JP2014149621A - 自律飛行ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】追従対象の移動物体を見失ったときであっても当該移動物体を迅速に発見できるようにする。
【解決手段】自律飛行ロボットの自己位置を推定し、撮像画像から移動物体位置を推定し、自己位置から移動目標位置へ移動するよう制御する処理を行って、追従飛行する自律飛行ロボットであって、移動目標位置を、位置推定手段にて移動物体位置を推定できるとき所定の標準高度の位置であって移動物体位置から所定の標準離間距離だけ離れた位置に設定し、位置推定手段にて移動物体位置を推定できないとき標準高度よりも高い高高度の位置に設定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、侵入者等の移動物体に追従飛行する自律飛行ロボットに関し、特に、移動物体を見失ったときであっても当該移動物体を迅速に発見して追従飛行を行う自律飛行ロボットに関する。
従来、追従対象に対して所定の距離を保ちつつ自律的に追従しながら移動する自律移動ロボットが提案されている。例えば、特許文献1には、カメラ画像に基づいて追従対象を認識し、当該追従対象までの距離を認識して、予め定めた距離に保って追従移動するよう移動制御する自律移動ロボットが開示されている。当該従来技術では、追従対象を見失ったとき(すなわち、追従対象である人物の認識に失敗したとき)、追従を止め動作を停止するよう制御される。
特開2004−299025号公報
しかしながら、上記の従来技術は、追従対象を見失ったときに当該追従対象を迅速に発見できるよう制御するものではない。自律移動ロボットを侵入者の監視といった警備用途に利用する場合、侵入者の行為を監視したり侵入者からの攻撃を回避したりするためには、見失った侵入者を迅速に発見して追従移動を継続する必要がある。ところで、近年、移動経路上に存在する物体や段差等の障害物に移動を制限されることなく空間内を自由に移動でき、侵入者等から攻撃され難い位置に移動できるといった面から、小型の飛行ロボットを自律的に移動させて侵入者を監視するといった自律飛行ロボットの利用が検討されている。このような自律飛行ロボットは、飛行高度を上げることにより、周囲を俯瞰的に監視できるといった特徴を有している。そこで、本発明は、このような自律飛行ロボットの特徴に着目し、追従対象を見失ったときに飛行高度を上げることにより、当該追従対象を迅速に発見できるよう移動制御することを目的とする。
かかる課題を解決するために、飛行空間内において移動物体に追従飛行して該移動物体を撮像部にて撮像する自律飛行ロボットであって、記憶部と、自律飛行ロボットの自己位置を推定する処理と、前記撮像部にて取得した撮像画像及び前記自己位置により前記移動物体の移動物体位置を推定する処理とを行う位置推定手段と、前記位置推定手段にて前記移動物体位置を推定できるとき、所定の標準高度の位置であって該移動物体位置から所定の標準離間距離だけ離れた位置に移動目標位置を設定する通常設定処理と、前記位置推定手段にて前記移動物体位置を推定できないとき、前記標準高度よりも高い高高度の位置に移動目標位置を設定する探索設定処理とを行う目標設定手段と、前記自己位置から前記移動目標位置へ移動するよう制御する処理を行う移動制御手段と、を有し、前記各処理を逐次繰り返すことによって追従飛行することを特徴とする自律飛行ロボットを提供する。
かかる構成により、本発明の目標設定手段は、撮像部にて移動物体を撮像できなくなって当該移動物体を見失い、移動物体位置を推定できなくなったとき(以下、「移動物体失跡時」という)においては、移動物体を見失わずに追従飛行している時(通常時)における飛行高度よりも高高度の位置に移動目標位置を設定する処理を行う。これにより、本発明の自律飛行ロボットは、移動物体を見失った場合であっても、飛行高度を上げるよう飛行制御することによって、撮像部によって撮像できる範囲(視野)が広くなることから、広範囲に周囲を俯瞰することができ、ひいては移動物体を迅速に発見することが可能となり、迅速に追従飛行を再継続することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様として、前記記憶部は、前記撮像部の視野を示す撮像条件情報と前記飛行空間における所定の基準位置とを記憶し、前記位置推定手段は、自律飛行ロボットの姿勢を更に推定し、前記目標設定手段は、前記探索設定処理として、前記撮像条件情報を用いて前記高高度の位置から前記基準位置を撮像できる探索離間距離を算出し、該基準位置から該探索離間距離だけ離れた位置に前記移動目標位置を設定し、前記移動制御手段は、前記位置推定手段にて前記移動物体位置を推定できるとき、前記撮像部が前記移動物体位置の方向を向くよう前記姿勢を制御し、前記位置推定手段にて前記移動物体位置を推定できないとき、前記撮像部が前記基準位置の方向を向くよう前記姿勢を制御するものとする。
かかる構成により、移動物体に追従飛行している通常時においては、移動物体位置から所定の標準離間距離だけ離れた位置であって標準高度の位置より、当該移動物体の方向を向くよう姿勢制御することにより、移動物体を常に撮像しつつ追従飛行することができる。一方、移動物体失跡時においては、高高度の高さ位置から所定の基準位置(例えば、侵入者を発見し易い出入口位置や、検知したセンサの設置位置など)を撮像できる探索離間距離を算出し、当該基準位置から算出した探索離間距離だけ離れた位置であって、高高度の高さ位置を移動目標位置として設定し、さらに、基準位置の方向を向くよう姿勢制御する。これにより、移動物体失跡時においては、高高度の位置から基準位置を撮像できる位置に向かって位置移動するとともに、常に撮像部を基準位置の方向を向くことから、見失った移動物体を発見し易い基準位置を高高度から俯瞰することができ、移動物体をより迅速に発見することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様として、前記移動制御手段は、前記探索設定処理として、直近の期間に推定した前記移動物体位置から前記基準位置を求めて前記記憶部に記憶する処理を行うものとする。
かかる構成により、本発明の移動制御手段は、移動物体失跡時に、直近の期間に推定できた移動物体位置に基づいて基準位置を設定する。例えば、直前に推定した移動物体位置を移動物体位置として設定する。一般的に、追跡中の移動物体を見失ったとき、当該移動物体は見失った時に存在していた位置の近辺に存在している可能性が高い。そのため、見失う直前における期間の移動物体位置に基づいて基準位置に設定して、当該基準位置を高高度から俯瞰することにより、より効率的に移動物体を発見することができる。
また、本発明の好ましい態様として、前記記憶部は、前記移動物体の特徴部位の高さ位置を示す特徴位置を更に記憶し、前記目標設定手段は、前記通常設定処理として、前記撮像条件情報と前記特徴位置とを用いて前記移動物体位置より前記標準離間距離だけ離れた位置から前記移動物体の特徴部位を撮像できる高度を算出し、該高度を前記標準高度として前記記憶部に記憶するものとする。
かかる構成により、本発明の自律飛行ロボットは、移動物体との離間距離(標準離間距離)と撮像部の撮像方向(俯角等)といった撮像条件情報とから当該侵入者の顔などの特徴部位を撮像できる飛行高度(標準高度)を求めて、当該飛行高度で追従飛行することにより、通常時においては移動物体の特徴部位を適切に撮像しつつ追従飛行することができる。
また、本発明の好ましい態様として、前記目標設定手段は、前記撮像画像から前記移動物体の画像領域を抽出し、該画像領域と前記撮像条件情報と前記自己位置とを用いて前記移動物体の高さを推定し、該高さから前記特徴位置を推定して前記記憶部に記憶するものとする。
かかる構成により、本発明の自律飛行ロボットは、撮像部で取得した撮像画像から移動物体の高さ、例えば侵入者の身長を推定し、推定した身長に応じて特徴位置(例えば顔位置であって、地面から顔中央までの高さ)を推定する。これにより、移動物体の大きさ、例えば侵入者の身長に応じて適切に特徴部位を撮像できる飛行高度を算出することができ、適切に特徴部位を撮像しつつ追従飛行することができる。
上記のように、本発明の自律飛行ロボットは、追従対象である侵入者(移動物体)を見失ったとき、飛行高度を上げて周囲を俯瞰するように監視することにより、迅速に侵入者を発見することができる。
自律飛行ロボットの概観図 自律飛行ロボットの機能ブロック図 移動目標位置設定処理のフローチャート 標準高度の算出についての説明図 移動候補位置の設定についての説明図 移動目標位置の設定についての説明図 探索離間距離の算出についての説明図 移動物体失跡時の移動目標位置の設定についての説明図 移動経路の生成におけるグラフ構造の説明図 ローカル目標算出の説明図
以下、移動物体である侵入者に対して所定の相対距離を保ちながら追従飛行し、当該移動物体の画像を撮像する自律飛行ロボットについての実施形態について添付した図面を参照しながら詳細に説明する。また、本発明の飛行移動ロボットは、自動車等の人物以外の様々な移動物体についても同様に適用することができる。
図1に本実施形態で利用する自律飛行ロボット1の概観図を表す。また、図2に本実施形態で利用する自律飛行ロボット1の機能ブロック図を表す。図1に表すように、本実施形態で利用する自律飛行ロボット1は、符号2a〜2dに示す4枚のロータ2(プロペラ)が一平面上に存在し、各ロータ2が図示しないバッテリ(二次電池)により駆動するモータ6によって回転することによって飛行するクアッドロータ型の小型無人ヘリコプタである。一般的に、シングルロータ型のヘリコプタでは、メインロータによって発生する反トルクをテールロータが生み出すモーメントで相殺することによって方位角を保っている。一方、本実施形態で利用する自律飛行ロボット1のようなクアッドロータ型のヘリコプタでは、前後・左右で異なる方向に回転するロータ2を用いることで反トルクの相殺を行っている。そして、例えば、機体をヨー方向に回転させたいときは、符号fa〜fdの矢印で示すように前後のロータ2a、2cと左右ロータ2d、2bの回転数に差を与える。このように、各ロータ2の回転数を制御することにより、様々な機体の移動や姿勢の調節を行うことができる。
撮像部3は、例えばレンズなどの光学系および所定画素(例えば640×480画素)のCCDやCMOSなどの2次元アレイ素子を有する二次元イメージセンサで構成され、飛行空間の撮像画像を所定の時間間隔で取得するいわゆるカラーカメラである。本実施形態では、撮像部3は、その光軸が自律飛行ロボット1の正面方向を撮像するよう筐体部分に設置され、かつ、水平面(XY平面)から予め定めた俯角θにより斜め下方の空間を撮像するよう設置されている。取得した撮像画像は後述する制御部7に出力され、制御部7により記憶部8に記憶されたり、後述する通信部9を介して図示しない外部装置に送信されたりする。
通信部9は外部装置との間で、例えば無線LANや携帯電話回線等により無線通信するための通信モジュールである。本実施形態では、撮像部3によって取得した撮像画像を図示しない警備センタに設置されたPCに送信することにより、警備員等が遠隔から侵入者を監視することを可能にする。
距離検出センサ4は、自律飛行ロボット1の周囲に存在する障害物と距離検出センサ4との間の距離を検出し、センサ検出範囲内に存在する障害物の相対的な位置を取得するセンサである。本実施形態では、距離検出センサ4としてレーザスキャナを備えている。レーザスキャナは、一定の角度サンプル間隔の角度毎に二次元スキャンすることによって、地面(又は床面)から一定の高さの水平面における周囲に存在する物体(障害物)との距離情報を極座標値として取得することができるものである。ここで、レーザスキャナにおける二次元スキャンとは、予め設定された検知エリアを走査するように、放射状にレーザ光である探査信号を送信し、検知エリア内の物体に反射して戻ってきた探査信号を受信して、送信と受信の時間差から物体までの距離を算出し、その探査信号を送信した方向と算出した距離を求めることをいう。本実施形態では、角度サンプル間隔を0.25°、検出角度範囲を360°、センサ検出範囲を30mとして自律飛行ロボットの周囲の障害物との距離を測定可能なレーザセンサを用いている。なお、距離検出センサ4は、レーザスキャナから照射されるレーザの一部をミラー5で地面方向に反射させて計測された距離情報を利用して飛行高度を推測することにも利用している。
記憶部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の情報記憶装置である。記憶部8は、各種プログラムや各種データを記憶し、制御部との間でこれらの情報を入出力する。各種データには、2Dポイント情報81及びボクセル情報82、離間距離83、撮像条件情報84、特徴位置85、標準高度86の他、制御部7の各処理に用いられる設定値、閾値等の各種パラメータ84や、各センサ等からの出力値、撮像画像等が含まれる。
2Dポイント情報81は、後述する位置推定手段71にて自律飛行ロボットの現在の飛行位置(以下、「自己位置」という)を推定するために利用する情報であり、グローバル座標と呼ばれる水平面における二次元の絶対座標上に表され、飛行空間における建造物等の障害物の外形を表す点集合の座標情報である。本実施形態では、飛行高度毎に設定された複数の点集合を2Dポイント情報として予め記憶部8に記憶していることとし、自律飛行ロボットの飛行高度によって対応する飛行高度の点集合を記憶部8から読み出して利用するものとする。
ボクセル情報82は、飛行空間をボクセル空間として複数のボクセルに分割して飛行空間の障害物の構造等を表した情報であり、予め管理者等によって設定され記憶部8に記憶される情報である。本実施形態では、飛行空間を所定の大きさ(例えば15cm×15cm)に分割し、建造物等の障害物に位置するボクセルを「占有ボクセル」と定義して、自律飛行ロボット1が移動できない空間とした。そして、占有ボクセルの近くに存在する空間に位置するボクセルを「近接ボクセル」、それ以外の自由に飛行可能なエリアに位置するボクセルを「自由ボクセル」として定義した。そして、各ボクセルには、後述する移動経路生成手段にて移動経路を生成する際に利用できるよう、占有度を示すボクセルコスト値を持たせた。占有ボクセルのボクセルコスト値は最大値をとり、距離が大きくなるほどボクセルコスト値が小さくなるように、(ボクセルコスト値)=exp{−λ・(占有ボクセルからの距離)}の計算式からボクセルコスト値を算出した。ここでλは実験によって求めたパラメータである。そして、予め定めた閾値以上のボクセルコスト値を有するボクセルを「近接ボクセル」とした。また、ボクセルコスト値が当該閾値よりも小さいボクセルを「自由ボクセル」とし、自由ボクセルとみなされたボクセルのボクセルコスト値を0と再設定した。なお、自律飛行ロボット1が飛行空間における予め定めた移動可能空間の外に出ないようにするため、移動可能空間とその外部との境界となるボクセルを占有ボクセルと設定した。
標準離間距離83は、移動物体を見失わずに追従飛行している時(通常時)に自律飛行ロボット1と移動物体との間で維持すべき水平面における相対距離であり、自律飛行ロボット1の管理者等によって予め設定される値である。自律飛行ロボット1を用いて所定の移動物体を監視する場合、移動物体に近づいてより詳細な撮像画像を取得できる必要がある。しかし、侵入者などの敵対する移動物体から攻撃を受けないようにするためには一定距離以上離間する必要がある。そのため、本実施形態の自律飛行ロボット1は、移動物体の詳細な撮像画像を取得でき、かつ、当該移動物体から攻撃を受け難い距離に標準離間距離83を予め定めておき、当該標準離間距離を保ちつつ追従飛行するようにする。本実施形態では標準離間距離83を3mとして設定されているものとする。
撮像条件情報84は撮像部3の視野を表す情報であり、本実施形態では撮像部3の俯角θが撮像条件情報84として記憶部8に記憶されている。すなわち、撮像条件情報84は、撮像部3の設置角度によって管理者等によって適宜設定される値である。なお、自律飛行ロボット1に対して撮像部3の撮像方向を変更可能なカメラ制御装置を搭載した場合の他の実施形態においては、当該カメラ制御装置から撮像方向についての情報を取得してもよい。
特徴位置85は、移動物体の特徴部位の位置を表す情報である。ここで、特徴部位とは、移動物体を識別するにあたって特徴的な部位であって、移動物体を撮像したときに証拠能力の高い撮像画像を得られる移動物体の部位である。例えば、移動物体が人物であるとき特徴部位は頭部(顔)であり、移動物体が自動車であるときは特徴部位はナンバープレート部分である。本実施形態では、移動物体の全高における位置割合(例えば、全長を1としたとき特徴部位の位置を0.95とするなど)を特徴位置85として管理者等により設定されていることとする。
標準高度86は、通常時(移動物体を見失っていない時)において自律飛行ロボット1が飛行すべき高度であり、後述する目標設定手段73にて移動物体の高さ(特徴部位の高さ)に応じて標準高度86が求められ、更新される。なお、初期値は自律飛行ロボット1の管理者等によって予め設定され、本実施形態では2.5mとして設定されているものとする。
制御部7は、CPU等を備えたコンピュータで構成され、位置推定処理(自己位置推定処理、移動物体位置推定処理)、速度推定処理、移動目標位置設定処理、経路生成処理、経路追従制御処理を行う一連の処理として、位置推定手段71、速度推定手段72、目標設定手段73、移動経路生成手段74、飛行制御手段75を含んでいる。
位置推定手段71は、距離検出センサ4及び撮像部3の出力に基づいて、飛行空間における自律飛行ロボット1の現在の飛行位置(自己位置)を推定する自己位置推定処理と、移動物体の現在位置(以下、「移動物体位置」という)とを推定する移動物体位置推定処理とを行う。
自己位置推定処理では、距離検出センサ4の出力と記憶部8に記憶された2Dポイント情報81とを用いて、自己位置として、水平面(XY平面)における位置x,yと、飛行高度zと、Z軸に対する回転角であるヨー角ψとを推定する処理を行う。
自己位置推定処理では、まず、レーザスキャナから照射されるレーザの一部をミラー5で地面方向に反射させて計測された距離情報を利用して、自己位置の飛行高度zを算出する。レーザスキャナによって計測された距離情報は、地面には建造物以外の物体(例えば荷物や乗り物など)が存在するため、必ずしも地面までの距離として正確に計測されるとは限らない。したがって、本実施形態では、これらの建造物以外の障害物の影響を受け難いようレーザスキャナによって計測された距離情報に対して拡張カルマンフィルタを適用することにより飛行高度を推定する。
次に、自己位置推定処理では、自己位置のx,y,ヨー角ψを推定する。自己位置のx,y,ヨー角ψを推定にあたり、まず、記憶部に記憶された2Dポイント情報81から飛行高度zに対応した飛行空間の二次元地図としての点集合を読み出す。そして、求めた点集合とレーザスキャナの出力とを用いて、ICP(Iterative Closest Point)アルゴリズムを利用した既知のスキャンマッチングにより自己位置のx,y,ヨー角ψを推定する。ICPアルゴリズムは、2つの点集合A,Bにおいてユークリッド距離が最小となる組合せを求めることによりマッチング処理するものである。すなわち、2Dポイント情報81の点集合と、自律飛行ロボット1に搭載されているレーザスキャナから取得したスキャンデータである入力点集合とをマッチングさせ位置誤差を修正することによって、グローバル座標における自己位置のx,y,ヨー角ψを推定することができる。
移動物体位置推定処理では、撮像部3の出力である撮像画像を画像処理して、移動物体位置を推定する処理を行う。移動物体位置推定処理では、まず、撮像画像の各フレームを画像処理して移動物体の画像領域を抽出する処理を行う。本実施形態では、既知の従来技術(例えば、特開2006−146551号公報を参照)であるオプティカルフロー法を用いて移動物体の画像領域を抽出する。しかし、これに限らず、既知の従来技術であるブースティング学習(例えば、Haar−like特徴を用いているAdaBoostベース識別器による顔検出手法)による識別器を用いて、移動物体である人物領域が含まれるか否かを識別し、人物領域として識別された当該画像領域を抽出してもよい。また、上記の各技術を組み合わせて用いてもよい。次に、移動物体位置推定処理では、当該抽出された移動物体の画像領域の位置に基づいて移動物体と自律飛行ロボット1との距離を推定する。具体的には、抽出した移動物体の画像領域の頭頂部の(撮像画像における)y座標位置と距離との対応表を予め飛行高度毎に作成しておき、現在の飛行高度及び移動物体の頭頂部のy座標位置を当該対応表に照らし合わせて移動体との距離を推定する。しかし、これに限らず、抽出した移動物体の頭部の大きさから距離を算出してもよい。すなわち、頭部の大きさと距離との対応表を予め作成しておき、抽出された移動物体の頭部の大きさを当該対応表に照らし合わせて移動物体との距離を推定してもよい。そして、抽出した人物領域の最上部の撮像画像上における位置座標(頭頂部位置)を用いて、移動物体が位置する方向を求める。この際、頭頂部位置と移動物体が位置する方向との対応表を予め記憶部8に記憶しておき、当該対応表を参照することにより、移動物体が位置する方向を求める。そして、自己位置から移動物体が存在する方向であって算出した移動物体との距離の分だけ離れた飛行空間における位置座標を求め、当該位置座標における高さ0の位置を移動物体位置として推定する。なお、撮像画像から抽出した移動物体の画像領域は、時間的に画像追跡されていることとする。
なお、位置推定手段71は、移動物体位置推定処理にて移動物体位置が算出すると、当該移動物体位置に基づいてボクセル情報82を更新する処理を行う。具体的には、記憶部8のボクセル情報82に基づいたボクセル空間に、算出された移動物体位置を中心として監視対象の移動物体として予め定めた移動物体の大きさと略同じ大きさの円柱モデル(例えば、監視対象の移動物体を侵入者であるとしたとき、底面の半径0.3m、高さ1.7mの円柱モデル)を配置し、当該円柱モデルと干渉するボクセルを占有ボクセルとして設定することによりボクセル情報82を更新する。後述するように、自律飛行ロボット1は、占有ボクセルには移動しないように飛行制御されるが、上記のように移動物体位置に基づいてボクセル情報82を更新することにより、自律飛行ロボット1と移動物体との接触を回避することができる。
速度推定手段72は、後述する飛行制御手段74における経路追従制御で利用するため、自律飛行ロボット1の現在の飛行速度(vx,vy,vz,vyaw)を推定する処理を行う。本実施形態では、位置推定手段71にて推定した自己位置(x,y,z,yaw)の時間変化から飛行速度を求めた。この際、測定誤差等の影響を考慮して拡張カルマンフィルタを利用して飛行速度を推定した。
目標設定手段73は、位置推定手段71で算出した自己位置及び移動物体位置と、記憶部8に記憶された各種情報とを用いて自律飛行ロボット1の移動目標位置を設定する移動目標位置設定処理を行う。図3は、移動目標位置設定処理を示すフローチャートであり、以下、同図を用いて移動目標位置設定処理の詳細について説明する。
移動目標位置設定処理では、まず、位置推定手段71における移動物体位置推定処理にて移動物体位置が推定できているか否かを判定する(ST10)。本実施形態では、移動物体位置推定処理において移動物体の画像領域を抽出できないとき、又は抽出した移動物体の画像領域が人物領域ではないとき、移動物体位置推定処理にて移動物体位置を推定できないと判定される。ST10にて移動物体位置が推定でききていると判定されたとき(ST10−Yes)、目標設定手段73は通常時(移動物体を見失っていない時)における移動目標位置を設定する処理として通常設定処理を行う(ST11〜ST15)。
通常設定処理では、まず、移動物体の高さを推定し、推定した移動物体の高さ情報を用いて特徴部位の高さを求める処理を行う(ST11)。本実施形態では、位置推定手段71にて推定した移動物体位置(移動物体と自律飛行ロボット1との間の距離)と抽出した移動物体の画像領域の大きさとに基づいて移動物体の高さを推定する。具体的には、移動物体位置推定処理にて抽出した移動物体の画像領域の大きさと移動物体の高さとの対応表を予め飛行高度毎に作成しておき、現在の飛行高度及び移動物体の画像領域の大きさを当該対応表に照らし合わせて移動物体の高さを推定する。次に、記憶部8から特徴位置85を読み出し、推定した移動物体の高さに当該特徴位置85の位置割合を乗じることにより特徴部位の高さを算出する。例えば、特徴位置85として記憶された位置割合が0.95であり、移動物体の高さが1.7mと推定されたとき、1.7m×0.95≒1.62mとして特徴部位の高さHを求めることができる。
次に、通常設定処理では、算出した特徴部位の高さ等を用いて、通常時において人物の顔を撮像できる高度である標準高度86を算出し、当該標準高度86を移動すべき飛行高度である目標飛行高度として設定する処理を行う(ST12)。図4は、標準高度86の算出を説明する図であり、自律飛行ロボット1と移動物体Mとを横方向から見た場合における概略図である。図4において、移動物体Mの特徴部位の高さはDに相当し、標準離間距離83はLに相当する。ここで、撮像部3の俯角をθとしたとき、移動物体Mである人物の顔を撮像できる高度である標準高度86(図4における符号Hに対応)を、H=D+L・tanθによって算出することができる。このように、特徴位置85と離間距離83と撮像条件情報84(俯角θ)に応じて標準高度86を算出することにより、通常時において移動物体Mの特徴部位(例えば顔などの頭部)を撮像することが可能な飛行高度において、予め定めた標準離間距離83を保ちながら移動物体Mに追従飛行することができる。また、推定した移動物体Mの地面Gからの高さに応じて特徴位置85の高さを求めることにより、移動物体Mの高さに応じて特徴部位を撮像できる位置を標準高度86として設定することができる。例えば移動物体が人物である場合の子供と大人との身長の違いを考慮して、頭部を撮像できる高さに標準高度86を設定することができる。
次に、通常設定処理では、移動候補位置から標準離間距離83だけ離れた周囲の領域に複数の移動候補位置を設定する処理を行う(ST13)。本実施形態では、移動候補位置を、移動物体位置を中心とし標準離間距離を半径とした円状の位置で、かつ、ST12にて設定した目標飛行高度の領域に、それぞれ等間隔になるように設定する。図5は移動候補位置の設定についての説明図であり、時刻tのときにボクセルで表示した飛行空間の一部を真上から見下ろしたときの図である。同図において、符号Boで表した黒塗りされたボクセルは占有ボクセルであり、符号Bnで表した平行斜線(ハッチング)で塗られたボクセルは近接ボクセルであり、符号Bfで表した白色のボクセルは自由ボクセルである。図5の例では、基準位置として移動物体Mの位置(重心位置Mg)が設定されており、当該基準位置Mgを中心として離間距離である半径Lの円周上に複数個の移動候補位置Pcを等間隔に設置する。なお、本実施形態では、基準位置Mgの周囲の位置に5°おきに72個の移動候補位置Pcを設置することとする。
次に、通常設定処理では、障害物の近傍に位置する移動候補位置Pcを、後述する移動目標位置を評価する際の評価対象から除外する処理を行う(ST14)。すなわち、自律飛行ロボット1が障害物に接触することを防止するために、障害物と干渉する位置にある移動候補位置Pcを除外し、かつ、障害物に接近する移動候補位置Pcも接触の危険性が増すことから当該移動候補位置Pcを除外する処理を行う。例えば図6に表すように、自由ボクセルBf以外のボクセル(占有ボクセルBo、近接ボクセルBn)と干渉する位置にある移動候補位置Pcが移動目標位置として設定されないよう、以下で説明する評価の対象から除外する。図6に表した移動候補位置Pcは、図5で表した移動候補位置Pcから近接ボクセルBnと干渉している移動候補位置Pcを除外した後のものであり、評価対象となっている移動候補位置Pcとなるものである。なお、近接ボクセルBnは移動目標位置に設定できないものの移動経路とすることはできるものとする。一方、占有ボクセルBoは移動目標位置に設定することができないだけでなく移動経路とすることもできない。このように、障害物の近傍に位置する移動候補位置Pcを評価対象から除外する処理を行うことにより、自律飛行ロボットと障害物との衝突を回避でき、かつ、全ての移動候補位置について評価することを省略できるため評価のための計算量を軽減することができる。
次に、目標設定手段73は、評価対象から除外されていない各移動候補位置Pcの評価値を算出し、評価値が最も大きい移動候補位置を移動目標位置として設定する(ST15)。この際、まず、自律飛行ロボット1の現在の自己位置から各移動候補位置までの距離が小さいほど評価値が大きくなるようにする。また、前回設定した移動目標位置からの移動候補位置までの距離が小さいほど評価値が大きくなるようにする。本実施形態における評価値Vを求める具体的な評価式を数1で表す。
Figure 2014149621
ここで、r=(x,y,z)は自律飛行ロボット1の現在の自己位置、Pprev=(xprev,yprev,zprev)は前回設定した移動目標位置を示し、α、β、σは距離に応じて減衰する値を調整するためのパラメータである。すなわち、数1において、(r−Pc)が自己位置から各移動候補位置までの距離を表し、(Pprev−Pc)が前回設定した移動目標位置からの移動候補位置までの距離を表す。以上のようにして、移動目標位置設定処理では評価値Vを求め、評価値Vが最大となる移動候補位置Pcを移動目標位置Poとして設定する。図6の例では、点線で囲んだ移動候補位置Pcが移動目標位置Poとして設定されたことを表している。このように、移動目標位置Poが設定されると、後述するように設定された移動目標位置Poに向かうように移動経路が生成され、自律飛行ロボット1は当該移動目標位置Poに向かって移動していくこととなる。
続いて、ST10にて移動物体位置が推定できていないと判定されたとき(ST10−No)、目標設定手段73は移動物体失跡時における移動目標位置を設定する処理として探索設定処理を行う(ST16〜ST21)。探索設定処理では、まず、前回(直前に)設定された目標飛行高度が8m以上であるか否かを判定する(ST16)
ST16にて前回設定された目標飛行高度が8m以上であると判定されたとき(ST16−Yes)、処理をST18に進める。一方、ST16にて前回設定された目標飛行高度が8m以上ではないと判定されたとき(ST16−No)、目標飛行高度を現在の飛行高度(自己位置のz軸の座標)よりも1mだけ大きい値に修正する処理を行う(ST17)。例えば、現在の飛行高度が3mであったとき、ST17では今回処理における目標飛行高度として3+1=4mが設定されることになる。なお、上記実施形態では、ST17にて目標飛行高度を「現在の飛行高度+1」によって設定しているが、これに限らず、前回(直前に)設定された目標飛行高度を1mだけ増加する処理を行ってもよい。例えば、直前の処理において、標準高度86として算出された3mの目標飛行高度が設定されていたとき、ST17では今回処理における目標飛行高度として3+1=4mが設定されることになる。いずれにせよ、ST17にて設定される目標飛行高度は、標準高度86よりも高い高高度の位置として設定されることになる。
次に、探索設定処理では、予め記憶した撮像条件情報84を用いて、移動物体失跡時においてST17にて算出した目標飛行高度(高高度の位置)から基準位置を撮像できる離間距離である探索離間距離を算出する処理を行う(ST18)。本実施形態では、本発明の基準位置として、飛行空間に存在する監視対象建物の出入口の位置座標(以下、「出入口位置」という)が設定されていることとする。例えば、出入口位置として、高さ0mの予め測定された水平位置が予め管理者等によって設定され、記憶部8に記憶されていることとする。図7は、探索離間距離の算出を説明する図であり、飛行空間において自律飛行ロボット1と建物Aとを横方向から見た場合における概略図である。同図において、符号Eは建物Aの出入口、符号Egは出入口位置、符号H’はST17にて算出された目標飛行高度、符号L’は探索離間距離に相当する。ここで、撮像部3の俯角をθとしたとき、建物Aの出入口位置Egを撮像できる離間距離である探索離間距離L’を、L’=H’/tanθによって算出することができる。なお、本実施形態では出入口位置Egを高さ0mとしているが、高さは任意の所定値D’であってもよい。この場合、探索離間距離L’を、L’=(H’+D’)/tanθによって算出することができる。また、本実施形態では、基準位置を出入口位置Egとして設定しているが、これに限らず、例えば、侵入者の存在を感知したセンサの位置としてもよい。
次に、探索設定処理では、算出した目標飛行高度と探索離間距離L’とを用いて移動目標位置Poを設定するための各処理が実施される(ST19〜ST21)。図8は移動物体失跡時における移動目標位置の設定を説明する図である。同図に表すように、移動物体失跡時においても通常設定処理と同様に、ST18にて設定された基準位置(出入口位置Eg)から、ST19にて設定された探索離間距離L’だけ離れた位置に移動候補位置Pcが複数個設定される(ST19)。そして、障害物の近傍に位置する移動候補位置Pcが評価対象から除外され(ST20)、評価対象とされた各移動候補位置Pcについて数1の式にて評価し、評価値Vが最大の移動候補位置Pcを移動目標位置Poとして設定される(ST21)。このように、探索設定処理におけるST19〜ST21までの各処理は、通常設定手段におけるST13〜ST15までの各処理と略同様に実施されるため、ここでは詳細な説明を省略する。
目標設定手段73にて移動目標位置設定処理を終えると、移動経路生成手段74は、記憶部に記憶されたボクセル情報と、目標設定手段にて算出した移動目標位置と、位置推定手段71にて算出した自己位置とを用いて自律飛行ロボットの移動経路を算出する移動経路生成処理を行う。具体的には、移動経路生成処理では、まず、記憶部からボクセル情報82を読出し、分割した移動可能な空間である自由ボクセルBf及び近接ボクセルBnの各ボクセルの中心をノードとし、当該ノードに隣接するノード間を連結した線分をエッジとしてグラフ構造を生成する。図9はグラフ構造を説明する図であり、飛行空間における移動可能なボクセル(自由ボクセルBf又は近接ボクセルBn)の一部(27個)を切り欠いたものである。図9において符号Bで表す個々の立方体は自由ボクセルBf又は近接ボクセルBnを表すものである。また、これらのボクセルBの中心にある黒又はハッチングにて塗りつぶした球はノードであり、ノード間を連結する点線で表示する線分はエッジである。このようにボクセル情報82に基づいて全ての移動可能なボクセルについてグラフ構造を生成した後、自律飛行ロボット1が存在しているボクセルのノードから移動目標位置Poが存在しているボクセルのノードまでの移動経路を生成する。移動経路の生成方法については、さまざまな経路生成方法が適用可能であるが、本実施形態ではA*(エースター)経路探索法を用いて移動経路を探索する。この際、ボクセル情報82として記憶されたボクセルコストをA*経路探索法における移動コストとして利用する。移動経路生成手段74で生成された生成された移動経路のデータは、経由点(x,y,z)の集合データであり、この情報は記憶部8に一時的に記憶される。
飛行制御手段75は、移動経路生成手段74にて算出した移動経路情報と位置推定手段71にて推定した自己位置と速度推定手段72で推定した飛行速度とを用いて、各時刻での飛行制御値である速度指令値を求め、当該速度指令値に基づいてモータ6を制御し、ロータ2の回転数を制御することにより、自律飛行ロボット1が移動経路生成手段74で算出した移動経路に沿って飛行させる経路追従制御処理を行う。なお、本発明における「移動制御手段」は、本実施形態における移動経路生成手段74及び飛行制御手段75に対応する。
経路追従制御処理では、まず、各時刻での自律飛行ロボットが目標とすべき直近の位置(以下、「ローカル目標」と呼ぶ)を算出する処理を行う。図10はローカル目標の算出を説明する図である。ローカル目標の算出にあたり、飛行制御手段75は、移動経路生成手段74で生成された移動経路を記憶部8から読出し、自律飛行ロボットが現在時刻で目指している経由点Wp1と前回通過済みである経由点Wp0との2点間を繋げた直線Wを求める。そして、飛行制御手段は、求めた直線Wと自律飛行ロボット1の自己位置を中心とした球Sとの交点Lp’、Lpを算出し、目指している経由点Wp1に近い交点Lpをローカル目標として求める。このように、各時刻においてローカル目標を目指して自律飛行ロボット1が移動するよう飛行制御することで、常にローカル目標も移動経路上を移動目標位置Poに向かって移動していき、自律飛行ロボット1は移動経路に沿って飛行していくことになる。
次に、経路追従制御処理では、算出したローカル目標に向かって飛行するようX、Y、Z、ヨー角ψの各方向毎に速度指令値ux,uy,uz,uψを算出する処理を行う。この際、現在の自己位置とローカル目標の位置との差異が小さくなるような速度指令値を求める。具体的には、XYZ軸方向の速度指令値u=(ux,uy,uz)は、位置推定手段で求めた自己位置r=(x,y,z)と速度推定手段で推定した速度v=(vx,vy,vz)とを利用し、PID制御により求める。XYZ軸方向の各速度指令値をu=(ux,uy,uz)、ローカル目標をr’=(x,y,z)としたとき、速度指令値は、u=Kp(r’−r)+Kd・v+Ki・eの式で算出される。ここで、Kp、Kd、KiはそれぞれPID制御のゲインのことであり、e=(ex,ey,ez)は誤差の積分値である。一方、ヨー角方向の速度指令値uψは、ψ'を目標角度、ψを位置推定手段71にて推定した自律飛行ロボット1の姿勢(角度)、vyawを速度推定手段72で推定した角速度とすると、uψ=Kp(ψ’−ψ)+Kd・vψの式のようなPD制御により求める。なお、本実施形態では、通常時においては、目標角度ψ'を移動物体Mの方向、すなわち、移動物体位置の方向を向く角度とした。また、移動物体失跡時においては、目標角度ψ'を基準位置の方向、すなわち、予め設定した出入口位置の方向を向く角度とした。
このように、制御部7は、上述した位置推定手段71、速度推定手段72、目標設定手段73、移動経路生成手段74、飛行制御手段75における各処理を逐次繰り返す。これにより、本実施形態の自律飛行ロボット1は、移動物体Mから離間距離だけ離れた位置に対して移動目標位置を逐次更新し、その都度移動経路についても逐次更新していくことによって、当該移動物体と所定の離間距離を保ちつつ追従飛行することができる。また、自律飛行ロボット1は、移動物体失跡時においては標準高度86よりも高い高高度の位置に目標飛行高度が設定されることになる。このように、自律飛行ロボット1は、移動物体Mを見失った場合であっても、飛行高度を上げるよう飛行制御することによって、撮像部3によって撮像できる範囲(視野)が広くなり、広範囲に周囲を俯瞰することができ、移動物体を迅速に発見することが可能となる。そして、高高度の位置から移動物体Mを発見して移動物体位置を推定できたとき、当該移動物体Mと所定の離間距離を保ちつつ追従飛行を再開することができる。
また、通常時においては、標準離間距離83を離間距離Lcに設定し、かつ、移動物体Mの方向を向くよう姿勢制御することにより、移動物体Mからの攻撃を受け難い離間距離Lcを保ちつつ、当該移動物体Mを撮像することができる。そして、移動物体失跡時においては、撮像条件情報84(俯角θ)を用いて基準位置が撮像できる探索離間距離を算出して離間距離Lcに設定し、かつ、基準位置の方向を向くよう姿勢制御することにより、移動物体失跡時に高高度の位置に上昇移動した場合であっても、基準位置(例えば、出入口位置)を常に撮像し続けることができるよう水平位置を設定することができる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施形態で実施されてもよいものである。また、実施形態に記載した効果は、これに限定されるものではない。
上記実施形態では、移動物体失跡時における探索設定処理において、予め定めた所定の位置(出入口位置)を基準位置として用いている(ST19)。しかし、これに限らず、直近に推定した移動物体位置から求めた位置を、基準位置として設定してもよい。例えば、直近に推定できた移動物体位置を一時的に記憶部8に記憶しておき、当該移動物体位置を基準位置として設定する。一般的に、追跡中の移動物体Mを見失ったとき、当該移動物体Mは見失った位置の近辺に存在している。そのため、見失う直前の移動物体位置を基準位置に設定して、高高度の位置に上昇移動することにより、より効率的に移動物体Mを発見することができる。なお、直近の期間に推定できた移動物体位置の時系列情報から移動物体Mの移動方向及び移動速度を推定し、これらの情報を用いて現在時刻における移動物体位置を推定して、推定した移動物体位置を基準位置に設定してもよい。
上記実施形態では、移動物体失跡時における探索設定処理において、目標飛行高度を標準高度86よりも高い高高度の位置へと段階的に変更させるよう処理している(ST17)。しかし、これに限らず、移動物体失跡時には予め設定された標準高度86よりも高い高高度の位置(例えば7mの高さの位置)を目標飛行高度として設定してもよい。
上記実施形態では、移動物体失跡時における探索設定処理において、基準位置(出入口位置)を撮像できる位置を求めるために探索離間距離を算出し(ST18)、基準位置から当該探索離間距離だけ離れた周囲の位置に移動候補位置を設定されている(ST19)。しかし、これに限らず、ST18にて探索離間距離を算出せずに予め設定された探索離間距離(固定値)を読み出して、当該探索離間距離を用いてST19にて移動候補位置Pcを設定してもよい。または、移動物体失跡時は、ST18にて探索離間距離を算出せずに、かつ、ST19にて移動候補位置Pcを設定せずに、ST17にて設定された標準高度86よりも高い高高度の位置であって予め設定された飛行空間内の水平位置(固定値)に移動目標位置Poを設定してもよい。
上記実施形態では、通常時における通常設定処理において、特徴位置85として移動物体の全高における位置割合を記憶部8に記憶し、当該位置割合と推定した移動物体Mの高さとを用いて特徴部位の高さDを推定し(ST11)、当該特徴部位の高さDを用いて特徴部位を撮像できる飛行高度である標準高度86(=H)を算出して当該標準高度86を目標飛行高度として設定している(ST12)。しかし、これに限らず、特徴位置85として所定の固定値を記憶しておき(例えば1.6m)、ST11にて移動物体Mの高さを推定することなく、ST12にて当該固定値を特徴部位の高さDとして利用してもよい。または、標準高度86として所定の固定値を記憶しておき(例えば2.5m)、ST11の処理を省略してST12にて当該固定値を目標飛行高度として設定してもよい。
上記実施形態では、標準離間距離83として、自律飛行ロボット1と移動物体との間で維持すべき水平面における距離として設定されているが、これに限らず、自律飛行ロボット1と移動物体との間で維持すべき直線距離として設定さていてもよい。例えば、撮像部3の光学中心から移動物体の特徴位置に至る直線距離として記憶部8に設定されていてもよい。また、同じように、探索離間距離についても、上記実施形態のように水平面における距離として算出することに限定せず、高高度の位置から基準位置を撮像できる直線距離として算出してもよい。
上記実施形態では、飛行制御手段74にて速度指令値を算出するために、速度推定手段72にて自己速度を算出している。しかし、これに限らず、速度推定手段72を省略して自己速度を算出せずに速度指令値を算出してもよい。この場合、移動物体Mへの追従性能が劣るもの簡易的な処理で追従飛行することが可能となる。また、上記実施形態では、速度推定手段72にて自己位置に基づいて自己速度を算出している。しかし、これに限らず、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測ユニット)などのセンサを利用したり、自律飛行ロボット1の真下方向を撮像するカメラを設置し、カメラからの撮像画像に基づいて既知のオプティカルフロー法を用いて自己速度を算出してもよい。
上記実施形態では、距離検出センサ4としてレーザスキャナを用いて当該レーザセンサの出力から位置推定手段71にて自己位置を推定している。しかし、これに限らず、レーザスキャナの代わりとしてGPS、ジャイロセンサ、電子コンパス、気圧センサ等の他のセンサを用いて既知の従来技術により自己位置を推定してもよい。
上記実施形態では、制御部7において位置推定処理(自己位置推定処理、移動物体位置推定処理)、速度推定処理、移動目標位置設定処理、移動経路生成処理、経路追従制御処理の一連の処理を行っている。しかし、これに限らず、図示しない制御用のPCを用意し、当該PCにこれらの一連の処理を実施させてもよい。すなわち、自律飛行ロボット1は、距離検出センサ4のレーザスキャナの出力及び撮像部3で取得した撮像画像を通信部9を介して無線通信により当該PCに送信する。そして、PCは、位置推定処理、速度推定処理、移動目標位置設定処理、移動経路生成処理、経路追従制御処理を実施し、経路追従制御処理にて求めた速度指令値を無線通信により自律飛行ロボット1に送信する。そして、自律飛行ロボット1は、通信部9を介して受信した速度指令値に基づいてモータ6の回転数を制御することにより、目的の位置に飛行する。このように、上記の一連の処理を外部PCを用いて分担することにより、自律飛行ロボット1のCPU処理負荷を低減することができ、ひいてはバッテリの消耗も抑えることができる。
1・・・自律飛行ロボット
2・・・ロータ
3・・・撮像部
4・・・距離検出センサ
5・・・ミラー
6・・・モータ
7・・・制御部
71・・・位置推定手段
72・・・速度推定手段
73・・・目標設定手段
74・・・移動経路生成手段
75・・・飛行制御手段
8・・・記憶部
81・・・2Dポイント情報
82・・・ボクセル情報
83・・・標準離間距離
84・・・撮像条件情報
85・・・特徴位置
86・・・標準高度
87・・・各種パラメータ
9・・・通信部
L・・・標準離間距離
L’・・・探索離間距離
M・・・移動物体
Mg・・・移動物体の重心
G・・・地面
A・・・建物
E・・・出入口
Eg・・・出入口位置
Bo・・・占有ボクセル
Bn・・・近接ボクセル
Bf・・・自由ボクセル
Pc・・・移動候補位置
Po・・・移動目標位置

Claims (5)

  1. 飛行空間内において移動物体に追従飛行して該移動物体を撮像部にて撮像する自律飛行ロボットであって、
    記憶部と、
    自律飛行ロボットの自己位置を推定する処理と、前記撮像部にて取得した撮像画像及び前記自己位置により前記移動物体の移動物体位置を推定する処理とを行う位置推定手段と、
    前記位置推定手段にて前記移動物体位置を推定できるとき、所定の標準高度の位置であって該移動物体位置から所定の標準離間距離だけ離れた位置に移動目標位置を設定する通常設定処理と、前記位置推定手段にて前記移動物体位置を推定できないとき、前記標準高度よりも高い高高度の位置に移動目標位置を設定する探索設定処理とを行う目標設定手段と、
    前記自己位置から前記移動目標位置へ移動するよう制御する処理を行う移動制御手段と、を有し、
    前記各処理を逐次繰り返すことによって追従飛行することを特徴とする自律飛行ロボット。
  2. 前記記憶部は、前記撮像部の視野を示す撮像条件情報と前記飛行空間における所定の基準位置とを記憶し、
    前記位置推定手段は、自律飛行ロボットの姿勢を更に推定し、
    前記目標設定手段は、前記探索設定処理として、前記撮像条件情報を用いて前記高高度の位置から前記基準位置を撮像できる探索離間距離を算出し、該基準位置から該探索離間距離だけ離れた位置に前記移動目標位置を設定し、
    前記移動制御手段は、前記位置推定手段にて前記移動物体位置を推定できるとき、前記撮像部が前記移動物体位置の方向を向くよう前記姿勢を制御し、前記位置推定手段にて前記移動物体位置を推定できないとき、前記撮像部が前記基準位置の方向を向くよう前記姿勢を制御する請求項1に記載の自律飛行ロボット。
  3. 前記移動制御手段は、前記探索設定処理として、直近の期間に推定した前記移動物体位置から前記基準位置を求めて前記記憶部に記憶する処理を行う請求項2に記載の自律飛行ロボット。
  4. 前記記憶部は、前記移動物体の特徴部位の高さ位置を示す特徴位置を更に記憶し、
    前記目標設定手段は、前記通常設定処理として、前記撮像条件情報と前記特徴位置とを用いて前記移動物体位置より前記標準離間距離だけ離れた位置から前記移動物体の特徴部位を撮像できる高度を算出し、該高度を前記標準高度として前記記憶部に記憶する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の自律飛行ロボット。
  5. 前記目標設定手段は、前記撮像画像から前記移動物体の画像領域を抽出し、該画像領域と前記撮像条件情報と前記自己位置とを用いて前記移動物体の高さを推定し、該高さから前記特徴位置を推定して前記記憶部に記憶する請求項4に記載の自律飛行ロボット。

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