JP2014062013A - セラミック焼結体およびその製造方法、ならびに工具 - Google Patents

セラミック焼結体およびその製造方法、ならびに工具 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄との反応性を有さない高硬度なセラミック焼結体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック焼結体は、酸窒化アルミニウムを含み、ビッカース硬度が2400Hv以上である。セラミック焼結体の製造方法は、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれか一方を含む出発物質から前駆体を準備し、前駆体から常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程(S10)と、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末から、高圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を作製する工程(S20)と、高圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を焼結することにより焼結体を作製する工程(S30)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミック焼結体およびその製造方法、ならびに工具に関し、特に、酸窒化アルミニウムを含むセラミック焼結体およびその製造方法、ならびに工具に関する。
常圧相の酸窒化アルミニウムは、熱膨張係数が低く、鉄との反応性も低い。その特性から、常圧相の酸窒化アルミニウムは切削工具の材料としての利用が検討されてきたが、切削工具用材料としては硬さがビッカース硬度で1900Hv程度であり不十分であった。切削工具の望ましい硬度としては、被切削材の4倍程度が目安であると言われている。被切削材の一例である焼入鋼はロックウェル硬さで50HRC以上、ビッカース硬度換算で600Hv以上であるため、切削工具は2400Hv以上の硬度を所有していることが必要である。従って、常圧相の酸窒化アルミニウムは、高硬度の被切削材に対しては硬度の不足に伴う耐塑性変形性の不足により欠損が発生するため使用できなかった。なお、被切削材の4倍程度の硬度が必要であることに関して、たとえば杉田忠彰、他2名、「基礎切削加工学」、共立出版、p115に記載されている。また、常圧相の酸窒化アルミニウムの硬度と熱膨張係数に関して、たとえばコルビン(Normand D.Corbin)、「酸窒化アルミニウムスピネルに関する報告(AluminumOxynitride Spinel A Review)」、ジャーナルオブヨーロピアンセラミックソサエティ(Journal of European Ceramic Society)、英国、1989年、5、p.143−154、に記載されている。
また、特開2007−533593号公報には、炭化珪素ウイスカーを含むことで補強された酸窒化アルミニウムからなるセラミック体も開示されている。しかし、これは破壊靭性を改善するものであり、欠損や亀裂発生直後の進展を抑える効果しか期待できない。また鉄との反応性が高い炭化珪素を含んでいるため、例えば、クロム鋼(SCr)、クロムモリブデン鋼(SCM)、ニッケルクロム鋼(SNC)、ステンレス鋼(SUS)等の鉄を含有している鉄系材料の切削工具には不適である。
特開2007−533593号公報
コルビン(Normand D.Corbin)、「酸窒化アルミニウムスピネルに関する報告(Aluminum Oxynitride Spinel:A Review)」、ジャーナルオブヨーロピアンセラミックソサエティJournal of European Ceramic Society)、英国、1989年、5、p.143−154 杉田忠彰、他2名、「基礎切削加工学」、共立出版、p115
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。この発明の主たる目的は、鉄との反応性が低い高硬度なセラミック焼結体およびその製造方法、ならびに工具を提供することにある。
本発明に係るセラミック焼結体は、酸窒化アルミニウムを含み、ビッカース硬度が2400Hv以上である。このようにすれば、高い硬度を有し、かつ鉄との反応性の低いセラミック焼結体とすることができるため、鉄系材料の切削工具に最適である。
上記セラミック焼結体は、第4族、第5族、第6族の遷移元素、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つをさらに含んでもよい。これにより、上述した材料によって高圧相酸窒化アルミニウムがもつ高い硬度を維持しつつ、強固に焼き固めることができる。
さらに、上記セラミック焼結体は、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムのうち、少なくとも一方を含んでもよい。このように酸窒化アルミニウムを構成するための出発原料である窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムのいずれか一方がセラミック焼結体中にある程度残存していても、本発明の効果を得ることができる。
上記酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比は、3以上9以下とすることができる。
本発明に係る工具は、上記セラミック焼結体よりなる。このようにすれば、高硬度で鉄系材料を切削可能な工具を実現できる。
本発明に係るセラミック焼結体の製造方法は、前駆体を準備し、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程と、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末から高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含複合粉末を作製する工程と、高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含複合粉末を焼結し、焼結体を作製する工程とを備える。このようにすれば、本発明に従ったセラミック焼結体を容易に得ることができる。
上記常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程は、高圧相酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下となるように前駆体を作製する工程を含んでもよい。また、上記常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程は、前駆体を、加熱温度1600℃以上2000℃以下という条件で焼成することで常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程を含んでもよい。これにより、酸素原子と窒素原子との組成比が適切な常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製できる。また、上記常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程は、前記前駆体、前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、または前記第1の複合粉末のいずれか少なくとも1つに、第4族、第5族、第6族の遷移金属、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つを添加する工程を含んでもよい。
上記高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含複合粉末を作製する工程は、圧力15GPa以上、加圧時間50μ秒以下の衝撃波によって瞬間的に前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を加圧する工程と、超高圧発生装置を用いて圧力10GPa以上、温度1200℃以上2000℃以下で前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を加圧する工程と、エアロゾルデポジション法を用いて、搬送ガスの流量を1SLMとし、粒子速度を150m/s以上で基板に衝突させる工程とからなる群から選択される1つを含んでもよい。これにより、高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含複合粉末を作製することができる。
上記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末を作製する工程は、前記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末に、第4族、第5族、第6族の遷移金属、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つを添加する工程をさらに含んでもよい。
上記焼結体を作製する工程は、超高圧発生装置を用いて圧力1GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下で、もしくは放電プラズマ焼結装置を用いて圧力10MPa以上、温度800℃以上1800℃以下で、前記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を焼結する工程を含んでもよい。
また、本発明の他の局面におけるセラミック焼結体の製造方法は、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれか一方を含む出発物質から、前駆体を準備する工程と、前記前駆体を高圧相へ相転移すると同時に焼結させ、焼結体を作製する工程とを備える。これにより、本発明に従ったセラミック焼結体を容易に得ることができる。
上記焼結体を作製する工程は、超高圧発生装置を用いて圧力10GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下で、前記前駆体を高圧相へ相転移すると同時に前記焼結体を作製する工程を含んでもよい。
本発明のセラミック焼結体は、高圧相の酸窒化アルミニウムを有するため、鉄系材料との反応性を有さず、高硬度とすることができる。また、本発明の工具は、本発明のセラミック焼結体を用いることにより、高硬度で鉄系材料を切削可能な工具を実現できる。
本発明のセラミック焼結体の製造方法は、高圧相の酸窒化アルミニウムを作製する工程を備えるため、鉄系材料との反応性を有さない高硬度のセラミック焼結体を作製できる。
本実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法を示すフロー図である。 本実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法を示すフロー図である。 本実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法の変形例を示すフロー図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
はじめに、実施の形態に係るセラミック焼結体を説明する。本実施の形態に係るセラミック焼結体は、切削工具(特に鉄系材料を切削する工具)の材料として用いることができ、高圧相酸窒化アルミニウムを含む。該高圧相酸窒化アルミニウムは、常圧相酸窒化アルミニウムと比較して高硬度であるため耐塑性変形性に優れており、かつ常圧相酸窒化アルミニウムが有する、鉄との反応性が低いという特性も備える。そのため、高圧相酸窒化アルミニウムを含むセラミック焼結体は、鉄系材料に対して切削可能な、高硬度の切削工具に用いることができる。
上記セラミック焼結体は、第4族、第5族、第6族の遷移元素、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つをさらに含んでもよい。第4族、第5族、第6族の遷移元素とは、例えば、第4族の遷移金属として、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、第5族の遷移金属として、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、第6族の遷移金属として、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)から選択される少なくとも1種の金属である。
また、上記窒化物としては、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化ハフニウム(HfN)、窒化バナジウム(VN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化タンタル(TaN)、窒化クロム(Cr2N)、窒化モリブデン(MoN)、窒化タングステン(WN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si34)、窒化ホウ素(BN)を挙げることができる。また、上記炭化物としては、例えば、炭化チタン(TiC),炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タンタル(TaC)、炭化クロム(Cr32)、炭化モリブデン(Mo2C)、炭化タングステン(WC)を挙げることができる。また、上記ホウ化物としては、例えば、ホウ化チタン(TiB2),ホウ化ジルコニウム(ZrB2)、ホウ化ハフニウム(HfB2)、ホウ化バナジウム(VB)、ホウ化ニオブ(NbB2)、ホウ化タンタル(TaB2)、ホウ化クロム(CrB2)、ホウ化モリブデン(MoB)およびホウ化タングステン(WB)を挙げることができる。また、それらの金属の酸化物とは、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化バナジウム(V)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、酸化クロム(Cr)、酸化モリブデン(MoO)、および酸化タングステン(WO)などをいう。また、それらの金属の複合化合物とは、窒化チタンジルコニウム(TiZrN)、窒化チタンハフニウム(TiHfN)、窒化チタンバナジウム(TiVN)、窒化チタンニオブ(TiNbN)、窒化チタンタンタル(TiTaN)、窒化チタンクロム(TiCrN)、窒化チタンモリブデン(TiMoN)、窒化チタンタングステン(TiWN)、窒化ジルコニウムハフニウム(ZrHfN)、窒化ジルコニウムバナジウム(ZrVN)、窒化ジルコニウムニオブ(ZrNbN)、窒化ジルコニウムタンタル(ZrTaN)、窒化ジルコニウムクロム(ZrCrN)、窒化ジルコニウムモリブデン(ZrMoN)、窒化ジルコニウムタングステン(ZrWN)、窒化ハフニウムバナジウム(HfVN)、窒化ハフニウムニオブ(HfNbN)、窒化ハフニウムタンタル(HfTaN)、窒化ハフニウムクロム(HfCrN)、窒化ハフニウムモリブデン(HfMoN)、窒化ハフニウムタングステン(HfWN)、窒化バナジウムニオブ(VNbN)、窒化バナジウムタンタル(VTaN)、窒化バナジウムクロム(VCrN)、窒化バナジウムモリブデン(VMoN)、窒化バナジウムタングステン(VWN)、窒化ニオブタンタル(NbTaN)、窒化ニオブクロム(NbCrN)、窒化ニオブモリブデン(NbMoN)、窒化ニオブタングステン(NbWN)、窒化タンタルクロム(TaCrN)、窒化タンタルモリブデン(TaMoN)、窒化タンタルタングステン(TaWN)、窒化クロムモリブデン(CrMoN)、窒化クロムタングステン(CrWN)、窒化モリブデンクロム(MoWN)などをいう。酸窒化物とは、例えば、酸窒化チタン(TiON)、酸窒化ジルコニウム(ZrON)、酸窒化ハフニウム(HfON)、酸窒化バナジウム(VON)、酸窒化ニオブ(NbON)、酸窒化タンタル(TaON)、酸窒化クロム(CrON)、酸窒化モリブデン(MoON)、酸窒化タングステン(WON)、酸窒化珪素(SiON)、酸窒化ホウ素(BON)を挙げることができる。
上記セラミック焼結体は、添加材として、上記第4族、第5族、第6族の遷移元素、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、金属間化合物のうち、少なくとも1つ含むことにより、高圧相酸窒化アルミニウムがもつ高い硬度を維持しつつ、セラミック焼結体の強度を高めることができる。したがって、このセラミック焼結体を用いた工具は耐塑性変形性に優れるため、長寿命化することもできる。
さらに、上記セラミック焼結体は、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムのうち、少なくとも一方を含んでもよい。好ましくは、セラミック焼結体における窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの合計の含有率は、10%以下である。このとき、セラミック焼結体における組成比は、例えば、上記酸窒化アルミニウムが60%以上、上記添加材が30%程度とすることができる。酸窒化アルミニウムの割合が50%より低いと、高圧相の酸窒化アルミニウムによる効果が低減し、セラミック焼結体の硬度は低下する。
上記高圧相酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比は、3以上9以下であるのが好ましい。当該組成比の範囲より窒素もしくは酸素の割合が 多いと、高圧相の酸窒化アルミニウムのスピネル構造が維持できないため硬度が低下し、耐欠損性に劣る酸化アルミニウムの特性に近づく。
以上のように、本実施の形態に係るセラミック焼結体は、高圧相の酸窒化アルミニウムを含むことで、高硬度とすることができる。さらに、セラミック焼結体は、炭化珪素以外の上記添加材を含むことにより、鉄との反応性を抑えながら、確実に高硬度とすることができる。その結果、本実施の形態に係るセラミック焼結体は、例えば切削用の工具に適用できる。
次に、図1〜図3を参照して、本実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法を説明する。
本実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法は、図1に示すように、前駆体を準備し、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程(S10)と、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末から高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含複合粉末を作製する工程(S20)と、高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含複合粉末から焼結体を作製する工程(S30)、あるいは後述するように、前駆体から、高圧相酸窒化アルミニウムの合成と焼結体の作製を同時に実施する工程とを備える。
上記前駆体を準備し、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む複合粉末を作製する工程(S10)では、高圧相酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下となるように前駆体を作製する工程(S11)を含んでもよい。このとき、工程(S11)は、窒化アルミニウムの粉末と酸化アルミニウムの粉末とを混合する工程、または窒化アルミニウム粉末に吸着酸素量を増やす工程を採用することができる。窒化アルミニウム粉末に吸着酸素量を増やす工程は、具体的には大気中で粉末を熱処理する方法、湿度管理された場所で一定時間窒化アルミニウム粉末を暴露する方法が挙げられる。その工程を実施する際、粉末を粉砕して粉末の表面積を増やすと、短時間で吸着酸素量を増やすことができる。
図2を参照して、このとき、上記前駆体を準備し、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む複合粉末を作製する工程(S10)は、酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下となるように、窒化アルミニウムの粉末と酸化アルミニウムの粉末を混合して前駆体を作製する工程(S11)を含んでもよい。工程(S11)は、酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下とすることができる限りにおいて、上記のように窒化アルミニウムの粉末と酸化アルミニウムの粉末を混合する方法に限らない。前駆体を作製する工程(S11)は、窒化アルミニウム粉末に吸着酸素量を増やすことにより、前駆体を作製する工程であってもよい。
上記のようにして前駆体を作製した後は、該前駆体を加熱温度1600℃以上2000℃以下という条件で焼成することで、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程(S13)を含んでもよい。図2の工程(S11)、(S12)において、酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比を上記の範囲内になるよう調整することにより、スピネル型の酸窒化アルミニウムを作製できる。上記範囲外では、スピネル型の酸窒化アルミニウムが作製されず、この場合セラミック焼結体は切削工具用材料としての十分な硬度を有さない場合がある。
さらに、前駆体を準備し、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程(S10)は、遷移金属等を添加する工程(S12)(S14)を含んでいてもよい。具体的には、図2に示すように、前駆体を準備する工程(S11)の後であって前駆体を焼成する工程(S13)の前、前駆体を焼成する工程(S13)の後であって高圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を作製する工程(S20)の前に、添加材として、第4族、第5族、第6族の遷移元素、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つを添加してもよい。つまり、前駆体、常圧相酸窒化アルミニウム粉末、または前記第1の複合粉末のいずれか少なくとも1つに上記添加材を添加してもよい。これらの工程(S12)および工程(S14)は、それぞれ上記工程(S11)および工程(S13)に続いて実施されてもよい。また、工程(S11)において、上記添加材を窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの粉末と混合して前駆体を作製してもよいし、窒化アルミニウム粉末に添加材を添加した後、吸着酸素量を増やすことにより前駆体を作製してもよい。これにより、上記工程(S13)によって得られる常圧相酸窒化アルミニウムが上記添加材を含むため、図1に示した工程(S30)において得られるセラミック焼結体は、上記添加材を含有した高圧相酸窒化アルミニウムを含むものとなる。これにより、常圧相酸窒化アルミニウムと添加材との結合力が増し、硬度を維持しつつより強固に焼き固めることができるため、高圧相に転位させ焼結した当該セラミック焼結体は強度が高く、耐塑性変形性に優れた材料となる。
次に、図1に示した常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末から高圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を作製する工程(S20)を説明する。当該工程では、工程(S10)において作製した粉末に含まれる常圧相酸窒化アルミニウムを相転移させて、高圧相の酸窒化アルミニウムを作製する。
図1に示した、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末から高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を作製する工程(S20)は、超高圧発生装置、もしくはエアロゾルデポジション法を用いた工程を含むことができる。
上記超高圧発生装置としては衝撃波により加圧する方法、マルチアンビル装置、ベルト装置、ピストンシリンダ装置を挙げることができる。
具体例としては、上記常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を、圧力10GPa以上、加圧時間50μ秒以下の衝撃波によって瞬間的に加圧する工程、マルチアンビル装置を用いて、圧力10GPa以上、温度1200℃以上2000℃以下、処理時間を20分以上とした条件にて加圧する工程、エアロゾルデポジション法を用いて搬送ガスの流量を1SLM以上、粒子速度を150m/s以上で衝突させる工程などを含むことができる。
さらに、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末から高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を作製する工程(S20)は、遷移金属等を添加する工程(S22)を含んでいてもよい。具体的には、図2に示すように、上記工程(S21)に続いて実施される上記高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末に、添加材として、第4族、第5族、第6族の遷移元素、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つをさらに混合する、遷移金属等を添加する工程(S22)を含んでいてもよい。これにより、上記工程(S21)によって得られる高圧相酸窒化アルミニウムは上記添加材を含むため、図1に示した工程(S30)において得られるセラミック焼結体は、上記添加材を含有した高圧相酸窒化アルミニウムを含むものとなる。これにより、高圧相酸窒化アルミニウムと添加材との結合力が増し、硬度を維持しつつより強固に焼き固めることができるため、当該セラミック焼結体は強度が高く、耐塑性変形性に優れた材料となる。
次に、図2を参照して、高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を準備し焼結体を作製する工程(S30)を説明する。本工程では、高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を焼結して、高圧相酸窒化アルミニウムを含む焼結体を作製する。
図1に示した、高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を準備し焼結体を作製する工程(S30)は、図2に示すように、超高圧焼結装置にて圧力1GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下で、もしくは放電プラズマ焼結装置にて圧力10MPa以上、温度800℃以上1800℃以下で上記成形体を焼結する工程(S31)を含んでもよい。
このとき、工程(S21)において、高圧相酸窒化アルミニウムがバルク体として得られる場合には、バルク体を粉砕して粉末状としてから、上記添加材と混合すればよい。工程(S22)によって、高圧相酸窒化アルミニウムと添加材とを混合した高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を、上記工程(S31)によって焼結させることで、上記添加材を含有した高圧相の酸窒化アルミニウムを含むセラミック焼結体を得ることができる。
次に、図3を参照にして本実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法の他の例を説明する。本実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法の他の例では、前駆体を準備し、前駆体から高圧相への相転移と焼結体の作製とを同時に行い、高圧相の酸窒化アルミニウムを有する焼結体を作製する。
図3の前駆体を作製する工程(S11)および遷移金属等を添加する工程(S12)は、図1および図2において説明した工程(S10)に含まれる工程と同じである。高圧相の酸窒化アルミニウムへの変換と焼結を同時に行う工程は、上記前駆体を、超高圧発生装置を用いて圧力10GPa以上、温度1200℃以上2000℃以下、処理時間を20分以上とした条件にて加圧する工程(S32)であり、このようにして本発明によるセラミック焼結体を作製することができる。
つまり、本実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法によって、従来の酸窒化アルミニウムと比較して優れた特性を有し、切削工具として十分な特性を有するセラミック焼結体を作製することができる。
ここで、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
本発明に係るセラミック焼結体は、酸窒化アルミニウムを含み、ビッカース硬度が2400Hv以上である。このようにすれば、高い硬度を有し、かつ鉄との反応性の低いセラミック焼結体とすることができるため、鉄系材料の切削工具に最適である。
上記セラミック焼結体は、第4族、第5族、第6族の遷移元素、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つをさらに含んでもよい。これにより、上述した材料によって高圧相酸窒化アルミニウムがもつ高い硬度を維持しつつ、強固に焼き固めることができる。
上記セラミック焼結体は、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムのうち、少なくとも一方をさらに含んでもよい。このように酸窒化アルミニウムを構成するための出発原料である窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムのいずれか一方がセラミック焼結体中にある程度残存していても、本発明の効果を得ることができる。
上記酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比は、3以上9以下とすることができる。これにより、当該組成比を調整することによって、セラミック焼結体の硬度を調整できる。
本発明に係る工具は、上記セラミック焼結体よりなる。このようにすれば、高硬度で鉄系材料を切削可能な工具を実現できる。
本発明に係るセラミック焼結体の製造方法は、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれか一方を含む出発物質から、前駆体を準備し、前記前駆体から常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程(S10)と、常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末から、高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を作製する工程(S20)と、高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末を焼結することにより焼結体を作製する工程(S30)とを備える。このようにすれば、本発明に従ったセラミック焼結体を容易に得ることができる。
上記常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程(S10)は、高圧相酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下となるように前駆体を作製する工程(S11)を含んでもよい。また、前駆体を、加熱温度1600℃以上2000℃以下という条件で焼成することで、常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程(S13)とを含んでもよい。このようにすることで、スピネル型の酸窒化アルミニウムを含むセラミック焼結体を作製することができ、該セラミック焼結体は、切削工具用材料として十分な硬度を有することができる。
上記常圧相酸窒化アルミニウム粉末あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程(S10)は、窒化アルミニウムと酸化アルミニウムに、第4族、第5族、第6族の遷移金属、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つを添加する工程(S12)を含んでもよい。これにより、常圧相酸窒化アルミニウムと添加材との結合力が増し、硬度を維持しつつより強固に焼き固めることができるため、高圧相に転位させ焼結した当該セラミック焼結体は強度が高く、耐塑性変形性に優れた材料となる。
上記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末を作製する工程(S20)は、圧力10GPa以上、加圧時間50μ秒以下の衝撃波によって瞬間的に前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を加圧する工程と、超高圧発生装置を用いて圧力10GPa以上、温度1200℃以上2000℃以下で前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を加圧する工程と、エアロゾルデポジション法を用いて、搬送ガスの流量を1SLMとし、粒子速度を150m/s以上で基板に衝突させる工程とからなる群から選択される1つを含んでもよい。
上記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末を作製する工程(S20)は、第4族、第5族、第6族の遷移金属、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つを添加する工程(S22)をさらに含んでもよい。これにより、添加材を含有した高圧相の酸窒化アルミニウムを含むセラミック焼結体を得ることができる。
上記焼結体を作製する工程(S30)は、超高圧発生装置を用いて圧力1GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下で、もしくは放電プラズマ焼結装置を用いて圧力10MPa以上、温度800℃以上1800℃以下で、前記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を焼結する工程(S31)を含んでもよい。
本発明の他の局面におけるセラミック焼結体の製造方法は、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれか一方を含む出発物質から、前駆体を準備する工程(S11、S12)と、前記前駆体を高圧相へ相転移すると同時に焼結させ、焼結体を作製する工程(S32)とを備える。このようにしても、高圧相酸窒化アルミニウムを含む複合粉末を作製することができる。
上記焼結体を作製する工程(S32)は、超高圧発生装置を用いて圧力10GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下で、前記前駆体を高圧相へ相転移すると同時に前記焼結体を作製する工程を含んでもよい。
次に、本発明の実施例を説明する。
本発明の実施の形態に係るセラミック焼結体の製造方法として、図2に示した製造方法を用いて製造した生成物(試料)について評価した。
(評価試料)
まず、図2における工程(S11)、工程(S13)、および工程(S21)の製造条件の組み合わせを19通り用意し、それぞれの製造方法での工程(S21)後の生成物を解析した(実験1)。工程(S11)では、酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下となるように酸化アルミニウム(Al23)と窒化アルミニウム(hAlN)の混合比率をAl23:hAlN=1:1〜7:3の範囲で変化させる方法、および、酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下となるように窒化アルミニウムの吸着酸素量を増加させる方法の2通りで前駆体を作製した。工程(S13)では、加熱温度を、1500℃〜2100℃の範囲で4条件、工程(S21)では、高圧相の酸窒化アルミニウムを作製する方法として、超高圧発生装置を用いて加圧する方法とエアロゾルデポジション法を用いる方法と、それぞれの条件を組み合わせて19パターンの工程(S21)後に得られた高圧相の酸窒化アルミニウム粉末あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を準備した。
実験1の評価の後、上記した複数種類の粉末あるいは複合粉末を、さらに図2における工程(S31)を同一条件で施して、最終的に得られたセラミック焼結体を解析した(実験2)。工程(S22)では、TiNを添加材とし、上記粉末あるいは複合粉末とTiNとを3:1の比率で混合して成形体を作製した。工程(S31)では、該成形体を、圧力6GPa、温度1300℃で焼結した。
(実験1の評価方法)
吸着酸素量は酸素分析装置により評価した。さらに、X線回折(XRD)のメインピークの強度比を用いて、混合物の組成比を評価した。また、混合物に含まれる酸窒化アルミニウムの組成比は、EDX分析により評価した。
(実験1評価結果)
Figure 2014062013
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表1を参照して、まず、工程(S11)における、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムの混合比率によって、酸窒化アルミニウムの生成量が大きく変化することが分かった。窒化アルミニウムに対する酸化アルミニウムの混合比が、Al23:hAlN=1:1と少なくても、Al23:hAlN=7:3と多くても、工程(S21)後の混合物における酸窒化アルミニウムの比率は3割程度であり、十分に生成されなかった。一方、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムの混合比率について、Al23:hAlN=3:2以上7:3未満では、酸窒化アルミニウムの比率は6割程度に達した。また、表3を参照して、工程(S11)にとして、酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下となるように窒化アルミニウムの吸着酸素量を増加させて前駆体を作製した場合において、吸着酸素量が28wt%以上33wt%以下になるように粉末を熱処理して、同様に焼成すると酸窒化アルミニウムの比率は6割程度に達した。また吸着酸素量が28wt%未満、33wt%を超える場合は、酸窒化アルミニウムの比率は3割程度に減少することがわかった。よって、酸窒化アルミニウムを十分な量作製するには、工程(S11)における酸化アルミニウムの粉末と窒化アルミニウムの粉末の混合比を、上記範囲内とするのが適当であることが分かった。
次に、工程(S13)における、加熱温度についても適当な範囲が存在することが分かった。工程(S11)において上記範囲内の混合比で混合した前駆体においても、工程(S13)における加熱温度を1500℃としたときには、工程(S21)後の複合粉末における酸窒化アルミニウムの比率は、2割程度であり、十分に生成されなかった。一方、工程(S13)における加熱温度を2100℃としたときには、酸窒化アルミニウムは十分な量を生成できたが、酸窒化アルミニウムの組成は窒素が過剰であった。つまり、窒素過剰となり、酸窒化アルミニウムのスピネル構造が維持できず、窒化アルミニウムの量が増えたため、硬度の低下が見込まれる。実際、下記実験2において、当該条件で作製したセラミック焼結体は、硬度の低下が確認された。一方、工程(S11)において上記範囲内の混合比とし、かつ上記加熱温度を1750℃としたときには、酸窒化アルミニウムを十分に生成でき、かつ該酸窒化アルミニウムは窒素過剰とならなかった。
次に、工程(S21)では、上記前駆体を圧力10GPa以上の衝撃波により加圧する方法を採用することで、十分な量の酸窒化アルミニウムが生成されることが分かった。一方、マルチアンビル装置を用いて、上記前駆体を焼結する方法を採用した場合には、焼結温度によって酸窒化アルミニウムの生成量は大きく変化した。
焼結温度1100℃では、酸窒化アルミニウムは十分な量生成できず、混合物中は酸化アルミニウムと窒化アルミニウムが、工程(S11)における混合比を略維持したまま存在している。一方、焼結温度2100℃では、酸窒化アルミニウムは十分な量生成されず、さらに、混合物全体から窒素が脱離していた。つまり、酸窒化アルミニウムの組成は窒素が不足し、かつ混合物中の窒化アルミニウムの量も極端に少なく、酸化アルミニウムへの変換が起きたと考えられた。
焼結温度を1750℃とし、かつ圧力を10GPa以上とすれば、酸窒化アルミニウムを十分な量生成できた。なお、焼結温度を1750℃で、かつ圧力を9GPaとしたときには、酸窒化アルミニウムは十分に生成でき、酸窒化アルミニウムの組成比も適切であった。
なお、酸窒化アルミニウムが十分に作製できた条件において、該酸窒化アルミニウムの組成は、酸素原子:窒素原子=3:2以上9:1以下であった。
(実験2の評価方法)
セラミック焼結体のビッカース硬度を、試験荷重10kgfでダイヤモンド圧子を押し込み、その圧痕から算出した。さらに、セラミック焼結体をレーザーにより切断し、その先端のノーズRが0.8mmの切削工具を作製し、切削試験を行った。切削試験は、S45Cの鋼を被切削物とし、当該S45Cからなる被切削物を1km切削後の、上記切削工具の逃げ面の摩耗量を測定した。なお、切削条件は、切削速度400m/分、切り込み量0.2mm、1回転あたりの送り量0.1mm/rev、切削油は使用せず、とした。
なお、一般的な酸化アルミニウムAl23、および工程(S21)を施さない酸窒化アルミニウム(常圧相酸窒化アルミニウム)からなる切削工具を上記評価方法にて評価したところ、Al23からなる切削工具はビッカース硬度2200Hv、切削試験では欠損が発生した。一方、上記工程(S21)を施さない酸窒化アルミニウムからなる切削工具は、ビッカース硬度1600Hv、切削試験では欠損が発生した。
(実験2の評価結果)
Figure 2014062013
表4を参照して、実験2の評価結果を説明する。実験1にて酸窒化アルミニウムが十分に生成されていなかった混合物から得られたセラミック焼結体は、ビッカース硬度が2200Hv以下となり、十分な硬度が得られなかった。また、酸窒化アルミニウムは十分に作製できたものの、該酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子が過剰(酸素原子:窒素原子=3:2)であった混合物から得られたセラミック焼結体も、ピッカース硬度は2200Hvと十分な硬度が得られなかった。さらに、これらの硬度不足のセラミック焼結体は、切削試験においては、逃げ面の摩耗量は100μm以上と大きく、欠損も発生したため切削工具用材料として適当でないことが示された。特に酸窒化アルミニウムの組成が窒素不足であった混合物から得られたセラミック焼結体を用いた切削工具は、切削試験中に欠損した。この結果から、酸窒化アルミニウムに含まれる、窒素原子に対する酸素原子の組成比は、3以上9以下とするのが好ましいことが示された。
また、工程(S21)において、マルチアンビル装置を用いて、前駆体を圧力9GPa、温度1750℃で焼結する条件を採用して得られたセラミック焼結体は、酸窒化アルミニウムの生成量は十分であったにもかかわらず、ビッカース硬度が1980Hvと低硬度であった。つまり、焼結時の圧力不足により、高圧相酸窒化アルミニウムへの相転移が十分進行しなかったか、常圧相酸窒化アルミニウムへ相変態が起きたと推定される。よって工程(S21)でマルチアンビル装置を用いて焼結する方法では、圧力は10GPa以上とすることが好ましいことが示された。
以上実施例1から、窒化アルミニウムに対する酸化アルミニウムのモル比が、3/2以上7/3以下である前駆体を生成し、該前駆体を、加熱温度1600℃以上2000℃以下で焼成し、これを圧力10GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下で焼結又は圧力10GPa以上の衝撃波で瞬間加圧することによって、従来の酸化アルミニウムあるいは酸窒化アルミニウムより高硬度で長寿命の切削工具用材料を作製できることが示された。また、このとき、酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比は、好ましくは3以上9以下であることが確認できた。
次に、実施例2を説明する。
本実施例では、図2の工程(S22)において、工程(S21)で得られた酸窒化アルミニウムを含む複合粉末に加えられる、添加材の効果を評価した。すなわち、第4族、第5族、第6族の遷移金属、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、金属間化合物のうち、少なくとも1つを混合して焼結体を作製し、これを評価した。また、図2に示す本発明の製造方法において、工程(S22)を含まず、添加材を添加せずに作成した焼結体についても評価を行った。
(評価試料)
まず、工程(S11)、工程(S13)において単一の条件で生成された混合物を、工程(S21)において衝撃波により加圧する方法で高圧相酸窒化アルミニウムを含む複合粉末を作製した。これに、添加材として、TiN、ZrN、HfN、VN、NbN、TaN、CrN、MoN、WN、TiC、TiB2を上記酸窒化アルミニウム:添加材=7:3の比率で加えて作製した第2の複合粉末と、添加材を加えずに作製した複合粉末とを用意した。これを工程(S31)で焼結してセラミック焼結体を作製した。なお、TiNを添加した第2の複合粉末に対しては、工程(S31)において使用設備、圧力条件および焼結温度条件を変更した10通りのセラミック焼結体を作製し、比較した。
(評価方法)
実施例1と同手法で、同一項目を評価した。すなわち、工程(S21)後で得られた複合粉末の組成比および、複合粉末に含まれる酸窒化アルミニウムの組成比を評価した。さらに、セラミック焼結体のビッカース硬度と、切削工具としたときの切削試験における逃げ面の摩耗量を評価した。
(評価結果)
Figure 2014062013
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表5に、工程(S21)において、衝撃波により加圧する方法を採用したときの評価結果を、表6にマルチアンビル装置を用いて焼結する方法を採用したときの評価結果を示す。いずれの方法においても、上記のいずれかの添加材を加えた場合、ビッカース硬度は2400Hv以上と高硬度であり、切削試験における逃げ面の摩耗量も100μm以下と切削用材料として好適であることが示された。さらに、添加材を加えない場合にも、ビッカース硬度および摩耗量も同等の性能を有することが確認できた。
しかし、工程(S31)において、ベルト装置を用いて焼結する方法を採用し、焼結条件を900℃の低温、あるいは2200℃の高温としたときには、得られたセラミック焼結体のビッカース硬度は、いずれも2200Hv以下であり、切削試験で欠損が発生した。これは、焼結条件として温度が十分高温でないと焼結が不十分で硬度不足となり、一方焼結温度が高すぎると窒素が脱離し、酸化アルミニウムに変換されたと考えられる。
よって、工程(S31)において超高圧発生装置を用いて焼結する方法を採用した時の焼結条件は、圧力1GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下が好ましいことが示された。
一方、放電プラズマ焼結装置を用いて焼結する方法を採用し、焼結条件を700℃の低温、あるいは1900℃の高温、あるいは5MPaの低圧としたとき、得られたセラミック焼結体のビッカース硬度は、いずれも2000Hv以下であり、切削試験の摩耗量も100μm以上であった。これは、焼結条件として温度が十分高温でないと焼結が不十分で硬度不足となり、一方焼結温度が高すぎると窒素が脱離し、酸化アルミニウムに変換されたと考えられる。
本実施例では、図2に示した製造方法を用いて製造したセラミック焼結体、および、図3に示した製造方法を用いて製造したセラミック焼結体を評価した。
(評価試料)
図2を参照して、工程(S11)で準備した酸化アルミニウムの粉末と窒化アルミニウムの粉末に、工程(S11)において添加材を混合して前駆体を作製した。酸化アルミニウムと窒化アルミニウムの混合比率は実施例1と同様に、Al23:hAlN=1:1〜7:3の範囲で4条件、添加材は実施例2と同様に、TiN、ZrN、HfN、VN、NbN、TaN、CrN、MoN、WN、TiC、TiB2の11種用意し、工程(S11)で準備した酸化アルミニウムの粉末と窒化アルミニウムの粉末と添加材の比率を7:3の割合として前駆体を作製した。以降、工程(S13)、工程(S21)、工程(S31)はいずれも単一条件としてセラミック焼結体を作製した。工程(S13)では、加熱温度1750℃で前駆体を焼成し、工程(S21)では圧力15GPa、加圧時間50μ秒の衝撃波により前駆体を加圧し、工程(S31)では圧力6GPa、加熱温度1300℃で高圧相酸窒化アルミニウムを含む複合粉末を焼結した。このようにして、図2に示す製造方法用いて製造したセラミック焼結体を準備した。
また、図3を参照にして、前駆体を作製した後、マルチアンビル装置を用いて圧力10GPa、温度1750℃で焼結をし、高圧相酸窒化アルミニウムへの相転移と、焼結を同時に行った。このようにして、図3に示す製造方法用いて製造したセラミック焼結体を準備した。
(評価方法)
図2に示す製造方法用いて製造したセラミック焼結体に対しては、実施例1および実施例2と同手法で、同一項目を評価した。すなわち、工程(S21)後で得られた複合粉末の組成比および、複合粉末に含まれる酸窒化アルミニウムの組成比を評価した。さらに、セラミック焼結体のビッカース硬度と、切削工具としたときの切削試験における逃げ面の摩耗量を評価した。
また、図3に示す製造方法用いて製造したセラミック焼結体に対しては、工程(S32)後に得られたセラミック焼結体の組成比および、セラミック焼結体に含まれる酸窒化アルミニウムの組成比を評価した。さらに、セラミック焼結体のビッカース硬度と、切削工具としたときの切削試験における逃げ面の摩耗量を評価した。
(評価結果)
Figure 2014062013
表7を参照して、本実施例の評価結果を説明する。まず、工程(S11)における酸化アルミニウムの粉末と窒化アルミニウムの粉末との混合比率は、実施例1と同様に、Al23:hAlN=3:2以上7:3未満が好ましいことが分かった。すなわち、上記範囲内では、十分な量の酸窒化アルミニウムを作製でき、最終的に得られたセラミック焼結体はビッカース硬度2400Hv以上と高硬度であり、切削工具としたときの切削試験における逃げ面の摩耗量も100μm以下と良好な結果であった。一方、上記範囲外では、十分な量の酸窒化アルミニウムが作製されず、最終的に得られたセラミック焼結体は、ビッカース硬度2400Hv以下であり、切削工具としたときの切削試験ではチップが欠損したため、切削工具用材料として適当ではないことが示された。
添加材については、本実施例で用いた11種のいずれを用いても、上記酸化アルミニウムの粉末と窒化アルミニウムの粉末との混合比率を上記範囲内として前駆体とし、かつ該前駆体と添加材とを上記混合比率としたときには、最終的に得られたセラミック焼結体は、ビッカース硬度2400Hv以上と高硬度であり、切削工具としたときの切削試験における逃げ面の摩耗量が100μm以下であった。
なお、本実施例で作製された酸窒化アルミニウムは、実施例1および実施例2で評価した酸窒化アルミニウムと比較して、窒素原子の組成比が高くなっている。これは、図2に示す製造方法においては、添加材として窒化物を使用してこれを工程(S13)および工程(S21)の工程前の前駆体に混合することによって、添加材が分散性良く取り込まれた高圧相の酸窒化アルミニウムを得ることができたためと考えられる。一方、図3に示す製造方法においては、添加材として窒化物を使用してこれを工程(S32)の工程前の前駆体に混合することによって、添加材が分散性良く取り込まれた高圧相の酸窒化アルミニウムを得ることができたためと考えられる。
また、前駆体を作製した後、マルチアンビル装置を用いて圧力10GPa、温度1750℃で焼結をし、高圧相酸窒化アルミニウムへの相転移と、焼結を同時に行った、図3に示す製造方法を用いて製造したセラミック焼結体は、図2に示す製造方法を用いて製造したセラミック焼結体と、ビッカース硬度および摩耗量ともに同等の性能を有することが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のセラミック焼結体は、切削工具用材料として、特に有利に適用される。

Claims (13)

  1. 酸窒化アルミニウムを含み、
    ビッカース硬度が2400Hv以上である、セラミック焼結体。
  2. 第4族、第5族、第6族の遷移元素、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のセラミック焼結体。
  3. 窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムのうち、少なくとも一方をさらに含む、請求項1または2に記載のセラミック焼結体。
  4. 前記酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比は、3以上9以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミック焼結体。
  5. 請求項1に記載のセラミック焼結体を用いた工具。
  6. 窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれか一方を含む出発物質から、前駆体を準備し、前記前駆体から常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む第1の複合粉末を作製する工程と、
    前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末から、高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を作製する工程と、
    前記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末を焼結することにより焼結体を作製する工程とを備える、セラミック焼結体の製造方法。
  7. 前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を作製する工程は、
    前記高圧相酸窒化アルミニウムに含まれる窒素原子に対する酸素原子の組成比が3以上9以下となるように前記前駆体を作製する工程と、
    前記前駆体を、加熱温度1600℃以上2000℃以下という条件で焼成することで、前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を作製する工程とを含む、請求項6に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  8. 前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を作製する工程では、
    前記前駆体、前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、または前記第1の複合粉末のいずれか少なくとも1つに、第4族、第5族、もしくは第6族の遷移金属、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、もしくはそれらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つを添加する工程を含む、請求項7に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  9. 前記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末を作製する工程は、
    圧力15GPa以上、加圧時間50μ秒以下の衝撃波によって瞬間的に前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を加圧する工程と、超高圧発生装置を用いて圧力10GPa以上、温度1200℃以上2000℃以下で前記常圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは常圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第1の複合粉末を加圧する工程と、エアロゾルデポジション法を用いて、搬送ガスの流量を1SLMとし、粒子速度を150m/s以上で基板に衝突させる工程とからなる群から選択される1つを含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  10. 前記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末を作製する工程は、
    前記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む前記第2の複合粉末に、第4族、第5族、第6族の遷移金属、もしくはアルミニウム、珪素、ホウ素、または、それらの窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物、金属間化合物、またはそれらの複合化合物のうち、少なくとも1つを添加する工程をさらに含む、請求項6〜9のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  11. 前記焼結体を作製する工程は、
    超高圧発生装置を用いて圧力1GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下で、もしくは放電プラズマ焼結装置を用いて圧力10MPa以上、温度800℃以上1800℃以下で、前記高圧相酸窒化アルミニウム粉末、あるいは高圧相酸窒化アルミニウムを含む第2の複合粉末を焼結する工程を含む、請求項6〜10のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  12. 窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれか一方を含む出発物質から、前駆体を準備する工程と、
    前記前駆体を高圧相へ相転移すると同時に焼結させ、焼結体を作製する工程とを備える、セラミック焼結体の製造方法。
  13. 前記焼結体を作製する工程は、
    超高圧発生装置を用いて圧力10GPa以上、温度1100℃以上2000℃以下で、前記前駆体を高圧相へ相転移すると同時に前記焼結体を作製する工程を含む、請求項12に記載のセラミック焼結体の製造方法。
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