JP2014009304A - 無機クリヤー塗料組成物およびそれを用いた複層塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、建材用の高耐候性塗料およびそれを用いた複層塗膜に関する。より詳しくは、本発明は、被塗物である屋外で用いる建材用基材の上に複層塗膜を形成する際に用いる、高耐候性無機クリヤー塗料組成物に関する。
屋外の建材用塗膜は常に厳しい環境下に曝されており、近年、酸性雨、オゾン層破壊に伴う紫外線の増加等で環境はさらに悪化している。また、市場の要望により、数十年単位の長期耐久性が求められている。すなわち、過酷な環境で、耐候性や耐薬品性等の塗膜性能を長期にわたり保持できる塗料組成物が待ち望まれている。
耐久性が高いと言われる塗料としては、フッ素塗料、アクリルシリコーン塗料、無機系塗料等が挙げられる。しかしながら、フッ素塗料、アクリルシリコーン塗料では、上記塗膜性能を有するものとしては満足のいくものではない。
そこで、無機系塗料をクリヤー塗料として用い、耐久性を上げる試みがされている。例えば、特開平10−60377号公報(特許文献1)には、シラノール含有ポリオルガノシロキサン、グリシドキシプロピル基含有シラン、2つの加水分解基を有するシラン混合物およびアミノ基含有アルコキシシランと硬化触媒とを含有するコーティング剤組成物が開示されている。
また、特開2000−239608号公報(特許文献2)には、オルガノシラン、シラノール基を有するポリオルガノシロキサン、シリカ、硬化触媒を含み、さらに、加水分解性オルガノシロキサンを含有するコーティング組成物は耐クラック性に優れた被膜を形成し得ることが開示されている。
発明者らは、鋭意研究の結果、この無機系クリヤー塗膜上のクラックは、建材用基材である被塗物が水と接触した際に溶出するアルカリ成分と紫外線との複合作用による塗膜の劣化が原因であることを突き止めた。
しかしながら、上記の特許文献1に開示されたコーティング組成物は、長期間使用することによりクラックが発生し、市場が塗膜の品質に対して求める長期耐久性を有していない。また、特許文献2に開示されたコーティング組成物は、アルミニウム板上に形成した塗膜の耐久性については検討されているが、建材用基材が水と接触した際にアルカリ成分を溶出し、紫外線との複合作用により塗膜にクラックが発生することにまで着目しておらず、屋外で使用する建材用基材に用いるには耐候性が不充分であった。
本発明の課題は、上記に示すような優れた塗膜性能を有するために、被塗物と水とが接触した際に溶出するアルカリ成分と紫外線との複合作用に対して、長期間、クラックが発生しにくく、かつ、長期間、高い塗膜の諸性能を維持することができる塗膜を形成できる無機クリヤー塗料組成物と、それから得られる無機の高耐候性クリヤー塗膜を提供することにある。
本発明は、(a)一般式(I):
(b)一般式(II):
(c)三級アミン化合物およびスズ含有化合物よりなる群から選択される硬化触媒;および
(d)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物である無機紫外線吸収剤
を含有する、無機クリヤー塗料組成物である。
ここで、本発明の無機クリヤー塗料組成物は、その態様として、(a)一般式(I)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンと(b)一般式(II)で表されるシランカップリング剤との固形分質量比が、(a):(b)=90:10〜60:40であることが好ましい。
また、本発明の無機クリヤー塗料組成物は、別の態様として、(a)一般式(I)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンが、一般式(III):
また、本発明の無機クリヤー塗料組成物は、別の態様として、(a)一般式(I)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンが、一般式(IV):
また、本発明の無機クリヤー塗料組成物は、別の態様として、(a)一般式(I)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンが、一般式(V):
本発明は、被塗物上に、着色顔料含有塗料を塗布して着色顔料含有塗膜を形成し、前記着色顔料含有塗膜上に、上記の無機クリヤー塗料を塗布して無機クリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法であり、上記被塗物が、被塗物100gをpHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、前記被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHが8.5以上である窯業建材または屋根用スレート建材である、複層塗膜形成方法である。
さらに、本発明は上記の複層塗膜形成方法によって形成された複層塗膜である。
本発明の無機クリヤー塗料組成物は、特定構造を有する(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサン、特定構造を有する(b)シランカップリング剤、(c)硬化触媒および(d)無機紫外線吸収剤を含んでいるため、被塗物である建材用基材上に塗布して塗膜を形成したとき、被塗物と水とが接触した際に溶出するアルカリ成分と紫外線との複合作用に対して、長期間、クラックが発生しにくく、かつ、長期間、高い塗膜の諸性能を維持する塗膜を形成することができる。
本発明の無機クリヤー塗料組成物は、(a)一般式(I):
(b)一般式(II):
(c)三級アミン化合物およびスズ含有化合物よりなる群から選択される硬化触媒、および、(d)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物である無機紫外線吸収剤を含有する。
本発明の無機クリヤー塗料組成物に含まれる(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、シラノール基を有する第1のモノマーユニットとしてモノマーユニットA1[−Si(R1)(OH)−O−]、2つの炭化水素基を有する第2のモノマーユニットとしてモノマーユニットB1[−Si(R1)2−O−]および他のSiと結合するシロキサン構造を有する第3のモノマーユニットとしてモノマーユニットC1[−Si(R1)(X)−O−]からなるランダムコポリマーであり、一般式(I):
一般式(I)中のモノマーユニットA1[−Si(R1)(OH)−O−]のコポリマー内のモル分率a1は、0.05〜0.25、好ましくは0.10〜0.25である。モル分率a1が0.05未満であれば、ランダムコポリマーの硬化点となるOH基含有量が少なすぎて、塗膜の架橋密度が低くなるため長期耐候性試験で水跡が残り、白化しやすくなる。0.25を超えると、残存するシラノール基が多くなるため耐アルカリ性が劣り、長期耐候性試験でもアルカリ成分と紫外線との複合作用による塗膜の光沢の低下やクラックが発生しやすくなる。また、塗膜形成後も残存するシラノール基の架橋が進行するため、塗膜形成後の収縮クラックも発生しやすくなる。
一般式(I)中のモノマーユニットB1[−Si(R1)2−O−]のコポリマー内のモル分率b1は、0〜0.25であり、より好ましくは0〜0.15である。モル分率b1が0.25を超えると、疎水性官能基が増えるため、密着性が低下し、結果的に長期耐候性試験でアルカリ成分と紫外線との複合作用による塗膜の光沢の低下や白化が発生しやすくなる。
一般式(I)中のモノマーユニットC1[−Si(R1)(X)−O−]のコポリマー内のモル分率c1は、0.50〜0.95、より好ましくは0.60〜0.90である。モル分率c1が0.50未満であれば、他のユニットの比率が増えすぎることによって不具合が生じる。0.95を超えると、塗膜の架橋密度が高くなり塗膜にクラックが発生しやすくなる。なお、モル分率a1、b1、およびc1は合計すると1になる。
一般式(I)中のR1は、同一または異種の置換もしくは非置換の、合計炭素数が1〜8である1価の炭化水素基を示す。上記炭素数は置換基中の炭素原子を含める。上記炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、スチリル基などの芳香族基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換炭化水素基;γ−アクリロキシプロピル基、γ-メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも入手の容易さから合計炭素数は1〜4であることが好ましく、具体的には、炭化水素基はアルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
一般式(I)中のXは、酸素原子を介して、同一ポリオルガノシロキサン中または他のポリオルガノシロキサン中の骨格に存在するSiと結合し、ポリオルガノシロキサンが分岐をしているシロキサン構造を示す。
本発明の無機クリヤー塗料組成物に含まれる(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、一般式(I)で表されるランダムコポリマーの1つの態様として、第1のモノマーユニットとしてモノマーユニットA2[−Si(R2)(OH)−O−]および第3のモノマーユニットとしてモノマーユニットC2[−Si(R2)(X)−O−]のランダムコポリマーであり、一般式(III):
一般式(III)中のR2は、同一または異種の置換もしくは非置換の、合計炭素数が1〜8である炭化水素基を示す。上記炭化水素基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基などの置換アルキル基等を例示することができる。より好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基である。
一般式(III)中のXは、一般式(I)中のXと同じである。
一般式(III)中のXは、一般式(I)中のXと同じである。
一般式(III)中のモノマーユニットA2[−Si(R2)(OH)−O−]のコポリマー内のモル分率a2は、0.05〜0.25、好ましくは0.10〜0.25である。モル分率a2が0.05未満であれば、長期耐候性試験で白化しやすくなる。0.25を超えると、耐アルカリ性が劣り、また、長期耐候性試験でアルカリ成分と紫外線との複合作用による塗膜光沢の低下やクラックが発生しやすくなる。
一般式(III)中のモノマーユニットC2[−Si(R2)(X)−O−]のコポリマー内のモル分率c2は、0.75〜0.95である。0.95を超えると、塗膜の架橋密度が高くなりクラックが入りやすくなる。なお、モル分率a2とc2とは合計すると1になる。
本発明による無機クリヤー塗料組成物に含まれる(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、一般式(I)で表されるランダムコポリマーのもう1つの態様として、第1のモノマーユニットとしてモノマーユニットA3[−Si(R3)(OH)−O−]、第2のモノマーユニットとしてモノマーユニットB3[−Si(R3)2−O−]および第3のモノマーユニットとしてモノマーユニットC3[−Si(R3)(X)−O−]のランダムコポリマーであり、一般式(IV):
一般式(IV)中のR3は一般式(III)中のR2と同じものを使うことができる。
一般式(IV)中のXは、一般式(I)中のXと同じである。
一般式(IV)中のXは、一般式(I)中のXと同じである。
一般式(IV)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、一部の置換基が低級脂肪族炭化水素基を2つ含む構造を有することで、主鎖へのアルカリ成分の攻撃を防御することができ、耐アルカリ性がさらに向上する。また、塗膜に柔軟性を付与することができ、クラックが発生しにくくなる。
一般式(IV)中のモノマーユニットA3[−Si(R3)(OH)−O−]のコポリマー内のモル分率a3は、0.05〜0.25、好ましくは0.10〜0.25である。モル分率a3が0.05未満であれば、長期耐候性試験でクリヤー塗膜上に水跡が残り、白化しやすくなる。0.25を超えると、耐アルカリ性が劣り、長期耐候性試験でアルカリ成分と紫外線との複合作用による塗膜の光沢の低下やクラックが発生しやすくなる。
一般式(IV)中のモノマーユニットB3[−Si(R3)2−O−]のコポリマー内のモル分率b3は、0.05〜0.25、好ましくは0.05〜0.15である。モル分率b3が0.25を超えると、疎水性官能基が増えるため、密着性が低下し、長期耐候性試験でアルカリ成分と紫外線との複合作用による塗膜の光沢の低下や白化が発生しやすくなる。0.05未満であれば、当該ユニットによる、耐アルカリ性の向上及び塗膜の柔軟性を付与する効果が得られない。
一般式(IV)中のモノマーユニットC3[−Si(R3)(X)−O−]のコポリマー内のモル分率c3の範囲は、0.50〜0.90である。なお、モル分率a3、b3およびc3は合計すると1になる。
本発明による無機クリヤー塗料組成物に含まれる(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、一般式(I)で表されるランダムコポリマーのもう1つの態様として、第1のモノマーユニットとしてモノマーユニットA4[−Si(R4)(OH)−O−]とモノマーユニットA5[−Si(R5)(OH)−O−]、第2のモノマーユニットとしてモノマーユニットB4[−Si(R4)2−O−]および第3のモノマーユニットとしてモノマーユニットC4[−Si(R4)(X)−O−]とモノマーユニットC5[−Si(R5)(X)−O−]のランダムコポリマーであり、一般式(V):
一般式(V)中のR4は一般式(IV)中のR3と同じものを使うことができる。また、一般式(V)中のR5は同一または異種の置換もしくは非置換の、合計炭素数が6〜8である芳香族基を示す。上記芳香族基は、例えばフェニル基、スチリル基などである。その中でも、フェニル基が入手の容易さから好ましい。
一般式(V)中のXは、一般式(I)中のXと同じである。
一般式(V)中のXは、一般式(I)中のXと同じである。
一般式(V)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンの構造は、一部の置換基に立体障害の大きい芳香環を含むので、クリヤー塗膜の耐アルカリ性、耐薬品性が向上する。
一般式(V)中のモノマーユニットA4[−Si(R4)(OH)−O−]のコポリマー内のモル分率a4は、0.04〜0.24、好ましくは0.10〜0.24である。
一般式(V)中のモノマーユニットA5[−Si(R5)(OH)−O−]のコポリマー内のモル分率a5は、0.01〜0.15、好ましくは0.01〜0.10である。モル分率a5が0.15を超えると、Si−OHの反応性が低下して塗膜の架橋密度が低くなるため長期耐候性試験で白化が発生しやすくなる。なお、モル分率a4とa5とは合計して0.05〜0.25の範囲であることが好ましい。
一般式(V)中のモノマーユニットB4[−Si(R4)2−O−]のコポリマー内のモル分率b4は、0.05〜0.25、好ましくは0.10〜0.25である。モル分率b4が0.25を超えると、密着性が低下し、長期耐候性試験での塗膜の光沢が低下するおそれがある。0.05未満であれば、当該ユニットを含む効果が得られない。
一般式(V)中のモノマーユニットC4[−Si(R4)(X)−O−]のコポリマー内のモル分率c4は、0.40〜0.80である。
一般式(V)中のモノマーユニットC5[−Si(R5)(X)−O−]のコポリマー内のモル分率c5は、0.05〜0.15、好ましくは0.05〜0.10である。モル分率c5が0.15を超えると、塗膜の架橋密度が低くなり長期耐候性試験で白化が発生しやすくなる。なお、モル分率a4、a5、b4、c4およびc5は合計すると1になる。
上記モル分率は例えば、29Si−NMRスペクトルにより求めることができる。具体的には、例えば一般式(V)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンであれば、第1のモノマーユニットであるモノマーユニットA4[−Si(R4)(OH)−O−]のSiシグナルは−53〜−60ppm付近に、モノマーユニットA5[−Si(R5)(OH)−O−]のSiシグナルは−67〜−73ppm付近に観測できる。これらのシグナルの積分値をT2およびT2’とする。また、第2のモノマーユニットであるモノマーユニットB4[−Si(R4)2−O−]のSiシグナルは−15〜−25ppm付近に観測できる。このシグナルの積分値をD2とする。第3のモノマーユニットであるモノマーユニットC4[−Si(R4)(X)−O−]のSiシグナルは−62〜−70ppm付近に、モノマーユニットC5[−Si(R5)(X)−O−]のSiシグナルは−74〜−84ppm付近に観測できる。これらのシグナルの積分値をT3およびT3’とする。
なお、モノマーユニットA5のピークはC4のNMRのピークよりも高磁場側に観察される。
なお、モノマーユニットA5のピークはC4のNMRのピークよりも高磁場側に観察される。
モル分率の計算は、例えば、モル分率a4であれば、下式で計算できる。他のモル分率も同様の方法で計算することができる。
〔数1〕
モル分率a4=T2/(T2+T2’+D2+T3+T3’)
モル分率a4=T2/(T2+T2’+D2+T3+T3’)
(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシランなどの同一または異種の置換もしくは非置換の、合計炭素数が1〜8である1価の炭化水素基を有するアルキルトリクロロシラン、芳香族トリクロロシランまたはジアルキルジシクロロシラン、もしくはこれらに対応するアルコキシシランの1種もしくは2種以上の混合物を公知の方法により大量の水で加水分解することにより得ることができる。
シラノール基はシラノール基同士またはシラノール基とアルコキシシリル基が縮合反応を起こすが、反応温度、反応時間、反応時の濃度等の条件により、縮合反応速度が変わる。シラノール基を有する第一モノマーユニットのモル分率を反応途中で29Si−NMRスペクトルによる上記計測方法により算出することで、適宜、上記反応条件を調整する。
(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算で、1,500〜200,000、好ましくは3,000〜100,000である。
重量平均分子量が1,500未満であれば塗膜の形成が不充分となり耐アルカリ性や耐薬品性が低下するおそれがある。200,000を超えると、塗料の安定性が低下するおそれがある。
本発明の無機クリヤー塗料組成物の固形分100質量部中の、(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンの含有量は、2〜40質量部である。2質量部未満であれば、塗布効率が悪く、40質量部を超えると、粘度が高すぎて、塗料製造効率、塗布作業性が劣るおそれがある。
本発明の無機クリヤー塗料組成物に含まれる(b)シランカップリング剤は以下の一般式(II):
本発明による無機クリヤー塗料組成物に含まれる(b)シランカップリング剤におけるYは、1つ以上の反応性官能基により置換された、合計炭素数が1〜8である1価の炭化水素基であり、上記反応性官能基はグリシジルオキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基および(メタ)アクリロイル基よりなる群から選択される1種以上の官能基である。
本発明による無機クリヤー塗料組成物に含まれる(b)シランカップリング剤は、(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基と架橋して、残存シラノールを少なくすることにより、塗膜の耐アルカリ性を向上させる。また、塗膜に柔軟性を付与し、長期耐候性試験でのクラックの発生を防ぐことができる。
(b)シランカップリング剤におけるR6はフェニル基または炭素数1〜8の炭化水素基であり、より好ましくは、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。また、R7は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基である。
本発明による無機クリヤー塗料組成物に含まれる(b)シランカップリング剤において、用いることができるシランカップリング剤は、特に限定されず、例えば、信越化学工業社、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、東レダウコーニング社、エボニックデグサジャパン社、チッソ社等から販売されているビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、密着性の向上において特に優れた効果を有することから、グリシジルオキシ基を有するシランカップリング剤を使用することがより好ましい。
本発明の無機クリヤー塗料組成物において、(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンと(b)シランカップリング剤との固形分質量比は90:10〜60:40が好ましい。(b)シランカップリング剤の比が10未満であれば、塗膜の架橋が十分に進行せず、残存するシラノール基が多くなり、塗膜に柔軟性がなく、長期耐候性試験で光沢が低下するおそれがある。(b)シランカップリング剤の比が40を超えると、架橋が進みすぎて、塗膜に応力がかかり、クラックが発生するおそれがある。さらに好ましくは85:15〜65:35である。
本発明の無機クリヤー塗料組成物に含まれる(c)硬化触媒は三級アミン化合物およびスズ含有化合物からなる群から選択されるものである。上記三級アミン化合物は、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン等のアミン類;トリエタノールアミン等のエタノールアミン類;N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアミノアルコール類;ピリジン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等のアミノ基を有するその他の有機化合物類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)等が挙げられる。
上記スズ含有化合物は、具体的には、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズ(トリエトキシシロキシ)スズジブチルスズビス(アセチルアセトネート)が挙げられる。
上記(c)硬化触媒としては、DBU、N,N−ジメチルドデシルアミン、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテートからなる群から選択されることが好ましく、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の無機クリヤー塗料組成物において、(c)硬化触媒の含有量は、(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンの固形分質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。
本発明による無機クリヤー塗料組成物に含まれる(d)無機紫外線吸収剤は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物である。無機紫外線吸収剤を用いることで、得られる塗膜の長期耐候性を維持することができるとともに、耐アルカリ性をも向上できる。より好ましくは酸化亜鉛または酸化セリウムであり、さらに好ましくはこれらの表面を疎水処理したものである。このようなもので市販品としては、例えば、酸化亜鉛であればNANOFINE−50A(堺化学工業社製)のように酸化亜鉛微粒子の表面に含水ケイ素酸化合物からなる高密度の被覆層を形成し、さらにその上にオルガノポリシロキサンで被覆層を形成したものが挙げられる。
無機紫外線吸収剤の平均粒子径は、好ましくは0.20μm以下、より好ましくは0.15μm以下である。平均粒子径が0.20μmを超えると塗膜が白濁する。上記平均粒子径は体積換算であり、レーザー光散乱法で測定することによって決定できる。
本発明の無機クリヤー塗料組成物において、(a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンと(b)シランカップリング剤の合計固形分と(d)無機紫外線吸収剤の固形分との質量比は100:10〜100:50であることが好ましい。(d)無機紫外線吸収剤の比が10未満であれば、無機紫外線吸収剤の量が少なすぎて得られる塗膜の耐候性が低下するおそれがある。(d)無機紫外線吸収剤の比が50を超えると、無機紫外線吸収剤の量が多すぎて得られる塗膜にクラックが発生するおそれがある。
上記無機紫外線吸収剤は、無機クリヤー塗料組成物に直接添加してもよいし、分散樹脂と溶剤によりペースト化した後に添加してもよい。
上記無機紫外線吸収剤は、無機クリヤー塗料組成物に直接添加してもよいし、分散樹脂と溶剤によりペースト化した後に添加してもよい。
本発明の無機クリヤー塗料組成物は、上記シラノール基含有ポリオルガノシロキサン、(b)シランカップリング剤、(c)硬化触媒および(d)無機紫外線吸収剤以外に、その他、通常の塗料と同様の各種添加剤等を含むことができる。上記各種添加剤として、例えば、表面調整剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、光安定剤、酸化防止剤、粘性調整剤などが挙げられる。本発明の無機クリヤー塗料組成物は、上述した各成分を攪拌機などにより混合し攪拌することによって調製することができる。
本発明の複層塗膜形成方法は、被塗物上に、着色顔料含有塗料を塗布して着色顔料含有塗膜を形成し、その上に、上述の無機クリヤー塗料組成物を塗布して無機クリヤー塗膜を形成するものである。
上記被塗物は、被塗物100gをpHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、上記被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHが8.5以上である窯業建材または屋根用スレート建材である。このような被塗物は、水と接触することでアルカリ成分が溶出するものであり、本発明の複層塗膜形成方法が優れた効果を発現できるものである。上記窯業建材または屋根用スレート建材は、具体的には、外壁仕上げ材として用いられるものであり、窯業建材は窯業系サイディングとも呼ばれている。上記窯業建材及び屋根用スレート建材は、具体的には、セメント、ケイ酸質原料、繊維質原料、混和材料などを用いて板状に成型し、乾燥(養生・硬化)させることによって製造される、JIS A 5422に規定された建材、JIS A 5423に規定された化粧スレート、硬質木質セメント板、押出成型セメント板、軽量発泡コンクリート(ALC)などが挙げられる。上記試験によるイオン交換水のpHは、例えば、硬質木質セメント板では11.4、押出成型セメント板では11.2、軽量発泡コンクリート(ALC)では9.8である。なお、アルミニウム板では6.7であり、変化はない。
上記被塗物は、密着性向上や耐水性、耐透水性などを向上させるために、予め、当業者において通常用いられるシーラーを塗布してシーラー塗膜を形成していても良い。
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法は、まず、上記被塗物上に、着色顔料含有塗料を塗布して着色顔料含有塗膜を形成するものである。
上記着色顔料含有塗料は、通常、樹脂と着色顔料とを含んでいる。上記樹脂としては特に限定されず、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、塩化ビニルエマルションなどを挙げることができる。
本発明の複層塗膜形成方法は、まず、上記被塗物上に、着色顔料含有塗料を塗布して着色顔料含有塗膜を形成するものである。
上記着色顔料含有塗料は、通常、樹脂と着色顔料とを含んでいる。上記樹脂としては特に限定されず、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、塩化ビニルエマルションなどを挙げることができる。
上記着色顔料としては、特に限定されず、例えば、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、などの有機系着色顔料;黄色酸化鉄、ベンガラ、チタンイエロー、亜鉛華、カーボンブラック、二酸化チタン、コバルトブルーなどの無機系着色顔料;マイカ顔料;アルミナフレーク顔料、金属チタンフレーク、有色偏平顔料;などが挙げられる。
着色顔料含有塗料は、上記樹脂および着色顔料の他、必要に応じその他の成分を含んでもよい。その他の成分として、例えば、体質顔料(炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪酸マグネシウム、クレー、タルク、シリカ、焼成カオリンなど)意匠材料(砂、硅砂、カラーサンド、ビーズ、カラーチップ、ガラスチップおよびカラービーズなど)、造膜助剤、表面調整剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、光安定剤、酸化防止剤、pH調整剤、粘性調整剤などが挙げられる。
上記着色顔料含有塗料の固形分に対する顔料質量濃度(PWC)は5〜70質量%であることが好ましい。上記PWCが5質量%未満であると、下地隠蔽性が劣り、上記PWCが70質量%を超えると、耐侯性が低下するおそれがある。PWCは20〜45質量%であることがより好ましい。
上記着色顔料含有塗料は、上記樹脂および着色顔料、必要に応じその他の成分を、攪拌機などにより攪拌、混合することによって調製することができる。
上記着色顔料含有塗料の塗布方法としては特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアスプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター等の一般に用いられている塗布方法等を挙げることができる。これらは基材の用途に応じて適宜選択することができる。
塗布した後、そのまま放置または加熱して強制乾燥することによって、着色顔料含有塗膜を形成することができる。
このようにして得られる着色顔料含有塗膜の膜厚は5〜350μm、好ましくは20〜300μmである。
このようにして得られる着色顔料含有塗膜の膜厚は5〜350μm、好ましくは20〜300μmである。
本発明の複層塗膜形成方法は、次に、得られた着色顔料含有塗膜上に上述の無機クリヤー塗料を塗布して無機クリヤー塗膜を形成するものである。上記無機クリヤー塗料の塗布方法としては特に限定されず、上記着色顔料含有塗料で述べたものが挙げられる。
塗布した後、そのまま放置または加熱して強制乾燥することによって、無機クリヤー塗膜を形成することができる。
このようにして得られる無機クリヤー塗膜の膜厚は0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
このようにして得られる無機クリヤー塗膜の膜厚は0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
なお、本発明の複層塗膜形成方法の後、得られた無機クリヤー塗膜上に親水化処理剤を塗布して親水化処理膜を形成することができる。上記親水化処理剤としては特に限定されず、例えば、界面活性剤とコロイダルシリカとからなり、さらに、酸化亜鉛、酸化チタンなどの光触媒を含むものを挙げることができる。上記親水化処理剤の塗布方法としては特に限定されず、上記着色顔料含有塗料で述べたものが挙げられる。
複層塗膜
本発明の複層塗膜は、上述の複層塗膜形成方法によって得られるものである。本発明の複層塗膜の膜厚は6〜350μm、好ましくは20〜300μmである。
本発明の複層塗膜は、上述の複層塗膜形成方法によって得られるものである。本発明の複層塗膜の膜厚は6〜350μm、好ましくは20〜300μmである。
製造例1 シラノール基含有ポリオルガノシロキサン1の調整
表1に示すように、メチルトリクロロシラン300部をトルエン300部と混合し、これを、還流冷却器付きの容器に入れた水700部とメタノール100部の混合液中に、温度を50℃以下に保ちながら撹拌しつつ滴下し、8時間かけて、加水分解・縮合させた。生成したシラノール基含有ポリオルガノシロキサンを水で洗浄し、副生した塩化水素を除去した。これを減圧下で加熱し、溶剤の一部として残存する水を除去し、固形分濃度50%のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのトルエン溶液Aを得た。得られたトルエン溶液Aを撹拌機、コンデンサー、減圧装置、及び温度計を備えた脱溶剤装置に仕込み、減圧下にて50℃に加熱して、5時間かけて溶剤を完全に留去した。得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン1は、軟化点109℃の固体であった。
表1に示すように、メチルトリクロロシラン300部をトルエン300部と混合し、これを、還流冷却器付きの容器に入れた水700部とメタノール100部の混合液中に、温度を50℃以下に保ちながら撹拌しつつ滴下し、8時間かけて、加水分解・縮合させた。生成したシラノール基含有ポリオルガノシロキサンを水で洗浄し、副生した塩化水素を除去した。これを減圧下で加熱し、溶剤の一部として残存する水を除去し、固形分濃度50%のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのトルエン溶液Aを得た。得られたトルエン溶液Aを撹拌機、コンデンサー、減圧装置、及び温度計を備えた脱溶剤装置に仕込み、減圧下にて50℃に加熱して、5時間かけて溶剤を完全に留去した。得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン1は、軟化点109℃の固体であった。
得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン1に含まれる第1のモノマーユニットであるモノマーユニットA2[−Si(CH3)(OH)−O−]および第3のモノマーユニットであるモノマーユニットC2[−Si(CH3)(X)−O−]を29Si−NMRスペクトルにより求めた。なお、Xは酸素原子を介して、同一ポリオルガノシロキサン中または他のポリオルガノシロキサン中の骨格に存在するSiと結合するシロキサン構造を示す。
具体的には、モノマーユニットA2のSiシグナルは−53〜−60ppm付近、モノマーユニットC2のSiシグナルは−62〜−70ppm付近に観測できるので、これらのシグナルの積分値を求める。
次に、モノマーユニットA2のSiシグナルの積分値をT2、モノマーユニットC2のSiシグナルの積分値をT3とすると、モノマーユニットA2のモル分率a2は、下式で計算できる。
具体的には、モノマーユニットA2のSiシグナルは−53〜−60ppm付近、モノマーユニットC2のSiシグナルは−62〜−70ppm付近に観測できるので、これらのシグナルの積分値を求める。
次に、モノマーユニットA2のSiシグナルの積分値をT2、モノマーユニットC2のSiシグナルの積分値をT3とすると、モノマーユニットA2のモル分率a2は、下式で計算できる。
〔数1〕
モル分率a2=T2/(T2+T3)
モル分率a2=T2/(T2+T3)
シラノール基含有ポリオルガノシロキサン1は、D2=0、T2=1.2716、T3=7.1618であったので、29Si−NMRスペクトルにより求めたモル分率a2は、1.2716/(1.2716+7.1618)=0.15であった。また、モル分率c2は0.85であった。
得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン1の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定し、ポリスチレン換算したところ、9,600であった。
製造例2 シラノール基含有ポリオルガノシロキサン2の調製
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、液体のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン2を調製した。
得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン2のモノマーユニットA3[−Si(CH3)(OH)−O−]、モノマーユニットB3[−Si(CH3)2−O−]、モノマーユニットC3[−Si(CH3)(X)−O−]のモル分率a3、b3、c3を29Si−NMRスペクトルにより求めた。モノマーユニットA3およびC3のSiシグナルはモノマーユニットA2およびC2と同じ位置に観察される。モノマーユニットB3のSiシグナルは−15〜−25ppm付近に観測できる。観察されたピークの積分値を求め、モル分率を計算した。求めたモル分率は表1に示す。
また、ポリスチレン換算による重量平均分子量は55,000であった。
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、液体のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン2を調製した。
得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン2のモノマーユニットA3[−Si(CH3)(OH)−O−]、モノマーユニットB3[−Si(CH3)2−O−]、モノマーユニットC3[−Si(CH3)(X)−O−]のモル分率a3、b3、c3を29Si−NMRスペクトルにより求めた。モノマーユニットA3およびC3のSiシグナルはモノマーユニットA2およびC2と同じ位置に観察される。モノマーユニットB3のSiシグナルは−15〜−25ppm付近に観測できる。観察されたピークの積分値を求め、モル分率を計算した。求めたモル分率は表1に示す。
また、ポリスチレン換算による重量平均分子量は55,000であった。
製造例3 シラノール基含有ポリオルガノシロキサン3の調製
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、液体のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン3を調製した。
得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン3のモノマーユニットA4[−Si(CH3)(OH)−O−]、モノマーユニットA5[−Si(Ph)(OH)−O−]、モノマーユニットB4[−Si(CH3)2−O−]、モノマーユニットC4[−Si(CH3)(X)−O−]、モノマーユニットC5[−Si(Ph)(X)−O−]のモル分率a4、a5、b4、c4、c5を29Si−NMRスペクトルにより求めた。モノマーユニットA4、B4およびC4のSiシグナルはモノマーユニットA3、B3およびC3と同じ位置に観察される。モノマーユニットB5のSiシグナルは−67〜−73ppm付近に、モノマーユニットB5のSiシグナルは−74〜−84ppm付近に観測できる。観察されたピークの積分値を求め、モル分率を計算した。求めたモル分率は表1に示す。
また、ポリスチレン換算による重量平均分子量は23,000であった。
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、液体のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン3を調製した。
得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン3のモノマーユニットA4[−Si(CH3)(OH)−O−]、モノマーユニットA5[−Si(Ph)(OH)−O−]、モノマーユニットB4[−Si(CH3)2−O−]、モノマーユニットC4[−Si(CH3)(X)−O−]、モノマーユニットC5[−Si(Ph)(X)−O−]のモル分率a4、a5、b4、c4、c5を29Si−NMRスペクトルにより求めた。モノマーユニットA4、B4およびC4のSiシグナルはモノマーユニットA3、B3およびC3と同じ位置に観察される。モノマーユニットB5のSiシグナルは−67〜−73ppm付近に、モノマーユニットB5のSiシグナルは−74〜−84ppm付近に観測できる。観察されたピークの積分値を求め、モル分率を計算した。求めたモル分率は表1に示す。
また、ポリスチレン換算による重量平均分子量は23,000であった。
製造例4 シラノール基含有ポリオルガノシロキサン4の調製
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、液体のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン4を調製した。
得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン4のモノマーユニットA3[−Si(CH3)(OH)−O−]、モノマーユニットB3[−Si(CH3)2−O−]、モノマーユニットC3[−Si(CH3)(X)−O−]のモル分率a3、b3、c3を29Si−NMRスペクトルにより求めた。モノマーユニットA3およびC3のSiシグナルはモノマーユニットA2およびC2と同じ位置に観察される。モノマーユニットB3のSiシグナルは−15〜−25ppm付近に観測できる。観察されたピークの積分値を求め、モル分率を計算した。求めたモル分率は表1に示す。
また、ポリスチレン換算による重量平均分子量は135,000であった。
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、液体のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン4を調製した。
得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン4のモノマーユニットA3[−Si(CH3)(OH)−O−]、モノマーユニットB3[−Si(CH3)2−O−]、モノマーユニットC3[−Si(CH3)(X)−O−]のモル分率a3、b3、c3を29Si−NMRスペクトルにより求めた。モノマーユニットA3およびC3のSiシグナルはモノマーユニットA2およびC2と同じ位置に観察される。モノマーユニットB3のSiシグナルは−15〜−25ppm付近に観測できる。観察されたピークの積分値を求め、モル分率を計算した。求めたモル分率は表1に示す。
また、ポリスチレン換算による重量平均分子量は135,000であった。
製造例5 シラノール基含有ポリオルガノシロキサン5の調製
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、液体のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン5を調製した。
製造例2と同様に29Si−NMRスペクトルによりモル分率を求めた。求めたモル分率は表1に示す。
ポリスチレン換算による重量平均分子量は14,300であった。
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、液体のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン5を調製した。
製造例2と同様に29Si−NMRスペクトルによりモル分率を求めた。求めたモル分率は表1に示す。
ポリスチレン換算による重量平均分子量は14,300であった。
製造例6 シラノール基含有ポリオルガノシロキサン6の調製
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、シラノール基含有ポリオルガノシロキサン溶液を調製した後、得られた溶液を撹拌機、コンデンサー、減圧装置、及び温度計を備えた脱溶剤装置に仕込み、減圧下常温で8時間かけて溶剤を完全に留去した。得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン6は、常温で液体であった。
製造例3と同様に29Si−NMRスペクトルによりモル分率を求めた。求めたモル分率は表1に示す。
ポリスチレン換算による重量平均分子量は5,400であった。
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、シラノール基含有ポリオルガノシロキサン溶液を調製した後、得られた溶液を撹拌機、コンデンサー、減圧装置、及び温度計を備えた脱溶剤装置に仕込み、減圧下常温で8時間かけて溶剤を完全に留去した。得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン6は、常温で液体であった。
製造例3と同様に29Si−NMRスペクトルによりモル分率を求めた。求めたモル分率は表1に示す。
ポリスチレン換算による重量平均分子量は5,400であった。
製造例7 シラノール基含有ポリオルガノシロキサン7の調製
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、シラノール基含有ポリオルガノシロキサン溶液を調製した後、得られた溶液を撹拌機、コンデンサー、減圧装置、及び温度計を備えた脱溶剤装置に仕込み、減圧下にて50℃に加熱して、5時間かけて溶剤を完全に留去した。その後12時間加熱時間を延長し、シラノール基量を低下させた。得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン7は、液体であった。
製造例2と同様に29Si−NMRスペクトルによりモル分率を求めた。求めたモル分率は表1に示す。
ポリスチレン換算による重量平均分子量は30,000であった。
製造例1と同様に、表1の配合にもとづき、シラノール基含有ポリオルガノシロキサン溶液を調製した後、得られた溶液を撹拌機、コンデンサー、減圧装置、及び温度計を備えた脱溶剤装置に仕込み、減圧下にて50℃に加熱して、5時間かけて溶剤を完全に留去した。その後12時間加熱時間を延長し、シラノール基量を低下させた。得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン7は、液体であった。
製造例2と同様に29Si−NMRスペクトルによりモル分率を求めた。求めたモル分率は表1に示す。
ポリスチレン換算による重量平均分子量は30,000であった。
製造例8 微粒子酸化亜鉛ペーストの調製
NANOFINE−50A(商品名、平均粒子径が0.025μmの微粒子酸化亜鉛、堺化学社製)を40部、DISPERBYK−110(商品名、湿潤分散剤、ビックケミー・ジャパン社製)を5部、希釈溶媒としてメトキシプロピルアセテートを55部添加して、ディスパーで約30分攪拌した。さらに1mm ガラスビーズを用いて、サンドミルを用いて3,000rpmで1時間分散することにより微粒子酸化亜鉛ペーストを作成した。
NANOFINE−50A(商品名、平均粒子径が0.025μmの微粒子酸化亜鉛、堺化学社製)を40部、DISPERBYK−110(商品名、湿潤分散剤、ビックケミー・ジャパン社製)を5部、希釈溶媒としてメトキシプロピルアセテートを55部添加して、ディスパーで約30分攪拌した。さらに1mm ガラスビーズを用いて、サンドミルを用いて3,000rpmで1時間分散することにより微粒子酸化亜鉛ペーストを作成した。
製造例9 着色顔料含有塗料の調製
DISPERBYK−190(商品名、湿潤分散剤、ビックケミー・ジャパン社製)3部、チタンCR−95(商品名、二酸化チタン、石原産業社製)50部、沈降性硫酸バリウム#100(商品名、沈降性硫酸バリウム、堺化学社製)40部、脱イオン水20部からなるチタン白分散ペーストにアニオン性水性樹脂分散体としてリカボンドES−85(商品名、固形分濃度51.0%のアクリル樹脂、中央理化工業社製)を208部、25%アンモニア水を0.5部、混合し、さらに、サノールLS292(商品名、ヒンダードアミン系光安定剤、三共社製)1部、テキサノール(商品名、造膜助剤、イーストマン社製)11部、及び、脱イオン交換水240部を添加した。最後に、NK−2カップ(商品名、粘度カップ、アネスト岩田社製)で40秒となるように、増粘剤(商品名:プライマルASE−60、ローム&ハース社製)の添加により粘性調整して、着色顔料含有塗料を得た。
DISPERBYK−190(商品名、湿潤分散剤、ビックケミー・ジャパン社製)3部、チタンCR−95(商品名、二酸化チタン、石原産業社製)50部、沈降性硫酸バリウム#100(商品名、沈降性硫酸バリウム、堺化学社製)40部、脱イオン水20部からなるチタン白分散ペーストにアニオン性水性樹脂分散体としてリカボンドES−85(商品名、固形分濃度51.0%のアクリル樹脂、中央理化工業社製)を208部、25%アンモニア水を0.5部、混合し、さらに、サノールLS292(商品名、ヒンダードアミン系光安定剤、三共社製)1部、テキサノール(商品名、造膜助剤、イーストマン社製)11部、及び、脱イオン交換水240部を添加した。最後に、NK−2カップ(商品名、粘度カップ、アネスト岩田社製)で40秒となるように、増粘剤(商品名:プライマルASE−60、ローム&ハース社製)の添加により粘性調整して、着色顔料含有塗料を得た。
実施例1
表2に示すように、製造例1で得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン1を80部、トルエン80部に溶解させた。その後、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを20部、硬化触媒としてエンビライザーL−101(商品名、ジブチルスズジラウレート、東京ファインケミカル社製)を1部、製造例8で得た微粒子酸化亜鉛ペースト40部、トルエン400部を加えて、攪拌混合し、無機クリヤー塗料組成物1を得た。
表2に示すように、製造例1で得られたシラノール基含有ポリオルガノシロキサン1を80部、トルエン80部に溶解させた。その後、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを20部、硬化触媒としてエンビライザーL−101(商品名、ジブチルスズジラウレート、東京ファインケミカル社製)を1部、製造例8で得た微粒子酸化亜鉛ペースト40部、トルエン400部を加えて、攪拌混合し、無機クリヤー塗料組成物1を得た。
被塗物として窯業建材である硬質木質セメント板を用意した。なお、この被塗物100gを、pHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHは11.4であった。
上記被塗物上に、オーデタイト128シーラー(商品名、シーラー、日本ペイント社製)を乾燥膜厚50μmとなるようエアスプレーにより塗布し、室温で4時間乾燥させた。次いで、シーラー上に、製造例9で得られた着色顔料含有塗料を、乾燥膜厚が50μmとなるようにエアスプレーにより塗布し、80℃で10分間加熱し着色顔料含有塗膜を形成した。
さらに得られた着色顔料含有塗膜上に、上記で調製した無機クリヤー塗料組成物1を乾燥膜厚5μmとなるようにエアスプレーにより塗布し、120℃で10分間加熱して無機クリヤー塗膜を形成して、乾燥膜厚が55μmの複層塗膜を得た。
上記被塗物上に、オーデタイト128シーラー(商品名、シーラー、日本ペイント社製)を乾燥膜厚50μmとなるようエアスプレーにより塗布し、室温で4時間乾燥させた。次いで、シーラー上に、製造例9で得られた着色顔料含有塗料を、乾燥膜厚が50μmとなるようにエアスプレーにより塗布し、80℃で10分間加熱し着色顔料含有塗膜を形成した。
さらに得られた着色顔料含有塗膜上に、上記で調製した無機クリヤー塗料組成物1を乾燥膜厚5μmとなるようにエアスプレーにより塗布し、120℃で10分間加熱して無機クリヤー塗膜を形成して、乾燥膜厚が55μmの複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜の耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を以下の基準で評価した。評価結果を表3に示した。
[評価基準]
A.耐アルカリ性
得られた複層塗膜を有する被塗物を飽和水酸化カルシウム溶液に浸漬し、10日後の塗膜外観を目視評価した。4点以上を合格とした。評価基準は以下のとおりとした。
5 全く異常なし。
4 部分的に光沢が低下した。
3 全面に光沢が低下した。
2 部分的に白化及びクラックが発生した。
1 全面に白化及びクラックが発生した。
A.耐アルカリ性
得られた複層塗膜を有する被塗物を飽和水酸化カルシウム溶液に浸漬し、10日後の塗膜外観を目視評価した。4点以上を合格とした。評価基準は以下のとおりとした。
5 全く異常なし。
4 部分的に光沢が低下した。
3 全面に光沢が低下した。
2 部分的に白化及びクラックが発生した。
1 全面に白化及びクラックが発生した。
B.耐凍結融解性
得られた複層塗膜を有する被塗物をJIS A 1435に規定される耐凍害性試験(気中凍結水中融解法)を行い、200サイクル後の塗膜外観を目視評価した。4点以上を合格とした。評価基準は以下のとおりとした。
5 クラックが発生していない。
4 クラックが発生し、その面積は塗膜全体の5%未満である
3 クラックが発生し、その面積は塗膜全体の5%以上30%未満である。
2 クラックが発生し、その面積は塗膜全体の30%以上50%未満である。
1 クラックが発生し、その面積は塗膜全体の50%以上である。
得られた複層塗膜を有する被塗物をJIS A 1435に規定される耐凍害性試験(気中凍結水中融解法)を行い、200サイクル後の塗膜外観を目視評価した。4点以上を合格とした。評価基準は以下のとおりとした。
5 クラックが発生していない。
4 クラックが発生し、その面積は塗膜全体の5%未満である
3 クラックが発生し、その面積は塗膜全体の5%以上30%未満である。
2 クラックが発生し、その面積は塗膜全体の30%以上50%未満である。
1 クラックが発生し、その面積は塗膜全体の50%以上である。
C.促進耐候性
得られた複層塗膜を有する被塗物を岩崎電気社製アイスーパーUVテスターで促進試験6時間照射(温度63℃、湿度40%)2時間湿潤(湿度95%)を1サイクルとして促進耐候性試験を行い、100サイクル後の塗膜の外観について、光沢保持率をデジタル変角光沢計(スガ試験機社製)により評価した。4点以上を合格とした。評価基準は以下のとおりとした。
5 光沢保持率が90%以上である。
4 光沢保持率が70%以上90%未満である。
3 光沢保持率が50%以上70%未満である。
2 光沢保持率が20%以上50%未満である。
1 光沢保持率が20%未満である。
得られた複層塗膜を有する被塗物を岩崎電気社製アイスーパーUVテスターで促進試験6時間照射(温度63℃、湿度40%)2時間湿潤(湿度95%)を1サイクルとして促進耐候性試験を行い、100サイクル後の塗膜の外観について、光沢保持率をデジタル変角光沢計(スガ試験機社製)により評価した。4点以上を合格とした。評価基準は以下のとおりとした。
5 光沢保持率が90%以上である。
4 光沢保持率が70%以上90%未満である。
3 光沢保持率が50%以上70%未満である。
2 光沢保持率が20%以上50%未満である。
1 光沢保持率が20%未満である。
実施例2〜4
表2の配合に従い、実施例1と同様にして無機クリヤー塗料組成物2〜4を得た。
さらに、無機クリヤー塗料組成物1に代えて、得られた無機クリヤー塗料組成物2〜4を各々用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜を有する被塗物について、実施例1と同様にして耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を評価した。評価結果を表3に示した。
表2の配合に従い、実施例1と同様にして無機クリヤー塗料組成物2〜4を得た。
さらに、無機クリヤー塗料組成物1に代えて、得られた無機クリヤー塗料組成物2〜4を各々用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜を有する被塗物について、実施例1と同様にして耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を評価した。評価結果を表3に示した。
実施例5
表2の配合に従い、実施例1と同様にして無機クリヤー塗料組成物5を得た。
さらに、被塗物として窯業建材である押出成形セメント板を用いたこと、および、無機クリヤー塗料組成物1に代えて、得られた無機クリヤー塗料組成物5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
表2の配合に従い、実施例1と同様にして無機クリヤー塗料組成物5を得た。
さらに、被塗物として窯業建材である押出成形セメント板を用いたこと、および、無機クリヤー塗料組成物1に代えて、得られた無機クリヤー塗料組成物5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜を有する被塗物について、実施例1と同様にして耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を評価した。評価結果を表3に示した。
なお、この被塗物100gを、pHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHは11.2であった。
なお、この被塗物100gを、pHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHは11.2であった。
実施例6
表2の配合に従い、実施例1と同様にして無機クリヤー塗料組成物6を得た。
さらに、被塗物として窯業建材である軽量発泡セメント板を用いたこと、および、無機クリヤー塗料組成物1に代えて、得られた無機クリヤー塗料組成物6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
表2の配合に従い、実施例1と同様にして無機クリヤー塗料組成物6を得た。
さらに、被塗物として窯業建材である軽量発泡セメント板を用いたこと、および、無機クリヤー塗料組成物1に代えて、得られた無機クリヤー塗料組成物6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜を有する被塗物について、実施例1と同様にして耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を評価した。評価結果を表3に示した。
なお、この被塗物100gを、pHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHは9.8であった。
なお、この被塗物100gを、pHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHは9.8であった。
比較例1〜5
表2の配合に従い、実施例1と同様にして無機クリヤー塗料組成物7〜11を得た。
さらに、無機クリヤー塗料組成物1に代えて、得られた無機クリヤー塗料組成物7〜11を各々用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜を有する被塗物について、実施例1と同様にして耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を評価した。評価結果を表3に示した。
表2の配合に従い、実施例1と同様にして無機クリヤー塗料組成物7〜11を得た。
さらに、無機クリヤー塗料組成物1に代えて、得られた無機クリヤー塗料組成物7〜11を各々用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜を有する被塗物について、実施例1と同様にして耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を評価した。評価結果を表3に示した。
参考例1
被塗物としてアルミニウム板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜を有する被塗物について、実施例1と同様にして耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を評価した。評価結果を表3に示した。
なお、この被塗物100gを、pHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHは6.7であった。
被塗物としてアルミニウム板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
得られた複層塗膜を有する被塗物について、実施例1と同様にして耐アルカリ性、耐凍結融解性および促進耐候性を評価した。評価結果を表3に示した。
なお、この被塗物100gを、pHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHは6.7であった。
表3に示した評価結果からわかるように、本発明で規定した量の(CH3)2Si基やSi−OH基を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン1〜4を含有する無機クリヤー塗料組成物1〜6を用いて得られた複層塗膜の評価結果は、いずれの評価項目についても合格であった。
しかしながら、疎水性の(CH3)2Si基が多すぎるシラノール基含有ポリオルガノシロキサン5、Si−OH基が多すぎるシラノール基含有ポリオルガノシロキサン6、SiOH基が少なすぎるシラノール基含有ポリオルガノシロキサン7を各々含有する無機クリヤー塗料組成物7〜9を用いて得られた複層塗膜の評価結果は、少なくとも1以上の評価項目について不合格であった。
また、シランカップリング剤を含まない無機クリヤー塗料組成物10、および、無機紫外線吸収剤を含まない無機クリヤー塗料組成物11を用いて得られた複層塗膜の評価結果も、少なくとも1以上の評価項目について不合格であった。
本発明の無機クリヤー塗料組成物は、窯業建材または屋根用スレート建材に好適に用いることができる。
Claims (7)
- (a)一般式(I):
(式中、R1は、同一または異種の置換もしくは非置換の、合計炭素数が1〜8である1価の炭化水素基を示し、Xは、酸素原子を介して、同一ポリオルガノシロキサン中または他のポリオルガノシロキサン中の骨格に存在するSiと結合するシロキサン構造を示し、a1、b1およびc1は、ランダムコポリマー中のモル分率を意味し、それぞれ、0.05≦a1≦0.25、0≦b1≦0.25、0.50≦c1≦0.95およびa1+b1+c1=1の関係を満たす数である。)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサン;
(b)一般式(II):
(式中、Yは合計炭素数が1〜8であり、1価の炭化水素基が1つ以上の反応性官能基により置換されたものであり、前記反応性官能基はグリシジルオキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基および(メタ)アクリロイル基よりなる群から選択される1種以上の官能基であり、R6はフェニル基または全炭素数が1〜8である1価の炭化水素基、R7は全炭素数が1〜4のアルキル基、nは0〜2の整数を示す。)で表されるシランカップリング剤;
(c)三級アミン化合物およびスズ含有化合物からなる群から選択される硬化触媒;および
(d)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物である無機紫外線吸収剤
を含有する、無機クリヤー塗料組成物。 - (a)一般式(I)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンと(b)一般式(II)で表されるシランカップリング剤との固形分質量比が、(a):(b)=90:10〜60:40である、請求項1に記載の無機クリヤー塗料組成物。
- (a)一般式(I)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンが、一般式(IV):
(式中、R3は、同一または異種の置換もしくは非置換の、合計炭素数が1〜8であるアルキル基を示し、Xは、酸素原子を介して、同一ポリオルガノシロキサン中または他のポリオルガノシロキサン中の骨格に存在するSiと結合するシロキサン構造を示し、a3、b3およびc3は、ランダムコポリマー中のモル分率を意味し、それぞれ、0.05≦a3≦0.25、0.05≦b3≦0.25、0.50≦c3≦0.90およびa3+b3+c3=1の関係を満たす数である。)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンである、請求項1に記載の無機クリヤー塗料組成物。 - (a)一般式(I)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンが、一般式(V):
(式中、R4は、同一または異種の置換もしくは非置換の、合計炭素数が1〜8であるアルキル基を示し、R5は同一または異種の置換もしくは非置換の、合計炭素数が6〜8の芳香族基を示し、Xは、酸素原子を介して、同一ポリオルガノシロキサン中または他のポリオルガノシロキサン中の骨格に存在するSiと結合するシロキサン構造を示し、a4、b4、c4、a5およびc5は、ランダムコポリマー中のモル分率を意味し、それぞれ、0.04≦a4≦0.24、0.05≦b4≦0.25、0.40≦c4≦0.80、0.01≦a5≦0.15、0.05≦c5≦0.15の関係を満たし、さらに0.05≦a4+a5≦0.25およびa4+b4+c4+a5+c5=1の関係を満たす数である。)で表されるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンである、請求項1に記載の無機クリヤー塗料組成物。 - 被塗物上に、着色顔料含有塗料を塗布して着色顔料含有塗膜を形成し、前記着色顔料含有塗膜上に、請求項1〜5に記載の無機クリヤー塗料組成物を塗布して無機クリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法であり、前記被塗物が、被塗物100gをpHが6.7であるイオン交換水1Lに浸漬して23℃で24時間静置し、前記被塗物を取り除いた後のイオン交換水のpHが8.5以上である窯業建材または屋根用スレート建材である、複層塗膜形成方法。
- 請求項6に記載の複層塗膜形成方法によって形成された、複層塗膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012147346A JP2014009304A (ja) | 2012-06-29 | 2012-06-29 | 無機クリヤー塗料組成物およびそれを用いた複層塗膜形成方法 |
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| JP2012147346A JP2014009304A (ja) | 2012-06-29 | 2012-06-29 | 無機クリヤー塗料組成物およびそれを用いた複層塗膜形成方法 |
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| JP2014009304A true JP2014009304A (ja) | 2014-01-20 |
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ID=50106286
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| JP (1) | JP2014009304A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN118256142A (zh) * | 2024-05-31 | 2024-06-28 | 中国建筑西南设计研究院有限公司 | 一种常温固化抗菌水性陶瓷涂料及制备方法 |
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2012
- 2012-06-29 JP JP2012147346A patent/JP2014009304A/ja active Pending
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