JP2014159357A - 水硬性材料用改良剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】他の混和材料との組み合わせを必要とせず、耐凍結融解性に優れ、また硬化物の強度低下を起こすことなく、優れたひび割れ抑制機能を示す、汎用性の高い水硬性材料用改良剤組成物を提供する。また、そのような水硬性材料用改良剤組成物を含むセメント組成物を提供する。
【解決手段】本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、一般式(1):[R1−O−(X1O)m−]pY[−O−(X2O)n−R2]qで表される化合物(A)と、化合物(B)とを含んでなる、水硬性材料用改良剤組成物であって、該化合物(B)が、不飽和単量体を単量体単位として有する架橋物であり、該不飽和単量体が、アニオン系単量体およびノニオン系単量体から選ばれる少なくとも1種を含有し、該アニオン系単量体が、スルホン酸(塩)系単量体を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、水硬性材料用改良剤組成物に関する。本発明は、より詳細には、水硬性材料の乾燥収縮ひび割れに対して優れたひび割れ抑制機能を有する水硬性材料用改良剤組成物に関する。
水硬性材料は、強度や耐久性等に優れた硬化物を与える。このことから、水硬性材料は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物として広く用いられている。水硬性材料は、土木・建築構造物を構築するために欠かすことができない。
水硬性材料は、硬化した後に、外気温や湿度条件等により、内部に残った未反応水分の散逸を起こす。このため、乾燥収縮が進行し、硬化物中にひび割れが生じ、強度や耐久性等が低下するという問題がある。土木・建築構造物の強度や耐久性等が低下すると、安全性の低下や修復コストの増大など、重大な問題が生じる。
このような問題に対し、法規制が強化されてきている。1999年6月に成立した住宅の品質確保の促進に関する法律では、コンクリートのひび割れも瑕疵保証の対象となっている。2009年2月に改訂された、鉄筋コンクリート造に関する建築工事標準仕様書(JASS 5(日本建築学会))では、耐用年数が長期(100年以上)にわたるコンクリートにおける26週での収縮ひずみが8×10−4以下に規制された。
最近、コンクリートのひび割れを抑制するために乾燥収縮を低減させる方法として、収縮低減剤が重要視されている。上記JASS 5の改訂と同時に、収縮低減剤に関する建築学会基準も制定された。
従来の収縮低減剤として、炭素原子数1〜4のアルコールのアルキレンオキシド付加物(特許文献1参照)、2〜8価の多価アルコールのエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共付加物(特許文献2参照)、低級アルキルアミンのアルキレンオキシド付加物(特許文献3参照)、オリゴマー領域のポリプロピレングリコール(特許文献4参照)、低分子アルコール類(特許文献5参照)、2−エチルヘキサノールのアルキレンオキシド付加物(特許文献6参照)が報告されている。
しかしながら、これらの収縮低減剤は、コンクリートに使用した場合に強度が低下するという問題がある。このため、強度を保つためにセメントペースト分の割合を高くする必要があり、コンクリートコストが高くなるという問題が生じる。
コンクリートに使用した場合の強度低下を抑制し得る収縮低減剤として、2〜8価の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物が報告されている(特許文献7、8参照)。しかしながら、これらの収縮低減剤は、いずれも、粉末樹脂、膨張材などの他の混和材料との組み合わせが必要となっており、コンクリートコストが高くなるという問題は解決できていない。
特公昭56−51148号公報 特公平1−53214号公報 特公平1−53215号公報 特開昭59−152253号公報 特公平6−6500号公報 特許第2825855号公報 特開平9−301758号公報 特開2002−68813号公報
本発明の課題は、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、耐凍結融解性に優れ、また硬化物の強度低下を起こすことなく、優れたひび割れ抑制機能を示す、汎用性の高い水硬性材料用改良剤組成物を提供することにある。また、そのような水硬性材料用改良剤組成物を含むセメント組成物を提供することにある。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、
一般式(1):
[R1−O−(X1O)m−]pY[−O−(X2O)n−R2]q (1)
(一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、X1O、X2Oは、それぞれ独立に、炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を表し、m、nは、それぞれ、X1O、X2Oの平均付加モル数を表し、m、nは、それぞれ独立に、0〜500であり、m+n=2〜500であり、Yは水酸基を含有する化合物の残基を表し、p、qは、それぞれ独立に、0〜6である。ただし、pとqは同時に0にはならない。)
で表される化合物(A)と、化合物(B)とを含んでなる、水硬性材料用改良剤組成物であって、
該化合物(B)が、不飽和単量体を単量体単位として有する架橋物であり、
該不飽和単量体が、アニオン系単量体およびノニオン系単量体から選ばれる少なくとも1種を含有し、
該アニオン系単量体が、スルホン酸(塩)系単量体を含む。
好ましい実施形態においては、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、重量比で、(A)/(B)=60/40〜99/1の割合で含有する。
好ましい実施形態においては、上記ノニオン系単量体が、N−ビニルラクタム系単量体を含む。
好ましい実施形態においては、上記化合物(B)の、硝酸カルシウム4水和物0.6重量%および水酸化カリウム0.089重量%を含む水溶液に対する24時間後の吸水倍率が、8g/g以上である。
本発明のセメント組成物は、本発明の水硬性材料用改良剤組成物とセメントを含む。
本発明によれば、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、耐凍結融解性に優れ、また硬化物の強度低下を起こすことなく、優れたひび割れ抑制機能を示す、汎用性の高い水硬性材料用改良剤組成物を提供することができる。また、そのような水硬性材料用改良剤組成物を含むセメント組成物を提供することができる。
本発明の実施例におけるひび割れ抵抗性の評価に用いるリング拘束供試体の形態を示す図である。
≪≪水硬性材料用改良剤組成物≫≫
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、化合物(A)と化合物(B)とを含んでなる。
化合物(A)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。化合物(B)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物の添加量は、水硬性材料(セメント等)に対して、固形分換算で、好ましくは0.5重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.5重量%〜15重量%であり、さらに好ましくは1重量%〜10重量%である。水硬性材料用改良剤組成物の添加量を、水硬性材料に対して、固形分換算で、0.5重量%〜20重量%にすることにより、本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、ひび割れ抑制機能および耐凍結融解性をより効果的に発現することができる。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、化合物(A)と化合物(B)とを、重量比で、好ましくは(A)/(B)=60/40〜99/1の割合で含有する。(A)/(B)の割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、化合物(A)と化合物(B)とを併用することによる、ひび割れ抑制機能および耐凍結融解性を相乗的に向上させる効果が得られ、さらに、コンクリートのフレッシュ物性を良好に維持することができる。(A)/(B)の割合は、より好ましくは70/30〜98/2であり、さらに好ましくは90/10〜95/5である。
<化合物A>
化合物(A)は一般式(1)で表される。
[R1−O−(X1O)m−]pY[−O−(X2O)n−R2]q (1)
一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜8の炭化水素基を表す。R1、R2は、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜2の炭化水素基であり、さらに好ましくは、水素原子である。
一般式(1)中、X1O、X2Oは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表す。X1O、X2Oは、それぞれ、1種のみのオキシアルキレン基であっても良いし、2種以上のオキシアルキレン基であっても良い。X1Oが2種以上のオキシアルキレン基である場合、(X1O)mはランダム配列であっても良いし、ブロック配列であっても良い。X2Oが2種以上のオキシアルキレン基である場合、(X2O)nはランダム配列であっても良いし、ブロック配列であっても良い。X1O、X2Oは、好ましくは、オキシプロピレン基またはオキシエチレン基であり、より好ましくは、オキシエチレン基である。
一般式(1)中、m、nは、それぞれ、X1O、X2Oの平均付加モル数を表し、m、nは、それぞれ、0〜500であり、好ましくは1〜100であり、m+n=2〜500であり、好ましくはm+n=5〜500である。
X1O、X2Oのどちらか一方がオキシプロピレン基の場合は、m、nは、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10である。
X1O、X2Oのいずれもがオキシエチレン基の場合は、m、nは、好ましくは5〜200であり、より好ましくは10〜150であり、さらに好ましくは20〜100である。
m、nを上記の範囲とすることで、一般式(1)で表される化合物(A)を化合物(B)と併用することにより、相乗的に、本発明の水硬性材料用改良剤組成物のひび割れ抑制機能および耐凍結融解性を向上させることができる。
Yは水酸基を含有する化合物の残基を表す。すなわち、Yは、Y−(OH)rで表される水酸基含有化合物(ただし、rは1以上の整数)におけるY部分を意味する。水酸基を含有する化合物としては、例えば、炭素原子数1〜8の炭化水素に結合している水素原子の少なくとも1つが水酸基に置き換わったもの等が挙げられる。水酸基を含有する化合物としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール等の1価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール類;等が挙げられる。水酸基を含有する化合物としては、これらの中でも、好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類であり、より好ましくは、エチレングリコールである。
p、qは、それぞれ独立に、0〜6である。ただし、pとqは同時に0にはならない。pとqの合計は、好ましくは2〜12であり、より好ましくは2〜6である。
化合物(A)としては、具体的には、例えば、炭素数1〜4のアルコールにエチレンオキシドを付加したポリエチレングリコールモノアルキルエーテル;トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコールにエチレンオキシドを付加した化合物;ポリエチレングリコール;等が挙げられる。化合物(A)としては、これらの中でも、好ましくは、ポリエチレングリコールである。このようなポリエチレングリコールの重量平均分子量は、好ましくは200〜20000であり、より好ましくは400〜10000であり、さらに好ましくは1000〜6000である。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、一般式(1)で表される化合物(A)が、水硬性材料に対して、固形分換算で、好ましくは0.01重量%〜10重量%となるように使用する。より好ましくは0.03重量%〜5重量%であり、さらに好ましくは0.05重量%〜3重量%であり、特に好ましくは0.1重量%〜2重量%である。上記一般式(1)で表される化合物(A)の使用量が、水硬性材料に対して、固形分換算で、0.01重量%未満では、ひび割れ抑制機能を十分発揮できない恐れがあり、10重量%を越えると、使用量に見合ったひび割れ抑制機能が発揮されないことがあり、コスト上から不経済である。
<化合物B>
化合物(B)は、不飽和単量体を単量体単位として有する架橋物であり、該不飽和単量体が、アニオン系単量体およびノニオン系単量体から選ばれる少なくとも1種を含有し、該アニオン系単量体が、スルホン酸(塩)系単量体を含む。上記不飽和単量体としては、アニオン系単量体およびノニオン系単量体から選ばれる少なくとも1種以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の単量体を含有していても良い。上記不飽和単量体中、アニオン系単量体およびノニオン系単量体から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、好ましくは1重量%〜100重量%であり、より好ましくは3重量%〜99重量%であり、さらに好ましくは5重量%〜98重量%であり、特に好ましくは10重量%〜95重量%である。上記不飽和単量体中、アニオン系単量体およびノニオン系単量体から選ばれる少なくとも1種の含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の水硬性材料用改良剤組成物のひび割れ抑制機能および耐凍結融解性をより向上させることができる。アニオン系単量体としては、1種のみのアニオン系単量体を用いても良いし、2種以上のアニオン系単量体を用いても良い。ノニオン系単量体としては、1種のみのノニオン系単量体を用いても良いし、2種以上のノニオン系単量体を用いても良い。
(アニオン系単量体)
アニオン系単量体は、スルホン酸(塩)系単量体を含む。スルホン酸(塩)系単量体としては、例えば、ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、ならびに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、および有機アンモニウム塩などが挙げられる。アニオン系単量体中の、スルホン酸(塩)系単量体の含有割合は、好ましくは3重量%〜95重量%であり、より好ましくは5重量%〜90重量%であり、さらに好ましくは7重量%〜85重量%であり、特に好ましくは10重量%〜80重量%である。アニオン系単量体中の、スルホン酸(塩)系単量体の含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の水硬性材料用改良剤組成物のひび割れ抑制機能および耐凍結融解性をより向上させることができる。
アニオン系単量体としては、スルホン酸(塩)系単量体以外の他のアニオン系単量体を含有していても良い。このような他のアニオン系単量体としては、例えば、カルボン酸(塩)系単量体、リン酸(塩)系単量体、ホウ酸(塩)系単量体などが挙げられる。これらの中でも、カルボン酸(塩)系単量体が好ましい。カルボン酸(塩)系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体;これらのカルボン酸の無水物または塩(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩及び置換アルキルアンモニウム塩);などが挙げられる。アニオン系単量体中にカルボン酸(塩)系単量体が含有される場合、その含有割合は、好ましくは5重量%〜97重量%であり、より好ましくは10重量%〜95重量%であり、さらに好ましくは15重量%〜93重量%であり、特に好ましくは20重量%〜90重量%である。アニオン系単量体中の、カルボン酸(塩)系単量体の含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の水硬性材料用改良剤組成物のひび割れ抑制機能および耐凍結融解性をより一層向上させることができる。
(ノニオン系単量体)
ノニオン系単量体としては、例えば、N−ビニルラクタム系単量体、ポリアルキレングリコール系単量体、アミド系単量体などが挙げられる。
ノニオン系単量体がN−ビニルラクタム系単量体を含有する場合は、化合物(B)を形成する全不飽和単量体(架橋性単量体は除く)中のN−ビニルラクタム系単量体の含有割合が、後述するように一定以上であることが好ましい。ノニオン系単量体がポリアルキレングリコール系単量体を含有する場合は、化合物(B)を形成する全不飽和単量体(架橋性単量体は除く)中のポリアルキレングリコール系単量体の含有割合が、後述するように一定以上であることが好ましい。ノニオン系単量体がアミド系単量体を含有する場合は、化合物(B)を形成する全不飽和単量体(架橋性単量体は除く)中のアミド系単量体の含有割合が、後述するように一定以上であることが好ましい。なお、ここでいう全不飽和単量体とは、後述する架橋性単量体を含まない概念である。
N−ビニルラクタム系単量体としては、N−ビニルラクタム構造を有する単量体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なN−ビニルラクタム系単量体を採用し得る。このようなN−ビニルラクタム系単量体としては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾリンが挙げられる。N−ビニルラクタム系単量体は、1種のみのN−ビニルラクタム系単量体を用いても良いし、2種以上のN−ビニルラクタム系単量体を用いても良い。N−ビニルラクタム系単量体の中でも、単量体自体および得られる架橋物の安全性の観点から、N−ビニル−2−ピロリドンが特に好ましい。
N−ビニルラクタム系単量体は、任意の適切な方法によって製造し得る。例えば、N−ビニルラクタム系単量体がN−ビニル−2−ピロリドンである場合は、N−ヒドロキシエチルピロリドンを気相脱水反応させる方法が特に好ましい。N−ヒドロキシエチルピロリドンを気相脱水反応させる具体的な方法については、例えば、特開平8−141402号公報や特許第2939433号公報で報告された方法を採用すればよい。なお、上記の方法において、N−ヒドロキシエチルピロリドンの前駆体であるγ−ブチロラクトンは、無水マレイン酸から誘導されたものを用いることが好ましい。N−ビニル−2−ピロリドンは、また、2−ピロリドンをアセチレンでビニル化して得られるN−ビニル−2−ピロリドン、ブチロラクトンにエタノールアミンを作用させ1−(β−オキシエチル)−2−ピロリドンとし、水酸基を塩化チオニルで塩素に変え、脱水塩として得られるN−ビニル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンと無水酢酸との反応によって得られる酢酸エステル中間体を脱酢酸して得られるN−ビニル−2−ピロリドンであっても良い。
上記のような製造方法によって製造されたN−ビニルラクタム系単量体は、通常、精製工程を経て、重合に使用される。
化合物(B)を形成する不飽和単量体がN−ビニルラクタム系単量体を含有する場合、化合物(B)を形成する全不飽和単量体(架橋性単量体は除く)中のN−ビニルラクタム系単量体の含有割合は、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは40重量%〜90重量%であり、さらに好ましくは60重量%〜80重量%である。なお、ここでいう全不飽和単量体とは、後述する架橋性単量体を含まない概念である。
ポリアルキレングリコール系単量体としては、ポリアルキレングリコール鎖および重合性基を有する単量体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なポリアルキレングリコール系単量体を採用し得る。このようなポリアルキレングリコール系単量体としては、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ベンジルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ポリアルキレングリコール系単量体は、1種のみのポリアルキレングリコール系単量体を用いても良いし、2種以上のポリアルキレングリコール系単量体を用いても良い。
化合物(B)を形成する全不飽和単量体がポリアルキレングリコール系単量体を含有する場合、化合物(B)を形成する全不飽和単量体(架橋性単量体は除く)中のポリアルキレングリコール系単量体の含有割合は、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは85重量%〜100重量%である。なお、ここでいう全不飽和単量体とは、後述する架橋性単量体を含まない概念である。
アミド系単量体としては、アミド構造を有する単量体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なアミド系単量体を採用し得る。このようなアミド系単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。アミド単量体は、1種のみのアミド系単量体を用いても良いし、2種以上のアミド系単量体を用いても良い。アミド系単量体の中でも、汎用性の観点から、(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
化合物(B)を形成する不飽和単量体がアミド系単量体を含有する場合、化合物(B)を形成する全不飽和単量体(架橋性単量体は除く)中のアミド系単量体の含有割合は、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは40重量%〜90重量%であり、さらに好ましくは60重量%〜80重量%である。なお、ここでいう全不飽和単量体とは、後述する架橋性単量体を含まない概念である。
化合物(B)を形成する不飽和単量体(架橋性単量体は除く)として、N−ビニルラクタム系単量体、ポリアルキレングリコール系単量体、アミド系単量体などのノニオン系単量体と共重合可能な単量体(その他の単量体)を用いることができる。その他の単量体としては、1種のみのその他の単量体を用いても良いし、2種以上のその他の単量体を用いても良い。このようなその他の単量体としては、例えば、
1)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物等の、不飽和モノカルボン酸系単量体;
2)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物等の、不飽和ジカルボン酸系単量体;
3)ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物等の、不飽和スルホン酸系単量体;
4)(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2-メチルスチレン、酢酸ビニル等の、疎水性単量体;
5)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、3−メチル−2−ブテン−1−オール(プレノール)、ポリエチレングリコールモノプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノプレノールエーテル、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソプレンアルコール)、ポリエチレングリコールモノイソプレンアルコールエーテル、ポリプロピレングリコールモノモノイソプレンアルコールエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノアリルエーテル、ビニルアルコール等の、水酸基含有不飽和単量体;
6)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の、カチオン性単量体;
7)(メタ)アクリロニトリル等の、ニトリル系単量体;
8)(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の、含リン単量体;
などが挙げられる。
上記その他の単量体の中でも、N−ビニルラクタム系単量体、ポリアルキレングリコール系単量体、アミド系単量体などのノニオン系単量体との共重合性等の点からは、1)の不飽和モノカルボン酸系単量体または3)の不飽和スルホン酸系単量体が好ましく、3)の不飽和スルホン酸系単量体が特に好ましい。
化合物(B)を形成する全不飽和単量体(架橋性単量体は除く)中のその他の単量体の含有割合は、好ましくは0重量%〜70重量%であり、より好ましくは5重量%〜40重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜30重量%である。なお、ここでいう全不飽和単量体とは、後述する架橋性単量体を含まない概念である。
その他の単量体として、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体、不飽和スルホン酸系単量体などの酸性基含有単量体を用いる場合、あるいは、塩基性基含有単量体を用いる場合、酸性基および塩基性基が未中和のもの、部分中和されたもの、完全中和されたものの何れでも問題なく使用することができる。
化合物(B)を形成するためには、アニオン系単量体やノニオン系単量体などの不飽和単量体と共重合可能な架橋性単量体を用いることができる。ここにいう架橋性単量体とは、1分子あたりに少なくとも2個の重合性二重結合基を有する架橋性単量体である。架橋性単量体としては、1種のみの架橋性単量体を用いても良いし、2種以上の架橋性単量体を用いても良い。適量の架橋性単量体をアニオン系単量体やノニオン系単量体などの不飽和単量体と共重合させることによって、架橋構造を有する架橋物を得ることができる。
架橋性単量体としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジビニルケトン、トリビニルベンゼン、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
架橋性単量体の使用量は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な使用量を採用し得る。好ましくは、全不飽和単量体(架橋性単量体は除く)に対して、架橋性単量体を、0.05mol%〜1.0mol%の範囲内で使用する。
化合物(B)は、硝酸カルシウム4水和物0.6重量%および水酸化カリウム0.089重量%を含む水溶液に対する24時間後の吸水倍率が、好ましくは8g/g以上である。化合物(B)がこのような吸水倍率を有することによって、本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、ひび割れ抑制機能および耐凍結融解性をより効果的に発現することができる。
化合物(B)は、粒子状であることが好ましく、その平均粒子径(平均粒度)は、好ましくは10μm〜1000μmであり、より好ましくは50μm〜600μmである。化合物(B)の平均粒子径がこのような小さい範囲であると、セメント組成物中で化合物(B)が均一に分散しやすいため、本発明の効果が発揮されやすくなる。
化合物(B)は、任意の適切な方法によって製造し得る。化合物(B)の製造方法は、好ましくは重合工程を含む。このような重合工程で採用し得る重合方法としては、例えば、バルク重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、沈殿重合法などが挙げられる。このような重合方法において溶媒を用いる場合、このような溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール類;などが挙げられる。溶媒は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。このような溶媒としては、水を必須に用いることが好ましい。
上記重合方法において溶媒を用いる場合、重合反応溶液中の不飽和単量体(架橋性単量体を含む)の濃度は、好ましくは25重量%〜80重量%である。上記不飽和単量体(架橋性単量体を含む)の濃度が25重量%未満の場合は、乾燥に長い時間を必要とするため、乾燥中に樹脂が劣化してしまうおそれがある。一方、上記不飽和単量体(架橋性単量体を含む)の濃度が80重量%を超えると、重合の制御が困難となり、残存単量体が増加してしまうおそれがある。
化合物(B)の製造にあたっては、架橋性単量体の存在下に不飽和単量体(架橋性単量体は除く)を重合する方法を採用しても良いし、不飽和単量体(架橋性単量体は除く)を重合した後に後架橋処理する方法を採用しても良い。不飽和単量体(架橋性単量体は除く)を重合した後に後架橋処理する方法としては、例えば、(i)不飽和単量体(架橋性単量体は除く)を重合した後にUVを照射する方法、(ii)不飽和単量体(架橋性単量体は除く)を重合した後に熱を加えて自己架橋させる方法、(iii)不飽和単量体(架橋性単量体は除く)を重合した後にラジカル発生剤を含有させた後、熱を加えて自己架橋させる方法、(iv)不飽和単量体(架橋性単量体は除く)を重合した後にラジカル重合性架橋剤およびラジカル重合開始剤を含有させた後に加熱および/または光照射する方法、などが挙げられる。化合物(B)の製造において重合反応を行う際には、反応温度や圧力等の反応条件は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な反応条件を採用し得る。例えば、反応温度は、好ましくは20℃〜150℃であり、反応系内の圧力は、好ましくは常圧下または加圧下である。また、化合物(B)の製造において重合反応を行う際の、各仕込み成分の添加方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加方法を採用し得る。このような添加方法としては、例えば、回分式や連続式などが挙げられる。化合物(B)の製造において重合反応を行う際には、重合を開始する手段として、例えば、重合開始剤を添加する方法、UVを照射する方法、熱を加える方法、光開始剤存在下に光を照射する方法等を採用することができる。
重合開始剤としては、加熱等によってラジカルを発生するものであれば、任意の適切な重合開始剤を採用し得る。このような重合開始剤としては、特に、室温で5重量%以上の濃度で水に均一に溶解する水溶性重合開始剤が好ましい。具体的には、例えば、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド等の過酸化物;2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロリオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;アスコルビン酸と過酸化水素、スルホキシル酸ナトリウムとt−ブチルヒドロパーオキシド、過硫酸塩と金属塩等の酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤;等が挙げられる。重合開始剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
重合開始剤の使用量としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な使用量を採用し得る。このような使用量としては、全不飽和単量体(架橋性単量体も含む)に対して、好ましくは0.002重量%〜15重量%であり、より好ましくは0.01重量%〜5重量%である。上記使用量を上記範囲内に収めることにより、本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、ひび割れ抑制機能および耐凍結融解性をより効果的に発現することができる。
化合物(B)の製造において重合反応を行う際には、重合反応の促進あるいは不飽和単量体の加水分解を防止する等の目的のため、塩基性pH調節剤を使用しても良い。塩基性pH調節剤の添加は、任意の適切な添加方法で行うことができる。このような添加方法としては、例えば、重合初期より系内に仕込んでおく方法でも良いし、重合中に逐次添加する方法でも良い。塩基性pH調節剤としては、具体的には、例えば、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、これらの中でも、アンモニアが特に好ましい。塩基性pH調節剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。塩基性pH調節剤を用いる場合、その使用量としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な使用量を採用し得る。このような使用量としては、重合時の溶液が、好ましくは5〜10のpH領域となるような使用量であり、より好ましくは7〜9のpH領域となるような使用量である。
化合物(B)の製造において重合反応を行う際には、重合反応の促進等の目的のため、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な遷移金属塩を使用しても良い。このような遷移金属塩としては、具体的には、例えば、銅、鉄、コバルト、ニッケル等のカルボン酸塩や塩化物等が挙げられる。このような遷移金属塩は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。このような遷移金属塩を用いる場合、その使用量としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な使用量を採用し得る。このような使用量としては、全不飽和単量体(架橋性単量体も含む)に対して、好ましくは0.1ppb〜20000ppbであり、より好ましくは1ppb〜5000ppbである。上記使用量を上記範囲内に収めることにより、本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、ひび割れ抑制機能および耐凍結融解性をより効果的に発現することができる。
化合物(B)の製造において重合反応を行う際には、本発明の効果を損なわない範囲で、連鎖移動剤、緩衝剤など、任意の適切な他の添加剤を使用しても良い。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、任意の適切な減水剤を含んでいても良い。このような減水剤としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系等のスルホン酸系減水剤;ポリオール誘導体;ポリオキシアルキレン基とアニオン性基とを有する重合体(好ましくは、ポリオキシアルキレン基とカルボキシル基とを有する重合体(ポリカルボン酸系減水剤)、ポリオキシアルキレン基とリン酸基とを有する重合体);などが挙げられる。
ポリオキシアルキレン基とカルボキシル基とを有する重合体(ポリカルボン酸系減水剤)としては、例えば、(メタ)アリルアルコール、3−メチル3−ブテン−1−オール等の特定の不飽和アルコールにアルキレンオキシドを付加したアルケニルエーテル系単量体および(メタ)アクリル酸やマレイン酸等の不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体組成物から得られる共重合体またはその塩(特開平10−236858号公報、特開2001−220417号公報参照);(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体および(メタ)アクリル酸系単量体を含む単量体組成物から得られる共重合体(特公昭59−18338号公報、特開平7−223852号公報参照);などが挙げられる。
ポリオキシアルキレン基とリン酸基とを有する重合体としては、例えば、ポリオキシアルキレン基を有する特定の単量体とリン酸モノエステル系単量体とリン酸ジエステル系単量体とを含む単量体組成物から得られる共重合体(特開2006−052381号公報参照)などが挙げられる。
上記のような減水剤の中でも、好ましくは、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリカルボン酸系減水剤である。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、以下の(1)〜(20)に例示するような、他の任意の適切な水硬性材料用成分を含有することができる。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類のアルキル化もしくはヒドロキシアルキル化誘導体の一部または全部の水酸基の水素原子が、炭素数8〜40の炭化水素鎖を部分構造として有する疎水性置換基と、スルホン酸基又はそれらの塩を部分構造として含有するイオン性親水性置換基で置換されてなる多糖誘導体;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマーおよびその四級化合物;等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸またはクエン酸、および、これらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩または有機塩等のオキシカルボン酸;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、またはデキストリン等のオリゴ糖、またはデキストラン等の多糖類、およびこれらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸ならびにその塩またはホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、および、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸およびその誘導体;等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート;等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド;等。
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(16)その他の界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール;アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール;ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン;ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール;ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン;ポリアルキレンオキシド誘導体類(例えば、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたもの);アルキル基またはアルコキシ基を置換基として有してもよい、スルホン酸基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤;等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)収縮低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石灰系等。
その他の水硬性材料用成分としては、コンクリート混和剤、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、着色剤、防カビ剤などを挙げることができる。なお、その他の水硬性材料用成分は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、本発明の作用効果を奏する範囲内で、必要に応じて、他の混和材料を併用してもよい。しかしながら、本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、他の混和材料と組み合わせなくても、硬化物の強度低下を抑制でき、優れたひび割れ抑制機能を発現でき、優れた耐凍結融解性を発現できる。したがって、低コストで本発明の水硬性材料用改良剤組成物を提供することを考えた場合には、他の混和材料は必ずしも併用する必要はない。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物の製造方法については、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、本発明の水硬性材料用改良剤組成物が化合物(A)と化合物(B)とを含む場合には、任意の適切な混合方法によって混合することが挙げられる。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物の使用形態としては、水硬性材料組成物に添加する方法が一般的であるが、硬化後の水硬性材料組成物の表面に本発明の水硬性材料用改良剤組成物を塗布、もしくは散布しても良い。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、水/セメント比の適用範囲が広く、水/セメント比(重量比)で、好ましくは60%〜15%のコンクリートまで製造が可能である。
≪≪セメント組成物≫≫
本発明のセメント組成物は、本発明の水硬性材料用改良剤組成物とセメントを含む。本発明のセメント組成物は、好ましくは、本発明の水硬性材料用改良剤組成物とセメントに加えて、さらに、細骨材、水を含み、このようなセメント組成物をモルタルと称することがある。また、本発明のセメント組成物は、好ましくは、本発明の水硬性材料用改良剤組成物とセメントに加えて、さらに、細骨材、粗骨材、水を含み、このようなセメント組成物をコンクリートと称することがある。
セメント組成物の製造に用いるセメントとしては、例えば、普通、低熱、中庸熱、早強、超早強、耐硫酸塩、これらの低アルカリ形等のポルトランドセメント;高炉セメント;シリカセメント;フライアッシュセメント;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント);シリカヒュームセメント;白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;などが挙げられる。また、セメント組成物中に含まれ得る粉体として、例えば、シリカヒューム、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカ粉末、石灰石微粉末、高炉スラグ微粉末、膨張材、その他の鉱物質微粉末などが挙げられる。細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、砕砂、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材などが挙げられる。粗骨材としては、例えば、川砂利、砕石、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材などが挙げられる。水としては、例えば、JIS A 5308付属書9に示される上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水など)、回収水などが挙げられる。
セメント組成物中には、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、例えば、硬化促進剤、凝結遅延剤、防錆剤、防水剤、防腐剤などが挙げられる。
セメント組成物の製造方法、運搬方法、打設方法、養生方法、管理方法などについては、任意の適切な方法を採用し得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、特に明記しない限り、実施例における部及び%は重量基準である。
<ひび割れ抵抗性評価>
水硬性材料用改良剤組成物の所定量を秤量して水と混合したもの300gと、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)600gをホバート型モルタルミキサー(ホバート社製、型番:N−50)を用いて低速で3分間混練して、評価用供試体を調製するためのセメントペーストを得た。
得られたセメントペースト250gを、図1に示した形状のリング拘束供試体を調製するために、リング拘束試験型枠(外枠:PE蓋付きポリスチレン、金属製リング:SUS304)に流し込んで、3日間密封養生を行なった。
3日間密封養生後、ペースト硬化体をリング拘束試験型枠から取り出し、リング拘束供試体とした。リング拘束供試体の形態は図1に示した通りである。
この供試体を、室温20℃、湿度60%の恒温恒湿室内に保管し、ひび割れ抵抗性の評価を行なった。保管開始から供試体にひび割れが生じるまでの時間をひび割れ発生時間とした。ひび割れ発生時間が長いほど、ひび割れ抵抗性に優れていることを示す。
<重量平均粒子径測定条件>
架橋物の重量平均粒子径(D50)は、欧州特許第0349240号に開示された測定方法に準じて測定した。すなわち、目開き300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、45μmを有するJIS標準篩(The IIDA TESTING SIEVE、内径80mm、JIS Z8801−1(2000))、または、JIS標準篩に相当する篩を用いて、架橋物10gを分級した。分級後、各篩の重量を測定し、粒子径150μm未満の重量百分率(重量%)を算出した。また、重量平均粒子径(D50)は、上記各粒度の残留百分率Rを対数確率紙にプロットし、このグラフからR=50重量%に相当する粒子径を重量平均粒子径(D50)として読み取った。
なお、重量平均粒子径(D50)は、架橋物全体の50重量%に対応する標準篩の粒子径のことをいう。
<吸水倍率(FSC)測定条件>
FSC(無加圧下吊り下げ吸水倍率)の測定はERT440.2−02に準じて行った。
架橋物0.2gを秤量し、不織布製の袋(60×85mm)に均一に入れヒートシールした後、25±3℃に調温した硝酸カルシウム4水和物(0.6wt%)+水酸化カリウム(0.089wt%)水溶液500mL中に浸漬した。24時間経過後、袋を引き上げ、10分間吊り下げて水切りを行った。その後、袋の質量W3[g]を測定した。
同様の操作を、架橋物を入れずに行い、そのときの袋の質量W4[g]を測定した。次式にしたがってFSC(無加圧下吸水倍率)を算出した。
FSC(g/g)=(W3−W4)/(架橋物の質量(0.2g))−1
〔製造例1〕:(M−10)の合成
温度計、撹拌機、窒素、およびエチレンオキシド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、フレーク状水酸化ナトリウムを0.4g仕込み、反応容器内を窒素加圧と排気を繰り返すことによって充分に窒素置換を行った。次に、メタノールを57.5g仕込み、この混合液の温度を90℃まで昇温した。初期圧力を0.15MPaに設定し、エチレンオキシド790gを8時間かけて添加した。この間の反応温度は125±5℃、反応圧力は0.78MPa以下に維持した。さらに2時間、反応温度を維持して、エチレンオキシドのメタノールへの付加反応を完結させ、メタノール1モルに対してエチレンオキシド10モルが付加したM−10を得た。
〔製造例2〕:(M−25)の合成
温度計、撹拌機、窒素、およびエチレンオキシド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、製造例1で得られたM−10を75.1g仕込み、反応容器内を窒素加圧と排気を繰り返すことによって充分に窒素置換を行った。次に、内温を150℃、初期圧力を0.15MPaに設定し、エチレンオキシド105gを6時間かけて添加した。この間の反応温度は150±5℃、反応圧力は0.78MPa以下に維持した。さらに1時間、反応温度を維持して、エチレンオキシドの付加反応を完結させ、メタノール1モルに対してエチレンオキシド25モルが付加したM−25を得た。
〔製造例3〕:(M−50)の合成
温度計、撹拌機、窒素、およびエチレンオキシド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、製造例2で得られたM−25を82.3g仕込み、反応容器内を窒素加圧と排気を繰り返すことによって充分に窒素置換を行った。次に、内温を150℃、初期圧力を0.15MPaに設定し、エチレンオキシド80gを5時間かけて添加した。この間の反応温度は150±5℃、反応圧力は0.78MPa以下に維持した。さらに1時間、反応温度を維持して、エチレンオキシドの付加反応を完結させ、メタノール1モルに対してエチレンオキシド50モルが付加したM−50を得た。
〔製造例4〕:(架橋物1)の合成
内径85mm、円筒状のプラスチック容器(容量1000mL)に、N−ビニル−2−ピロリドン94.2g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(50%水溶液)130.3g、メチレンビスアクリルアミド0.965g、水174.9gを加えて充分混合した後、60℃の温水バスに浸漬し、窒素ガスを2L/minで20分間吹き込み、水溶液中の溶存酸素を除去した。その後、全単量体100重量%に対して3質量%の2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩水溶液2.372gを加えて混合した後、静置重合した。重合発熱がピークを過ぎてから、温水バスを80℃に昇温して30分静置した。静置後、得られたゲル状物を、ハサミで5mm程度の大きさにカットした後、115℃で2時間乾燥させた。得られた乾燥物を、ロールミルで粉砕し、目開きが250μmおよび45μmのJIS標準篩を用いて分級を行い、重量平均粒子径が180μm、硝酸カルシウム/水酸化カリウム水溶液中の24時間吸水倍率が18g/gである架橋物1を得た。
〔製造例5〕:(架橋物2)の合成
容量2000mLの四つ口セパラブルフラスコに、攪拌羽根、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管および滴下漏斗を備えた反応装置を準備した。このセパラブルフラスコにシクロヘキサン800gと分散剤としてショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬株式会社製、DKエステル(登録商標)F−50)4.5gを加えた後、温水バスに入れて75℃まで昇温しながら混合し、ショ糖脂肪酸エステルを溶解させた。その後、窒素ガスを2L/minで20分間吹き込み、溶液中の溶存酸素を除去した。別途、充分に混合が終了した単量体水溶液(N−ビニル−2−ピロリドン94.9g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(50%水溶液)130.3g、メチレンビスアクリルアミド0.228g、水174.9g)を500mlの滴下漏斗に入れ、窒素ガスを2L/minで20分間吹き込み、水溶液中の溶存酸素を除去した後、この水溶液に3%2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩水溶液2.372gを加えて均一に混合した。これを、上記の75℃に昇温させたシクロヘキサンへ滴下して分散させた。滴下終了後、セパラブルフラスコ内の液温を75℃に維持しながら60分間保持することで、重合反応を完了させた。次いで、温水バスを90℃以上にして固形分85%まで共沸脱水を行った後、ろ過を実施した。ろ過終了後、80℃の乾燥器中で16時間静置乾燥した。その後、目開きが250μmおよび45μmのJIS標準篩を用いて分級を行い、重量平均粒子径が149μm、硝酸カルシウム/水酸化カリウム水溶液中の24時間吸水倍率が26g/gである架橋物2を得た。
〔製造例6〕:(架橋物3)の合成
内径85mm、円筒状のプラスチック容器(容量1000mL)に、アクリル酸ナトリウム62.6g、アクリルアミド110.4g、メチレンビスアクリルアミド0.24g、水329.8gを加えて充分混合した後、25℃の温水バスに浸漬し、窒素ガスを2L/minで20分間吹き込み、水溶液中の溶存酸素を除去した。その後、20%過硫酸ナトリウム水溶液3.88g、および、2%L−アスコルビン酸水溶液3.88gを加えて混合した後、静置重合した。重合発熱がピークを過ぎてから、温水バスを90℃に昇温して40分静置した。静置後、得られたゲル状物を、ハサミで5mm程度の大きさにカットした後、115℃で2時間乾燥させた。得られた乾燥物を、ロールミルで粉砕し、目開きが250μmおよび45μmのJIS標準篩を用いて分級を行い、重量平均粒子径が150μm、硝酸カルシウム/水酸化カリウム水溶液中の24時間吸水倍率が18g/gである架橋物3を得た。
〔製造例7〕:(架橋物4)の合成
内径85mm、円筒状のプラスチック容器(容量1000mL)に、2−スルホエチルメタクリレートのナトリウム塩43.2g、メタクリル酸43g、メタクリル酸ナトリウム140.4g、メチレンビスアクリルアミド1.84g、水340gを加えて充分混合した後、40℃の温水バスに浸漬し、窒素ガスを2L/minで20分間吹き込み、水溶液中の溶存酸素を除去した。その後、10%過硫酸アンモニウム水溶液2g、および、1%L−アスコルビン酸水溶液1gを加えて混合した後、静置重合した。重合発熱がピークを過ぎてから、温水バスを90℃に昇温して60分静置した。静置後、得られたゲル状物を、ハサミで5mm程度の大きさにカットした後、150℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥物を、ロールミルで粉砕し、目開きが250μmおよび45μmのJIS標準篩を用いて分級を行い、重量平均粒子径が159μm、硝酸カルシウム/水酸化カリウム水溶液中の24時間吸水倍率が17g/gである架橋物4を得た。
〔比較製造例1〕:(比較架橋物1)の合成
内径85mm、円筒状のプラスチック容器(容量1000mL)に、アクリル酸39.8g、37%アクリル酸ナトリウム水溶液379.1g、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量522)0.55g、水69.4gを加えて充分混合した後、60℃の温水バスに浸漬、窒素ガスを2L/minで20分間吹き込み、水溶液中の溶存酸素を除去した。その後、3重量%の過硫酸ナトリウム水溶液2.37gを加えて混合した後、静置重合した。重合発熱がピークを過ぎてから、温水バスを80℃に昇温して30分静置した。得られたゲルを、ハサミで5mm程度の大きさにカットした後、180℃で30分間乾燥させた。得られた乾燥物を、ロールミルで粉砕し、目開きが850μmおよび45μmのJIS標準篩を用いて分級を行い、重量平均粒子径が429μm、硝酸カルシウム/水酸化カリウム水溶液中の24時間吸水倍率が5g/gである比較架橋物1を得た。
〔実施例1〕
表1に示すように、化合物(A)としてPEG6000(第一工業製薬株式会社製)、化合物(B)として製造例4で得られた架橋物1を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(1)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔実施例2〕
表1に示すように、化合物(A)としてPEG1000(第一工業製薬株式会社製)、化合物(B)として製造例4で得られた架橋物1を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(2)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔実施例3〕
表1に示すように、化合物(A)としてPEG1000(第一工業製薬株式会社製)、化合物(B)として製造例4で得られた架橋物1を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(3)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔実施例4〕
表1に示すように、化合物(A)としてPEG1000(第一工業製薬株式会社製)、化合物(B)として製造例5で得られた架橋物2を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(4)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔実施例5〕
表1に示すように、化合物(A)としてPEG400(第一工業製薬株式会社製)、化合物(B)として製造例6で得られた架橋物3を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(5)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔実施例6〕
表1に示すように、化合物(A)として製造例3で得られたM−50、化合物(B)として製造例4で得られた架橋物1を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(6)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔実施例7〕
表1に示すように、化合物(A)として製造例2で得られたM−25、化合物(B)として製造例5で得られた架橋物2を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(7)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔実施例8〕
表1に示すように、化合物(A)として製造例1で得られたM−10、化合物(B)として製造例6で得られた架橋物3を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(8)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔実施例9〕
表1に示すように、化合物(A)として製造例1で得られたM−10、化合物(B)として製造例7で得られた架橋物4を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(9)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔比較例1〕
表1に示すように、本発明の改良剤組成物を用いずに、ひび割れ抵抗性評価を行った。
評価結果を表1に示した。
〔比較例2〕
表1に示すように、化合物(A)を用いず、化合物(B)として製造例4で得られた架橋物1を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(C2)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔比較例3〕
表1に示すように、化合物(B)を用いず、化合物(A)としてPEG1000(第一工業製薬株式会社製)を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(C3)を製造した。
評価結果を表1に示した。
〔比較例4〕
〔実施例4〕
表1に示すように、化合物(A)としてPEG1000(第一工業製薬株式会社製)、化合物(B)として比較製造例1で得られた比較架橋物1を用い、表1に示す重量比で配合して、改良剤組成物(C4)を製造した。
評価結果を表1に示した。
Figure 2014159357
表1において、本発明の改良剤組成物を用いた実施例1〜9では、いずれもひび割れ発生時間が60時間を越えており、優れたひび割れ抵抗性を発現できることが判る。一方、比較例1〜4では、実施例よりひび割れ発生時間が短くなっており、本発明の改良剤組成物には及ばないことが判る。
本発明の水硬性材料用改良剤組成物は、汎用性の高い水硬性材料用改良剤組成物として、モルタルやコンクリートなどのセメント組成物に好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 一般式(1):
    [R1−O−(X1O)m−]pY[−O−(X2O)n−R2]q (1)
    (一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、X1O、X2Oは、それぞれ独立に、炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を表し、m、nは、それぞれ、X1O、X2Oの平均付加モル数を表し、m、nは、それぞれ独立に、0〜500であり、m+n=2〜500であり、Yは水酸基を含有する化合物の残基を表し、p、qは、それぞれ独立に、0〜6である。ただし、pとqは同時に0にはならない。)
    で表される化合物(A)と、化合物(B)とを含んでなる、水硬性材料用改良剤組成物であって、
    該化合物(B)が、不飽和単量体を単量体単位として有する架橋物であり、
    該不飽和単量体が、アニオン系単量体およびノニオン系単量体から選ばれる少なくとも1種を含有し、
    該アニオン系単量体が、スルホン酸(塩)系単量体を含む、
    水硬性材料用改良剤組成物。
  2. 前記化合物(A)と前記化合物(B)とを、重量比で、(A)/(B)=60/40〜99/1の割合で含有する、請求項1に記載の水硬性材料用改良剤組成物。
  3. 前記ノニオン系単量体が、N−ビニルラクタム系単量体を含む、請求項1または2に記載の水硬性材料用改良剤組成物。
  4. 前記化合物(B)の、硝酸カルシウム4水和物0.6重量%および水酸化カリウム0.089重量%を含む水溶液に対する24時間後の吸水倍率が、8g/g以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の水硬性材料用改良剤組成物。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載の水硬性材料用改良剤組成物とセメントを含む、セメント組成物。

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