JP2014192563A - スピーカ装置 - Google Patents

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【課題】音圧低下および設計上の制限を最小限に抑えつつ、フラットな周波数特性を得る。
【解決手段】スピーカ装置のエッジ9に、周方向に間隔をおいて複数の共振抑制部材11を貼り付けることで、局所的に剛性が変化して共振が抑制されて周波数特性がフラットになる。また、共振抑制部材11を貼り付けるだけなのでスピーカ装置の設計上の制限は少ない。さらに、共振抑制部材11をエッジ9の全周ではなく部分的に貼り付けて重量増加を抑制し、音圧低下を最小限に抑える。
【選択図】図4

Description

この発明は、硬質な振動板とエッジの共振および逆共振を抑制する構造を備えたスピーカ装置に関するものである。
スピーカの音質評価のパラメータとして周波数特性は必須であり、スイープ音を入力した際の音圧レベルが全周波数帯域において一様であるものが、良いスピーカであると言える。
硬質な振動板を用いたスピーカでは、中音域から高音域にかけて音圧レベルの急峻な変化が見られ、一様な音圧レベル分布が得られないという欠点があった。
特に、人間の耳において感度の高い中音域である1kHzから3kHz付近の急峻な音圧変化は、聴者に違和感および不快感を与える原因となる。
従来、スピーカの所望の性能を得るために、例えば特許文献1,2のエッジが提案されている。
特許文献1では、発泡ゴムエッジと布材とを同時成形してエッジ全体を多層化することにより、エッジの剛性を上げていた。
また、特許文献2では、異なる物性を有する2種類以上の異種材料を多色成形またはインサート成形により同一面内に並設したエッジを用いることで、周波数特性をフラットにしていた。
特開2000−261883号公報 特開2008−60751号公報
上記特許文献1のようにエッジ全体の剛性を高めた場合、振動板の非軸対称の分割振動を抑制できないので、周波数特性をフラットにする効果が薄いという課題があった。
また、エッジのゴムの厚みを増加するほどの重量増加無しに所望の剛性を得ることはできるが、エッジ全体を多層化するため重量増加は避けられなかった。そのため、エッジの重量増加により音圧が低下してしまうという課題もあった。
上記特許文献2の場合、エッジに使用可能な材料が限定されるため、スピーカの設計自由度が制限されるという課題があった。そのため、スピーカにとって最適な設計が行えず、音質が劣化する場合があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、音圧低下および設計上の制限を最小限に抑えつつ、フラットな周波数特性を得ることを目的とする。
この発明に係るスピーカ装置は、ボイスコイルの外周に固定された振動板と、外周縁部がフレームに接合し、内周縁部が振動板の外周縁部に接合して振動板を支持するエッジと、エッジに、周方向に間隔をおいて貼り付いた複数の共振抑制部材とを備えるものである。
この発明によれば、スピーカ装置のエッジに、周方向に間隔をおいて複数の共振抑制部材を貼り付けるようにしたので、局所的に剛性が変化して共振が抑制され、周波数特性がフラットになる。また、共振抑制部材を貼り付けているのでスピーカ装置の設計自由度に対する制限がほとんどない。さらに、共振抑制部材をエッジ全周ではなく部分的に貼り付けるので重量増加を抑制でき、音圧低下を最小限に抑えることができる。
この発明の実施の形態1に係るスピーカ装置の構成を示す断面図である。 軟質な振動板を使用したスピーカ装置(共振抑制部材の貼り付け無し)の周波数特性を示すグラフである。 硬質な振動板を使用したスピーカ装置(共振抑制部材の貼り付け無し)の周波数特性を示すグラフである。 実施の形態1に係るスピーカ装置の平面図であり、図4(a)は共振抑制部材を4箇所、図4(b)は6箇所、図4(c)は8箇所、図4(d)は10箇所、図4(e)は12箇所貼り付けた例である。 実施の形態1に係るスピーカ装置を図4(a)に示すAA線で切断した断面図である。 実施の形態1に係るスピーカ装置の周波数特性を示すグラフであり、硬質な振動板に共振抑制部材を4箇所貼り付けた場合を示す。 実施の形態1に係るスピーカ装置の周波数特性を示すグラフであり、硬質な振動板に共振抑制部材を8箇所貼り付けた場合を示す。 実施の形態1に係るスピーカ装置の周波数特定を示すグラフであり、硬質な振動板に共振抑制部材を12箇所貼り付けた場合を示す。
実施の形態1.
図1の断面図に示すように、本実施の形態1に係るスピーカ装置は、ヨーク1、マグネット2、およびプレート3からなる磁気回路部4と、磁気回路部4に固定されたフレーム5と、磁気回路部4の磁気ギャップに配置されたボイスコイル6と、ボイスコイル6を支持するダンパ7と、ボイスコイル6の外周に固定されたコーン型の振動板8と、内周縁部が振動板8に接合し、外周縁部がフレーム5に接合したエッジ9と、ボイスコイル6を被覆するダストキャップ10と、エッジ9に、周方向に間隔をおいて貼り付いた複数の共振抑制部材11とを備えている。
ここで、図2に、紙で構成された軟質な振動板8を使用したスピーカ装置の周波数特性のグラフを示す。他方、図3に、芳香族ポリエステル系樹脂をカーボン繊維で強化した硬質な振動板8を使用したスピーカ装置の周波数特性のグラフを示す。各グラフとも縦軸は音圧、横軸は周波数である。
紙の振動板8に比べ、硬質な振動板8は2kHz付近において、急峻な音圧変化(ピークディップ)が生じている。この変化は、硬質な振動板8とエッジ9を貼り合せた接合部で共振し、大きく振幅するために生じる。特に、振動板8の外径が8〜13.5cmの小型のスピーカ装置において、2kHz付近のピークディップが顕著になりやすい。
一方、紙などの軟質な振動板8は、共振点が分散し、硬質な振動板8よりもフラットな周波数特性となる。
本実施の形態1では、共振抑制部材11を使用して、硬質な振動板8に特有の共振(および逆共振)を抑制し、フラットな周波数特性を得る。
以下、共振抑制部材11の詳細を説明する。
図4は、本実施の形態1に係るスピーカ装置の平面図である。図4(a)では、エッジ9からこのエッジ9と振動板8との接合部にかけて、周方向に間隔をおいて4箇所に共振抑制部材11が貼り付いている。同様に、図4(b)では6箇所、図4(c)では8箇所、図4(d)では10箇所、図4(e)では12箇所の共振抑制部材11が貼り付いている。貼り付け方法は、接着、熱圧着など任意でよい。
このように、共振抑制部材11を、エッジ9の全周には貼り付けず、間隔をおいて部分的に貼り付けることで、局所的に剛性を変化させて共振を抑制し、周波数特性をフラットにすることができる。また、共振抑制部材11を貼り付けるだけなので、スピーカ装置の設計自由度に対する制限が少なくてすむ。さらに、エッジ9の全周ではなく部分的に貼り付けて重量増加を抑制することで、重量の増加に起因する音圧の低下を最低限に抑えることができる。
図5は、図4(a)のAA線に沿ってスピーカ装置を切断した断面図である。径方向の断面形状がスピーカ装置外側に凸状に形成されたアップロール型のエッジ9において、図5に二点鎖線で示すように、共振抑制部材11を、エッジ9の頂点よりスピーカ外側(フレーム5側)に延長して周波数特性を測定した結果、共振抑制効果は変わらなかったが、重量増加分だけ音圧が低下した。他方、共振抑制部材11を、エッジ9の頂点よりスピーカ中心側(振動板8側)に延長して周波数特性を測定した結果、延長分だけ共振抑制効果が向上した。
従って、図5に実線で示すように、共振抑制部材11を、エッジ9の頂点を端としてスピーカ中心側(振動板8側)の接合部まで貼り付けることが好ましい。これにより、共振の抑制に必要となる部分にのみ共振抑制部材11を貼り付けて重量増加を最小限に抑え、音圧低下を最小限に抑えることができる。
共振抑制部材11には、エッジ9の素材としてもよく用いられる布、ゴム、ウレタン、セーム革、またはエラストマなどを用いる。共振抑制部材11とエッジ9は、異なる素材でもよいし、同一の素材でもよい。共振抑制部材11とエッジ9に異なる素材を使用した場合、局所的に剛性が変化するので、共振抑制効果が高い。また、複数の共振抑制部材11すべてを同一の素材に揃えず、貼り付け場所によって共振抑制部材11の素材を変更して局所的に剛性を変化させてもよい。
共振抑制部材11の大きさ、形状、および素材は様々であり、スピーカ装置に使用するボイスコイル6、ダンパ7、フレーム5、ダストキャップ10、振動板8、およびエッジ9の材質および形状に応じて決定すればよい。
また、図4の例では、同一形状の共振抑制部材11を周方向に均等になるよう対角線上に配置したが、これに限定されるものではなく、不揃いな形状にしたり、不均等に配置したりしてもよい。不揃いな形状にしたり不均等に配置したりすることにより、共振パターンの非対称性が増し、共振点が分散するため、よりフラットな周波数特性を得ることが出来る場合がある。
ここで、図6〜図8に、共振抑制部材11を使用したスピーカ装置の周波数特性のグラフを示す。各グラフとも縦軸は音圧、横軸は周波数である。
図6は、共振抑制部材11が周方向に均等な距離になるように対角線上に4箇所貼り付けた場合の周波数特性である。図7は、共振抑制部材11が周方向に均等な距離になるように対角線上に8箇所貼り付けた場合の周波数特性である。図8は、共振抑制部材11が周方向に均等な距離になるように対角線上に12箇所貼り付けた場合の周波数特性である。
共振抑制部材11の1箇所あたりの貼り付け面積を図6〜図8で同じにしたので、周方向における共振抑制部材11の貼り付け面積の合計は図6で最小、図8で最大となる。
図6〜図8のグラフより、図3に示したような硬質な振動板8で問題となっていた2kHz付近のピークディップが抑制され、共振抑制部材11の効果が顕著に現れている。周波数特性の観点だけで見れば、周方向における共振抑制部材11の貼り付け面積が大きいほうがよりフラットな周波数特性が得られることが分かる。
しかし、これらの周波数特性を測定したときの音圧は、貼り付けなしの場合87.34dB(図3より)、4箇所貼り付けの場合87.19dB(図6より)、8箇所貼り付けの場合87.05dB(図7より)、12箇所貼り付けの場合86.91dB(図8より)となり、共振抑制部材11の貼り付け面積が広くなるほど音圧が低下している。これは、振動板8の質量が共振抑制部材11を貼り付けることで増加し、スピーカ装置の能率が低下しているためである。このように、フラットな周波数特性と音圧はトレードオフの関係にある。そのため、状況に応じて共振抑制部材11の周方向の貼り付け位置および貼り付け面積を選択することで、使用状況に対して最適なスピーカ装置を実現することができ、音圧低下および音質劣化を最小限に抑えつつ、よりフラットな周波数特性を得ることができる。
以上より、実施の形態1によれば、スピーカ装置は、ボイスコイル6の外周に固定された振動板8と、外周縁部がフレーム5に接合し、内周縁部が振動板8の外周縁部に接合して振動板8を支持するエッジ9と、そのエッジ9に、周方向に間隔をおいて貼り付いた複数の共振抑制部材11とを備える構成にした。このため、音圧低下および設計上の制限を最小限に抑えつつ、フラットな周波数特性を得ることができる。
また、実施の形態1によれば、エッジ9は、径方向の断面形状が凸状に形成されており、共振抑制部材11は、エッジ9の頂点を端としてエッジ9と振動板8との接合部まで設けられているので、共振の抑制に必要となる部分にのみ共振抑制部材11を貼り付けて重量の増加を最小限に抑え、音圧の低下を抑制することができる。
また、実施の形態1によれば、共振抑制部材11の素材は、エッジ9の素材と異なるものでもよいし、同一でもよいので、スピーカ装置を設計する際に材料による制限をほとんど受けない。そのため、振動板8に適したエッジ9と共振抑制部材11の各素材を組み合わせて、周波数特性、音圧、音質の面で最適なスピーカ装置を作製することが可能である。
また、実施の形態1によれば、スピーカ装置は、硬質な振動板8に特有の2kHz付近のピークディップを抑制できるので、このピークディップが顕著に現れる小型のスピーカ装置(振動板8の外径が8〜13.5cm程度)に用いるのに特に適している。
なお、上記図示例では、コーン型の振動板8とアップロール型のエッジ9に対して共振抑制部材11を適用した場合を説明したが、これに限定されるものではない。振動板8としては、コーン型のほか、ドーム型、平板型など各種形状の振動板に対して共振抑制部材11を適用可能である。エッジ9としては、アップロール型のほか、ダウンロール型、コルゲーション型、V字型など各種形状のエッジに対して共振抑制部材11を適用可能である。
上記以外にも、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 ヨーク、2 マグネット、3 プレート、4 磁気回路部、5 フレーム、6 ボイスコイル、7 ダンパ、8 振動板、9 エッジ、10 ダストキャップ、11 共振抑制部材。

Claims (6)

  1. ボイスコイルの外周に固定された振動板と、
    外周縁部がフレームに接合し、内周縁部が前記振動板の外周縁部に接合して前記振動板を支持するエッジと、
    前記エッジに、周方向に間隔をおいて貼り付いた複数の共振抑制部材とを備えるスピーカ装置。
  2. 前記エッジは、径方向の断面形状が凸状に形成されており、
    前記共振抑制部材は、前記エッジの頂点を端として前記エッジと前記振動板との接合部まで設けられていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  3. 前記共振抑制部材の素材は、前記エッジの素材と異なることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスピーカ装置。
  4. 前記共振抑制部材の素材は、前記エッジの素材と同一であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスピーカ装置。
  5. 前記共振抑制部材の素材は、布、ゴム、ウレタン、セーム革、またはエラストマであることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のスピーカ装置。
  6. 前記振動板の外径は、8〜13.5cmであることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のスピーカ装置。
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