上記従来構成では、エンジンの動力を刈取変速装置に伝達する伝動機構や刈取変速装置の変速後の動力を刈取部に伝達する伝動機構等に対するメンテナンス作業が行い難いものとなる不利があった。
説明を加えると、上記したような伝動機構には、例えば伝動ベルト等の無端回動帯が備えられており、長期の使用により、無端回動帯が破損したり損傷することがあるので、点検や修理交換等のメンテナンス作業が必要となる。又、伝動機構に限らず、刈取変速装置についても、修理や調整等のメンテナンス作業が必要な場合がある。
しかし、従来の構成では、刈取変速装置が機体横幅方向内方側に位置する状態で備えられるので、刈取変速装置や伝動機構が機体横幅方向外端部から遠く離れた機体内奥側の狭い箇所に備えられることになる。その結果、作業者が機体横幅方向外方側から手を差し込んで作業することができないので、刈取部を走行機体から離間させて伝動機構が存在する箇所を開放状態にさせる等の煩わしい手間がかかり、しかも、機体内奥側の狭い箇所で作業を行わなければならず、上述したような修理や調整等の作業も行い難いものとなっていた。
本発明の目的は、メンテナンス作業が行い易いコンバインを提供する点にある。
本発明に係るコンバインの特徴構成は、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取部と、駆動用のエンジンと、前記エンジンからの動力を変速して前記刈取部に伝達する刈取変速装置とが備えられ、前記エンジンが機体横幅方向一方側寄りの箇所に位置し、前記刈取変速装置が機体横幅方向他方側寄りの箇所に位置している点にある。
上記特徴構成によれば、駆動用のエンジンからの動力が刈取変速装置にて変速されて刈取部に伝達される。刈取変速装置により変速した出力にて刈取部を駆動することにより、機体走行速度に対して刈取部の駆動速度を変更調整することができる。その結果、作物の種類や作物の倒伏状態の違い等にかかわらず適切な刈取作業を行うことが可能となる。
そして、エンジンが機体横幅方向一方側寄りの箇所に位置し、刈取変速装置が機体横幅方向他方側寄りの箇所に位置している。つまり、刈取変速装置はエンジンの配置位置に対して機体横幅方向反対側の端部側箇所に配備されることになり、刈取変速装置だけでなく、エンジンの動力を刈取変速装置に伝達する伝動機構や刈取変速装置の変速後の動力を刈取部に伝達する伝動機構等も合わせて、エンジンの配置位置に対して機体横幅方向反対側の端部側箇所に備えられることになる。
その結果、機体横側外方側から刈取変速装置に対する伝動機構等のメンテナンス作業を行う場合、刈取変速装置に対する伝動機構が作業者に近い箇所に位置しているので、作業者はメンテナンス対象位置まで容易に手を近づけることができ、煩わしさのない状態で作業を行うことができる。
従って、メンテナンス作業が行い易いコンバインを提供できるに至った。
本発明においては、作動油を貯留するオイルタンクが、前記エンジンと機体横幅方向に並ぶ状態で備えられ、前記刈取変速装置が、前記オイルタンクに対して前記エンジンとは反対側に位置する状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、オイルタンクに対して機体横幅方向一方側にエンジンが位置し、オイルタンクに対して機体横幅方向他方側に刈取変速装置が位置することになる。
このような配備構成であれば、オイルタンクをエンジンに近づけて配置させることができ、エンジンにて駆動される作動油ポンプによる作動油の供給を良好に行うことが可能となる。又、刈取変速装置をオイルタンクに近づけて配置させることができ、刈取変速装置を油圧操作式に構成するものでは、刈取変速装置に対する作動油の給排を良好に行うことが可能となる。
本発明においては、前記刈取変速装置が、前記オイルタンクの上に位置していると好適である。
オイルタンクは重量が大きいので機体上の低い位置に備えられるのが一般的であり、又、刈取部は昇降揺動自在に機体に支持され、その刈取部に対する動力入力部は、昇降揺動軸芯に相当する高い位置に設けられるのが一般的である。
そこで、本構成によれば、刈取変速装置はオイルタンクの上に位置しているので、刈取変速装置をオイルタンクの下の低い位置に設ける場合に比べて、高い位置にある刈取部に対する動力入力部との距離が近くなり、動力を効率よく伝えることが可能となる。
本発明においては、前記刈取変速装置が、前記オイルタンクの後部の上方に位置していると好適である。
本構成によれば、刈取変速装置がオイルタンクの後部の上方に位置するので、オイルタンクの前部の上方には特に部材を備える必要がない。そして、機体前部側には刈取部が備えられるので、刈取部を支持するための支持フレームや刈取部に対する動力を伝達するための伝動軸等が必要となるが、このような支持フレームや伝動軸を、オイルタンクの前部の上方の箇所を利用して配備することができる。
従って、オイルタンクの上方箇所を有効利用して、刈取変速装置と、その他の刈取部用の支持フレームや伝動軸等の各種の装置とを合理的に配備することができる。
本発明においては、前記刈取変速装置が、前記オイルタンクの側壁に支持されていると好適である。
本構成によれば、刈取変速装置をオイルタンクの側壁に支持するようにしたので、例えば、機体側に特別な支持体を備えさせる場合のように構成を複雑にすることがなく、オイルタンクを有効利用して簡素な構成で刈取変速装置を支持することができる。
本発明においては、前記エンジンの動力を前記刈取変速装置に伝達する横向き伝動軸が、機体横幅方向に沿って延びる状態で且つ前記オイルタンクの機体後方側に位置する状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、エンジンの動力を刈取変速装置に対して伝達するための横向き伝動軸を、大型のオイルタンクの機体後方側に形成される空間を有効利用して良好に配備することができる。
本発明においては、前記刈取部にて刈り取られた穀稈に対する脱穀処理及び脱穀処理物に対する穀粒選別処理を実行する脱穀装置が備えられ、
前記横向き伝動軸が前記脱穀装置よりも機体前方側に位置していると好適である。
本構成によれば、横向き伝動軸が、オイルタンクの機体後方側であって且つ脱穀装置よりも機体前方側に位置することになる。つまり、オイルタンクと脱穀装置との間に形成される空間を利用して、機体横幅方向に沿って延びる横向き伝動軸を合理的に配備することができる。
本発明においては、前記刈取変速装置が、前記横向き伝動軸よりも機体前方側に位置する状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、横向き伝動軸から動力が刈取変速装置に伝達されるが、刈取変速装置が横向き伝動軸よりも機体前方側に位置するので、例えば、大型の装置である脱穀装置と干渉しない配置にさせやすいものとなり、横向き伝動軸と刈取変速装置とを伝動機構を介して良好に連動連結することができる。
本発明においては、前記刈取部にて刈り取られた穀稈に対する脱穀処理及び脱穀処理物に対する穀粒選別処理を実行する脱穀装置が備えられ、
前記横向き伝動軸を介して伝達される前記エンジンの動力を前記刈取変速装置と前記脱穀装置とに分岐伝達する分岐伝動機構が、前記オイルタンクに対して機体横幅方向他方側に位置する状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、エンジンから横向き伝動軸を介して伝達される動力を刈取変速装置と脱穀装置とに分岐伝達する分岐伝動機構が、オイルタンクに対して機体横幅方向他方側に位置する状態で備えられるので、刈取変速装置に対する伝動機構の場合と同様に、分岐伝動機構のメンテナンス作業が行い易いものになる。
本発明においては、前記分岐伝動機構における分岐動力出力軸から前記刈取変速装置における変速入力軸に動力を伝達する入力用伝動機構が備えられ、前記分岐動力出力軸が前記刈取変速装置の下方側に位置していると好適である。
本構成によれば、入力用伝動機構を介して下方側に位置する分岐動力出力軸から上方側に位置する刈取変速装置に動力が伝達される。又、刈取変速装置から機体前部側に位置する刈取部に動力が伝達されることになる。例えば、分岐動力出力軸が刈取変速装置と同じ高さで入力用伝動機構が前後方向に動力を伝える構成であれば、刈取部に対する伝動機構が前後方向に大型化する不利がある。これに対して上記構成であれば、機体前後方向での伝動機構のコンパクト化を図り易い利点がある。
本発明においては、前記刈取部の刈取入力軸が、前記刈取変速装置の変速出力軸よりも機体前方側に位置していると好適である。
本構成によれば、刈取入力軸が変速出力軸よりも機体前方側に位置しているので、刈取入力軸を、機体前部に位置する刈取部の被駆動箇所に対してできるだけ近い位置に備えることができ、伝動経路を短くして伝動構造のコンパクト化を図り易いものとなる。
本発明においては、前記変速出力軸から前記刈取入力軸に動力を伝達する出力用伝動機構が、前記オイルタンクに対して機体横幅方向における前記刈取変速装置と同じ側に備えられていると好適である。
本構成によれば、出力用伝動機構は、機体横幅方向他方側に位置する刈取変速装置から刈取入力軸における機体横幅方向他方側箇所に対して動力を伝達するものとなるので、出力用伝動機構は伝達距離が短いものになり、動力を効率よく伝達させることが可能となる。又、出力用伝動機構が刈取変速装置と同じ側すなわちオイルタンクに対して機体横幅方向他方側に位置するので、出力用伝動機構に対するメンテナンス作業が行い易い利点もある。
本発明においては、前記出力用伝動機構が、前記オイルタンクの機体横幅方向他方側の外側面に備えられていると好適である。
本構成によれば、出力用伝動機構が、機体横幅方向他方側の外方に臨む状態で位置するオイルタンクの外側面に備えられるので、出力用伝動機構のメンテナンス作業が行い易いものとなる。
本発明においては、前記出力用伝動機構が、伝動ベルトにて動力を伝達するように構成され、且つ、前記伝動ベルトに緊張力が付与される伝動状態と、前記緊張力の付与が解除される非伝動状態とに切り換え自在に構成され、
前記出力用伝動機構を前記伝動状態から前記非伝動状態に切り換えるための手動操作具が備えられていると好適である。
本構成によれば、手動操作具を操作することにより、伝動ベルトに緊張力が付与される伝動状態と、緊張力の付与が解除される非伝動状態とに切り換えることができる。例えば、出力用伝動機構のメンテナンス作業を行う場合には、手動操作具により伝動ベルトの緊張力を解除することにより、伝動ベルトを容易に取り外すことができ、メンテナンス作業が行い易いものとなる。
本発明においては、前記手動操作具が、前記オイルタンクの機体横幅方向他方側の外側面に備えられていると好適である。
本構成によれば、手動操作具が、機体横幅方向他方側の外方に臨む状態で位置するオイルタンクの外側面に備えられるので、作業者は手動操作具を機体横幅方向他方側の機体外方から容易に行うことができる。その結果、出力伝動機構のメンテナンス作業が行い易いものとなる。又、オイルタンクの外側面を利用して手動操作具を支持することができ、専用の支持部材を備えることなく、簡易な構成で支持することが可能となる。
本発明においては、前記刈取部が、刈取作業用の作用位置と機体前方横外方に向けて移動して機体前部を開放するメンテナンス位置とにわたり、縦軸芯周りで揺動可能に機体側の支持フレーム体に支持され、
前記刈取変速装置が、前記支持フレーム体の機体後方に位置する状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、刈取作業を行うときや移動走行中等においては、刈取部は刈取作業用の作用位置に位置している。又、刈取部の内部や機体内部のメンテナンス作業を行うときは、刈取部を縦軸芯周りで揺動させてメンテナンス位置に切り換える。このことにより、刈取部が機体前方横外方に向けて移動して機体前部が開放されるので、作業が行い易いものになる。
そして、刈取変速装置が、支持フレーム体の機体後方、すなわち、縦軸芯位置の後方側に位置することになる。その結果、刈取部をメンテナンス位置に切り換えるように縦軸芯周りで揺動させても、刈取部が刈取変速装置に干渉するおそれが少ないものとなる。
このように刈取変速装置を刈取入力軸に近い位置に備えるようにしながらも、刈取部の縦軸芯周りでの揺動による姿勢切り換えの際に、刈取変速装置が刈取部に干渉することを回避して、良好に刈取部の姿勢切り換えを行うことができる。
以下、図面に基づいて、本発明に係るコンバインの実施形態について説明する。
〔全体構成〕
図1及び図3に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に横軸芯X周りで昇降操作自在に刈取部3が連結され、走行機体2の後部に機体横幅方向に並べる状態で脱穀装置4と穀粒タンク5とが備えられている。又、走行機体2の前部右側箇所にキャビンにて覆われた搭乗運転部6が備えられ、この搭乗運転部6の下方側に駆動用のエンジン7が備えられている。
尚、この実施形態では、機体横幅方向についての左右を規定するときは、前進走行方向視を基準にして右側あるいは左側を規定することとする。従って、エンジン7が配備される機体右側が機体横幅方向一方側に相当し、機体左側が機体横幅方向他方側に相当する。
図2に示すように、刈取部3は、倒伏した植立穀稈を引き起こす6つの引起し装置8、引起された植立穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置9、株元が切断された縦姿勢の刈取穀稈を徐々に横倒れ姿勢に姿勢変更させながら、機体後方側に位置する脱穀装置4の脱穀フィードチェーン10の始端部に向けて搬送する搬送装置11等を備えて構成されている。
刈取部3は、その全体が、前後方向に沿って延びる前後向き筒状フレーム12により支持される構成となっており、この前後向き筒状フレーム12を介して横軸芯X周りで昇降操作自在に走行機体2に支持されている。又、刈取部3は、図3(a)に示すような刈取作業用の作用位置と、図3(b)に示すような機体前方横外方に向けて移動して機体前部を開放するメンテナンス位置とにわたり、縦軸芯Y周りで揺動可能に走行機体2に支持されている。
図1に示すように、脱穀装置4は、刈取部3にて刈り取られた穀稈の株元を脱穀フィードチェーン10によって挟持搬送しながら穂先側を扱胴13にて脱穀処理し、その下方に備えられた選別部14にて脱穀処理物に対する穀粒選別処理を実行して、得られた穀粒を穀粒タンク5に排出するように構成されている。又、詳述はしないが、穀粒タンク5にて貯留される穀粒を外部に排出する穀粒排出装置16が備えられている。
刈取部3から脱穀フィードチェーン10への刈取穀稈の受け渡し箇所には、刈取部3の搬送終端部から脱穀フィードチェーン10に向けて刈取穀稈を供給搬送する供給搬送装置17が備えられている。
〔刈取部の支持構造〕
刈取部3の支持構造について説明する。
図3及び図11に示すように、前後向き筒状フレーム12の後端部が横向き姿勢の横向き筒状フレーム18に一体的に連結固定されており、この横向き筒状フレーム18は、機体側に設けられた左右一対の受止め保持部19,20により横軸芯X周りに回動自在に受止め支持されている。従って、刈取部3が横軸芯X周りで昇降操作自在に走行機体2に支持されることになる。
図1及び図2に示すように、前後向き筒状フレーム12の途中部と機体フレーム21の前端部とにわたって油圧シリンダ22が枢支連結されており、この油圧シリンダ22を伸縮操作することで、刈取部3が横軸芯X周りで揺動昇降操作可能に構成されている。又、詳述はしないが、油圧シリンダ22と前後向き筒状フレーム12との連結箇所は分離可能に構成されている。
図2及び図3に示すように、横向き筒状フレーム18の下方に位置する状態で、作動油を貯留するためのオイルタンク23が配備されている。このオイルタンク23は、剛性の高い構造体にて構成されている。
図4、図5及び図10に示すように、オイルタンク23は、厚肉の板材からなる左右両側の縦面部23a,23b、厚肉の板材からなる側面視山形状の上面部23c、一連に連なる板材を折り曲げて形成された前面部23d、後面部23e及び底面部23fからなり、それらが一体的に連結されて内部に作動油の貯留空間が形成されている。左右両側の縦面部23a,23bのうちの左側の縦面部23aは、上面部23cや後面部23eよりも後方上方側に突出する状態で延長形成されている。又、右側の縦面部23bは、上面部23cよりも下方側に位置する状態で設けられ、上面部23cは、右側の縦面部23bよりも右側外方に突出する状態で延長形成されている。
又、オイルタンク23には、左側の縦面部23aにおける外側で且つ機体前部側の箇所に、その縦面部23aに一体的に連設される状態で、刈取部3を縦軸芯Y周りで回動自在に支持する回動支持部29が設けられている。
この回動支持部29は、左側の縦面部23aを利用して機体後方側だけが開放された略箱状に形成されている。すなわち、左側の縦面部23aの左外側面に平面視L字形に屈曲形成した板体30の一端部を一体的に固定して、平面視で略コの字形の空間を形成し、且つ、その空間の天井面を形成する天板31が固定されて、機体後方側だけが開放された略箱状の収納空間が形成されている。尚、収納空間の底面は機体フレーム21により形成される。
このオイルタンク23は、複数箇所をボルト締結することにより機体フレーム21に取り付け固定されている。すなわち、図4に示すように、左右両側の縦面部23a,23bの下端部に板材を略直角に折り曲げて水平面部23a1,23b1が形成されており、この水平面部23a1,23b1が、機体フレーム21に上下方向に沿ってボルト33で締結固定されている。
具体的には、左右両側の水平面部23a1,23b1の夫々について前後方向に分散した状態で3箇所ずつ、合計6箇所にて上下方向に沿ってボルト33で締結固定されている。
すなわち、図10、図11及び図13に示すように、機体フレーム21における回動支持部29の下方に対応する箇所に収納空間の底面を形成する底部フレーム体21Bが備えられ、この底部フレーム体21Bに固定立設された平面視L字形の固定ブラケット34に対して、回動支持部29の前面部29aと左側面部29bとが前後方向並びに左右方向に沿ってボルト35で締結固定されている。
又、回動支持部29によって刈取部3を縦軸芯Y周りで回動可能に支持するための筒状の支持軸36が、縦軸芯Y周りで回動自在に支持される状態で回動支持部29の内部に収納されている。回動支持部29の天板31には、支持軸36を回動自在に支持するための回動用筒部37が備えられ、その回動用筒部37を挿通した支持軸36の上部側箇所に回動基台部38が一体的に連結固定されている。
図11及び図12に示すように、上部に回動基台部38を備えた支持軸36は、上部側が回動用筒部37にて縦軸芯Y回りで回動自在に受け止め支持されており、又、下端部の小径段差部39が底部フレーム体21Bに形成された挿通孔40にて回動自在に受止め支持されている。このようにしてメンテナンス位置に切り換えられたときに、回動支持部29において刈取部3の荷重を受止め支持することができるように構成されている。従って、回動支持部29が、機体側の支持フレーム体として機能することになる。
そして、回動基台部38の上部に横向き筒状フレーム18を支持するための左側の受止め保持部19が取り付けられている。
図12に示すように、左側の受止め保持部19は、回動基台部38に固定されている固定側受け部材41と、この固定側受け部材41に対して上下に重なる閉状態と外方に開放される開放状態とに揺動開閉自在に支持された回動側押え部材42とで構成されている。そして、固定側受け部材41と回動側押え部材42との間に横向き筒状フレーム18を位置させて回動側押え部材42を閉状態に切り換えてボルト43にて固定することにより、横向き筒状フレーム18を横軸芯X周りで支持軸36と一体回動が可能な状態で挟み込み保持する。
又、図11に示すように、横向き筒状フレーム18を回動自在に受止め保持するための右側の受止め保持部20は、オイルタンク23の上部にブラケット44を介して取り付けて支持されている。この右側の受止め保持部20は、左側の受止め保持部19と同様に、固定側受け部材41と回動側押え部材42とで構成され、横向き筒状フレーム18を横軸芯X周りでの回動が可能な状態で挟み込み保持する。
このような支持構造により刈取部3が支持されることから、図3(a)に示す刈取作業用の作用位置から、油圧シリンダ22と前後向き筒状フレーム12との連結を解除し、左右一対の受止め保持部19,20のうちの右側の受止め保持部20の回動側押え部材42を開放状態に切り換えて、刈取部3を支持軸36における縦軸芯Y周りで揺動させると、図3(b)に示すメンテナンス位置に切り換えることができる。
但し、このとき、後述する動力伝達用の伝動ベルト107は取り外す必要がある。又、図示しないが、油圧シリンダ22に代えて刈取部3全体の上下位置を所定位置に保持するために、回動基台部38あるいは横向き筒状フレーム18を支持する位置保持部が別途備えられている。
オイルタンク23は、刈取部3から脱穀装置4への刈取穀稈の受け渡し箇所の下方に位置しており、しかも、上述したように、オイルタンク23は側面視山形状の上面部23cを備えるものであるから、落下したワラ屑がオイルタンク23の上部に堆積するおそれがある。
そこで、図9及び図11に示すように、オイルタンク23の上部に、落下したワラ屑がオイルタンク23の前部側の開放されている空間から地面に案内されるように、片流れ状の流下経路を形成するための流下案内板45が取付けられている。
又、図4及び図5に示すように、オイルタンク23における複数の作動油の出入り口46が、前面部23d及び左側の縦面部23aにおける下部側箇所に形成されており、例えば、オイルタンク23の底面に設ける場合等に比べて、給油ホースの取付けや取り外し等が行い易いものになっている。因みに、複数の作動油の出入り口46としては、油圧シリンダ22等に作動油を供給するための油圧ポンプ(図示せず)、後述するような走行駆動用の静油圧式無段変速装置、刈取変速用の静油圧式無段変速装置等に対する圧油供給路及び戻り路が接続される複数の出入り口46がある。
〔走行用伝動構造〕
次に、エンジン7の動力をクローラ走行装置1に伝達する走行用伝動構造について説明する。
図7に示すように、搭乗運転部6の下方に配備されたエンジン7の動力が、エンジン7の出力軸7aからベルト式伝動機構47を介してミッションケース49に伝達される。ミッションケース49内には、図示しないが、走行駆動用の静油圧式無段変速装置(HST)と旋回用伝動機構が備えられている。そして、このミッションケース49から左右のクローラ走行装置1に走行用の動力が伝達される。
ベルト式伝動機構47には、伝動ベルト50に緊張力を付与する走行用テンション機構51が備えられる。この走行用テンション機構51においては、図7及び図8に示すように、機体フレーム21における横フレーム体21Cの上部に平面視U字形のブラケット52が溶接固定され、このブラケット52に枢支ピン53によりその軸芯P周りで前後揺動自在に伸縮操作機構54が支持されている。図8に示すように、枢支ピン53は、その一端部に連結固定された取付け板55をブラケット52にボルト56で締結することにより抜け止めされている。
伸縮操作機構54は、枢支ピン53によりブラケット52に枢支連結される筒状の支持部材57と、その支持部材57の内部に収納される圧縮バネ58と、支持部材57の上端部を挿通する状態で支持部材57にスライド自在に支持されたスライド軸59とを備えて構成されている。
図14にも示すように、スライド軸59の上側の先端部にL字形の連結部材60を介してテンションローラ61が支持され、且つ、支持部材57に内装された圧縮バネ58によりスライド軸59が下方側に引き付勢され、テンションローラ61により伝動ベルト50に緊張力を付与することができるように構成されている。
枢支ピン53と支持部材57との間には、径方向に沿って融通が形成されており、支持部材57は、枢支ピン53の軸芯方向と直交する方向(図7の紙面表裏方向すなわち、ベルト幅方向)に沿って揺動操作可能に支持されている。その結果、テンションローラ61をベルト幅方向に位置をずらして伝動ベルト50から外すことができる。
このように、走行用テンション機構51は、1本の枢支ピン53による簡素な構成で、テンションローラ61の緊張力付与に伴う前後揺動移動と取り外しのための横移動とが可能な状態で機体フレーム21に支持されている。
〔刈取用伝動構造〕
次に、エンジン7の動力を刈取部3に伝達する刈取用伝動構造について説明する。
図6に示すように、エンジン7の動力が、出力軸7aからベルト伝動機構62及び横向き伝動軸63を介して分岐伝動機構64に伝達され、その分岐伝動機構64により、脱穀装置4と、刈取変速装置としての刈取駆動用の静油圧式無段変速装置(HST)(刈取用HSTと略称する)65とに分岐伝達される構成となっている。ベルト伝動機構62は、エンジン側のプーリ62Aと従動側のプーリ62Bとに亘って3本の伝動ベルト62Cが巻回されて構成されている。
図10、図13〜図15に示すように、刈取用HST65は、オイルタンク23の後部の上方に位置する状態で、オイルタンク23の側壁としての左側の縦面部23aにおける後方上方に延長形成された箇所に、複数箇所をボルト70で締結することにより取り付け固定されている。
図10に示すように、左側の縦面部23aにおける後方上方に延長形成された箇所には、左外側方に向けて突出する状態で4個の取付け部67が一体的に形成され、この取付け部67の先端面に刈取用HST65のケーシング68に形成されたフランジ部69をボルト70で締結して、刈取用HST65が取り付け固定されている。その結果、図14に示すように、刈取用HST65と左側の縦面部23aとの間には、取付け部67の突出量に相当する隙間が形成されることになる。
又、図10に示すように、4個の取付け部67に対する4つの取付け箇所のうち後方側の2箇所には、刈取用HST65のトラニオン軸71を操作するモータ駆動式の変速操作機構72を支持するための支持板73がボルト74で共締め固定されている。
従って、エンジン7が機体横幅方向一方側(右側)寄りの箇所に位置し、刈取用HST65が機体横幅方向他方側(左側)寄りの箇所に位置しており、刈取用HST65が、オイルタンク23に対してエンジン7とは反対側に位置する状態で備えられる。
図16に示すように、横向き伝動軸63は、一体的に形成された中継用伝動ケース75により外周側が覆われる状態で、ベアリング76により回動自在に支持されており、オイルタンク23の機体左側端部に相当する位置から右側端部位置よりも右側外方にまで機体横幅方向に沿って延びる状態で、且つ、オイルタンク23の機体後方側であって且つ脱穀装置4の機体前方側に位置する状態で備えられている。
又、横向き伝動軸63の途中部からベベルギア機構77を介して前後向きの伝動軸78に動力が分岐され、その伝動軸78に備えられた伝動プーリ79と伝動ベルト80を介して脱穀装置4の扱胴13に動力が伝達される。
図13、図14及び図16に示すように、中継用伝動ケース75は、分岐伝動機構64のケースも兼用する構成となっており、横向き伝動軸63の外周部を囲う横向き筒状部分75Aと、分岐伝動機構64の周囲を囲う分岐伝動ケース部分75Bと、取付け用フランジ部分75Cとが一体的に形成され、取付け用フランジ部分75Cをボルト締結することにより機体フレーム21に取付け固定されている。
図13及び図16に示すように、分岐伝動機構64は、オイルタンク23に対して機体横幅方向他方側としての機体左側に位置する状態で配備され、横向き伝動軸63、中継伝動軸81、脱穀駆動用伝動軸82、刈取駆動用伝動軸83(分岐動力出力軸の一例)の夫々が、伝動ギア84〜87を介して順次、連動連結される状態で且つ機体前後方向に並ぶ状態で備えられている。
図6に示すように、脱穀駆動用伝動軸82に伝動プーリ88が取り付けられている。この伝動プーリ88から伝動ベルト89を介して脱穀装置4の選別部14に動力が伝達される。図16に示すように、脱穀駆動用伝動軸82は中継用伝動ケース75の左側外方に突出しており、その外方突出部に伝動プーリ88が取り付けられている。
図6に示すように、刈取駆動用伝動軸83から刈取用HST65の変速入力軸90に入力用伝動機構91を介して動力が伝達される。図13、図15及び図16に示すように、入力用伝動機構91は、中継用伝動ケース75の左側外方に突出した刈取駆動用伝動軸83に固定された駆動側伝動プーリ92と、変速入力軸90に備えられた従動側伝動プーリ93と、それらにわたって巻回される入力用伝動ベルト94と、入力用伝動ベルト94に緊張力を付与する入力用テンション機構95とを備えて構成されている。そして、図15に示すように、この入力用伝動機構91は、上述したように刈取用HST65と左側の縦面部23aとの間に形成された隙間に配備されている。
図13及び図15に示すように、入力用テンション機構95は、オイルタンク23の左側の縦面部23aの左外側方に備えられている。そして、この入力用テンション機構95は、縦面部23aに固定された固定軸96に対して、一体的に揺動自在に側面視L字形の一対の揺動アーム97,98が支持され、そのうちの一方の揺動アーム97にテンション輪体99が支持され、他方の揺動アーム98の揺動端部と縦面部23aに固定されたブラケット100とにわたってバネ101が張設されて、バネ101の付勢力により入力用伝動ベルト94に緊張力を付与するように構成されている。
図13に示すように、横向き伝動軸63及び分岐伝動機構64は、機体フレーム21に近い低い位置に配備されている。一方、刈取用HST65はそれよりも高い位置に配備されている。つまり、分岐伝動機構64に備えられる刈取駆動用伝動軸83が刈取用HST65の下方側に位置している。
刈取用HST65にて変速された後の動力は、刈取用HST65の変速出力軸102から横向き筒状フレーム18の内部に備えられた刈取入力軸103に伝達されるが、刈取入力軸103は、刈取用HST65の変速出力軸102よりも機体前方側に位置する状態で備えられ、変速出力軸102から刈取入力軸103に動力を伝達する出力用伝動機構104が、オイルタンク23に対して機体横幅方向における刈取用HST65と同じ側、具体的には、オイルタンク23の左側の外側面に備えられている。
図6及び図13に示すように、出力用伝動機構104は、変速出力軸102に固定された駆動側伝動プーリ105と、刈取入力軸103に備えられた従動側伝動プーリ106と、それらにわたって巻回される出力用伝動ベルト107と、出力用伝動ベルト107に緊張力を付与する出力用テンション機構108とを備えて構成されている。
図13及び図15に示すように、出力用テンション機構108は、オイルタンク23の左側の縦面部23aの左外側方に備えられている。そして、この出力用テンション機構108は、刈取入力軸103に対して、一体的に揺動自在に側面視L字形に設けられた一対の揺動アーム109,110が支持され、そのうちの一方の揺動アーム109の揺動端部にテンション輪体111が支持され、他方の揺動アーム110の揺動端部に固定されたブラケット112と回動支持部29に固定されたブラケット113とにわたってバネ114が張設されて、バネ114の付勢力により出力用伝動ベルト107に緊張力を付与するように構成されている。
他方の揺動アーム110に一体的に固定されて長手方向に延出する状態で手動操作具115が設けられている。作業者が、この手動操作具115を握り操作して揺動アーム110をバネ114による付勢方向と反対方向に操作することで、バネ114の付勢力に抗してテンション輪体111による緊張力付与を解除させることができる。
従って、出力用伝動機構104は、手動操作具115を操作しなければ、バネ114の付勢力により出力用伝動ベルト107に緊張力が付与される伝動状態となり、手動操作具115をバネ114による付勢方向と反対方向に操作することにより、緊張力の付与が解除される非伝動状態に切り換えることができる。
手動操作具115が、オイルタンク23の左側外側部に備えられており、作業者は、刈取部3をメンテナンス位置に切り換えるために、出力用伝動ベルト107を取り外す場合において、機体左側外方から手動操作具115を容易に操作することができる。
図15に示すように、出力用伝動ベルト107は、機体左側最外方に偏倚した位置に設けられるので、出力用伝動ベルト107を取り外す場合には、作業が行い易いものになる。しかし、通常の作業状態においては、従動側伝動プーリ106や出力用伝動ベルト107が外方に露出しないように、図20に示すように、カバー体117によって覆うようにしている。
このカバー体117の外側面に刈取穀稈の株元側を脱穀フィードチェーン10に良好に受け渡すためのガイド棒118を取り付けている。説明を加えると、従動側伝動プーリ106や出力用伝動ベルト107を覆うカバー体117を取り付けるものでは、搬送装置11に備えられる受け渡し案内用のガイド棒119が刈取部3上昇時にカバー体117に干渉するおそれがあるので、このような搬送装置11側の受け渡し案内用のガイド棒119を短いものにする必要がある。そこで、搬送装置11から脱穀フィードチェーン10に対する刈取穀稈の受け渡し箇所における案内機能を向上させるために、上記したようにカバー体117にガイド棒118を装着している。
尚、刈取入力軸103に伝達された動力は、前後向き筒状フレーム12の内部に備えられた前後向き伝動軸78を介して刈取部3に伝達されることになる(図2及び図6参照)。
〔供給搬送装置の支持構造〕
次に、供給搬送装置17の支持構造について説明する。
図17に示すように、供給搬送装置17は、駆動スプロケット120及び2つの案内輪体121,122にわたって無端回動帯としての無端回動チェーンからなる突起付きの搬送チェーン123が巻回張設されている。さらに、搬送チェーン123の外周部に作用する外周側の案内輪体124を備えて、駆動スプロケット120による巻き掛け長さを長くするようにしている。この供給搬送装置17は、駆動スプロケット120に伝達される回転動力により搬送チェーン123を回転することにより、刈取穀稈を脱穀フィードチェーン10に向けて係止搬送するように構成されている。
図18に示すように、刈取入力軸103における左側端部箇所において、出力用伝動機構の従動側伝動プーリ106よりも右側に位置する状態で、刈取入力軸103から供給搬送装置17に動力を伝達する供給搬送用伝動機構125が備えられている。
この供給搬送用伝動機構125は、供給搬送装置17よりも右側(機体横幅方向内方側)に位置する状態で備えられている。又、刈取入力軸103に対する動力が入力される従動側伝動プーリ106は、供給搬送装置17よりも左側(機体横幅方向外方側)に位置する状態で備えられている。すなわち、機体横幅方向の最外方側に従動側伝動プーリ106が位置し、従動側伝動プーリ106よりも機体横幅方向内方側に供給搬送装置17が位置し、供給搬送装置17よりも機体横幅方向内方側に供給搬送用伝動機構125が位置するように、機体横幅方向に並ぶ状態で配備されている。
このような配置構成とすることで、従動側伝動プーリ106が機体横幅方向最外方に位置するので、出力用伝動ベルト107を取り外す作業が行い易く、メンテナンス作業が行い易いものになる。尚、図11に示すように、正面視において、脱穀フィードチェーン10は、供給搬送装置17よりも機体横幅方向外方側に位置しており、従動側伝動プーリ106と一部重複した状態で従動側伝動プーリ106よりも機体横幅方向外方側に位置している。
図18及び図19に示すように、供給搬送用伝動機構125は、供給搬送伝動ケース126にて覆われる状態で、刈取入力軸103に一体回転自在に外嵌された小径ギア127と、従動軸128に一体回転自在に外嵌された大径ギア129とを噛合い連動させる状態で備えたギア咬み合い式の伝動機構として構成されている。小径ギア127は、左右両側のスリーブ148によって回転軸芯方向の位置が規制される状態で嵌合装着されている。
従動軸128は、供給搬送伝動ケース126から左側外方に突出しており、その外方突出部に駆動スプロケット120が取付けられている。又、外周側の案内輪体124は、図12及び図18に示すように、供給搬送伝動ケース126の後上部左外方側に突出形成された支持軸130に横軸芯周りで回動自在に支持されている。
図12、図17及び図19に示すように、供給搬送伝動ケース126は、左右両側の分割ケース126a,126bを複数箇所にてボルト締結することによりフランジ連結して構成されている。そして、この供給搬送伝動ケース126は、複数のボルト連結箇所のうちの2箇所において2つのブラケット131A,131Bを介して回動基台部38にボルト145にて連結固定されている。これらの2つのブラケット131A,131Bは、左側の受止め保持部19における固定側受け部材41の上下端側と、回動側押え部材42の上下端側とを連結するためのボルト43により共締め連結されて、回動基台部38に固定される。
又、図12及び図18に示すように、供給搬送伝動ケース126には、刈取入力軸103における左側端部の外周部を支持する端部側支持筒部132が一体的に形成されている。この端部側支持筒部132は、横向き筒状に形成され、その内部においてベアリング133を介して刈取入力軸103の左側端部を回動自在に支持している。
供給搬送伝動ケース126は回動基台部38に固定されているが、図18に示すように、端部側支持筒部132には、横向き筒状フレーム18の左側端部が相対回動自在に外嵌接続されており、刈取部3の昇降操作に伴って横向き筒状フレーム18が横軸芯X周りで回動することができる。
図17に示すように、供給搬送装置17は、搬送チェーン123が巻回される2つの案内輪体121,122を支持する伝動用支持体134を備えている。2つの案内輪体121,122のうちの機体後部側に位置する案内輪体122は、搬送チェーン123に緊張力を付与する緊張用輪体として機能するように構成されている。すなわち、伝動用支持体134は、供給搬送伝動ケース126に固定される支持体本体135と、この支持体本体135に対して前後方向にスライド自在で且つ付勢用のコイルバネ136により前方側(緊張力付与側)に移動付勢される輪体支持部材137とを備えて構成されている。
輪体支持部材137は、案内輪体を支持する平面視でU字形の支持部138と、コイルバネ136を収納する円筒状のバネ収納部139とを一体的に備えて構成されている。又、バネ収納部139の内部に挿入されるとともに、先端部にコイルバネ136の他端側を受止める受け部材を備えた支持ロッド140が備えられている。この支持ロッド140は、支持体本体135に備えられた板部材141に螺合しており、前後方向に位置を変更調整することができる。図中142は緩み止め用のロックナットである。
支持体本体135に形成された筒状支持部143に円筒状のバネ収納部139が内嵌されることによって、輪体支持部材137が支持体本体135にスライド自在に支持されている。又、支持体本体135には、搬送チェーン123が巻回される2つの案内輪体121,122の間に位置して、搬送チェーン123を受止め案内する案内レール144が備えられている。
図17に示すように、支持体本体135は、2箇所をボルト147にて締結することにより、供給搬送伝動ケース126に連結固定されている。そして、供給搬送伝動ケース126は、上述したように、機体側支持部としての回動基台部38に固定されているから、供給搬送装置17を、刈取穀稈を係止搬送するための搬送作用位置に位置保持することができる。
供給搬送装置17は、供給搬送伝動ケース126の回動基台部38への連結固定を解除すると、供給搬送伝動ケース126と一体的に回動して退避位置に姿勢変更させることができるように構成されている。
すなわち、図19に示すように、供給搬送伝動ケース126の回動基台部38への2箇所(連結箇所Q)でのボルト145の連結を解除すると、供給搬送伝動ケース126は、嵌合接続されている横向き筒状フレーム18に対して相対回動自在である。上述したように、横向き筒状フレーム18は、左右一対の受止め保持部19,20により受止め支持されており、しかも、前後向き筒状フレーム12と一体固定されているから、横向き筒状フレーム18の回動が阻止される状態で、供給搬送装置17と供給搬送伝動ケース126を一体的に横軸芯X周りで上方に向けて回動させることができる。
そして、供給搬送伝動ケース126における2箇所のボルト連結箇所Qのうち、下側(ブラケット131B側)のボルト連結箇所において、供給搬送伝動ケース126を所定角度だけ上方に回動させた状態(退避位置に相当)で、再度、ボルト連結するためのネジ孔146がブラケット131に形成されている。このネジ孔146と供給搬送伝動ケース126の連結箇所とにわたりボルト締結することで、供給搬送装置17を退避位置に位置保持することができる。
このように供給搬送装置17を退避位置に切り換えることにより、刈取部3を縦軸芯Y周りで回動させてメンテナンス位置に切り換える場合、供給搬送装置17が脱穀装置4における入口プレート(図示せず)等に干渉することを回避できる。従って、出力用伝動ベルト107は取り外す必要があるが、供給搬送装置17及び刈取入力軸103に備えられた従動側伝動プーリ106を取り外さなくても、刈取部3を回動させることができる。
〔別実施形態〕
(1)供給搬送装置17の支持構造として、上記実施形態の構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
図21に示すように、供給搬送装置17は、複数の伝動回転体としての3つの案内輪体150,151,152、1つの駆動スプロケット153、それらに亘って巻回された搬送用無端回動帯としての突起付き無端回動チェーンからなる搬送チェーン154、3つの案内輪体150,151,152及び1つの駆動スプロケット153を回転自在に支持する伝動用支持体としての供給搬送フレーム体155等を備えている。
図21及び図22に示すように、供給搬送フレーム体155は、上部側に位置する2つの案内輪体150,151を夫々支持するための一対の支持ブラケット156、これらの各支持ブラケット156を一体的に連結固定するとともにパイプ材を平面視で略U字形に屈曲して構成される連結体157、連結体157の両側部にわたって取付けられた支持板158、支持板158によって支持される案内レール159等を備えて構成されている。案内レール159は、2つの案内輪体150,151の間において搬送チェーン154を受止め案内する。
連結体157の長手方向中間部に筒状の支持ボス部160が連結固定されている。この支持ボス部160は、スプロケット161が装着される供給搬送装置17の入力軸としての回転軸162を図示しないベアリングを介して回転自在に支持する。この回転軸162には、天秤揺動自在に支持される状態でテンションアーム163が備えられている。
テンションアーム163の一端部には緊張用輪体として機能する1つの案内輪体152が支持されており、テンションアーム163の他端部と、一方の支持ブラケット156に固定されたバネ受け具164との間で引張りバネ165が張設されている。この引張りバネ165の付勢力により案内輪体152が搬送チェーン154に緊張力を付与する方向にテンションアーム163が揺動付勢されるように構成されている。
供給搬送フレーム体155を機体側の固定部材の一例としてのオイルタンク23に連結支持する固定用連結部材166が備えられている。図22に示すように、固定用連結部材166は、パイプ材を機体前後方向視で略L字形に折り曲げて構成されており、長手方向の一端側が供給搬送フレーム体155における連結体157の途中箇所及び支持ボス部160に一体的に連結固定されている。
固定用連結部材166の長手方向の他端側は、オイルタンク23の上部面に連結方向を異ならせる状態で複数箇所にて連結固定されている。
説明を加えると、図21及び図22に示すように、固定用連結部材166の他端側は、機体横幅方向に向けて延びる状態で配備され、この固定用連結部材166の他端側に、夫々、板材を機体前後方向視でL字形に折り曲げ形成された第1ブラケット167及び第2ブラケット168が異なる箇所に連結固定されている。
一方、オイルタンク23の上面部における頂上部の左側端部に、第1ブラケット167が連結される第1取付体169と、第2ブラケット168が連結される第2取付体170とが固定状態で備えられている。そして、固定用連結部材166のオイルタンク23に取付けるときは、第1ブラケット167の縦面部及び水平面部の夫々が第1取付体169に対して面接触する状態で、上下方向及び左右方向に向けてボルト171で締結固定される。又、第2ブラケット168の水平面部が第2取付体170に対して面接触する状態で、上下方向に向けてボルト172で締結固定される。このようにして、固定用連結部材166がオイルタンク23の上部面に連結方向を異ならせる状態で複数箇所にて連結固定されている。
従って、この実施形態では、供給搬送装置17は位置固定状態で機体に取付けられる構成となっている。
供給搬送装置17に動力を伝達する供給搬送用伝動機構173が、刈取入力軸103に備えられたスプロケット174と、供給搬送装置17の入力軸に備えられたスプロケット175と、それらに亘って巻回される無端回動帯としての駆動チェーン176とを備えて構成されている。
駆動チェーン176は、刈取入力軸103の外周側を覆う筒状ケース177に形成された開口を通して、前記各スプロケット174,175にわたり巻回されるように構成されている。
すなわち、刈取入力軸103の外周側を覆う筒状ケース177が、刈取入力軸103における左側(機体横幅方向の他方側の一例)の端部の外周側を覆う端部側ケース部178、と、刈取入力軸103における左側端部よりも機体横幅方向内方側の外周側を覆うケース本体部としての横向き筒状フレーム18と、端部側ケース部178と横向き筒状フレーム18との間において刈取入力軸103の周方向に沿って分散配置され、端部側ケース部178と横向き筒状フレーム18とを連結する複数の連結体179とを備えて構成されている。
説明を加えると、図23及び図24に示すように、横向き筒状フレーム18の左側端部に、3個の連結体179が一体形成された連結用部材180が取付けられている。連結用部材180は、側面視で外形形状が略三角形に形成され、且つ、中央に刈取入力軸103が挿通するための挿通孔181が形成された取付け用板状部182を備えるとともに、その取付け用板状部182の三角形の頂部近傍から左側外方に向けて突出する状態で3個の連結体179を一体形成して構成されている。そして、各連結体179の中間位置にてボルト183で横向き筒状フレーム18に締結固定されている。
又、連結用部材180の左側に端部側ケース部178がボルト連結されている。この端部側ケース部178は、側面視で外形形状が略三角形に形成され、且つ、中央に刈取入力軸103を回転自在に支持する受部材としてのベアリング184を装着するための挿通孔185が形成されている。この端部側ケース部178は、三角形の頂部付近の夫々において各連結体179の左側端部にボルト186で締結固定されている。
図23に示すように、刈取入力軸103における横向き筒状フレーム18の左側端部から左側外方に突出する箇所には、スプライン加工が施され、供給搬送用伝動機構173における上手側のスプロケット174及び従動側伝動プーリ106がスプライン嵌合されている。スプロケット174は左右両側のスリーブ187によって回転軸芯方向の位置が規制される状態で嵌合装着されている。さらに、従動側伝動プーリ106を嵌合装着した状態で、刈取入力軸103の軸端に当て板188を介して締結されたボルト189により、スプロケット174や従動側伝動プーリ106が抜け止め固定されている。
スプロケット174は、筒状ケース177における連結体179の設置位置に対応させて備えられており、駆動チェーン176は、複数の連結体179同士の間を通過する状態で、両スプロケット174,175にわたって張設される。
すなわち、駆動チェーン176が通過する開口は、隣り合う連結体179同士が離間して配置されることにより形成されることになる。
そして、従動側伝動プーリ106と端部側ケース部178とが、一体的に着脱可能に横向き筒状フレーム18に支持されている。
すなわち、刈取入力軸103の軸端に取付けられるボルト189、及び、端部側ケース部178と3つの連結体179とを連結する3個のボルト186を夫々、取り外すと、従動側伝動プーリ106と端部側ケース部178とを、ベアリング184を含めて一体的に刈取入力軸103から抜き取ることができる。又、逆の操作により取付けることもできる。
このように従動側伝動プーリ106を取り外すことにより、刈取部3を縦軸芯Y周りで回動させてメンテナンス位置に移動させる場合、部材同士が干渉しない良好な状態で刈取部3を移動させることができる。
(2)上記実施形態では、刈取用HST65がオイルタンク23の左側の縦面部23aに支持される構成を示したが、このような構成に限らず、刈取用HST65を機体フレーム21から延設された専用の支持フレームにより支持する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、刈取用HST65がオイルタンク23の後部の上方に位置する状態で備えられる構成としたが、このような構成に限らず、刈取用HST65がオイルタンク23の前部側上方に位置する状態で備える構成としてもよく、刈取用HST65がオイルタンク23の前後中間部の上方に位置する状態で備える構成としてもよい。
又、このようにオイルタンク23の上に位置する状態で備える構成に代えて、オイルタンク23の前方外方側、後方外方側あるいは横側外方側に位置させるものでもよい。さらに、このようなオイルタンク23をエンジン7と機体横幅方向に並ぶ状態で備える構成に限らず、オイルタンク23をエンジン7や刈取部3から離間した位置に備える構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、エンジン7の動力を刈取用HST65と脱穀装置4とに分岐伝達する分岐伝動機構64がオイルタンク23の左側に設けられたが、この分岐伝動機構64構の設置位置は、オイルタンク23の右側に設置したり、オイルタンク23の上側に配置する構成でもよく、オイルタンク23の左側に限定されるものではない。
又、このような分岐伝動機構64を備えることなく、エンジン7の動力を刈取用HST65に伝達する伝動系と、エンジン7の動力を脱穀装置4に伝達する伝動系とを独立して設ける構成でもよい。
(5)上記実施形態では、刈取部3が作用位置とメンテナンス位置とにわたり縦軸芯周りで揺動可能に支持される構成としたが、このような構成を備えないコンバインでもよい。
(6)上記実施形態では、6条刈りのコンバインを示したが、6条よりも少ない条数や6条より多い条数のコンバインでもよい。