JP2014012776A - ヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体。 - Google Patents

ヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体。 Download PDF

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Abstract

【課題】高度な難燃性を有し、ヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供すること。
【解決手段】(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対して、(B)融点が300℃を超える臭素系難燃剤7〜15質量部、(C)難燃助剤1〜6質量部、及び (D) 高級脂肪酸金属塩0.1〜1.5質量部を含有することを特徴とするヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体。
【選択図】図1

Description

本発明は、高度な難燃性を有し、ヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供する。
スチレン系樹脂はその特性を生かし広範囲な用途に使用されている。中でも高度な難燃性を付与させたスチレン系難燃性樹脂はパーソナルコンピュータ、プリンター、複写機等のOA機器、TV、オーディオ等の家電製品等を初めとする多岐の分野で使用されている。これらOA機器および家電製品等の成形品では、近年組み立て作業簡素化の観点から成形品の一体成形が求められており、この要求に対しては成形品にヒンジ部位を導入することで一体成形を可能にしている。しかしながら、難燃剤を配合したスチレン系難燃樹脂は難燃剤を配合しないスチレン系樹脂と比較して物理的性質が劣ることが知られているため、ヒンジを有する一体成形品においては従来の難燃性を維持し、かつヒンジ特性の改善が強く望まれている。
一方、難燃剤を配合しないスチレン系樹脂においては、ポリスチレン樹脂にオルガノポリシロキサンを配合することでヒンジ特性を向上させる手法(特許文献1参照)および、スチレンブタジエンブロック共重合体を用いることでヒンジ特性を向上させる手法(特許文献2参照)が知られているが、高度な難燃性とヒンジ特性を併せ持つスチレン系難燃性樹脂については報告が無い。
特開 昭60−144530号公報 特開 2004−18800号公報
本発明はこのような現状を鑑み、上記の問題点を解決し、高度な難燃性を有し、ヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することである。
本発明者は、これらの諸問題を解決すべく、鋭意研究した結果、ゴム変性ポリスチレン樹脂に、臭素系難燃剤、更に難燃助剤び高級脂肪酸金属塩を配合することにより、高い難燃性を保持しながらヒンジ特性を有するスチレン系難燃性樹脂組成物を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。

(1).(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対して、(B)融点が300℃を超える臭素系難燃剤7〜15質量部、(C)難燃助剤1〜6質量部、及び (D) 高級脂肪酸金属塩0.1〜1.5質量部とを含有することを特徴とするヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
(2).スチレン系難燃性樹脂組成物中のゴム含有量が8.0質量%以上である前記(1)に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
(3).(B)臭素系難燃剤が、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタンである前記(1)又は(2)に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
(4).(C)難燃助剤が、三酸化アンチモンであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
(5).(D)高級脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛である前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
(6).前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする成形体。
本発明のスチレン系難燃性樹脂組成物は、難燃性およびヒンジ特性に優れるため、ヒンジを有するOA機器や家電部品等での使用が有利になる。
本発明に用いるヒンジ形状試験片の側面図である。 本発明に用いるヒンジ形状試験片の平面図である。 本発明に用いるヒンジ形状試験片のヒンジ部拡大図である。
以下に、本発明のスチレン系難燃性樹脂組成物について詳細に説明する。本発明で言うヒンジとは、例えば図に示したような形状を有したものであり、成形品のある部分において1回以上の曲げまたは折り曲げ荷重が加えられる薄肉部を称してヒンジと呼ぶ。ヒンジの形状についての制約は特になく、シート状、帯状、ひも状等を含む。また、ヒンジはその厚さおよび長さについて規定されるものではない。また、本発明におけるヒンジ特性とは、ヒンジにおける曲げまたは折り曲げ荷重に対する耐久性と定義する。
ヒンジ部品用難燃樹脂組成として、スチレン系難燃樹脂組成物中のゴム含有量は8.0質量%以上が好適である。ゴム含有量は、成形品に必要な耐衝撃強度と剛性のバランス等を勘案して決めることが望ましい。
本発明において使用する(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂とは、芳香族ビニル単量体、例えばスチレンモノマーと不活性溶媒の混合液にゴム状重合体を溶解し、攪拌して塊状重合、懸濁重合、溶液重合等を行うことにより得られる芳香族ビニル単量体の重合体、例えばスチレンポリマーのマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなる重合体を言う。なお、(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂は、別途得られた芳香族ビニル単量体の重合体、例えばスチレンポリマーを混合した混合物であってもよい。
上記の芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等が挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましく、またこれらの単量体を併用して使用することも出来る。また、上記のゴム状重合体としては、ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体等が挙げられ、中でもポリブタジエンが好ましい。
また、本発明で使用する(B)融点が300℃を超える臭素系難燃剤は、この分野で一般的に使用されるもので、例えばデカブロモジフェニルエーテル(融点:305℃)、エチレンビステトラブロモフタルイミド(融点:456℃)、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン(融点:350℃)等が挙げられる。この中で、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタンが好ましく使用される。
(C)難燃助剤は、(B)難燃剤の難燃効果を更に高める働きをするものであり、例えば酸化アンチモンとして三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等、ホウ素系化合物としてホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、無水ホウ酸亜鉛、無水ホウ酸等、スズ系化合物として酸化第二スズ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等、モリブデン系化合物として酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム等、ジルコニウム系化合物として酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等、また亜鉛系化合物として硫化亜鉛等が挙げられる。なかでも三酸化アンチモンを使用することが特に好ましい。
(C)難燃助剤の添加量は、(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対して1〜6質量部、好ましくは1〜3質量部が好適である。(C)難燃助剤の添加量が、(A)ゴム変性スチレン系樹脂に対して1質量部未満だと難燃性に劣る。6質量部を超えると燃焼時のグローイング挙動を高めるので好ましくない。
また、本発明で使用する(D)高級脂肪酸金属塩は、この分野で一般的に使用されるもので、例えば、ステアリン酸金属塩、ラウリン酸金属塩、リシノール酸金属塩などが挙げられる。この中で、ステアリン酸の金属(Ca・Zn・Mg・Ba等)塩が好ましく使用される。
また本発明のスチレン系難燃性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、溶剤、安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色剤、補強剤等を添加することができる。
本発明のスチレン系難燃性樹脂組成物の混合方法は、公知の混合技術を適用することが出来る。例えばミキサー型混合機、V型他ブレンダー、及びタンブラー型混合機等の混合装置であらかじめ予備混合しておいた混合物を、更に溶融混練することで均一なスチレン系難燃性樹脂組成物とすることが出来る。溶融混練にも特に制限はなく公知の溶融技術を適用出来る。好適な溶融混練装置として、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ロール、単軸押出機、特殊単軸押出機、及び二軸押出機等がある。更に押出機等の溶融混練装置の途中から難燃化剤等の添加剤を別途に添加する方法がある。
本発明のスチレン系難燃性樹脂組成物から成形品を得る成形法には特に制限は無いが、好ましいのは射出成形であり、特にトナーカートリッジ容器等の射出成形が好適である。
以下に本発明を実施例及び比較例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂(A)は、以下の組成である。マトリックス部分の還元粘度0.77dl/g、ゴム状重合体含有量9.2質量%、ゴム状重合体のゲル含有量27.1質量%、及び体積平均粒子径2.76μmであるシス1、4結合を90モル%以上の比率で含有するハイシスポリブタジエンゴムを使用した。使用したゴム変性ポリスチレン樹脂をHI−PSと略記した。
還元粘度(ηsp/C)の測定:ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン15mlとアセトン15mlの混合溶媒を加え、25℃で2時間振とう溶解した後、遠心分離で不溶分を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を取り出し、500mlのメタノールを加えて樹脂分を析出させ、不溶分を濾過乾燥する。同操作で得られた樹脂分をトルエンに溶解してポリマー濃度0.4%(質量/体積)の試料溶液を作成した。この試料溶液、及び純トルエンを30℃の恒温でウベローデ型粘度計により溶液流下秒数を測定して、下式にて算出した。
ηsp/C=(t1/t0−1)/C
t0:純トルエン流下秒数
t1:試料溶液流下秒数
C :ポリマー濃度
ゲル含有量の測定:ゴム変性スチレン系樹脂をトルエンに2.5%(質量/体積)の割合で加え、25℃で2時間振とう溶解した後、遠心分離(回転数10000〜14000rpm、分離時間30分)で不溶分(ゲル分)を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除去してゲルを得た。次に、この膨潤ゲルを100℃で2時間予備乾燥した後、120℃の真空乾燥機で1時間乾燥した。デシケータで常温まで冷却し精秤し下式にて算出した。
ゲル分率(%)=[(b−a)/S]×100
a:遠心沈降管質量
b:乾燥ゲル+遠心沈降管質量
S:試料樹脂質量
ゴム状重合体含有量の測定:ゴム変性スチレン系樹脂をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ素/四塩化炭素溶液を加え暗所に約1時間放置後、15質量%のヨウ化カリウム溶液と純水50mlを加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム/エタノール水溶液で滴定し、付加した一塩化ヨウ素量から算出した。
ゴム状重合体の体積平均粒子径の測定:ゴム変性スチレン系樹脂をジメチルホルムアミドに完全に溶解させ、レーザー回析方式粒度分布装置にて測定した。
測定装置:コールター製レーザー回析方式粒子アナライザーLS−230型
(B)臭素系難燃剤には、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタンであるアルベマール社製の商品名SAYTEX 8010、エチレンビステトラブロモフタルイミドであるアルベマール社製の商品名SAYTEX BT−93また、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンである第一工業製薬社製の商品名ピロガードSR245を使用した。
(C)難燃助剤には、鈴裕化学社製の三酸化アンチモンである商品名AT−3CNを用いた。
(D)高級脂肪酸塩には、日油製のステアリン酸亜鉛である商品名ジンクステアレートGPを使用した。
次に、本発明のスチレン系難燃性樹脂組成物の混合方法を述べる。(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂、(B)臭素系難燃剤、(C)難燃助剤(D)高級脂肪酸金属塩を表1〜表2に示す配合量にて、これら全成分をヘンシェルミキサー(三井三池化工社製、FM20B)にて予備混合し、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)に供給してストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導きペレット化した。この際、シリンダー温度230℃、供給量30kg/時間とした。
実施例及び比較例に示した各種測定は以下の方法により実施した。
ヒンジ特性試験用の試験片は、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にてシリンダー温度220℃で成形した。
燃焼試験用の試験片は、射出成形機(東芝社製、IS80EP)にてシリンダー温度170℃で成形した。
難燃性の測定は、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ社(UL)のサブジェクト94号の垂直燃焼試験方法に準拠し、試験片厚さ1.5mmの燃焼性を評価した。なお、表中のNGとは、V−2、V−1及びV−0のいずれをも満足させないものを示す。
ヒンジ特性の測定は、図に示すヒンジ形状の試験片(厚さ2mm、長さ100mm、幅48mm)を23℃,20RHに24時間放置後、ヒンジ部を235°の角度で折り曲げ、元の位置である0°まで戻す動作を1回毎秒の速度で行い、試験片が折れて破壊するまでの回数を測定した。測定はn=10で行い、その回数の平均をヒンジ特性とした。
Figure 2014012776
Figure 2014012776
上記表1〜表2に結果を示した。
表1の実施例より、本発明のスチレン系難燃性樹脂組成物は、難燃性、ヒンジ特性がバランス良く改良されていることがわかる。
しかし本発明の規定を満足しない表2の比較例で得られたスチレン系難燃性樹脂組成物では、難燃性、ヒンジ特性のいずれかに優れることはあっても、両方の特性が優れていることはないことがわかる。

例えば、(B)難燃剤、(C)難燃助剤、(D)高級脂肪酸金属塩を添加しない場合、難燃性はV−2レベルにも満たない(比較例1)。(B)難燃剤、(C)難燃助剤を添加しない場合、難燃性はV−2レベルにも満たない(比較例2)。また、(C)難燃助剤、(D)高級脂肪酸金属塩を規定量存在下、(B)難燃剤を添加しても、その添加量が規定量より少ないと難燃性がV−2レベルにも達せず(比較例3)、逆に(B)難燃剤を規定量より多く添加するとヒンジ特性が低下するので好ましくない(比較例4)。また(B)難燃剤、(C)難燃助剤、(D)高級脂肪酸金属塩を添加が規定量存在しても、(B)難燃剤が300℃の融点を有さない難燃剤を用いた場合、ヒンジ特性の低下が著しく好ましくない(比較例5,6)。また、(B)難燃剤、(D)高級脂肪酸金属塩を規定量存在下、(C)難燃助剤を添加しても、その添加量が規定量より少ないと難燃性がV−2レベルにも達せず(比較例7)、逆に(C)難燃助剤を規定量より多く添加するとヒンジ特性が低下するので好ましくない(比較例8)。また、(B)難燃剤、(C)難燃助剤が規定量存在下、(D)高級脂肪酸金属塩を添加しても、その添加量が規定量より少ないとヒンジ特性が著しく低下し(比較例9)、逆に(D)高級脂肪酸金属塩を規定量より多く添加すると難燃性がV−2レベルにも達しない(比較例10)。
本発明のスチレン系難燃性樹脂組成物は、難燃性およびヒンジ特性に優れるため、ヒンジを有するOA機器や家電部品等での使用が有利になる。

Claims (6)

  1. (A)ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対して、(B)融点が300℃を超える臭素系難燃剤7〜15質量部、(C)難燃助剤1〜6質量部、及び (D) 高級脂肪酸金属塩0.1〜1.5質量部とを含有することを特徴とするヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
  2. スチレン系難燃性樹脂組成物中のゴム含有量が8.0質量%以上である請求項1に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
  3. (B)臭素系難燃剤が、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタンである請求項1又は2に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
  4. (C)難燃助剤が、三酸化アンチモンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
  5. (D)高級脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛である請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒンジ特性に優れたスチレン系難燃性樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする成形体。
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