JP2014201045A - 多層構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、MXD6は柔軟性に劣り耐ピンホール性が悪いため、耐ピンホール性の悪化を改善しつつ、高いガスバリア性を示す食品包装材料とするために様々な検討が行われている。例えば、特許文献1では、特定の脂肪酸系ビスアミドと変性ポリオレフィンとを特定の割合で含有するポリアミド層を、MXD6層の両面に積層させた積層フィルムが提案されている。また上記ポリアミド層として、特許文献1の実施例ではナイロン6が用いられており、ナイロン6/接着剤/MXD6/接着剤/ナイロン6の層構成で、各層の厚みが45/5/50/5/45μmの未延伸シートを2軸延伸機で厚さ15μmに延伸した積層フィルムが開示されている。
すなわち、本発明は、以下の多層構造体に関する。
上記ポリアミド層(A)が、ジアミン構成単位がキシリレンジアミン(a−1)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)に由来する構成単位を含むポリアミド(a)を含有し、
上記ポリエーテルポリアミド層(B)が、ジアミン構成単位が下記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)に由来する構成単位を含むポリエーテルポリアミド(b)を含有する多層構造体。
なお、本明細書において、「主成分とする」とは、本発明の多層構造体の効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨であり、具体的には、各層を構成する成分全体の約80質量%以上、好ましくは90質量%以上100質量%以下の範囲を占める成分である。ただし、「主成分とする」とは、上記含有量に特定するものではない。
ポリアミド層(A)は、ポリアミド(a)を主成分として含む層であり、ポリアミド(a)は、ジアミン構成単位がキシリレンジアミン(a−1)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)に由来する構成単位を含む。
本発明の多層構造体は上記ポリアミド層(A)を含むことで、優れた酸素バリア性を多層構造体に付与することができる。
ジアミン構成単位中における、キシリレンジアミン(a−1)に由来する構成単位の含有量は、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%である。
キシリレンジアミン(a−1)としては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物が好ましく、メタキシリレンジアミン、又はメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物がより好ましく、メタキシリレンジアミンが更に好ましい。
また、キシリレンジアミン(a−1)として、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物を用いる場合には、メタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンの総量に対するパラキシリレンジアミンの割合は、好ましくは90モル%以下であり、より好ましくは1〜80モル%以下、更に好ましくは1〜70モル%以下、より更に好ましくは5〜70モル%である。
キシリレンジアミン(a−1)以外のジアミン構成単位を構成しうるジアミン化合物としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。これらのジアミン化合物は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよく、またキシリレンジアミンと併用してもよい。
ジカルボン酸構成単位中における、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)に由来する構成単位の含有量は、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%である。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等を例示できる。これらの中でも結晶性、高弾性の観点から、アジピン酸及びセバシン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、結晶性、高弾性に加えてガスバリア性の観点からはアジピン酸がより好ましい。これらのジカルボン酸は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)以外に用いることができるジカルボン酸として、シュウ酸、マロン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよく、また炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸と併用してもよい。
また、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)とイソフタル酸との混合物を使用する場合、ポリアミド樹脂(A)の耐熱性及び成形加工性を向上させることができる。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)とイソフタル酸とのモル比(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)/イソフタル酸)は、50/50〜99/1が好ましく、70/30〜95/5がより好ましい。
ポリアミド(a)の融点は、耐熱性及び溶融成形性の観点から、好ましくは170〜270℃の範囲、より好ましくは175〜270℃の範囲、更に好ましくは180〜270℃の範囲、更に好ましくは180〜260℃の範囲である。融点は、示差走査熱量計を用いて測定される。
ポリアミド(a)の相対粘度は、成形性及び他の樹脂との溶融混合性の観点から、好ましくは1.7〜4.0の範囲、より好ましくは1.9〜3.8の範囲である。相対粘度は、試料0.2gを96質量%硫酸20mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96質量%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0
上記ポリアミド(a)のなかでも、キシリレンジアミン(a−1)がメタキシリレンジアミンであり、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)がアジピン酸であるMXD6が特に好適である。MXD6を上記ポリアミド(a)として用いることで、本発明の多層構造体に、より優れたガスバリア性を付与することでき、加えて強度、弾性率、成形加工性等を向上させることができる。
ポリエーテルポリアミド層(B)は、ポリエーテルポリアミド(b)を主成分として含む層である。ポリエーテルポリアミド(b)は、ジアミン構成単位が下記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)に由来する構成単位を含む、ポリエーテルポリアミドである。
本発明の多層構造体は上記ポリエーテルポリアミド層(B)を含むことで、多層構造体に柔軟性を付与でき、耐ピンホール性に優れ、またポリエーテルポリアミド層(B)自体が酸素バリア性を示すことから、ポリアミド層(A)とともに積層することにより、更に優れた酸素バリア性を示す多層構造体とすることができる。また、ポリエーテルポリアミド層(B)は接着性を有することから、接着剤層を有さなくとも多層構造体は層間密着強度に優れるものとなる。
ポリエーテルポリアミド(b)を構成するジアミン構成単位は、上記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)に由来する構成単位を含む。
上記ジアミン構成単位中における、ポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)に由来する構成単位の合計含有量は、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは80〜100モル%、より更に好ましくは90〜100モル%である。
ポリエーテルポリアミド(b)を構成するジアミン構成単位は、上記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(b−1)に由来する構成単位を含む。上記一般式(1)における(x+z)は1〜60であり、好ましくは2〜40、より好ましくは2〜30、更に好ましくは2〜20、より更に好ましくは2〜15である。また、yは1〜50であり、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。x、y、zの値が上記範囲より大きい場合、溶融重合の反応途中に生成するキシリレンジアミンとジカルボン酸とからなるオリゴマーやポリマーとの相溶性が低くなり、重合反応が進行しづらくなる。
また、上記一般式(1)における−OR1−は各々独立に−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表し、−OR2−は−OCH2CH2CH2CH2−又は−OCH2CH2−を表す。
一般式(1−2)中、x2+z2は1〜60、y2は1〜50を表し、−OR1−は−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表す。
上記一般式(1−2)における(x2+z2)の数値は1〜60であり、好ましくは2〜40、より好ましくは2〜30、更に好ましくは2〜20、より更に好ましくは2〜15である。また、y2の数値は1〜50であり、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。
なお、これらのポリエーテルジアミン化合物(b−1)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(1−2)で表されるポリエーテルジアミン化合物の数平均分子量は、好ましくは180〜5700、より好ましくは200〜4000、更に好ましくは300〜3000、より更に好ましくは400〜2000、より更に好ましくは500〜1800である。
ポリエーテルポリアミド(b)を構成するジアミン構成単位は、キシリレンジアミン(b−2)に由来する構成単位を含む。キシリレンジアミン(b−2)としては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物が好ましく、メタキシリレンジアミン、又はメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物がより好ましく、メタキシリレンジアミンが更に好ましい。
キシリレンジアミン(b−2)がメタキシリレンジアミンに由来する場合、得られるポリエーテルポリアミドは、柔軟性、結晶性、溶融成形性、成形加工性、強靭性に優れたものとなる。
キシリレンジアミン(b−2)が、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物に由来する場合、得られるポリエーテルポリアミドは柔軟性、結晶性、溶融成形性、成形加工性、強靭性に優れ、更に高耐熱性、高弾性率を示す。
ポリエーテルポリアミド(b)を構成するジアミン構成単位は、上述したように、前記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)に由来する構成単位を含むが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他のジアミン化合物に由来する構成単位を含んでもよい。
ポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)以外のジアミン構成単位を構成しうるジアミン化合物としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリエーテルポリアミド(b)を構成するジカルボン酸構成単位は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)に由来する構成単位を含む。
上記ジカルボン酸構成単位中における、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)に由来する構成単位の含有量は、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%である。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等を例示できる。これらの中でも結晶性、高弾性の観点から、アジピン酸及びセバシン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、結晶性、高弾性に加えてガスバリア性の観点からはアジピン酸がより好ましい。これらのジカルボン酸は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリアミド(b)を構成するジカルボン酸構成単位は、上述したように、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)に由来する構成単位を含むが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他のジカルボン酸に由来する構成単位を含んでもよい。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)以外のジカルボン酸構成単位を構成しうるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
ジカルボン酸成分として、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)とイソフタル酸との混合物を使用する場合、ポリエーテルポリアミド(b)の耐熱性及び成形加工性を向上させることができる。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)とイソフタル酸とのモル比(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)/イソフタル酸)は、50/50〜99/1が好ましく、70/30〜95/5がより好ましい。
ポリエーテルポリアミド(b)は、キシリレンジアミン(b−2)と炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)とから形成される高結晶性のポリアミドブロックをハードセグメントとし、ポリエーテルジアミン化合物(b−1)由来のポリエーテルブロックをソフトセグメントとすることで、溶融成形性及び成形加工性に優れる。更に得られたポリエーテルポリアミドは強靭性、柔軟性、結晶性、耐熱性、ガスバリア性、耐ピンホール性、及び層間密着強度等に優れる。
相対粘度=t/t0
ポリエーテルポリアミド(b)の引張弾性率(測定温度23℃、湿度50%RH)は、柔軟性及び機械強度の観点から、好ましくは100MPa以上、より好ましくは200MPa以上、更に好ましくは300MPa以上、更に好ましくは400MPa以上、更に好ましくは500MPa以上である。
引張弾性率及び引張破断伸び率の測定は、JIS K7161に準じて行われる。
なお、ポリエーテルポリアミド(b)の数平均分子量(Mn)は、実施例に記載の方法で測定された値を意味する。
ポリエーテルポリアミド(b)の製造は、特に限定されるものではなく、任意の方法、重合条件により行うことができる。例えば、ジアミン成分(ポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)等のジアミン)とジカルボン酸成分(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)等のジカルボン酸)とからなる塩を水の存在下に加圧状態で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法によりポリエーテルポリアミド(b)を製造することができる。また、ジアミン成分(ポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)等のジアミン)を溶融状態のジカルボン酸成分(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)等のジカルボン酸)に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によってもポリエーテルポリアミド(b)を製造することができる。この場合、反応系を均一な液状態で保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
この際、ジアミン成分のうち、ポリエーテルジアミン化合物(b−1)については、ジカルボン酸成分とともに予め反応槽内に仕込んでおいてもよい。ポリエーテルジアミン化合物(b−1)を予め反応槽内に仕込んでおくことで、ポリエーテルジアミン化合物(b−1)の熱劣化を抑制することができる。その場合もまた、反応系を均一な液状態で保つために、ポリエーテルジアミン化合物(b−1)以外のジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
本発明の多層構造体は、ポリアミド層(A)(以下、(A)層と略記することがある)及びポリエーテルポリアミド層(B)(以下、(B)層と略記することがある)を、それぞれ1層又は2層以上有することができる。具体的には、以下に示すような層構成が挙げられ、押出機を用いて多層ダイにより共押出する層構成であることが好ましい。
(1)2種2層構成;具体的には、(A)層/(B)層、(B)層/(A)層など。
(2)2種3層構成;具体的には、(A)層/(B)層/(A)層、(B)層/(A)層/(B)層など。
(3)2種4層構成;具体的には、(A)層/(B)層/(A)層/(B)層、(B)層/(A)層/(B)層/(A)層など。
なお、本明細書において、例えばX/Y/Zの表記は、ことわりのない限り空気に曝される側からX、Y、Zの順に積層していることを示す。また、多層構造体が(A)層を複数層有する場合、複数の(A)層は同一でも異なっていてもよく、(B)層についても同様である。
上記樹脂層としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、及び塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂から形成されるものが挙げられる。
添加剤としては、フィラー、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、繊維状強化剤、可塑剤、潤滑剤、耐熱剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、添加剤の含有量は、その種類に応じた通常の含有量の範囲で用いればよい。
また(B)層/(A)層/(B’)層として積層する場合、(B)層、(A)層、(B’)層の各層に添加される添加剤の種類、量が異なっても良い。
なお、実施例及び比較例において各種評価は以下の方法により行った。
JIS K7126に準拠し、OX−TRAN(登録商標)2/21(MOCON社製)を用い、23℃、60%RHの条件で、作製した総厚み25μmの延伸フィルムの酸素透過量(単位:cc/m2・atm・day)を測定した。
作製した総厚み25μmの延伸フィルムを210mm角に切削し、ゲルボフレックス(理学工業株式会社製)を用いて、ゲルボフレックスの軸方向を測定方向とし、23℃、60%RHでの環境下で、1000回屈曲時におけるピンホールの数を測定した。ピンホールの測定は、ピンホールテスター(微弱電流放電法)を用いて行った。
JIS K5600−5−6(ISO2409)に準拠し、(B)層にカッターで2mm間隔の碁盤の目状に100目の切り込みを入れ、セロハンテープ(登録商標、ニチバン株式会社製)を切り込み部分に貼り付け、5分以内に60度に近い角度で0.5〜1.0秒で確実に引き離し、(B)層の剥離状況を確認した。
上記100目のうち1目でも剥がれた場合、剥離有りと評価した。
(1)相対粘度(ηr)
試料0.2gを精秤し、96%硫酸20mlに20〜30℃で撹拌溶解し、完全に溶解させ、溶液を調製した。その後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に当該溶液5mlを取り、25℃の恒温槽中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96質量%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から下式により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0
まず試料を、フェノールとエタノールとの混合溶媒(フェノール/エタノール=4/1(体積比))、及びベンジルアルコール溶媒にそれぞれ溶解させ、カルボキシル末端基濃度とアミノ末端基濃度を塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液の中和滴定により求めた。数平均分子量は、アミノ末端基濃度及びカルボキシル末端基濃度の定量値から次式により求めた。
数平均分子量=2×1,000,000/([NH2]+[COOH])
[NH2]:アミノ末端基濃度(μeq/g)
[COOH]:カルボキシル末端基濃度(μeq/g)
示差走査熱量の測定はJIS K7121、K7122に準じて行った。示差走査熱量計(株式会社島津製作所製、商品名:「DSC−60」)を用い、各試料をDSC測定パンに仕込み、窒素雰囲気下にて昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し、急冷する前処理を行った後に測定を行った。測定条件は、昇温速度10℃/分で、300℃で5分保持した後、降温速度−5℃/分で100℃まで測定を行い、ガラス転移温度Tg、結晶化温度Tch及び融点Tmを求めた。
実施例におけるポリエーテルポリアミド層(B)を形成するポリエーテルアミドとして、以下の製造例で製造したものを使用した。
(製造例1)ポリエーテルポリアミドb1の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にアジピン酸650.37g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6125g及び酢酸ナトリウム0.4266gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学株式会社製)588.04g、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、Jeffamine(登録商標)ED−900、米国HUNTSMAN社のカタログによれば、前記一般式(1−2)における−OR1−が−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−であり、x2+z2の概数が6.0、y2の概数が12.5であり、概略分子量は900である)115.46gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドを得た。相対粘度=1.62、[COOH]=49.02μeq/g、[NH2]=95.5μeq/g、Mn=13840、Tg=68.1℃、Tch=121.6℃、Tm=234.1℃。
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にアジピン酸584.60g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.5933g及び酢酸ナトリウム0.4133gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学株式会社製)516.52g、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、Jeffamine(登録商標)XTJ−542、米国HUNTSMAN社のカタログによれば、前記一般式(1−1)における−OR1−が−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−であり、x1+z1の概数が6.0、y1の概数が9.0であり、概略分子量は1000である)199.60gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドを得た。相対粘度=1.53、[COOH]=39.78μeq/g、[NH2]=106.93μeq/g、Mn=13632、Tg=76.0℃、Tch=114.7℃、Tm=234.3℃。
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にアジピン酸613.83g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6242g及び酢酸ナトリウム0.4348gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学株式会社製)380.41gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学株式会社製)163.03g(モル比(MXDA/PXDA=70/30))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、Jeffamine(登録商標)XTJ−542、詳細は上記と同様)210.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドを得た。相対粘度=1.53、[COOH]=79.95μeq/g、[NH2]=100.38μeq/g、Mn=11091、Tg=80.5℃、Tch=113.4℃、Tm=252.6℃。
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にアジピン酸584.6g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.683g及び酢酸ナトリウム0.476gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学株式会社製)490.3g、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、Jeffamine(登録商標)XTJ−542、詳細は上記と同様)400.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドを得た。相対粘度=1.38、[COOH]=110.17μeq/g、[NH2]=59.57μeq/g、Mn=11783、Tg=71.7℃、Tch=108.3℃、Tm=232.8℃。
ポリアミド層(A)を形成するポリメタキシリレンアジパミド(三菱ガス化学株式会社製、商品名:「MXナイロン S6007」、相対粘度2.7、融点237℃)、及びポリエーテルポリアミド層(B)を形成する前記ポリエーテルポリアミドb1〜b4を表1に示すとおり用い、2台の押出機と、(B)層/(A)層/(B)層の順に積層するフィードブロックを備えた多層フィルム押出成形機にて、各層の厚みが90/45/90μmで総厚み225μmの未延伸多層フィルムを成形した。
上記未延伸多層フィルムをバッチ式の同時二軸延伸機にて縦3倍、横3倍に延伸し、210℃で熱固定処理を行い、各層の厚みが10/5/10μmで総厚み25μmの延伸多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムについて、前述の評価を行い、結果を表1に示した。
実施例1において、(B)層として、ポリエーテルポリアミド層(B)の替わりにナイロン6(宇部興産株式会社製、商品名:「UBEナイロン 1024B」)を用いた以外は、同様に行い延伸多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムについて、前述の評価を行い、結果を表1に示した。
また、比較例1の酸素バリア性から、ナイロン6との多層構造体の場合、MXD6層は一定以上の厚みが必要となることがわかるが、実施例1〜4の多層フィルムであれば比較例1と同じMXD6層の厚みで、より高い酸素バリア性を示すことがわかる。さらに、比較例1の多層フィルムは接着剤層がないため層間剥離が生じたが、実施例1〜4の多層フィルムは接着剤層がなくとも層間剥離が生じず、層間密着強度に優れることがわかる。
Claims (9)
- ポリアミド層(A)及びポリエーテルポリアミド層(B)を有する多層構造体であって、
上記ポリアミド層(A)が、ジアミン構成単位がキシリレンジアミン(a−1)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−2)に由来する構成単位を含むポリアミド(a)を含有し、
上記ポリエーテルポリアミド層(B)が、ジアミン構成単位が下記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(b−1)及びキシリレンジアミン(b−2)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)に由来する構成単位を含むポリエーテルポリアミド(b)を含有する多層構造体。
(式中、x+zは1〜60、yは1〜50を表し、−OR1−は各々独立に−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表し、−OR2−は−OCH2CH2CH2CH2−又は−OCH2CH2−を表す。) - キシリレンジアミン(b−2)が、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物である、請求項1又は2に記載の多層構造体。
- α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(b−3)が、アジピン酸、セバシン酸及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の多層構造体。
- ポリアミド(a)が、ポリメタキシリレンアジパミドである、請求項1〜4のいずれかに記載の多層構造体。
- ポリアミド層(A)及びポリエーテルポリアミド層(B)を、それぞれ1層又は2層以上有する、請求項1〜5のいずれかに記載の多層構造体。
- ポリエーテルポリアミド層(B)、ポリアミド層(A)、ポリエーテルポリアミド層(B)の順の層構成を少なくとも有する、請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造体。
- ポリアミド層(A)の厚みが1〜200μmである、請求項1〜7のいずれかに記載の多層構造体。
- シート又はフィルムである、請求項1〜8のいずれかに記載の多層構造体。
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