以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の医用ガイドシステムの全体構成を示した図である。
図1に示すように、本実施形態の医用ガイドシステム1は、医用装置としての超音波内視鏡2と、アンテナユニット3Aと、検出部としての機能を有する位置検出装置3Bと、超音波診断装置4と、画像処理装置5と、医用ガイドシステム1の操作に係る種々の指示を行うことが可能な操作指示部6と、モニタ7と、複数の体表検出用コイル10と、を要部として有して構成されている。
超音波内視鏡2は、被検者100の体腔内へ挿入可能な先端部21と、先端部21の後端側に連設された細長の挿入部22と、挿入部22の後端側に連設された操作部23と、種々の信号の入出力を行うための複数の信号線が内部に配設されたケーブル24と、を具備する。
ここで、前記超音波内視鏡2は、当該被検体からの反射波に基づいて超音波画像を取得する超音波画像取得手段としての役目を果たす。
先端部21は、コンベックス走査式(またはラジアル走査式)の超音波振動子21aと、外部から印加された磁界に応じて電気信号を出力するコイル21bと、カバーガラスで構成された図示しない光学観察窓と、図示しないレンズと、図示しないCCD(charge coupled device)カメラと、体腔内に照明光を照射する図示しない照明光照射窓と、を具備している。
そして、体腔表面の像は前記光学観察窓からレンズを経由してCCDカメラに結像し、CCDカメラからのCCD信号は信号線を経由して光学観察装置へ出力される。
ここで、前記コイル21bは、前記超音波内視鏡2の位置及び方向を検出する位置方向検出手段としての役目を果たす。
超音波振動子21aは、超音波診断装置4からの駆動信号に基づいて駆動し、生体の内部へ超音波ビームを出射する。また、超音波振動子21aは、生体の内部の生体組織において超音波ビームが反射した反射波を受波し、該反射波に応じたエコー信号を超音波診断装置4へ出力する。
挿入部22には、外部から印加された磁界に応じて電気信号を出力するコイル22aが、長手方向に沿って複数配置されている。
操作部23は、医用ガイドシステム1の操作に係る種々の指示を行うことが可能な、図示しないスイッチ等を有している。
ケーブル24は、一端側が操作部23から延出されているとともに、超音波診断装置4に接続可能なコネクタ24aが他端側に設けられている。また、コネクタ24aの内部には、超音波内視鏡2に関する種々の情報が格納された、例えばメモリにより構成されたスコープID格納部24bが設けられている。
なお、本実施形態のスコープID格納部24bには、超音波内視鏡2に関する種々の情報として、例えば、超音波振動子21aに設けられた超音波アレイの配列の形状情報、及び、該超音波アレイの挿入部22に対する実装位置配向情報等の情報が格納されているとする。
そして、スコープID格納部24bは、コネクタ24aが超音波診断装置4に接続された際に、前述した、超音波内視鏡2に関する種々の情報(以降、超音波走査情報と称する)を、超音波診断装置4へ出力する。
また、前記超音波内視鏡2には、操作部23から先端部21にかけての長手方向に沿って、中空のチューブによりトンネル構造をなすように形成された鉗子チャンネル25が形成されている。この鉗子チャンネル25には、先端部21に鉗子チャンネル口25aが、操作部23に鉗子チャンネル口25bが、それぞれ開口している。
また、この鉗子チャンネル25には、穿刺針等の処置具を挿通することができるようになっている。
前記鉗子チャンネル25の鉗子チャンネル口25aは、処置具たる穿刺針29(図2参照)等が超音波走査範囲内に突出するように、挿入軸に対して所定の角度をなす中心軸を有する開口となるように構成されている。
図2は、本実施形態の医用ガイドシステムにおける超音波内視鏡に挿通する穿刺針の構成を示した斜視図である。
図2に示すように、穿刺針29は、生体に刺入され得る処置具であり、内部が中空であって、細胞等の吸引またはエタノール等の注入を行うことができる構造となっている。そして、この穿刺針29の中空部分には、先端が鋭敏な針として構成された処置具たるスタイレット29aが挿通されている。
また、図3は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおける超音波内視鏡に穿刺針を挿通した状態における医用ガイドシステムの全体構成を示す図である。
図3に示すように、穿刺針29の先端部(スタイレット29a)は、前記鉗子チャンネル25の鉗子チャンネル口25aから超音波振動子21aの超音波走査範囲内に突出されると共に、図示しない生体の所定箇所に刺入されるようになっている。
図1および図3に示すように、複数の体表検出用コイル10は、被検者100の体表上において、1つずつ異なる箇所に配置される。具体的には、体表検出用コイル10は、例えば、被検者100の体表上の4つの箇所である、剣状突起、左上前腸骨棘、右上前腸骨棘、及び、腰椎椎体棘突起に相当する箇所に夫々1つずつ配置される。
ここで、前記複数の体表検出用コイル10は、コイル21bまたはコイル22aと同様の構成を夫々有しており、外部から印加された磁界に応じて電気信号を出力するが、本実施形態においては、当該被検体の振動(被検体の呼吸等)に基づく位置情報を取得する基準位置情報取得手段としての呼吸センサとしての役目も果たす。
アンテナユニット3Aは、外部へ向けて磁界を放射する磁界放射アンテナ31と、磁界放射アンテナ31を駆動させるアンテナ駆動部32と、を具備している。
位置検出装置3Bは、コイル21bからの電気信号に基づき、コイル21bが存在する位置、及び、コイル21bの配向を特定するための演算を行うことにより、演算結果に応じた先端部位置・配向データを順次生成する。
また、位置検出装置3Bは、各コイル22aからの電気信号に基づき、各コイル22aが存在する位置、及び、各コイル22aの配向を特定するための演算を行うことにより、演算結果に応じた挿入部位置・配向データを順次生成する。
さらに、位置検出装置3Bは、各体表検出用コイル10からの電気信号に基づき、各体表検出用コイル10が存在する位置を特定するための演算を行うことにより、演算結果に応じた被検者位置・配向データを順次生成する。
このように、位置検出装置3Bは、前記コイル21b等により取得された電気信号に基づいて、実空間上における先端部位置・配向等を算出する位置方向検出手段および基準位置情報取得手段を構成する。
そして、位置検出装置3Bは、生成した先端部位置・配向データと、挿入部位置・配向データと、被検者位置・配向データとを併せて画像処理装置5へ出力する。さらに、位置検出装置3Bは、アンテナユニット3Aの駆動に要する電力をアンテナ駆動部32へ供給する。
前記超音波診断装置4は、超音波振動子21aを駆動させるための駆動信号を生成及び出力する。また、超音波診断装置4は、超音波振動子21aからのエコー信号に基づき、生体の断層像としての超音波画像を、スコープID格納部24bの超音波走査情報に応じたフレームレートにより順次生成する。そして、超音波診断装置4は、生成した超音波画像を画像処理装置5へ順次出力する。
さらに超音波診断装置4は、スコープID格納部24bから出力される超音波走査情報に基づき、超音波振動子21aに設けられた超音波アレイの挿入部22に対する実装位置配向情報、超音波振動子21aから出射される超音波ビームの出射方向の情報、超音波振動子21aから出射される超音波ビームによる走査範囲形状情報(画角情報)、超音波振動子21aから同時に出射され得る超音波ビームの本数の情報、超音波振動子21aから出射される超音波ビームのフォーカス個数及び位置の情報、及び、超音波振動子21aから出射される超音波ビームに応じたフレームレートの情報からなる走査状態データを検出する。
一方、超音波診断装置4は、各種の指示に係る指示信号が操作指示部6から入力された場合に、超音波振動子21aから出射される超音波ビームの出射方向、超音波振動子21aから出射される超音波ビームによる走査範囲形状(画角)、及び、超音波振動子21aから同時に出射される超音波ビームの本数を適宜変更するための制御を超音波振動子21aに対して行う。そして、超音波診断装置4は、前述した制御の内容を走査状態データに反映させつつ、変更後の走査状態データを画像処理装置5へ出力する。
また、超音波診断装置4は、モニタ7への画像出力(モニタ7における画像表示)に係る指示信号が操作指示部6から入力された場合に、該指示信号を画像処理装置5へ出力する。
画像処理装置5は、制御部51と、データ保持部としての機能を有する記憶部52と、ガイド画像生成部53と、表示画像生成部54と、タイミング演算部55と、を具備している。
制御部51は、超音波診断装置4から出力される走査状態データに基づき、超音波振動子21aの走査状態が可視化された超音波断層像マーカを生成させるための制御をガイド画像生成部53に対して行う。
また、前記制御部51は、超音波診断装置4を介して入力される操作指示部6からの指示信号に基づき、モニタ7への画像出力(モニタ7における画像表示)状態を変更するための制御をガイド画像生成部53、表示画像生成部54およびタイミング演算部55に対して行う。
前記記憶部52は、ハードディスクドライブ等により構成され、画像処理装置5以外の他の装置と通信を行うための通信回線としてのネットワーク回線8を介し、例えば、X線3次元ヘリカルCT装置または3次元MRI装置等からなる3次元断層画像生成装置9と接続されている。これにより、記憶部52には、3次元断層画像生成装置9を用いた走査を超音波内視鏡2の観察対象となる被検者100に対して予め行うことにより得られた3次元断層画像が、ネットワーク回線8を介して各々入力及び蓄積される。
また、記憶部52には、3次元断層画像の取得対象となった被検者100の頭足方向及び背腹方向を示すための体軸方向データが、該3次元断層画像に関連付けられた状態として入力される。
前記タイミング演算部55は、前記制御部51に制御され、前記位置検出装置3Bから出力される先端部位置・配向データおよび被検者位置・配向データに基づき、対象部位の穿刺に適したタイミングデータ、すなわち穿刺に適した位相範囲となる時刻範囲および穿刺タイミング位置範囲等の誘導位置のデータと、当該タイミングデータを算出するまでの算出途中データとを生成する。
そして、タイミング演算部55は、制御部51に制御され、前記タイミングデータと前記算出途中データとをガイド画像生成部へ出力する。
このようにタイミング演算部55は、超音波画像上における穿刺対象部位の座標および前記位置検出装置3Bにより取得された先端部位置・配向情報に基づいて、実空間上における穿刺対象部位の位置を算出する位置算出手段としての役目を果たす。
また、タイミング演算部55は、前記被検者位置・配向データに基づいて当該被検体の振動による穿刺対象部位の位置変化の位相を算出する位相算出手段としての役目を果たす。
さらに、タイミング演算部55は、前記位置算出手段および前記位相算出手段の算出結果に基づいて、所定の範囲内の位相における対象部位の位置情報を算出する誘導位置情報算出手段としての役目を果たす。
ガイド画像生成部53は、位置検出装置3Bから出力される先端部位置・配向データと、挿入部位置・配向データとに基づき、超音波内視鏡2の挿入形状を示すための挿入形状データを生成する。
また、ガイド画像生成部53は、制御部51の制御と、位置検出装置3Bから出力される先端部位置・配向データとに基づき、超音波振動子21aの走査状態を可視化するための超音波断層像マーカ、及び、超音波振動子21aを含む先端部21の構成を画像化したスコープ先端部マーカを生成する。
さらにガイド画像生成部53は、記憶部52に蓄積された3次元断層画像に基づき、被検者100の内部に存在する臓器群等の組織構造の3次元生体組織モデルデータを生成する。
さらにガイド画像生成部53は、指標生成部としての機能を有し、記憶部52から読み込んだ体軸方向データに基づき、前記3次元生体組織モデルデータに対応する被検者モデル画像データを生成する。
一方、前記ガイド画像生成部53は、前記タイミング演算部55から出力される算出途中データおよび前記タイミングデータに基づいて誘導画像情報を生成する。すなわち、ガイド画像生成部53は、タイミング演算部55の算出結果に基づいて、前記超音波画像取得手段に対して提示する、位置及び方向の誘導画像情報を生成する誘導情報生成手段としての役目を果たす。
そして、ガイド画像生成部53は、制御部51の制御に基づき、挿入形状データと、超音波断層像マーカと、スコープ先端部マーカと、3次元生体組織モデルデータと、被検者モデル画像データと、誘導画像情報とを組み合わせることにより、各種ガイド画像を生成して表示画像生成部54へ出力する。
表示画像生成部54は、制御部51の制御に基づき、超音波診断装置4から出力される超音波画像と、ガイド画像生成部53から出力されるガイド画像とを合成した合成画像を生成した後、該合成画像に基づく映像信号を生成してモニタ7へ出力する。
操作指示部6は、文字入力の指示、及び、(例えば超音波画像の左右反転等の)所定の機能の実行の指示に係る指示信号を出力するキーボード6aと、モニタ7の画面上に表示されるポインタの操作等の指示に係る指示信号を出力するマウス6bと、を具備している。
モニタ7は、画像処理装置5からの映像信号に応じた種々の画像を画面上に表示する。
次に、本実施形態の医用ガイドシステム1の作用について説明を行う。なお、以降においては、超音波振動子21aがコンベックス走査式である場合についての説明を主に行うものとする。
まず、術者等は、医用ガイドシステム1の各部の電源を投入することにより、該各部を起動状態とする。
この後、術者等は、3次元断層画像生成装置9からの3次元断層画像が画像処理装置5に入力される事前に、該3次元断層画像を参照しながら、被検者100に4個の体表検出用コイル10を取り付けた位置に相当する該3次元断層画像の位置を夫々指定する。
そして、3次元断層画像における体表検出用コイル10を取り付けた位置の指定結果は、3次元断層画像上体表検出用コイル座標として画像処理装置5に入力される。
超音波振動子21aは、超音波診断装置4の起動に伴って駆動し、生体の内部へ超音波ビームを出射した後、該生体の内部の生体組織において超音波ビームが反射した反射波を受波し、該反射波に応じたエコー信号を出力する。
超音波診断装置4は、超音波振動子21aからのエコー信号に基づき、生体の断層像としての超音波画像を、スコープID格納部24bの超音波走査情報に応じたフレームレートにより順次生成する。そして、超音波診断装置4は、生成した超音波画像を画像処理装置5へ順次出力する。
一方、コイル21b、各コイル22a及び各体表検出用コイル10は、アンテナユニット3Aによって印加された磁界を検知し、検知した磁界に応じた電気信号をそれぞれ位置検出装置3Bへ出力する。
位置検出装置3Bは、超音波内視鏡2からの電気信号に基づいてコイル21b及び各コイル22aが存在する位置、及び、コイル21b及び各コイル22aの配向を特定するための演算を行う。
そして、位置検出装置3Bは、前述の演算により得られた先端部位置・配向データ及び挿入部位置・配向データを画像処理装置5へ出力する。
また位置検出装置3Bは、各体表検出用コイル10からの電気信号に基づき、各体表検出用コイル10が存在する位置を特定するための演算を行うことにより、演算結果に応じた被検者位置・配向データを画像処理装置5へ出力する。
ここで、被検体の呼吸または拍動等による被検体の振動により、被検者位置・配向データは時間とともに変化することとなる。
次に、本実施形態の医用ガイドシステムにおける前記誘導画像情報を生成する工程について説明する。
図4は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおける呼吸センサによる被検体振動の1周期分の経時変化を示した図である。
本実施形態においては、まず、制御部51の制御下において、呼吸センサである体表検出用コイル10からの振動情報(被検体の呼吸等による振動情報)に基づいてタイミング演算部55は、被検体位置の経時変化の1周期分の情報を抜き出して算出途中データとしてガイド画像生成部に出力する。
次にガイド画像生成部53は、制御部51に制御され、算出途中データである前記被検体位置の経時変化の1周期分の情報をモニタ7に表示するための誘導画像情報を含んだガイド画像を生成して表示画像生成部54に出力する。
前記表示画像生成部54は、制御部51に制御され、受け取った前記ガイド画像に基づいて合成画像を生成しモニタ7に対して出力する。
図5は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、図4に示したグラフのモニタにおける表示例を示した図である。
ここで、モニタ7には、画像処理装置5における表示画像生成部54を経てリアルタイムの超音波画像が指定されたフレームレートで表示されるようになっている。すなわち、リアルタイムに表示される超音波画像が表示されるモニタ7の画面上において、図4に示す如き、算出途中データである前記被検体位置の経時変化の1周期分の情報が表示されるようになっている。
このように、本実施形態の医用ガイドシステムは、体表検出用コイル10で検出した被検体信号の経時変化の1周期分を図4、図5に示す如きグラフにしてモニタ7に表示する。
また、モニタ7における体表検出用コイル10(呼吸センサ)の経時変化のグラフ(図5参照)上には、現在の位相示すマーカ201が表示される。そして、このマーカ201の位置は時刻とともにリアルタイムに変化するようになっている。
なお、本実施形態においては、この体表検出用コイル10で検出した位置の経時変化のグラフを、超音波画像を表示する前記モニタ7に表示するものとしたが、これに限らず、専用のモニタに表示しても良い。
また、ここでは説明を簡単にするため、体表検出用コイル10(呼吸センサ)の経時変化が正弦波であるものとして説明する。
次に、超音波画像上において所定の穿刺対象の位置を指定する工程について説明する。
図6は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、穿刺対象の1点目の位置を指定したタイミングにおける被検体の呼吸の位相と、当該タイミングにおける穿刺対象の位置の関係を示した図であり、図7は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、図6に示したグラフのモニタにおける表示例を示した図である。
<1点目の指定>
上述したように、超音波診断装置4は、超音波振動子21aからのエコー信号に基づき、生体の断層像としての超音波画像を、スコープID格納部24bの超音波走査情報に応じたフレームレートにより順次生成し、生成した超音波画像を画像処理装置5へ順次出力する。
そして、上述したように、画像処理装置5における表示画像生成部54を経てモニタ7には、リアルタイムの超音波画像が指定されたフレームレートで表示されるようになっている(図5の状態)。
この状態において術者は、超音波内視鏡2を操作し、モニタ7にリアルタイムで表示される超音波画像上において、時間とともに位置がずれる穿刺対象が一部の時間でも当該超音波画像上に描出される位置に当該超音波内視鏡2を配置する。
次に術者は、超音波診断装置4に接続されたキーボード6aまたはマウス6b等のポインティングデバイスを用いて、穿刺対象が超音波画像上に描出されるタイミングで、この穿刺対象の位置を超音波画像上で指定する(この時刻をt1とする)。
ここで穿刺対象が指定されると、画像処理装置5における前記タイミング演算部55は、超音波内視鏡2の位置及び方向と、超音波画像上で指定された位置の画素の座標と、超音波画像のレンジ情報とに基づいて、実空間上の穿刺対象の位置p1=(x1,y1,z1)を算出する。
なお、上述したように、本実施形態における超音波内視鏡2の前記スコープID格納部24bには、当該超音波内視鏡2に関する種々の情報として、例えば、超音波振動子21aに設けられた超音波アレイの配列の形状情報、及び、該超音波アレイの挿入部22に対する実装位置配向情報等の情報の他、選択可能な超音波画像の表示レンジ情報が入っている。
そして、術者は、操作部23における所定の指示スイッチ部または操作指示部6により表示レンジを選択することができるようになっている。
上述したように、術者によって超音波画像上で穿刺対象の位置が指定されると同時に、タイミング演算部55は、時刻t1での被検者位置・配向データに基づいて、体表検出用コイル10(呼吸センサ)の経時変化(上述したようにここでは正弦波とする)における時刻t1での位相(φ1)を算出する。
このタイミング演算部55において算出した時刻t1での位相(φ1)情報(算出途中データ)に基づいて、ガイド画像生成部53は、図6に示すように、モニタ7に新たに表示される穿刺対象の位置のグラフにおける位相φ1の位置に表示すべく、時刻t1での穿刺対象位置p1のマーカ301の画像情報を含んだガイド画像を作成する。そしてそのガイド画像を表示画像生成部54に受け渡し、表示画像生成部54は、このマーカ301を含んだガイド画像をモニタ7に表示する。
なお、図6は代表図としてx座標についてのみ記載したが、同様にy座標、z座標について表示されるようにしても良い。また、位置変化が大きい座標についてのみ表示するようにしても良い。
また、モニタ7における穿刺対象の位置のグラフ(図7参照)には、上記同様に、現在の位相示すマーカ201が表示される。
<2点目の指定>
図8は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、穿刺対象の2点目の位置を指定した1点目とは別のタイミングにおける被検体の呼吸の位相と、当該タイミングにおける穿刺対象の位置の関係を示した図であり、図9は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、図8に示したグラフのモニタにおける表示例を示した図である。
この後、術者は再び超音波内視鏡2操作し、モニタ7にリアルタイムで表示される超音波画像上において、時間とともに位置がずれる穿刺対象が一部の時間でも超音波画像上に描出される「別の位置」に当該超音波内視鏡2を移動する。
そして術者は、モニタ7に表示される体表検出用コイル10(呼吸センサ)の経時変化のグラフ(図5参照)または穿刺対象の位置のグラフ(図7参照)を確認することで、超音波画像上に穿刺対象が表示されるタイミングにおける位相が前記位相φ1とは異なることを確認することができる。
すなわち、上述したように、体表検出用コイル10(呼吸センサ)の経時変化のグラフ上および穿刺対象の位置のグラフには、リアルタイムに変化する現在の位相示すマーカ201が表示される。
その後術者は、穿刺対象が超音波画像上に描出されるタイミングで、上記同様のポインティングデバイスを用いて、穿刺対象の位置を超音波画像上で指定する(この時刻をt2とする;図8参照)。
ここで穿刺対象が指定されると、タイミング演算部55は、超音波内視鏡2の位置及び方向と、超音波画像上で指定された位置の画素の座標と、超音波画像の前記レンジ情報とに基づいて、実空間上の対象の位置p2=(x2,y2,z2)を算出する。
同時に、タイミング演算部55は、時刻t1での被検者位置・配向データに基づいて、体表検出用コイル10(呼吸センサ)の経時変化(同様にここでは正弦波とする)における時刻t2での位相(φ2)を算出する(図8参照)。
また制御部51は、前記位相φ1とφ2との差が画像処理装置5における前記記憶部52に予め格納されたしきい値以下の場合、または、実空間上の対象の位置p1(マーカ301)とp2(マーカ302)との距離が、同様に当該記憶部52に予め格納されたしきい値以下の場合であると判断した際には、タイミング演算部55および表示画像生成部54を制御して、術者に対してモニタ7上においてもう1点取得するように告知する。
<穿刺対象の位置変動の推定>
次に、超音波画像上における穿刺対象の位置変動の推定工程について説明する。
図10は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて穿刺対象の位置と呼吸センサの振幅変動から推定された穿刺対象の位置変動を示したグラフ図であり、図11は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、図10に示したグラフのモニタにおける表示例を示した図である。
まず、タイミング演算部55は、呼吸センサの振幅変動を数式で近似する。本実施形態では呼吸センサの振幅変動が正弦波であるものとして説明しているため、x=35sin(φ)となる。
次に、穿刺対象の位置変動も呼吸センサの振幅変動と相関があるものと仮定して、x=x0+ax sin(φ)とする。ここで、振幅(a=(ax,ay,az))と位相0での位置p0=(x0,y0,z0)は未知数である。
更に上記p1,p2,φ1,φ2から、未知数である振幅(a=(ax,ay,az))と位相0での位置p0=(x0,y0,z0)とを、算出する。
すなわち、
x1=x0+ax sin(φ1)
x2=x0+ax sin(φ2)
の連立方程式を解くことで、x0とaxを算出し、式1を位置変動として推定する。
x=x0+ax sin(φ) ・・・・・・・・式1
なお、y方向の位置変動とz方向の位置変動も同様に推定する。
そして、制御部51の制御の下、ガイド画像生成部53が、上述の如くタイミング演算部55において特定された穿刺対象の位置変動情報に基づくガイド画像を作成する。
すなわち、ガイド画像生成部53は、上記位置変動情報(算出途中データ)の曲線を上記図8に示すグラフに追加した図10に示す如き誘導画像情報を含むガイド画像を作成し、表示画像生成部54を介してモニタ7に表示する。
図10は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、図8に加え上記のとおり推定された穿刺対象の位置変動を示した図である。
<速度の低い位置の計算>
図12は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、図10に示す位置変動情報によるグラフを時間で微分して得られた穿刺対象の速度変化を示したグラフ図であり、図13は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、図12に示したグラフのモニタにおける表示例を示した図である。
また、図14は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて穿刺対象の位置変動情報と穿刺タイミング位置範囲を示したグラフ図であり、図15は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて、図12に示したグラフのモニタにおける表示例を示した図である。
次に、タイミング演算部55は穿刺対象の移動速度が所定の速度しきい値以下となる位相φの範囲を算出する。
具体的には、上記移動速度は上記式1を時間で微分することで得られ、当該微分値が所定の速度しきい値(例えば、0.5mm/sec以下)である位相φの範囲を穿刺タイミング位相範囲として算出する(図12参照)。
また、タイミング演算部55はさらに、その位相範囲での穿刺対称位置の範囲を穿刺タイミング位置範囲として算出する(図14参照)。
そして、この穿刺タイミング位相範囲となる時刻範囲と穿刺タイミング位置範囲とが上述した「タイミングデータ」となり、タイミング演算部55からガイド画像生成部53に対して出力されることとなる。
次に、ガイド画像生成部53による誘導画像の具体的な作成工程について説明する。
ガイド画像生成部53は、上記結果となる穿刺タイミングデータを使用して、次の各選定方法により超音波内視鏡2の誘導先を算出し、誘導画像を作成する。
なお、術者はまず、前記キーボード6a等を用いてこれら各選定方法のうち何れを採用するかを選択する。以下、選定方法毎に具体的に説明する。
<超音波内視鏡の誘導先の選定方法(方法1)>
以下に示す方法1は最も好ましい例である。
術者により当該方法1が選択された場合、ガイド画像生成部53は、上記穿刺タイミング位置範囲を含む、すべての位相での穿刺対象の位置が、すべてひとつの超音波画像上の穿刺可能領域に描出されるように、超音波内視鏡2の誘導先である位置及び方向を算出し、当該超音波内視鏡2を誘導する誘導画像を作成する。
ここで、超音波内視鏡2の先端位置に対する穿刺可能領域は、鉗子チャンネル口25aの位置、鉗子起上台の稼動可能な角度範囲、穿刺針29の太さおよび硬さの範囲等から算出可能である。
<超音波内視鏡の誘導先の選定方法(方法2)>
上述した方法1が最良であるが、超音波内視鏡2が体腔内で採れる姿勢および先端位置は限られていることから、方法1による誘導は困難となる場合も想定できる。
そこで、本実施形態の変形例として、以下のようにいくつかの条件を用意し、術者が選択した条件の組合せ、または、術者が指定した優先順位に基づいて超音波内視鏡2を誘導することも可能である。
方法2a)穿刺タイミング位置範囲が穿刺可能領域に描出されるように誘導する誘導画像を作成する。
この方法2a)の効果としては、穿刺対象の移動速度が遅く、穿刺しやすい位置を超音波画像で描出できるような位置に誘導できるため、穿刺の奏功率の向上につながることが期待できる。
方法2b)穿刺タイミング位置範囲が鉗子チャンネル口25aに近い位置に入るように誘導する誘導画像を作成する。
この方法2b)の効果としては、上記方法2aの効果に加え、穿刺距離が短くなるため、穿刺中に穿刺針が曲がった場合でもその影響は少なく、穿刺の奏功率の向上につながることが期待できる。
また、穿刺距離が短くなるため、穿刺中に穿刺対象が変形する確率や変形量も小さくなり、穿刺の奏功率の向上につながることが期待できる。
方法2c)複数箇所ある穿刺タイミング位置範囲のうち2箇所を結ぶ直線と超音波画像平面との角度差が少なくなるように誘導する誘導画像を作成する。
この方法2c)の効果としては、穿刺対象が超音波画像上で動く時間が長く、見えている時間が長いという利点がある。
<誘導画像の作成>
なお、本実施形態における前記誘導画像としては、以下に示す例も考えられる。
a)3次元空間上に、現在の内視鏡先端の位置および姿勢と、誘導先の内視鏡先端の位置および姿勢とを表示し、2次元平面に投影した画像。
b)現在の先端位置および姿勢から、誘導先の内視鏡先端の位置及び姿勢へと移動させるための、内視鏡の押し引き量、湾曲量または捩じり量等を数値で指示する画像。
そして、ガイド画像生成部53は、これら誘導画像のいずれかを、または両方を採用して作成してもよい。
<誘導後の穿刺タイミング表示>
また、本実施形態においては、体表検出用コイル10(呼吸センサ)の位置が穿刺タイミング位相範囲となる時刻範囲のときに、ガイド画像生成部53は、タイミング演算部55から出力されるタイミングデータに基づいてガイド画像の何らかの表示態様を変更し穿刺タイミングを報知する。
図16は、第1の実施形態の医用ガイドシステムにおいて穿刺タイミングの報知例を示した図である。
例えば、図11は表示画像生成部において作成される、モニタに表示される画像の一例を示した図であるが、斯様な画像が表示される際に、例えば、図16の示すようにガイド画像上の超音波断層像マーカの色を変化させることにより、術者に穿刺タイミングを報知する。
例えば、図16の示すようにガイド画像上の現在の位相を示すマーカの色を変化させることにより、術者に穿刺タイミングを報知する。
また、例えば、図16の示すように超音波画像の周囲の枠を強調表示させることにより、術者に穿刺タイミングを報知する。この方法は、穿刺時に術者が超音波画像を注視するため、その超音波画像の周囲にタイミングを表示するため、術者が視線を移すことなくタイミングを把握でき有用である。
なお、本実施形態において、穿刺対象が比較的大きい場合は、指定する2点のズレが大きくなりやすいが、もともと対象が大きいことから、多少計算が不正確でも許容できる。一方、穿刺対象が比較的小さい場合は、指定する2点のズレも小さくなることから計算が正確になる。
なお、本実施形態の医用ガイドシステムにおいては、上述したように2点において穿刺対象を指定し、穿刺対象の動きの振幅と位相0での位置をこれら異なる時刻での対象の位置情報を元に算出したが、これに限らず、例えば、1点(あるいは2点)の指定情報にドップラー等の速度情報を加味することで上記穿刺対象の動きの振幅と位相0での位置を求めても良い。
また、超音波内視鏡2の位置検出手段は、磁気式の他、光学式、ロボットアーム式、光ファイバ方式または地磁気センサ、加速度センサ若しくはジャイロを組み合わせたモーションセンサ方式等、実空間での位置及び方向が検出できれば、何でも構わない。
さらに、CT等の術前画像を記憶して当該術前画像から3次元画像を作成し、3次元画像と実空間との位置合わせを行い、そして、その3次元画像上に、超音波内視鏡2の現在の先端位置及び姿勢と、誘導先の内視鏡先端の位置及び姿勢とを表示し、誘導画像としても良い。
上述したように、本実施形態の医用ガイドシステム1によれば、被検体の呼吸または拍動等により穿刺対象が経時的に移動する場合でも、穿刺対象の移動速度が遅いなどの穿刺に適したタイミングで、穿刺対象を超音波画像の穿刺可能範囲に抽出し易くすることができ、これにより的確な穿刺を行い得るという効果を奏する。
(第2の実施形態)
図17は、本発明の第2の実施形態の医用ガイドシステムの全体構成を示した図である。
上述した第1の実施形態は、誘導情報生成手段において生成した「位置及び方向の誘導情報」の提示先の医用装置が、被検体に対して超音波を照射し当該被検体からの反射波に基づいて超音波画像を取得する「超音波画像取得手段」としての超音波内視鏡2であるのに対して、本第2の実施形態は、当該「位置及び方向の誘導情報」の提示先の医用装置が、「超音波画像取得手段」ではなく、被検体に対して所定の処置を行う、たとえば生検鉗子または細胞診ブラシ等の処置具であることを特徴とする。
図17に示すように、本実施形態の医用ガイドシステム101は、気管支ビデオスコープ102と、気管支ビデオスコープ102に挿入可能な医用装置としての超音波プローブ122と、アンテナユニット3Aと、検出部としての機能を有する位置検出装置103Bと、超音波診断装置104と、画像処理装置105と、医用ガイドシステム101の操作に係る種々の指示を行うことが可能な操作指示部6と、モニタ7と、複数の体表検出用コイル10と、を要部として有して構成されている。
なお、ここでは、第1の実施形態と異なる部分の説明に留め、第1の実施形態と同様の構成、作用についての詳しい説明は省略する。
前記気管支ビデオスコープ102は、先端部に対物レンズ124を配設し、当該対物レンズで受光した被検体像をイメージファイバ127,リレーレンズ125を経由して基端側に配設したCCD126に入力するようになっている。
また、このCCD126の撮像信号は、後述する画像処理装置105における画像処理回路56に入力され、適宜画像処理が施された後、モニタ7に出力されるようになっている。
また、気管支ビデオスコープ102の操作部102b付近には鉗子挿入口102aが形成されると共に、気管支ビデオスコープ102の先端部にはチャンネル開口部102dが形成され、これら鉗子挿入口102aおよびチャンネル開口部102dに連通する鉗子チャンネル102cが形成されている。
前記鉗子挿入口102aから鉗子チャンネル102cには、超音波プローブ122およびガイドシース123が挿入されるようになっており、当該鉗子挿入口102aからから挿入された超音波プローブ122は、鉗子チャンネル102cを経由して前記チャンネル開口部102dから突出するようになっている。
また、この鉗子チャンネル102cには、後述する生検鉗子等の医用装置を挿通することができるようになっている。
前記超音波プローブ122は、鉗子チャンネル102cを経由して被検者100の体腔内へ挿入可能な先端部121を備え、当該被検体からの反射波に基づいて超音波画像を取得する超音波画像取得手段としての役目を果たす。
また、前記先端部121は、超音波振動子121aと、外部から印加された磁界に応じて電気信号を出力するコイル121bと、を具備している。
ここで、前記コイル121bは、前記超音波プローブ122の位置及び方向を検出する位置方向検出手段としての役目を果たす。
前記超音波振動子121aは、超音波診断装置104からの駆動信号に基づいて駆動し、生体の内部へ超音波ビームを出射する。また、超音波振動子121aは、生体の内部の生体組織において超音波ビームが反射した反射波を受波し、該反射波に応じたエコー信号を超音波診断装置104へ出力する。
挿入部122には、外部から印加された磁界に応じて電気信号を出力するコイル122aが、長手方向に沿って複数配置されている。
図17に示すように、複数の体表検出用コイル10は、第1実施形態と同様に、被検者100の体表上において、1つずつ異なる箇所に配置され、当該被検体の振動(被検体の呼吸等)に基づく位置情報を取得する基準位置情報取得手段としての呼吸センサとしての役目を果たす。
また、第2の実施形態においても、位置検出装置103Bは、超音波プローブ122先端部のコイル121bからの電気信号に基づき、コイル121bが存在する位置、及び、コイル121bの配向を特定するための演算を行うことにより、演算結果に応じた先端部位置・配向データを順次生成する。
また、位置検出装置103Bは、各コイル122aからの電気信号に基づき、各コイル122aが存在する位置、及び、各コイル122aの配向を特定するための演算を行うことにより、演算結果に応じた超音波プローブ122の挿入部位置・配向データを順次生成する。
さらに、位置検出装置103Bは、各体表検出用コイル10からの電気信号に基づき、各体表検出用コイル10が存在する位置を特定するための演算を行うことにより、第1の実施形態と同様に、演算結果に応じた被検者位置・配向データを順次生成する。
このように、位置検出装置103Bは、前記コイル121b等により取得された電気信号に基づいて、実空間上における先端部位置・配向等を算出する位置方向検出手段および基準位置情報取得手段を構成する。
そして、位置検出装置103Bは、第1の実施形態と同様に、生成した先端部位置・配向データと、挿入部位置・配向データと、被検者位置・配向データとを併せて画像処理装置105へ出力する。
本第2の実施形態において超音波診断装置104は、超音波振動子121aを駆動させるための駆動信号を生成及び出力する。また、超音波診断装置104は、超音波振動子121aからのエコー信号に基づき、生体の断層像としての超音波画像を所定のフレームレートにより順次生成する。そして、超音波診断装置104は、生成した超音波画像を画像処理装置105へ順次出力する。
画像処理装置105は、前記CCD126の撮像信号を入力し、適宜画像処理が施された後、モニタ7に出力する画像処理回路56を備える他は第1の実施形態と同様であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
次に、本第2の実施形態の医用ガイドシステム101の作用について説明を行う。
図18は、第2の実施形態の医用ガイドシステムにおける気管支ビデオスコープ先端を気管支に挿入した際の様子を示した図であり、図19は、第2の実施形態の医用ガイドシステムにおける気管支ビデオスコープより超音波プローブを病変部付近まで挿入した際の様子を示した図である。
まず、術者等は、医用ガイドシステム101の各部の電源を投入することにより、該各部を起動状態とする。
この後、術者等は、3次元断層画像生成装置9からの3次元断層画像が画像処理装置105に入力される事前に、該3次元断層画像を参照しながら、被検者100に4個の体表検出用コイル10を取り付けた位置に相当する該3次元断層画像の位置を夫々指定する。
そして、3次元断層画像における体表検出用コイル10を取り付けた位置の指定結果は、3次元断層画像上体表検出用コイル座標として画像処理装置105に入力される。
次に、術者等は、図18に示すように、気管支ビデオスコープ102の先端を気管支131に挿入する。
ここで図18に示すように、気管支131は、気管支ビデオスコープ102が挿入できない細い気管支131aおよび気管支131bを備え、処置対象である病変部130がこの細い気管支131bのさらに数分岐分先に位置するものとする。
本実施形態では、このように処置対象である病変部130が、気管支ビデオスコープ102が挿入できない細い気管支部分に在る場合であっても、本第2の実施形態における超音波プローブ122であれば到達できる場合について有効である。
この場合、術者は、ガイドシース123に一旦超音波プローブ122を挿入した状態で、これらを気管支ビデオスコープ102の前記鉗子挿入口102aから鉗子チャンネル102cに向けて挿入する。
その後、さらに挿入を推し進め、図19に示すように、前記チャンネル開口部102dから突出させて、超音波プローブ122の先端部121を病変部130付近まで到達させる。
次に、本第2の実施形態の医用ガイドシステムにおける誘導画像情報を生成する工程について説明する。
第2の実施形態においても、誘導画像情報を生成する工程は基本的には第1の実施形態と同様である。
まず、制御部51の制御下において、呼吸センサである体表検出用コイル10からの振動情報(被検体の呼吸等による振動情報)に基づいてタイミング演算部55は、被検体位置の経時変化の1周期分の情報を抜き出して算出途中データとしてガイド画像生成部に出力する。
その他、体表検出用コイル10で検出した被検体信号の経時変化の1周期分が、上記第1の実施形態における図4、図5に示す如きグラフとしてモニタ7に表示される。
次に、第2の実施形態における、超音波画像上において所定の穿刺対象の位置を指定する工程について説明する。
<1点目の指定>
図20は、第2の実施形態の医用ガイドシステムにおける気管支ビデオスコープより超音波プローブを病変部付近まで挿入した状態において、呼吸位相を特定する様子を示した図である。
第1の実施形態と同様に、超音波診断装置104は、超音波振動子121aからのエコー信号に基づき、生体の断層像としての超音波画像を、所定のフレームレートにより順次生成し、生成した超音波画像を画像処理装置105へ順次出力する。
そして、上述したように、画像処理装置105における表示画像生成部54を経てモニタ7には、リアルタイムの超音波画像が指定されたフレームレートで表示されるようになっている。
この状態において術者は、超音波プローブ122の先端部121を病変部130付近まで到達させた後、超音波プローブ122を操作し、モニタ7にリアルタイムで表示される超音波画像が病変部130に合致するよう当該超音波プローブ122の位置を調整する。
そして、術者によって超音波振動子121aによる超音波画像が病変部130に合致するよう調整されると、術者は、超音波診断装置104に接続されたキーボード6aまたはマウス6b等のポインティングデバイスを用いて、超音波画像が病変部130に合致するタイミングで、この処置対象の位置を超音波画像上で指定する(この時刻をt1とする)。
なお、この他の1点目の指定処理は、第1の実施形態と同様である。
このように、本第2の実施形態においても、術者によって超音波振動子121aにより超音波画像が病変部130に合致するよう調整されるタイミングで、タイミング演算部55は、当該時刻t1での被検者位置・配向データに基づいて、体表検出用コイル10(呼吸センサ)の経時変化における時刻t1での位相(φ1)を算出する。
すなわち、超音波振動子121aによる超音波画像が病変部130に合致した時刻t1での被検者100の呼吸位相をφ1とする(図20(a))。
<2点目の指定>
この後、被検者の呼吸変動により病変部130と超音波画像との位置がずれると(図20(b)参照)、術者は再び超音波プローブ122を操作し、モニタ7にリアルタイムで表示される超音波画像が病変部130に合致するよう、再度、当該超音波プローブ122の位置を調整する。
そして、術者によって、再度、超音波振動子121aによる超音波画像が病変部130に合致するよう調整されると、術者は、再度超音波診断装置104に接続されたキーボード6aまたはマウス6b等のポインティングデバイスを用いて、超音波画像が病変部130に合致するタイミングで、この処置対象の位置を超音波画像上で指定する(この時刻をt2とする)。
なお、この他の2点目の指定処理は、第1の実施形態と同様である。
このように、本第2の実施形態においても、術者によって超音波振動子121aにより再度、超音波画像が病変部130に合致するよう調整されるタイミングで、タイミング演算部55は、当該時刻t2での被検者位置・配向データに基づいて、体表検出用コイル10(呼吸センサ)の経時変化における時刻t2での位相(φ2)を算出する。
すなわち、超音波振動子121aによる超音波画像が病変部130に合致した時刻t2での被検者100の呼吸位相をφ2とする(図20(c))。
そして、本第2の実施形態においても、この後の、「穿刺対象の位置変動の推定工程」、「誘導画像の作成工程」については、第1の実施形態と同様である。
次に、本第2の実施形態における、「誘導情報の提示工程」について説明する。
上述したように、本第2の実施形態は、「位置及び方向の誘導情報」の提示先の医用装置が、「超音波画像取得手段」ではなく、被検体に対して所定の処置を行う、たとえば生検鉗子等の処置具であることを特徴とする。
図21は、第2の実施形態の医用ガイドシステムにおける超音波プローブを抜去した際の全体構成を示した図であり、図22は、第2の実施形態の医用ガイドシステムにおける超音波プローブを抜去した際のガイドシースを示した図である。
図21、図22に示すように、術者は、被検者100の呼吸位相φ1およびφ2を取得した後、病変部130の近傍にガイドシース123を残した状態で超音波プローブ122のみを抜去する。
その後、術者は、ガイドシース123を残した状態で、気管支ビデオスコープ102の前記鉗子挿入口102aから、たとえば、生検鉗子142を鉗子チャンネル102cに挿通しているガイドシース123の中に挿入する。
図23は、第2の実施形態の医用ガイドシステムにおける気管支ビデオスコープより生検鉗子を病変部付近まで挿入した際の全体構成を示した図であり、図24は、第2の実施形態の医用ガイドシステムにおける気管支ビデオスコープより生検鉗子を病変部付近まで挿入した際の様子を示した図である。
図23、図24に示すように、生検鉗子142は、鉗子チャンネル102cを経由して被検者100の体腔内へ挿入可能な先端部141に、所定を処置を行う鉗子141aおよび外部から印加された磁界に応じて電気信号を出力するコイル141bを具備している。
また、生検鉗子142の挿入部には、外部から印加された磁界に応じて電気信号を出力するコイル142aが、長手方向に沿って複数配置されている。
前記コイル141bおよびコイル142aは、いずれも位置検出装置103Bに接続され、当該位置検出装置103Bは、コイル141bおよびコイル142aからの電気信号に基づき、先端部位置・配向データおよび挿入部位置・配向データを生成するようになっている。
そして、本第2の実施形態においては、まずは気管支ビデオスコープ102に位置情報を得るセンサ(コイル121a等)を備える超音波プローブ122に挿入し、上述した所定の誘導情報を得た後に、気管支ビデオスコープ102から当該超音波プローブ122を抜去すると共に位置情報を得るセンサ(コイル141a等)を備える生検鉗子142等の処置具を挿入し、当該生検鉗子142等の処置具に前記誘導情報を提示することを特徴とするものである。
具体的には、生検位置範囲と生検タイミング位相範囲を提示し、生検位置範囲に生検鉗子を誘導し、生検タイミングを報知することになる。
なお、本第2の実施形態における上記構成例においては、「位置及び方向の誘導情報」の提示先の医用装置として生検鉗子を採用したが、これに限らず、当該「位置及び方向の誘導情報」の提示先の医用装置として細胞診ブラシまたは吸引生検針を採用しても良い。
この場合、「位置及び方向の誘導情報」の作成工程については、前記生検鉗子の場合と同様である。
上述したように、本第2の実施形態の医用ガイドシステムによれば、被検体の呼吸または拍動等により処置(生検)対象が経時的に移動する場合でも、生検対象を超音波画像の処置可能範囲に位置させ易くすることができ、経時的な移動に合わせた適切なタイミングで生検できるようになることで、的確な生検を行い得るという効果を奏する。
また、本第2の実施形態のような、ガイドシースを用いた生検方法では、生検時に生検対象を画像化することができないため、従来は盲目的に生検していた。しかし、本第2の実施形態によると、生検対象の位置に生検鉗子を誘導でき、更に生検タイミングを報知できるため、生検の奏功率向上への効果は大きい。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。