JP2014115209A - Mems素子、電子デバイス、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

Mems素子、電子デバイス、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】薄肉のダイヤフラム部を基板に形成することが可能となり、低圧力であっても変形させることができ、正確な微小圧力を計測可能とする圧力センサーを構成することができるMEMS素子を得る。
【解決手段】基板と、前記基板の主面上に設けられる固定電極と、前記固定電極と離間し、前記主面の法線方向矢視において前記固定電極と重なり、前記主面に交差する方向に駆動する可動端部と、前記主面に接続する固定端部と、を備える可動電極と、を備える共振子と、を備え、前記基板には、可撓部を備え、前記可撓部に対応して前記共振子が配置されているMEMS素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、MEMS素子、電子デバイス、高度計、電子機器および移動体に関する。
従来、圧力を検出するデバイスとしては、特許文献1に示すような半導体圧力センサーが知られていた。特許文献1に示す半導体圧力センサーは、シリコンウエハーに歪受感素子を形成し、シリコンウエハーの歪受感素子形成面と反対側の面を研磨し、薄肉化することによってダイヤフラム部を形成し、圧力によって変位するダイヤフラム部に生じる歪を歪受感素子によって検出し、その検出結果を圧力に変換するものであった。
特開2001−332746号公報
しかし、特許文献1に示す歪受感素子を備える圧力センサーでは、シリコンウエハーを薄肉化する必要があり、圧力センサーからの信号を処理する演算部となる半導体装置(IC)との一体化を困難にするものであった。
一方、半導体装置の製造方法、装置によって微小機械システムを製造する、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子が注目されている。MEMS素子を用いることによって、極めて小型の各種センサー、あるいは発振器などを得ることができる。これらはMEMS技術によって微細な振動素子を基板上に形成し、振動素子の振動特性を利用して、加速度の検出、基準信号の生成、などを行う素子を得ることができる。
このMEMS技術を用いて振動素子を形成し、MEMS振動素子の振動周波数の変動によって圧力を検出する圧力センサーを構成することにより、ICとの一体化された圧力センサーを実現することが可能となる。更に、薄肉のダイヤフラム部を基板に形成することが可能となり、低圧力であっても変形させることができ、正確な微小圧力を計測可能とする圧力センサーを構成することができるMEMS素子を得る。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例に係るMEMS素子は、基板と、前記基板の主面上に設けられる固定電極と、前記固定電極と離間し、前記主面の法線方向矢視において前記固定電極と重なり、前記主面に交差する方向に駆動する可動端部と、前記主面に接続する固定端部と、を備える可動電極と、を備える共振子と、を備え、前記基板には、可撓部を備え、前記可撓部に対応して前記共振子が配置されていることを特徴とする。
本適用例のMEMS素子によれば、可撓部に外部圧力が付加されることにより可撓部には撓みが生じ、共振子の振動特性、すなわち共振周波数に変化をもたらす。この外部圧力と、共振子の周波数特性の変化と、の関係を導き出すことによって、共振子の周波数特性の変化から外部圧力を検出するセンサーとしてMEMS素子を利用することができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記主面の法線方向矢視において、前記可撓部の平面形状の図心が、前記固定電極と前記可動電極と重なる領域内に在ることを特徴とする。
共振子の振動特性を決定する一要因としての固定電極と可動電極とのギャップ(間隙)が形成される領域が、主面の法線方向矢視における固定電極と可動電極との重なる領域である。上述の適用例によれば、このギャップ形成領域に可撓部の撓み変形の頂点がくるように可撓部を配置することができ、外部負荷としての圧力が微小圧力であって可撓部の撓み量が極めて微小となっても、ギャップの変化を検出することを可能とする。すなわち、極微小の圧力を検出するセンサーとしてのMEMS素子を得ることができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記主面の法線方向矢視における前記可撓部の平面形状が、前記固定端部と重ならないことを特徴とする。
上述の適用例によれば、可撓部の領域外に可動電極の固定端部が配置されることで、可動電極が可撓部の撓み変形に影響されず、可撓部の撓み変形は固定電極の変形となってギャップを変化させる。従って、外部負荷の圧力によるギャップの変化量の設計計算、あるいはMEMS素子の製造工程における圧力検出調整をすることが容易になり、正確な圧力検出を可能とするMEMS素子を得ることができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記主面の法線方向矢視において、前記可撓部の平面形状が多角形であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、可撓部の外部負荷の圧力による撓み変形の頂点の位置が、多角形平面形状の図心近傍となる。従って、外部負荷の圧力によるギャップの変化量の設計計算、あるいはMEMS素子の製造工程における圧力検出調整をすることが容易になり、正確な圧力検出を可能とするMEMS素子を得ることができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記主面の法線方向矢視において、前記可撓部の平面形状が円形であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、可撓部の外部負荷の圧力による撓み変形の頂点の位置が、円形平面形状の中心近傍となる。従って、外部負荷の圧力によるギャップの変化量の設計計算、あるいはMEMS素子の製造工程における圧力検出調整をすることが容易になり、正確な圧力検出を可能とするMEMS素子を得ることができる。
〔適用例6〕上述の適用例において、前記可撓部は、前記基板に設けられた凹部によって形成された前記基板の薄肉部であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、基板に凹部を形成するだけで容易に可撓部を形成することができる。また凹部の深さの調整によって、容易に薄肉部の肉厚を調整することができ、検出する外部圧力の高低に応じたMEMS素子を簡便に得ることができる。
〔適用例7〕上述の適用例において、前記可撓部は、前記基板の前記主面と表裏の関係にある裏面側に設けられた凹部であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、基板における共振子を形成しない基板ウエハーの裏面側に凹部を形成するため、複雑な製造工程を必要とせず、容易に可撓部を形成することができる。また凹部の深さの調整によって、容易に薄肉部の肉厚を調整することができ、検出する外部圧力の高低に応じたMEMS素子を簡便に得ることができる。
〔適用例8〕上述の適用例において、前記基板は前記主面を含む層を備え、前記層の内部応力が引っ張り応力であることを特徴とする。
基板を構成するウエハー基板には半導体素材、例えばシリコンを用いられ、そのシリコン基板へは酸素が打ち込まれ、基板を膨張させている。しかし、上述の適用例によれば、凹部を形成するためにウエハー基板部を主体として基板を除去した際に、シリコン基板の膨張は凹部を収縮させることによる薄肉部に波状にしわを発生を抑制し、薄肉部を平板状に維持することができる。従がって、しわを原因とするMEMS素子の損傷を防止し、圧力によるダイヤフラムの変形に異常が生じることを抑制することができる。
〔適用例9〕上述の適用例において、半導体装置を含むことを特徴とする。
上述の適用例によれば、半導体装置、いわゆるICの製造装置、方法と同じ製造装置、方法によってMEMS素子が製造可能なので、製造コストの低減、環境負荷低減を図りながら、容易にMEMS素子とICとを一体化させることができ、発振回路を備える小型のMEMS素子を得ることができる。
〔適用例10〕本適用例の電子デバイスは、上述のMEMS素子と、前記MEMS素子の前記基板を、圧力変動領域に露出させて保持する保持手段と、を備え、前記圧力変動領域に前記可撓部が露出していることを特徴とする。
本適用例の電子デバイスによれば、可撓部に外部圧力が付加されることにより可撓部には撓みが生じ、共振子の振動特性、すなわち共振周波数に変化をもたらす。この外部圧力と、共振子の周波数特性の変化と、の関係を導き出すことによって、共振子の周波数特性の変化から外部圧力を検出する電子デバイスとしての圧力センサーが得られる。
〔適用例11〕本適用例の高度計は、上述のMEMS素子と、前記MEMS素子の前記基板を、圧力測定対象領域に露出させ、前記圧力測定対象領域に前記可撓部を露出させて保持する保持手段と、前記MEMS素子の測定データを処理するデータ処理部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例の高度計によれば、可撓部に外部圧力が付加されることにより可撓部には撓みが生じ、共振子の振動特性、すなわち共振周波数に変化をもたらす。この外部圧力と、共振子の周波数特性の変化と、の関係を導き出すことによって、共振子の周波数特性の変化から外部圧力を検出し、その圧力値から高度を算出することができる高度計を得られる。
〔適用例12〕本適用例の電子機器は、上述のMEMS素子、電子デバイスもしくは高度計を備えることを特徴とする。
本適用例の電子機器によれば、極低圧の圧力値が得られ、その圧力値を基に動作させる電子機器を得ることができる。
〔適用例13〕本適用例の移動体は、上述のMEMS素子、電子デバイス、高度計、もしくは電子機器を備えることを特徴とする。
本適用例の移動体によれば、極低圧の圧力値が得られ、その圧力値を基に動作させる電子機器を備える移動体を得ることができる。
第1実施形態に係るMEMS素子を示す、(a)は概略断面図、(b)MEMS振動子部の平面図。 第1実施形態に係るMEMS素子の、(a)は定常状態、(b)は加圧状態の動作を説明するMEMS振動子部の断面模式図。 その他の形態に係るMEMS素子を示す、(a)は概略断面図、(b)、(c)は概略平面図。 第1実施形態に係るMEMS素子の、その他の形態におけるMEMS振動子部の断面模式図。 その他の形態に係るMEMS素子を示す断面図。 第2実施形態に係る高度計を示す、(a)は構成図、(b)は(a)に示すE部拡大図。 その他の形態に係る高度計を示す部分断面図。 第3実施形態に係る移動体を示す外観図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1に第1実施形態に係るMEMS素子を示し、(a)は概略断面図、(b)は(a)に示す電極部のA方向の矢視において後述する被覆層を透過した平面図である。なお、図1(a)は、(b)に示すB−B´部に相当する断面図となる。図1(a)に示すように、本実施形態に係るMEMS素子100は、ウエハー基板11と、ウエハー基板11の主面11aに形成された第1酸化膜12と、第1酸化膜12上に形成された窒化膜13と、により構成される基板10を備えている。ウエハー基板11は、シリコン基板であり、後述する半導体装置、いわゆるICを形成するウエハー基板11としても用いられている。
基板10の第1の面としての主面10a、すなわち窒化膜13の表面13a、に共振子としてのMEMS振動子20が形成されている。MEMS振動子20は、図1(b)に示す第1導電層21に備える固定下部電極21a(以下、下部電極21aという)と、第2導電層22に備える可動電極22a(以下、上部電極22aという)と、により構成される。図1(b)にも示すように、第1導電層21は、下部電極21aと図示しない外部配線とに接続する第1配線部21bとを備えている。また、第2導電層22は、上部電極22aと図示しない外部配線とに接続する第2配線部22bとを備えている。第1導電層21および第2導電層22は、導電性のポリシリコンをフォトリソグラフィーによりパターニングすることで形成される。なお、第1導電層21および第2導電層22は、本実施形態ではポリシリコンを用いる例を示すが、これに限定されるものではない。
MEMS振動子20は、下部電極21aと上部電極22aと、の間に上部電極22aが可動可能な空間としての間隙部Gが形成されている。また、MEMS振動子20は、基板10の主面10a上に形成された空間部Sに収容されるように形成されている。空間部Sは、次のように形成される。第1導電層21および第2導電層22が形成された後、第2酸化膜40を形成する。第2酸化膜40には、第2導電層22の形成と同時にポリシリコンによる、後述する空間壁部30の最下層33と接続されるように最下層33が露出される穴が形成され、第1配線層31がフォトリソグラフィーによるパターニングにより形成される。
更に、第3酸化膜50が第2酸化膜40上に形成される。第3酸化膜50には、第1配線層31が露出する穴が形成され、第2配線層32がフォトリソグラフィーによるパターニングにより形成される。第2配線層32は、後述する空間壁部30の最上層を構成する壁部32aと、MEMS振動子20を収納する空間Sを構成する蓋部32bと、を備えている。更に、第2配線層32の蓋部32bには、空間Sを形成するために製造過程で形成された空間Sの領域にある第2酸化膜40および第3酸化膜50をリリースエッチングするための開口32cを備えている。
次に、第2配線層32の開口32cを露出させるように保護膜60が形成され、開口32cより第2酸化膜40および第3酸化膜50をエッチングするエッチング液が導入され、リリースエッチングより空間Sが形成される。空間Sは、最下層33と、第1配線層31と、第2配線層32と、によって形成される空間壁部30に囲まれた領域である。
MEMS振動子20に設けられている間隙部Gは、上述した空間Sの形成時におけるリリースエッチングにより形成される。すなわち、第1導電層21が形成された後、下部電極21a上に図示しない第4酸化膜が形成され、第4酸化膜上に上部電極22aが形成される。そして、第4酸化膜がリリースエッチングによって、第2酸化膜40および第3酸化膜50とともに除去され、間隙部Gが形成される。なお、上述したリリースエッチングによって除去される空間Sに相当する領域の第2酸化膜40および第3酸化膜50、そして第4酸化膜は、犠牲層と呼ばれている。
リリースエッチングが終了し、空間Sが形成されると被覆層70が形成され、保護膜60に覆われていない第2配線層32の蓋部32bを覆い、開口32cが封止される。これにより空間Sは密閉される。
こうしてMEMS素子100が形成されるが、本実施形態に係るMEMS素子100では、MEMS振動子20に対応する基板10の主面10aの反対面である第2の面としての基板裏面10cとなるウエハー基板11のウエハー基板裏面11dに、凹部11bが形成されている。凹部11bが形成されることにより、MEMS振動子20が形成される主面10aの領域では薄肉部11cが形成される。この薄肉部11cと、薄肉部11c上に形成される第1酸化膜12と、窒化膜13と、により可撓部10bが構成される。
本実施形態に係るMEMS素子100の可撓部10bを形成する凹部11bは、図1(b)に示すように円形の平面形状を有する、すなわち円柱状の凹部11bを構成している。可撓部10bのA方向矢視の平面形状となる凹部11bの平面領域は、空間壁部30の内部領域の範囲で形成される。なお好ましくは、図1(b)に示すように、A方向矢視の平面形状となる凹部11bの平面領域の中心Cが、下部電極21aと上部電極22aとがA方向矢視で重なる領域Dの領域内に在り、更に、A方向矢視の平面形状となる凹部11bの平面領域が、上部電極22aの固定端部Pfに重ならない。
本実施形態に係るMEMS素子100では、可撓部10bを備えるMEMS素子100は、外的な要因、特に圧力などの外力によって可撓部10bに撓みが生じ、MEMS振動子20の振動周波数特性に変化を与える。そのメカニズムについて、図2に基づいて説明する。図2(a)は、図1(a)に示すMEMS素子100の定常状態におけるMEMS振動子20の図1(b)に示すB−B´部の断面拡大模式図、図2(b)は図2(a)に示す定常状態に対して外力が付加された状態におけるMEMS素子100のMEMS振動子20を示す断面拡大模式図である。
図2(a)に示すように、定常状態におけるMEMS振動子20は、下部電極21aに対して間隙部Gを離間して上部電極22aが配置されている。上部電極22aは、基板10の主面10aとの接合点Pfを固定点とする片持梁となっている。下部電極21aおよび上部電極22aに付加される電荷によって生じる静電力が、上部電極22aをF方向に振動させる。また、間隙部Gの静電容量の変化を検出することにより、MEMS振動子20の振動周波数などの振動特性を取得することができる。
上述のように振動させることができるMEMS振動子20を備えるMEMS素子100に、図2(b)に示すようにウエハー基板11の凹部11bに外力として圧力pが付加され、凹部11bの凹部基板面11eに掛かる圧力pによって、可撓部10bを構成する薄肉部11c、第1酸化膜12、そして窒化膜13に応力が掛かり、基板10の主面10aは変形して主面10a´となって撓みδを生じる。上部電極22aは、上述した通り、上部電極22aの固定端部Pfに対して凹部11bがA方向矢視において重ならない、すなわち凹部11bは固定端部PfよりA方向矢視においてα(α≧0)離間している。これにより、固定端部Pfが形成されている主面10aには圧力pによる撓みは生じず、その結果、MEMS振動子20の間隙部Gは、撓みδ分によって変位後の固定電極21a´と可動電極22aとの間隙部G´へ変化し、が減少する。この間隙部Gから間隙部G´への変化によって、MEMS振動子20の振動特性に変化をもたらされる。
このように間隙部Gの間隙部G´への隙量の変化をもたらす外圧pと、MEMS振動子20の周波数特性の変化と、の関係を導き出すことによって、MEMS振動子20の周波数特性の変化から外圧としての圧力pを検出するセンサーとしてMEMS素子100を利用することができる。また、ウエハー基板11の薄肉部11cの設計においては、薄肉部11cは、いわゆる外周固定平板への均等圧力の付加の形態として撓み量計算を容易に行うことができる。従って、検出圧力仕様に対して、MEMS素子100の薄肉部11cの肉厚を容易に設計することができる。更には、製造工程においても、薄肉部11cの肉厚調整の調整量と、検出圧力の調整量と、の関係が容易に推定できるため、製造工程での調整が容易で、正確な圧力検出を可能とするMEMS素子を得ることができる。
図3は、凹部11bのその他の形態を示す。図3(a)に示すMEMS素子110は、ウエハー基板11に第1酸化膜12が露出する凹部11bを形成し、第1酸化膜12と窒化膜13とにより可撓部10fが形成されている。MEMS素子110では、ウエハー基板11は上述したようにシリコン基板であり内部に酸素が打ち込まれており、ウエハー基板11自体は図示R方向の膨張する応力が発生している。そして、凹部11bではウエハー基板11のR方向の膨張する応力によって、図示矢印r方向へ収縮する。このr方向の収縮によって可撓部10fも収縮させられ、しわや波状の変形を生じてしまう。しかし、窒化膜13は、内部に引っ張り応力を残留して成膜されるため、可撓部10fの収縮による変形を窒化膜13の内部座流している引っ張り応力により相殺し、しわや波状の変形の発生を抑制することができる。
従がって、可撓部10fを図3(a)に示すように窒化膜13と第1酸化膜12とで構成しても、より薄肉で変形が抑制された可撓部10fを形成することができ、微小圧力を検出することができるMEMS素子110を得ることができる。なお窒化膜13は、内部に引っ張り応力が残留する被膜であれば窒化膜に限定されない。
図3(b)に示すように、MEMS素子120は、MEMS素子100における凹部11bの平面形状が多角形で形成され、多角形の一例として六角形に形成した形態を示す。図3(b)に示すように、六角形の平面形状を備える凹部11fであってもよ、凹部11fの平面形状の六角形の図心である中心Cは、下部電極21aと上部電極22aとの重なり領域Dの領域内に配置され、上部電極22aの固定端部Pfとα離間して凹部11fは形成されることが好ましい。なお、凹部11fの平面形状は六角形に限定されない。また、多角形の平面形状を備える凹部11fの場合、その平面形状は正多角形であることが好ましい。
図3(c)に示すMEMS素子130は、MEMS素子100における凹部11bの形成領域を拡大させた形態を示す。図3(c)に示すように、MEMS素子130に備える凹部11gは、平面形状が円形に形成され、凹部11gの領域内に上部電極22aの固定端部Pfが含まれるように配置されている。そして、凹部11gの円形平面形状の中心Cは、下部電極21aと上部電極22aとの重なり領域Dの領域内に配置されている。MEMS素子130の凹部11gは、少なくとも空間S(図1参照)を構成する空間壁部30の内側の領域内に配置される。このように形成された凹部11gの場合、外的な要因である圧力などの外力によって生じる可撓部10bの撓みの発生は、図4に示すような挙動を生じる。
図4は、図3(c)に示すMEMS素子130に、圧力pが付加された状態におけるE−E´部を示す断面図である。図4に示すように、上部電極22aの固定端部Pfが、A方向矢視において凹部11gの形成領域内になるように凹部11fが形成されている。凹部11gに圧力pが付加されることにより、凹部基板面11e(図2参照)は圧力pにより、圧力p方向(図示矢印)に押圧され変形し、主面10aは変形して主面10a´となって撓みδを生じる。また上部電極22aの固定端部Pfにおいても変形後の主面10a´領域となって、変形後の主面10a´の面形状に沿って上部電極22は移動し、移動後の上部電極22a´の位置となる。
これら主面の撓みδによる変位後の固定電極21a´と、上部電極22aの移動後の上部電極22a´への移動量と、によって、間隙部Gが間隙部G´´に変化する。この間隙部Gから間隙部G´´への変化によって、MEMS振動子20の振動特性に変化をもたらされる。MEMS振動子20の周波数特性の変化と圧力pの関係より、MEMS振動子20の周波数特性の変化を外圧としての圧力pとして検出するセンサーとしてMEMS素子130を利用することができる。
図5は、上述したMEMS素子100と半導体装置を1チップに構成した形態を示す。図5に示すMEMS素子200は、MEMS素子100と、半導体装置210と、を1チップに形成した構成を有する。MEMS素子100は、半導体製造装置を用い、半導体製造方法によって製造することができる微細装置であることから、半導体装置210をMEMS素子100と同一のウエハー基板11に容易に形成することができる。半導体装置210には、MEMS素子100を駆動する発振回路、およびMEMS素子100の周波数変動を演算する演算回路、などを備えている。MEMS素子200に示すように、半導体装置210を、MEMS素子100と1チップに形成することにより、小型のセンサーデバイスとしてのMEMS素子を得ることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態として、高度計を図面に基づいて説明する。第2実施形態に係る高度計は、第1実施形態に係るMEMS素子100,200を備える電子デバイスとしての圧力センサーを備える電子機器の1形態である。
図6(a)に示すように、第2実施形態に係る高度計1000は筐体1100に、第1実施形態に係るMEMS素子200と、MEMS素子200を保持し筐体1100に装着される保持手段としての素子固定枠1200と、MEMS素子200からの得られるデータ信号を高度データへ演算する演算部1300と、を備えている。筐体1100には、MEMS素子200に備えるMEMS素子100の可撓部10b(図1参照)が、大気と通気可能とする開口1100aが設けられている。
図6(a)に示すE部、すなわちMEMS素子200の装着部断面の詳細を図6(b)に示す。図6(b)に示すように、開口1100a側にMEMS素子100の可撓部10bが露出するように配置されている。また、素子固定枠1200も、貫通孔1200aを備え、貫通孔1200aもMEMS素子100の可撓部10bが露出するように配置されている。素子固定枠1200とMEMS素子200とは、素子固定枠1200の接合面1200bに接着などの手段により接合されている。MEMS素子200が接合された素子固定枠1200は、ねじ1400により筐体1100に装着される。なお、素子固定枠1200の筐体への固定方法はねじ1400に限定されず、接着などの固着手段であってもよい。
高度計1000は、筐体1100の開口1100a、および素子固定枠1200の貫通孔1200aを介して通気されているMEMS素子100の可撓部10bに付加される圧力変動領域としては大気中に通気され、大気の圧力(以下、大気圧という)を検出し、高度データを出力する。出力される高度データは、図6(a)に示す表示手段2100を備えるパーソナルコンピューター2000(以下、PC2000という)に送信され、PC2000の表示手段2100に表示される。この際、PC2000に備える処理ソフトによって、高度データの記憶、グラフ化、地図データへの表示、など様々なデータ処理を行うことができる。なお、PC2000に代えて、高度計1000にデータ処理装置、表示部、外部操作部、等を備えることもできる。
図7は、第2実施形態に係る高度計1000に備えるMEMS素子200のその他の形態を示す。図7は、図6(a)に示す高度計1000の図6(a)のE部を示す。図7に示すように、MEMS素子200は、MEMS素子200に可撓性と気密性とを備える可撓膜300が固着されている。可撓膜300としては、例えばフッ素樹脂、合成ゴムなどの弾力性を備え、気体透過率の小さい材料、あるいは金属薄膜が好ましい。
可撓膜300は、MEMS素子100の可撓部10bを覆うように配置され、フランジ部300aで基板10に固着されている。このとき、基板10と可撓膜300によって形成される空間Q(図示点状ハッチング部)は、例えば空気、不活性ガスなどの気体が充填され、圧力変動領域として形成されている。可撓膜300を備えたMEMS素子200は、素子固定枠1200に固着され、筐体1100に装着される。
MEMS素子200は、可撓膜300を備えることにより、外部の異物、ごみなどがMEMS素子100に付着することを防止し、清浄に保つことができるため、安定した高度計の性能を得ることができる。また、可撓膜300の外部環境が液体、腐食ガス、などであってもMEMS素子200の損傷を抑制することができる。
(第3実施形態)
第1実施形態に係るMEMS素子100,200、あるいは第2実施形態に係る高度計1000を備える電子機器としてのナビゲーションシステムと、そのナビゲーションシステムを搭載する移動体としての一態様の自動車について説明する。
図8は、電子機器としてのナビゲーションシステム3000を備える移動体としての自動車4000の外観図である。ナビゲーションシステム3000には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、第2実施形態に係る高度計1000と、を備え、運転者に視認可能な位置に配設された表示手段3100に所定の位置情報あるいは進路情報を表示する。
図8に示す、自動車4000では、ナビゲーションシステム3000に高度計1000を備えることにより、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を運転者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム3000では、高度情報を高度計1000によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を運転者に提供することができる。
また、第1実施形態に係るMEMS素子100,200により小型の圧力検出機器を構成することが可能となり、自動車4000に、油圧あるいは空気圧による駆動システムを容易に組み込むことができる。これにより、装置の圧力の監視、および制御データを容易に取得することができる。
10…基板、20…MEMS振動子、30…空間壁部、40…第2酸化膜、50…第3酸化膜、60…保護膜、70…被覆層、100…MEMS素子。
図3は、凹部11bのその他の形態を示す。図3(a)に示すMEMS素子110は、
ウエハー基板11に第1酸化膜12が露出する凹部11bを形成し、第1酸化膜12と窒
化膜13とにより可撓部10fが形成されている。MEMS素子110では、ウエハー基
板11は上述したようにシリコン基板であり内部に酸素が打ち込まれており、ウエハー基
板11自体は図示R方向の膨張する応力が発生している。そして、凹部11bではウエハ
ー基板11のR方向の膨張する応力によって、図示矢印r方向へ収縮する。このr方向の
収縮によって可撓部10fも収縮させられ、しわや波状の変形を生じてしまう。しかし、
窒化膜13は、内部に引っ張り応力を残留して成膜されるため、可撓部10fの収縮によ
る変形を窒化膜13の内部に残留している引っ張り応力により相殺し、しわや波状の変形の発生を抑制することができる。
図4は、図3(c)に示すMEMS素子130に、圧力pが付加された状態におけるE
−E´部を示す断面図である。図4に示すように、上部電極22aの固定端部Pfが、A
方向矢視において凹部11gの形成領域内になるように凹部11fが形成されている。凹
部11gに圧力pが付加されることにより、凹部基板面11e(図2参照)は圧力pによ
り、圧力p方向(図示矢印)に押圧され変形し、主面10aは変形して主面10a´とな
って撓みδを生じる。また上部電極22aの固定端部Pfにおいても変形後の主面10a
´領域となって、変形後の主面10a´の面形状に沿って上部電極22aは移動し、移動後の上部電極22a´の位置となる。
図8に示す、自動車4000では、ナビゲーションシステム3000に高度計1000
を備えることにより、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を運転者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム3000では、高度情報を高度計1000によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を運転者に提供することができる。

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板の主面上に設けられる固定電極と、前記固定電極と離間し、前記主面の法線方向矢視において前記固定電極と重なり、前記主面に交差する方向に駆動する可動端部と、前記主面に接続する固定端部と、を備える可動電極と、を備える共振子と、を備え、
    前記基板には、可撓部を備え、
    前記可撓部に対応して前記共振子が配置されている、
    ことを特徴とするMEMS素子。
  2. 前記主面の法線方向矢視において、前記可撓部の平面形状の図心が、前記固定電極と前記可動電極とが重なる領域内に在る、
    ことを特徴とする請求項1に記載のMEMS素子。
  3. 前記主面の法線方向矢視における前記可撓部の平面形状が、前記固定端部と重ならない、
    ことを特徴とする請求項2に記載のMEMS素子。
  4. 前記主面の法線方向矢視において、前記可撓部の平面形状が多角形である、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のMEMS素子。
  5. 前記主面の法線方向矢視において、前記可撓部の平面形状が円形である、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のMEMS素子。
  6. 前記可撓部は、前記基板に設けられた凹部によって形成された前記基板の薄肉部である、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のMEMS素子。
  7. 前記可撓部は、前記基板の前記主面と表裏の関係にある裏面側に設けられた凹部である、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のMEMS素子。
  8. 前記基板は前記主面を含む層を備え、前記層の内部応力が引っ張り応力である、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のMEMS素子。
  9. 半導体装置を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のMEMS素子。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のMEMS素子と、
    前記MEMS素子の前記基板を、圧力変動領域に露出させて保持する保持手段と、を備え、
    前記圧力変動領域に前記可撓部が露出している、
    ことを特徴とする電子デバイス。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載のMEMS素子と、
    前記MEMS素子の前記基板を、圧力測定対象領域に露出させ、前記圧力測定対象領域に前記可撓部を露出させて保持する保持手段と、
    前記MEMS素子の測定データを処理するデータ処理部と、を備えている、
    ことを特徴とする高度計。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のMEMS素子、電子デバイスもしくは高度計を備えることを特徴とする電子機器。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載のMEMS素子、電子デバイス、高度計、もしくは電子機器を備えることを特徴とする移動体。
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