JP2014184631A - 流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置、及び、流路ユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流路ユニットU0は、変形可能な振動板11と、壁の一部である振動板11の変形により液体Fに圧力が加わる圧力室21と、を備える。振動板11は、セラミック製の基材12と、該基材12の内部12cにある隙間CL1を充填し液体Fの通過を抑制する充填剤14と、を有する。液体噴射ヘッド1は、流路ユニットU0と、圧力室21に連通するノズル62と、を備える。液体噴射装置200は、液体噴射ヘッド1を搭載している。充填剤14は、光硬化樹脂、溶液F14の水分が吸水剤F13に吸収されたときに残留する物質、変性剤F15によって溶液F16から生成される固まり、熱硬化樹脂、の中から選ばれる一種以上の物質を含んでいてもよく、配位数6以上の原子を含んでいてもよい。
【選択図】図1
Description
更に、本発明は、前記液体噴射ヘッドを搭載した、インクジェットプリンター等の液体噴射装置の態様を有する。
前記振動板のセラミック製の基材となる部分を少なくとも含む前駆体を加熱して前記基材を形成する形成工程と、
前記基材の内部に形成される隙間に、液体の通過を抑制する充填剤を充填する充填工程と、
を含む、態様を有する。
なお、染み出る液は、圧力室内の液体そのものに限られず、溶媒など液体の成分の一部を含む。
本発明は、基材の内部にある隙間の全てが充填剤で充填されることに限定されず、隙間の一部のみ充填剤で充填されることも含まれる。また、本発明は、液体の振動板通過を充填剤が完全に防止することに限定されず、充填剤の無い場合と比べて液体の振動板通過が遅くなることも含まれる。
なお、溶液には、ノズルから噴射されるインク等の液体、充填剤を生成するための専用の液体、等が含まれる。
なお、固まりには、溶質と変性剤とが反応して生じた析出成分といった溶液の一部と変性剤とが結合した固まり、ゲルといった溶液全体を含む固まり、等が含まれる。溶液には、ノズルから噴射されるインク等の液体、充填剤を生成するための専用の液体、等が含まれる。
まず、流路ユニット及び液体噴射ヘッドの例を説明する。図1は、圧電素子3を設けた流路ユニットU0を模式的に例示する断面図であり、振動板11の要部を拡大して下段に示している。分かり易く示すため、セラミック結晶粒子13を振動板11の厚みと比べて大きくし、隙間CL1を粒子13と比べて大きくしている。むろん、振動板の厚みに対するセラミック結晶粒子の大きさは特に限定されず、粒子に対する隙間の大きさも特に限定されず、粒子の形状も特に限定されない。図1の上段では粒子13にハッチングを付し、図1の下段では充填剤14にハッチングを付している。図2は、流路ユニットU0を含む液体噴射ヘッド1の構成の概略を例示している。図3(a)は、液体噴射ヘッド1を図2のA1−A1の位置での断面図を示している。図3(b)は、液体噴射ヘッド1を図2のA2−A2の位置での断面図を示している。
更に、染み出る液は、原液インクと染料又は顔料濃度が大きく異なる場合がある。これは、インク中の粒子がフィルタリングされるためである。故に、液漏れを生む隙間CL1は微小な隙間であり抑制が難しく、液漏れを一部抑制できてもばらつきにより液体噴射ヘッドの歩留まりの低下を招く。
なお、隙間CL1に充填剤14が充填されているか否かは、断面EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)マッピング分析、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)、FT−IR(Fourier Transform Infrared)法、等により確認することができる。
なお、液体噴射ヘッド1は、封止プレート40やリザーバープレート50を必ずしも備える必要は無い。例えば、封止プレートが無い場合にはリザーバープレートを接合基板にすることができ、リザーバープレートも無い場合にはノズルプレートを接合基板にすることができる。また、液体噴射ヘッドはいわゆるコンプライアンスプレート等の他のプレートを備えていてもよく、例えば、コンプライアンスプレートがリザーバープレートとノズルプレートとの間に配置されてもよい。更に、これらのプレートが複数のプレートで構成されてもよいし、複数のプレートの機能を一枚のプレートが備えていてもよい。
振動板11は、スペーサー部20の一方の面(表面20a)を封止し、該スペーサー部20と接する裏面11bとは反対側の表面11aに圧電素子3、リード電極84、等が設けられている。振動板の裏面11bは、圧力室21の壁面の一部を構成する。すなわち、圧力室21の壁の一部である振動板11は、圧電素子3により駆動信号SG1に応じた変形をする。振動板11は、矩形板状でもよいし、矩形板状でなくてもよい。
各圧力室21は、長手方向を流路基板の短手方向D4に向けた長尺状に形成され、流路基板の長手方向D3へ複数並べられている。圧力室21同士の間は、隔壁22とされる。圧力室21内の液体には、壁の一部である振動板11の変形により圧力が加わる。圧力室21の幅や長さは、裏面20b側の長さが表面20a側の長さよりも短くされてもよい。流路基板の長手方向D3へ並んだ圧力室21の列は、流路基板の短手方向D4へ複数並べられてもよい。
リザーバープレート50には、厚み方向D1へ貫通したリザーバー51及びノズル連通孔52が形成されている。リザーバー51は、共通供給孔41と液体導入孔43とに連通した共通インク室である。各ノズル連通孔52は、封止プレートの各ノズル連通孔42に連通する位置に設けられている。
なお、上記プレート40,50,60を含む種々のプレートの材料には、例えば、ステンレスやニッケルといった金属、合成樹脂、セラミックス、等の一種以上を用いることができる。
次に、図1〜3とともに図4を参照して、液体噴射ヘッドの製造方法を例示する。図4は、流路基板の短手方向D4に沿った垂直断面図である。
以上が、振動板11のセラミック製の基材12となる部分を少なくとも含む前駆体100を形成する前駆体形成工程S1である。
なお、流路ユニット本体は、セラミック粉体とバインダーと溶媒を含むスラリーを用いるゲルキャスト法等により形成してもよい。
以上により、図3(a),(b)で示したような液体噴射ヘッド1が製造される。
次に、図5〜9を参照して、流路ユニットU0及びその製造方法の第一の例を説明する。
図5(a)は、液状熱硬化性物質F11を利用する流路ユニット製造工程を示している。まず、例えば、ジルコニア(ZrOx)に酸化イットリウム(YOx)をモル比で4〜8%添加した粉体をバインダー等に分散したペーストをシート状に成形してグリーンシートを形成し、必要に応じてグリーンシートを加工して、各前駆体111,120,130を形成して積層する(前駆体形成工程S11)。次いで、前駆体111,120,130を一体的に脱脂し(脱脂工程S12)、例えば1300〜1500℃程度で一体焼成する(焼成工程S13)。基材12とスペーサー部20と接続部30を接合した一体焼成物(101)の断面の様子を図5(b)の最上段に示している。この一体焼成物には、多数の結晶粒子13が形成され、粒子13間に隙間CL1が形成されている。
以上の工程S11〜S13は、基材12を形成する形成工程の例である。
液状熱硬化性物質F11には、有機金属化合物溶液、塩化金属溶液といったハロゲン化金属溶液、有機物溶液、等の一種以上を用いることができる。有機金属化合物には、図6(a)に例示する金属アルコキシド、図6(b),(c)に例示する金属キレート、図6(d)に例示する金属アシレート、図6(e)に例示する金属の酢酸塩といったカルボン酸塩、金属の炭酸アンモニウム塩、等が含まれる。図6(a)〜(d)中、「R」は炭化水素を表す。それぞれの「R」は、異なる炭化水素でもよい。また、図6(a)〜(e)中、「M」は金属を表す。
ここで重要な点は、分散質を分散媒中に分子レベル又はナノレベルで確実に分散させることである。
また、基材に充填剤を強固に結合させるため、必要に応じて加水分解と重縮合を行うことも可能である。この場合、水と金属アルコキシドの組合せ等を選択すればよい。
減圧処理、加圧処理、及び、振動処理のうちの一つ以上を少なくとも行うことで充填剤の元になる液体を隙間に浸透させる浸透工程が充填工程に含まれていると、充填剤の元になる液体の浸透効率が向上する。
なお、含浸工程は、焼成後であれば良く、他の部品組み込み後などでも処理が可能であれば後工程になるほど良い。
また、液体を振動板の隙間に浸透させると、液体の浸透状況や液体自体の状態等により振動板の状態が変化する。そこで、制御回路基板91から圧電素子3に駆動信号を供給して振動板を振動させるとき、振動板の状態に応じて駆動信号を調整してもよい。この処理は、例えば、浸透回数、浸透時間、振動板の電気抵抗や残留振動や固有振動周期といった電気的状態、等に基づいて駆動信号の電圧や周波数等を調整することにより行うことができる。振動板の状態に応じて駆動信号を調整する例も、液漏れが抑制される好適な例となる。
以上の工程S14〜S16は、充填剤14を充填する充填工程の例である。
上記以外の液状熱硬化性物質を用いる場合、液状熱硬化性物質の熱硬化特性に応じた温度で加熱すればよい。
各サンプルについて、インク滴を繰り返し噴射させ、102回、104回、106回、108回、及び、1011回噴射させた時点の液の染み出し状態を調べた。また、サンプルを複数個作製したときの歩留まりも調べた。インク滴噴出を開始しても直ぐに発生しない不良が多い。特に本願の主旨の一つである微細な欠陥による液漏れは102回を越えて発生する。そこで接着不良、大きなクラック、大きな欠陥と早い時点で発生する不良と微細な欠陥による不良を分離する為に102回時点の良品数/全サンプル数を初期の歩留まりとした。
ここで、白丸、白抜きの三角、黒の三角、バツ印は、それぞれ、顕微鏡観察で液漏れが見られないこと、顕微鏡観察で液漏れの痕跡は見られるが止まっておりインク滴が正常に噴射されること、顕微鏡観察で僅かに液漏れが見られるがインク滴が正常に噴射されること、液漏れが見られ且つインク滴が正常に噴射されないことを表す。
更に、流路ユニットの他部品との接合面に液状熱硬化性物質といった溶液が付着しても、パラキシリレン系のポリマーのような接着力の低下は生じ難い。従って、液体噴射ヘッドの歩留まり向上を図ることができる。
更に、官能基を有し配位数の高い金属を含む有機金属化合物を用いると、金属やウエハー等の材料と強固に結合する。故に、色々な工程からの含浸処理が可能であり、各部品との接合部の強化や隙間部の補強を図ることができる。
図10(a)は、液状光硬化性樹脂F12を利用する流路ユニット製造工程を示している。基材12が透光性を有し、基材12の内部にある隙間CL1に液状の光硬化性樹脂F12を充填し、基材12に光を当てると、基材内部の隙間CL1に光硬化樹脂を含む充填剤14Aが充填された状態になる。ここで透光性とは、液状光硬化性樹脂F12を硬化せることができる波長の光(可視光以外の電磁波であってもよい)を透過させることができる性質をいう。液状光硬化性樹脂F12を硬化せることができる波長の光を透過させることができれば、そのほかの波長の光は透過しても、しなくてもよい。なお、ここで透過とは100%の光を透過させるものに限られず、一部を透過させ、残りを吸収や反射することも含む。
液状光硬化性樹脂F12には、充填剤14Aを生成するための専用の液体、インク等の液体F、等が含まれる。例えば、液状光硬化性樹脂には、UV硬化性イミド樹脂やUV硬化性シリコーン樹脂やUV硬化性アクリル樹脂といったUV照射により硬化するUV硬化性樹脂、可視光線照射により硬化する光硬化性樹脂、等の一種以上を用いることができる。
光照射工程によって基材内部に形成される隙間CL1に充填される充填剤14Aは、光硬化樹脂を含んでおり、振動板厚み方向D1への液体の通過を抑制する。従って、本例は、振動板からの液の染み出しを抑制することが可能な好適な例である。
なお、上述したように制御回路基板91から圧電素子3に駆動信号を供給して振動板11を振動させながら光照射を行ってもよい。
また、光照射を行うと、振動板11に浸入した液体の成分の硬化により振動板の硬さ等が変化する。そこで、制御回路基板91から圧電素子3に駆動信号を供給して振動板11を振動させるとき、第一の例で述べた具体的処理等により、浸入した液体の成分の硬化状況に応じて駆動信号を調整してもよい。硬化状況に応じて駆動信号を調整する例は、液漏れが抑制される好適な例となる。
これらの場合、R1<R2となる。この例も、液漏れを抑制可能な好適な例である。
図11(a)は、吸水剤F13を利用する流路ユニット製造工程を示している。振動板が多価アルコール等の吸水剤F13を含む場合、基材内部の隙間CL1に溶液F14の少なくとも一部の成分が入ると、溶液の水分が吸水剤F13に吸収される。これにより、溶液F14の水分が吸水剤F13に吸収されたときに残留する物質を含む充填剤14Bが基材内部の隙間CL1に充填された状態になる。
溶液F14には、インク等の液体F、充填剤14Bを生成するための専用の液体、等が含まれる。例えば、溶液F14には、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Ba(バリウム)といったアルカリ土類金属の塩、K(カリウム)といったアルカリ金属の塩、Cu(銅)、Zn(亜鉛)といった金属の塩、等を一種以上含む水溶液を用いることができる。これらの塩を含む水溶液は、インク等の液体にも用いられる。このような水溶液を用いる場合、溶液F14の水分が吸水剤F13に吸収されたときに残留する物質は、Ca塩といったアルカリ土類金属塩、K塩といったアルカリ金属塩、Cu塩といった金属塩、等の析出物又は濃縮液となる。
次いで、吸水剤F13を一体焼成物(101)の少なくとも基材12に含浸させる(吸水剤含浸工程S23)。このときの様子を図11(b)の最上段に示している。本含浸工程S23でも、図8で示した例1〜7等の含浸処理を行うことができる。
なお、吸水剤F13を基材12に含浸させると、含浸した液体の成分の変化(硬化等)により振動板11の硬さ等が変化する。そこで、制御回路基板91から圧電素子3に駆動信号を供給して振動板11を振動させるとき、第一の例で述べた具体的処理等により、含浸した液体の成分の変化状況に応じて駆動信号を調整してもよい。変化状況に応じて駆動信号を調整する例は、液漏れが抑制される好適な例となる。
また、セラミック製の基材12の内部にある隙間CL1に含まれる吸水剤F13は、該吸水剤に対して水分が飽和状態でないときには圧力室21内の液体Fから水分を引き寄せるが、水分が飽和状態になると圧力室21内の液体Fから水分を引き寄せない。その結果、圧力室21内の液体Fに由来する液の隙間CL1を通る染み出しが抑制される。
上記の場合、R1>R2となる。この例も、液漏れを抑制可能な好適な例である。
図12(a)は、溶液F16から固まりを生成する変性剤F15を利用する流路ユニット製造工程を示している。振動板が変性剤F15を含む場合、基材内部の隙間CL1に溶液F16の少なくとも一部の成分が入ると、変性剤F15によって溶液F16から固まりが生成される。これにより、図12(b),(c)に示すように、固まりを含む充填剤14C,14Dが基材12の内部にある隙間CL1に充填された状態になる。
次いで、変性剤F15を一体焼成物(101)の少なくとも基材12に含浸させる(変性剤含浸工程S25)。このときの様子を図12(b)の最上段に示している。本含浸工程S25でも、図8で示した例1〜7等の含浸処理を行うことができる。
なお、変性剤F15を基材12に含浸させると、含浸した液体の成分の変化(硬化等)により振動板11の硬さ等が変化する。そこで、制御回路基板91から圧電素子3に駆動信号を供給して振動板11を振動させるとき、第一の例で述べた具体的処理等により、含浸した液体の成分の変化状況に応じて駆動信号を調整してもよい。変化状況に応じて駆動信号を調整する例は、液漏れが抑制される好適な例となる。
溶液供給工程によって基材内部に形成される隙間CL1に充填される充填剤14C,14Dは、変性剤F15によって溶液F16から生成される固まりを含んでおり、振動板厚み方向D1への液体の通過を抑制する。従って、本例は、振動板からの液の染み出しを抑制することが可能な好適な例である。
図13(a)は、液状熱硬化性樹脂F17を利用する流路ユニット製造工程を示している。基材12の内部にある隙間CL1に液状の熱硬化性樹脂を充填し、基材12を加熱すると、基材内部の隙間CL1に熱硬化樹脂を含む充填剤14Eが充填された状態になる。
次いで、液状熱硬化性樹脂F17を一体焼成物(101)の少なくとも基材12に含浸させる(液状熱硬化性樹脂含浸工程S27)。このときの様子を図13(b)の最上段に示している。本含浸工程S27でも、図8で示した例1〜7等の含浸処理を行うことができる。
加熱工程によって基材内部に形成される隙間CL1に充填される充填剤14Eは、熱硬化樹脂を含んでおり、振動板厚み方向D1への液体の通過を抑制する。従って、本例は、振動板からの液の染み出しを抑制することが可能な好適な例である。
なお、振動板を加熱すると、振動板に浸入した液体の成分の熱硬化により振動板の硬さ等が変化する。そこで、制御回路基板91から圧電素子3に駆動信号を供給して振動板11を振動させるとき、第一の例で述べた具体的処理等により、浸入した液体の成分の熱硬化状況に応じて駆動信号を調整してもよい。熱硬化状況に応じて駆動信号を調整する例も、液漏れが抑制される好適な例となる。
図14は、上述した液体噴射ヘッド1を記録ヘッドとして有するインクジェット式の記録装置である液体噴射装置200の外観を示している。液体噴射ヘッド1を記録ヘッドユニット211,212に組み込むと、液体噴射装置200を製造することができる。図14に示す液体噴射装置200は、記録ヘッドユニット211,212のそれぞれに、液体噴射ヘッド1が設けられ、外部インク供給手段であるインクカートリッジ221,222が着脱可能に設けられている。記録ヘッドユニット211,212を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に沿って往復移動可能に設けられている。駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されると、キャリッジ203がキャリッジ軸205に沿って移動する。図示しない給紙ローラー等により給紙される記録シート290は、プラテン208上に搬送され、インクカートリッジ221,222から供給され液体噴射ヘッド1から噴射されるインク滴により印刷がなされる。
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、記録装置は、印刷中に液体噴射ヘッドが移動しないように固定されて、記録シートを移動させるだけで印刷を行ういわゆるラインヘッド型のプリンターでもよい。
流体噴射ヘッドから吐出される液体は、液体噴射ヘッドから吐出可能な材料であればよく、染料等が溶媒に溶解した溶液、顔料や金属粒子といった固形粒子が分散媒に分散したゾル、等の流体が含まれる。このような流体には、インク、液晶、等が含まれる。液体噴射ヘッドは、プリンターといった画像記録装置の他、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置、有機ELディスプレーやFED(電解放出ディスプレー)等の電極の製造装置、バイオチップ製造装置、等に搭載可能である。
圧力室に圧力を与えるための圧電素子は、図3(a),(b)で示したような薄膜型に限定されず、圧電材料と電極材料とを交互に積層させた積層型、縦振動させて各圧力室に圧力変化を与える縦振動型、等でもよい。また、圧電アクチュエーターは、発熱素子の発熱で生じる気泡によってノズルから液滴を噴射させるアクチュエーター、振動板と電極との間に発生させた静電気によって振動板を変形させてノズルから液滴を噴射させるいわゆる静電式アクチュエーター、等でもよい。更には、そのほかの様々な流路ユニットに適用することができる。
上述した充填剤は、組み合わせて使用することも可能である。
例えば、基材内部に含浸させる溶液として、加熱不要の硬化性樹脂を用いてもよい。この場合、図13(a)に示した加熱工程S28を省略可能である。
充填剤形成用の溶液F14,F16は、圧力室21内ではなく、基材の表面11a側に供給されてもよい。
充填剤の形成工程は、前駆体焼成直後や液体噴射ヘッド形成後の他、液体噴射ヘッド形成前における流路ユニット本体とプレートとの接合直後等に行ってもよい。充填剤形成工程に加熱工程を伴う場合、液体噴射ヘッド形成後には例えば100℃程度以下の加熱しかできないが、液体噴射ヘッド製造工程の初期段階では例えば500〜600℃程度の高温加熱が可能である。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、振動板からの液の染み出しを抑制することが可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
Claims (12)
- 変形可能な振動板と、
壁の一部である前記振動板の変形により液体に圧力が加わる圧力室と、
を備えた流路ユニットであって、
前記振動板は、
セラミック製の基材と、
該基材の内部にある隙間を充填し液体の通過を抑制する充填剤と、
を有する、流路ユニット。 - 前記基材は、透光性を有し、
前記充填剤は、光硬化樹脂を含む、請求項1に記載の流路ユニット。 - 前記振動板は、吸水剤を含み、
前記充填剤は、溶液の水分が前記吸水剤に吸収されたときに残留する物質を含む、請求項1又は請求項2に記載の流路ユニット。 - 前記振動板は、溶液から固まりを生成する変性剤を含み、
前記充填剤は、前記変性剤によって溶液から生成される固まりを含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の流路ユニット。 - 前記充填剤は、熱硬化樹脂を含む、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の流路ユニット。
- 前記充填剤は、配位数6以上の原子を含む、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の流路ユニット。
- 前記振動板の前記圧力室側となる第一の面側における前記充填剤の存在比は、前記振動板の前記圧力室とは反対側の第二の面側における前記充填剤の存在比よりも少ない、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の流路ユニット。
- 前記振動板の前記圧力室側となる第一の面側における前記充填剤の存在比は、前記振動板の前記圧力室とは反対側の第二の面側における前記充填剤の存在比よりも多い、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の流路ユニット。
- 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の流路ユニットと、
前記圧力室に連通するノズルと、
を備える、液体噴射ヘッド。 - 請求項9に記載の液体噴射ヘッドを搭載した、液体噴射装置。
- 変形可能な振動板と、壁の一部である前記振動板の変形により液体に圧力が加わる圧力室と、を備えた流路ユニットの製造方法であって、
前記振動板のセラミック製の基材となる部分を少なくとも含む前駆体を加熱して前記基材を形成する形成工程と、
前記基材の内部に形成される隙間に、液体の通過を抑制する充填剤を充填する充填工程と、
を含む、流路ユニットの製造方法。 - 前記充填工程は、前記基材の環境を減圧すること、前記基材の環境を加圧すること、及び、前記振動板を振動させること、のうちの一つ以上を少なくとも行うことで前記充填剤の元になる液体を前記隙間に浸透させる浸透工程を含む、
請求項11に記載の流路ユニットの製造方法。
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