JP2014185251A - 粘着シート、粘着シート巻取体、及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチパネル等の光学部材貼合用として,印刷段差の埋まり性(凹凸追従性)に優れ,粘着シート巻取体の保存時に粘着層(A)の厚み変化の起こらない巻取体、該巻取体から得られる粘着シート及びその使用方法、積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】
基材上に、80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が35000Paより小さい粘着層(A)と、端部材料(B)を形成した粘着シートであって、前記端部材料(B)が前記粘着シートの少なくとも一方の幅方向端部に形成され、前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が前記粘着層(A)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率よりも高いことを特徴とする、粘着シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シート、粘着シート巻取体、及び積層体に関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの前記表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられるようになってきている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合せる用途に透明な両面粘着シートが使用されている。また、表示装置と入力装置との貼合にも透明な両面粘着シートが使用されている。
このような用途に用いられる両面粘着シートとしては、基材のないノンキャリアタイプが一般的になっている。このようなノンキャリア両面テープは,重剥離セパレーター上に粘着層を形成した後に軽剥離セパレーターを貼合することによって製造することが一般的である。
タッチパネルにおいては,スクリーン印刷などによって意匠性や装飾性を施す印刷がされており、この印刷部と非印刷部間の段差を気泡なく埋める必要があるが,最近の傾向ではこの印刷の段差が増している。すなわち,この印刷の段差を気泡なく埋める粘着シートに対する要求が強まっている。
この課題には粘着層を柔らかくすることによって対応しているが,粘着シートの巻取体において,巻取体の保存時に,巻取体の層間圧力(半径方向応力)に起因する粘着層の薄化といった問題がある。
したがって、印刷段差の埋まり性(凹凸追従性)に優れ,巻取体の保存時に粘着層の薄化といった問題が起こらない巻取体の要求がある。
特許文献1には、熱可塑性樹脂からフィルムを形成し,これを巻取機でロール状に巻き取る製造方法において,皺のない巻取体を製造するため,フィルムの両側端部がそれぞれある一定の範囲にわたってフィルムの厚さを他の部分よりも厚くなるように製膜し,かつ巻き上げられた巻取体における膜厚部分の巻き硬度が所定の範囲となるように巻取機で巻き取ることを特徴とするフィルムの製造方法が開示されている。
しかし,特許文献1には,粘着シートに対する概念,および貯蔵弾性率といった粘弾性に関する記述はなく,巻取体の層間圧力による粘着層の薄化について全く考慮されていない。
特許文献2には、製膜工程から送り出されるフィルムの両端部の少なくとも片面に凹凸部を形成して凸部の高さを当該フィルムの平均高さより高くした後,巻取機によってロール状に巻き取ることを特徴とするフィルムの巻取方法が開示されている。このような方法は,ナーリング(Knurling)と呼ばれる。
しかしこの方法は、層間に空気層を設けることによって,フィルム同士の接触を防ぎ,滑り性改良のための粗面化微粒子によるフィルムへの擦り傷の発生,また,厚み斑を起因とするバンド(巻きの硬い部分)や皺の発生が低減されるとするもので、粘着剤の薄化を防ぐものではない。
特許文献3には、巻取体の幅方向両端部に,エンボスまたはスリット目加工が施されたテープを巻き付けて巻き取る巻取工程を備えたことを特徴とする光学フィルムの製造方法が開示されている。
しかしこの方法も、ベース部材同士の接触を防ぎ,層間に空気層を設けることによって,クニックや皺の発生が防止されるとするもので、粘着剤の薄化を防ぐものではない。
さらに特許文献4には、塗工機を用いて塗液を塗工対象面に塗工する方法であって,基材上の塗工後の塗工膜厚みにおいて,幅方向端部の厚みが,塗工面の平均厚みに対して2μm以上厚くすることを特徴とする塗工方法が開示されている。該方法においては、層状に巻きつけられている塗工済みベース部材同士の間隔を2μm以上とすることで,異物を巻き込んだとしても局所歪の発生が低減されるとしている。
しかしこの方法も、ベース部材同士の接触を防ぎ,層間に空気層を設けることによって,異物巻き込みを起因とする局所歪の発生が低減されるとするもので、粘着剤の薄化を防ぐものではない。
特開昭61−136846号公報 特開平08−175708号公報 特開2010−070309号公報 特開2010−051953号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、タッチパネル等の光学部材貼合用として,印刷段差の埋まり性(凹凸追従性)に優れた柔軟な粘着シートであっても,巻取体の状態で保存した時に粘着層の厚み変化の起こらない粘着シートと粘着シート巻取体、及び積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1] 基材上に粘着層(A)と端部材料(B)を形成した粘着シートであって、前記粘着層(A)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が35000Paより小さく、前記端部材料(B)が前記粘着シートの少なくとも一方の幅方向端部に形成され、前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が前記粘着層(A)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率よりも高いことを特徴とする、粘着シート。
[2] 前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が35000Pa以上であることを特徴とする、[1]に記載の粘着シート。
[3] 前記粘着層(A)の80℃かつ1Hzにおける損失正切が0.4以上であって,前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける損失正切が前記粘着層(A)の80℃かつ1Hzにおける損失正切よりも低いことを特徴とする[1]または[2]に記載の粘着シート。
[4] 前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける損失正切が,0.4より小さいことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着シート。
[5] 前記端部材料(B)の幅方向の長さが5〜10mmであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着シート。
[6] 前記基材がセパレーターであることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着シート。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の粘着シートから、端部材料(B)を除去した部材貼合用粘着シート。
[8] 芯材に、[1]〜[6]のいずれかに記載の粘着シートを巻き付けた、粘着シート巻取体。
[9] [1]〜[7]のいずれかに記載の粘着シートを介して一対の光学部材を貼合させてなる積層体。
本発明によれば,柔軟な粘着層(A)を有する粘着シートを巻取体の状態で保存する時に,巻取体の層間圧力(半径方向応力)に起因する粘着層(A)の薄化といった問題が起こらず,保存安定性に優れた粘着シート及び粘着シート巻取体を提供できる。
本発明の実施形態である、粘着シート巻取体を示す図である。 本発明の実施形態である、粘着シートの断面を示す図である。
本発明の粘着シート31は、基材34上に粘着層(A)32と端部材料(B)33を形成した粘着シートであって、前記粘着層(A)32の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が35000Paより小さく、前記端部材料(B)33が前記粘着シートの少なくとも一方の幅方向端部に形成され、前記端部材料(B)33の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が前記粘着層(A)32の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率よりも高いことを特徴とする。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。
〔粘着層(A)〕
以下において、80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が35000Paより小さい粘着層(A)32を形成する粘着剤組成物について詳細に説明する。
〔架橋性アクリル重合体〕
粘着層(A)32を形成する粘着剤組成物は、主成分として架橋性アクリル重合体を含有する。ここでいう「主成分」とは、粘着剤組成物(溶媒を除く)の40質量%以上の成分を意味する。本発明の粘着剤組成物には、架橋性アクリル重合体が50質量%以上含まれていることが好ましく、55質量%以上含まれていることがより好ましい。
架橋性アクリル重合体は、非架橋性アクリル単量体単位と架橋性単量体単位とを有する重合体である。ここにおいて、非架橋性アクリル単量体は架橋性基を有さないアクリル単量体であり、架橋性単量体は架橋性基を有する単量体である。架橋性単量体は、非架橋性アクリル単量体と重合可能なものであればアクリル単量体であっても非アクリル単量体であってもよく、アクリル単量体であることが好ましい。架橋性基としては、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、グリシジル基等が挙げられ、カルボキシル基、ヒドロキシ基が好ましい。
非架橋性アクリル単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基の水素原子を炭化水素基で置換した(メタ)アクリル酸エステル単位が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は1〜18が好ましく、1〜8がより好ましい。該炭化水素基は、該炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、架橋性基を含まないものであれば特に限定されず、例えばメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
該(メタ)アクリル酸エステルとして具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、接着性の点からは、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチルが好ましい。
架橋性単量体単位としては、カルボキシル基含有共重合性単量体単位、ヒドロキシ基含有共重合性単量体単位、アミノ基含有共重合性単量体単位、グリシジル基含有共重合性単量体単位が挙げられる。カルボキシル基含有共重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グラタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸やその無水物などが挙げられる。
ヒドロキシ基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノ(ジエチレングリコール)などの(メタ)アクリル酸[(モノ、ジ又はポリ)アルキレングリコール]、(メタ)アクリル酸モノカプロラクトンなどの(メタ)アクリル酸ラクトン、N−メチロール(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
アミノ基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、アリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−tertブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸tertブチルアミノエチルなどが挙げられる。
グリシジル基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
これらの中でも、粘着性、架橋性および重合性、さらには透明導電膜に用いられるスズドープ酸化インジウムや電磁波シールドに用いられる銅などの金属の腐食性が小さい点から、ヒドロキシ基含有共重合性単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルがより好ましく、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが特に好ましい。
また、架橋性単量体単位としてカルボキシル基含有共重合性単量体単位を含有する場合、酸性が強くなるため、スズドープ酸化インジウム膜や金属膜等の腐食性を有する膜が接すると、これらの膜を腐食させることがある。そのため、このような腐食性を有する対象物に対して本発明の粘着剤を適用する場合は、腐食防止性の点から、架橋性単量体単位としてのカルボキシル基含有共重合性単量体単位の含有量は0.5質量%未満であることが好ましく、全く含まないことがより好ましい。
架橋性アクリル重合体における架橋性単量体単位の含有量は0.01〜50質量%であることが好ましく、2〜40質量%であることがより好ましい。架橋性単量体単位の含有量が前記下限値以上であれば、充分に架橋でき、膨れ防止性や打ち抜き加工性能をより高くでき、前記上限値以下であれば、充分な粘着力や凹凸追従性能、カール防止性能を確保できる傾向がある。
また、架橋性アクリル重合体は、非架橋性アクリル単量体単位および架橋性単量体単位以外のその他の単量体単位を有してもよい。その他の単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、アクリルアミドなどが挙げられる。
架橋性アクリル重合体におけるその他の単量体単位の含有量は0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。その他の単量体単位の含有量が前記下限値以上であれば、物性を容易に調整でき、前記上限値以下であれば、経時劣化による黄変などを防止できる。
単量体を重合して架橋性アクリル重合体を合成するときには、重合開始剤を用いることが好ましい。用いることができる好ましい重合開始剤として、繰り返し単位を有さない重合開始剤を挙げることができる。例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤や、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤を挙げることができる。これらの重合開始剤は、例えば高分子セグメントとアゾ基を有する高分子アゾ重合開始剤よりも好ましく用いることができる。本発明で用いる重合開始剤の分子量は、1000以下であることが好ましく、700以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。下限値については例えば100以上とすることができる。
架橋性アクリル重合体の質量平均分子量は10万以上であることが好ましく、20万以上であることがより好ましく、30万以上であることがさらに好ましく、35万以上であることがさらにより好ましく、また、200万以下であることが好ましく、150万以下であることがより好ましく、100万以下であることがさらに好ましく、75万以下であることがさらにより好ましい。
〔架橋剤〕
本発明の粘着剤組成物は架橋剤を含有する。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、メラミン化合物などが挙げられる。これら架橋剤の中でも、アクリル重合体を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。特にアクリル重合体が架橋性単量体単位としてヒドロキシ基含有共重合性単量体単位のみを含む場合は、ヒドロキシ基の反応性からイソシアネート化合物を用いることが好ましい。また、アクリル重合体が架橋性単量体単位としてカルボキシル基含有共重合性単量体単位のみを含む場合は、カルボキシル基の反応性からイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン化合物を用いることが好ましく、特にエポキシ化合物やイソシアネート化合物を用いることが好ましい。
エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等の多官能エポキシ化合物などが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
エポキシ化合物、イソシアネート化合物以外の架橋剤として、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等の多官能アジリジン化合物;例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム及びジルコニウムなどの多価金属と、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルとの配位化合物などの金属キレートが挙げられる。
架橋剤の含有量は、所望とする粘着物性に応じて適宜選択することが好ましい。通常は、本発明の粘着剤組成物(溶媒を除く)の0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上であることがより好ましく、また、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.25質量%以下であることがさらに好ましい。
〔可塑剤〕
本発明の粘着剤組成物は、凹凸追従性をより高める目的で可塑剤を含んでもよい。可塑剤としては特に、無官能性アクリル重合体が好ましい。「無官能性アクリル重合体」とは、アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位のみからなる重合体、又はアクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位と官能基を有しない非アクリル単量体単位とからなる重合体を意味する。「単量体単位」は重合体を構成する繰り返し単位を意味する。「アクリル単量体」は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基またはメタクリロイル基であることを示す。
官能基を有しないアクリル単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基の水素原子を炭化水素基で置換した(メタ)アクリル酸エステル単位が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は1〜18が好ましく、1〜8がより好ましい。
該(メタ)アクリル酸エステルとして具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
官能基を有しない非アクリル単量体としては、例えば、重合性エチレン基を有する無官能性単量体が挙げられる。該単量体の重合性エチレン基以外の原子団の炭素数は0〜18が好ましく、0〜8がより好ましい。
官能基を有しない非アクリル単量体単位としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル類やスチレンが挙げられる。
無官能性アクリル重合体における、アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位の含有量は70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましい。
〔単量体〕
単量体は、重合性不飽和基を少なくとも1つ有するものである。単量体を含有する場合、本発明の粘着剤組成物を熱硬化させたとき、熱硬化物の粘着剤層は半硬化状態であって、活性エネルギー線硬化性を有している。
重合性不飽和基としては、エチレン性二重結合を含む基が好ましく、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。なかでも(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
単量体としては、25℃における蒸気圧が300Pa以下であるものが好ましい。これにより、塗工適性が向上し、塗工、熱硬化させた際に、溶剤を選択的に蒸発させつつ塗工欠陥の少ない粘着剤層が形成できる。
単量体の25℃における蒸気圧は、200Pa以下がより好ましく、100Pa以下がさらに好ましい。該蒸気圧の下限は、塗工適性の点では特に限定されない。
単量体の蒸気圧は、JIS−K2258「原油及び燃料油−蒸気圧試験方法−リード法」などにより測定でき、また、例えばhttp://www.chemspider.com/といったWebサイトやACD/PhysChem Suiteといったソフトウェアにより予測値を求めることができる。
単量体は、さらに、融点が25℃以下であることが好ましい。これにより、形成される粘着剤層の透明性(ヘーズ等)などが向上する。
単量体の融点は、20℃以下がより好ましく、15℃以下がさらに好ましい。該融点の下限は、特に限定されない。
単量体の融点は、JIS K 0064:1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」などにより測定できる。
25℃における蒸気圧が300Pa以下である単官能単量体としては、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの中でも、融点が25℃以下である、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルから選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
単量体は、さらに、重合性不飽和基を2つ以上有する多官能単量体を含有してもよい。
多官能単量体としては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類,メタクリル酸ビニル等が挙げられる。
単量体は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の粘着剤組成物中、単量体の含有量は、架橋性アクリル重合体の組成や分子量、架橋密度等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、架橋性アクリル重合体100質量部に対し、5〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。単量体の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、凹凸追従性の変形・歪み防止性能に優れ、前記範囲の上限値以下であれば、加工性に優れる。
〔その他の任意成分〕
粘着剤組成物は、任意に、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分、例えば酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤,充填剤、イオン性液体などのなかから必要に応じて選択できる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、粘着剤の相溶性や効果の高さから、ベンゾリアゾール系樹脂が好ましい。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
イオン性液体としては、例えば、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩等のイオン性液体などが挙げられる。
〔端部材料(B)〕
端部材料(B)33の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率は、粘着層(A)32の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率よりも高い。具体的には、35000Pa以上であることが好ましく、45000Pa以上であることがさらに好ましい。端部材料(B)33の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が前記下限値以上であれば、粘着層(A)32と比べ充分に硬く、粘着層の薄化を防ぐことができる。
また、端部材料(B)33の80℃かつ1Hzにおける損失正切は,粘着層(A)32の80℃かつ1Hzにおける損失正切よりも低い。具体的には0.4より小さいことが好ましく、0.39より小さいことがさらに好ましい。
端部材料(B)33は、例えば粘着剤組成物であってもよいし、フィルム、ナーリング加工などによる凸部でもよい。粘着剤組成物としてはベースポリマーを含有する活性エネルギー線硬化性または熱硬化性の粘着剤組成物が用いられている。貯蔵剪断弾性率を前記下限値以上にするためには、熱硬化性の粘着剤組成物においては架橋剤の増配、活性エネルギー線硬化性の粘着剤組成物においては活性エネルギー線の照射による硬化等の方法が挙げられる。
〔端部材料(B)の配置方法〕
端部材料(B)33は、本発明の粘着シート31の少なくとも一方の幅方向端部に形成される。粘着シート31に端部材料(B)33を形成する方法には次のような方法がある。
1.別に用意したテープを挟み込む(配置):別に用意した端部材料(B)33を粘着シート31の製造時に粘着シート31の少なくとも一方の幅方向端部に配置しつつ粘着シート巻取体11を得る方法である。
2.活性エネルギー線の照射(粘着剤組成物の硬化):粘着層(A)32を形成する粘着剤組成物が活性エネルギー線の照射によって硬化する組成物である場合には,粘着層(A)32の少なくとも一方の幅方向端部をスポットUV照射装置(ウシオ電機株式会社製「スポットキュアシリーズ」など)により硬化して端部材料(B)33を得る方法がある。
〔粘着シート〕
本発明の粘着シート31は、基材34上に粘着層(A)32と端部材料(B)33とを備えるものである。
粘着層(A)32の厚みは、用途等に応じて適宜設定でき特に限定されないが、通常10〜500μmの範囲内であり、20〜350μmが特に好ましい。粘着層(A)32の厚さが前記上限値以下であると両面粘着シートを容易に製造できる。後述するが、端部材料(B)33の厚みTは粘着層(A)32とほぼ等しいことが好ましい。
基材34としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロース等のプラスチックフィルム;反射防止フィルム、電磁波遮蔽フィルム等の光学フィルム;等が挙げられる。
基材34はセパレーターであってもよい。基材34をセパレーターとすることで、両面粘着シートを容易に製造できる。粘着層(A)32の基材34と接する面の反対側の面にセパレーターを積層してもよい。
なお、両面粘着シートにおいて粘着層(A)32の両面にセパレーターを用いる場合は、剥離しやすくするために、基材34としてのセパレーターと、粘着層(A)32の基材と接する面の反対側の面に積層されたセパレーターとでそれぞれ剥離性が異なることが好ましい。つまり、一方からの剥離性と他方からの剥離性とが異なると、剥離性が高い方のセパレーターだけを先に剥離することが容易となる。その場合、貼合方法や貼合順序に応じて一方のセパレーターと他方のセパレーターの剥離性を調整すればよい。
セパレーターは少なくとも片面に離型性を有するフィルムである。セパレーターとしては、セパレーター用基材と該剥離フィルム用基材の片面に設けられた剥離剤層とを有する剥離性積層フィルム、あるいは、低極性基材としてポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
剥離性積層フィルムにおける剥離フィルム用基材としては、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−4527、SD−7220等や、信越化学工業(株)製のKS−3600、KS−774、X62−2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO2単位と(CH3)3SiO1/2単位あるいはCH2=CH(CH3)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−843、SD−7292、SHR−1404等や、信越化学工業(株)製のKS−3800、X92−183等が挙げられる。
両面粘着シートは、例えば、基材34としてセパレーターを使用し、セパレーター上に粘着層(A)32を形成する粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成し、該塗膜を加熱して硬化物とすることにより得られる。塗膜の加熱により、架橋性アクリル重合体および架橋剤の反応が進行して硬化物(粘着層(A)32)が形成される。
また該粘着剤組成物が活性エネルギー線硬化性の場合は、活性エネルギー線の照射により,重合反応が進行して硬化物(粘着層(A)32)が形成される。
粘着剤組成物の塗工は、公知の塗工装置を用いて実施できる。塗工装置としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
塗膜の加熱は、加熱炉、赤外線ランプ等の公知の加熱装置を用いて実施できる。
〔粘着シート及び粘着シート巻取体〕
図1に示すように、本発明の粘着シート巻取体11は、芯材21と、芯材表面22に巻付けられる粘着シート31とを備えている。芯材21は、繊維強化プラスチック(FRP)やABSプラスチックコア等により横円筒状に形成され、その横断面における外周の長さが1m未満である。基材34はポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の合成樹脂材料により形成され、液晶ディスプレイや液晶カラーテレビ等の光学用途に用いられる他に、塗布フィルムや印刷フィルム等のベースフィルムとして用いられる。ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等が挙げられる。粘着シート31は、その長さ方向(長手方向)の長さが50〜15000m、幅方向(短手方向)の長さが50〜2000mm及び厚みが30〜500μmである。
粘着シート31の幅方向端部の少なくとも一方には端部材料(B)33が形成されている。
端部材料(B)33は、層状に巻回された粘着シート31において、巻取の半径方向応力を集中して受ける。端部材料(B)33は,粘着シート31の長さ方向に対して平行方向に延びるように形成されている。
図1に示すように、粘着シート31の長さ方向における長さLは、芯材表面22を1周以上巻回される長さに設定されている。ここで、「1周以上巻回される長さ」の概念は、2周や3周等の整数周巻回される長さだけでなく、1.5周等の小数点以下複数桁を含む周巻回される長さをも含む。前記長さLは、芯材表面22を複数周にわたって巻回される長さに設定されているのが好ましい。
端部材料(B)33の幅方向の長さWは5mm以上が好ましく、5〜10mmがより好ましい。前記幅Wが5mm未満では、端部材料(B)33が過剰に狭いために巻取の半径方向応力を集中して受けるのが困難になるおそれが高い。また、10mmを超えると粘着シート31の製造コストが嵩むおそれが高い。端部材料(B)33と粘着シート31の幅方向の端縁との距離Rは10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。前記距離Rが10mmを超えると、基材31にフリルと呼ばれる大きな撓みが発生するおそれが高い。
端部材料(B)33の厚みTは,粘着層(A)32とほぼ等しいことが好ましい。具体的には粘着剤層(A)0.9〜1.1倍が好ましく、0.95〜1.05倍がより好ましい。端部材料(B)33の厚みTが前記範囲未満では、巻取保存中の粘着層(A)32の薄化を防止できない虞が高く,逆に前記範囲を超えると基材と粘着シート31間に空気が入り,外観不良となる虞が高い。
〔部材貼合用粘着シート〕
本発明の粘着シート31自体を部材貼合に用いることもできるが、本発明の粘着シート31または粘着シート巻取体11から打ち抜き加工やスリット加工等によって端部材料(B)33を除去することによって、部材貼合用粘着シートを得ることができる。
本発明の部材貼合用粘着シートは、後述するように、部材との貼合用として用いられる。部材貼合用粘着シートは、部材との貼合前に粘着シート巻取体11の状態で保存されているので、粘着層(A)32の厚み変化が少なく、部材との貼合時において貼合圧力不足に伴って生じる貼合不良や印刷段差における凹凸追従性不足による気泡の発生などといった問題が起こりにくい。
〔貼合対象物となる部材〕
本発明の粘着シート31または部材貼合用粘着シートを用いて貼合する部材は、特に制限されない。例えば、ガラスやフィルムなどを挙げることができる。本発明の粘着シート31または部材貼合用粘着シートを用いれば、ヘイズが低くて透明性が高い粘着を実現することができるため、表示装置の表面保護板やタッチパネルモジュールの粘着、表面保護板と画像表示モジュール、あるいはタッチパネルモジュールと画像表示モジュールの粘着に好ましく用いることができる。
さらに、本発明の粘着シート31または部材貼合用粘着シートは、凹凸追従性に優れているため、段差を有する部材の貼合に好適である。
〔積層体〕
本発明の粘着シート31または部材貼合用粘着シートが両面粘着シートである場合は、2つの光学部材を貼合し、積層体を作製することができる。光学部材とは、タッチパネルや画像表示装置等の光学製品における各構成部材である。タッチパネルの構成部材としては、例えば透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、耐指紋性フィルムなどが挙げられる。画像表示装置の構成部材としては、例えば液晶表示装置に用いられる反射防止フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。
これらの部材に用いられる材料としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、セルロースアシレートなどが挙げられる。
両面粘着シートによって一対の光学部材を貼合する例としては、タッチパネルの内部におけるITOフィルム同士の貼合、ITOフィルムとITOガラスとの貼合、タッチパネルのITOフィルムと液晶パネルとの貼合、カバーガラスとITOフィルムとの貼合、カバーガラスと加飾フィルムとの貼合などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(粘着層(A)の塗剤調製)
架橋性アクリル樹脂は酢酸エチル中での溶液重合により作製した。2−ヒドロキシエチルアクリレートモノマー及びn−ブチルアクリレートモノマーを質量比で1:3となるように配合し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱してランダム共重合させアクリル酸エステル共重合体を得た。この共重合体の35%溶液の23℃における溶液粘度は5500mPa・sであった。
得られた架橋性アクリル樹脂100質量部に対し、架橋剤としてトリレンジイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)を0.02質量部添加し,濃度が30質量%になるように酢酸エチルで希釈して塗剤を得た。
(端部材料(B)の塗剤調製)
前記の架橋性アクリル樹脂100質量部に対して、架橋剤としてトリレンジイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)を0.4質量部添加し,濃度が30質量%になるように酢酸エチルで希釈して塗剤を得た。
(両面粘着シートの作製)
上記塗剤を、第1の剥離フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム)上へ、ヨシミツ精機株式会社製ドクターブレードYD型を用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工した。その後、熱風乾燥機にて100℃で3分間乾燥させて溶剤を除去して粘着剤層を得た。
また,端部材料(B)の塗剤を、第1の剥離フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム)上へ、ヨシミツ精機株式会社製ドクターブレードYD型を用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工した。その後、熱風乾燥機にて100℃で3分間乾燥させて溶剤を除去して端部材料(B)を得た。
得られた端部材料(B)を幅5mmに切り取り,粘着剤層の端部へ配置した。
この粘着層(A)および端部材料(B)に、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に第1の剥離フィルムより剥離性の高い離型処理が施された第2の剥離フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製)を貼り合わせ、両面粘着シートを得た。
〔実施例2〕
(粘着層(A)の塗剤調製)
実施例1で示した粘着層(A)塗剤において,架橋性アクリル樹脂100質量部に対して、可塑剤として無官能性アクリル重合体を30質量部、架橋剤としてトリレンジイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)を0.2質量部添加した他は同様にして,粘着層(A)の塗剤を得た。
(端部材料(B)の塗剤調製)
実施例1と同様にして端部材料(B)の塗剤を得た。
(両面粘着シートの作製)
実施例1と同様にして両面粘着シートを得た。
〔実施例3〕
(粘着層(A)の塗剤調製)
実施例1で得られた架橋性アクリル樹脂100質量部に対して、単量体としてイソボルニルアクリレートを50質量部およびトリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM−360)を30質量部、架橋剤としてトリレンジイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)を0.1質量部、重合開始剤(D)として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASFジャパン(株)、IRGACURE184)を2質量部添加し、濃度が40質量%になるように酢酸エチルで希釈して塗剤を得た。
(端部材料(B)の塗剤調製)
実施例1と同様にして端部材料(B)の塗剤を得た。
(両面粘着シートの作製)
実施例1と同様にして両面粘着シートを得た。
〔実施例4〕
(粘着層(A)の塗剤調製)
実施例3と同様にして塗剤を得た。
(両面粘着シートの作製)
上記塗剤を、第1の剥離フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム)上へ、ヨシミツ精機株式会社製ドクターブレードYD型を用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工した。その後、熱風乾燥機にて100℃で3分間乾燥させて溶剤を除去して粘着剤層を得た。
この粘着剤層に、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に第1の剥離フィルムより剥離性の高い離型処理が施された第2の剥離フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製)を貼り合わせ、両面粘着シートを得た。
得られたこの両面粘着シートの端部5mmのみをウシオ電機株式会社製のスポットUV照射装置を用いて硬化させ,端部材料(B)とした。
〔比較例1〕
端部材料(B)を配置しないほかは実施例1と同様にして両面粘着シートを得た。
〔比較例2〕
端部材料(B)を配置しないほかは実施例2と同様にして両面粘着シートを得た。
〔比較例3〕
端部材料(B)を配置しないほかは実施例3と同様にして両面粘着シートを得た。
〔比較例4〕
端部材料(B)を実施例3における粘着層(A)の塗剤と同じとしたほかは実施例2と同様にして両面粘着シートを得た。
〔評価方法〕
(粘着層(A)の薄化)
作製した試験片の上に200g/cm2となるように重りを乗せ、40度の雰囲気下にて72時間放置後に評価した。試験前後の厚みの差分を試験前の厚みで除して100倍した数値を指標とした。
これは半径方向に作用する半径方向応力に対応している。一般的な巻取における半径方向応力は0.2MPa付近にあるが、本実施例では比較的弱い応力を想定して評価した。
(動的粘弾性)
作製した粘着層(A)または端部材料(B)の貯蔵剪断弾性率および損失正切は株式会社ユービーエム製のRheogel-E4000を用いて測定した。
(凹凸追従性試験)
以下の手順にしたがって凹凸追従性試験用のサンプルをそれぞれ作製した。
高低差が20μmの凹凸が形成されるようにガラス(厚み約0.9mm)の片面に印刷を施して、凹凸付きガラスを得た。実施例および比較例によって作製された両面粘着シートの第2の剥離フィルムを剥離して露出した粘着剤層(A)へ凹凸のないポリエチレンテレフタレート(厚み100μm)を貼着し、続いて第1の剥離フィルムを剥離して露出した粘着剤層(A)へ凹凸付きガラスの凹凸面を圧着ローラーによって貼合わせた。
得られた積層体を加圧脱泡装置(株式会社栗原製作所製:YK−350S)によって40℃雰囲気下で圧力0.5MPaを30分間処理した。その後、凹凸付きガラスの密着の程度を、マイクロスコープ(倍率:25倍)を用いて気泡の発生状況を観察することにより、以下の基準で評価した。
○:気泡が全くないもしくは微小な気泡が1〜2個
△:気泡がある
×:気泡が多量にある
Figure 2014185251
実施例1〜4、比較例1〜4の全てにおいて凹凸追従性の結果は良かった。しかし、比較例1〜4では粘着層(A)の薄化が起こり、いずれも厚みが1%以上減少した。一方で、実施例1〜4では粘着層(A)の厚みは0〜約0.5%にとどまり、本発明の粘着シートが粘着層(A)の薄化に効果があることが判明した。
11・・・粘着シート巻取体
21・・・芯材
22・・・芯材表面
31・・・粘着シート
32・・・粘着層(A)
33・・・端部材料(B)
34・・・基材
L・・・・粘着シートの長さ方向における長さ
R・・・・粘着シートの幅方向の端縁と端部材料(B)との距離
T・・・・端部材料(B)の厚み
W・・・・端部材料(B)の幅
本発明の粘着シート、粘着シート巻取体及び積層体は、保存安定性に優れることから光学部材の貼合、例えばタッチパネルモジュールの製造に有用である。

Claims (9)

  1. 基材上に、80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が35000Paより小さい粘着層(A)と、端部材料(B)を形成した粘着シートであって、前記端部材料(B)が前記粘着シートの少なくとも一方の幅方向端部に形成され、前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が前記粘着層(A)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率よりも高いことを特徴とする、粘着シート。
  2. 前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける貯蔵剪断弾性率が35000Pa以上であることを特徴とする、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着層(A)の80℃かつ1Hzにおける損失正切が0.4以上であって,前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける損失正切が前記粘着層(A)の80℃かつ1Hzにおける損失正切よりも低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着シート。
  4. 前記端部材料(B)の80℃かつ1Hzにおける損失正切が,0.4より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. 前記端部材料(B)の幅方向の長さが5〜10mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
  6. 前記基材がセパレーターであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の粘着シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シートから、端部材料(B)を除去した部材貼合用粘着シート。
  8. 芯材に、請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シートを巻き付けた、粘着シート巻取体。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の粘着シートを介して一対の光学部材を貼合させてなる積層体。
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