JP2014204351A - 圧電デバイス - Google Patents

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重隆 加賀
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Abstract

【課題】特定の斜め方向にメサを挟んで電極を配置させることによりCI値を低減させ、インハーモニックモードの利用に際して高品質の圧電デバイスを提供する。【解決手段】Z?軸及びX軸がそれぞれ平面方向でありかつY?軸が厚み方向である晶系32の回転Y板により作成された圧電振動片100を有し、その表面100aまたは裏面100bの少なくとも一方に、周辺部13より厚肉の第1メサ11、第2メサ12を備え、第1メサ11、第2メサ12は、Z?方向に複数並べた状態で形成され、一対の第1励振電極21、31は、一方が表面100aに、他方が裏面100bに形成され、第1メサ11をZ?方向に挟み、かつY?方向に圧電振動片100を挟むように斜めに配置され、その斜め方向として、Y軸に対する角度が小さくなる斜め方向D1が選択される。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電デバイスに関する。
携帯端末や携帯電話などの電子機器では、水晶振動子や水晶発振器などの圧電デバイスが搭載されている。このような圧電デバイスは、リッドやベースで構成されたパッケージ内のキャビティーに水晶振動片などの圧電振動片を搭載して作製されている。このような圧電デバイスは、電子機器の信頼性を向上させるためにも長期安定度に優れていることが求められている。圧電デバイスの長期安定度の向上を図るため、例えば特許文献1に記載されるように、圧電振動片の所定部分をZ(Z´)方向に挟むように一対の電極を配置し、この一対の電極の間にZ(Z´)方向の電界を印加することで、圧電振動片の所定部分を振動させる構成が知られている。この構成によれば、振動部分に電極が設けられないため、電極の経時変化等の影響を受けにくくなり、長期安定度を確保することができる。
ただし、上記特許文献1のような平行電界励振型の構成においては、振動部分のY(Y´)側表面に電極が設けられた構成(垂直電界励振型)に比べて電界効率が悪いため、CI値が高くなってしまうという問題がある。一方、圧電振動片は厚みすべり振動を利用しているため、振動部分を周辺部よりも厚肉としたメサを形成させ、このメサに振動エネルギーを閉じ込めることで、振動部分の電界効率を高める構成が考えられる。
米国特許第4625138号明細書
しかしながら、平行電界励振型の圧電振動片にメサを設ける構成については、従来、研究が十分にされておらず、特にインハーモニックモードを利用した場合のCI値については明確な値が得られていなかった。従って、Z´軸及びX軸がそれぞれ平面方向でありかつY´軸が厚み方向である晶系32の回転Y板により作成された圧電振動片を用いて、その表面または裏面の少なくとも一方に、周辺部より厚肉のメサを備える場合、平行電界励振型の電極配置を採用してインハーモニックモードを利用する際に振動特性の良い構成を見出すことが求められていた。
以上のような事情に鑑み、本発明は、特定の斜め方向にメサを挟んで電極を配置させることによりCI値を低減させ、インハーモニックモードの利用に際して高品質の圧電デバイスを提供することを目的とする。
本発明では、Z´軸及びX軸がそれぞれ平面方向でありかつY´軸が厚み方向である晶系32の回転Y板により作成された圧電振動片を有し、圧電振動片の表面または裏面の少なくとも一方に、周辺部より厚肉のメサを備える圧電デバイスであって、メサは、Z´方向に複数並べた状態で形成され、複数のメサのそれぞれに対応して、一対の電極のうち一方が圧電振動片の表面に形成され、他方が圧電振動片の裏面に形成され、一対の電極は、メサの一つに対してZ´方向にメサを挟み、かつY´方向に圧電振動片の厚さを挟むように、斜めに配置され、一対の電極は、各電極が配置された斜め方向として、Y軸に対する角度が小さくなる斜め方向が選択される。
また、複数のメサは、Z´方向の幅がそれぞれ同一に形成されるものでもよい。また、一対の電極の他方と、別の一対の電極の一方とは、同極に設定されるとともに、Y´方向に圧電振動片の厚さを挟んで配置されるものでもよい。また、晶系32の回転Y板として、ATカット板またはBTカット板が用いられるものでもよい。
本発明によれば、晶系32の回転Y板により作成された圧電振動片の表面または裏面の少なくとも一方にメサを備える構成において、Y軸に対する角度が小さくなる斜め方向にメサを挟んで電極を配置することにより、インハーモニックモードの利用に際して圧電振動片のCI値の低減等を実現することができ、高品質の圧電デバイスを提供することができる。
圧電デバイスに用いられる圧電振動片の実施形態を示し、(a)は表面の平面図、(b)は表面側から透過して見た裏面の平面図、(c)は(a)のA−A線に沿った断面図である。 ATカット及びBTカットに係る圧電振動片の構成を模式的に示す図である。 (a)〜(c)はそれぞれ圧電振動片の比較例を示す断面図である。 実施形態と比較例とを比較したもので、(a)はC1値を示すグラフであり、(b)はR1(CI)値を示すグラフである。 (a)〜(c)は圧電振動片の他の実施形態を示す断面図である。 圧電デバイスの実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態を説明するため、図面においては一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、図面においてハッチングした部分は金属膜を表している。
<圧電振動片>
図1(a)、(b)及び(c)は、圧電デバイスに用いられる圧電振動片100の実施形態を示している。この圧電振動片100は、晶系32に属する材料を用いて形成された回転Y板が用いられる。圧電振動片の中で晶系32に属する(点群32に属する)材料としては、水晶、GaPO4(リン酸ガリウム)、ランガサイト系(LGS、LGN、LGT)、水晶などが知られている。晶系32に属する材料を用いて形成された回転Y板は、厚みすべり振動及び輪郭すべり振動を共に生じる。
厚みすべり振動を利用した圧電振動片としてはATカット、BTカットのものが、また輪郭すべり振動を利用した圧電振動片としてはCTカット、DTカットのものが実用化されており、いずれも温度特性が優れている。厚みすべり振動と輪郭すべり振動とはお互いに結合して温度特性などを乱すが、振動片の端面を所定の角度に傾斜させることにより両振動の結合をなくすことができる。
圧電振動片100としては、例えば、厚みすべり振動するATカットの水晶振動片が用いられている。ATカットは、水晶振動子等の圧電デバイスが常温付近で使用されるにあたって良好な周波数特性が得られる等の利点があり、人工水晶の3つの結晶軸である電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)及び光学軸(Z軸)のうち、Z軸に対してX軸周りに35°15′だけ傾いた角度で切り出す加工手法である。ただし、ATカットに代えてBTカットの水晶板が用いられてもよい。なお、BTカットは、Z軸に対してX軸周りに−49°だけ傾いた角度で切り出す加工手法である。
本実施形態では、以下の各図において、XY´Z´座標系を用いて図中の方向を説明する。このXY´Z´座標系において、X軸は水晶の結晶軸に一致し、Y´軸及びZ´軸は、圧電振動片100を切り出すときの切り出し方向に相当する。本実施形態では、圧電振動片100がATカットの水晶片であるため、Y´軸及びZ´軸は結晶軸の機械軸(Y軸)及び光学軸(Z軸)からそれぞれ35°15′傾いた軸に一致する。このXY´Z´座標系においては、圧電振動片の表面に平行な平面がXZ´平面である。このXZ´平面において圧電振動片の長手方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をZ´方向と表記する。XZ´平面に垂直な方向はY´方向と表記する。また、X方向、Y´方向及びZ´方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
圧電振動片100は、図1(a)及び(b)に示すように、矩形板状に形成されている。圧電振動片100は、X方向に長手となり、Z´方向に短手となるように形成されている。圧電振動片100は、Y´方向が厚み方向となっている。この圧電振動片100は、振動部10と、保持部20とを備えている。
振動部10は、所定の波長(λ)の振動を発生させる部分である。振動部10は、圧電振動片100のうち+X側に配置されている。振動部10は、圧電振動片100の表面100a側に突出する複数の第1メサ11及び第2メサ12を有している。第1メサ11及び第2メサ12は、例えば、図1(c)に示すように、周辺部13のY´方向の厚さHに対して大きな、厚さH´に形成される。第1メサ11及び第2メサ12は、全体に亘って厚さが均一に形成されている。なお、第1メサ11及び第2メサ12は、圧電振動片100の表面100a側に形成されていることに限定されない。例えば、第1メサ11及び第2メサ12が圧電振動片100の裏面100bに形成されてもよく、表面100a及び裏面100bの双方に形成されてもよい。
第1メサ11及び第2メサ12は、平面視(Y´方向から見たとき)において矩形状に形成されている。第1メサ11及び第2メサ12は、Z´方向において所定の間隔を空けて並んで配置されている。第1メサ11及び第2メサ12は、X方向に長手となり、Z´方向に短手となるように形成されている。第1メサ11及び第2メサ12は、Z´方向の寸法(幅)、X軸方向の寸法(長さ)がそれぞれ同一となるように形成されている。なお、第1メサ11及び第2メサ12が同一形状であることに限定されず、異なった形状であってもよい。
振動部10のうち第1メサ11及び第2メサ12が形成された部分は、周辺部13よりも振動の波長が大きく(周波数が小さく)なる。この場合、第1メサ11及び第2メサ12で生じた振動のエネルギーは、それぞれ第1メサ11及び第2メサ12に閉じ込められ、周辺部13に拡散しにくくなる。これにより、第1メサ11及び第2メサ12で発生した振動の減衰が抑制されるため、振動部10において効率的に振動を発生させることが可能となっている。
また、振動部10の表面(圧電振動片100の表面100a)には、第1励振電極21、第2励振電極22、及びダミー電極23が設けられている。第1励振電極21、第2励振電極22、及びダミー電極23は、第1メサ11及び第2メサ12と同様にX方向に沿って延びており、Z´方向に並んで配置されている。第1励振電極21は、第1メサ11の−Z´側に配置されている。第2励振電極22は、Z´方向において第1メサ11と第2メサ12との間に配置されている。ダミー電極23は、第2メサ12の+Z´側に配置されている。従って、第1メサ11は、第1励振電極21と第2励振電極22とで挟まれており、第2メサ12は、第2励振電極22とダミー電極23とで挟まれている。なお、ダミー電極23は、他の電極には電気的に接続されない構成となっている。
また、振動部10の裏面(圧電振動片100の裏面100b)には、第1励振電極31、第2励振電極32、及びダミー電極33が設けられている。第1励振電極31、第2励振電極32、及びダミー電極33は、第1励振電極21等と同様にX方向に沿って延びており、Z´方向に並んで配置されている。第1励振電極31は、第2励振電極22とY´方向に重なるように、Z´方向において第1メサ11と第2メサ12との間の対向領域に配置されている。第2励振電極32は、ダミー電極23とY´方向に重なるように、第2メサ12の+Z´側の対向領域に配置されている。ダミー電極33は、第1励振電極21とY´方向に重なるように、第1メサ11の−Z´側の対向領域に配置されている。ダミー電極33は、他の電極には接続されない構成となっている。
したがって、図1(c)に示すように、一対の第1励振電極21及び第1励振電極31は、第1メサ11を斜め方向に挟むように配置されている。つまり、第1励振電極21及び第1励振電極31は、複数のメサのうちの一つである第1メサ11に対してZ´方向に第1メサ11を挟み、かつY´方向に圧電振動片100の厚さを挟むように斜めに配置されている。
また、一対の第2励振電極22及び第2励振電極32は、第2メサ12を斜め方向に挟むように配置されている。つまり、第2励振電極22及び第2励振電極32は、複数のメサのうちの一つである第2メサ12に対してZ´方向に第2メサ12を挟み、かつY´方向に圧電振動片100の厚さを挟むように斜めに配置されている。
また、本実施形態では、第1メサ11及び第2メサ12の表面(Y´側の面)には、電極が配置されていない構成となっている。第1メサ11及び第2メサ12の表面に電極が配置される場合、電極が経時劣化等によって変化すると、第1メサ11及び第2メサ12で生じる振動の周波数などに影響が及ぶため、長期的に安定した振動が得にくくなる場合がある。これに対して、圧電振動片100では、第1メサ11及び第2メサ12の表面に電極が設けられないため、電極の経時劣化等の影響を受けにくくなり、長期安定度を確保することができる構成となっている。
保持部20は、圧電振動片100の−X側に配置されている。ただし、保持部20は、圧電振動片100の+X側に配置されてもよい。保持部20の表面(Y´側の面)及び裏面(−Y´側の面)には、引出電極14〜17が形成されている。引出電極14、15は、保持部20の表面(圧電振動片100の表面100a)に配置されている。引出電極14は、第1励振電極21から−X方向に引き出されて、保持部20の−X側かつ−Z´側の角部まで引き出される。引出電極15は、第2励振電極22から−X方向に引き出されて、保持部20の−X側の端部であって、Z´方向の中央部まで引き出される。
引出電極16、17は、保持部20の裏面に配置されている。保持部20の裏面(圧電振動片100の裏面100b)に配置されている。引出電極16は、第1励振電極31から−X方向に引き出されて、保持部20の−X側の端部であって、Z´方向の中央部まで引き出される。なお、引出電極16は、圧電振動片100の側面を介して引出電極15に電気的に接続されてもよい。引出電極17は、第2励振電極32から−X方向に引き出されて、保持部20の−X側かつ+Z´側の角部まで引き出される。なお、引出電極17は、圧電振動片100の表面100aや、裏面100b、側面等を介して引出電極14に電気的に接続されてもよい。
第1励振電極21、31、第2励振電極22、32、ダミー電極23、33、引出電極14〜17は、導電性の金属膜が用いられる。金属膜としては、例えば、水晶材に対する各電極の密着性を向上させる役割を有する下地層としてクロム(Cr)や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金を成膜し、その上に金(Au)や銀(Ag)を成膜した2層または3層などの積層構造が採用される。
一対の第1励振電極21、31、第2励振電極22、32のそれぞれは、各電極が配置された斜め方向として、Y軸に対する角度が小さくなる斜め方向が選択される。この斜め方向について説明する。図2は、ATカット及びBTカットに係る圧電振動片を結晶軸に対応させた姿勢で示す模式図である。なお、図2においては、Y´軸を省略して表している。また、図2に示す圧電振動片100AはATカットされたものであり、圧電振動片100BはBTカットされたものである。
図2に示すように、ATカットの圧電振動片100Aは、メサ11Aが形成されるとともに、メサ11AをZ´方向に挟みかつ圧電振動片100AをY´方向に挟む第1励振電極21A、31A及び第2励振電極22A、32Aが形成されている。このうち、第1励振電極21Aは、メサ11Aに対して−Z´側に配置され、第1励振電極31Aはメサ11Aに対して+Z´側に配置されている。この一対の第1励振電極21A、31Aは、メサ11Aを斜めに挟む配置の方向として斜め方向D1となっている。
一方、第2励振電極22Aは、メサ11Aに対して+Z´側に配置され、第2励振電極31Aはメサ11Aに対して−Z´側に配置されている。この一対の第2励振電極22A、32Aは、メサ11Aを斜めに挟む配置の方向として斜め方向D2となっている。斜め方向D1、D2について、Y軸となす角度θ1、θ2は、図2に示すように、θ1<θ2となっている。
水晶など晶系32に属する材料により作成された圧電振動片は、電気変位方向がX軸及びY軸に存在している。このため、Y軸に近い方向に電界をかけることで電界効率が高くなり、CI値の減少や、等価直列容量の増加など、振動特性を向上させることができる。従って、ATカットについては、図2に示すように、斜め方向D2より斜め方向D1の方がY軸とのなす角度が小さいので電界効率が高く、CI値を小さくできる。
また、BTカットの圧電振動片100Bは、メサ11Bが形成されるとともに、メサ11BをZ´方向に挟みかつ圧電振動片100BをY´方向に挟む第1励振電極21B、31B及び第2励振電極22B、32Bが形成されている。このうち、第1励振電極21Bは、メサ11Bに対して−Z´側に配置され、第1励振電極31Bはメサ11Bに対して+Z´側に配置されている。この一対の第1励振電極21B、31Bは、メサ11Bを斜めに挟む配置の方向として斜め方向D3となっている。
一方、第2励振電極22Bは、メサ11Bに対して+Z´側に配置され、第2励振電極32Bはメサ11Bに対して−Z´側に配置されている。この一対の第2励振電極22B、32Bは、メサ11Bを斜めに挟む配置の方向として斜め方向D4となっている。斜め方向D3、D4について、Y軸となす角度θ3、θ4は、図2に示すように、θ3>θ4となっている。
BTカットにおいても、一対の電極が配置された方向は、電界が生じる方向であり、この電界が生じる方向がY軸(機械軸)に近いほど電界効率が高くなって振動特性が向上する。従って、斜め方向D3より斜め方向D4の方がY軸とのなす角度が小さいため電界効率が高い。従って、BTカットにおいては、ATカットと反対の斜め方向D4の電極の配置が振動特性を向上させることとなる(図3(b)の圧電振動片300参照)。
図1に示す圧電振動片100では、第1励振電極21、31、第2励振電極22、32のそれぞれがY軸となす角度θ1となるように、斜め方向D1が選択されて配置されている。すなわち、図1(c)に示すように、第1励振電極21と第2励振電極32とが同極(電極out)となるように、また、第1励振電極31と第2励振電極22とが同極(電極in)となるように電気的に接続される。その結果、第1励振電極31から第1励振電極21へ向けて電界E1が斜め方向D1に生じ、また、第2励振電極22から第2励振電極32へ向けて電界E2が斜め方向D1に生じることになる。これにより、圧電振動片100は、インハーモニックモードの利用に際して振動特性を向上させることができる。
図3は、図1に示す圧電振動片100(斜め方向D1:A0モード)に対して、比較例に係る圧電振動片200、300、400の構成を示す図である。図3(a)〜(c)は圧電振動片200〜400のY´Z´断面図であり、図1(c)に相当する。また、これら圧電振動片200〜400は、いずれもATカットが用いられている。なお、図3において、図1と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図3(a)は、圧電振動片200(平行方向:A0モード)の構成を示している。圧電振動片200は、振動部10に第1メサ11及び第2メサ12が形成されている点では、圧電振動片100と同一構成である。一方、圧電振動片200は、表面200aにのみ励振電極221、222、223が形成され、裏面200bには励振電極が形成されていない点で、圧電振動片100とは構成が異なっている。圧電振動片200は、3つの励振電極のうちZ´方向の中央に配置された励振電極221と、その±Z´方向にそれぞれ配置された励振電極222、223との間で電圧を印加する。この場合、励振電極221から励振電極222、223へ向けてZ´方向に平行な方向E21、E22に電界が生じる。
図3(b)は、圧電振動片300(斜め方向D2:A0モード)の構成を示している。圧電振動片300は、振動部10に第1メサ11及び第2メサ12が形成されており、表面300a及び裏面300bに3つずつY´方向に対向する電極が配置されている点では、圧電振動片100と同一構成である。表面300aの励振電極321と、裏面300bの励振電極332とが同極となっており、表面300aの+Z´側に配置された励振電極322と、裏面300bの−Z´側に配置された励振電極331とが同極となっている。なお、電極323、333は、ダミー電極である。
従って、一対の電極である励振電極321、331間には電界E31が生じ、その方向は図2で示す斜め方向D2となっている。同様に、励振電極322、332間には電界E32が生じ、同じく図2で示す斜め方向D2となっている。
図3(c)は、圧電振動片400(平行方向両面電極A0モード)の構成を示している。圧電振動片400は、振動部10に第1メサ11及び第2メサ12が形成されており、表面400a及び裏面400bに3つずつY´方向に対向する電極が配置されている点では、圧電振動片100と同一構成である。この圧電振動片400は、圧電振動片300の電極323、333を励振電極として用いた点が相違する。表面400aの励振電極421と裏面400bの励振電極432とが同極となっており、表面400aの励振電極422、423と、裏面400bの励振電極431、433とが同極となっている。
従って、励振電極421、423間には電界E41が生じ、その方向は図3(a)と同様の平行方向(Z´方向)となっている。同様に、励振電極421、422間には電界E43が生じ、同じく平行方向(Z´方向)となっている。さらに、励振電極432、431間には電界E42が生じ、その方向は平行方向(Z´方向)となっている。同様に、励振電極432、433間には電界E44が生じ、同じく平行方向(Z´方向)となっている。
図4は、圧電振動片100と、比較例の圧電振動片200〜400とについて、(a)は等価直列容量を示すグラフであり、(b)はCI値を示すグラフである。図4(a)及び(b)において、横軸の(1)〜(5)について説明すると、(1)は圧電振動片200のデータ、(2)は圧電振動片100のデータ、(3)は参考例として圧電振動片300のデータ、(4)は圧電振動片400のデータ、(5)はメサが1つであって平行電界励振させる圧電振動片についてのデータである。図4(a)の縦軸は、等価直列容量(単位fF)を示している。また、図4(b)の縦軸はCI値(単位Ω)を示している。
図4(a)に示すように、等価直列容量(C1)は、(1)については0.075fF程度であり、(2)については0.095fF程度であり、(3)については0.063fF程度であり、(4)については0.083fF程度であり、(5)については0.038fF程度であった。すなわち、本実施形態に係る圧電振動片100が、最も高い値を示した。
一方、図4(b)に示すように、CI値(R1)は、(1)については1150Ω程度であり、(2)については990Ω程度であり、(3)については1350Ω程度であり、(4)については1150Ω程度であり、(5)については2150Ω程度であった。すなわち、本実施形態に係る圧電振動片100が、最も低い値を示した。
このように、圧電振動片100のように、一対の励振電極の配置を斜め方向D1とすることが、インハーモニックモードの利用に際して振動特性に優れることが確認された。なお、圧電振動片400は、表面側及び裏面側に平行方向(Z´方向)の電界を生じさせるが、この形態と比較しても、斜め方向D1に励振電極を配置させる方が電界効率が良いためと推察される。
次に、圧電振動片100の製造方法について説明する。
先ず、圧電振動片100は、圧電ウェハから個々の圧電振動片100を取り出す多面取りが行われる。圧電ウェハは、水晶結晶体からATカットにより所定の厚さで切り出され、エッチングや研磨等により厚さが調整された後に表面が洗浄される。次に、フォトリソグラフィ技術や、エッチング、サンドブラスト等により圧電振動片100の表面100aの一部が除去されて第1メサ11及び第2メサ12が形成される。
次に、圧電振動片100の表面100aにおいて、第1メサ11及び第2メサ12を挟むように、励振電極21、22、及びダミー電極23が形成される。同時に、圧電振動片100の裏面100bにおいて、励振電極21等と対向するように、励振電極31、32、及びダミー電極33が形成される。この励振電極21等と同時に、引出電極14、15、16、17が形成される。これら励振電極21等、ダミー電極23等、及び引出電極14等は、導電性の金属膜により形成される。この金属膜は、メタルマスクを用いたスパッタリングや真空蒸着等によりニッケルクロム等の下地層が成膜され、次いで金等の主電極層が成膜されて形成される。なお、メタルマスク等を用いることに代えて、フォトリソグラフィ法及びエッチング等によりパターニングされてもよい。この励振電極21等の形成後、圧電ウェハをスクライブラインに沿ってダイシングすることにより、個々の圧電振動片100が完成する。
このように、圧電振動片100によれば、ATカット等の晶系32の回転Y板を用いた圧電振動片の第1及び第2メサ11、12に対して、Y軸に対する角度が小さくなる斜め方向D1に挟んで励振電極21等を配置しているため、インハーモニックモードの利用に際してCI値の低減等を実現することができる。なお、圧電振動片100がBTカットを用いる場合は、第1及び第2メサ11、12を図2に示す斜め方向D4に挟むように励振電極21等を配置させる。これにより、ATカットと同様にCI値が低く、また等価直列容量を大きくすることができる。
なお、圧電振動片100としては、図1に示すものに限定されない。例えば、振動部と、振動部を囲んだ枠部と、振動部と枠部とを連結するアンカー部とにより構成されたATカットの圧電振動片が用いられてもよい。この場合、振動部に複数のメサが形成され、各メサのそれぞれを斜め方向D1で挟むように励振電極が形成される。
<圧電振動片の変形例>
図5は、図1に示す圧電振動片100に対して、変形例に係る圧電振動片500、600、700の構成を示す図である。図5(a)〜図5(c)は、圧電振動片500〜700のY´Z´断面図であり、図1(c)に相当する。また、これら圧電振動片500〜700は、いずれもATカットが用いられている。
図5(a)は、圧電振動片500(斜め方向D1:Anモード[n=1、2、…])の構成を示している。圧電振動片500は、振動部510にm個(m=2n+2)のメサが形成されており、表面500a及び裏面500bのそれぞれにm個の励振電極が設けられている。なお、電極520、530はダミー電極である。メサ511、512、・・・、51(m−1)、51mのそれぞれに対応して、一対の励振電極(521、531)、(522、532)、・・・、(52m、53m)が形成される。これら一対の励振電極521、531等は、図5(a)に示すように、それぞれの電界E51、E52、・・・、E5(m−1)、E5mの方向が図2に示す斜め方向D1となるようにinまたはoutに接続されている。
例えば、圧電振動片500がA1モードの場合、mは2×1+2=4で、4個のメサ511、512、513、514が形成され、それぞれに対応して、一対の励振電極(521、531)、(522、532)、(523、533)、(524、534)が形成される。このとき、一対の励振電極521、531等は、電界E51、E52、E53、E54が、それぞれ斜め方向D1となるように同極に接続される。
図5(b)は、圧電振動片600(斜め方向D1:S1モード)の構成を示している。圧電振動片600は、振動部610に3個のメサ611、612、613が形成されている。また、表面600a及び裏面600bのそれぞれに、メサ611、612、613に対応して励振電極621、622、623、631、632、633が設けられている。なお、電極620、630はダミー電極である。一対の励振電極621、631等は、それぞれの電界E61、E62、E63の方向が図2に示す斜め方向D1となるようにinまたはoutに接続されている。
図5(c)は、圧電振動片700(斜め方向D1:Spモード[p=2、3、…])の構成を示している。圧電振動片700は、振動部710にq個(q=2p+1)のメサが形成されており、表面700a及び裏面700bのそれぞれにq個の励振電極が設けられている。なお、電極720、730はダミー電極である。メサ711、712、・・・、71(q−1)、51qのそれぞれに対応して、一対の励振電極(721、731)、(722、732)、・・・、(72q、73q)が形成される。これら一対の励振電極721、731等は、図5(c)に示すように、それぞれの電界E71、E72、・・・、E7(q−1)、E7qの方向が図2に示す斜め方向D1となるようにinまたはoutに接続されている。
例えば、圧電振動片700がS2モードの場合、qは2×2+1=5で、5個のメサ711、712、713、714、715が形成され、それぞれに対応して、一対の励振電極(721、731)、(722、732)、(723、733)、(724、734)、(725、735)が形成される。このとき、一対の励振電極721、731等は、電界E71、E72、E73、E74、E75が、それぞれ斜め方向D1となるように同極に接続される。
図5(a)〜(c)に示すように、圧電振動片100よりもメサの数が多くなった場合であっても、一対の励振電極を斜め方向D1に配置させることにより、CI値が低く、等価直列容量の大きな圧電振動片500〜700が得られる。なお、これら圧電振動片500〜700の製造方法は、圧電振動片100と同様である。また、これら圧電振動片500〜700がBTカットを用いる場合は、一対の励振電極を図2に示す斜め方向D4に配置させることにより、CI値が低く、等価直列容量を大きくすることができる。
<圧電デバイス>
次に、圧電デバイスの実施形態について説明する。図6に示すように、圧電デバイス800は、圧電振動片100と、この圧電振動片100が搭載されるベース110と、ベース110との間で圧電振動片100を封止するリッド120とを有している。圧電振動片100としては、図1に示す圧電振動片100が用いられている。ベース110及びリッド120は、例えばガラスやセラミックスなどの材料が用いられる。また、リッド120としては金属板が用いられてもよい。
ベース110は、矩形の板状に形成されており、表面(+Y側の面)に形成された凹部111と、凹部111を囲む接合面112とを有している。接合面112は、リッド120と対向する。リッド120は、同じく矩形の板状に形成されており、裏面(−Y側の面)121の一部がベース110の接合面112と対向する。ベース110とリッド120とは、例えば接合材を介して接合されているが、接合材を用いずに直接接合させてもよい。ベース110とリッド120と接合させることにより、圧電振動片100を収容するためのキャビティー140が形成される。
ベース110の凹部111には、圧電振動片100の引出電極15、16に接続される接続電極114が形成されている。また、ベース部110をY´方向に貫通する貫通電極115が形成されている。ベース110の裏面(−Y´側の面)には、四隅のそれぞれに矩形状の外部電極116、及びダミー電極116aが形成されている。外部電極116は、基板に実装される際の一対の実装端子として用いられる。なお、ダミー電極116aは、他の電極と電気的な接続はない。接続電極114と外部電極116とは、貫通電極115によって電気的に接続される。
接続電極114及び外部電極116、116aは、導電性の金属膜が用いられる。金属膜としては、例えば、下地層としてクロム(Cr)や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金を成膜し、その上に金(Au)や銀(Ag)を成膜した積層構造が採用される。貫通電極115は、ベース110の貫通孔を銅メッキ等により充填して形成される。
圧電振動片100は、導電性接着剤130を介してベース110に搭載されている。導電性接着剤130を介して、ベース110の接続電極114と圧電振動片100の引出電極14、15、16、17とがそれぞれ電気的に接続される。なお、図示しないが、引出電極14、17は同極の接続電極114に接続され、引出電極15、16は同極の接続電極114に接続される。また、引出電極14、17は、個別に導電性接着剤130により接続電極114に接続される。引出電極15、16は1つの導電性接着剤130により接続電極114に接続される。従って、圧電振動片100は、3箇所の導電性接着剤130によってベース部110に固定され、キャビティー140内に収容された状態となる。
次に、圧電デバイス800の製造方法について説明する。この圧電デバイス800は、いわゆるウェハレベルパッケージングの手法で製造される。圧電振動片100については先に説明した手法により作成される。ベース110及びリッド120は、圧電振動片100と同様に、リッドウェハ及びベースウェハから個々を切り出す多面取りが行われる。これらリッドウェハ及びベースウェハとしては、例えば、ホウケイ酸ガラスやセラミックスなどが用いられる。
ベースウェハは、キャビティー140を形成するための凹部111が、サンドブラストまたはウェットエッチングによって形成される。また、ベースウェハには、貫通電極115を形成するための貫通孔がサンドブラストまたはウェットエッチングによって形成される。ベースウェハは、例えば銅めっき等により貫通孔を充填して貫通電極115が形成される。この貫通電極115と電気的に接続するように、凹部111に接続電極114が形成され、裏面に外部電極116が形成される。同時にダミー電極116aも形成される。接続電極114及び外部電極116は、例えばメタルマスク等を用いたスパッタリングや真空蒸着により、ニッケルタングステン等の下地層の上に金や銀が成膜されて形成される。
次に、ベースウェハの凹部111には、チップマウンターなどにより個々の圧電振動片100が搬送されるとともに、導電性接着剤130により保持される。この導電性接着剤130によって、圧電振動片100の励振電極21、22、31、32と外部電極116とがそれぞれ電気的に接続される。次に、リッドウェハは、真空雰囲気下で接合材を介してベースウェハに接合される。なお、接合材を用いずに、例えば、プラズマ活性化接合法やイオンビーム活性化接合法などを用いて、直接接合されてもよい。その後、接合されたウェハをスクライブラインに沿ってダイシングすることにより、個々の圧電デバイス800が完成する。
このように、本実施形態によれば、晶系32の回転Y板により作成された圧電振動片100の第1及び第2メサ11、12に対して、Y軸に対する角度が小さくなる斜め方向D1に挟んで励振電極21等が配置されるため、インハーモニックモードの利用に際してCI値の低減等により高品質の圧電デバイスを提供することができる。なお、圧電デバイス800では、圧電振動片として図1に示す圧電振動片100を用いたが、これに代えて図5に示す圧電振動片500、600、700のいずれかが用いられてもよい。
なお、圧電振動片として枠部を有するタイプを用いる場合の製造方法は、次のとおりである。上記した圧電デバイス800と同様に、ウェハレベルパッケージングの手法で製造される。先ず、リッド、ベース、及び圧電振動片は、それぞれのウェハにおいて形成される。次に、真空雰囲気下で圧電ウェハの表面にリッドウェハが接合され、圧電ウェハの裏面にベースウェハが接合され。接合されたウェハは、スクライブラインに沿ってダイシングされることにより、個々の圧電デバイスが完成する。
以上、圧電デバイスの実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。上記した実施形態では、圧電デバイスとして水晶振動子(圧電振動子)を示しているが、発振器であってもよい。発振器の場合は、ベース110にIC等が搭載され、圧電振動片100の引出電極14、15や、ベース110の外部電極116、116aがそれぞれIC等に接続される。
D1〜D4…斜め方向
10…振動部
11…第1メサ
12…第2メサ
13…周辺部
21、31…第1励振電極(電極)
22、32…第2励振電極(電極)
100〜700…圧電振動片
100a〜700a…表面
100b〜700b…裏面
800…圧電デバイス

Claims (4)

  1. Z´軸及びX軸がそれぞれ平面方向でありかつY´軸が厚み方向である晶系32の回転Y板により作成された圧電振動片を有し、前記圧電振動片の表面または裏面の少なくとも一方に、周辺部より厚肉のメサを備える圧電デバイスであって、
    前記メサは、前記Z´方向に複数並べた状態で形成され、
    前記複数のメサのそれぞれに対応して、一対の電極のうち一方が前記圧電振動片の表面に形成され、他方が前記圧電振動片の裏面に形成され、
    前記一対の電極は、前記メサの一つに対して前記Z´方向に前記メサを挟み、かつ前記Y´方向に前記圧電振動片の厚さを挟むように、斜めに配置され、
    前記一対の電極は、各電極が配置された斜め方向として、Y軸に対する角度が小さくなる斜め方向が選択される圧電デバイス。
  2. 前記複数のメサは、前記Z´方向の幅がそれぞれ同一に形成される請求項1記載の圧電デバイス。
  3. 前記一対の電極の他方と、別の一対の電極の一方とは、同極に設定されるとともに、前記Y´方向に前記圧電振動片の厚さを挟んで配置される請求項1または請求項2記載の圧電デバイス。
  4. 前記晶系32の回転Y板として、ATカット板またはBTカット板が用いられる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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