JP2014200941A - 製版装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】孔版原紙の品質にかかわらずに孔版原紙に同等の良好な品質で穿孔を施すことを、装置寿命を短くすることなく行うことができる製版装置および孔版印刷装置を提供することを課題とする。【解決手段】製版書込部20は、発熱素子が配列されているサーマルヘッド21と、サーマルヘッド21との間で孔版原紙23をニップ可能なプラテンローラ24と、サーマルヘッド21とプラテンローラ24とをニップさせ、孔版原紙23に製版圧をかけて孔版原紙23に製版圧を付与する製版圧付与機構508と、製版圧付与機構508による製版圧を可変にする製版圧可変機構508とを備えている。【選択図】図4
Description
本発明は、サーマルヘッドを用いて感熱孔版原紙に穿孔を形成して製版を行う製版装置に関する。
従来より、孔版印刷に用いられる製版装置としては、多数の発熱素子が配列されてなるサーマルヘッドと感熱孔版原紙(以下単に孔版原紙ともいう)の熱可塑性樹脂フィルム(以下単にフィルムともいう)側とを圧接させた状態で、各発熱素子に画像情報に基づいて穿孔用電力を供給して該発熱素子を発熱駆動するとともに、発熱素子の配列方向を主走査方向とし主走査方向と直交する副走査方向にサーマルヘッドと孔版原紙(マスター)とを相対移動させて1枚分の画像情報を担持する穿孔を孔版原紙に形成するものが知られている。
このような製版装置において1画素分を穿孔する際には、サーマルヘッドを構成する全発熱素子の平均抵抗値と目標パワーとから算出した一定の印加電圧を一定時間に亘って連続的に発熱素子に印加するのが一般的であり、その際、目標パワーとなるように電源供給回路から出力される印加電圧を設定しているのが一般的であった。
しかしながら、予め定めた目標パワーとなるように印加電圧を設定しても、穿孔される孔版原紙の表面に凹凸があるなど表面状態が悪化・変質していると穿孔径がバラ付いて穿孔性能が低下し、結果として印刷物に白点などの画像不良が発生する。
また、孔版原紙はフィルムと支持体(主に和紙)を接着剤で張り付けて製造しているが、接着剤の塗布量が多すぎる場合や塗布量にバラ付きがある場合にも穿孔径がバラ付いて穿孔性能が低下する。
つまり、予め定めた目標パワーとなるように印加電圧を設定しても、孔版原紙の表面の凹凸すなわち表面状態の品質(フィルム表面の平滑性)や接着剤の塗布量など、孔版原紙の品質を左右する要因に応じて穿孔径がバラ付いてしまうという問題がある。
さらに、目標パワーが一定すなわち総発熱エネルギ量が一定の場合であっても、孔版原紙の品質状態それぞれにおいては穿孔径にバラ付きがないものの低品質時と高品質時とでは穿孔径に差が生じ、結果として、印字性能に差が生じるという場合もある。
これらの対策として、特許文献1には、穿孔用電圧を変えることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、孔版原紙の表面状態が悪化して表面の凹凸が大きくなって孔版原紙のフィルムとTPH(サーマルヘッド)の発熱体とが密着できなくなった場合、特許文献1のようにTPHの穿孔用電圧を変えるだけでは穿孔不発を防止することが難しい。従って、この場合には、孔版原紙に対してTPHと孔版原紙のフィルム(PETフィルム)とを密着させるために、TPHとプラテンローラとの間に挟まれる孔版原紙を介して、TPHをより強い力でプラテンローラに向けて押し付ける必要がある。このため、製版装置の圧力をかける機構への負荷が大きくなるので装置寿命が短くなるという弊害が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、孔版原紙の品質にかかわらずに孔版原紙に同等の良好な品質で穿孔を施すことを、装置寿命を短くすることなく行うことができる製版装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る製版装置の第1の特徴は、発熱素子が配列されているサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドとの間で孔版原紙をニップ可能なプラテンローラと、前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとをニップさせ、前記孔版原紙に製版圧を付与する製版圧付与手段と、前記製版圧付与手段による前記製版圧を可変する製版圧可変手段と、を備えたことにある。
本発明に係る製版装置の第2の特徴は、前記製版圧可変手段による製版圧を制御する製版圧制御手段を備えたことにある。
本発明に係る製版装置の第3の特徴は、前記孔版原紙の品質を検出する検出手段を備え、前記製版圧制御手段は、前記検出手段から受けた信号に基づいて製版圧を制御することにある。
本発明に係る製版装置の第1の特徴によれば、製版圧可変手段を設けており、孔版原紙の表面凹凸などの品質劣化が生じているときに製版圧を上げ、そうでないときには製版圧を通常どおりとすることが可能なので、孔版原紙の品質にかかわらずに孔版原紙に同等の良好な品質で穿孔を施すことを、装置寿命を短くすることなく行うことができる製版装置とすることができる。
本発明に係る製版装置の第2の特徴によれば、使用者が製版圧を手動で変更しなくても済む構成にすることができる。
本発明に係る製版装置の第3の特徴によれば、検出された孔版原紙の品質に応じて製版圧を制御するので、孔版原紙の品質にかかわらずに孔版原紙に同等の良好な品質の穿孔を施すことを孔版原紙ごとに確実に行うことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、すでに説明したものと同一または類似の構成要素には同一または類似の符号を付し、その詳細な説明を適宜省略している。
また、図面は模式的なものであり、寸法比などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法比などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための例示であって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。この発明の実施の形態は、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、以下の説明では、孔版原紙としてどのサイズの原紙であっても適用可能である。
(全体構成)
図1は本発明の一実施形態(以下、本実施形態という)の製版装置を適用した孔版印刷装置の構成を示す側断面図、図2はこの孔版印刷装置の上面に設けられた操作パネルの概要を示した平面図である。本実施形態の孔版印刷装置1は、製版用の出力ヘッドとしてサーマルヘッド21を使用しており、製版読取部10、製版書込部(製版装置)20、カッタ部30、および印刷部40から構成されている。
図1は本発明の一実施形態(以下、本実施形態という)の製版装置を適用した孔版印刷装置の構成を示す側断面図、図2はこの孔版印刷装置の上面に設けられた操作パネルの概要を示した平面図である。本実施形態の孔版印刷装置1は、製版用の出力ヘッドとしてサーマルヘッド21を使用しており、製版読取部10、製版書込部(製版装置)20、カッタ部30、および印刷部40から構成されている。
製版読取部10は、被複写物である原稿13をセットする原稿セット台12と、原稿セット台12上にセットされた原稿13を検知する原稿センサ17と、原稿センサ17の検知信号を受けた読取モータ18により回転駆動される原稿搬送ローラ対14と、搬送されてきた原稿13の画像を光学的に読み取り電気信号に変換する密着型のラインイメージセンサ11と、該ラインイメージセンサ11で読み取られた原稿13を原稿排紙トレー19に排出するためのステッピングモータなどからなる読取モータ18により回転駆動される原稿排出ローラ対15とから構成されている。なお、原稿搬送ローラ対14の後流部には、搬送されてきた原稿13を検知することで後述する製版書込部20の処理のスタートを決定する原稿INセンサ16が設けられている。
製版書込部20は、それぞれが複数の発熱素子21Zを有する4つのヘッドブロック21a〜21dからなるサーマルヘッド21(図5参照)と、孔版原紙ロール22から送り出される孔版原紙(マスタ)23のフィルム面側をサーマルヘッド21に押し当てながら搬送するステッピングモータなどからなる書込モータ25により回転駆動されるプラテンローラ24と、サーマルヘッド21によって製版された孔版原紙23を後述するドラム(版胴)33のクランプ部32に向けて搬送する書込モータ25により回転駆動される原紙搬送ローラ対26とから構成されている。プラテンローラ24、書込モータ25、および原紙搬送ローラ対26により本実施形態の孔版印刷装置の副走査手段が構成される。
製版書込部20の孔版原紙ロール22とプラテンローラ24(サーマルヘッド21)との間には孔版原紙23のフィルム面側の表面状態を光学的に自動検知する原紙情報取得手段としてのマスタ表面センサ(光沢度計)300が設けられている。
カッタ部30は、サーマルヘッド21によって製版された孔版原紙23がドラム33に巻装された所定量の長さになったときに、その孔版原紙23を切断するカッタ31を備えている。
印刷部40は、ドクタローラ46とスキージローラ47間に形成されたインキ溜り48により一定量のインキをその内面に供給するインキ供給部を内蔵するドラム33と、給紙台44上に積載された印刷用紙積層体から1枚づつ印刷用紙43をピックアップして搬送するピックアップローラ46と、ピックアップローラ46から搬送されてきた印刷用紙43を所定のタイミングで送り出すタイミングローラ42と、タイミングローラ42より搬送路41に送り出されてきた印刷用紙43をドラム33の外周面に押し付けるプレスローラ35と、印刷された印刷用紙43をドラム33より剥ぎ取るための分離爪39と、ドラム33より剥ぎ取られた印刷用紙43を排紙積載する排紙台49とから構成されている。
ドラム33の外周面にはサーマルヘッド21により製版され搬送されてきた孔版原紙23の先端部をクランプするクランプ部32が設けられている。クランプ終了後、製版済の孔版原紙23は、ドラム33がメインモータ34により回転されることによりその外周面に巻装される。
なお、この孔版印刷装置の上面には、図2に示すように、LCDなどからなる表示パネル401と操作キー群402とを有する操作パネル400が設けられており、ユーザが表示パネル401の画面に表示される種々の情報を参照しながら操作キー群402のいずれかのキーを操作できるように構成されている。
操作キー群402は、製版スタートキー、印刷スタートキー、印刷モード設定キー、印刷枚数を入力するためなどに用いられるテンキー402a、リセットキー、ジョブ緊急停止キーなど、通常の孔版印刷装置に設けられている操作キーを備えている。
(サーマルヘッドによる製版圧)
図3は、本実施形態の製版書込部20の製版圧可変機構を説明する側面図である。図4は、製版書込部20の製版圧可変機構に回動力を発生させる構成を説明する斜視図である。製版書込部20は、サーマルヘッド21とプラテンローラ24とをニップさせ、孔版原紙23に製版圧を付与する製版圧付与機構508と、製版圧付与機構508による製版圧を可変にする製版圧可変機構510と、を備えている。そして、製版書込部20は、後述の製版圧制御回路180によって、製版圧可変機構510による製版圧を制御して、孔版原紙23に形成する穿孔のサイズを調整することが可能になっている。
図3は、本実施形態の製版書込部20の製版圧可変機構を説明する側面図である。図4は、製版書込部20の製版圧可変機構に回動力を発生させる構成を説明する斜視図である。製版書込部20は、サーマルヘッド21とプラテンローラ24とをニップさせ、孔版原紙23に製版圧を付与する製版圧付与機構508と、製版圧付与機構508による製版圧を可変にする製版圧可変機構510と、を備えている。そして、製版書込部20は、後述の製版圧制御回路180によって、製版圧可変機構510による製版圧を制御して、孔版原紙23に形成する穿孔のサイズを調整することが可能になっている。
本実施形態では、図3、図4に示すように、製版書込部20に組み込まれる筐体512と、筐体512に取り付けられたサーマルヘッド保持部514と、が設けられている。サーマルヘッド保持部514は、筐体512に設けられた回動軸518まわりに回動可能に軸止されており、回動軸518まわりに生じるサーマルヘッド保持部514の回動力によって、サーマルヘッド21がプラテンローラ24を押圧するようになっている。
そして、本実施形態では、筐体512に取り付けられた正逆両方向に回転可能なモータ520と、モータ520の回転軸520aにねじ係合している引っ掛け部材522と、引っ掛け部材522と筐体512のバネ係止部524(図4参照)とに掛け渡された引張コイルバネ526と、が設けられている。
この構成により、バネ係止部524に引張コイルバネ526の引張り力が作用することにより、サーマルヘッド保持部514に上記回動力が作用するようになっている。また、モータ520の回転軸520aの回転(正方向、逆方向)によって引っ掛け部材522が回転軸520aの軸方向に沿って進退動することで、引張コイルバネ526に生じる引張り力が調整されるようになっている。従って、本実施形態では、引っ掛け部材522、バネ係止部524、および、引張コイルバネ526が製版圧付与機構508を構成し、モータ520および回転軸520aが製版圧可変機構510を構成している。
(サーマルヘッドの発熱、および、穿孔)
図5はサーマルヘッド21の詳細を示す回路図、図6は上記構成による孔版印刷装置の製版書込部20の制御回路系を中心とした概要を示したブロック図である。
図5はサーマルヘッド21の詳細を示す回路図、図6は上記構成による孔版印刷装置の製版書込部20の制御回路系を中心とした概要を示したブロック図である。
サーマルヘッド21は、図5に示すように、4096個の発熱素子21Zを有しており、消費電力を抑えるために、1024個の発熱素子21Zごとに4つのブロック(21a〜21d)に分割されて、ヘッド制御回路100により各ブロックが時分割に発熱駆動されるようになっている(図5中1〜4096は画素に対応する発熱素子番号)。
図6に示すように、サーマルヘッド21を用いて孔版原紙23に製版を行う制御回路系には、装置全体をコントロールするシステム制御マイコン410が設けられ、該マイコン410には、電源供給回路140、ヘッド制御信号生成回路160、印字データ生成回路170、および、製版圧制御回路180を有するヘッド制御回路100と、操作パネル400と、製版読取部10と、書込モータ25を回転駆動するモータコントローラ28と、マスタ表面センサ300とが接続されている。システム制御マイコン410からは電源供給回路140などを制御するための指令信号C1,…,C7が出力される。
原稿13を原稿台12にセットし、その先端を原稿搬送ローラ対14に突き当てると、原稿センサ17が原稿13を検知し製版動作が可能であることが表示パネル401上に表示される。
所定サイズの印刷用紙43が給紙台44にセットされている状態で製版スタートキーを押し下げると、図示しない被複写物サイズ検出手段によって印刷用紙43のサイズが検出されるとともに表示パネル401上にその情報が表示され、原稿搬送ローラ対14が読取モータ18の駆動により回転され原稿送り開始が行われる。続いて原稿INセンサ16が原稿13が搬送されてきたことを検知し、次いで所定長さ分だけ原稿13を送ると孔版原紙23がプラテンローラ24の駆動によって搬送され孔版原紙送り開始が行われる。
この原紙送り開始と同時に、製版読取部10のラインイメージセンサ11により原稿13によって所定サイズの原稿13の画像が光学的に読み取られる。この原稿13を読み取って得た多値データは図示しない画像処理回路に入力され2値データに変換された後ヘッド制御回路100の印字データ生成回路170に入力され、システム制御マイコン410の指令に基づいて、サーマルヘッド21の各ブロック21a〜21dに出力されるシリアル形式の印字データ DAT1〜4がサーマルヘッド21に向けて出力される。
この画像読取りに並行して、ヘッド制御信号生成回路160においては、システム制御マイコン410の指令に基づいて、印字データ DAT1〜4を各発熱素子21Zに出力するためのクロック CLK1〜4、シリアル形式の印字データDAT1〜4 をパラレル信号に変換し保持するためのラッチ信号/LAT1〜4、サーマルヘッド21の各ブロックの各発熱素子21Zに印加される発熱信号(イネーブル信号、ストローブ信号/STB)/ENL1〜4を作成し、サーマルヘッド21にこれら各種制御信号を出力する。
サーマルヘッド21には、図5に示すように出力回路72が設けられている。出力回路72は、ヘッド制御回路100から入力された印字データDAT1〜4 、ラッチ信号/LAT 1〜4 、イネーブル信号/ENL1〜4、クロックCLK1〜4 という4つの信号を使用して、サーマルヘッド21の分割された各ブロックそれぞれの発熱素子21Zを時分割に発熱駆動する。
すなわち、サーマルヘッド21に入力されたシリアル形式の印字データDAT1〜4 は1024ビットのシリアル入力シフトレジスタ75によりパラレルデータに変換され、所定のタイミングで発せられるラッチ信号/LAT1〜4によりラッチ76に保持される。各発熱素子21Zの一端には電源供給回路140から供給される所定の印加電圧Vhが印加され、入力されたイネーブル信号/ENL1〜4とラッチ76に保持されたデータとの論理積の結果が発熱素子21Zの他端に入力されることによって所望のタイミングで発熱素子21Zが発熱駆動される。
以上のようにして、原稿13を読み取って得たデータに基づいて、孔版原紙23への穿孔画像の形成すなわち製版が行われ、その後所定のプラテン送り量分が送られると孔版原紙送り停止が行われ、その後に原稿13が排出されると原稿送り停止が行われ、また製版済みの孔版原紙23は原稿搬送ローラ対26によって一定量搬送され、その一端部がクランプ部32において固定された後、孔版原紙23はドラム33が回転されることによってドラム33外周面に巻装され所定量巻装された後カッタ31で切断される。これによりドラム33の外周面には孔版原紙23が完全に巻装された状態となり、印刷動作待機状態となる。
次にテンキー402aにより印刷枚数を入力すると表示パネル401上にそのデータが表示される。この状態で印刷スタートキーが押下げられると印刷用紙43はピックアップローラ46により1枚づつタイミングローラ42へ搬送され、一次待機した後にドラム33の回転のある所定のタイミングでタイミングローラ42が駆動されて搬送路41に送り込まれる。搬送路41に送り込まれた印刷用紙43は、プレスローラ35によりドラム33の外周面に押し当てられ孔版原紙23に形成された穿孔画像を通過したインキが転写されて印刷が行われる。印刷が行われた印刷用紙43は、分離爪39によってドラム33の外周面から剥ぎ取られ矢印Z方向に搬送されて排紙台49へ排出される。
上記孔版印刷装置においては、品質の異なる(価格の異なる)幾つかの種類の孔版原紙を装着することができるようになっている。ここで、穿孔径のバラ付き原因の1つである原紙表面の凹凸具合(フィルム表面の平滑性)を悪化させる要因を調べたところ以下のことが判った。
第1に、孔版原紙はフィルムと和紙などの支持体とを接着剤で張り合わせて製造するが、皺が発生しないようお互い一定の張力をかけて張り合わせる。このとき、双方の弾性率が同じであれば表面の平滑性が高い(良好な)原紙をつくることができるが、逆に弾性率が異なれば表面の平滑性が低くなる。
第2に、張り合わせて原紙を巻き取ってロール状にするが、ロール状に巻き取られることでフィルム面の上に和紙がある圧力で重なる。これによって和紙の凹凸がフィルム面に反映され、フィルム面の表面の平滑性が全体的に低くなる。またこのときの平滑性の程度は和紙の密度や素材などによっても異なる。
例えば、フィルムは1種類で和紙は数種類のものを使用するものとすれば、和紙の弾性率、密度、素材の差に応じて表面状態の良い(平滑性の良好な)原紙や悪い原紙が出来上がる。現実的には弾性率、密度、素材の3つの要素が全て良い和紙または悪い和紙というのものはないが、トータル的に光沢度(反射率)が高いすなわち平滑性の良好な原紙は高品質で値段が高く、光沢度の低いものは低品質で値段が安いと言える。
一方、孔版原紙の表面の平滑性が低下すると、サーマルヘッドに孔版原紙を通常の圧力で押し当てても、ミクロ的にみるとサーマルヘッドの1発熱素子(抵抗体)と原紙のフイルム面との密着性が悪い部分がでてくるため、この部分では発熱素子の発熱エネルギが原紙のフィルム面に届き難くなり穿孔品質が低下することになる。
そこで本実施形態においては、図7に示すようなフローチャートに基づいて孔版原紙23の製版圧を調整するとよい。すなわち、先ずマスタ表面センサ300により孔版原紙23の光沢度(反射率)を検出する(S1)。なお、この光沢度は孔版原紙23の表面の凹凸に対応する。
この検出により得た受光素子302の信号値S1(A/D変換後のデータでもよい)に基づいて、当該孔版原紙23への適切な製版圧を決定する(S2)。例えば、図8に示すように、孔版原紙23の光沢度が低いほど、サーマルヘッド21による製版圧(ニップ圧)を上昇させる。また、製版圧の決定では、例えば、信号値S1と適切な製版圧との対応表をシステム制御マイコン410が予め有していて、この対応表に基づいて決定してもよい。
そして、モータ520を作動させてサーマルヘッド保持部514に回動軸518まわりの所定の回動力を付与することで、決定した製版圧で孔版原紙23が押圧されるように、システム制御マイコン410がモータ520の回転数あるいは回転角度を設定する。この結果、サーマルヘッド21がプラテンローラ24に向けて押圧され、上記の決定した製版圧となる(S3)。そして、この製版圧で孔版原紙23を製版し、その後に印刷を行う(S4)。
さらに次の原稿13があるときにはステップ11(S1)に戻り上記同様の処理を施す一方(S5−YES)、次の原稿13がなければ処理を終了させる(S5−NO)。
このように、上記構成の装置によれば、孔版原紙23の表面状態をマスタ表面センサ300により自動検知して製版圧を自動設定すれば、孔版原紙23の表面状態に関わらずある程度の穿孔品質を維持することを、確実に行うことができる。この結果、例えば、製版圧を高くすることで表面凹凸の激しい劣化した孔版原紙23に対しても発熱エネルギを十分に伝達することができるので、高品質の孔版原紙を用いた場合と同様の穿孔サイズで白点などの画像不良を極力減らすことのできる製版を行うことができる。
また、製版圧制御回路180(製版圧制御手段)を設けているので、使用者が製版圧を手動で変更しなくても済む構成にすることができる。
また、上記実施形態では、孔版原紙23の表面状態をマスタ表面センサ300により自動検知して製版圧を自動設定するようにしていたが、ユーザによるマニュアル設定を行うこともできる。例えば自動検知用のセンサが設けられていない場合には、ユーザが孔版原紙23の表面状態を判断して製版圧を設定するようにしてもよい。なお、孔版原紙23の表面劣化は印刷画像の画質低下に直接影響するので、ユーザがマニュアル設定を行う場合には、試し刷りなどを行った印刷結果から間接的に孔版原紙23の表面状態の品質を判断することにより、孔版原紙23の品質に関する情報を取得してもよい。
また、マスタ表面センサ300によって検出された孔版原紙23の品質に応じて製版圧を制御するので、孔版原紙23の品質にかかわらずに孔版原紙23に同等の良好な品質の穿孔を施すことを各孔版原紙ごとに確実に行うことができる。
また、ロール状に巻き上げられた孔版原紙は、巻きはじめのときには強くテンションをかけないとうまく巻き取れないため、該原紙の巻き芯付近になればなるほど巻き圧力が高くなり、原紙の巻き芯付近ほど表面の平滑性が悪くなってくる。つまり、原紙の種類が異なるだけでなく、原紙1本分の中でも平滑性は変化する、換言すれば、ロール状に巻き上げられた孔版原紙は、経時的に表面の平滑性が劣化することになる。この場合、原稿13が供給される都度孔版原紙23の表面状態をマスタ表面センサ300により検出するようにすれば、原紙1本分における表面品質の経時変化に対応することもできる。
この場合、穿孔の各主走査ごとに表面状態を検出するようにすれば、原稿1枚分の穿孔過程における孔版原紙の平滑性の変化にも対応することができる。
また、マスタ表面センサ300で孔版原紙の表面の凹凸の程度(孔版原紙の品質)を検出するのは、孔版原紙1ロールごと、原稿1枚ごと、あるいは穿孔の1主走査ごとのいずれのタイミングに行ってもよい。この検出の機会が多いほど穿孔品質や印字品質をきめ細やかに調整できるのはいうまでもない。
さらに上記実施形態では、孔版原紙23の表面の平滑度に対応するマスタ表面センサ300により検知した孔版原紙23の光沢度(反射率)を表す受光素子302の信号値S1に基づいて孔版原紙23の適切な製版圧を決定しているが、これに限らず、信号値S1を基準値と比較して、反射率が高い場合は孔版原紙23の表面状態が高品質であり、反射率が低い場合は低品質であると判断し、その結果に応じて製版圧を切り替える2段階の調整としてもよい。これにより、製版圧の制御をより簡単にすることができる。
また、孔版原紙23の種類毎に応じて製版圧がシステム制御マイコン410に予め設定されている構成にしてもよい。これにより、製版圧制御回路180による制御を簡単にすることができる。また、マスタ表面センサ300を用いて表面の凹凸を計測しなくても済む構成にすることが可能となる。
また、孔版原紙23の製造年月日に応じて製版圧がシステム制御マイコン410に予め設定されている構成にしてもよい。これにより、同様に、製版圧制御回路180による制御を簡単にすることができる。また、マスタ表面センサ300を用いて表面の凹凸を計測しなくても済む構成にすることが可能となる。
また、孔版原紙23の平滑度に応じて製版圧がシステム制御マイコン410に予め設定されている構成にしてもよい。これにより、同様に、製版圧制御回路180による制御を簡単にすることができる。また、マスタ表面センサ300を用いて表面の凹凸を計測しなくても済む構成にすることが可能となる。
また、上記実施形態では、孔版原紙の品質の一態様としてのフィルム表面の平滑度、換言すれば凹凸を問題としていたが、穿孔径のバラ付き発生原因となる孔版原紙の品質を左右する要因は必ずしもフィルム表面の平滑度に限らない。例えば、上述のように、孔版原紙の製造工程ではフィルムと支持体とを接着剤で張り合わせるが、接着剤の塗布量に応じて穿孔径にバラ付きが発生することもある。接着剤の塗布量の変化には、和紙の密度(種類)によるものと製造工程で発生するものとがある。塗布量は少なければ少ないほど穿孔品質には有利つまり穿孔径のバラ付きが少なくなり、塗布量が多ければ孔が開き難くなって穿孔径のバラ付きが多くなる。また塗布量自体にバラ付きがあれば、当然それで穿孔径のバラ付きが発生する。一方、孔版原紙の品質の一態様である接着剤の塗布量の増減に応じて孔版原紙の光透過率が変化する。したがって、この光透過率をフォトセンサなどの光学的な検出手段を用いて検出して、この検出結果に応じて上述同様の制御を行うことで、穿孔品質を均質化することもできる。
言い換えると、上記実施形態では、マスタ表面センサ300で孔版原紙23の表面の凹凸を検出し、この凹凸に応じて製版圧を制御する例で説明したが、凹凸に限らず、孔版原紙23にサーマルヘッド21で穿孔を形成して製版するに際して穿孔径に影響を与える孔版原紙特性(品質)に応じて製版圧を制御することで、孔版原紙の品質にかかわらずに孔版原紙に同等の良好な品質の穿孔を施すことを、装置寿命を短くすることなく行うことが可能である。
<検討例>
上記構成の孔版印刷装置1で、通常の孔版原紙(高品質原紙)、および、表面の凹凸の度合いが大きい孔版原紙(低品質原紙)に製版した例(実施例)を、それぞれ、図9(a)および(b)に示す。また、比較のために、従来の孔版印刷装置で、通常の孔版原紙(高品質原紙)、および、表面の凹凸の度合いが大きい孔版原紙(低品質原紙)に製版した例(従来例)を、それぞれ、図10(a)および(b)に示す。
上記構成の孔版印刷装置1で、通常の孔版原紙(高品質原紙)、および、表面の凹凸の度合いが大きい孔版原紙(低品質原紙)に製版した例(実施例)を、それぞれ、図9(a)および(b)に示す。また、比較のために、従来の孔版印刷装置で、通常の孔版原紙(高品質原紙)、および、表面の凹凸の度合いが大きい孔版原紙(低品質原紙)に製版した例(従来例)を、それぞれ、図10(a)および(b)に示す。
実施例では、通常の孔版原紙(高品質原紙)であっても、表面の凹凸の度合いが大きい劣化した孔版原紙(低品質原紙)であっても、穿孔径にばらつきがない。
一方、従来例では、通常の孔版原紙(高品質原紙)に穿孔したときにはほぼ均一の穿孔径が形成されるが、同一製版条件のままで、表面の凹凸の度合いが大きい劣化した孔版原紙(低品質原紙)に穿孔したときには、図10(b)に示すように、穿孔径がばらつく。
1 孔版印刷装置
20 製版書込部(製版装置)
21 サーマルヘッド
21Z 発熱素子
23 孔版原紙
24 プラテンローラ
180 製版圧制御回路(製版圧制御手段)
300 マスタ表面センサ(検出手段)
508 製版圧付与機構(製版圧付与手段)
510 製版圧可変機構(製版圧可変手段)
20 製版書込部(製版装置)
21 サーマルヘッド
21Z 発熱素子
23 孔版原紙
24 プラテンローラ
180 製版圧制御回路(製版圧制御手段)
300 マスタ表面センサ(検出手段)
508 製版圧付与機構(製版圧付与手段)
510 製版圧可変機構(製版圧可変手段)
Claims (3)
- 発熱素子が配列されているサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドとの間で孔版原紙をニップ可能なプラテンローラと、
前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとをニップさせ、前記孔版原紙に製版圧を付与する製版圧付与手段と、
前記製版圧付与手段による前記製版圧を可変にする製版圧可変手段と、
を備えたことを特徴とする製版装置。 - 前記製版圧可変手段による前記製版圧を制御する製版圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の製版装置。
- 前記孔版原紙の品質を検出する検出手段を備え、
前記製版圧制御手段は、前記検出手段から受けた信号に基づいて前記製版圧を制御することを特徴とする請求項2記載の製版装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013076725A JP2014200941A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | 製版装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013076725A JP2014200941A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | 製版装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014200941A true JP2014200941A (ja) | 2014-10-27 |
Family
ID=52351837
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2013076725A Pending JP2014200941A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | 製版装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014200941A (ja) |
-
2013
- 2013-04-02 JP JP2013076725A patent/JP2014200941A/ja active Pending
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