JP2014190244A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクロール型圧縮機において、簡素な構成で、ブッシュの偏心孔へと冷媒を確実に流通させ円滑に潤滑する。
【解決手段】スクロール型圧縮機10は、可動スクロール20の背面側に形成された円形凹部86にブッシュ90が回転自在に収納され、該ブッシュ90には、回転シャフト102に対して偏心した偏心孔126にクランクピン114が挿通されると共に、その端部には溝部116を介して係止リング118が装着される。ブッシュ90における本体部122の他端面には、偏心孔126と隣接し軸方向に窪んだ窪み部128と、該窪み部128内に設けられ突出した突起部130とを有し、係止リング118の開口部120が前記突起部130に係合される。この窪み部128は、回転シャフト102の軸心Pと偏心孔126の内周面とを通る2つの接線L1、L2と前記内周面とで囲まれた領域Sを含むように形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、固定スクロールに対して可動スクロールを旋回させることによりハウジングの内部において冷媒を圧縮するスクロール型圧縮機に関する。
従来から、固定板と該固定板に直立した渦巻状の固定壁を有する固定スクロールと、可動板と該可動板に直立した渦巻状の可動壁を前記固定壁に噛み合わせるように配置した可動スクロールとをハウジングの内部に備え、偏心するクランクピンを介して前記可動スクロールを旋回させることにより、固定スクロールの固定壁及び可動スクロールの可動壁と固定板及び可動板との間に形成される圧縮室で冷媒を圧縮させるスクロール型圧縮機が知られている。
このようなスクロール型圧縮機では、特許文献1に開示されているように、駆動軸に接続され該駆動軸に対して径方向に偏心した偏心ブッシュを有し、前記偏心ブッシュは可動スクロールのボス部に挿入されると共に、偏心ピンの挿入されるピン挿入孔と、前記偏心ブッシュの延在方向に対して傾斜した貫通孔とを備える。そして、駆動軸と共に前記偏心ブッシュが回転することで、貫通孔の内部に導入された冷媒が遠心力によって径方向外側へと移動し、前記偏心ブッシュの端部側へと流通することで前記冷媒に含まれる潤滑油によってボス部内の潤滑が行われる。
特開平7−35063号公報
しかしながら、上述した特許文献1に係るスクロール型圧縮機では、貫通孔から導出される冷媒は、偏心ブッシュの端部とボス部との間の隙間を流路として強制的に流通することとなるため、該隙間から偏心ピンとピン挿入孔との間へと冷媒が流入しにくく十分な潤滑を行うことができないという問題がある。
また、偏心ブッシュに形成される貫通孔は、該偏心ブッシュの軸線に対して傾斜して形成されているため、例えば、前記貫通孔を切削加工等によって形成する際の製造性が悪く、製造工数及び製造コストの増加を招くこととなる。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、簡素な構成で、ブッシュの偏心孔へと冷媒を確実に流通させ円滑に潤滑することが可能なスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、固定スクロールと、該固定スクロールと噛み合わされる可動スクロールと、前記可動スクロールのボス部に回転自在に支持されたブッシュとを有し、前記ブッシュに形成された偏心孔に、回転シャフトに連結され偏心した駆動ピンが挿通され、該駆動ピンの先端に係合された係止リングによって抜け止めが営まれるスクロール型圧縮機において、
前記ブッシュの軸方向に沿った端部には、前記係止リングの当接する当接面に対して前記軸方向に窪んだ窪み部が形成され、該窪み部は、前記回転シャフトの軸中心と前記偏心孔の内周面とを結ぶ2本の接線で囲まれた領域と少なくとも一部が重複するように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、可動スクロールのボス部に回転自在に支持されたブッシュを有したスクロール型圧縮機において、前記ブッシュに形成された偏心孔に、回転シャフトに対して偏心した駆動ピンが挿通され、該駆動ピンの先端に係合された係止リングによって前記ブッシュに対する抜け止めが営まれ、前記ブッシュの軸方向に沿った端部には、前記係止リングの当接する当接面に対して前記軸方向に窪んだ窪み部が形成され、該窪み部は、前記回転シャフトの軸中心と前記偏心孔の内周面とを結ぶ2本の接線で囲まれた領域と少なくとも一部が重複するように形成される。
従って、回転シャフトと共にブッシュが回転した際、冷媒及び該冷媒に含有される潤滑油が、遠心力によって窪み部から半径外方向へと放射状に移動し、偏心孔の内部へと円滑且つ効率的に送り込まれる。その結果、簡素な構成で、駆動ピンと偏心孔との間に導入された冷媒や潤滑油によって確実に潤滑を行うことが可能となる。
また、偏心孔は、ブッシュの本体部の軸方向と略平行に形成されているため、その加工が容易であり、該軸方向に対して傾斜した貫通孔を有した従来技術に係るスクロール型圧縮機と比較し、その製造コスト及び製造工数の削減を図ることが可能となる。
さらに、窪み部の開口端部と偏心孔の開口端部とを隣接して配置し、駆動ピンの側面の一部を前記窪み部内に露呈するように設けることにより、前記窪み部内の冷媒や潤滑油を隣接した前記偏心孔へと効率的に供給することが可能となり、しかも、前記駆動ピンの側面を伝って該側面と前記偏心孔との間の隙間へ冷媒や潤滑油を効率よく供給することができる。
さらに、係止リングの一部を、窪み部の開口端部に対して突出して設けることにより、前記窪み部内で冷媒から分離した潤滑油を前記係止リングに付着させ、その表面を伝って偏心孔へと好適に導くことができる。
さらにまた、窪み部の開口面積を、偏心孔の開口断面積よりも大きくすることにより、多くの冷媒や潤滑油を蓄えて前記偏心孔へと供給することが可能となる。
またさらに、ブッシュにおいて、窪み部の表面粗さを係止リングの当接する当接面の表面粗さより大きくすることにより、冷媒から分離した潤滑油を前記窪み部の表面に好適に付着させることができ、液体状態となった前記潤滑油を前記窪み部から偏心孔へと効率良く供給することができる。
また、窪み部又は該窪み部と隣接する位置に、係止リングの開口部と係合し、その回転変位を規制する突起部を設けることにより、前記突起部に接触した前記係止リングの開口部を介して前記窪み部及び前記突起部に付着した潤滑油を効果的に取り込んで偏心孔へと送り込むことができる。
さらに、突起部の表面粗さを、窪み部の表面粗さと同じとすることにより、前記突起部の表面粗さが係止リングの当接面の表面粗さより大きくなるため、冷媒から分離した潤滑油を前記突起部の表面に好適に付着させることができ、液体状態となった前記潤滑油を前記突起部から係止リングを経て前記偏心孔へと効率良く供給することができる。
さらにまた、ブッシュは、窪み部及び突起部を素材面で形成すると共に、該突起部を前記係止リングが当接する当接面及び前記窪み部から突出するように形成することにより、素材面のままとした前記窪み部及び突起部によって冷媒の蓄え、係止リングの回り止め機能を満たしつつ、該窪み部及び突起部に加工を行う場合と比較して製造コスト及び製造工数の削減を図ることが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、ブッシュの軸方向に沿った端部に、係止リングの当接する当接面に対して前記軸方向に窪んだ窪み部を形成し、該窪み部を回転シャフトの軸中心と前記偏心孔の内周面とを結ぶ2本の接線で囲まれた領域と少なくとも一部が重複するように形成することにより、前記回転シャフトと共にブッシュが回転した際、冷媒及び該冷媒に含有される潤滑油を、遠心力によって窪み部から半径外方向へと放射状に移動させ、偏心孔の内部へと円滑且つ効率的に供給することができる。その結果、簡素な構成で、駆動ピンと偏心孔との間に導入された冷媒等によって確実に潤滑を行うことができる。
本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機の全体断面図である。 図1のスクロール型圧縮機におけるブッシュの外観斜視図である。 図1のスクロール型圧縮機におけるブッシュの拡大正面図である。
本発明に係るスクロール型圧縮機について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機を示す。
このスクロール型圧縮機10は、図1に示されるように、蓋状に形成されたフロントハウジング12と、カップ状に形成されたリアハウジング14とを含み、前記リアハウジング14の外周側には、例えば、冷媒等からなるガスを内部へと導入する吸入ポート16と、前記リアハウジング14の内部で圧縮された圧縮ガスが導出される吐出ポート(図示せず)とが形成される。そして、リアハウジング14の内部には、その開口した一端部側(矢印A方向)から固定スクロール18と、該固定スクロール18に対して旋回する可動スクロール20が挿入される。
フロントハウジング12は、その一端部に形成され後述する駆動部100の回転シャフト102を支持する円筒部22と、該円筒部22に対して拡径しリアハウジング14に連結される連結部24とを有する。
リアハウジング14は、例えば、有底筒状に形成され、その開口した一端部側(矢印A方向)に形成される大径部26と、該大径部26に対して他端部側(矢印B方向)に形成され縮径した小径部28と、該小径部28に隣接して他端部に形成されたガス吐出室30とを有する。なお、ガス吐出室30は、図示しない吐出ポートと連通している。
大径部26は、例えば、軸方向(矢印A、B方向)に沿って略一定径となる内周面を有し、その先端部には前記フロントハウジング12の連結部24が当接すると共に、第1ロケート孔32を介して第1ロケートピン34が嵌合される。そして、リアハウジング14に第1ロケートピン34の一端部が圧入された状態で、第1ロケートピン34の他端部をフロントハウジング12の連結部24に形成された第1嵌合孔36に嵌合させることで、リアハウジング14に対するフロントハウジング12の周方向への位置決めがなされる。この位置決めされた状態で、フロントハウジング12とリアハウジング14とが第1締結ボルト38によって互いに連結される。
一方、大径部26に形成される外周面には、内周側に向かって貫通した吸入ポート16が形成され、固定スクロール18の固定側渦巻壁48との間に形成されたガス吸入室40へガスが導入される。
小径部28は、大径部26の内周径に対して小径で軸方向(矢印A、B方向)に沿って延在した内周面を有し、前記軸方向に沿って所定深さで形成される。すなわち、大径部26と小径部28とは、その内周面が径方向に段差を有した段付状に形成される。
また、リアハウジング14には、ガス吐出室30の外周側となる位置に、該リアハウジング14の軸方向に延在する第2ロケート孔42が形成され、該第2ロケート孔42は大径部26側に向かって開口している。そして、第2ロケート孔42には第2ロケートピン44の一端部が圧入され、その他端部側が大径部26側に向かって突出する。
固定スクロール18は、固定側基板部46と、該固定側基板部46から可動スクロール20側(矢印A方向)に立設して渦巻状に形成される固定側渦巻壁48とを有する。固定側基板部46は、例えば、所定厚さを有した円盤状に形成され、その略中心部には後述するガス圧縮室99からガス吐出室30へと連通する圧縮ガス導出孔50が軸方向(矢印A、B方向)に貫通するように形成されると共に、リアハウジング14の大径部26の内部に収納される。
固定側基板部46の背面には、軸方向(矢印B方向)に沿って所定高さで突出し、該固定側基板部46の外縁部よりも小径な嵌挿部52が形成され、前記嵌挿部52がリアハウジング14の小径部28に挿入されると共に、その端面がリアハウジング14の内壁面に当接する。
また、嵌挿部52の端面には、リアハウジング14側(矢印B方向)に向かって開口した第2嵌合孔54が形成され、該リアハウジング14の第2ロケート孔42に圧入された第2ロケートピン44の他端部が嵌合される。これにより、リアハウジング14に対する固定スクロール18の周方向への位置決めがなされ、この位置決めされた状態で、リアハウジング14の他端側からボルト孔56へと挿通された複数の第2締結ボルト58が、嵌挿部52のねじ穴60に螺合されることで互いに連結される。
この嵌挿部52の中央には、該嵌挿部52の端面から固定側基板部46側(矢印A方向)に向かって窪んだ凹部62が形成され、前記凹部62及び固定側基板部46を貫通するように圧縮ガス導出孔50が形成される。この凹部62は、リアハウジング14のガス吐出室30に臨むように設けられ、その内部には、圧縮ガス導出孔50を閉塞する一方、ガス圧縮室99において圧縮された圧縮ガスが所定圧となった際に、開動作してガス吐出室30へ該圧縮ガスを導出する吐出弁64が設けられる。
さらに、嵌挿部52の外周面には、軸方向(矢印A、B方向)に沿った略中央近傍に環状溝が形成され、該環状溝に環状のシールリング66が装着される。このシールリング66は、例えば、ゴム等の弾性材料から断面円形状に形成され、環状溝において外周面から半径外方向に突出するように装着され、リアハウジング14における小径部28の内周面に当接する。これにより、固定スクロール18の嵌挿部52とリアハウジング14の小径部28との間を通じた流体の流通が遮断され、例えば、ガス吐出室30へ吐出された圧縮ガスが固定スクロール18側へと漏出することが防止される。
一方、図1に示されるように、可動スクロール20に臨む固定側基板部46の表面には、圧縮ガス導出孔50を有した中心部から外端部側に向かって所定範囲に形成された第1固定側底面部68と、前記第1固定側底面部68に対して前記固定側渦巻壁48に沿った外端部側に形成された第2固定側底面部70とを備える。第2固定側底面部70は、第1固定側底面部68に対して背面側(矢印B方向)に所定高さだけ窪んで形成され、前記第1固定側底面部68と前記第2固定側底面部70とは、固定スクロール18の軸方向と直交する方向に延在し、互いに略平行に形成される。
固定側渦巻壁48は、固定側基板部46の中心部から半径外方向に向かって徐々に拡径するように渦巻状に形成され、前記中心部となる圧縮ガス導出孔50側に形成された第1固定側壁部72と、該第1固定側壁部72と連続し外端部側に形成された第2固定側壁部74とを有する。第2固定側壁部74は、第1固定側壁部72に対して固定側基板部46に対する高さが高く形成される。また、第1及び第2固定側壁部72、74の上端部にはそれぞれチップシール76aが装着され、可動スクロール20に組み付けられた際に、可動側基板部78に摺接することで後述するガス圧縮室99の気密を保持する。
可動スクロール20は、図1に示されるように、可動側基板部78と、該可動側基板部78から固定スクロール18側(矢印B方向)へと立設して渦巻状に形成され、前記固定側渦巻壁48に噛み合う可動側渦巻壁80とを有する。
可動側基板部78は、例えば、所定厚さを有した円盤状に形成され、固定スクロール18に臨む表面には、中心部から外端部側に向かって所定範囲に形成された第1可動側底面部82と、前記第1可動側底面部82に対して前記可動側渦巻壁80に沿った外端部側に形成された第2可動側底面部84とを備える。第2可動側底面部84は、第1可動側底面部82に対して固定スクロール18から離間する方向(矢印A方向)に所定高さだけ窪んで形成され、前記第1可動側底面部82と前記第2可動側底面部84とは、可動スクロール20の軸方向と直交する方向に延在し、互いに略平行に形成される。
すなわち、可動側基板部78の表面は、中心部側に形成された第1可動側底面部82と外端部側に形成された第2可動側底面部84とによって軸方向(矢印A、B方向)において段付状に形成される。換言すれば、可動側基板部78において、背面からの高さは、第1可動側底面部82が高く、第2可動側底面部84が低く形成される。
また、可動側基板部78には、その背面側(矢印A方向)に開口した円形凹部(ボス部)86が中央部に形成され、その内部には、旋回軸受88を介して回転可能にブッシュ90が嵌挿される。
さらに、可動側基板部78の背面側(矢印A方向)には、該可動スクロール20を径方向にのみ往復変位可能とする一対の係合凹部92が形成され、該係合凹部92には、可動スクロール20の自転を規制し、且つ、該可動スクロール20の旋回を許容するオルダムリング94が摺動可能に係合される。
可動側渦巻壁80は、可動側基板部78の中心部から半径外方向に向かって徐々に拡径するように渦巻状に形成され、前記中心部側に形成された第1可動側壁部96と、該第1可動側壁部96と連続し外端部側に形成された第2可動側壁部98とを有する。第2可動側壁部98は、第1可動側壁部96に対して可動側基板部78に対する高さが高く形成される。すなわち、可動側渦巻壁80は、第1可動側壁部96及び第2可動側壁部98から段付状に形成される。
また、第1及び第2可動側壁部96、98の上端部にはそれぞれチップシール76bが装着され、固定スクロール18に対して組み付けられた際に、固定側基板部46に摺接することで後述するガス圧縮室99の気密を保持する。
そして、リアハウジング14内において、可動側渦巻壁80が固定スクロール18側(矢印B方向)となるように配置され、前記固定スクロール18を構成する固定側基板部46及び固定側渦巻壁48と、可動スクロール20を構成する可動側基板部78及び可動側渦巻壁80とによってガス圧縮室99が形成される。
駆動部100は、図1に示されるように、回転シャフト102と、該回転シャフト102の端部に連結されたブッシュ90と、前記回転シャフト102を回転自在に支持する第1及び第2軸受104、106と、前記ブッシュ90を回転自在に支持する旋回軸受88とを備える。回転シャフト102は、その一端である軸部108がフロントハウジング12の円筒部22に挿入され、第1軸受104を介して回転自在に支持される。
回転シャフト102は、略一定径の軸部108と、該軸部108の端部に設けられ拡径した支持体110とを有し、前記軸部108がフロントハウジング12の一端側(矢印A方向)、前記支持体110が固定スクロール18側となる前記フロントハウジング12の他端側(矢印B方向)となるように配置される。そして、軸部108は、フロントハウジング12の一端部から所定長さだけ突出してプーリ(図示せず)が装着される。また、フロントハウジング12の円筒部22は、軸部108の外周側とフロントハウジング12との間に装着されるカバー部材112によって閉塞される。
支持体110の端面には、可動スクロール20側(矢印B方向)に突出し、前記支持体110の軸心に対して偏心したクランクピン(駆動ピン)114が設けられている。そして、クランクピン114は、後述するブッシュ90の偏心孔126に挿入され、その端部に形成された溝部116に係止リング118が装着されることにより、前記ブッシュ90のクランクピン114に対する抜け止めがなされる。係止リング118は、その一部が径方向に開口した円環状に形成され、開口部120を介してクランクピン114の外周側から溝部116へと挿入され係合される。
ブッシュ90は、図1〜図3に示されるように、例えば、軸方向に所定長さを有した円盤状の本体部122と、該本体部122の外周面から半径外方向に延在したバランスウェイト部124とを有し、例えば、金属製材料で鋳造成形又は鍛造成形によって形成される。
この本体部122には、中心から半径外方向に偏心した位置に偏心孔126が形成され、前記偏心孔126は、略一定径で本体部122の軸線と略平行で、該本体部122の一端部から他端部まで貫通している。そして、偏心孔126には、駆動部100側(矢印A方向)となる一端面側からクランクピン114が挿入される。
また、本体部122の軸方向に沿った他端面には、偏心孔126に隣接して形成され一端面側(矢印A方向)へと窪んだ窪み部(凹部)128と、該窪み部128の内部に形成された突起部130とが設けられる。この窪み部128は、図3に示されるように、例えば、偏心孔126から離間する方向に徐々に幅広状となる断面略扇状に形成され、回転シャフト102における軸部108の軸心Pと前記偏心孔126の内周面とを結ぶ2本の接線L1、L2と、該内周面とで囲まれる領域Sを少なくとも含むように形成されると共に、前記偏心孔126に挿通されたクランクピン114の外周面(側面)の一部が前記窪み部128内に露呈している。さらに、窪み部128は、その開口面積が偏心孔126の開口断面積より大きく形成される(図3参照)。
そして、本体部122の外周側には、円筒状のガイド部材132が密着するように設けられ、前記ガイド部材132を介して前記本体部122が旋回軸受88に回転自在に支持される。
突起部130は、例えば、断面楕円形状で軸方向に沿って所定高さで突出し、偏心孔126に挿通されたクランクピン114に係合された係止リング118の開口部120が係合される。詳細には、係止リング118の開口した両端部118aが、突起部130の両側部に配置されることで、前記係止リング118は、その回転変位が規制され、前記両端部118aが窪み部128側に突出した状態で固定される。すなわち、突起部130は、係止リング118の回り止めとして機能する。
なお、突起部130の表面粗さは、窪み部128の表面粗さと略同等に形成されると共に、該窪み部128の表面粗さは、係止リング118の当接する本体部122における当接面122aの表面粗さより大きく設定される。なお、この窪み部128及び突起部130の表面粗さを大きく形成する方法としては、例えば、ブッシュ90を鋳造や鍛造成形で形成した際に加工を行わずに素材面のままとしてもよいし、粗く加工を施すようにしてもよい。
そして、ブッシュ90の偏心孔126にクランクピン114が挿入されることで回転シャフト102によってスイング運動可能に旋回され、これにより、可動スクロール20が旋回半径を可変させながら旋回する。また、支持体110は、フロントハウジング12の内部に設けられた第2軸受106によって回転自在に支持される。
この駆動部100は、回転シャフト102の一端部に装着されるプーリ(図示せず)に、エンジン等の回転駆動源からベルトを介して回転力が伝達されることで、前記回転シャフト102が回転する。
本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
先ず、図示しない電磁クラッチの動作作用下に、回転シャフト102に回転力が伝達されると、支持体110が第1軸受104を介して回転し、これによって前記支持体110に固着されたクランクピン114が回転シャフト102の軸心に対して偏心した状態で旋回する。これにより、クランクピン114を介してブッシュ90が回転し、オルダムリング94が摺動し且つその自転が規制されているため、可動スクロール20が自転を拘束された状態で固定スクロール18に対して旋回する。
そして、吸入ポート16から供給されたガスが、リアハウジング14の内部に導入され、固定スクロール18における固定側渦巻壁48と可動スクロール20における可動側渦巻壁80との間で形成されるガス圧縮室99へ導入され、前記可動側渦巻壁80が固定スクロール18の固定側渦巻壁48に対して接触しながら旋回することで、その間に形成されたガス圧縮室99内のガスを圧縮しながら中心部側に向かって進行させていく。また、同時に、ガスの一部が駆動部100側へと導かれ、ブッシュ90の窪み部128にガス及び該ガスから分離した潤滑油が溜まった状態で該ブッシュ90が回転することで、遠心力によって回転シャフト102の軸心を中心として前記ガス及び潤滑油が前記窪み部128内で半径外方向へと放射状に移動し、該軸心より半径外方向に配置された偏心孔126の内部へと供給される。
さらに、突起部130に付着した潤滑油は、係止リング118の開口部120が接触することで該係止リング118側へと移動した後、クランクピン114と偏心孔126との間に供給される。
これにより、クランクピン114と偏心孔126との間の潤滑が潤滑油の供給作用下に確実に行われる。この際、係止リング118は突起部130に係合されることで回転変位することがないため、窪み部128が前記係止リング118によって覆われてしまうことが回避され、ガスや該ガスから分離した潤滑油を確実に窪み部128へと導くことができる。
そして、スクロール型圧縮機10は、固定スクロール18に対する可動スクロール20の旋回作用下にガス圧縮室99が2分割された状態と、一体化された状態とを交互に繰り返しながら、徐々にガス圧縮室99を中心部側に向かって進行させ、その内部に供給されたガスを圧縮していく。その後、圧縮された圧縮ガスが、圧縮ガス導出孔50からガス吐出室30へと導出され、図示しない吐出ポートを介して図示しない冷媒循環系へと吐出される。
以上のように、本実施の形態では、可動スクロール20の円形凹部86内で回転自在に支持されたブッシュ90を有したスクロール型圧縮機10において、前記ブッシュ90の本体部122に形成された偏心孔126に、回転シャフト102の他端部に形成されたクランクピン114が挿通され、該クランクピン114の端部には溝部116を介して係止リング118が係合されると共に、前記本体部122には偏心孔126に隣接し、前記回転シャフト102の軸心Pと前記偏心孔126の内周面を通る2本の接線L1、L2と該内周面との間となる領域Sを含んだ窪み部128が形成される。
これにより、ブッシュ90が回転シャフト102の回転作用下に回転した際、ガス及び該ガスに含有される潤滑油が、遠心力によって窪み部128から半径外方向へと放射状に移動し、偏心孔126の内部へと円滑且つ効率的に送り込まれる。その結果、クランクピン114と偏心孔126との間に導入されたガスや潤滑油によって確実に潤滑を行うことが可能となる。
また、偏心孔126は、ブッシュ90の本体部122の軸方向(矢印A、B方向)と略平行に形成されているため、その加工が容易であり、該軸方向に対して傾斜して貫通孔が形成された従来技術に係るスクロール型圧縮機と比較し、その製造コスト及び製造工数の削減を図ることが可能となる。
さらに、窪み部128の開口端部と偏心孔126の開口端部とを隣接して形成すると共に、該偏心孔126に挿通されたクランクピン114の外周面の一部を前記窪み部128内に露呈させることで、前記窪み部128内のガスや潤滑油を隣接した前記偏心孔126へと効率的に供給することが可能となり、しかも、前記クランクピン114の外周面を伝って該外周面と偏心孔126との間の隙間へガスや潤滑油を効率よく供給することができる。
さらにまた、クランクピン114の端部に装着された係止リング118の両端部(一部)118aが、窪み部128の開口端部より突出して設けられることで、前記窪み部128内の潤滑油を前記係止リング118に付着させ、その表面を伝って偏心孔126へと好適に導くことができる。
またさらに、窪み部128が、偏心孔126の開口断面積より大きく形成されているため、前記窪み部128を大きく形成することでより多くのガスや潤滑油を溜めて前記偏心孔126へと供給することが可能となる。
また、窪み部128の表面粗さを、係止リング118が装着される本体部122の当接面122aの表面粗さより大きく設定することで、ガスから分離した潤滑油を前記窪み部128の表面に好適に付着させることができ、液体状態となった前記潤滑油を窪み部128から偏心孔126へと効率良く供給することができる。
さらに、窪み部128又は該窪み部128と隣接する位置に、係止リング118の開口部120と係合し、その回転変位を規制する突起部130を設けることで、前記突起部130に接触した係止リング118の開口部120を介して前記窪み部128及び前記突起部130に付着した潤滑油を効果的に取り込んで偏心孔126へと送り込むことができる。
さらにまた、突起部130における表面粗さを、窪み部128における表面粗さと同じとすることで、該突起部130の表面粗さが係止リング118の装着される本体部122の当接面122aの表面粗さより大きくすることができるため、ガスから分離した潤滑油を前記突起部130に対してより付着させやすく、該潤滑油を前記突起部130から係止リング118へと伝わせて偏心孔126へ送り込むことができる。
またさらに、例えば、ブッシュ90を鋳造成形又は鍛造成形等によって製造する際、本体部122における係止リング118の当接面122a、すなわち、他端面のみを加工し、窪み部128及び突起部130を加工せずに素材面のままとすることで、前記窪み部128及び突起部130の機能を満たしつつ、該窪み部128及び突起部130に加工を行う場合と比較して製造コスト及び製造工数の削減を図ることが可能となる。
なお、上述した実施の形態では、ブッシュ90において本体部122とバランスウェイト部124とが一体で形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、前記本体部122と前記バランスウェイト部124とを別体とし、リベットやボルトによって互いに連結するようにしてもよい。
また、ブッシュ90における本体部122の外周側にガイド部材132を設け、該ガイド部材132を介して旋回軸受88に支持される構成としているが、これに限定されるものではなく、前記ガイド部材132を設けることなく、前記本体部122の外周面が前記旋回軸受88によって直接支持される構成としてもよい。
なお、本発明に係るスクロール型圧縮機は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…スクロール型圧縮機 12…フロントハウジング
14…リアハウジング 18…固定スクロール
20…可動スクロール 30…ガス吐出室
46…固定側基板部 48…固定側渦巻壁
78…可動側基板部 80…可動側渦巻壁
88…旋回軸受 90…ブッシュ
100…駆動部 102…回転シャフト
108…軸部 114…クランクピン
116…溝部 118…係止リング
120…開口部 122…本体部
124…バランスウェイト部 126…偏心孔
128…窪み部 130…突起部

Claims (8)

  1. 固定スクロールと、該固定スクロールと噛み合わされる可動スクロールと、前記可動スクロールのボス部に回転自在に支持されたブッシュとを有し、前記ブッシュに形成された偏心孔に、回転シャフトに連結され偏心した駆動ピンが挿通され、該駆動ピンの先端に係合された係止リングによって抜け止めが営まれるスクロール型圧縮機において、
    前記ブッシュの軸方向に沿った端部には、前記係止リングの当接する当接面に対して前記軸方向に窪んだ窪み部が形成され、該窪み部は、前記回転シャフトの軸中心と前記偏心孔の周面とを結ぶ2本の接線で囲まれた領域と少なくとも一部が重複するように形成されることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 請求項1記載のスクロール型圧縮機において、
    前記窪み部の開口端部と前記偏心孔の開口端部とが隣接して配置され、前記駆動ピンの側面の一部が前記窪み部内に露呈するように設けられることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 請求項1又は2記載のスクロール型圧縮機において、
    前記係止リングの一部が、前記窪み部の開口端部に対して突出して設けられることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクロール型圧縮機において、
    前記窪み部の開口面積は、前記偏心孔の開口断面積よりも大きいことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスクロール型圧縮機において、
    前記ブッシュにおいて、前記窪み部の表面粗さが前記係止リングの当接する当接面の表面粗さより大きいことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のスクロール型圧縮機において、
    前記窪み部又は該窪み部と隣接する位置には、前記係止リングの開口部と係合し、その回転変位を規制する突起部が設けられることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  7. 請求項6記載のスクロール型圧縮機において、
    前記突起部の表面粗さは、前記窪み部の表面粗さと同じであることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  8. 請求項6又は7記載のスクロール型圧縮機において、
    前記ブッシュは、前記窪み部及び前記突起部を素材面で形成すると共に、該突起部を前記係止リングが当接する当接面及び前記窪み部から突出するように形成することを特徴とするスクロール型圧縮機。
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