JP2014172467A - シフト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で軽量なシフト装置を提供すること。
【解決手段】シフトレンジを選択するために操作されるシフトノブ10と、シフトノブ10を操作可能に支持すると共に車両側に固定されるベース2と、を有する車両用のシフト装置1では、シフトノブ10の操作方向に延設されたセレクト軸11と、操作方向に沿って相対的に進退可能な状態でセレクト軸11に係合する中間部材3と、の係合構造を介在してシフトノブ10がベース2に連結され、セレクト軸11がシフトノブ10の内部に収容されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、シフトレンジを選択するために車両に搭載されるシフト装置に関する。
従来、車両のシフト装置には、機械的なリンク機構を採用したシフトチェンジ手段が多く用いられてきた。近年、車載機器の電子化の要請に対応できるよう、シフトレバーの操作を電気的に検出するシフト装置が実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。このシフト装置は、検出したシフトレバーの操作を電気信号に変換して出力する。
上記のようなシフト装置は、その出力信号によってアクチュエータを駆動してシフトチェンジを実現する、いわゆるバイワイヤ式のシフト装置と呼ばれている。バイワイヤ式のシフト装置では、トランスミッションとの間に複雑なリンク機構を配設する必要がなく、電気配線を取り回しするだけで良い。このようなシフト装置を採用すれば、シフトチェンジ機構の設計自由度や設置自由度等を格段に向上できる。
特開2007−223384号公報
近年の車両に対する低燃費化の市場ニーズの高まりに伴って、車載部品の軽量化ニーズが高まっており、より軽量でより小型のシフト装置が求められている。例えば、リンク機構等が必要ないバイワイヤ式のシフト装置であれば、高い設計自由度を活かして一層の軽量化、小型化を実現できる可能性がある。
本発明は、小型で軽量なシフト装置を提供するための発明である。
本発明は、シフトレンジを選択するために操作されるシフトノブと、該シフトノブを操作可能に支持すると共に車両側に固定されるベースと、を有する車両用のシフト装置であって、
シフトノブの操作方向に延設された軸部材と、該操作方向に沿って相対的に進退可能な状態で前記軸部材に係合する中間部材と、の係合構造を介在して前記シフトノブが前記ベースに連結され、
前記軸部材として、前記シフトノブの内部に収容される軸部材を備えているシフト装置にある(請求項1)。
本発明のシフト装置では、前記中間部材が軸方向に進退可能な状態で前記軸部材に係合している。前記シフトノブは、この中間部材を介在して前記ベースに連結されている。このシフトノブの操作は、前記中間部材の進退によって可能になっている。
前記シフトノブの内部には、前記中間部材が進退可能に係合する軸部材が収容されている。このようにシフトノブの内部に軸部材を収容すれば、例えば、インスツルメントパネル等の組み込み面からの掘込み側の突出体積が少ない小型のシフト装置を実現できる。小型のシフト装置であれば、例えば、筐体等の構造部材の体格を小型にでき、軽量化設計が容易になる。さらに、小型の構造部材を採用できれば、強度の確保が比較的容易となり、部材の厚さを薄くする等により一層の軽量化を図ることが可能になる。
以上のように本発明のシフト装置の構成は、小型で軽量なシフト装置を実現するために非常に有効な構成となっている。
本発明における係合構造としては、前記中間部材に設けた貫通孔に前記軸部材が内挿配置される係合構造や、軸部材を内挿配置するための貫通孔を有するスプール部材を介して中間部材が係合する構造や、軸方向に沿って外表面に溝を設けた軸部材と、軸部材の溝に進退可能に収容される凸部を設けた中間部材と、の組合せによる係合構造など、様々な構造が考えられる。いずれかの操作方向に沿って延設される軸部材は2本以上であっても良い。互いに平行をなす複数本の軸部材の間隙の断面形状に対応する摺動子を備えた中間部材であっても良く、この摺動子を介して中間部材を軸部材に係合させても良い。軸部材に対して軸方向に進退可能な状態で係合する構造は、全て本発明の係合構造に含まれる。前記軸部材の断面形状は、円形、四角形、多角形、三角形等、どのような形状であっても良い。
本発明のシフト装置によれば、シフトノブを並進させるような斬新なスライド操作を実現できる。前記シフトノブの形状として、例えば、コンピュータ等の入力デバイスとして広く活用されるマウスのような形状を採用することも良い。マウス操作に似通ったシフト操作によってシフトレンジを選択可能なシフト装置を実現できる。操作手段として多くの人が使い慣れているマウスのような操作感を実現すれば、多くの運転者にとって受け入れ易いものとなる。
本発明のごとく操作対象のシフトノブの内部に軸部材を収容する場合には、操作力を受ける力点(例えばシフトノブの外表面)と、操作力の作用点(軸部材と中間部材との接触箇所)と、の位置関係を操作方向に沿うような配置に近づけることができ、これにより、操作力に由来するモーメント(回転トルク)の発生を抑制できる。モーメントを抑制できれば、操作力の100%近くが前記中間部材を軸方向に沿って摺動させるための力となり、操作に対するシフトノブの動きが直結されて操作感が向上する。
前記シフトノブの操作方向は、1方向であっても良いし、2方向以上であっても良い。1方向の場合であれば、前記中間部材は、前記ベース側に固定されるか、あるいはベースと一体的に形成されることなる。
本発明における好適な一態様のシフト装置が備える中間部材は、軸方向に沿って摺動可能な状態で前記軸部材を内挿保持するスプール部を有する(請求項2)。
前記軸部材を内挿保持するスプール部を有する中間部材であれば、軸部材の軸方向の進退動作を比較的容易な構造によって実現できる。
本発明における好適な一態様のシフト装置が備えるシフトノブは、互いに直交する第1方向及び第2方向に操作可能であって、
前記中間部材は、前記第1方向に延設された第1の軸部材を内挿保持する第1のスプール部と、前記第2方向に延設された第2の軸部材を内挿保持する第2のスプール部と、を有しており、
前記第1及び第2の軸部材のうち、少なくともいずれか一方の軸部材が前記シフトノブに収容されている(請求項3)。
この場合には、2次元的にシフトノブを操作可能なシフト装置を実現できる。
本発明における好適な一態様のシフト装置では、前記第1の軸部材が前記シフトノブに収容されている一方、前記第2の軸部材が前記シフトノブの外側に位置しており、
所定の付勢方向に付勢されると共に当該付勢方向に進退可能であって、前記第2方向に沿う前記シフトノブの操作に伴って前記付勢方向に直交する方向に移動する押圧部材と、
該押圧部材が押し当たるように配設される受け部と、を有し、
前記押圧部材の付勢方向は、前記第1方向及び第2方向が含まれる操作面に対して略平行をなす方向に設定されている(請求項4)。
前記軸部材と前記中間部材とを摺動可能に係合させるためには、両者間にある程度の隙間(クリアランス)を設けておく必要がある。そのため、前記押圧部材を設けたときには、中間部材が付勢逆方向に押し付けられ、付勢逆側の隙間が大きくなる傾向が生じる。例えば、前記操作面が水平面であるとして、前記押圧部材の付勢方向を鉛直方向下方に設定した場合には、前記中間部材が鉛直方向上側(付勢逆側)に押し付けられて軸部材の上側の隙間が大きくなる。この隙間は、操作側にシフトノブが倒れ込むような動きを可能としガタつき感を誘発するおそれがある。一方、操作面と略平行に前記押圧部材の付勢方向を設定すれば、前記中間部材が上下に押し付けられることがない。シフトノブを操作する際、上記のように中間部材が操作方向に倒れ込むような動きを抑制でき、ガタつき感を抑えることができる。
前記シフトノブの外部に設けられた第2の軸部材に沿う第2方向にシフトノブを操作する際には、操作側にシフトノブを倒れ込ませるモーメント(回転トルク)が発生するおそれが高くなる。そのため、第2方向に対応する押圧部材について、操作面に対して略平行をなす方向に前記押圧部材の付勢方向を設定することは非常に有効となる。
一方、前記シフトノブの内部に収容された第1の軸部材に沿う第1方向の操作については、操作側にシフトノブを倒れ込ませるモーメント(回転トルク)が発生するおそれが少ない。それ故、第1方向に対応する押圧部材を設ける場合であれば、操作面に直交する方向に付勢方向を設定しても問題が生じるおそれは少ない。
本発明における好適な一態様のシフト装置は、前記第1及び第2の軸部材が前記シフトノブに収容されている(請求項5)。
この場合には、前記第1及び第2の軸部材をシフトノブに収容することで、前記第1方向、前記第2方向のいずれの方向においても良好な操作感を実現するための設計が比較的容易になる。
実施例1における、シフト装置を示す斜視図。 実施例1における、シフトパターンの説明図。 実施例1における、シフト装置の組立構造を示す構造図。 実施例1における、シフト装置の内部構造を示す構造図。 実施例1における、シフトレンジの検出方法の説明図。 実施例1における、窪み部による係合部の収容構造の説明図。 実施例1における、窪み部の形成形状とシフトパターンとの関係を示す説明図。 実施例1における、係合部と窪み部との収容構造によって操作位置が規制される様子を示す説明図。 実施例1における、軸部材の配置による違いの説明図。 実施例1における、シフトプランジャの付勢方向に関する説明図。 実施例1における、その他のシフト装置の構造を示す説明図。 実施例1における、その他のシフト装置の構造を示す説明図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、シフトレンジを選択するために操作されるシフトノブ10を含む車両用のシフト装置1に関する例である。この内容について、図1〜図12を用いて説明する。
本例のシフト装置1は、図1のごとく、パソコンの入力装置として一般的なマウスのような形状のシフトノブ10を備え、マウスパッドに相当する操作面219に沿ってシフトノブ10を移動させることが可能な装置である。このシフト装置1では、マウスのように前後左右に並進移動させるようにシフトノブ10を操作可能である。
このシフト装置1では、図2のごとく、車両の進行方向に沿うシフト方向と、車両の左右方向に沿うセレクト方向の操作の組合せにより、シフトパターン(操作経路)が規定されている。シフトパターンには、シフト方向に沿う左、中、右の操作経路SFL、SFC、SFRが含まれている。なお、図2のシフトパターン中のシフト装置1の各イラストは、シフトノブ10の操作位置を模式的に示す図となっている。
シフト方向の各操作経路SFL、SFC、SFRは、シフト方向において経路範囲が重複することがなく、隣合う操作経路がセレクト方向の操作経路SE1、SE2によって連結されている。左の操作経路(以下、左シフト経路SFL)は、シフト方向の押し込み側(車両の前進側)に位置し、右の操作経路(以下、右シフト経路SFR)がシフト方向の手前側(車両の後退側)に位置し、中央の操作経路(以下、中シフト経路SFC)がシフト方向における中間的な位置に形成されている。
このシフトパターンでは、左シフト経路SFL内の押し込み側の端部にリバースレンジRが配置されている。中シフト経路SFC内の押し込み側の端部にホームポジションHが配置され、手前側の端部にニュートラルレンジNが配置されている。そして、右シフト経路SFR内の手前側の端部にドライブレンジDが配置されている。
本例のシフト装置1では、シフトノブ10がホームポジションHに向けて付勢されている。シフトノブ10をいずれかのシフトレンジに操作すれば、そのシフトレンジを選択的に設定できる。その後、シフトノブ10に作用する操作力が緩められると、操作されたシフトレンジの設定が保持されたままシフトノブ10がホームポジションHに復帰する。
シフト装置1は、図示しないオートマチックトランスミッション装置の制御ユニットと電気的に接続された、いわゆるバイワイヤ式のシフト装置となっている。シフト装置1は、シフトノブ10がいずれかのシフトレンジに操作されたとき、そのシフトレンジに対応するシフト信号を制御ユニットに向けて出力する。なお、本例の構成の適用対象は、バイワイヤ式のシフト装置には限定されない。シフトワイヤ等を介して機械的にトランスミッション装置のシフトレンジを切り換える機械式のシフト装置に本例の構成を適用することもできる。
シフト装置1は、ベース2に設けられた取付ブラケット(図示略)を介して車両側に取り付けられる。ベース2は、その上面をなす天板21がダッシュパネル等の車両側の装着面と略面一をなすように取り付けられる。ベース2の上面は、各シフトレンジに対応する操作位置の配列面をなし、シフトノブ10が進退する操作面219となっている。このシフト装置1は、運転者が操作し易い位置にシフトノブ10が位置するように車両に取り付けられる。
シフト装置1では、図3及び図4のごとく、内部に収容される中間部材3を介在してシフトノブ10とベース2とが連結されている。以下、ベース2、シフトノブ10、中間部材3等の構成部品を順番に説明する。
ベース2は、シフト装置1の土台をなす部品である。このベース2は、中空部200を有する有底のベース本体20と、その略矩形状の開口部に取り付けられる天板21と、の組み合わせにより構成されている。
中空部200を取り囲むベース2の内側面のうちのシフト方向に対面する一対の内側面には、シフト方向に沿うシフト軸(軸部材)12を支持する軸受部208が設けられている。軸受部208は、断面円形状の軸孔を2分割した構造をなし、ベース本体20には下側の半分が形成されている。上側の半分は、天板21の軸受部218として形成されている。ベース本体20に対して天板21を組み合わせると、軸受部208と軸受部218とが組み合わされて完全に近い軸孔が形成される。
中空部200を介してセレクト方向に対面する一対の内側面のうちの一方には、シフトノブ10をシフト方向に付勢してホームポジションH側に押し戻すためのリターンブロック(受け部)23が取り付けられている。他方の内側面には、4個のホール素子IC1〜4がシフト方向に沿って一列に配置された素子基板25(図5参照。)が配設されている。
リターンブロック23は、中間部材3が保持する後述するシフトプランジャ(押圧部材)351との組み合わせにより(図4参照。)、シフト方向においてホームポジションHから離れて位置するシフトノブ10に対してシフト方向の付勢力を作用する。このリターンブロック23では、中空部200側に面して開口する溝230がシフト方向に沿って延設されている。溝230の底面は、ホームポジションHのシフト方向の位置に対応する最深部から離れるに従って次第に浅くなるように形成されている。
素子基板25は、図5のごとく、シフトノブ10の操作位置に対応する信号を出力する基板である。素子基板25における各ホール素子IC1〜4は、それぞれ、リバースレンジR、ホームポジションH、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDに対応する位置に配設されている。例えば、シフトノブ10の操作位置がリバースレンジRに位置する場合、IC1の出力がONとなり、IC2〜4の出力がOFFとなる。本例の素子基板25は、各ホール素子IC1〜4のON/OFF情報を表す信号を出力する。例えば、このON/OFF情報を符号化して出力することも良い。
ベース2の天板21には、図3、図4及び図6のごとく、シフト方向に沿って長孔210が穿孔されていると共に、この長孔210の形成領域と重複するように凹状の窪み部213が穿設されている。長孔210は、貫通配置された中間部材3をシフト方向に進退させるための貫通溝である。窪み部213は、後述するシフトノブ10の下面に設けられた係合部153(図3、図6参照。)を収容する窪みである。本例のシフト装置1では、この窪み部213による係合部153の収容構造によりシフトノブ10を操作可能な位置が規制されて図2のシフトパターンが規定されている。窪み部213の形成形状についは、シフトパターンに沿う操作を後述する際に併せて説明する。
シフトノブ10は、図3及び図4のごとく、ゆで卵を縦割りしたようなマウス形状のカップ100の下面に、略楕円形状の底板15を取り付けて構成されている。底板15には、セレクト方向に沿う長孔150が延設されていると共に、その長孔150の両端外側には、セレクト軸(第1の軸部材)11を支持する軸受部152が設けられている。
ベース2側に面する底板15の外表面には、凸状の係合部153(図3、図6参照。)が設けられている。係合部153は、長孔150の延設方向の中間付近の両側に、セレクト方向に沿って細長く形成されている。上記のように、この係合部153は、ベース2の上面に設けられた窪み部213に収容される。また、底板15の内側の表面には、カップ100をネジ固定するための座部155が3箇所設けられている。
カップ100の天井に当たる箇所には、セレクト方向に長い配設孔101(図3及び図4)が穿設されている。この配設孔101は、前記左シフト経路SFL(図2参照。)あるいは右シフト経路SFRに操作されたシフトノブ10を中シフト経路SFCに向けて押し戻すリターン機構を構成するリターンブロック(受け部)13の取り付け孔である。リターンブロック13には、底板15側に面して開口する溝(図示略)がセレクト方向に沿って延設されている。この溝の底面は、中間部材3が保持する後述のセレクトプランジャ(押圧部材)371の押し当たり面であり、中シフト経路SFCに対応する略中央の最深部から離れるに従って次第に浅くなっている。リターンブロック13の溝の底面に対するセレクトプランジャ371の当接構造によって、セレクト方向に操作されたシフトノブ10を中シフト経路SFCに向けて押し戻そうとする付勢力が生じる。
なお、カップ100に取り付けられたときに配設孔101に露出するリターンブロック13の表面(図1及び図4(a)参照。)は、カップ100の表面形状と略面一をなす化粧面として形成されている。
中間部材3は、図3及び図4のごとく、シフトノブ10の内部で固定されたセレクト軸11を軸方向に進退可能な状態で内挿配置(貫通配置)する第1のスプール部31と、ベース2の内部で固定されたシフト軸(第2の軸部材)12を軸方向に進退可能な状態で内挿配置(貫通配置)する第2のスプール部32と、を備えている。中間部材3は、第1及び第2のスプール部31、32にセレクト軸11、シフト軸12を貫通配置することで、ベース2とシフトノブ10とを連結する。
中間部材3は、セレクト方向及びシフト方向に直交する方向(操作面219に対する直交方向)に延在する中間軸部33を有している。第1及び第2のスプール部31、32は、この中間軸部33の両端側に形成されている。さらに、第2のスプール部32側の端部には、シフトプランジャ351を進退可能に保持するプランジャ保持部35が設けられている。シフトプランジャ351は、ドーム状の先端部を有する略円柱状の部材である。プランジャ保持部35は、圧縮状態のコイルばね350を介在してシフトプランジャ351を付勢状態で保持している。特に、本例では、シフトプランジャ351の進退方向(付勢方向)が操作面219と略平行をなし、かつ、シフト方向に直交する方向に設定されている。
第1のスプール部31側の端部には、セレクトプランジャ371を進退可能に保持するプランジャ保持部37が設けられている。セレクトプランジャ371は、ドーム状の先端部を有する略円柱状の部材である。プランジャ保持部37は、圧縮状態のコイルばね370を介在してセレクトプランジャ371を付勢状態で保持している。
中間部材3の中間軸部33は、ベース2の天板21の長孔210と、シフトノブ10の底板15の長孔150と、が重なって形成される貫通孔に貫通配置される(図4(b)参照。)。これにより、シフトノブ10に収容される側とベース2に収容される側とが中間軸部33を介して区分される。第1のスプール部31側の端部は、シフトノブ10に収容される。一方、第2のスプール部32側の端部は、ベース2に収容される。
図3〜図5のごとく、シフトプランジャ351を保持するプランジャ保持部35の後端面(シフトプランジャ351とは反対側の面)には、小径のマグネット359が取り付けられている。このマグネット359は、上記のようにベース本体20の内側面に沿って配設された素子基板25に配設されたホール素子IC1〜4が磁気を検知できるように取り付けられている。
以上のような部品によって構成されるシフト装置1の組み立て方法の一例を説明する。シフト装置1の組立に当たっては、まず、リターンブロック23を取り付けたベース2に対して、シフト軸12を貫通配置した中間部材3を組み付ける。このとき、シフトプランジャ351をプランジャ保持部35に押し込みながら中間部材3をベース2に組み合わせ、シフトプランジャ351の先端がリターンブロック23の溝230に収容されるようにする。
その後、第1のスプール部31側の中間部材3の端部から天板21を組み合わせてねじ固定する。このとき、天板21に穿孔された長孔210を活用すれば、軸方向に長い第1のスプール部31を通り越えてベース本体20の開口部に天板21を組み合わせることができる。さらに、同様にしてシフトノブ10の底板15を中間部材3の端部から組み合わせ、底板15の長孔150に中間軸部33を貫通配置する。組付状態のシフト装置1では、長孔210の両側の内周側面が中間軸部33を挟み込むように配置され、これにより、シフト軸12周りの中間部材3の回動が規制されている。
底板15の軸受部152に対して第1のスプール部31(中間部材3)を同軸配置した後、セレクト軸11を挿入する。その後、プランジャ保持部37にセレクトプランジャ371を保持させ、予めリターンブロック13を取り付けたカップ100を取り付けるとシフト装置1の組立が完了する。なお、カップ100を取り付ける際には、セレクトプランジャ371の先端がリターンブロック13の溝に確実に収容されるように注意しながら底板15にカップ100を組み合わせる。組付状態のシフト装置1では、天板21と底板15との対面構造により、セレクト軸11周りのシフトノブ10の回動が規制されている。
次に、シフトノブ10を操作できる経路を所定のシフトパターンに規制するための構成について説明する。
本例のシフト装置1では、図6のごとく、ベース2の天板21にシフト方向の長孔210が穿孔されており、シフトノブ10の底板15には、セレクト方向の長孔150が穿孔されている。ベース2の長孔210に沿うシフト方向の進退動作と、シフトノブ10の長孔150に沿うセレクト方向の進退動作と、の組み合わせにより、シフト方向とセレクト方向とを包含する2次元平面(操作面219)内でのシフトノブ10の操作が可能になっている。
本例のシフト装置1では、シフトノブ10の係合部153を収容するベース2の上面の窪み部213の形成形状により図7のごとくシフトパターンが規定されている。窪み部213の形成形状は、シフトパターンに沿うシフトノブ10の移動に伴う係合部153の軌跡に略一致している。
窪み部213は、左シフト経路SFL、中シフト経路SFC、右シフト経路SFRに対応してシフト方向に延設された凹状溝213L、213C、213Rを含んでいる。凹状溝213L、C、Rの幅W1は、係合部153を収容できる程度にその横幅に略一致している。一方、隣り合う凹状溝をセレクト方向に連通させる溝の幅W2は、一対の係合部153を収容できる程度にその対面方向の幅に略一致している。
中央の凹状溝213Cには、長孔210が重なっており、そのシフト方向両端側に貫通している。長孔210の幅は凹状溝213Cの幅W1よりも狭いため、凹状溝213Cの延設方向の両端部分では長孔210の両側に規制壁213Kが形成されている。ホームポジションHあるいはニュートラルレンジNに位置するシフトノブ10は、この規制壁213Kによって、シフト方向押し込み側あるいは手前側の操作が規制される。
上記のような窪み部213に対する係合部153の収容構造によって規定されるシフトパターンについて、図8を参照して詳しく説明する。各図は、左下図のようにシフトノブ10の直下をその底面に沿って破断し、上方から見込んだ断面を示している。なお、同図では、見易さを優先させ、長孔150、210を破線で図示している。
同図(h)は、ホームポジションHにシフトノブ10が位置するときの係合部153と窪み部213との位置関係等を示している。なお、本例のシフト装置1では、シフトノブ10がホームポジションHに向けて付勢されており、シフトノブ10に操作力が作用していないときには、同図(h)のように、中間軸部33を挟持するように位置する係合部153が中央の凹状溝213Cの押し込み側の端部に位置する状態となる。
リバースレンジRにシフトノブを操作するに当たっては、まず、セレクト方向にシフトノブ10を操作し、図8(a)のように、凹状溝213Lに係合部153を変位させる必要がある。このとき、中間軸部33は、シフトノブ10の長孔150に沿って相対的に変位することになり、これにより、係合部153と中間軸部33とがセレクト方向に離れた状態となる。この状態では、係合部153及び中間軸部33が凹状溝213Lあるいは長孔210に沿って押し込み側に変位可能になる。シフト方向押し込み側にシフトノブ10を操作すれば、同図(r)のように、シフトノブ10をリバースレンジRに操作できる。
リバースレンジRに操作したシフトノブ10に作用する操作力が緩められると、ベース2のリターンブロック23とシフトプランジャ351との組み合わせ(図3参照。)によるシフト方向の付勢力によって、まず、図8(a)の状態に向けてシフトノブ10がシフト方向に押し戻される。次に、シフトノブ10側のリターンブロック13とセレクトプランジャ371との組み合わせ(図3参照。)によるセレクト方向の付勢力によって、同図(h)の状態に向けてシフトノブ10がセレクト方向に押し戻され、ホームポジションHに復帰する。
また、ニュートラルレンジNにシフトノブ10を操作するに当たっては、シフト方向手前側にシフトノブ10を操作し、図8(n)のように、中間軸部33と係合部153とを一体的にシフト方向手前側に変位させる必要がある。さらにドライブレンジDに操作する際には、セレクト方向にシフトノブ10を操作し、同図(b)のように、凹状溝213Rに係合部153を変位させる必要がある。
このとき、中間軸部33は、シフトノブ10側の長孔150に沿って相対的に変位することになり、これにより、係合部153と中間軸部33とがセレクト方向に離れた状態となる。この状態では、係合部153が凹状溝213Rに沿ってシフト方向手前側に変位可能になると共に、中間軸部33が長孔210に沿ってシフト方向手前側に変位可能となる。シフト方向手前側にシフトノブ10を操作すれば、同図(d)のように、シフトノブ10をドライブレンジDに操作できる。ドライブレンジDに操作したシフトノブ10の操作力が緩められると、リバースレンジRに操作した際とほぼ同様にしてホームポジションHに復帰する。
以上のように構成された本例のシフト装置1の技術的特徴のひとつは、シフトノブ10のセレクト方向の進退を可能とするセレクト軸11がシフトノブ10の内部に収容されている点にある。このような収容構造の利点について、図9を参照して説明する。
同図(a)は、シフトノブ10の外部に配設された軸192によってシフトノブ10が進退可能に軸支されている場合の模式図である。同図(b)は、シフトノブ10の内部に配設された軸192によってシフトノブ10が進退可能に軸支されている場合の模式図である。
一般的に、軸192に外挿配置されたスプール195が軸方向に沿って進退するためには、軸192の外径に対して軸孔196の孔径を若干大きく設定する必要がある。そのため、軸192の外周面と軸孔196の内周面との間には、ある程度のクリアランス(隙間)が不可避である。このクリアランスは、スプール195の軸方向の進退を可能にする一方、軸192の軸方向に対して軸孔196の軸方向が回転して軸方向がずれるようなスプール195の動きが可能になってしまう。
シフトノブ10に加わる操作力によってスプール195が軸192に沿って前進し、これによりシフトノブ10が移動する際、運転者等の手による操作力を受ける力点はシフトノブ10に位置する。一方、シフトノブ10の移動の主たる阻害要因は、軸192と軸孔196との間の摺動摩擦力であり、シフトノブ10を移動させるためにはこの摺動摩擦力よりも大きな力を軸方向に作用する必要がある。したがって、軸192と軸孔195との接触箇所が、シフトノブ10を移動させようとして操作力を与えたときの作用点となる。
図9(a)のように外部に設けられた軸192によってシフトノブ10が進退可能に軸支される軸支構造では、作用点と力点とが操作方向とは直交する方向に離隔するため、操作力に由来するモーメント(支点周りの回転トルク)が発生し、軸192回りのクリアランスに起因してシフトノブ10が操作方向に倒れ込むようなガタつきが生じ易い。
一方、図9(b)のように内部の軸192によってシフトノブ10が進退可能に軸支される軸支構造では、操作方向に略一致して作用点と力点とが配置されている。この軸支構造では、力点に作用した操作力が直接的に作用点に作用し、シフトノブ10を操作方向に倒し込むようなモーメント(回転トルク)が生じ難くなっている。それ故、シフトノブ10のガタつきが生じる可能性が低く、操作感が良好となる。
本例のシフト装置1では、セレクト軸11がシフトノブ10の内部に収容されている。そのため、セレクト方向については、良好な操作感を実現し易くなっている。
一方、シフト方向の操作を可能にするシフト軸12については、シフトノブ10の外部に設けられている。そこで、本例のシフト装置1では、シフト軸12の軸方向に沿うシフト方向の操作感を良好に保つための構造的な以下の2点の工夫がなされている。
第1の工夫は、シフト軸12を摺動可能に保持する第2のスプール部32の軸方向の寸法を、第1のスプール部31よりも長く設定していることである(図3参照。)。このように軸方向に長い第2のスプール部32によってシフト軸12を保持すれば、シフト軸12と第2のスプール部32との間に不可避的に生じる隙間の存在により第2のスプール部32がシフト軸12に対して回動可能な角度範囲を抑制できる。これにより、シフトノブ10が操作側に倒れこむような挙動を抑制して操作感が損なわれるおそれを未然に抑制できる。
第2の工夫は、シフト方向にシフトノブ10を付勢するためのシフトプランジャ351につき、リターンブロック23を模式的に示す図10のごとく、その進退方向を操作面219と略平行な方向に設定したことである。シフトプランジャ351の付勢方向を操作面219と略平行に設定すれば、反力Fにより中間部材3が逆向きに付勢される。これにより、シフト軸12と第2のスプール部32とのクリアランスが、鉛直方向ではなく、操作面219に沿う水平方向に生じることになる。このようにシフト軸12の水平方向にクリアランスを生じさせれば、鉛直方向のクリアランスを低減でき、シフトノブ10が操作方向に倒れ込むようなガタつきを抑制して操作感を向上できる。ただし、シフトプランジャ351の付勢方向を操作面219に沿うように設定することは本願発明において必須の要件ではなく、図11のごとく操作面219に直交する鉛直方向に設定することも可能である。
なお、本例のシフト装置1では、セレクト軸11がシフトノブ10に収容されている一方、シフト軸12については、シフトノブ10の下側に設けられたベース2に収容されている。図12のように、ベース2を小型に形成すると共に、その小型化したベース2をシフトノブ10の内部に収容することも良い。この場合には、セレクト軸11に加えてシフト軸12がシフトノブ10に収容されることになり、シフト方向の操作感を一層向上できる。
本例のシフト装置1では、シフトパターンを規定するに当たって、シフトノブ10に設けた係合部153と、ベース2に設けた窪み部213と、の収容構造によってシフトノブ10の操作位置を規制している。本例に代えて、係合部をベース2側に設け、窪み部をシフトノブ10の下面に形成しても良い。なお、本例では、長孔210に対して窪み部213が重なるように形成されている。長孔210と場所的に独立して窪み部213を形成することもできるが、両者を重ねると装置の小型化設計に有効である。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 シフト装置
10 シフトノブ
100 カップ
11 セレクト軸(軸部材)
12 シフト軸(軸部材)
15 底板
150 長孔
153 係合部
2 ベース
20 ベース本体
21 天板
210 長孔
213 窪み部
219 操作面
23 リターンブロック(受け部)
3 中間部材
31、32 スプール部
33 中間軸部
35 プランジャ保持部
351 シフトプランジャ(押圧部材)

Claims (5)

  1. シフトレンジを選択するために操作されるシフトノブと、該シフトノブを操作可能に支持すると共に車両側に固定されるベースと、を有する車両用のシフト装置であって、
    シフトノブの操作方向に延設された軸部材と、該操作方向に沿って相対的に進退可能な状態で前記軸部材に係合する中間部材と、の係合構造を介在して前記シフトノブが前記ベースに連結され、
    前記軸部材として、前記シフトノブの内部に収容される軸部材を備えているシフト装置。
  2. 請求項1において、前記中間部材は、軸方向に沿って摺動可能な状態で前記軸部材を内挿保持するスプール部を有するシフト装置。
  3. 請求項1又は2において、前記シフトノブは、互いに直交する第1方向及び第2方向に操作可能であって、
    前記中間部材は、前記第1方向に延設された第1の軸部材を内挿保持する第1のスプール部と、前記第2方向に延設された第2の軸部材を内挿保持する第2のスプール部と、を有しており、
    前記第1及び第2の軸部材のうち、少なくともいずれか一方の軸部材が前記シフトノブに収容されているシフト装置。
  4. 請求項3において、前記第1の軸部材が前記シフトノブに収容されている一方、前記第2の軸部材が前記シフトノブの外側に位置しており、
    所定の付勢方向に付勢されると共に当該付勢方向に進退可能であって、前記第2方向に沿う前記シフトノブの操作に伴って前記付勢方向に直交する方向に移動する押圧部材と、
    該押圧部材が押し当たるように配設される受け部と、を有し、
    前記押圧部材の付勢方向は、前記第1方向及び第2方向が含まれる操作面に対して略平行をなす方向に設定されているシフト装置。
  5. 請求項3において、前記第1及び第2の軸部材が前記シフトノブに収容されているシフト装置。
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