JP2014175285A - ガス拡散層、膜電極接合体、燃料電池、及びガス拡散層の製造方法 - Google Patents

ガス拡散層、膜電極接合体、燃料電池、及びガス拡散層の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池の温度が低い状態から発電を開始しても、触媒層と流路付きガス拡散層の境界付近に水が溜まらず、流路付きガス拡散層が触媒層から剥離して変形することを抑制することができる燃料電池を提供すること。
【解決手段】ガス拡散層が導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材から構成され、第1面とその反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面側に複数のガス流路が形成され、前記ガス流路の底面と前記第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有するガス拡散層。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料ガスとして、純水素、メタノールなどの液体燃料、あるいは、化石燃料などからの改質水素などの還元剤を用い、酸化剤ガスとして、空気(酸素)などを用いる燃料電池に関し、より詳しくは、当該燃料電池が備えるガス拡散層及びその製造方法に関する。
図6は、従来の高分子電解質形燃料電池の基本構成を示す模式図である。高分子電解質形燃料電池の単電池(セルともいう)は、膜電極接合体(以下、MEA:Membrane−Electrode−Assemblyという)と、MEAの両面に配置された一対の板状の導電性のセパレータとを有している。
MEAは、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜(イオン交換樹脂膜)と、当該高分子電解質膜の両面に形成された一対の電極層とを備えている。一対の電極層は、高分子電解質膜の両面に形成され、白金属触媒を坦持したカーボン粉末を主成分とする触媒層と、当該触媒層に形成され、集電作用とガス透過性と撥水性とを併せ持つガス拡散層とを有している。ガス拡散層は、炭素繊維からなる多孔質な基材と、カーボンと撥水材からなるコーティング層(撥水カーボン層)とで構成されている。
前記一対のセパレータには、ガス拡散層と当接する主面に、燃料ガスを流すための燃料ガス流路と、酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路とが設けられている。また、前記一対のセパレータには、冷却水などが通る冷却水流路が設けられている。当該各ガス流路を通じて前記一対の電極層にそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで、電気化学反応が起こり、電力と熱とが発生する。
前記のように構成されるセルは、図6に示すように1つ以上積層され、互いに隣接するセルを電気的に直列に接続されて使用されるのが一般的である。なお、このとき、互いに積層されたセルは、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスがリークしないように且つ接触抵抗を減らすために、ボルトなどの締結部材により所定の締結圧にて加圧締結される。従って、MEAとセパレータとは所定の圧力で面接触することになる。このとき、セパレータは、互いに隣接するMEA同士を電気的に直列に接続するための集電性を有する。また、電気化学反応に必要なガスが外部に漏れるのを防ぐために、一対のセパレータの間には、触媒層とガス拡散層の側面を覆うようにシール材(ガスケット)が配置されている。
近年、燃料電池の分野においては、より一層の低コスト化が求められており、各構成部材の単価の低減、部品点数の削減などの観点から、様々な低コスト化の技術が提案されている。その1つとして、ガス流路を、セパレータに設けるのではなく、ガス拡散層に設ける技術が提案されている。
図6に示す従来の燃料電池においては、セパレータにガス流路を設けている。この構成を実現する方法としては、例えば、セパレータの材料としてカーボンと樹脂とを用い、これらを、ガス流路の形状に対応する凹凸を有する金型を用いて射出成形する方法がある。しかしながら、この場合、製造コストが高いという課題がある。また、前記構成を実現する別の方法として、セパレータの材料として金属を用い、ガス流路の形状に対応する凹凸を有する金型を用いて当該金属を圧延する方法がある。しかしながら、この場合、前記射出成形法に比べて低コスト化を実現することができる一方で、セパレータが腐食しやすく、燃料電池としての発電性能が低下するという課題がある。
一方、ガス拡散層は、ガス拡散性を備えるようにするために、多孔質部材で構成される。このため、ガス流路をガス拡散層に形成することの方がセパレータに形成することに比べて容易であり、低コスト化及び高発電性能化を図るのに有利である。
また、ガス拡散層は炭素繊維を基材とした多孔質部材で構成されるのが一般的である。しかしながら、炭素繊維を基材とした多孔質部材は、製造工程が複雑であり製造コストがかかるため、高価である。そこで、炭素繊維を基材とした多孔質部材を用いずにガス拡散層を構成することで、燃料電池の低コスト化を図る技術が提案されている。炭素繊維を基材とすることなくガス流路を有するガス拡散層としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1には、炭素繊維を基材として用いずに、多孔性媒体(グラファイト、金属発泡体)の厚さと多孔度を空間的に変化させてガス流路をガス拡散層に形成する技術が記載されている。
特開2002−151107号公報
上述の特許文献1の構成によれば、炭素繊維を基材として用いずにガス流路をガス拡散層に形成した構造となっている。
しかしながら、本発明者らは、燃料電池の温度が低い状態から発電を開始する場合に、触媒層とガス拡散層の境界付近に水分子が複数個結合したミストが滞留し、そのミストを核として次々と水蒸気が凝縮して局部的に液水が溜まる領域が形成され、発生する水圧により、ガス拡散層が押し上げられ、ガス拡散層が触媒層から剥離して変形するという課題が発生することを見出した。
特にガス流路をガス拡散層に形成した構造において、リブ部に比べてガス流路部の方が薄いため、流路部において、上記ガス拡散層の変形が生じやすかった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、燃料電池の温度が低い状態から発電を開始しても、触媒層とガス拡散層の境界付近に水が溜まらず、ガス拡散層が触媒層から剥離して変形することを抑制することができる燃料電池を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池は、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材から構成され、第1面とその反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面側に複数のガス流路が形成され、前記ガス流路の底面と前記第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有する、燃料電池用ガス拡散層を提供する。
ここで、「導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材」とは、炭素繊維を基材として使用することなく、導電性粒子と高分子樹脂とで支持される構造(いわゆる自己支持体構造)を持つ多孔質部材を意味する。導電性粒子と高分子樹脂とで多孔質部材を構成する場合、例えば、後述するように界面活性剤と分散溶媒とを用いる。この場合、製造工程中に、焼成により界面活性剤と分散溶媒とを除去するが、十分に除去できずにそれらが多孔質部材中に残留することが有り得る。従って、炭素繊維を基材として使用しない自
己支持体構造である限り、そのようにして残留した界面活性剤と分散溶媒が多孔質部材に含まれてもよいことを意味する。また、炭素繊維を基材として使用しない自己支持体構造である限り、他の材料が多孔質部材に含まれても良いことも意味する。
本発明の燃料電池用ガス拡散層によれば、ガス流路の底面と第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有している。これにより、触媒層とガス拡散層の境界領域に存在する水をガス拡散層の外部に排出することができるため、水圧によりガス拡散層が変形することを抑制できる。従って、燃料電池温度が低い状態から発電開始する場合でも、発電性能に優れた燃料電池を得ることができる。
また、本発明のガス流路付きガス拡散層は導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材で構成されているので、低コスト化を図ることができるとともに、複雑な形状のガス流路も容易に形成することができる。
本発明の実施の形態1における燃料電池の要部概略構成断面図 本発明の実施の形態1における燃料電池のガス拡散層の概略構成平面図 本発明の実施の形態1におけるガス拡散層の製造フロー図 本発明の実施の形態1におけるガス拡散層の製造模式図 本発明の実施の形態2における燃料電池の要部概略構成断面図 従来の燃料電池の構成図
本発明の第1態様によれば、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材から構成され、第1面とその反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面側に複数のガス流路が形成され、前記ガス流路の底面と前記第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有してなるガス拡散層、であることを特長とする。
この構成により、ガス流路の底面と第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有している為、触媒層とガス拡散層の境界領域に存在する液水をガス拡散層の外部に排出することができ、水圧によりガス拡散層が変形することを抑制できる。
なお、本実施の形態では、ガス拡散層は、第1面側に複数のガス流路が形成され、ガス流路の底面と第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有するとしたが、これに限定されない。例えば、複数のガス流路を隔てるリブ部の第1面と第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔をさらに有していてもよい。
なお、貫通孔は、ガス拡散層を厚み方向に貫通するように形成された孔であればよく、直線形状又は曲線形状に形成されていてもよい。貫通孔は、例えば、多孔質であるガス拡散層の細孔径よりも大きい径を有する孔であることが好ましい。貫通孔は、製造の容易さの観点から、例えば、直線形状であることが好ましい。
本発明の第2態様によれば、前記第1態様において、前記第2主面側に互いに隣接するように複数のガス流路が形成され、前記互いに隣接するガス流路を隔てるリブ部を有し、前記貫通孔が設けられていない状態で、前記ガス流路の底面と前記第2面と間に位置する部分の多孔度が、前記リブ部と前記第2面との間に位置する部分の多孔度よりも低くなる、第1態様に記載のガス拡散層、であることを特長とする。
この構成により、リブ部に比べて厚みが薄いガス流路部の多孔度を低くすることによっ
て高強度化が可能となる為、水圧によりガス拡散層が変形することをより効果的に抑制できる。
本発明の第3態様によれば、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟むように設けられた1対の触媒層と、前記1対の触媒層及び前記高分子電解質膜を挟むように対をなして設けられた1対のガス拡散層と、を備え、前記1対のガス拡散層の少なくとも一方が、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材から構成され、第1面とその反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面側に複数のガス流路が形成され、前記ガス流路の底面と前記第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有してなる膜電極接合体、であることを特長とする。
この構成により、燃料電池に供給されるガスに含まれる水蒸気の露点が燃料電池の温度に比して低い場合であっても、本発明のガス拡散層を備える膜電極接合体は高分子電解質膜の乾燥を防ぎながら適切に発電することができる。
本発明の第4態様によれば、前記第2態様において、1対のガス拡散層の少なくとも一方が、第2主面側に互いに隣接するように複数のガス流路が形成され、互いに隣接するガス流路を隔てるリブ部を有し、貫通孔が設けられていない状態で、ガス流路の底面と前記第2面と間に位置する部分の多孔度が、リブ部と第2面との間に位置する部分の多孔度よりも低くなるガス拡散層である、第3態様に記載の膜電極接合体であることを特長とする。
この構成により、リブ部に比べて厚みが薄いガス流路部の多孔度を低くすることによって高強度化が可能となる為、水圧によりガス拡散層が変形することをより効果的に抑制できる。
本発明の第5態様によれば、前記第3態様、又は第4態様において記載の膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟むように設けられた1対のセパレータとを備え、前記1対のセパレータのうち、前記リブ部と接するセパレータは、前記膜電極接合体と接する側の面が平坦な形状を有する燃料電池、であることを特長とする。
本発明の第6態様によれば、第1面とその反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面側に複数のガス流路が形成されたガス拡散層を製造する方法であって、突起部を有する金型に導電性粒子と高分子樹脂とを主成分としたシート状の多孔質部材を配置した後、前記金型を型閉じして、前記多孔質部材の第1面に前記突起部を挿入することにより、前記ガス流路を形成するとともに、前記ガス流路の底面と前記第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を形成する工程を含む膜電極接合体の製造方法、であることを特長とする。
この製造方法により、ガス流路形成用金型に貫通孔形成用の突起部をあらかじめ形成しておくことにより、ガス流路形成と貫通孔形成を1工程で同時に実施することができ、作業効率の向上を図ることが可能となる。
また、ガス拡散層を作製後に後処理で(ニードルや剣山等を用いた公知の方法を用いて)貫通孔を形成する場合には、配置ズレによって所望の位置(ガス流路の底面の位置)に貫通孔が形成されない恐れがある。流路形成と同時に貫通孔を形成する本発明の場合には、上記のような配置ズレは起こらない。
本発明の第7態様によれば、前記ガス拡散層は、前記第2主面側に互いに隣接するように複数のガス流路が形成され、前記互いに隣接するガス流路を隔てるリブ部を有し、前記工程は、前記貫通孔が設けられていない場合の前記ガス流路の底面と前記第2面と間に位
置する部分の多孔度を、前記リブ部と前記第2面との間に位置する部分の多孔度よりも低くする膜電極接合体の製造方法、であることを特長とする。
この構成により、リブ部に比べて厚みが薄いガス流路部の多孔度を低くすることによって高強度化が可能となる為、水圧によりガス拡散層が変形することをより効果的に抑制できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、先に説明した実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、以下の全ての図において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる燃料電池の基本構成を示す模式断面図である。本実施形態にかかる燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる高分子電解質形燃料電池である。なお、本発明は高分子電解質形燃料電池に限定されるものではなく、種々の燃料電池に適用可能である。
図1において、本実施形態にかかる燃料電池は、膜電極接合体(以下、MEAという)と、MEAの両面に配置された導電性を有する一対の平板状の集電板,とを有するセル(単電池)を備えている。なお、本実施形態にかかる燃料電池は、このセルを複数個積層して構成されてもよい。この場合、互いに積層されたセルは、燃料ガス及び酸化剤ガスがリークしないように且つ接触抵抗を減らすために、ボルトなどの締結部材(図示せず)により所定の締結圧にて加圧締結されることが好ましい。
MEAは、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜と、当該高分子電解質膜の両面に形成された一対の電極層とを備えている。一対の電極層の一方はアノード電極(燃料極ともいう)であり、他方はカソード電極(空気極ともいう)である。アノード電極は、高分子電解質膜の一方の面上に形成され、白金属触媒を坦持したカーボン粉末を主成分とする一対のアノード触媒層と、このアノード触媒層上に形成され、集電作用とガス透過性と撥水性とを併せ持つアノードガス拡散層とを有している。カソード電極は、高分子電解質膜の他方の面上に形成され、白金属触媒を坦持したカーボン粉末を主成分とする一対のカソード触媒層と、このカソード触媒層上に形成され、集電作用とガス透過性と撥水性とを併せ持つカソードガス拡散層とを有している。
アノードガス拡散層は、炭素繊維を基材として用いない基材レスガス拡散層で構成されている。具体的には、アノード拡散層は、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材で構成されている。アノード拡散層の一方の主面には、燃料ガスを流すための燃料ガス流路が設けられている。互いに隣接する燃料ガス流路を隔てるリブ部の先端は、所定の圧力で集電板に接している。これにより、燃料ガス流路外に燃料ガスが流れること(外部リーク)が防止されている。
カソードガス拡散層は、炭素繊維を基材として用いない基材レスガス拡散層で構成されている。具体的には、カソード拡散層は、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材で構成されている。カソード拡散層の一方の主面には、酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路が設けられている。互いに隣接する酸化剤ガス流路を隔てるリブ部の先端は、所定の圧力で集電板に接している。これにより、酸化剤ガス流路外に酸化剤ガスが流れること(外部リーク)が防止されている。カソード拡散層のもう一方の主面はカソード触媒層と接している。また、ガス流路の底面とその反対側に位置するもう一方の主面との間には、貫通する複数の貫通孔を有している。
燃料ガス流路を通じてアノード電極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス流路を通じてカソード電極に酸化剤ガスが供給されることで、電気化学反応が起こり、電力と熱とが発生する。
なお、反応ガスがリークしないように且つ接触抵抗を減らすために、ボルトなどの締結部材(図示せず)によりセルを加圧締結するとき、締結圧は、2〜20kgf/cm2であることが好ましい。締結圧が20kgf/cm2より大きい場合には、リブ部が変形し易くなる。一方、締結圧が2kgf/cm2でより小さい場合には、部材間の接触抵抗が急増したり、燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路に沿って燃料ガス又は酸化剤ガスが流れ難くなる。
集電板は、ガス透過性が低い材料で構成されている。好ましくは、集電板は、耐食性、導電性、ガス不透過性、平坦性に優れたカーボン、金属などの材料で構成される。なお、集電板には、冷却水などが通る冷却水流路(図示せず)が設けられていてもよい。
集電板と高分子電解質膜との間には、燃料ガスが外部に漏れるのを防ぐために、アノード触媒層及びアノードガス拡散層の側面を覆うようにシール材としてアノードガスケットが配置されている。また、集電板と高分子電解質膜との間には、酸化剤ガスが外部に漏れることを防ぐために、カソード触媒層及びカソードガス拡散層の側面を覆うようにシール材としてカソードガスケットが配置されている。
アノードガスケット及びカソードガスケットの材料としては、一般的な熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができる。例えば、アノードガスケット及びカソードガスケットの材料として、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、液晶性ポリマー、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスルホン、ガラス繊維強化樹脂などを用いることができる。
また、アノードガスケット及びカソードガスケットに代えて、集電板の間に、高分子電解質膜、アノード電極、及びカソード電極の側面を覆うように、ガスケットを配置してもよい。これにより、高分子電解質膜の劣化を抑制し、MEAのハンドリング性、量産時の作業性を向上させることができる。
次に、本実施形態にかかるアノードガス拡散層及びカソードガス拡散層の構成についてさらに詳細に説明する。ここで、アノードガス拡散層とカソードガス拡散層とは、特に断りが無い限り同じ構成を有している。このため、これらに共通する事項について説明する場合には、これらを単にガス拡散層という。さらに、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路はガス流路という。図2は、ガス拡散層単体の構成を示す模式断面図である。
ガス拡散層は、以下の3つの機能を有している。1つ目は、ガス流路から流れる反応ガスをガス流路の鉛直下方だけでなく、リブ部の鉛直下方にまで拡散させるガス拡散性機能である。2つ目は、触媒層内を適度に湿潤させつつ、過剰水を排出する水マネジメント機能である。3つ目は、電子移動パスを形成する集電性機能である。
ガス拡散層は、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分としたシート状で且つゴム状の多孔質部材で構成されている。ガス拡散層を構成する導電性粒子の材料としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、活性炭などのカーボン材料が挙げられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、バルカンなどが挙げられる。なお、それらの中でもカーボンブラックの主成分としてア
セチレンブラックが用いられることが、不純物含有量が少なく、電気伝導性が高いという観点から好ましい。また、グラファイトの主成分としては、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。これらの中でもグラファイトの主成分として人造黒鉛が用いられることが、不純物量が少ないという観点から好ましい。また、カーボン材料の原料形態としては、例えば、粉末状、繊維状、粒状などが挙げられる。それらの中でも粉末状がカーボン材料の原料形態として採用されることが、分散性、取り扱い性の観点から好ましい。
拡散層に含まれる導電性粒子は、平均粒子径が異なる2種類のカーボン材料を混合して構成されることが好ましい。これにより、平均粒子径が大きな粒子同士の隙間に平均粒子径が小さな粒子が入り込むことができるので、拡散層の全体の多孔度を低多孔度化(例えば、60%以下に)することが容易になり、水を系内に閉じ込める機能(保水性)が向上する。一方のカーボン材料としてアセチレンブラックを用いた場合において、充填構造を作成し易い他方のカーボン材料としては、人造黒鉛が挙げられる。なお、アセチレンブラックの平均粒子径D50(相対粒子量が50%の時の粒子径:メディアン径ともいう)は、D50=5μmであり、人造黒鉛の平均粒子径D50は、D50=15〜20μmである(レーザ回折式粒度測定装置マイクロトラックHRAを使用して測定)。
なお、前記導電性粒子を3種類以上のカーボン材料を混合して構成した場合にも、充填構造を構成することが容易である。しかしながら、この場合、分散、混錬、圧延条件などの材料の取り扱い(最適化)が複雑化するので、前記導電性粒子は2種類のカーボン材料を混合して構成されることがより好ましい。
拡散層を構成する高分子樹脂は、前記導電性粒子同士を結着するバインダーとしての機能を有する。また、前記高分子樹脂は、撥水性を有するため、燃料電池の内部にて水を系内に閉じ込める機能(保水性)も有する。前記高分子樹脂の組成比率が低くなる程、ガス拡散層自体の親水性が高くなる。ガス流路近傍の親水性が高いと、結露水を系外に排出し易くなる。
前記高分子樹脂の材料としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などが挙げられる。これらの中でも前記高分子樹脂の材料としてPTFEが使用されることが、耐熱性、撥水性、耐薬品性の観点から好ましい。PTFEの原料形態としては、ディスパージョン、粉末状などがあげられる。それらの中でもディスパージョンがPTFEの原料形態として採用されることが、作業性の観点から好ましい。
拡散層に形成されるガス流路の形状(パターン)は、特に限定されるものではなく、従来のセパレータに形成されていたガス流路の形状と同様に形成することができる。このようなガス流路の形状としては、例えばストレート型、サーペンタイン型等が挙げられる。
ガス流路の幅は、電極面積、ガス流量、電流密度、加湿条件、セル温度などにより最適値は大きく異なるが、0.1mm〜3.0mmの範囲内、特に0.2mm〜1.5mmの範囲内であることが好ましい。ガス流路の幅が0.1mm未満である場合には、燃料電池において通常流される反応ガスの量に対してガス流路の幅が十分でない可能性がある。一方、ガス流路の幅が3.0mmより大きい場合には、反応ガスがガス流路の全体に流れなくなり、反応ガスの滞留が生じてフラッディングが起こる可能性がある。
ガス流路の深さは、電極面積、ガス流量、電流密度、加湿条件、セル温度などにより大
きく異なるが、0.015mm〜2.0mmの範囲内、特に0.03mm〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。ガス流路の深さが0.015mm未満である場合には、燃料電池において通常流される反応ガスの量に対してガス流路の深さが十分でない可能性がある。一方、ガス流路の深さが2.0mmより大きい場合には、反応ガスがガス流路の全体に流れなくなり、反応ガスの滞留が生じてフラッディングが起こる可能性がある。
拡散層に形成されるリブ部の幅は、0.1mm〜3.0mmの範囲内、特に0.2mm〜2.0mmの範囲内であることが好ましい。リブの幅が0.1mm未満である場合は、強度が低下してガス流路が変形し易くなる。一方、リブ部の幅が3.0mmより大きい場合には、リブ部の鉛直下方の面積が大きくなるため、反応ガスが拡散層内で均一に拡散されず、面内発電分布にバラツキが生じるおそれがある。
拡散層の厚さは、ガス利用率、電流密度、加湿条件、セル温度などにより最適値は大きく異なるが、0.05mm〜5.0mmの範囲内、特に0.1mm〜2.0mmの範囲内であることが好ましい。厚みが0.05mm未満である場合は、面内方向(電極平面方向)のガス拡散性が低下して、リブ部の鉛直下方に反応ガスが到達しなくなる。これにより、面内発電分布にバラツキが生じ、発電性能が低下することになる。一方、厚みが5.0mmより大きい場合には、ガス拡散層全体の厚さが厚くなり過ぎるため、反応ガスが触媒層に到達しなくなるとともに電気抵抗が増加して、発電性能が低下することになる。
なお拡散層は、炭素繊維を基材として用いることなく、導電性粒子と高分子樹脂とで支持される構造(いわゆる自己支持体構造)であればよい。従って、拡散層には、導電性粒子及び高分子樹脂以外に、ガス拡散層の製造時に使用する界面活性剤及び分散溶媒などが微量含まれていてもよい。分散溶媒としては、例えば、水、メタノール、及びエタノールなどのアルコール類、エチレングリコールなどのグリコール類が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン系、アルキルアミンオキシドなどの両性イオン系が挙げられる。製造時に使用する分散溶媒の量及び界面活性剤の量は、導電性粒子の種類、高分子樹脂の種類、それらの配合比率などに応じて適宜設定すればよい。なお、一般的には、分散溶媒の量及び界面活性剤の量が多いほど、導電性粒子と高分子樹脂とが均一に分散しやすい傾向がある一方で、流動性が高くなり、ガス拡散層のシート化が難しくなる傾向がある。
また、拡散層には、基材としては成立しない重量(例えば、導電性粒子及び高分子樹脂よりも少ない重量)の炭素繊維が含まれていてもよい。炭素繊維には、補強効果があるので、炭素繊維の配合比率を高くすることによって、強度の高いガス拡散層を製造することができる。
前記炭素繊維の材料としては、例えば、気相成長法炭素繊維(以下、VGCFという)、ミルドファイバー、カットファイバー、チョップファイバーなどが挙げられる。前記炭素繊維としてVGCFを使用する場合、例えば、繊維径約0.15μm、繊維長約15μmのものを使用すればよい。また、前記炭素繊維としてミルドファイバー、カットファイバー、又はチョップファイバーを使用する場合、例えば、繊維径5〜20μm、繊維長20μm〜100μmであるものを使用すればよい。また例えばVGCFとチョップファイバーを同時に混合して使用しても良い。
前記ミルドファイバー、カットファイバー、又はチョップファイバーの原料は、PAN系、ピッチ系、レイヨン系のいずれでもよい。また、前記ファイバーは、原糸(長繊維フィラメント又は短繊維ステーブル)を切断、裁断することにより作製された短繊維の束を分散させて使用することが好ましい。
前記炭素繊維の配合量は、高分子樹脂よりも少ない重量であることが好ましい。基材レスガス拡散層の高強度化には炭素繊維を少量配合することでも十分に効果がある。前記炭素繊維の配合量を高分子樹脂よりも多くすると、炭素繊維が膜を突き刺し、膜劣化が生じて性能低下する懸念が生じやすくなる。また、コストが高くなる要因になる。
貫通孔は、ガス拡散層を貫通し、ほぼ直線状に伸びるように形成される。ガス拡散層における孔の占める面積が大きくなると、孔を介してMEA内から排出される液水、及びミストの量が多くなる。また、ガス拡散層における孔の占める面積が大きくなると、ガス拡散層強度が下がる懸念も生じる。従って、保湿性、ガス拡散層強度維持の観点から、孔の総面積のガス拡散層総面積に占める割合は、5%以下が望ましい。また、更なる保湿性、ガス拡散層強度維持の観点から、1%以下であることがより望ましい。
貫通孔の形状が略円形である場合には、孔径は、保湿性、ガス拡散層強度維持の観点から、500μm以下であることが望ましい。また、更なる保湿性、ガス拡散層強度維持の観点から、250μm以下であることがより望ましい。また液水排出効果の観点から、10μm以上であることが望ましい。
ガス拡散層の貫通孔の形状は略円形を基本とするが、本開示はこれに限定されない。例えば、貫通孔の形状は、三角形、四角形、楕円形などであってもよい。
孔の製造方法は、ニードルや剣山等を用いた公知の方法を用いて、孔を形成することができる。また後述する方法で流路と同時に孔を形成する方法が、製造効率向上するために望ましい。
本発明のガス拡散層は、貫通孔が設けられていない状態で、その透気度を測定した場合に、ガーレー秒数(言い換えると、透気抵抗度)が100秒以上であることが好ましい。
ガーレー秒数とは、単位面積及び単位圧力差当たり、規定された体積の空気が透過するのに要する時間である。本明細書における透気抵抗度の測定方法はJIS規格P8177に基づいたガーレー試験機法により求めることとし、最初の50mlの標線を通過したときに測定を開始するものとする。
貫通孔が設けられていない状態でのガーレー秒数が100以上であると、低加湿運転時に良好な保水力を発揮して高性能化が可能となる。
次に、図3、図4A〜図4Cを参照しつつ、本発明の実施形態にかかるガス拡散層の製造方法の一例について説明する。図3は、本発明の実施形態にかかるガス拡散層の製造方法を示すフローチャートである。図4は、その模式説明図である。
まず、ステップS1では、シート状の多孔質部材を作製する。
シート状の多孔質部材は、例えば、以下のようにして作製することができる。
まず、導電性粒子と界面活性剤と分散溶媒とを混錬機に投入し混錬した後、それらの混錬物の中に高分子樹脂材料を添加して分散させる。なお、カーボン材料と高分子樹脂材料とを別々に混錬機に投入せず、全ての材料を同時に混錬機に投入してもよい。次いで、混錬して得た混錬物をロールプレス機又は平板プレス機などで圧延してシート状に成形する。次いで、シート状に成形した混錬物を焼成して、前記混錬物中から界面活性剤と分散溶媒とを除去する。ここで、焼成温度及び焼成時間は、界面活性剤と分散溶媒とが蒸発又は分解する温度及び時間とすることが好ましい。次いで、界面活性剤と分散溶媒とを除去し
た混錬物を再圧延して厚さを調整する。これにより、シート状の多孔質部材を作製することができる。
なお、前記では、前記混錬物をロールプレス機又は平板プレス機などで圧延してシート状の多孔質部材を作製したが、本発明はこれに限定されない。例えば、前記混錬物を押し出し機に投入し、押し出し機のダイヘッドから連続的にシート成形して、シート状の多孔質部材を作製することもできる。また、押し出し機が備えるスクリューの形状を工夫して、当該スクリューに混練機能を持たせることにより、前記混練機を使用せずに前記混錬物を得ることができる。すなわち、前記各カーボン材料の攪拌、混練、シート成形を一台の機械で一体的に行うことができる。
次いで、ステップS2では、多孔質部材をガス流路の形状に対応する突起部、及び貫通孔を形成することに対応する突起部を有する一組の金型内に配置した後、圧延機械にて金型を型閉じして圧延する。これにより、多孔質部材にガス流路が形成されると同時に貫通孔が形成可能であり、本発明のガス拡散層を得ることができる。
また、もともと貫通孔部分に存在していた多孔質部材は系外に排出されることなく、貫通孔周辺部に押出されるため、より密な構造となり、貫通孔周辺部(ガス流路の底面と第2面と間に位置する部分)の多孔度をリブ部と第2面との間に位置する部分の多孔度よりも低くすることができる。
本製造過程においては、貫通孔の形状は略円形とした。孔径は一律に150μmとなるように突起部を作製した。孔と孔との間隔(ピッチ)は一律に500μmとなるように作製した。
次いで、ステップS3では、上下の金型を分離して、ガス拡散層を取り出す。これにより、図2に示すガス拡散層を得ることができる。
なお、金型は、圧延機械と一体に構成されていても良いが、圧延機械に着脱可能に構成されている方が取り扱いやすい。また、圧延機械としては、ロールプレス機又は平板プレス機を用いることができる。これらのうち圧延機械として、面精度が高いロールプレス機を用いる方が、拡散層の厚さバラツキを低減することができるので好ましい。このとき、一般的なグラビアロール機と同様に、ロールの表面に直接、突起部を有する金型が形成されていることが好ましい。
また、圧延機械による圧延時には、適宜、多孔質部材を加温するようにしても良い。この場合、加温温度は、250℃以下であることが好ましい。加温温度が250℃以下であるとき、多孔質部材が軟化して、ガス流路及び貫通孔の形成が容易になる。一方、加温温度が250℃より高くなると、多孔質部材が劣化するおそれがある。圧延機械の圧延力は、500kgf/cm2未満であることが好ましい。圧延機械の圧延力は、高いほど、ガス流路及び貫通孔の形成が容易になるが、多孔質部材に500kgf/cm2以上の圧延力が加わると、割れや材料破壊が生じるおそれがある。
また、圧延機械による圧延後に金型と多孔度の低い多孔質部材とが密着することを防止するために、離型剤をあらかじめ塗布しておいても良い。この離型剤としては、燃料電池の発電性能に影響を及ぼさない範囲で適宜選択可能であるが、蒸留水又は界面活性剤希釈蒸留水を用いることが好ましい。また、離型剤に代えて、PTFE樹脂製のシートを使用しても良い。金型の材質は、ステンレス鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、超硬合金鋼、SKD11、SKD12、Ni−P硬化クロムなどの工具鋼、セラミックス、ガラス繊維強化プラスチックなどから選択可能である。さらに、金型の表面には、耐食性及び離型性
を高めるために、硬質Crメッキ、PVD皮膜、TiC皮膜、TD処理、Zr溶射処理、PTFEコーティングなどの表面処理を施してもよい。前記ロールの表面に直接、突起部を有する金型が形成されている場合も同様である。
なお、本実施形態においては、前記ステップS1〜S3を行うことによりガス拡散層を製造したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各ステップの間に適宜、他の作業が含まれていても良い。
以上、本発明の実施形態にかかる燃料電池によれば、ガス流路を形成したガス拡散層において、ガス流路の底面から厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有している。この構成により、触媒層とガス拡散層の境界領域に存在する液水をガス拡散層の外部に排出することができ、水圧によりガス拡散層が変形することを抑制できる。また、貫通孔が設けられていない状態で、ガス流路の底面と第2面との間に位置する部分の多孔度が、前記リブ部と前記第2面との間に位置する部分の多孔度よりも低いため、厚みが薄いガス流路部の多孔度を低くすることによって高強度化が可能となり、水圧によりガス拡散層が変形することをより効果的に抑制できる。また、ガス拡散層は、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材で構成されているので、低コスト化を図ることができるとともに、複雑な形状のガス流路も容易に形成することができる。また本発明の製造方法によれば、流路形成と同時に貫通孔を形成するので、作業効率にロスがなく、貫通孔の配置ズレも起こらず、所望の位置に正確に貫通孔を形成できる。
なお、本発明において、多孔度は、次のようにして測定することができる。
まず、ガス拡散層を構成する各材料の真密度と組成比率から、製造したガス拡散層の見かけ真密度を算出する。
次いで、製造したガス拡散層の重量、厚さ、縦横寸法を測定して、製造したガス拡散層の密度を算出する。
次いで、多孔度=(ガス拡散層の密度)/(見かけ真密度)×100の式に、前記算出したガス拡散層の密度及び見かけ真密度を代入し、多孔度を算出する。
以上のようにして、製造したガス拡散層の多孔度を測定することができる。
なお、製造したガス拡散層の細孔径分布を、水銀ポロシメータを用いて測定したところ、累積細孔量から算出できる多孔度と、前記のようにして算出した多孔度とが一致していることを確認している。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記では、アノード側及びカソード側の両方に、本発明にかかる貫通孔を有するガス流路付きガス拡散層を配置したが、本発明はこれに限定されない。カソード電極(空気極)の酸化剤ガス流路は、アノード電極(燃料極)の燃料ガス流路に比べて複雑な形状である方が、燃料電池の発電性能は高くなりやすい。しかしながら、金属、あるいはカーボンと樹脂とで構成された従来のセパレータに複雑な形状のガス流路を設けることは困難である。これに対して、本発明にかかるガス拡散層は、ゴム状の基材レスガス拡散層で構成されているので、ガス流路の形成が容易である。従って、例えば、図5に示すように、アノード側には、通常のアノードガス拡散層と、燃料ガス流路を設けた通常のセパレータとを配置し、カソード側にのみ、酸化剤ガス流路と貫通孔を有する構造のカソードガス拡散層と集電板とを配置するようにしてもよい。このような構成によっても、従来の構成に比べて、燃料電池の発電性能の一層向上させることができる。
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかる燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法、並びに燃料電池は、一方の主面にガス流路が形成されたガス拡散層において、発電性能を一層向上させることができるので、例えば、自動車などの移動体、分散発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムなどの駆動源として使用される燃料電池に有用である。
1 高分子電解質膜
2、2A、2B 触媒層
3、3A、3B ガス拡散層基材
4、4A、4B 撥水カーボン層
5、5A、5B ガス拡散層
6、6A、6B 導電性セパレータ板
7、7A、7B ガス流路
8 冷却水の流路
9 シール材
10 締結ボルト
11A、11B 多孔質部材
12A、12B 貫通孔
13、13A、13B 集電板
14、14A、14B ガス流路
15 膜・電極接合体
16 燃料電池セル
17、17A、17B ガス拡散層

Claims (8)

  1. 導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材から構成され、第1面とその反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面側に複数のガス流路が形成され、前記ガス流路の底面と前記第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有する、ガス拡散層。
  2. 前記貫通孔は直線形状である、請求項1に記載のガス拡散層。
  3. 前記第1面側に複数のガス流路が隣り合うように形成され、前記複数のガス流路を隔てるリブ部を有し、前記ガス流路の底面と前記第2面と間に位置する前記貫通孔が設けられていない部分の多孔度が、前記リブ部と前記第2面との間に位置する部分の多孔度よりも低くなるように形成されている、請求項1又は2に記載のガス拡散層。
  4. 高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜を挟むように設けられた1対の触媒層と、
    前記1対の触媒層及び前記高分子電解質膜を挟むように対をなして設けられた1対のガス拡散層と、
    を備え、
    前記1対のガス拡散層の少なくとも一方が、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材から構成され、第1面とその反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面側に複数のガス流路が形成され、前記ガス流路の底面と前記第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有するガス拡散層である、膜電極接合体。
  5. 前記1対のガス拡散層の少なくとも一方が、前記第2主面側に互いに隣接するように複数のガス流路が形成され、前記互いに隣接するガス流路を隔てるリブ部を有し、前記貫通孔が設けられていない状態で、前記ガス流路の底面と前記第2面と間に位置する部分の多孔度が、前記リブ部と前記第2面との間に位置する部分の多孔度よりも低くなるガス拡散層である、請求項4に記載の膜電極接合体。
  6. 請求項4又は5に記載の膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟むように設けられた1対のセパレータと、
    を備え、
    前記1対のセパレータのうち、前記リブ部と接するセパレータは、前記膜電極接合体と接する側の面が平坦な形状を有する、燃料電池。
  7. 第1面とその反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面側に複数のガス流路が形成されたガス拡散層を製造する方法であって、
    突起部を有する金型に導電性粒子と高分子樹脂とを主成分としたシート状の多孔質部材を配置した後、前記金型を型閉じして、前記多孔質部材の第1面に前記突起部を挿入することにより、前記ガス流路を形成するとともに、前記ガス流路の底面と前記第2面とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を形成する工程を含む、ガス拡散層の製造方法。
  8. 前記ガス拡散層は、前記第2主面側に互いに隣接するように複数のガス流路が形成され、前記互いに隣接するガス流路を隔てるリブ部を有し、
    前記工程は、前記貫通孔が設けられていない場合の前記ガス流路の底面と前記第2面と間に位置する部分の多孔度を、前記リブ部と前記第2面との間に位置する部分の多孔度よりも低くする、請求項7に記載のガス拡散層の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017152141A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 株式会社デンソー 燃料電池セルスタックおよび燃料電池モジュール

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