JP2014190894A - 赤外線センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板と、基板内部に形成されたキャビティと、キャビティに対応したメンブレン領域内に、感熱素子の上部に形成された母材が第1の有機材料である吸収膜吸収層9と、吸収膜吸収層上に形成されるとともに、吸収膜吸収層を被覆する第2の有機材料である吸収膜保護層10とを有し、吸収膜吸収層および吸収膜保護層の積層方向と直交する方向において、吸収膜保護層の端部がメンブレン領域の内部に形成された赤外線センサである。
【選択図】図1
Description
本実施形態に基づく本実施例の、薄膜サーミスタ素子(20−1、20−2)の製造方法について説明する。薄膜サーミスタ素子(20−1、20−2)は赤外線センサ20として使用するため、2つのメンブレン領域のそれぞれに対応して検知側素子(20−1)と、参照側素子(20−2)とが隣接して形成される。検知側素子(20−1)とは赤外線を吸収し、発生した熱量を電気信号として検知する素子で本実施形態の吸収膜吸収層9と吸収膜保護層10の膜積層構造が形成される。又、参照側素子(20−2)は検知側素子(20−1)との比較の為、赤外線を反射する赤外線反射膜8が形成される。それぞれの素子の赤外線照射による変化量の差をブリッジ回路として出力とする赤外線センサ20となる。すなわち、参照側素子(20−2)は赤外線を反射するので実質的に環境温度を検知し、検知側素子(20−1)は環境温度と赤外線吸収とによる温度を検知するので、ブリッジ回路によって実質的に赤外線による変化量を求めることが可能となっている。
以下に示す実施例及び比較例の赤外線センサについて、赤外線量を推定するための赤外線量に相当する出力電圧の測定を行った。出力電圧を得るための回路として、実施例の赤外線センサ20および比較例の赤外線センサについて図17に示す検知素子(20−1)と参照素子(20−2)とを含むフルブリッジ回路を用いた。以下に説明する。
本実施例の効果を比較するために、図3に示すように、吸収膜吸収層9と吸収膜保護層10以外の構造を同じにして、吸収膜吸収層9と吸収膜保護層10を形成しない赤外線センサ30を製作して出力を実施例1と比較した。その結果を図6に示す。実施例1と比較して出力電圧Pが60%低下して40%となった。吸収膜吸収層9と吸収膜保護層10を形成しない状態と比較することにより、実際に吸収膜吸収層9と吸収膜保護層10の赤外線吸収効果がわかる。
実施例の効果を比較するために、図4に示すように、吸収膜吸収層9と吸収膜保護層10以外の構造を同じにして、赤外線吸収膜として一般的に使用されている金黒膜を形成し、赤外線センサ40の出力を実施例1と比較した。金黒膜は低圧状態の蒸着法にて形成した。その結果を図6に示す。実施例1と比較して出力電圧Pが17%低下して83%となった。この結果より、一般的な吸収膜の金黒膜と比較しても同等以上の出力を得られていることがわかる。なお、金黒膜の膜厚は出力電圧Pが最大となる条件、すなわち、FT―IRで評価した赤外線透過率が最小となる3μmとした。
本実施例の効果を比較するために、図5に示すように、吸収膜吸収層9を形成した後、吸収膜保護層10を赤外線吸収膜吸収層9と同じ材料で形成した。すなわち、吸収膜保護層10と吸収膜吸収層9の赤外線透過特性を同等にして赤外線吸収膜を形成した赤外線センサ50を製作して、図17に示すブリッジ回路にて出力特性及び、熱容量の増大による懸念項目のひとつである赤外線に対する応答速度を実施例1と比較した。結果を図6に示す。結果、出力電圧Pに関しては赤外線透過特性が同等になる為、ほぼ同等の結果であったが、全体の熱容量が増加したこと、および、入射した赤外線の吸収により吸収膜保護層10で発生した熱量が薄膜サーミスタに到達する時間が長くなるので赤外線に対する反応速度、すなわちセンサの応答速度が10%程悪化することがわかる。
本実施例の効果を比較するために、図13に示すように、吸収膜保護層10をメンブレン領域の外部まで形成した。又、赤外線センサの多様性を考慮し、最外層膜となる吸収膜保護層10の熱伝導率による違いによる特性を比較する為、比較的に熱伝導率の小さい材料、今回は熱伝導率0.2(W/m℃)の有機材料、具体的にはポリイミドを使用し、他の構成は実施例1と同じにして赤外線センサ130Aを形成し、出力を実施例1と比較した。その結果を図18に示す。吸収膜保護層10をメンブレン領域の外部まで形成すると、吸収膜保護層10から基板1に赤外線吸収により発生する熱量の一部が逃げてしまう為、出力は本実施例1の95%ほどとなった。
本実施例の効果を比較するために、図14に示すように、吸収膜保護層10を素子全面に形成した。尚、赤外線反射膜8を有する参照素子(20−2)上は入射する赤外線を反射する役目をもたせなければならない為、検知素子感熱膜4Bが存在するエリアのみフォトリソグラフィ工程により吸収膜保護層10を除去した。又、赤外線センサの多様性を考慮し、最外層膜となる吸収膜保護層10の熱伝導率による違いによる特性を比較する為、比較的に熱伝導率の小さい材料、今回は熱伝導率0.2(W/m℃)の有機材料、具体的にはポリイミドを使用し、他の構成は実施例1と同じにして赤外線センサ140Aを形成し、出力を実施例1と比較した。その結果を図18に示す。吸収膜保護層10をメンブレン領域の外部まで形成すると、吸収膜保護層10から基板1に赤外線吸収により発生する熱量の一部が逃げてしまう為、出力は本実施例1の93%ほどとなった。
本実施例の効果を比較するために、図13に示すように、吸収膜保護層10をメンブレン領域の外部まで形成した。又、赤外線センサの多様性を考慮し、最外層膜となる吸収膜保護層10の熱伝導率による違いによる特性を比較する為、熱伝導率5.0(W/m℃)をもつシリコーン樹脂系材料を使用し、他の構成は同じにして赤外線センサ130Bを形成し、出力を実施例1と比較した。その結果を図18に示す。吸収膜保護層10をメンブレン領域の外部まで形成すると、吸収膜保護層10から基板1に赤外線吸収のより発生する熱量の一部が逃げてしまう現象は同じであるが、比較例4と比較して熱伝導率の影響を受けやすくなっていることがわかる。出力は本実施例1の41%ほどとなった。
本実施例の効果を比較するために、図14に示すように、吸収膜保護層10を素子全面に形成した。尚、赤外線反射膜8を有する参照素子(20−2)上は入射する赤外線を反射する役目をもたせなければならない為、検知素子感熱膜4Bが存在するエリアのみフォトリソグラフィ工程により吸収膜保護層10を除去した。又、赤外線センサの多様性を考慮し、最外層膜となる吸収膜保護層10の熱伝導率による違いによる特性を比較する為、比較例4、比較例5で用いたポリイミドに対して吸水耐性があるが、熱伝導率が高い材料特性、熱伝導率5.0(W/m℃)をもつシリコーン樹脂系材料を使用し、他の構成は同じにして赤外線センサ140Bを形成し、出力を実施例1と比較した。その結果を図18に示す。吸収膜保護層10をメンブレン領域の外部まで形成すると、吸収膜保護層10から基板1に赤外線吸収により発生する熱量の一部が逃げてしまう現象は同じであるが、比較例5と比較して熱伝導率の影響を受けやすくなっていることがわかる。出力は本実施例1の39%ほどとなった。
実施例の効果を比較するために、吸収膜吸収層9と吸収膜保護層10を、他の構造を同じにした状態で薄膜形成工程でのプロセス耐性を比較した。まず、薄膜形成工程における最終の工程、つまり、絶縁膜2を残存させ、かつ基板にキャビティ(7A、7B)を形成した後に吸収膜吸収層9の形成を試みたが、形成時にメンブレン領域の構造物が全て破壊されてしまった(比較例8−1)。次に保護層6を開口し、取り出し電極(3A、3B)露出部を形成し、露出部上に電極PAD(5A、5B)形成後、すなわち保護層6および絶縁膜2を残存させ、かつ基板にキャビティ(7A、7B)を形成する直前に吸収膜吸収層9を形成したが、電極PAD(5A、5B)は金属であり、ウェファー上には絶縁膜2の中に島状に点在する為、静電気を帯びてしまう。その静電気が絶縁材料である吸収膜吸収層9と強固に密着し、吸収膜吸収層9のパターニング形成後も電極PAD(5A、5B)形成後の吸収膜吸収層9が残ってしまった為、電気信号の導通がとれずこれも素子形成できなかった(比較例8−2)。これはその一つ前の工程である赤外線反射膜工程でも金属反射膜との密着により同じ結果となった(比較例8−3)。最後に保護膜6形成直後に吸収膜吸収層9のみを本実施例と同じ薄膜形成工程にて形成したが、この工程の後の赤外線反射膜形成工程にてフォトリソ工程のレジスト剥離に使用する有機溶剤にて吸収膜が無くなってしまった(比較例8−4)。一連の工程順序を図19に、素子形成不具合結果を図20に示す。
2 絶縁膜
3A 検知素子取出電極
3B 参照素子取出電極
4A 検知素子感熱膜
4B 参照素子感熱膜
5A 検知素子電極PAD
5B 参照素子電極PAD
6 保護膜
7A 検知素子キャビティ
7B 参照素子キャビティ
8 赤外線反射膜
9 吸収膜吸収層
10 吸収膜保護層
20 赤外線センサ
20−1 検知素子
20−2 参照素子
Claims (9)
- 基板と、
前記基板内部に形成されたキャビティと、
前記キャビティに対応したメンブレン領域内に形成された感熱素子の上部に形成された母材が第1の有機材料である吸収膜吸収層と、
前記吸収膜吸収層上に形成されるとともに、前記吸収膜吸収層を被覆する第2の有機材料である吸収膜保護層とを有し、
前記吸収膜吸収層および前記吸収膜保護層の積層方向と直交する方向において、前記吸収膜保護層の端部が前記メンブレン領域の内部に形成された赤外線センサ。 - 前記吸収膜保護層は前記吸収膜吸収層と同等か、それ以上の赤外線透過特性を有することを特徴とした請求項1に記載の赤外線センサ。
- 前記吸収膜保護層と前記吸収膜吸収層との積層構造における赤外線反射特性は、前記吸収膜保護層および前記吸収膜吸収層の各々の赤外線反射特性に対し、同等かそれ以下である請求項1または2に記載の赤外線センサ。
- 前記吸収膜保護層が前記吸収膜吸収層の形状をトレースする形で形成されること特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載された赤外線センサ。
- 前記第1の有機材料は架橋反応により硬化するとともに、感光性を有する有機材料であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の赤外線センサ。
- 基板上に形成された感熱素子と、前記感熱素子の上部に形成された母材が第1の有機材料である吸収膜吸収層と、前記吸収膜吸収層上に形成されるとともに、前記吸収膜吸収層を被覆する第2の有機材料である吸収膜保護層とを有し、前記吸収膜保護層は前記吸収膜吸収層と同等か、それ以上の赤外線透過特性を有することを特徴とした赤外線センサ。
- 前記吸収膜保護層と前記吸収膜吸収層との積層構造における赤外線反射特性は、前記吸収膜保護層および前記吸収膜吸収層の各々の赤外線反射特性に対し、同等かそれ以下である請求項6に記載の赤外線センサ。
- 前記吸収膜保護層が前記吸収膜吸収層の形状をトレースする形で形成されること特徴とする請求項6または7に記載された赤外線センサ。
- 前記第1の有機材料は架橋反応により硬化するとともに、感光性を有する有機材料であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか一項に記載の赤外線センサ。
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