〜10倍モルの範囲における適宜の割合とすることができる。
また、この反応においては、必要に応じて、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の有機溶剤を反応溶媒として適宜量使用することができる。
前記の2−メルカプトイミダゾール化合物としては、
2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−2−メルカプトイミダゾール、
4−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアルキル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−5−アリル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−5−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアリル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−5−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリール−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアリール−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアルキル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4−アリル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
1,4,5−トリアルキル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアルキル−5−アリル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアルキル−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアルキル−5−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4,5−ジアリル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4−アリル−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4−アリル−5−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4,5−ジベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4−アリール−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アルキル−4,5−ジアリール−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリル−4−アルキル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアリル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリル−4−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリル−4−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアルキル−1−アリル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−1,5−ジアリル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−1−アリル−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−1−アリル−5−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
1,4,5−トリアリル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアリル−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアリル−5−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリル−4,5−ジベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリル−4−アリール−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリル−4,5−ジアリール−2−メルカプトイミダゾール、
1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリール−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアルキル−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−5−アリル−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−1,5−ジベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−5−アリール−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアリル−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−1,5−ジベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−5−アリール−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4,5−トリベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリール−1,5−ジベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアリール−1−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−1−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−1−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリール−4−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアリール−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアルキル−1−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−5−アリル−1−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−1−アリール−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
4−アルキル−1,5−ジアリール−2−メルカプトイミダゾール、
4,5−ジアリル−1−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−5−ベンジル−1−アリール−2−メルカプトイミダゾール、
4−アリル−1,5−ジアリール−2−メルカプトイミダゾール、
1−アリール−4,5−ジベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4−ジアリール−5−ベンジル−2−メルカプトイミダゾール、
1,4,5−トリアリール−2−メルカプトイミダゾール等を例示することができる。
前記の2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物としては、
2−メルカプトベンゾイミダゾール、
1−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール
5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、
4,6−ジメチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、
5,6−ジメチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール等を例示することができる。
これらの物質名中に現れる「アルキル」とは、
メチル、
エチル、
プロピル、
ブチル、
ペンチル、
ヘキシル、
ヘプチル、
オクチル、
ノニル、
デシル、
ウンデシル、
ドデシル、
トリデシル、
テトラデシル、
ペンタデシル、
ヘキサデシル、
ヘプタデシル、
オクタデシル、
ノナデシル、
イコシル等を表す。
また、同物質名中に現れる「アリール」とは、
フェニル、
1−ナフチル、
2−ナフチル、
2−チエニル、
3−チエニル、
2−ベンゾチエニル、
3−ベンゾチエニル、
4−ベンゾチエニル、
5−ベンゾチエニル、
6−ベンゾチエニル、
7−ベンゾチエニル、
1−ピロリル、
2−ピロリル、
3−ピロリル、
1−インドリル、
2−インドリル、
3−インドリル、
4−インドリル、
5−インドリル、
6−インドリル、
7−インドリル、
2−フリル、
3−フリル、
2−ベンゾフリル、
3−ベンゾフリル、
4−ベンゾフリル、
5−ベンゾフリル、
6−ベンゾフリル、
7−ベンゾフリル、
2−ピリジル、
3−ピリジル、
4−ピリジル、
2−キノリル、
3−キノリル、
4−キノリル、
5−キノリル、
6−キノリル、
7−キノリル、
8−キノリル、
1−イソキノリル、
3−イソキノリル、
4−イソキノリル、
5−イソキノリル、
6−イソキノリル、
7−イソキノリル、
8−イソキノリル、
1−イミダゾリル、
2−イミダゾリル、
4−イミダゾリル、
1−ベンゾイミダゾリル、
2−ベンゾイミダゾリル、
4−ベンゾイミダゾリル、
5−ベンゾイミダゾリル、
6−ベンゾイミダゾリル、
7−ベンゾイミダゾリル、
2−オキサゾリル、
4−オキサゾリル、
5−オキサゾリル、
2−ベンゾオキサゾリル、
4−ベンゾオキサゾリル、
5−ベンゾオキサゾリル、
6−ベンゾオキサゾリル、
7−ベンゾオキサゾリル、
2−チアゾリル、
4−チアゾリル、
5−チアゾリル、
2−ベンゾチアゾリル、
4−ベンゾチアゾリル、
5−ベンゾチアゾリル、
6−ベンゾチアゾリル、
7−ベンゾチアゾリル、
1−ピラゾリル、
3−ピラゾリル、
4−ピラゾリル、
5−ピラゾリル、
3−イソオキサゾリル、
4−イソオキサゾリル、
5−イソオキサゾリル、
2−ピラジル、
2−ピリミジル、
4−ピリミジル、
5−ピリミジル、
3−ピリダジル、
4−ピリダジル、
2−トリアジル、
2−キノキサリル、
3−キノキサリル、
5−キノキサリル、
6−キノキサリル、
2−キナゾリル、
4−キナゾリル、
5−キナゾリル、
6−キナゾリル、
7−キナゾリル、
8−キナゾリル、
3−シンノリル、
4−シンノリル、
5−シンノリル、
6−シンノリル、
7−シンノリル、
8−シンノリル等を表し、これらのアリール基は前述のアルキル基で置換されていてもよい。
前記のハロプロピルシラン化合物としては、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリエトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルエトキシシラン、
3−クロロプロピルトリプロポキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジプロポキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルプロポキシシラン
3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジメトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルメトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジエトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルエトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルプロポキシシラン
3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジメトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルメトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリエトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジエトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルエトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルプロポキシシラン等を例示することができる。
以下、本発明を実施例に示した合成試験によって具体的に説明する。
なお、合成試験に使用した2−メルカプトイミダゾール化合物は、以下のとおりである。
・2−メルカプトイミダゾール:四国化成工業社製
・1−メチル−2−メルカプトイミダゾール:和光純薬工業社製
・4−メチル−2−メルカプトイミダゾール:『Matsumoto et al., Chem. Pharm. Bull. 32, 2536-2543.』に記載された方法に準拠して合成した。
・4,5−ジメチル−2−メルカプトイミダゾール:同上
・4−フェニル−2−メルカプトイミダゾール:同上
・2−メルカプトベンゾイミダゾール:和光純薬工業社製
上記以外の主な原料は以下のとおりである。
・3−ヨードプロピルトリメトキシシラン:アルドリッチ社製
・炭酸水素ナトリウム:和光純薬工業社製
[実施例1]
<2−メルカプトイミダゾールを原料とするイミダゾールシラン化合物の合成>
メタノール100mlに、2−メルカプトイミダゾール5.01g(50.0mmol)、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン14.51g(50.0mmol)及び炭酸水素ナトリウム4.41g(52.5mmol)を投入して反応液を調製し、還流下で攪拌しながら5時間反応を行った。
次いで、反応液から揮発分を留去(濃縮)し、得られた濃縮物をクロロホルム200mlに溶解させ、このクロロホルム溶液を50mlの水で2回洗浄し、50gの硫酸ナトリウムで脱水・乾燥した。
続いて、このクロロホルム溶液を濾過して不溶解物を除去し、揮発分を留去して、茶色透明の粘性液体10.34gを得た。
得られた粘性液体のH−NMRスペクトルデータ及びIRスペクトルデータは、各々図1及び図2に示したチャートのとおりであった。これらのスペクトル解析によると、得られた反応生成物は、化学式(V-1)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(V-2)〜(V-4)で示されるイミダゾールシラン化合物等との混合物であると推定される。
Figure 2014009190
Figure 2014009190
なお、化学式(V-2)〜(V-4)で示されるイミダゾールシラン化合物は、3−ヨードプロピルトリメトキシシランのトリメトキシシリル基の加水分解に起因して副生したシラノール基(Si-OH)やシロキサン結合(Si-O-Si)を有する反応生成物であるが、化学式(VI-1)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、シランカップリング剤の成分として使用し得るものである。
[実施例2]
<1−メチル−2−メルカプトイミダゾールを原料とするイミダゾールシラン化合物の合成>
メタノール4mlに、1−メチル−2−メルカプトイミダゾール0.23g(2.0mmol)、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン0.58g(2.0mmol)及び炭酸水素ナトリウム0.18g(2.1mmol)を投入して反応液を調製し、還流下で攪拌しながら7時間反応を行った。
次いで、反応液から揮発分を留去(濃縮)し、得られた濃縮物をクロロホルム50mlに溶解させ、このクロロホルム溶液を15mlの水で2回洗浄し、10gの硫酸ナトリウムで脱水・乾燥した。
続いて、このクロロホルム溶液を濾過して不溶解物を除去し、揮発分を留去して、淡黄色の粘性液体0.45gを得た。
得られた粘性液体のH−NMRスペクトルデータ及びIRスペクトルデータは、各々図3及び図4に示したチャートのとおりであった。これらのスペクトル解析によると、得られた反応生成物は、化学式(V-5)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(V-6)〜(V-8)で示されるイミダゾールシラン化合物等との混合物であると推定される。
Figure 2014009190
Figure 2014009190
なお、化学式(V-6)〜(V-8)で示されるイミダゾールシラン化合物は、3−ヨードプロピルトリメトキシシランのトリメトキシシリル基の加水分解に起因して副生したシラノール基(Si-OH)やシロキサン結合(Si-O-Si)を有する反応生成物であるが、化学式(V-5)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、シランカップリング剤の成分として使用し得るものである。
[実施例3]
<4−メチル−2−メルカプトイミダゾールを原料とするイミダゾールシラン化合物の合成>
メタノール4mlに、4−メチル−2−メルカプトイミダゾール0.23g(2.0mmol)、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン0.58g(2.0mmol)及び炭酸水素ナトリウム0.18g(2.1mmol)を投入して反応液を調製し、還流下で攪拌しながら7時間反応を行った。
次いで、反応液から揮発分を留去(濃縮)し、得られた濃縮物をクロロホルム50mlに溶解させ、このクロロホルム溶液を15mlの水で2回洗浄し、10gの硫酸ナトリウムで脱水・乾燥した。
続いて、このクロロホルム溶液を濾過して不溶解物を除去し、揮発分を留去して、淡褐色の固体0.43gを得た。
得られた固体のH−NMRスペクトルデータ及びIRスペクトルデータは、各々図5及び図6に示したチャートのとおりであった。これらのスペクトル解析によると、得られた反応生成物は、化学式(V-9)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(V-10)〜(V-12)で示されるイミダゾールシラン化合物等との混合物であると推定される。
Figure 2014009190
Figure 2014009190
なお、化学式(V-10)〜(V-12)で示されるイミダゾールシラン化合物は、3−ヨードプロピルトリメトキシシランのトリメトキシシリル基の加水分解に起因して副生したシラノール基(Si-OH)やシロキサン結合(Si-O-Si)を有する反応生成物であるが、化学式(V-9)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、シランカップリング剤の成分として使用し得るものである。
[実施例4]
<4,5−ジメチル−2−メルカプトイミダゾールを原料とするイミダゾールシラン化合物の合成>
メタノール4mlに、4,5−ジメチル−2−メルカプトイミダゾール0.26g(2.0mmol)、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン0.58g(2.0mmol)及び炭酸水素ナトリウム0.18g(2.1mmol)を投入して反応液を調製し、還流下で攪拌しながら7時間反応を行った。
次いで、反応液から揮発分を留去(濃縮)し、得られた濃縮物をクロロホルム50mlに溶解させ、このクロロホルム溶液を15mlの水で2回洗浄し、10gの硫酸ナトリウムで脱水・乾燥した。
続いて、このクロロホルム溶液を濾過して不溶解物を除去し、揮発分を留去して、淡黄色の固体0.47gを得た。
得られた固体のH−NMRスペクトルデータ及びIRスペクトルデータは、各々図7及び図8に示したチャートのとおりであった。これらのスペクトル解析によると、得られた反応生成物は、化学式(V-13)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(V-14)〜(V-16)で示されるイミダゾールシラン化合物等との混合物であると推定される。
Figure 2014009190
Figure 2014009190
なお、化学式(V-14)〜(V-16)で示されるイミダゾールシラン化合物は、3−ヨードプロピルトリメトキシシランのトリメトキシシリル基の加水分解に起因して副生したシラノール基(Si-OH)やシロキサン結合(Si-O-Si)を有する反応生成物であるが、化学式(V-13)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、シランカップリング剤の成分として使用し得るものである。
[実施例5]
<4−フェニル−2−メルカプトイミダゾールを原料とするイミダゾールシラン化合物の合成>
メタノール4mlに、4−フェニル−2−メルカプトイミダゾール0.35g(2.0mmol)、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン0.58g(2.0mmol)及び炭酸水素ナトリウム0.18g(2.1mmol)を投入して反応液を調製し、還流下で攪拌しながら7時間反応を行った。
次いで、反応液から揮発分を留去(濃縮)し、得られた濃縮物をクロロホルム50mlに溶解させ、このクロロホルム溶液を15mlの水で2回洗浄し、10gの硫酸ナトリウムで脱水・乾燥した。
続いて、このクロロホルム溶液を濾過して不溶解物を除去し、揮発分を留去して、淡褐色の固体0.60gを得た。
得られた固体のH−NMRスペクトルデータ及びIRスペクトルデータは、各々図9及び図10に示したチャートのとおりであった。これらのスペクトル解析によると、得られた反応生成物は、化学式(V-17)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(V-18)〜(V-20)で示されるイミダゾールシラン化合物等との混合物であると推定される。
Figure 2014009190
Figure 2014009190
なお、化学式(V-18)〜(V-20)で示されるイミダゾールシラン化合物は、3−ヨードプロピルトリメトキシシランのトリメトキシシリル基の加水分解に起因して副生したシラノール基(Si-OH)やシロキサン結合(Si-O-Si)を有する反応生成物であるが、化学式(V-17)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、シランカップリング剤の成分として使用し得るものである。
[実施例6]
<2−メルカプトベンゾイミダゾールを原料とするイミダゾールシラン化合物の合成>
メタノール4mlに、2−メルカプトベンゾイミダゾール0.30g(2.0mmol)、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン0.58g(2.0mmol)及び炭酸水素ナトリウム0.18g(2.1mmol)を投入して反応液を調製し、還流下で攪拌しながら7時間反応を行った。
次いで、反応液から揮発分を留去(濃縮)し、得られた濃縮物をクロロホルム50mlに溶解させ、このクロロホルム溶液を15mlの水で2回洗浄し、10gの硫酸ナトリウムで脱水・乾燥した。
続いて、このクロロホルム溶液を濾過して不溶解物を除去し、揮発分を留去して、淡褐色の固体0.53gを得た。
得られた固体のH−NMRスペクトルデータ及びIRスペクトルデータは、各々図11及び図12に示したチャートのとおりであった。これらのスペクトル解析によると、得られた反応生成物は、化学式(VI-1)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(VI-2)〜(VI-4)で示されるイミダゾールシラン化合物等との混合物であると推定される。
Figure 2014009190
Figure 2014009190
なお、化学式(VI-2)〜(VI-4)で示されるイミダゾールシラン化合物は、3−ヨードプロピルトリメトキシシランのトリメトキシシリル基の加水分解に起因して副生したシラノール基(Si-OH)やシロキサン結合(Si-O-Si)を有する反応生成物であるが、化学式(VI-1)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、シランカップリング剤の成分として使用し得るものである。
実施例1で得られた粘性液体のH−NMRスペクトルチャートである。 実施例1で得られた粘性液体のIRスペクトルチャートである。 実施例2で得られた粘性液体のH−NMRスペクトルチャートである。 実施例2で得られた粘性液体のIRスペクトルチャートである。 実施例3で得られた固体のH−NMRスペクトルチャートである。 実施例3で得られた固体のIRスペクトルチャートである。 実施例4で得られた固体のH−NMRスペクトルチャートである。 実施例4で得られた固体のIRスペクトルチャートである。 実施例5で得られた固体のH−NMRスペクトルチャートである。 実施例5で得られた固体のIRスペクトルチャートである。 実施例6で得られた固体のH−NMRスペクトルチャートである。 実施例6で得られた固体のIRスペクトルチャートである。
本発明のイミダゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤は、従来のシランカップリング剤の機能に加えて、イミダゾール化合物に由来する機能を発揮させることができるので、新しい複合材料への利用が期待される。

Claims (3)

  1. 化学式(I)で示される2−メルカプトイミダゾール化合物または化学式(II)で示される2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物。
    Figure 2014009190
    (式中、R〜Rは、水素原子、C1〜C20のアルキル基、アリル基、ベンジル基、またはアリール基を表す。)
    Figure 2014009190
    (式中、RおよびR10は、水素原子またはC1〜C3のアルキル基を表し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、nは1〜3の整数を表す。)
  2. 化学式(I)で示される2−メルカプトイミダゾール化合物または化学式(II)で示される2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させることを特徴とするイミダゾールシラン化合物の合成方法。
    Figure 2014009190
    (式中、R〜Rは、水素原子、C1〜C20のアルキル基、アリル基、ベンジル基、またはアリール基を表す。)
    Figure 2014009190
    (式中、RおよびR10は、水素原子またはC1〜C3のアルキル基を表し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、nは1〜3の整数を表す。)
  3. 請求項1記載のイミダゾールシラン化合物を成分とすることを特徴とするシランカップリング剤。
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