JP2014109196A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の各気筒の点火タイミングの最適化を図る。
【解決手段】各気筒のベース点火タイミングT1、T2、T3を設定し、各気筒の膨張行程が訪れる都度ノッキングの有無を検知し、当該気筒にてノッキングが起こった場合には増加しノッキングが起こらなかった場合には減少する各気筒毎に個別の遅角補正量R1、R2、R3をベース点火タイミングT1、T2、T3に加味して、当該気筒1における次回の膨張行程のための点火タイミングS1、S2、S3を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の気筒における混合気への点火タイミングを制御する制御装置に関する。
気筒におけるノッキングの発生を感知し、ノッキングが起こらなくなるまで点火タイミングを遅角させるとともに、ノッキングが起こらない限りにおいて点火タイミングを進角させるノックコントロールシステムが公知である(例えば、下記特許文献を参照)。
従来、ベース点火タイミングは、内燃機関の全気筒について共通に設定している。そのベース点火タイミングは、ノッキングを引き起こすリスクの最も大きい気筒がノッキングを起こさない限界のタイミングに設定する。さらには、ノックコントロールシステムによる点火タイミングの遅角補正量も、全気筒で同一としている。故に、各気筒の点火タイミングは恒常的に一致している。
特開2000−073847号公報
しかしながら、吸気の分配や混合気の燃焼の状態その他の条件は、気筒間で差がある。とりわけ、気筒の燃焼室内で発生する燃焼ガスの一部を排気通路から吸気通路へと還流させる排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置が付帯した内燃機関にあっては、各気筒に充填される吸気に混入するEGRガスの量が、気筒間で大きくばらつく。
そのため、ノッキングが起こらない限界の点火タイミングは、気筒毎で異なっている。にもかかわらず、全気筒で点火タイミングを共通化していることから、最もノッキングの起こりやすい気筒におけるノッキングを防止するべく、全気筒の点火タイミングを遅角化せざるを得ず、熱機械変換効率の低下を招くこととなっていた。
本発明は、内燃機関の各気筒の点火タイミングの最適化を図ることを所期の目的としている。
本発明では、複数の気筒を有し排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関を制御するものであって、各気筒のベース点火タイミングを設定し、各気筒のノッキングの有無を検知し、当該気筒にてノッキングが起こった場合には増加しノッキングが起こらなかった場合には減少する各気筒毎に個別の遅角補正量を前記ベース点火タイミングに加味して、当該気筒における次回の膨張行程のための点火タイミングを決定することを特徴とする内燃機関の制御装置を構成した。
本発明によれば、内燃機関の各気筒の点火タイミングの最適化を図り得る。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態の制御装置が各気筒毎の点火タイミングを決定する手法を説明する図。 本発明の一変形例に係る制御装置が各気筒毎の点火タイミングを決定する手法を説明する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
本実施形態の内燃機関には、外部EGR装置2が付帯している。外部EGR装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通するEGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。
EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。そして、EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。故に、全ての気筒1に分配されるべきEGRガスは、一旦サージタンク33に流入した後、吸気マニホルド34を経由して各気筒1に向かうこととなる。
内燃機関の運転制御を司る制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、気筒1を内包するシリンダブロックの振動の大きさを検出するノックセンサから出力されるノック信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号g、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGR量)といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、ノックセンサを介して取得されるノック信号dを参照して、各気筒1の膨張行程におけるノッキングの有無を、各気筒1毎に個別に判定する。ノッキングの有無の判定にあたり、ECU0は予め、統計処理によりノック判定値を算定しておく。具体的には、ノッキングが起こっていないと思しき状況下で、気筒1の膨張行程中のシリンダブロックの振動をノックセンサを介してサンプリングし、ノック信号dを得る。そして、このノック信号dのサンプリング値のある期間内の時系列から、平均値及び標準偏差、ひいてはノック判定値を算出する。平均値をX、標準偏差をσとおくと、ノック判定値Jは、
J=X+Uσ
として求められる。上式における係数Uは、そのときの運転領域、即ちエンジン回転数及び要求負荷に応じて設定する。係数Uを、空燃比の高低や要求EGR率等に応じて変えるようにしてもよい。
ノック判定値Jは、各気筒1毎に個別に求めてもよいし、全気筒1で共通のものとしてもよい。ノック判定値Jを各気筒1毎に個別のものとする場合、ある気筒1についてノック判定値Jを求めるときに、その気筒1の膨張行程中に検出されたノック信号dのサンプリング値のみを基に平均値X及び標準偏差σを算出して、それらX及びσを上式に代入する。ECU0は、得られた係数U及びノック判定値Jを、メモリに記憶保持する。
その上で、ECU0は、ノックセンサが出力するノック信号dの現在のサンプリング値(現在の振動の強度)を、ノック判定値Jと比較する。即ち、気筒1の膨張行程中にノックセンサを介して検出されたノック信号dのサンプリング値がノック判定値Jを上回ったならば、当該気筒1にてノッキングが起こったと判定する。逆に、ノック信号dのサンプリング値がノック判定値J以下であるならば、当該気筒1にてノッキングは起こっていないと判定する。
しかして、本実施形態のECU0は、各気筒1に充填される混合気への点火タイミングを決定するに際し、各気筒1毎のベース点火タイミングに、各気筒1におけるノッキングの有無の判定結果に基づいて増減調整される各気筒1個別の遅角補正(リタード)量を加味するものとしている。
ベース点火タイミングは、遅角補正を加えていない点火タイミング、いわば最も進角した(限界の)点火タイミングである。ベース点火タイミングは、運転領域[エンジン回転数,負荷]に応じて設定する。内燃機関の負荷は、アクセル開度、燃料噴射量、気筒1に充填される吸気量、サージタンク33内圧力等によって示唆される。
図2は、ある吸気量や燃料噴射量その他の運転パラメータを仮定した場合の、点火タイミングと内燃機関が出力するトルクとの関係を表している。出力トルクは、点火タイミングを圧縮上死点後のMBT(Minimum advance for Best Torque)点としたときに最大化し、点火タイミングをMBT点から遅角(または、進角)させるほど低下する。因みに、図2では、点火タイミングとエンジントルクとの特性曲線及びMBT点を一つだけ描いているが、全ての気筒1でこの特性曲線やMBT点が一致しているとは限られない。
運転領域如何によっては、点火タイミングをMBT点とするとノッキングが頻発して、内燃機関にダメージを与えることとなる。よって、通常、ノッキングを引き起こす運転領域においては、ベース点火タイミングを、MBT点からある程度遅角したタイミングに設定する。
図2に示しているように、本実施形態では、各気筒1毎に個別にベース点火タイミングを設定することとしている。即ち、各気筒1のベース点火タイミングは常に共通ではない。図2中、符号T1で指し示しているのが第一気筒1のベース点火タイミング、符号T2で指し示しているのが第二気筒1のベース点火タイミング、符号T3で指し示しているのが第三気筒1のベース点火タイミングである。
これらのベース点火タイミングは、各気筒1のノッキングの起こしやすさを適合評価により求めた上、その評価結果に基づいて定めておく。これらのベース点火タイミングは、各気筒1に導入されるEGRガス量のばらつきをも考慮に入れたものとなる。
なお、ノッキングを引き起こすおそれの乏しい運転領域においては、ベース点火タイミングをMBT点近傍に設定することが許される。ノッキングが起こらないことがほぼ確実な運転領域では、各気筒1のベースタイミングがMBT点近傍に集まり、互いにほぼ一致することがあり得る。
本実施形態のECU0のメモリには予め、内燃機関の運転領域及び気筒1に充填される吸気について要求されるEGR率(または、EGRガス量)と、設定するべき各気筒1毎のベース点火タイミングとの関係を規定したマップデータが格納されている。ECU0は、現在の運転領域及び要求EGR率をキーとして当該マップを検索することで、各気筒1に設定するベース点火タイミングを知得する。
因みに、要求EGR率は、基本的に、そのときの内燃機関の要求負荷に応じて設定される。要求EGR率は、内燃機関が中負荷で運転しているときに最も高く、中負荷からより低い負荷またはより高い負荷になるほど低くなる。アイドリング中やアイドリングに近い低負荷運転時、またはアクセル開度が全開に近い高負荷運転時には、要求EGR率が0となる。また、内燃機関の暖機中や、内燃機関により駆動される補機(発電機や、エアコンディショナ用の冷媒を圧縮するコンプレッサ等)の負荷が高いときには、要求EGR率が低下する。
そして、本実施形態のECU0は、各気筒1毎のノック判定の結果、気筒1にてノッキングが起こっているのであれば、当該気筒1における次回以降の点火タイミングに加える遅角補正量を、ノッキングが起こらなくなるまで所定量ずつ増してゆく。逆に、ノッキングが起こっていないのであれば、当該気筒1における次回以降の点火タイミングに加える遅角補正量を、ノッキングが起こる直前まで所定量ずつ減じてゆき、以てエンジントルクを増大させ、燃費の向上を追求する。
総じて、図2に示しているように、各気筒1の点火タイミングは、各気筒1毎に個別のベース点火タイミングに、各気筒1毎に個別の遅角補正量を加味したものとなる。図2中、符号R1で指し示しているのが第一気筒1の遅角補正量、符号R2で指し示しているのが第二気筒1の遅角補正量、符号R3で指し示しているのが第三気筒1の遅角補正量である。第一気筒1について決定される点火タイミングはS1、第二気筒1について決定される点火タイミングはS2、第三気筒1について決定される点火タイミングはS3となる。
本実施形態では、複数の気筒1を有し排気ガス再循環装置2が付帯した内燃機関を制御するものであって、各気筒1毎に個別にベース点火タイミングT1、T2、T3を設定し、各気筒1の膨張行程が訪れる都度ノッキングの有無を検知し、当該気筒1にてノッキングが起こった場合には増加しノッキングが起こらなかった場合には減少する各気筒1毎に個別の遅角補正量R1、R2、R3を前記ベース点火タイミングT1、T2、T3に加味して、当該気筒1における次回の膨張行程のための点火タイミングS1、S2、S3を決定することを特徴とする内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、内燃機関の各気筒1の点火タイミングの最適化を図ることができる。即ち、ノッキングを起こすおそれの比較的高い気筒1については点火タイミングを遅角しつつ、ノッキングを起こすおそれの比較的低い気筒1については点火タイミングを進角できる。従って、ノッキングを確実に抑止しながら、不必要な点火タイミングを遅角化を回避することが可能であり、エンジントルクが犠牲とならず、効率及び燃費の良化に奏効する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、ベース点火タイミングを設定するにあたり、各気筒1に流入するEGRガス量を個別に計測または推定し、その計測または推定した気筒1毎のEGRガス量に応じて、各気筒1のベース点火タイミングを調整するものとしてもよい。この場合には、制御装置たるECU0のメモリに、内燃機関の運転領域及び気筒1毎のEGRガス量と、設定するべき気筒1毎のベース点火タイミングとの関係を規定したマップデータを格納しておき、現在の運転領域及び各気筒1毎のEGRガス量をキーとして当該マップを検索することで、各気筒1に設定するベース点火タイミングを知得するものとする。
また、各気筒1の膨張行程におけるノッキングの有無の検知手段は、振動式のノックセンサに限定されない。混合気の燃焼の際に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流の信号波形を参照する手法や、気筒1の燃焼室内圧力(筒内圧)を参照する手法を採用することも可能である。
各気筒1のベース点火タイミングは、必ず気筒1毎に個別に設定されるとは限られず、図3に示すように、全気筒1で共通していることがある。この場合のベース点火タイミングは、ノッキングを引き起こすリスクの最も小さい気筒1がノッキングを起こさない限界まで進角させた(できる限りMBT点に近い)タイミングTBに設定する。ベース点火タイミングTBもまた、上記実施形態と同様、現在の内燃機関の運転領域及び要求EGR率等に応じて設定する。
その上で、制御装置たるECU0が、複数の気筒1の各々について膨張行程毎にノッキングの有無を検知し、ノッキングが起こった場合には増加しノッキングが起こらなかった場合には減少する遅角補正量R1、R2、R3を前記ベース点火タイミングTBに加味することで、各気筒1における次回の膨張行程のための点火タイミングS1、S2、S3を決定する。このようなものであっても、各気筒1毎に独立して点火タイミングS1、S2、S3を最適化することができ、ノッキングを防ぎながら熱機械変換効率を高め、エンジントルクの向上及び/または燃費の良化を実現できる。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の点火制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
12…点火プラグ
R1、R2、R3…遅角補正量
S1、S2、S3…決定される点火タイミング
T1、T2、T3、TB…ベース点火タイミング

Claims (1)

  1. 複数の気筒を有し排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関を制御するものであって、
    各気筒のベース点火タイミングを設定し、
    各気筒のノッキングの有無を検知し、当該気筒にてノッキングが起こった場合には増加しノッキングが起こらなかった場合には減少する各気筒毎に個別の遅角補正量を前記ベース点火タイミングに加味して、当該気筒における次回の膨張行程のための点火タイミングを決定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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