JP2014200775A - 触媒の再生方法、及び多価アルコールの水素化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】担体に担持されたイリジウム及び担体に担持されたレニウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含む触媒の再生方法であって、酸素を含む雰囲気下、前記触媒を300〜650℃で加熱処理することを特徴とする触媒の再生方法。
【選択図】なし
Description
また、本発明の他の目的は、上記再生方法により上記触媒を再生し、再生後の触媒を用いて、優れた生産性で多価アルコールの水素化物を製造する方法を提供することにある。
酸素を含む雰囲気下、前記触媒を300〜650℃で加熱処理することを特徴とする触媒の再生方法を提供する。
本発明の触媒の再生方法は、担体に担持されたイリジウム及び担体に担持されたレニウムを含む触媒(「本発明の触媒」と称する場合がある)の再生方法であって、酸素を含む雰囲気下、上記触媒を300〜650℃で加熱処理することを特徴とする方法である。
本発明の触媒は、担体と、担体に担持されたイリジウム及び担体に担持されたレニウムとを少なくとも含む触媒である。なお、本発明の触媒は、金属成分として、イリジウム及びレニウム以外にも、例えば、白金、ロジウム、コバルト、パラジウム、ニッケル、モリブデン、タングステン、マンガン等を含んでいてもよい。
本発明の触媒の再生方法においては、使用後の(触媒活性が低下した)本発明の触媒を酸素を含む雰囲気下(酸素含有雰囲気下)、300〜650℃で加熱処理(「焼成」と称する場合がある)を行う。
本発明の多価アルコールの水素化物の製造方法は、上述の本発明の触媒の再生方法により触媒を再生し、再生後の触媒(再生処理後の本発明の触媒)の存在下、多価アルコールと水素とを反応させて多価アルコールの水素化物を生成させることを特徴とする。即ち、本発明の多価アルコールの水素化物の製造方法は、触媒を再生させる工程(以下、「再生工程」と称する場合がある)と、多価アルコール及び水素を反応させる工程(以下、「反応工程」と称する場合がある)とを、必須の工程として含む方法である。このうち、触媒を再生させる工程(再生工程)は、上述の<触媒の再生方法>の項で説明した方法に従って実施できる。以下、多価アルコールと水素とを反応させる工程(反応工程)について説明する。
本発明の多価アルコールの水素化物の製造方法における上記反応工程で使用される触媒は、上記再生工程にて再生された触媒である。多価アルコールと水素との反応を行う前には、必要に応じて本発明の触媒の還元処理を行ってもよい。本発明の触媒の還元処理は、公知乃至慣用の方法によって実施することができ、特に限定されないが、例えば、水素等の還元性ガス雰囲気下で加熱する方法等が挙げられる。還元処理の加熱温度、加熱時間、圧力等の条件は、適宜選択可能であり、特に限定されない。
本発明の多価アルコールの水素化物の製造方法の反応工程において原料(反応物)として使用される多価アルコールとしては、分子内に2個以上の水酸基を有する公知乃至慣用の有機化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS、糖アルコール等が挙げられる。中でも、上記多価アルコールとしては、炭素数3〜6の多価アルコール(特に、分子内に水酸基を3〜6個有する炭素数3〜6の多価アルコール)が好ましく、特に、バイオマスからの誘導が可能である観点で、グリセリン、エリスリトールが好ましい。
多価アルコールと水素との反応により得られる多価アルコールの水素化物とは、多価アルコールが有する水酸基の少なくとも1個が水素原子で置換された化合物である。例えば、多価アルコールとしてグリセリン(グリセロール)を使用した場合には、その水素化物として、炭素数3の一価のアルコール(プロパノール;1−プロパノール、2−プロパノール)及び炭素数3の二価のアルコール(プロパンジオール;1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール)などが挙げられる。特に、本発明の触媒を使用することにより、プロパンジオール(中でも、ポリウレタンやポリエステル等の原料として使用される1,3−プロパンジオール)を高選択率で生成させることができる傾向がある。一方、例えば、多価アルコールとしてエリスリトールを使用することにより、その水素化物として、炭素数4の一価のアルコール(ブタノール;1−ブタノール、2−ブタノール)、炭素数4の二価のアルコール(ブタンジオール;1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール)、及び炭素数4の三価のアルコール(ブタントリオール;例えば、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール)などが挙げられる。特に、本発明の触媒を使用した場合には、ブタンジオール(例えば、溶剤、不凍液、医薬、燃料等又はこれらの原料として使用される)、及びブタントリオール(例えば、医薬、火薬等又はこれらの原料として使用される)を高選択率で生成させることができる傾向がある。なお、本明細書においては、通常、「多価アルコールの水素化物」といった場合には、多価アルコールの炭素−炭素結合が開裂することで生成する、多価アルコールの炭素数よりも少ない炭素数の化合物は含まれない。
本発明の多価アルコールの水素化物の製造方法の反応工程において使用される水素(水素ガス)は、実質的に水素のみの状態で使用することもできるし、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス等により希釈した状態で使用することもできる。また、上記反応(多価アルコールと水素との反応)を経た結果得られる反応混合物から回収した水素(未反応の水素)を再利用することもできる。
本発明の多価アルコールの水素化物の製造方法における多価アルコールと水素との反応は、固体の触媒(再生処理後の本発明の触媒)の存在下、気体状の(気化させた)多価アルコールと水素とを反応させる気固二相系の反応であってもよいし、固体の触媒の存在下、液状の多価アルコールと水素とを反応させる気液固三相系の反応であってもよい。特に、多価アルコールが有する炭素−炭素結合の開裂による副生成物の生成を抑制する観点からは、上記反応を気液固三相系で進行させることが好ましい。
[触媒の調製]
二酸化ケイ素(SiO2)(商品名「キャリアクトQ−15」、富士シリシア化学(株)製、細孔径:15nm)を触媒の担体として使用した。上記担体に、イリジウム(Ir)濃度が4.47重量%となるように調製した塩化イリジウム酸(H2IrCl6)水溶液を滴下して、上記担体全体を湿潤させた後、該担体を110℃で3時間乾燥させた。そして、このような塩化イリジウム酸水溶液の滴下と乾燥を繰り返して、イリジウムがSiO2に対して4重量%となるように担持させた。
次に、上記担体(イリジウムを担持させた担体)に、レニウム(Re)濃度が3重量%となるように調製した過レニウム酸アンモニウム(NH4ReO4)水溶液の滴下と乾燥を、先の塩化イリジウム酸水溶液の滴下と乾燥と同様に繰り返して、イリジウムとレニウムのモル比が1/2[イリジウム/レニウム]となるようにレニウムを担持させた。その後、乾燥後の担体を、空気雰囲気下(大気中)、500℃、3時間の条件で焼成して、触媒[Ir−ReOX/SiO2]を調製した。
なお、上記で得られた触媒の硫黄の含有量(硫黄量)を、燃焼−電量滴定法で測定したところ、11ppmであった。
[触媒の被毒]
調製例1で得られた触媒をカラムに詰め、120℃、水素加圧下(12MPa)で、硫黄分を8ppm含有する多価アルコール[触媒/多価アルコール=1/180(重量比)]と約1時間接触させた後、触媒をカラムから取り出して水洗し、常温(20℃)で24時間減圧乾燥させることによって、硫黄により被毒された触媒を調製した。
なお、上記で得られた触媒(硫黄により被毒された触媒)の硫黄の含有量(硫黄量)を、燃焼−電量滴定法で測定したところ、1800ppmであった。
[触媒の再生]
調製例2で得られた触媒(硫黄により被毒された触媒)を約20〜30g秤量し、これを磁性皿に載せ、焼成炉で表1に示す温度及び時間で加熱処理した。加熱処理後の触媒の硫黄量を、燃焼−電量滴定法で測定した。結果を表1に示す。
なお、表1中の調製例2の触媒の欄の温度「20℃」は、常温(20℃)で減圧乾燥を行ったことを示す。
[グリセリンの水素化物の製造]
(反応方法)
1Lオートクレーブに、表2に示す触媒を約14g充填し、水素圧8MPa、温度200℃、1時間の条件で還元処理した。
その後、以下に示すグリセリン水溶液(原料液)を添加し、水素圧12MPa、温度120℃で4時間反応させた。
装置:1Lオートクレーブ
触媒量:Ir−ReOX/SiO2 13.5〜14.3g
触媒のRe/Ir比(モル比):2
原料液:40重量%グリセリン水溶液(グリセリン200gを水300gに溶解させることによって調製した。)
反応時間:4時間
反応温度:120℃
水素圧:12MPa
グリセリンと水素との反応を終了させた後、ガスクロマトグラフィー(ガスクロマトグラフ装置:「GC−2014」((株)島津製作所製))、GCカラム:TC−WAX、DB−FFAP、検出器:FID)により生成物の定量分析を行い、グリセリンの転化率、生成物(グリセリンの水素化物)である1,3−プロパンジオール(13PD)、1,2−プロパンジオール(12PD)、1−プロパノール(NPR)、2−プロパノール(IPA)の選択率を算出した。結果を表2に示す。
また、それぞれの場合における触媒活性(mmol−H2/h/g−cat)を算出し、フレッシュな触媒(参考例1)を基準とした活性比(触媒活性の比率)を算出した。結果を表2に示す。
一方、加熱処理(焼成)の温度が低すぎる場合(比較例1)には、硫黄量を十分に低減できず、触媒活性を回復させることができなかった(比較例4)。また、加熱処理の温度が高すぎる場合(比較例3)には、硫黄量は低減できたものの、触媒活性を十分に回復させることができなかった(比較例5)。
Claims (5)
- 担体に担持されたイリジウム及び担体に担持されたレニウムを含む触媒の再生方法であって、
酸素を含む雰囲気下、前記触媒を300〜650℃で加熱処理することを特徴とする触媒の再生方法。 - 前記触媒が、多価アルコールと水素とを反応させて前記多価アルコールの水素化物を製造する際に用いられた還元反応用触媒である請求項1に記載の触媒の再生方法。
- 前記触媒が、硫黄により被毒された触媒であって、硫黄を50ppm以上含有する触媒である請求項1又は2に記載の触媒の再生方法。
- 前記加熱処理を、酸素濃度5〜50体積%の雰囲気下で行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒の再生方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒の再生方法により前記触媒を再生し、再生後の触媒の存在下、多価アルコールと水素とを反応させて前記多価アルコールの水素化物を生成させることを特徴とする多価アルコールの水素化物の製造方法。
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