JP2014103176A - 支持基材付封止材、封止後半導体素子搭載基板、封止後半導体素子形成ウエハ、半導体装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

支持基材付封止材、封止後半導体素子搭載基板、封止後半導体素子形成ウエハ、半導体装置、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のフィラーによる反り対策及び封止層形成時の不良素子数に応じた樹脂充填量の調整を行うことなく反りの低減及び充填性の不良の防止ができ、耐熱性、耐湿性に優れた半導体装置を製造できる支持基材付封止材、支持基材付封止材を用いた封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハ、これらにより製造される半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体素子が搭載された基板の半導体素子搭載面又は半導体素子が形成されたウエハの半導体素子形成面を一括封止する封止材であって、基板又はウエハとの膨張係数の差が5ppm以下である支持基材と熱硬化性樹脂層とを積層した支持基材付封止材において、熱硬化性樹脂層が厚さ方向において高低差を有する形状である支持基材付封止材。
【選択図】図1

Description

本発明は支持基材付封止材、支持基材付封止材を用いた封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハ、それらにより作製される半導体装置及びその製造方法に関する。
従来からウエハレベルの封止方法や、半導体素子をマトリックス状に搭載した有機基板を熱硬化性エポキシ樹脂で片面成形する方法は種々提案されて検討されている(特許文献1−3)。
上記方式で半導体装置を製造する際、基板の大きさが小さいものでは、エポキシ樹脂の線膨張係数を調整することにより封止後の基板の反りを制御することができた。
8インチ(200mm)程度の小径ウエハなどの基板や小サイズの有機基板を使用した場合は現状でも大きな問題もなく封止成形できるが、8インチ径以上のウエハや大型の有機基板では封止後、エポキシ樹脂などの収縮応力が大きいため片面成形したウエハや有機基板では大きな反りや基板の割れが発生し半導体装置を製造することができなくなっている。
ウエハや基板の大型化にともなう上記のような問題を解決するにはフィラーを95質量%レベルまで充填することや、樹脂の低弾性化で硬化時の収縮応力を小さくすることが必要である。
特開2001−044324号公報 特開2003−213087号公報 特開2009−032842号公報
しかしながら、フィラーを95質量%レベルまで充填して十分に成形可能な性能を持った熱硬化性樹脂は現在製造できない。また、反りが発生しないレベルまで低弾性化すると耐熱性や耐湿性が低下するといった不具合が発生する。
また、複数の半導体素子を搭載した基板を樹脂で封止して封止層を形成する際、不良の半導体素子がある場合には、その不良素子を取り除いてから封止を行っている。この場合、封止層の形成に必要な樹脂の量は取り除いた不良素子の体積分多くなる。そのため、封止層の形成に必要な樹脂の体積制御が必要となる。
しかし、このように封止時に毎回必要な樹脂量を算出して充填量を調整することは非常に煩雑であり、工程時間を増加させるという問題や、充填量が足りずに封止層にボイドが形成される等の不具合が発生するという問題を生じる。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたもので、支持基材付封止材であって、従来のフィラーによる反り対策及び封止層形成時の不良素子数に応じた樹脂充填量の調整を行うことなく反りの低減及び充填性の不良の防止ができ、耐熱性、耐湿性に優れた半導体装置を製造できる支持基材付封止材、支持基材付封止材を用いた封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハ、それらにより作製される半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、半導体素子が搭載された基板の半導体素子搭載面又は半導体素子が形成されたウエハの半導体素子形成面を一括封止する封止材であって、
前記基板又は前記ウエハとの膨張係数(ppm/℃)の差が5ppm以下である支持基材と熱硬化性樹脂層とを積層した支持基材付封止材において、前記熱硬化性樹脂層が厚さ方向において高低差を有する形状であることを特徴とする支持基材付封止材を提供する。
このように、半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハとの膨張係数の差が5ppm以下である支持基材と、厚さ方向において高低差を有する形状である熱硬化性樹脂層とを積層した支持基材付封止材を用いて、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面と支持基材付封止材の熱硬化性樹脂層積層面を相対する形で一括封止することで、支持基材の作用により封止硬化時の熱硬化性樹脂層の収縮応力を抑制することができるため、大径ウエハや大型基板を封止した場合であっても、基板やウエハの反り、基板からの半導体素子の剥離を抑制でき、また、熱硬化性樹脂層の高低差により封止層形成時の不良素子数に応じた樹脂充填量の調整を行うことなく充填性の不良の防止ができ、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面をウエハレベルで一括封止できる。
また、前記熱硬化性樹脂層が未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂からなるものであることが好ましい。
このような熱硬化性樹脂層であれば、一括封止する際の充填性の不良をより効果的に防止することができる。
さらに、前記熱硬化性樹脂層は、50℃未満で固形化し、かつ50℃以上150℃以下で溶融するエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、及びエポキシシリコーン混成樹脂のいずれかを含むものであることが好ましい。
このような熱硬化性樹脂層であれば、封止硬化時の支持基材による収縮応力の抑制をより効果的にすることができる。
また、前記熱硬化性樹脂層の厚みが20ミクロン以上2000ミクロン以下であることが好ましい。
このように熱硬化性樹脂層の厚みが20ミクロン以上であれば、充填性の不良が生じることをより抑制でき、200ミクロン以下であれば半導体装置が厚くなり過ぎることを抑制できる。
また、前記熱硬化性樹脂層と前記支持基材との接触面積が前記支持基材の接触面の面積に対し20−100%であることが好ましい。
熱硬化性樹脂層と支持基材との接触面積をこのような値にすることで、積層した際の熱硬化性樹脂層が厚くなりすぎることをより抑制できる。
また本発明は、前記支持基材付封止材の有する熱硬化性樹脂層により半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を被覆し、前記熱硬化性樹脂層を加熱、硬化することで、前記支持基材付封止材により一括封止されたものであることを特徴とする封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハを提供する。
このような封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハであれば、基板やウエハの反り、基板からの半導体素子の剥離が抑制され、かつ封止層の充填性の不良が防止された封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハとなる。
また本発明は、前記封止後半導体素子搭載基板又は前記封止後半導体素子形成ウエハをダイシングして、個片化したものであることを特徴とする半導体装置を提供する。
このような半導体装置は、基板やウエハの反り、基板からの半導体素子の剥離が抑制され、かつ封止層の充填性の不良がない半導体装置となる。
さらに本発明は、前記本発明の支持基材付封止材の有する熱硬化性樹脂層により、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を被覆する被覆工程、前記熱硬化性樹脂層を加熱、硬化することで、前記半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は前記半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止し、封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハとする封止工程、及び該封止後半導体素子搭載基板又は該封止後半導体素子形成ウエハをダイシングし、個片化することで、半導体装置を製造する個片化工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
このような半導体装置の製造方法であれば、不良の半導体素子を取り除いた場合であってもその都度充填する樹脂量を調整する必要はなく、ボイド等の充填性の不良を発生させることなく確実に基板又はウエハと封止層とを一体化できる。また、大型基板を封止しても封止後の基板の反りや割れを抑制できる。さらに、ウエハレベルで一括封止することが可能となる。
また、前記被覆工程が圧縮成形又は真空ラミネーションによるものであることが好ましい。
このような方法で被覆工程を行うことで、充填性の不良を発生させることなく、より確実に基板又はウエハと封止層とを一体化できる。
さらに、前記被覆工程が、封止層の形成に必要な量よりも多い量の熱硬化性樹脂層を積層した支持基材付封止材を用い、該封止層を形成するキャビティ内部を充満させるとともに、余剰の前記熱硬化性樹脂をキャビティの外部に排出する樹脂充填工程を有することが好ましい。
このような工程を加えることで、充填する樹脂量を調整することなく、基板又はウエハと封止層との一体化を行うことができる。
さらに、前記被覆工程において、前記キャビティ内部の雰囲気を減圧して前記熱硬化性樹脂を成形することが好ましい。
このようにすれば、充填性の不良を発生させることなく、さらに確実に基板又はウエハと封止層とを一体化できる。
以上説明したように、本発明の支持基材付封止材であれば、半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハとの膨張係数の差が5ppm以下である支持基材が、硬化封止時の熱硬化性樹脂層の収縮応力を抑制することができるので、大口径ウエハや大型基板を封止した場合であっても、基板やウエハに反りが生じたり、半導体素子が基板から剥離したりすることを抑制できる。また、厚さ方向において高低差を有する形状である熱硬化性樹脂層を用いることで、封止層形成時の不良素子数に応じた樹脂充填量の調整を行うことなく充填性の不良の防止ができ、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止でき、かつ封止後には耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れ、非常に汎用性が高い封止材となる。さらに一括封止後の半導体素子搭載基板及び半導体素子形成ウエハを個片化した半導体装置は高品質なものとなる。また、支持基材付封止材を用いた半導体装置の製造方法により、ボイドがなく高品質な半導体装置を製造することができる。
本発明の支持基材付封止材を示す概略図の一例である。 本発明の支持基材付封止材を示す概略図の別の一例である。 本発明の封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハの断面図の一例である。 本発明の封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハから作製された半導体装置の一例である。 本発明の支持基材付封止材を用いて半導体素子を搭載した基板から半導体装置を製造する方法のフロー図の一例である。 本発明の半導体装置の製造方法の被覆工程及び封止工程に用いる成形金型の断面図の一例である。
以下、本発明の支持基材付封止材、支持基材付封止材により封止された封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハ、それらにより作製された半導体装置、及びその製造方法について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、半導体素子を搭載した大型基板や半導体素子を形成した大口径ウエハを封止した場合であっても、基板やウエハに反りが生じたり、半導体素子が基板から剥離したりすることが抑制でき、不良素子数に応じた樹脂充填量の調整を行うことなく充填性の不良の防止ができ、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止でき、かつ封止後には耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れる汎用性の高い封止材が求められていた。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を重ねた結果、半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハとの膨張係数の差が5ppm以下である支持基材に、熱硬化性樹脂層を積層した支持基材付封止材において、熱硬化性樹脂層が厚さ方向において高低差を有する形状である支持基材付封止材であれば、硬化封止時の熱硬化性樹脂層の収縮応力を抑制することを見出し、この収縮応力の抑制作用により、大口径ウエハや大型基板を封止した場合であっても、基板やウエハの反り、基板からの半導体素子の剥離を抑制できることを見出し、不良素子数に応じた樹脂充填量の調整を行うことなく充填性の不良の防止ができることを見出し、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面と、本発明の支持基材付封止材の熱硬化性樹脂層積層面を相対する形で一括封止できることを見出し、封止後には耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れ、非常に汎用性が高い封止材となることを見出して、本発明の支持基材付封止材を完成させた。
また、本発明者らは、上記の支持基材付封止材により一括封止された封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハであれば、基板やウエハの反りが生じたり、基板から半導体素子が剥離したりすることが抑制された封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハとなることを見出し、さらに、このように反りや半導体素子の剥離が抑制された封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハを個片化することで、高品質の半導体装置が得られることを見出し、本発明の封止後半導体素子搭載基板、封止後半導体素子形成ウエハ、及び半導体装置を完成させた。
さらに、本発明者らは、上記の支持基材付封止剤を用いることで簡便に半導体素子搭載面又は半導体素子形成面を被覆することができることを見出し、支持基材付封止材の硬化性樹脂層を加熱、硬化することで半導体素子搭載面又は半導体素子形成面をボイドの発生することなく一括封止することができることを見出し、さらに、このように封止性能に優れる支持基材付封止材により封止され、反り、半導体素子の剥離が抑制された封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハをダイシングし、個片化することで、高品質な半導体装置を製造することができることを見出して、本発明の半導体装置の製造方法を完成させた。
すなわち本発明の支持基材付封止材は、
半導体素子が搭載された基板の半導体素子搭載面又は半導体素子が形成されたウエハの半導体素子形成面を一括封止する封止材であって、
基板又はウエハとの膨張係数(ppm/℃)の差が5ppm以下である支持基材と熱硬化性樹脂層とを積層した支持基材付封止材において、熱硬化性樹脂層が厚さ方向において高低差を有する形状であることを特徴とするものである。
<支持基材>
本発明の支持基材付封止材に用いる支持基材は、封止の対象となる半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハとの膨張係数の差、特に後述の積層される熱硬化性樹脂層を硬化させる温度(二次硬化も含む)までの膨張係数の差が5ppm以下であり、3ppm以下であることが好ましく、2ppm以下であることがより好ましい。
上記の膨張係数とは、X−Y方向の膨張係数のことを示し、支持基材、半導体素子を搭載した基板、及び半導体素子を形成したウエハの面方向に任意にX軸、Y軸をとって測定した膨張係数のことを示す。
このように膨張係数の差を5ppm以下とすることで、熱硬化性樹脂層を硬化させた時の収縮応力による反りを抑制することができるため、本発明の支持基材付封止材により大径ウエハや大型基板を封止した場合であっても、基板やウエハの反り、基板やウエハからの半導体素子の剥離を抑制できる。
支持基材として使用することができるものは特に限定されず、封止する対象となる半導体素子を搭載した基板や半導体素子を形成したウエハ等に応じて、無機基板、金属基板、又は有機樹脂基板を使用することができる。特に有機樹脂基板を使用する場合には、後述する膨張係数を制御する観点から繊維基材含有の有機樹脂基板を使用することもできる。
無機基板としてはセラミックス基板、ガラス基板、シリコンウエハなど、金属基板としては表面が絶縁処理された銅やアルミ基板などを代表的なものとして挙げることができる。有機樹脂基板としては繊維基材に熱硬化性樹脂やフィラー等を含浸させてなる樹脂含浸繊維基材、さらに熱硬化性樹脂を半硬化又は硬化した樹脂含浸繊維基材や、熱硬化性樹脂等を基板状に成形した樹脂基板が挙げられる。代表的なものとして、BT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂基板、ガラスエポキシ基板、FRP(繊維強化プラスチック)基板等を挙げることができる。
有機樹脂基板に用いる繊維基材として使用することができるものとしては、例えば炭素繊維、ガラス繊維、石英ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維等の有機繊維、さらには炭化ケイ素繊維、炭化チタン繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維等が挙げられ、製品特性に応じていかなるものも使用することができる。また、最も好ましい繊維基材としてはガラス繊維、石英繊維、炭素繊維等を挙げることができる。中でも絶縁性の高いガラス繊維や石英ガラス繊維が繊維基材として好ましい。
有機樹脂基板に用いる熱硬化性樹脂としては、BT樹脂、エポキシ樹脂等や、通常半導体素子の封止に使用される下記に例示するようなエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、さらにエポキシ樹脂とシリコーン樹脂からなる混成樹脂等が挙げられるが、特に限定はされない。
繊維基材に含浸させる熱硬化性樹脂として熱硬化性エポキシ樹脂を用いた樹脂含浸繊維基材、又はエポキシ樹脂を含浸後に半硬化したものを支持基材として使用して本発明の支持基材付封止材を作製する場合、支持基材の片面上に形成される後述の未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層に用いる熱硬化性樹脂もエポキシ樹脂であることが好ましい。このように、支持基材に含浸させた熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂層の熱硬化性樹脂とが同種の樹脂であれば、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止するときに同時に硬化をさせることができ、それにより一層強固な封止機能が達成されるため好ましい。繊維基材に含浸させる熱硬化性樹脂としてシリコーン樹脂を用いた場合も同様に、未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂であることが好ましい。
支持基材の厚みは、無機基板、金属基板、又は有機樹脂基板のいずれの場合も20ミクロン(μm)以上1000ミクロン(μm)以下であることが好ましく、30ミクロン以上500ミクロン以下であることがより好ましい。20ミクロン以上であれば変形しやすくなることを抑制できるため好ましく、また1000ミクロン以下であれば半導体装置そのものが厚くなることを抑制できるため好ましい。
このような支持基材は、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止したあとの反りを低減させ、一個以上の半導体素子を配列、接着させた基板を補強するために重要である。そのため、硬くて剛直な支持基材であることが好ましい。
<熱硬化性樹脂層>
本発明の支持基材付封止材は熱硬化性樹脂層を有する。熱硬化性樹脂層は、支持基材の片面上に形成された未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂からなるものであることが好ましい。このような熱硬化性樹脂層は、封止するための樹脂層となる。
熱硬化性樹脂層の厚みは20ミクロン以上2000ミクロン以下であることが好ましい。20ミクロン以上であれば半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を封止するのに充分であり、薄すぎることによる充填性の不良が生じることを抑制できるため好ましく、2000ミクロン以下であれば封止された封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハが厚くなり過ぎることが抑制できるため好ましい。
熱硬化性樹脂層は、特に制限はされないが、通常、半導体素子の封止に使用される液状エポキシ樹脂や固形のエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、又はエポキシ樹脂とシリコーン樹脂からなる混成樹脂からなる熱硬化性樹脂層であることが好ましい。特に、50℃未満で固形化し、かつ50℃以上150℃以下で溶融するエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、及びエポキシシリコーン混成樹脂のいずれかを含むものであることが好ましい。
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂又は4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂のようなビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、トリスフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ樹脂、及びフェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂の芳香環を水素化したエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂など室温(25℃)で液状や固体の公知のエポキシ樹脂が挙げられる。また、必要に応じて、上記以外のエポキシ樹脂を本発明の効果を損なわない範囲で一定量併用することができる。
エポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂層は、半導体素子を封止する樹脂層となることから塩素等のハロゲンイオン、またナトリウム等のアルカリイオンは極力減らしたものであることが好ましい。各イオンを減らす方法としては、イオン交換水50mlに試料10gを添加し、密封して120℃のオーブン中に20時間静置した後、加熱抽出する方法を挙げることができ、120℃での抽出でいずれのイオンも10ppm以下であることが好ましい。
エポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂層にはさらにエポキシ樹脂の硬化剤を加えることができる。このような硬化剤としてはフェノールノボラック樹脂等のフェノール樹脂、各種アミン誘導体、酸無水物や酸無水物基を一部開環させカルボン酸を生成させたものなどを挙げることができる。なかでも本発明の支持基材付封止材を用いて製造される半導体装置の信頼性を確保するためにフェノールノボラック樹脂が好ましい。特に、エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂の混合比をエポキシ基とフェノール性水酸基の比率が1:0.8〜1.3となるように混合することが好ましい。
更に、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進するため、反応促進剤としてイミダゾール誘導体、フォスフィン誘導体、アミン誘導体、有機アルミニウム化合物などの金属化合物等を加えても良い。
エポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂層には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、樹脂の性質を改善する目的で種々の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤等の添加剤が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で添加配合することができる。
[シリコーン樹脂]
シリコーン樹脂としては、熱硬化性のシリコーン樹脂等が使用可能である。特に、シリコーン樹脂からなる熱硬化性樹脂層は付加硬化型シリコーン樹脂組成物を含むことが好ましい。付加硬化型シリコーン樹脂組成物としては、(A)非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(C)白金系触媒を必須成分として含むものが特に好ましい。以下、これら(A)〜(C)成分について説明する。
(A)成分の非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物は、シリコーン樹脂組成物のベースポリマー(主剤)として作用するものであり、この(A)成分としては、
SiO−(RSiO)−(RSiO)−SiR (1)
(式中、Rは非共役二重結合含有一価炭化水素基を示し、R〜Rはそれぞれ同一又は異種の一価炭化水素基を示し、a及びbは0≦a≦500、0≦b≦250、かつ0≦a+b≦500を満たす整数である。)
で示される分子鎖両末端にアルケニル基等の非共役二重結合を有する直鎖状のオルガノポリシロキサンが例示される。
上記一般式(1)中、Rは非共役二重結合含有一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜8、特に好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基で代表される脂肪族不飽和結合を有する非共役二重結合含有一価炭化水素基である。
上記一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ同一又は異種の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。また、このうちR〜Rは、より好ましくは脂肪族不飽和結合を除く一価炭化水素基であり、特に好ましくはアルケニル基等の脂肪族不飽和結合を持たないアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。さらに、このうちR、Rは芳香族一価炭化水素基であることが好ましく、フェニル基やトリル基等の炭素数6〜12のアリール基等であることが特に好ましい。
上記一般式(1)中、a及びbは0≦a≦500、0≦b≦250、かつ0≦a+b≦500を満たす整数であり、aは10≦a≦500、特に10≦a≦250であることが好ましく、bは0≦b≦150、特に0≦b≦100であることが好ましく、またa+bは10≦a+b≦500、特に10≦a+b≦250を満たすことが好ましい。
上記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンは、例えば、環状ジフェニルポリシロキサン、環状メチルフェニルポリシロキサン等の環状ジオルガノポリシロキサンと、末端基を構成するジフェニルテトラビニルジシロキサン、ジビニルテトラフェニルジシロキサン等のジシロキサンとのアルカリ平衡化反応によって得ることができるが、この場合、アルカリ触媒(特にKOH等の強アルカリ)による平衡化反応においては、少量の触媒で不可逆反応で重合が進行するため、定量的に開環重合のみが進行し、末端封鎖率も高いため、通常、シラノール基及びクロル分は含有されない。
上記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンとしては、具体的に下記のものが例示される。
Figure 2014103176
(上記式において、k、mは、0≦k≦500、特には5≦k≦250、0≦m≦250、特には0≦m≦100、かつ0≦k+m≦500を満足する整数であり、好ましくは5≦k+m≦250、より好ましくは10≦k+m≦250、かつ0≦m/(k+m)≦0.5を満足する整数である。)
(A)成分としては、上記一般式(1)で示される直鎖構造を有するオルガノポリシロキサンの他、必要に応じて、3官能性シロキサン単位、4官能性シロキサン単位等の分岐構造を含む三次元網目構造を有するオルガノポリシロキサンを併用することもできる。このような非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物は1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
(A)成分の非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物中の非共役二重結合を有する基(Si原子に結合する二重結合を有する一価炭化水素基)の量は、全一価炭化水素基(Si原子に結合する全ての一価炭化水素基)のうち1〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは2〜40モル%、特に好ましくは5〜30モル%である。非共役二重結合を有する基の量が1モル%以上であれば硬化させたときに良好な硬化物を得ることができ、50モル%以下であれば硬化させたときの機械的特性が良いため好ましい。
また、(A)成分の非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物は芳香族一価炭化水素基(Si原子に結合する芳香族一価炭化水素基)を有することが好ましく、芳香族一価炭化水素基の含有量は、全一価炭化水素基(Si原子に結合する全ての一価炭化水素基)の0〜95モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%である。芳香族一価炭化水素基は樹脂中に適量含まれた方が、硬化させたときの機械的特性が良く製造もしやすいという利点がある。
(B)成分:オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(B)成分としては、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を2個以上、特には3個以上、とりわけ3〜50個程度有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであれば、架橋剤として作用し、(B)成分中のSiH基と(A)成分のビニル基、アルケニル基等の非共役二重結合含有基とが付加反応することにより、より簡便に硬化物を形成することができる。
また、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、シリコーン樹脂組成物の架橋剤(硬化剤)として作用するものであり、この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、芳香族一価炭化水素基、特にはフェニル基等のアリール基を有することが好ましい。このように、芳香族一価炭化水素基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであれば、上記の(A)成分との相溶性を高めることができる。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよく、例えば、芳香族炭化水素基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを(B)成分の一部又は全部として含ませることができる。
(B)成分としては、特に限定されるものではないが、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、1−グリシドキシプロピル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−グリシドキシプロピル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−グリシドキシプロピル−5−トリメトキシシリルエチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、トリメトキシシラン重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C)SiO3/2単位とからなる共重合体等を挙げることができる。
また、下記構造で示される単位を使用して得られるオルガノハイドロジェンポリシロキサンも用いることができる。
Figure 2014103176
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(又は重合体の場合は重合度)は2以上が好ましく、より好ましくは2〜1,000、特に好ましくは2〜300程度のものを使用することができる。
(B)成分の配合量は、(A)成分のアルケニル基等の非共役二重結合を有する基1個当たり(B)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)が0.7〜3.0個となる量であることが好ましい。
(C)成分:白金系触媒
(C)成分としては、例えば塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、キレート構造を有する白金錯体等が挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上の組み合わせでも使用することができる。
(C)成分の配合量は、硬化有効量であり所謂触媒量でよく、通常、(A)成分及び(B)成分の総質量100質量部あたり、白金族金属の質量換算で0.1〜500ppmであることが好ましく、特に0.5〜100ppmの範囲であることが好ましい。
シリコーン樹脂からなる熱硬化性樹脂層は、半導体素子を封止する樹脂層となることから塩素等のハロゲンイオン、またナトリウム等のアルカリイオンは極力減らしたものであることが好ましい。各イオンを減らす方法としては、エポキシ樹脂と同様であり、120℃での抽出でいずれのイオンも10ppm以下であることが好ましい。
[エポキシ樹脂とシリコーン樹脂からなる混成樹脂]
エポキシ樹脂とシリコーン樹脂からなる混成樹脂に含まれるエポキシ樹脂とシリコーン樹脂としては、前述のものが挙げられる。
エポキシ樹脂とシリコーン樹脂からなる混成樹脂からなる熱硬化性樹脂層は、半導体素子を封止する樹脂層となることから塩素等のハロゲンイオン、またナトリウム等のアルカリイオンは極力減らしたものであることが好ましい。各イオンを減らす方法としては、エポキシ樹脂及びシリコーン樹脂と同様であり、120℃での抽出でいずれのイオンも10ppm以下であることが好ましい。
[無機充填材]
本発明に係る熱硬化性樹脂層には、必要に応じてさらに無機充填材を配合することができる。配合される無機充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミノシリケート、ボロンナイトライド、ガラス繊維、三酸化アンチモン等が挙げられる。これら無機充填材の平均粒径や形状は特に限定されない。
特にエポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂層に添加する無機充填材としては、エポキシ樹脂と無機充填材との結合強度を強くするため、シランカップリング剤(例えば、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基、ウレイド基等の官能性基で置換された一価炭化水素基を有するアルコキシシラン及び/又はこれらの部分加水分解縮合物)、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理したものを配合してもよい。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシラン等を用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に限定されるものではない。
シリコーン樹脂組成物からなる熱硬化性樹脂層に添加する場合も、無機充填材の表面を上記のようなカップリング剤で処理したものを配合しても良い。
無機充填材の配合量は、エポキシ樹脂組成物やシリコーン樹脂組成物中の樹脂の総質量100質量部に対し、100〜1300質量部が好ましく、特に200〜1000質量部が好ましい。100質量部以上であれば十分な強度を得ることができ、1300質量部以下であれば増粘による流動性の低下が抑制され、流動性低下による充填性の不良が抑制され、結果としてウエハに形成された半導体素子及び基板上に配列・搭載された半導体素子を良好に封止することができる。なお、この無機充填材は、熱硬化性樹脂層を構成する組成物全体の50〜95質量%、特に60〜90質量%の範囲で含有することが好ましい。
<支持基材付封止材>
本発明の支持基材付封止材の概略図の一例を図1及び図2に示す。本発明の支持基材付封止材10は、支持基材1と厚さ方向において高低差を有する熱硬化性樹脂層2とを積層したものである。
本発明に係る熱硬化性樹脂層は厚さ方向において高低差を有する形状である。図1(a)〜(e)及び図2は高低差を有する形状の例を示している。このような形状としては、特に中心部が周辺部に比べて高くなっている形状が好ましいが、中心部が周辺部に比べて低くなっている形状でも良い。
このような形状とすることで、支持基材付封止材を用いて、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面と支持基材付封止材の熱硬化性樹脂層積層面を相対する形で一括封止する際に、熱硬化性樹脂層に巻き込まれやすいボイドを効率よく封止エリア外に排斥することが可能となる。
熱硬化性樹脂層と支持基材との接触面積は支持基材の接触面の面積に対し20−100%であることが好ましく、40−100%であることがより好ましい。
熱硬化性樹脂層と支持基材との接触面積は支持基材の接触面の面積に対して20%以上であれば、半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハの封止に必要な樹脂量を積層した際、熱硬化性樹脂層が厚くなりすぎることがなく、半導体素子搭載面又は半導体素子形成面を均一に充填することができるため好ましい。
[支持基材付封止材の作製方法]
本発明の支持基材付封止材の作製において熱硬化性樹脂層を支持基材に積層する際に、例えば、熱硬化性樹脂を金型等を用いて圧縮成形する方法、印刷又は大きさの異なるシート状あるいはフィルム状の熱硬化性樹脂を積層する方法等により、厚さ方向において高低差を有する形状の熱硬化性樹脂層を形成することができる。以下、支持基材付封止材の作製方法について例示するが、いずれの方法も熱硬化性樹脂層に厚さ方向において高低差を有する形状を形成するための処置を施したものである。
支持基材の片面上に、未硬化の熱硬化性樹脂をシート状あるいはフィルム状で積層し、真空ラミネートや高温真空プレス、熱ロール等を用いて未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層を形成することができる。
また、支持基材の片面上に、減圧又は真空下で、印刷やディスペンス等で液状エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を塗布し、加熱することで、50℃以下で固形な熱硬化性樹脂層を形成することができる。
さらに、支持基材の片面上に未硬化の熱硬化性樹脂をプレス成形、印刷するなど、従来のエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等で用いられてきた各種の方法で未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層を形成することができる。
その他、室温で固体のエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等を加熱しながら加圧する方法やエポキシ樹脂組成物にアセトン等の極性溶剤を適量添加することで液状化し印刷などで薄膜を形成し、溶剤を減圧下で加熱するなどの方法で除去することで支持基材の片面上に未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層を形成することができる。
いずれの方法でも支持基材の片面上に、ボイドや揮発成分のない、厚みが20以上2000ミクロン以下の未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂からなり、厚さ方向において高低差を有する形状の熱硬化性樹脂層を形成することができる。
さらに支持基材付封止材の作製方法について別の形態を以下に説明する。
支持基材が有機基板で、かつ有機基板として繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた、あるいはさらに熱硬化性樹脂を半硬化させた樹脂含浸繊維基材を用いる場合、繊維基材に含浸させる熱硬化性樹脂と、支持基材の片面上に形成される未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層の熱硬化性樹脂とが同種の樹脂であれば、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止するときに同時に硬化をさせることができ、それにより一層強固な封止機能が達成されるため好ましいことは既に述べた。
さらに繊維基材に含浸させる熱硬化性樹脂と、支持基材の片面上に形成される未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層の熱硬化性樹脂とが同一組成の樹脂の場合、支持基材の作製と熱硬化性樹脂層の形成をそれぞれ別に、順次行ってもいいが、工程を簡略化するために、支持基材の作製と熱硬化性樹脂層の形成を同時に行うこともできる。
具体的には、繊維基材の片面上に、未硬化の熱硬化性樹脂をシート状あるいはフィルム状で積層し、真空ラミネートや高温真空プレス、熱ロール等を用いて、熱硬化性樹脂を繊維基材に含浸させると同時に、未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層を形成することができる。
また、繊維基材の片面上に、減圧又は真空下で、印刷やディスペンス等で液状エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を塗布し、熱硬化性樹脂を繊維基材に含浸させた後に加熱することで、50℃以下で固形な熱硬化性樹脂層を形成することができる。
さらに、繊維基材の片面上に未硬化の熱硬化性樹脂をプレス成形、印刷するなど、従来の熱硬化性エポキシ樹脂や熱硬化性シリコーン樹脂等で用いられてきた各種の方法で熱硬化性樹脂を繊維基材に含浸させると同時に、未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層を形成することができる。
その他、繊維基材の片面上で、室温で固体の熱硬化性エポキシ樹脂や熱硬化性シリコーン樹脂等を加熱しながら加圧する方法やエポキシ樹脂組成物にアセトン等の極性溶剤を適量添加することで液状化し印刷などで薄膜を形成し、溶剤を減圧下で加熱するなどの方法で除去することで、熱硬化性樹脂を繊維基材に含浸させると同時に、未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂層を形成することができる。
この形態においても、繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた部分は、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止して硬化した後には半導体素子を搭載した基板又は半導体素子を形成したウエハとの膨張係数の差が5ppm以下となるように、繊維基材と熱硬化性樹脂を選択し、熱硬化性樹脂層に厚さ方向において高低差を有する形状を形成する処置を施すことで本発明の効果が得られる。
[半導体素子を搭載した基板及び半導体素子を形成したウエハ]
本発明の支持基材付封止材は半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、及び半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止するための支持基材付封止材である。半導体素子を搭載した基板としては、例えば図3(a)中の一個以上の半導体素子3を接着剤4で無機、金属あるいは有機基板5上に搭載した基板が挙げられる。また、半導体素子を形成したウエハとしては、例えば図3(b)中のウエハ7上に半導体素子6が形成されたウエハが挙げられる。なお、半導体素子を搭載した基板とは、半導体素子を搭載し配列等した半導体素子アレイを含むものである。
<封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハ>
本発明の支持基材付封止材により封止された封止後半導体素子搭載基板及び封止後半導体素子形成ウエハの断面図の一例を図3(a)及び(b)に示す。本発明の封止後半導体素子搭載基板11は、支持基材付封止材10の熱硬化性樹脂層2(図1及び図2参照)により半導体素子3を搭載した基板5の半導体素子搭載面を被覆し、熱硬化性樹脂層2(図1及び図2参照)を加熱、硬化することで硬化後の樹脂層2’とし、支持基材付封止材10により一括封止されたものである(図3(a))。また、本発明の封止後半導体素子形成ウエハ12は、支持基材付封止材10の熱硬化性樹脂層2(図1及び図2参照)により半導体素子6を形成したウエハ7の半導体素子形成面を被覆し、熱硬化性樹脂層2(図1及び図2参照)を加熱、硬化することで硬化後の樹脂層2’とし、支持基材付封止材10により一括封止されたものである(図3(b))。
このように、支持基材付封止材の熱硬化性樹脂層により、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を被覆し、熱硬化性樹脂層を加熱、硬化することで、支持基材付封止材により一括封止された封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハであれば、成形後に熱硬化性樹脂層にボイドを発生させることなく、基板やウエハの反りが生じたり、基板から半導体素子が剥離したりすることが抑制された封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハとなる。
<半導体装置>
本発明の半導体装置の一例を図4(a)、(b)に示す。本発明の半導体装置13、14は封止後半導体素子搭載基板11(図3(a)参照)又は封止後半導体素子形成ウエハ12(図3(b)参照)をダイシングして、個片化したものである。このように、耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れる支持基材付封止材により封止され、かつ基板やウエハの反り、基板からの半導体素子3の剥離が抑制された封止後半導体素子搭載基板11又は封止後半導体素子形成ウエハ12をダイシングし、個片化して作製された半導体装置13又は半導体装置14は高品質な半導体装置となる。封止後半導体素子搭載基板11をダイシングして個片化した場合、半導体装置13は基板5上に接着剤4を介して半導体素子3が搭載され、その上から硬化後の樹脂層2’と支持基材1からなる支持基材付封止材10により封止された半導体装置となる(図4(a))。また、前記封止後半導体素子形成ウエハ12をダイシングして個片化した場合、半導体装置14はウエハ7に半導体素子6が形成され、その上から硬化後の樹脂層2’と支持基材1からなる支持基材付封止材10により封止された半導体装置となる(図4(b))。
<半導体装置の製造方法>
本発明の半導体装置の製造方法は、
支持基材付封止材の有する熱硬化性樹脂層により半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を被覆する被覆工程、
熱硬化性樹脂層を加熱、硬化することで、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止し、封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハとする封止工程、及び
封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハをダイシングし、個片化することで、半導体装置を製造する個片化工程を有する。
以下、図5を用いて本発明の半導体装置の製造方法の各工程について説明する。
[被覆工程]
本発明の半導体装置の製造方法に係る被覆工程は、支持基材1と熱硬化性樹脂層2を有する支持基材付封止材10の熱硬化性樹脂層2により、接着剤4を介して半導体素子3を搭載した基板5の半導体素子搭載面、又は半導体素子(不図示)を形成したウエハ(不図示)の半導体素子形成面を被覆する工程である(図5(A))。
[封止工程]
本発明の半導体装置の製造方法に係る封止工程は、支持基材付封止材10の熱硬化性樹脂層2を加熱、硬化して硬化後の樹脂層2’とすることで、半導体素子3を搭載した基板5の半導体素子搭載面又は半導体素子(不図示)を形成したウエハ(不図示)の半導体素子形成面を一括封止し、封止後半導体素子搭載基板11又は封止後半導体素子形成ウエハ(不図示)とする工程である(図5(B))。
[個片化工程]
本発明の半導体装置の製造方法に係る個片化工程は、封止後半導体素子搭載基板11又は封止後半導体素子形成ウエハ(不図示)をダイシングし、個片化することで、半導体装置13又は半導体装置14(図4(b)参照)を製造する工程である(図5(C)、(D))。
以下、より具体的に説明する。
被覆工程、封止工程においては、通常使用される圧縮成形、真空ラミネーション等を利用することができる。
本発明に係る被覆工程及び封止工程の形態の一例として、圧縮成形の例を説明する。
室温〜200℃に加熱された、キャビティを有する成形金型の上金型あるいは下金型の一方の表面に1個以上の半導体素子を搭載した金属、無機、あるいは有機基板又は半導体素子を形成したウエハを、片一方の金型表面には本発明の支持基材付封止材を、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面と、本発明の支持基材付封止材の熱硬化性樹脂層積層面を相対する形で配置する。その後上下金型を加圧し、圧縮成形することで熱硬化性樹脂を硬化させ上下基板を一体化させる。
この際、間隙への充填性を向上させるため、上下金型がパッキンを介して接触した段階で金型内の雰囲気を減圧し、その後熱硬化性樹脂を成形することもできる。減圧度としてはできるだけ真空に近いレベルまで減圧するほうが良い。例えば、真空度を0.01333〜13.33KPa(0.1〜100Torr)とすることができる。
本発明に係る被覆工程及び封止工程の別の形態としては、少なくとも1つ以上の半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止するために必要な封止樹脂量よりも過剰な量の熱硬化性樹脂層を形成させた支持基材付封止材を用い、これを圧縮成形する際に、余剰の前記熱硬化性樹脂をキャビティの外部に排出する成形機構を有する封止工程であってもよい。これにより、搭載される半導体素子の数量に関わらず、常に一定の成形形状を保つことができるとともに効率的なボイドの排斥を行うことが可能となる。
さらに別の形態としては、被覆工程、封止工程において、ソルダーレジストフィルムや各種絶縁フィルム等のラミネーションに使用されている真空ラミネータ装置等を使用することで、ボイドも反りもない被覆、封止を行うことができる。ラミネーションの方式としてはロールラミネーションやダイアフラム式真空ラミネーション、エアー加圧式ラミネーション等いずれの方式も使用することができる。なかでも、真空ラミネーションとエアー加圧式の併用が好ましい。
ここでは例として、ニチゴーモートン社製の真空ラミネーション装置を用いて、厚み50ミクロンの支持基材と片面に厚み50ミクロンの未硬化の熱硬化性シリコーン樹脂からなる熱硬化性樹脂層を有する支持基材付封止材で、厚み250ミクロン、直径300mm(12インチ)のシリコンウエハを封止する場合について説明する。
上下にヒーターが内蔵され150℃に設定されたプレートのうち、上側プレートにはダイアフラムラバーが減圧された状態でヒーターと密着している。下側プレート上に300mm(12インチ)のシリコンウエハをセットし、その上に片面に前記支持基材付封止材を熱硬化性樹脂層面をシリコンウエハの半導体形成面に合わせてセットする。その後、下側プレートが上昇し、下側プレート上にセットされたシリコンウエハを囲むように設置されたOリングにより上下のプレートが密着して真空チャンバーが形成され、該真空チャンバー内が減圧される。真空チャンバー内が十分に減圧されたら、上側プレートのダイアフラムラバーとヒーターの間から真空ポンプにつながる配管の弁を閉じ、圧縮空気を送り込む。それにより、上側のダイアフラムラバーが膨張しシリコンウエハと支持基材付封止材を上側のダイアフラムラバーと下側のプレートで挟み、真空ラミネーションを行うと同時に熱硬化性シリコーン樹脂の硬化が進行し、封止が完了する。硬化時間としては3〜20分程度あれば十分である。真空ラミネーションが完了したら真空チャンバー内を常圧に戻し、下側プレートを下降させ、封止したシリコンウエハを取り出す。上記工程によりボイドや反りのないウエハの封止を行うことができる。取り出したシリコンウエハは通常、150〜180℃の温度で1〜4時間ポストキュアすることで電気特性や機械特性を安定化させることができる。
上記の真空ラミネーション装置を用いた被覆、封止工程は例示したシリコーン樹脂に限らず、エポキシ樹脂やエポキシとシリコーンの混成樹脂の場合にも用いることができる。
このような半導体装置の製造方法であれば、厚さ方向において高低差を有する形状である熱硬化性樹脂層を用いることで、被覆工程においては封止層形成時の不良素子数に応じた樹脂充填量の調整を行うことなく充填性の不良を防止し、半導体素子搭載面又は半導体素子形成面を被覆することができる。また、前記支持基材付封止材を使用するので、支持基材が熱硬化性樹脂層の硬化時の収縮応力を抑制できるため、封止工程において該半導体素子搭載面又は半導体素子形成面をボイドの発生することなく一括封止することができ、薄型の大口径ウエハや大型基板を封止した場合であっても、基板やウエハの反り、基板からの半導体素子の剥離が抑制された封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハを得ることができる。さらに、個片化工程においては耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れる支持基材付封止材により封止され、かつ反りが抑制された該封止後半導体素子搭載基板又は該封止後半導体素子形成ウエハから半導体装置をダイシングし、個片化することができるため、高品質な半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法となる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
半導体素子が搭載された基板(半導体素子搭載基板)として、以下の半導体素子搭載の有機樹脂基板を準備した。
半導体素子搭載の有機樹脂基板:厚み300μm、縦220mm、横240mmのBT樹脂基板(線膨張係数:15ppm/℃)。300μm厚み、9mm角のシリコンチップを最大144個搭載可能。エポキシダイボンド材で接着し、金線で基板と接続した。
支持基材として、以下の半導体素子非搭載の有機樹脂基板を準備した。
半導体素子非搭載の有機樹脂基板:厚み100μm、縦214mm、横234mmのBT樹脂基板(線膨張係数:15ppm/℃)。
(実施例1)
[熱硬化性樹脂層を形成するための組成物の作製]
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOCN1020 日本化薬(株)製)60質量部、フェノールノボラック樹脂(H−4 明和化成(株)製)30質量部、球状シリカ(龍森(株)製 平均粒径7ミクロン)400質量部、ハイドロタルサイト化合物(協和化成(株)製 Mg4.5Al(OH)13・3.5HO 商品名DHT−4A−2)を3重量部、モリブデン酸亜鉛(日本シャーウィン・ウイリアムス(株)製、商品名:911B)を10重量部、酸化ランタン(信越化学工業(株)製)を0.5重量部、触媒TPP(トリフェニルホスフィン 北興化学工業(株)製)0.2質量部、シランカップリング剤(KBM403 信越化学工業(株)製)0.5質量部を高速混合装置で十分混合した後、連続混練装置で加熱混練して、シート化し冷却した。シートを粉砕し顆粒状の粉末として熱硬化性エポキシ樹脂組成物(I−a)を得た。
[支持基材付封止材の作製]
支持基材を減圧下で加熱圧縮できる圧縮成形装置の下金型上にセットし、その上に熱硬化性エポキシ樹脂組成物(I−a)の顆粒粉末を均一に分散させた。上金型はキャビティを有し、この形状はキャビティの入り口で縦200mm、横220mm、キャビティの深部で縦180mm、横200mm、キャビティの深さ550ミクロンとした。
上下の金型温度を80℃にし、上金型にはフッ素樹脂コートしたPETフィルム(剥離フィルム)をセットして金型内を真空レベルまで減圧し、3分間圧縮成形して支持基材付封止材(I−b)を作製した。
このようにして得られた支持基材付封止材(I−b)は熱硬化性樹脂層の上記支持基材との接触面が縦200mm、横220mm、上面が縦180mm、横200mm、高さが545ミクロンの形状であった。
[半導体素子搭載基板の被覆及び封止]
図6に示すような第1のキャビティ24と第2のキャビティ29を有した成形金型23を準備した。圧縮成形装置の成形金型温度を150℃に設定し、上金型21に半導体素子搭載基板25を吸引することで吸着させた。一方、支持基材付封止材(I−b)の支持基材26は下金型22に同様に吸引吸着させた。その後、金型の周囲をシールし、その内部を脱気により真空度5kPaとした後、上下金型を閉じた。基板間の間隙は400μmとした。続いて20Kg/cmの圧力を加えて、第1のキャビティ24内を樹脂で満たすとともに、余剰な樹脂ならびにボイドをランナー30を通じて第2のキャビティ29へ排出した。この際に熱硬化性樹脂層28への加圧が低下しないよう、第2のキャビティ29に空気を導入した。成形時間は3分間で行った。
成形後、一体化した基板を成形金型から取り出し室温まで冷却した後、封止層の調査したところ、樹脂の不足やボイドの形成といった不具合は発生しなかった。また、基板の反りを測定したところ、反り量は長手方向で0.1mm、短手方向で0.1mmであった。更に180℃で4時間ポストキュアし、同様に反りを測定した結果、長手方向で0.1mm、短手方向で0.1mmとほとんど反りのないものであった。
この基板をダイシングテープに貼り付け、ダイシングを行い144個の個片化した半導体装置の裏面に半田ボールをつけて半導体装置を製造し、以下の耐熱性試験と耐湿性試験を行った。耐熱性試験では、この試験片に対してヒートサイクル試験(−25℃で10分保持、125℃で10分保持を1000サイクル繰り返す)を行い、試験後にも導通がとれるかを評価した。また、耐湿性試験では、この試験片に対して温度85℃、相対湿度85%の条件下で回路の両極に10Vの直流電圧を印加し、マイグレーションテスター(IMV社製、MIG−86)を用いて短絡が生じるかを評価した。その結果、全て問題なく機能していた。これにより優れた耐熱性、耐湿性を有することが明らかとなった。
また、半導体搭載基板上にシリコンチップが144個搭載されていないもの(1〜20個欠損)を用いて繰り返し上記と同様の条件で一括封止を行った。封止層の調査を行ったところ、樹脂の不足やボイドの形成といった不具合は発生しなかった。また、基板の反りを測定したところ、反り量は長手方向で0.1mm、短手方向で0.1mmであり、ポストキュア後も同じ値とほとんど反りのないものであった。さらに、ダイシングし、シリコンチップが搭載されている半導体装置の耐熱性試験及び耐湿性試験を同条件で行ったところ、全て問題なく機能していた。
(実施例2)
<合成例1>
−非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物(A1)−
PhSiClで示されるオルガノシラン:27mol、ClMeSiO(MeSiO)33SiMeCl:1mol、MeViSiCl:3molをトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物(A1)を合成した。この化合物は、構成する単位の構成比が式:[PhSiO3/20.27[−SiMeO−(MeSiO)33−SiMeO−]0.01[MeViSiO2/20.03で示される。この化合物の重量平均分子量は62,000、融点は60℃であった。なお、ここで組成式中のMe、Phはそれぞれメチル基、フェニル基を示し、Viは−CH=CHで示されるビニル基を示す(以下、同様。)。
<合成例2>
−オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)−
PhSiClで示されるオルガノシラン:27mol、ClMeSiO(MeSiO)33SiMeCl:1mol、MeHSiCl:3molをトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)を合成した。この樹脂は、構成する単位の構成比が式:[PhSiO3/20.27[−SiMeO−(MeSiO)33−SiMeO−]0.01[MeHSiO2/20.03で示される。この樹脂の重量平均分子量は58,000、融点は58℃であった。
[熱硬化性樹脂層を形成するための組成物の作製]
前述の非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物(A1):50質量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1):50質量部、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール:0.2質量部、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液:0.1質量部を加えた組成物に対して、さらに平均粒径5μmの球状シリカを350質量部加え60℃に加温したプラネタリーミキサーでよく撹拌し、熱硬化性シリコーン樹脂組成物(II−a)を調製した。この組成物は、室温(25℃)で固体であった。
[支持基材付封止材の作製]
ニチゴーモートン社製の真空ラミネーション装置を用い、プレート温度を80℃に設定した。この下側プレートに上記支持基材をセットし、その上に熱硬化性シリコーン樹脂組成物(II−a)を上記支持基材に合わせて被覆した。さらにその上をフッ素樹脂コートしたPETフィルム(剥離フィルム)で覆い、その後プレートを閉じ2分間真空圧縮成形することで支持基材と熱硬化性シリコーン樹脂組成物(II−a)からなる熱硬化性樹脂層とを積層した支持基材付封止材(II−b)を作製した。
このようにして得られた支持基材付封止材(II−b)は封止材である熱硬化性樹脂層が直方体状ではなく、中央部の厚さが450ミクロンで、周辺部に向かって膜厚が小さくなり、周辺部の膜厚が400ミクロンの形状であった。
[半導体素子搭載基板の被覆及び封止]
実施例1と同様の成形金型を準備した。圧縮成形装置の成形金型温度を120℃に設定し、上金型に半導体素子搭載基板を吸引することで吸着させた。一方、支持基材付封止材(II−b)は下金型に同様に吸引吸着させた。その後、金型の周囲をシールし、その内部を脱気により真空度5kPaとした後、上下金型を閉じた。基板間の間隙は400μmとした。続いて20Kg/cmの圧力を加えて、第1のキャビティ内を樹脂で満たすとともに、余剰な樹脂ならびにボイドをランナーを通じて第2のキャビティへ排出した。この際に熱硬化性樹脂層への加圧が低下しないよう、第2のキャビティに空気を導入した。成形時間は2分間で行った。
成形後、一体化した基板を成形金型から取り出し室温まで冷却した後、封止層の調査したところ、樹脂の不足やボイドの形成といった不具合は発生しなかった。また、基板の反りを測定したところ、反り量は長手方向で0.1mm、短手方向で0.1mmであった。更に150℃で4時間ポストキュアし、同様に反りを測定した結果、長手方向で0.1mm、短手方向で0.1mmとほとんど反りのないものであった。
この基板をダイシングテープに貼り付け、ダイシングを行い144個の個片化した半導体装置の裏面に半田ボールをつけて半導体装置を製造し、以下の耐熱性試験と耐湿性試験を行った。耐熱性試験では、この試験片に対してヒートサイクル試験(−25℃で10分保持、125℃で10分保持を1000サイクル繰り返す)を行い、試験後にも導通がとれるかを評価した。また、耐湿性試験では、この試験片に対して温度85℃、相対湿度85%の条件下で回路の両極に10Vの直流電圧を印加し、マイグレーションテスター(IMV社製、MIG−86)を用いて短絡が生じるかを評価した。その結果、全て問題なく機能していた。これにより優れた耐熱性、耐湿性を有することが明らかとなった。
(比較例1)
[支持基材付封止材の作製]
実施例1と同様に支持基材を減圧下で加熱圧縮できる圧縮成形装置を用い、支持基材を下金型上にセットし、その上に熱硬化性エポキシ樹脂組成物(I−a)の顆粒粉末を均一に分散させた。上金型はキャビティを有し、この形状はキャビティの入り口で縦90mm、横100mm、キャビティの深部で縦90mm、横100mm、キャビティの深さは2.5mmとした。
上下の金型温度を80℃にし、上金型にはフッ素樹脂コートしたPETフィルム(剥離フィルム)をセットして金型内を真空レベルまで減圧し、3分間圧縮成形して支持基材付封止材(II−c)を作製した。
このようにして得られた支持基材付封止材(II−c)は封止層である熱硬化性樹脂層の上記支持基材との接触面が縦90mm、横100mm、上面が縦90mm、横100mm、高さが2.49mmの形状であった。
[半導体素子搭載基板の被覆及び封止]
実施例1と同様の成形金型を準備した。圧縮成形装置の成形金型温度を120℃に設定し、上金型に半導体素子搭載基板を吸引することで吸着させた。一方、支持基材付封止材(II−c)は下金型に同様に吸引吸着させた。その後、金型の周囲をシールし、その内部を脱気により真空度5kPaとした後、上下金型を閉じた。基板間の間隙は400μmとした。続いて20Kg/cmの圧力を加えて、第1のキャビティ内を樹脂で満たすとともに、余剰な樹脂ならびにボイドをランナーを通じて第2のキャビティへ排出した。この際に熱硬化性樹脂層への加圧が低下しないよう、第2のキャビティに空気を導入した。成形時間は2分間で行った。
成形後、一体化した基板を成形金型から取り出し室温まで冷却した後、封止層の調査したところ、封止層内部にボイドが存在することが判明した。
この基板をダイシングテープに貼り付け、ダイシングを行い144個の個片化した半導体装置の裏面に半田ボールをつけて半導体装置を製造し、以下の耐熱性試験と耐湿性試験を行った。耐熱性試験では、この試験片に対してヒートサイクル試験(−25℃で10分保持、125℃で10分保持を1000サイクル繰り返す)を行い、試験後にも導通がとれるかを評価した。また、耐湿性試験では、この試験片に対して温度85℃、相対湿度85%の条件下で回路の両極に10Vの直流電圧を印加し、マイグレーションテスター(IMV社製、MIG−86)を用いて短絡が生じるかを評価した。その結果、耐熱試験では3個/144個、耐湿試験では25個/144個の短絡が確認された。
以上により、本発明の支持基材付封止材は、基板やウエハに反りが生じたり、半導体素子が基板から剥離したりすることを抑制でき、樹脂充填量の調整を行うことなく充填性の不良の防止ができ、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面、又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止でき、かつ封止後には耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れ、非常に汎用性が高い封止材となることが確認された。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…支持基材、 2…熱硬化性樹脂層、 2’…硬化後の樹脂層、
3…半導体素子、 4…接着剤、 5…基板、 6…半導体素子、 7…ウエハ、
10…支持基材付封止材、 11…封止後半導体素子搭載基板、
12…封止後半導体素子形成ウエハ、 13…半導体装置、 14…半導体装置、
21…上金型、 22…下金型、 23…成形金型、 24…第1のキャビティ、
25…半導体素子搭載基板、 26…支持基材、 27…半導体素子、
28…熱硬化性樹脂層、 29…第2のキャビティ、 30…ランナー。
(実施例1)
[熱硬化性樹脂層を形成するための組成物の作製]
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOCN1020 日本化薬(株)製)60質量部、フェノールノボラック樹脂(H−4 明和化成(株)製)30質量部、球状シリカ(龍森(株)製 平均粒径7ミクロン)400質量部、ハイドロタルサイト化合物(協和化成(株)製 Mg4.5Al(OH)13・3.5HO 商品名DHT−4A−2)を3量部、モリブデン酸亜鉛(日本シャーウィン・ウイリアムス(株)製、商品名:911B)を10量部、酸化ランタン(信越化学工業(株)製)を0.5量部、触媒TPP(トリフェニルホスフィン 北興化学工業(株)製)0.2質量部、シランカップリング剤(KBM403 信越化学工業(株)製)0.5質量部を高速混合装置で十分混合した後、連続混練装置で加熱混練して、シート化し冷却した。シートを粉砕し顆粒状の粉末として熱硬化性エポキシ樹脂組成物(I−a)を得た。

Claims (13)

  1. 半導体素子が搭載された基板の半導体素子搭載面又は半導体素子が形成されたウエハの半導体素子形成面を一括封止する封止材であって、
    前記基板又は前記ウエハとの膨張係数の差が5ppm以下である支持基材と熱硬化性樹脂層とを積層した支持基材付封止材において、前記熱硬化性樹脂層が厚さ方向において高低差を有する形状であることを特徴とする支持基材付封止材。
  2. 前記熱硬化性樹脂層が未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の支持基材付封止材。
  3. 前記熱硬化性樹脂層が、50℃未満で固形化し、かつ50℃以上150℃以下で溶融するエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、及びエポキシシリコーン混成樹脂のいずれかを含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支持基材付封止材。
  4. 前記熱硬化性樹脂層の厚みが20ミクロン以上2000ミクロン以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の支持基材付封止材。
  5. 前記熱硬化性樹脂層と前記支持基材との接触面積が前記支持基材の接触面の面積に対し20−100%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の支持基材付封止材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の支持基材付封止材の有する熱硬化性樹脂層により半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面を被覆し、前記熱硬化性樹脂層を加熱、硬化することで、前記支持基材付封止材により一括封止されたものであることを特徴とする封止後半導体素子搭載基板。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の支持基材付封止材の有する熱硬化性樹脂層により半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を被覆し、前記熱硬化性樹脂層を加熱、硬化することで、前記支持基材付封止材により一括封止されたものであることを特徴とする封止後半導体素子形成ウエハ。
  8. 請求項6に記載の封止後半導体素子搭載基板をダイシングして、個片化したものであることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項7に記載の封止後半導体素子形成ウエハをダイシングして、個片化したものであることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の支持基材付封止材の有する熱硬化性樹脂層により、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を被覆する被覆工程、前記熱硬化性樹脂層を加熱、硬化することで、前記半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は前記半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止し、封止後半導体素子搭載基板又は封止後半導体素子形成ウエハとする封止工程、及び該封止後半導体素子搭載基板又は該封止後半導体素子形成ウエハをダイシングし、個片化することで、半導体装置を製造する個片化工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 前記被覆工程が圧縮成形又は真空ラミネーションによるものであることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記被覆工程が、封止層の形成に必要な量よりも多い量の熱硬化性樹脂層を積層した支持基材付封止材を用い、該封止層を形成するキャビティ内部を充満させるとともに、余剰の前記熱硬化性樹脂をキャビティの外部に排出する樹脂充填工程を有することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記被覆工程において、前記キャビティ内部の雰囲気を減圧して前記熱硬化性樹脂を成形することを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
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