JP2014148096A - 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法、および液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法、および液体噴射装置 Download PDF

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陽樹 小林
Shunsuke Watanabe
峻介 渡邉
Kazuyuki Katagiri
一幸 片桐
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Abstract

【課題】流路内にはみ出した接着剤が硬化してしまうことに起因する、液体流路の目詰まり等を防止する液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】結晶面方位[110]面を有する単結晶シリコンからなる流路形成基板がノズルプレートと接着剤で接着された液体噴射ヘッドであって、流路形成基板に連通部が形成され、連通部のノズルプレートとの接着面側の端部には切り欠きが形成され、前記切り欠きの少なくとも1つの面が結晶面方位[111]面を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体噴射ヘッド、当該液体噴射ヘッドの製造方法、および当該液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に関する。
従来、例えば、インクジェット式記録ヘッドを代表とする液体噴射ヘッドは、液体導入口からリザーバ(共通液室)および圧力室を通ってノズルに至る一連の液体流路を備えており、圧力発生素子によって圧力室内部の液体に圧力変動を生じさせ、ノズルから液滴を噴射させるものである。この液体噴射ヘッドは複数の部品を接着することで作製されている。例えば、圧力室やノズルを有する流路ユニットを、複数のプレート状部材によって構成し、流路ユニットの作製工程では、これらのプレート状部材を積層状態で接着している。また、流路ユニットの取付工程では、この流路ユニットとケースとの間を接着している。そして、これらのケースや流路ユニットには、上記の液体流路が形成されている。
複数の構成部品を接着剤で接着した場合、接着剤の一部が上記の液体流路内にはみ出した状態で硬化してしまうことがある。そして、この接着剤が万が一剥がれてしまうと、液体の流れを悪くしたり、ノズルを詰まらせてしまったりする。例えば、液体流路内で硬化した接着剤が部分的に剥離すると、この剥離部分が髭状になって、具体的には、一端が液体流路に接着されたままで自由端部が液体の流れに乗った状態になって、その先端部がノズルから外側に露出してしまうことがある。このため、液体噴射ヘッドの形成過程において、液体流路内に露出した接着剤を、溶剤等を用いて洗浄することで、液体流路の不良を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−114556号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、液体流路内にはみ出した接着剤を、溶剤等により洗浄しても、完全に除去できない場合がある。また、溶剤等を用いた洗浄を行うことは、それだけ液体噴射ヘッドの組み立て工程に要する工数が多くなることを意味するため、コスト面においても問題が生じる場合がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る液体噴射ヘッドは、液体が噴射されるノズルが形成されたノズルプレートと、一方の面が前記ノズルプレートと接着されるとともに、前記ノズルに連通する連通部が形成された流路形成基板と、を具備する液体噴射ヘッドであって、前記流路形成基板は、結晶面方位[110]面を有する単結晶シリコンからなり、前記連通部のノズルプレートとの接着面側の端部には切り欠きが形成され、前記切り欠きは、少なくとも1つの面が結晶面方位[111]面を有していることを特徴とする。
本適用例によれば、流路形成基板に形成された連通部は、ノズルプレートとの接着面側に切り欠きを有しており、前記流路形成基板とノズルプレートを接着することによって凹部が形成される。そのため、余剰した接着剤を凹部に溜めた状態で硬化させることができるので、はみ出して硬化した接着剤によって液体の流れを妨げることや、ノズルを塞いでしまうことを防止できる。また、結晶面方位[110]面を有する単結晶シリコンを異方性エッチングすることによって形成される切り欠きにおいて、切り欠きを形成する複数の面のうち、少なくとも1つの面が結晶面方位[111]面を有するようにすることで、量産化した際に常に安定した形状で切り欠きを作成することができる。さらに、連通部を形成する工程と同じ方法で切り欠きを形成することができるため、製造コストを抑えることができる。
[適用例2]上記適用例に係る液体噴射ヘッドは、前記流路形成基板と前記ノズルプレートとの接着面方向において、前記切り欠きの幅は、前記連通部の幅の半分以下であることを特徴とする。
上記適用例によれば、液体に含まれる気泡が凹部に滞留することも防止できるため、安定した印字品質を保つことができる液体噴射ヘッドを提供することができる。
[適用例3]本適用例に係る液体噴射ヘッドの製造方法は、結晶面方位が[110]面の単結晶シリコンからなる流路形成基板を異方性エッチングすることにより前記流路形成基板に連通部を形成する液体流路形成工程と、前記流路形成基板を異方性エッチングすることにより前記連通部の一部に少なくとも1つの面に結晶面方位[111]面を有する切り欠きを形成する切り欠き形成工程と、ノズルが形成されたノズルプレートと前記切り欠きが形成された前記流路形成基板を接着剤で接着する接着工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、流路形成基板に形成された連通部に切り欠きを有しており、前記流路形成基板とノズルプレートを接着することによって凹部が形成される。そのため、余剰した接着剤を凹部に溜めた状態で硬化させることができるので、はみ出して硬化した接着剤によって液体の流れを妨げることや、ノズルを塞いでしまうことを防止できる。また、結晶面方位[110]面を有する単結晶シリコンを異方性エッチングすることによって形成される切り欠きにおいて、切り欠きを形成する複数の面のうち、少なくとも1つの面が結晶面方位[111]面を有するようにすることで、量産化した際に常に安定した形状で切り欠きを作成することができる。さらに、連通部を形成する工程と同じ方法で切り欠きを形成することができるため、製造コストを抑えることができる。
[適用例4]本適用例にかかる液体噴射装置は、上記の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、信頼性の高い液体噴射装置を提供することができる。
液体噴射装置の構成を示す斜視図。 液体噴射ヘッドの構成を示す断面図。 流路ユニットの構成を示す構造図。 液体噴射ヘッドの製造方法を示す工程図。 液体噴射ヘッドの製造方法を示す工程図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。また、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として様々な限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載が無い限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、液体噴射装置の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、液体噴射装置100では、液体噴射ヘッド1がキャリッジ50に搭載されている。そして、液体噴射ヘッド1が搭載されたキャリッジ50は、装置本体70に取り付けられたキャリッジ軸50aに軸方向で移動自在に設けられている。
また、装置本体70には、インクが貯留されたタンクからなる貯留手段30が設けられており、貯留手段30からのインクは、供給管40を介してキャリッジ50に搭載された液体噴射ヘッド1に供給される。
そして、駆動モーター80の駆動力が複数の歯車(不図示)およびタイミングベルト80aを介してキャリッジ50に伝達されることで液体噴射ヘッド1を搭載したキャリッジ50はキャリッジ軸50aに沿って移動される。一方、装置本体70にはキャリッジ軸50aに沿ってプラテン90が設けられており、給紙ローラー(不図示)などにより給紙された記録媒体である記録シートSがプラテン90に巻きかけられて搬送されるようになっている。
このような液体噴射装置100では、キャリッジ50がキャリッジ軸50aに沿って移動されるとともに、液体噴射ヘッド1によってインクが噴射されて記録シートSに印刷される。
次に、液体噴射ヘッド1について、図2および図3を参照して説明する。ここで、図2は液体噴射ヘッド1の構成を示す断面図であり、図3は流路ユニットの構成を示し、図3(a)は流路ユニットの断面図であり、図3(b)は流路ユニットの平面図である。
図2に示すように、液体噴射ヘッド1は、圧電振動子4を有する振動子ユニット5と、振動子ユニット5を収納可能なケース6と、ケース6の先端面に接合される流路ユニット2とを備えている。
振動子ユニット5は、複数の圧電振動子4と、複数の圧電振動子4を固定する固定板7と、複数の圧電振動子4に電気的に接続されたフレキシブルケーブル8等をユニット化した部品である。圧電振動子4は、圧力発生素子の一種であり、電気機械変換素子の一種でもある。本実施形態の圧電振動子4は30〜100m程度の極めて細い幅に切り分けられた櫛歯状に形成されている。そして、各圧電振動子4は、自由端部を固定板7の縁よりも外側に突出させた片持ち梁の状態で取り付けられている。この圧電振動子4は、圧電体と内部電極とを交互に積層して構成された積層型の圧電振動子であって、電界方向に直交する方向に伸縮可能な、言い換えれば、振動子の長手方向に振動可能なタイプの圧電振動子である。従って、圧電振動子4は、充電により自由端部が振動子の長手方向に収縮し、放電により自由端部が振動子の長手方向に伸長する。固定板7は、上記したように、各圧電振動子が接合される部品であって、本実施形態では放熱性が良好な金属板、具体的には厚さ0.7〜1.0mm程度のステンレス鋼板を用いている。また、フレキシブルケーブル8は、各圧電振動子4に駆動信号を供給する可撓性を備えた配線部材であり、振動子基端部にて各圧電振動子4と電気的に接続されている。
ケース6は、収納空部9およびインク供給路10を形成した合成樹脂製のブロック状部材である。本実施形態では、エポキシ系樹脂を射出成型することによって作製している。収納空部9は、振動子ユニット5を収納するための空部である。振動子ユニット5は固定板7を収納空部9の壁面に接着することで、この収納空部9内に固定されている。この収納状態において、圧電振動子4の先端面は収納空部9の先端側開口に臨み、流路ユニット2の島部11に接合されている。また、インク供給路10は、ケース6の取付面側からリザーバ12までの間を連通するインク流路であり、共通液体流路の一部を構成する。このインク供給路10は、ケース6の高さ方向を貫通させて設けられており、ケース6の取付面側にて貯留手段30(不図示)と接続されている。
流路ユニット2は、リザーバ12から各圧力室14を通って、対応するノズル15に至る一連の液体流路(個別液体流路の一種)を設けた部品である。この流路ユニット2は、ノズルプレート16と流路形成基板(圧力室形成基板)17と弾性板18とから構成され、ノズルプレート16を流路形成基板17の一方の面に接着し、弾性板18を流路形成基板17の他方の表面に接着することで作製される。
ノズルプレート16は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル15を列状に形成したプレート状部材である。本実施形態では、100μm程度のステンレス鋼板に180dpiのピッチで96個のノズルを形成している。また、ノズルの直径は40μm程度であり、列設された複数のノズル15によって、ノズル列を形成している。このノズル列は、噴射可能なインクの種類に応じた数が設けられており、例えば、カラー記録が可能な液体噴射ヘッドにあっては4〜8条のノズル列が横並びに設けられる。
流路形成基板17は、ノズルプレート16に形成された各ノズル15に対応させて形成された複数の連通部3と、複数の連通部3に対応させて形成された複数の圧力室14と、複数の圧力室14と連通するリザーバ12となる空部等が形成された板状の部材である。図3(b)に示すように、圧力室14は細長く、偏平な形状で構成されており、圧力室14においてリザーバ12から遠い側に位置する部分でノズル15と連通する。
インク供給口19は、圧力室14の長手方向における一方の端部とリザーバ12との間に形成された溝状部であり、その流路幅は圧力室14よりも十分に狭く設けられている。そして、このインク供給口19、圧力室14によって、一連の個別インク流路が構成される。
図3(a)に示すように、弾性板(封止板)18は支持板20上に弾性膜21をラミネート加工した二重構造である。本実施形態では、支持板20として厚さ30μm程度のステンレス鋼板を用い、弾性膜21として厚さ数μm程度の樹脂フィルム(例えば、ポリフェニレンサルファイド)を用いている。この弾性板18は、圧力室14の一方の開口面を封止するダイヤフラム部と、リザーバ12の一方の開口面を封止するコンプライアンス部とを備えている。そして、ダイヤフラム部は、圧力室14に対応した部分の支持板20を環状にエッチング加工することで作製されており、環内に島部11が設けられている。また、コンプライアンス部は、支持板20を部分的にエッチング加工で除去し、リザーバ12に面する部分を弾性膜21だけにすることで作製される。
上記構成の液体噴射ヘッド1では、圧電振動子4を振動子長手方向に伸長させることで、島部11がノズルプレート16側に押圧される。この押圧によって、ダイヤフラム部を構成する弾性膜21が変形し、圧力室14が収縮する。また、圧電振動子4を振動子長手方向に収縮させると、弾性膜21の弾性により圧力室14が膨張する。そして、圧力室14の膨張や収縮によって内部のインク圧力が変動するので、この圧力室14の膨張や収縮を制御することにより、ノズル15からインク滴を噴射させることができる。
流路形成基板17には切り欠き23が形成されている。この切り欠き23は、流路形成基板17に形成された連通部3に形成されており、流路形成基板17をエッチングすることで形成させている。また、切り欠き23は流路形成基板17とノズルプレート16とを接着することによって、凹部22を形成する。ここで、流路形成基板17は結晶面方位[110]面を有する単結晶シリコンからなっており、連通部3および切り欠き23はエッチング加工することによって作製される。なお、切り欠き23は複数の面を有しており、少なくとも1つの面が結晶面方位[111]面を有している。
また、流路形成基板17とノズルプレート16との接着面方向において、凹部22の幅は、連通部3の断面視における幅の半分以下に設定される。本実施形態では、圧力室14の長手方向において、連通部3の長さは140μm程度で形成されており、切り欠き23はその半分の70μm程度で形成されている。なお、切り欠き23の幅の長さはこれに限らず、連通部3の断面視における幅の半分以下の長さであれば同様の効果が得られる。
次に、上記構成の液体噴射ヘッド1の製造方法について説明する。図4及び図5は、液体噴射ヘッドの製造方法を示す工程図である。なお、液体噴射ヘッド1を製造するにあたり、予めケース6、振動子ユニット5、流路ユニット2等の必要な構成部品を作製しておく。
振動子ユニット5を作製するにあたり、まず、所定の大きさに切り出した固定板7を用意し、この固定板7の表面に接着剤を塗布する。即ち、振動子群が接着される接着領域に印刷等によって接着剤を塗布する。この接着剤としては、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤が好適に用いられる。固定板表面に接着剤を塗布したならば、圧電板の片半部分を接着剤塗布面に載置する。ここで、圧電板は圧電振動子4の基材であり、電極層と圧電体とを何層にも積層してなる板状部材である。圧電板を載置したならば、固定板7と圧電板の間に介在する接着剤を硬化させ、圧電板を固定板7に接着する。圧電板を固定板7に接着したならば、圧電板を櫛歯状に切り分けて複数の圧電振動子4を作製する。この切り分けには、例えば、ダイシングソーやワイヤーソーが用いられ、固定板7の先端面から外側に突出している圧電板の先端側部分(つまり、自由端部)から固定板7側に向けて切り込むことでなされる。圧電板を切り分けて圧電振動子4を作製したならば、フレキシブルケーブル8を接合し、振動子ユニット5が完成する。
次に、液体流路形成工程について説明する。まず、図4(a)に示すように、面方位[110]の単結晶シリコンからなる流路形成基板用ウェハ171を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に二酸化シリコン膜172を形成する。
次に、二酸化シリコン膜172上にマスク(不図示)を形成し、図4(b)に示すように、所定形状にパターニングして開口部173を形成する。そして、流路形成基板用ウェハ171を異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、図4(c)に示すように、開口部173に対応する領域に連通部3を形成する。
次に、切り欠き形成工程について説明する。二酸化シリコン膜172上にマスク(不図示)を形成し、図5(d)に示すように、所定形状にパターニングして開口部174を形成する。そして、図5(e)に示すように、流路形成基板用ウェハ171を異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、流路形成基板用ウェハ171の開口部174に対応する領域に、複数の面からなるとともに、少なくとも1つの面が結晶面方位[111]面を有する切り欠き23を形成する。
そして、図5(f)に示すように、二酸化シリコン膜172を除去し、連通部3と切り欠き23を有する流路形成基板17が完成する。
次に、接着工程について説明する。図5(g)に示すように、切り欠き23が形成された流路形成基板17にノズルプレート16を接着剤で接着し、切り欠き23に対応する領域に凹部22が形成される。この接着工程において、接着には種々の接着剤が用いられるが、熱硬化性を有する流動性の接着剤、例えば、二液性エポキシ系接着剤が好適に用いられる。ここで、流路形成基板17とノズルプレート16とを接着するにあたっては、流路形成基板17の上側表面に接着剤を塗布し、その後、この接着面にノズルプレート16を上方側から載置する。これは、余剰の接着剤が垂れてノズル15が閉塞される不具合を防ぐためであると共に、余剰の接着剤を凹部に溜めるためである。そして、流路形成基板17の他方の面に弾性板18を接着し、流路ユニット2が作製される。
これらのケース6、振動子ユニット5、および、流路ユニット2等を作製したならば、各構成部品を組み立てる。まず、流路ユニット2をケース6の先端面に接着する。例えば、ケース6の先端面に接着剤を塗布した後、流路ユニット2をケース先端面に位置付け、ピン等により位置を固定する。この場合においても、種々の接着剤が選択できるが、本実施形態では、例えば、プレート接着工程と同様に、エポキシ系の接着剤が好適に用いられる。
流路ユニット2の位置を固定したならば、ケース6の取付面側から振動子ユニット5を収納空部9内に挿入する。振動子ユニット5の挿入は、まず、各圧電振動子4の先端面に接着剤を転写し、この先端面を先頭にして振動子ユニット5を収納空部9内に挿入する。そして、各圧電振動子4の先端面が対応する島部11に当接したならば、固定板7背面とケース6内壁面との間に接着剤を注入する。この接着剤は、比較的粘性が低い流動性の接着剤、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤が好適に用いられる。この注入された接着剤は、毛細管力によって固定板7とケース6内壁面との隙間に浸透して接着領域を満たす。
この接着領域が接着剤で満たされたならば、ケース6を加熱する。この加熱により、流路ユニット2はケース6先端面に、振動子ユニット5の固定板7はケース6内壁面にそれぞれ接着される。このようにして、流路ユニット2および振動子ユニット5をケース6に接着したならば、プリント基板等の必要な部品を取り付けて液体噴射ヘッド1の組み立てを終了する。
以上、上記実施形態によれば、以下に示す効果を有する。
(1)連通部3に切り欠き23が形成された流路形成基板17とノズルプレート16を接着することによって凹部22が形成される。そのため、余剰した接着剤を凹部22に溜めた状態で硬化させることができるので、はみ出して硬化した接着剤によって液体の流れを妨げることや、ノズル15を塞いでしまうことを防止できる。また、切り欠き23は結晶面方位[110]面を有する単結晶シリコンを異方性エッチングすることによって形成されており、切り欠き23を形成する複数の面のうち、少なくとも1つの面が結晶面方位[111]面を有するようにすることで、量産化した際に常に安定した形状で切り欠きを作成することができる。さらに、連通部3を形成する工程と同じ方法で切り欠き23を形成することができるため、製造コストを抑えることができる。
(2)圧力室14の長手方向において、切り欠き23の長さは連通部3の長さの半分程度で形成している。例えば、切り欠き23が大きすぎると気泡が滞留してしまい、滞留した気泡が圧力室14内の圧力変動を吸収してしまったり、気泡が成長してしまって液体の流れを妨げてしまう虞がある。しかし、このような構成にすることにより、余剰の接着剤が流路にはみ出してしまうことを防止すると共に、気泡の滞留も防止することができるので、信頼性の高い液体噴射ヘッド1を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)本実施形態では、流路形成基板17に切り欠き23を形成する形態を例示したが、これに限定されず、ノズルプレート16と接着され、液体流路を形成する部材であればよい。
(変形例2)上述した液体噴射装置100では、液体噴射ヘッド1がキャリッジ50に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、液体噴射ヘッド1が装置本体70に固定されて、記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、ライン式記録装置であっても良い。
(変形例3)さらに、上記実施形態では、圧力発生部として所謂撓み振動型の圧電振動子4を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電振動子4を採用することも可能である。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、広く液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、係る液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
なお、本発明は上記実施例に限られるものではないことは、言うまでもない。即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせで変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
1…液体噴射ヘッド、2…流路ユニット、3…連通部、4…圧電振動子、11…島部、14…圧力室、15…ノズル、16…ノズルプレート、17…流路形成基板、18…弾性板、22…凹部、23…切り欠き。

Claims (4)

  1. 液体が噴射されるノズルが形成されたノズルプレートと、
    一方の面が前記ノズルプレートと接着されるとともに、前記ノズルに連通する連通部が形成された流路形成基板と、
    を具備する液体噴射ヘッドであって、
    前記流路形成基板は、結晶面方位[110]面を有する単結晶シリコンからなり、
    前記連通部のノズルプレートとの接着面側の端部には切り欠きが形成され、
    前記切り欠きは、少なくとも1つの面が結晶面方位[111]面を有していることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記流路形成基板と前記ノズルプレートとの接着面方向において、前記切り欠きの幅は、前記連通部の幅の半分以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 結晶面方位が[110]面の単結晶シリコンからなる流路形成基板を異方性エッチングすることにより前記流路形成基板に連通部を形成する液体流路形成工程と、
    前記流路形成基板を異方性エッチングすることにより前記連通部の一部に少なくとも1つの面に結晶面方位[111]面を有する切り欠きを形成する切り欠き形成工程と、
    ノズルが形成されたノズルプレートと前記切り欠きが形成された前記流路形成基板を接着剤で接着する接着工程と、を含むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置。
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