ところで、ベローズ管からなる排気管継手においては、上流側排気管及び下流側排気管の軸方向の相対変位及び軸方向に直交する方向(せん断方向)の相対変位を許容することができるが、上流側排気管及び下流側排気管の軸心線の周りでの相対回転変位の許容量が少なく、また軸方向に長いために設置自由度の向上を図り難く、しかも、ベローズ管での放熱面積が広くなるために排気ガスの温度低下を招き易くなる結果、下流側に設置される排気ガス浄化装置の浄化効率の低下を招来する虞がある。
また、球帯状シール体を使用した球面排気管継手においては、エンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管の相対角変位(揺動)及び相対回転変位を許容することができるが、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管の軸方向の相対変位及び軸方向に直交する方向(せん断方向)の相対変位を許容することができない結果、自動車本体に振動が伝わって運転者等に不快感を与えて乗り心地のよい自動車を提供し得ない虞がある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管の相対角変位及び相対回転変位並びに軸方向の相対変位及びせん断方向の相対変位を許容することができて、しかも、コンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる排気管継手を提供することにある。
本発明の排気管継手は、上流側排気管の管端部に固着されるインナーパイプと、上流側排気管の管端部に対向して下流側に配置される下流側排気管の管端部に固着されるアウターカバーと、径方向においてアウターカバーの内周面に隙間をもって対面してアウターカバー内にインナーパイプを囲繞して配置されたインナーカバーと、上流側において前記隙間に配されていると共にアウターカバーの上流側の内周面に対面した外周面及びインナーカバーの上流側の外周面に対面した内周面を有した円環状の上流側のシール体と、上流側のシール体よりも下流側において前記隙間に配されていると共にアウターカバーの下流側の内周面に対面した外周面及びインナーカバーの下流側の外周面に対面した内周面を有した円環状の下流側のシール体と、アウターカバー及びインナーカバー間に配設されていると共に軸方向において上流側のシール体の外周面をアウターカバーの上流側の内周面に向かって弾性的に付勢する一方、軸方向において下流側のシール体の外周面をアウターカバーの下流側の内周面に向かって弾性的に付勢するようになっている弾性付勢部材と、一方の端部がインナーパイプの外周面に、他方の端部がインナーカバーの内周面に夫々固着されていると共に当該一方の端部及び他方の端部間でインナーパイプを囲繞した可撓性のベローズ管とを具備しており、アウターカバーは、上流側のシール体及び下流側のシール体を介してインナーカバーに対して相対的に揺動自在となっていると共に軸心線の周りで相対的に回転自在となっており、インナーパイプの内部は、上流側のシール体、下流側のシール体及びベローズ管によりアウターカバーの外部に対して封止されている。
本発明の排気管継手によれば、アウターカバー及びインナーカバー間に配されていると共に上流側のシール体及び下流側のシール体を軸方向においてアウターカバーの上流側及び下流側の内周面に向かって弾性的に付勢している弾性付勢部材を具備しているために、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく自動車本体の振動に起因してアウターカバー及びインナーカバーと上流側のシール体及び下流側のシール体との相互接触間に隙間を生じさせることがなく、上流側排気管からベローズ管に囲繞されたインナーパイプを流動した排気ガスの漏洩を防止することができ、しかも、上流側排気管及び下流側排気管の相互の相対角変位及び相対回転変位を生じさせる上流側排気管からの振動入力に対しては上流側のシール体及び下流側のシール体とアウターカバー及びインナーカバーとの間の摺動によって逃がすことができ、上流側排気管及び下流側排気管の軸方向の相対変位及び軸方向に直交する方向(せん断方向)の相対変位を生じさせる上流側排気管からの振動入力に対しては、ベローズ管の伸縮により逃がすことができるので、自動車本体への振動伝達を低減し、運転者等に不快感を与えない極めて乗り心地のよい自動車とし得、その上、例えばアウターカバーの径方向外側にボルト、ナット及びコイルスプリング等からなる上流側排気管及び下流側排気管を相互に連結する連結手段を設置する必要をなくすことができて部品点数の低減及びコンパクト化を図れ、排気管継手の低廉化や自動車の排気系システムに対する取付位置の自由度を増大することができる。
本発明の排気管継手では、上流側のシール体の外周面が凸球面状であって、アウターカバーの上流側の内周面に摺動自在に接触する場合には、アウターカバーの上流側の内周面は、当該上流側のシール体の凸球面状の外周面に相補的形状の凹球面状であっても、上流側のシール体の内周面が凹球面状であって、インナーカバーの上流側の外周面に摺動自在に接触する場合には、インナーカバーの上流側の外周面は、当該上流側のシール体の凹球面状の内周面に相補的形状の凸球面状であっても、下流側のシール体の外周面が凸球面状であって、アウターカバーの下流側の内周面に摺動自在に接触する場合には、アウターカバーの下流側の内周面は、当該下流側のシール体の凸球面状の外周面に相補的形状の凹球面状であっても、そして、下流側のシール体の内周面が凹球面状であって、インナーカバーの下流側の外周面に摺動自在に接触する場合には、インナーカバーの下流側の外周面は、当該下流側のシール体の凹球面状の内周面に相補的形状の凸球面状であってもよい。
これらの場合において、上流側のシール体の凸球面状の外周面は、アウターカバーの上流側の凹球面状の内周面の曲率半径と同一又は当該曲率半径よりも小さな曲率半径を有していても、上流側のシール体の凹球面状の内周面は、インナーカバーの上流側の凸球面状の曲率半径と同一又は当該曲率半径よりも大きな曲率半径を有していても、下流側のシール体の凸球面状の外周面は、アウターカバーの下流側の凹球面状の内周面の曲率半径と同一又は当該曲率半径よりも小さな曲率半径を有していても、下流側のシール体の凹球面状の内周面は、インナーカバーの下流側の凸球面状の曲率半径と同一又は当該曲率半径よりも大きな曲率半径を有していても、アウターカバーの上流側の凹球面状の内周面とアウターカバーの下流側の凹球面状の内周面とは、同一の位置に球心を有していても、上流側のシール体の凹球面状の内周面と下流側のシール体の凹球面状の内周面とは、同一の位置に球心を有していてもよく、アウターカバーの上流側の凹球面状の内周面と下流側のシール体の凹球面状の内周面とは、同一の位置に球心を有していても、そして、上流側のシール体の凹球面状の内周面とアウターカバーの下流側の凹球面状の内周面とは、同一の位置に球心を有していてもよく、曲率半径が異なる場合には、線接触を得ることができる。
本発明の排気管継手では、ベローズ管は、軸方向に沿って交互に配された断面ループ状の山部及び谷部を有するベローズ部と、可撓性のべローズ管の主体部分となるベローズ部の両端側にベローズ部の外径よりも小径の円筒状の連結端部とを具備しているとよく、ベローズ管は金属製であればよいが、ステンレス鋼製であればより好適であり、オーステナイト系ステンレス鋼製でもフェライト系ステンレス鋼製でもよく、単一金属層(一枚)でも、二層(二枚)でも、三層(三枚)でもよく、ベローズ管は、上流側排気管の管端部と同心に配されているとよく、ベローズ管は、インナーカバー及びアウターカバーに囲繞されているので、縁石、飛石等に起因する破損から保護されており、また、インナーパイプを囲繞しているので、排気ガスによる熱害から保護されると共に異音(排気ガスがベローズ部の山部及び谷部に当たることで発生するチリチリ音)を発生しなく、さらに、上流側排気管及び下流側排気管の相互の軸方向(伸縮)及びせん断方向の相対変位に基づく振動入力を伸縮により逃がす一方、上流側排気管及び下流側排気管の相互の相対角変位及び相対回転変位に基づく振動入力を受けないので、その耐久性が向上される。
好ましい例では、インナーパイプは、ベローズ管のベローズ部に囲繞されている縮径円筒部を有している。
本発明の排気管継手では、弾性付勢部材は、環状の波形スプリングからなっていてもよく、斯かる場合には、例えば一般のコイルスプリングに比べて全長を短くすることができ、しかも、波形スプリングに接触する相手部材への付勢力を円周方向において均一に伝達することができる。
本発明の排気管継手では、上流側のシール体の凸球面状の外周面及び下流側のシール体の凸球面状の外周面の夫々の球心は、同一の位置にあっても、異なる位置にあってもよく、インナーカバーの上流側の凸球面状の外周面及びインナーカバーの下流側の凸球面状の外周面の夫々の球心は、同一の位置にあっても、異なる位置にあってもよい。
本発明の排気管継手では、弾性付勢部材は、軸方向において上流側のシール体及びインナーカバー間に配されていると共に軸方向において上流側のシール体の外周面をアウターカバーの上流側の内周面に向かって弾性的に付勢する一方、軸方向において下流側のシール体の外周面をアウターカバーの下流側の内周面に向かって弾性的に付勢するようになっていてもよく、軸方向において下流側のシール体及びインナーカバー間に配在されていると共に軸方向において下流側のシール体の外周面をアウターカバーの下流側の内周面に向かって弾性的に付勢する一方、軸方向において上流側のシール体の外周面をアウターカバーの上流側の内周面に向かって弾性的に付勢するようになっていてもよく、更には、軸方向において上流側のシール体及びインナーカバー間及び軸方向において下流側のシール体及びインナーカバー間の夫々に配されていると共に軸方向において上流側のシール体の外周面をアウターカバーの上流側の内周面に向かって弾性的に付勢する一方、軸方向において下流側のシール体の外周面をアウターカバーの下流側の内周面に向かって弾性的に付勢するようになっていてもよい。
本発明の排気管継手では、アウターカバーは、軸方向における一端で下流側排気管の管端部に固着される第一アウターカバーと、軸方向における一端で第一アウターカバーの軸方向における他端に連結されていると共に軸方向における他端がインナーカバーに対して径方向の隙間をもって配されている第二アウターカバーとを具備していてもよく、斯かる場合には、排気管継手の組み立てを容易にし得る。
アウターカバーが第一アウターカバーと第二アウターカバーとを具備している場合、第一アウターカバーの他端の外周面及び内周面のうちの一方並びに第二アウターカバーの一端の内周面及び外周面のうちの一方には、夫々互いに螺合している螺合部が形成されて、この螺合部によって第一アウターカバーの他端と第二アウターカバーの一端とを互いに連結してもよく、斯かる場合には、排気管継手の組み立てにおいて螺合部の螺合調整を行うことにより第一アウターカバー及び第二アウターカバーの軸方向における相互位置を調整することができ、これにより、軸方向における弾性付勢部材への初期負荷を調整することができ、また、排気管継手の使用によって上流側のシール体、下流側のシール体等に経時劣化が生じた際にも初期負荷の再調整を行うことで、上流側のシール体及び下流側のシール体のアウターカバー及びインナーカバーに対する接触状態並びに上流側のシール体及び下流側のシール体による排気ガスの漏洩に対する密封性を良好な状態に保ち得る。
螺合部を介して第一アウターカバーの他端及び第二アウターカバーの一端を互いに連結する代わりに、第一アウターカバーの他端及び第二アウターカバーの一端を溶接して互いに連結してもよい。
また、第一アウターカバーの他端及び第二アウターカバーの一端は、ボルト及びナットによって互いに連結されていてもよい。
本発明の排気管継手の好ましい例では、上流側のシール体及び下流側のシール体の外周面は、凸球面状であり、上流側のシール体及び下流側のシール体の凸球面状の外周面の夫々に対面しているアウターカバーの上流側及び下流側の内周面は、同一の位置に球心を有した凹球面状であり、上流側のシール体の凸球面状の外周面に対面しているアウターカバーの上流側の凹球面状の内周面及び下流側のシール体の凸球面状の外周面に対面しているアウターカバーの下流側の凹球面状の内周面は、軸方向に直交すると共に該球心を通る平面に関して面対称に形成されていてもよい。
本発明の排気管継手では、上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の外周面が凸球面状であり、アウターカバーは、上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凸球面状の外周面に対面している凹球面状の内周面を有しており、上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凸球面状の外周面は、その曲率半径が当該上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凸球面状の外周面に対面しているアウターカバーの凹球面状の内周面の曲率半径よりも小さくなるように形成されていてもよく、斯かる場合には、上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凸球面状の外周面は、当該上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凸球面状の外周面に対面しているアウターカバーの凹球面状の内周面に線接触することになり、上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の内周面が凹球面状であり、インナーカバーは、上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凹球面状の内周面に対面している凸球面状の外周面を有しており、上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凹球面状の内周面は、その曲率半径が当該上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凹球面状の内周面に対面しているインナーカバーの凸球面状の外周面の曲率半径よりも大きくなるように形成されていてもよく、斯かる場合にも、上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凹球面状の内周面は、当該上流側のシール体及び下流側のシール体のうちの少なくとも一方の凹球面状の内周面に対面しているインナーカバーの凸球面状の外周面に線接触することになる。
本発明の排気管継手では、上流側のシール体及び下流側のシール体の凸球面状の外周面は、固体潤滑剤を含む潤滑滑り層の露出面を含んでいてもよく、固体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、二硫化モリブデン又は窒化ホウ素などを好ましい例として挙げることができる。
本発明の排気管継手では、上流側のシール体及び下流側のシール体は、膨張黒鉛、雲母又は石綿等の耐熱材と、金属細線から形成された金網からなる補強材とを圧縮成形してなり、耐熱材が金網からなる補強材の隙間に配されてなるものであってもよい。
本発明によれば、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく自動車本体の振動に起因して各部材間に隙間を生じさせることなく、上流側排気管からベローズ管に囲繞されたインナーパイプを流動した排気ガスの漏洩を防止することができ、しかも、上流側排気管及び下流側排気管の相互の揺動方向、捻り方向、軸方向(伸縮)及びせん断方向の振動入力を逃がすことができるので、自動車本体への振動伝達を低減し、スティクスリップ等に基づく異音を発生させないで運転者等に不快感を与えない極めて乗り心地のよい自動車とし得、さらに、部品点数の低減やコンパクト化を図れて低廉化や排気系システムに対する取付位置の自由度を増大することができる排気管継手を提供し得る。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1及び図2において、本例の排気管継手1は、エンジン側排気系の排気管に連結された上流側排気管2の円筒状の管端部3に固着されると共に縮径円筒部4を有するインナーパイプ5と、上流側排気管2の管端部3に軸方向Xにおいて間隔をもって対向して下流側に配置されると共にテールパイプ側排気系の排気管に連結された下流側排気管7の管端部6に固着されたアウターカバー8と、径方向Yにおいてアウターカバー8の内周面11に隙間9をもって対面してアウターカバー8内にインナーパイプ5を囲繞して配置されたインナーカバー10と、上流側において隙間9に配されていると共にアウターカバー8の内周面11のうちの上流側の内周面に対面した外周面12及びインナーカバー10の外周面13のうちの上流側の外周面に対面した内周面14を有した円環状の上流側のシール体15と、シール体15よりも下流側において隙間9に配されていると共にアウターカバー8の内周面11のうちの下流側の内周面に対面した外周面16及びインナーカバー10の外周面13のうちの下流側の外周面に対面した内周面17を有した円環状の下流側のシール体18と、アウターカバー8及びインナーカバー10間であって軸方向Xにおいてシール体15及びインナーカバー10間に配設されていると共に軸方向Xにおいてシール体15の外周面12をアウターカバー8の内周面11のうちの上流側の内周面に向かって弾性的に付勢する一方、軸方向Xにおいてシール体18の外周面16をアウターカバー8の内周面11のうちの下流側の内周面に向かって弾性的に付勢している弾性付勢部材としての円環状の波形スプリング19と、一方の端部がインナーパイプ5の外周面に、他方の端部がインナーパイプ5の縮径円筒部4の外周面との間に隙間20をもって配されていると共にインナーカバー10の内周面に夫々固着されて、当該一方の端部及び他方の端部間でインナーパイプ5を囲繞した可撓性を有するベローズ管21とを具備している。
アウターカバー8は、図1及び図3に示すように、軸方向Xにおける円環状の一端22で下流側排気管7の管端部6に固着された第一アウターカバー23と、軸方向Xにおける円環状の一端24で第一アウターカバー23の軸方向Xにおける円環状の他端25に連結されていると共に軸方向Xにおける円環状の他端26でインナーカバー10に対して径方向Yの隙間27をもって配されている第二アウターカバー28とを具備している。
第一アウターカバー23は、第一アウターカバー23の一端22となる一端で下流側排気管7の管端部6に溶接等により固着されている小径円筒部29と、小径円筒部29よりも上流側に配されている大径円筒部30と、軸方向Xにおいて小径円筒部29及び大径円筒部30間に配されて当該小径円筒部29及び大径円筒部30に一体的に連接されている部分球状部31とを具備しており、アウターカバー8の内周面11のうちの下流側の内周面となる部分球状部31の凹球面状の内周面32は、シール体18の凸球面状の外周面16に対面していると共に当該外周面16が摺動自在に接触する凹球面状のシール座33となっており、小径円筒部29は、その内周面34で下流側排気管7の管端部6の外周面35に接合されてレーザー溶接等によって固着されており、部分球状部31の内周面32は、本例ではシール体18の凸球面状の外周面16に対して相補的な形状を有している。
第二アウターカバー28は、第二アウターカバー28の一端24となる一端で第一アウターカバー23の他端25となる大径円筒部30の他端にレーザー溶接によって連結されている大径円筒部36と、大径円筒部36よりも上流側に配されて当該大径円筒部36に一体的に連接されている部分球状部37とを具備しており、アウターカバー8の内周面11のうちの上流側の内周面となる部分球状部37の凹球面状の内周面38は、シール体15の凸球面状の外周面12に対面していると共に当該外周面12が摺動自在に接触する凹球面状のシール座39となっており、大径円筒部36は、その一端の内周面40で第一アウターカバー23の大径円筒部30の他端の外周面41に接合されて、レーザー溶接等によって固着されており、内周面38は、本例ではシール体15の凸球面状の外周面12に対して相補的な形状を有しており、内周面32及び38は、互いに同一の位置に球心Oを有している。
第一アウターカバー23及び第二アウターカバー28は、上記のようにレーザー溶接によって連結されていてもよいが、これに代えて、例えば図4(a)に示すように、第一アウターカバー23の他端25である大径円筒部30の他端における外周面41及び第二アウターカバー28の一端24である大径円筒部36の一端における内周面40の夫々に形成されていると共に互いに螺合している螺合部42及び43によって連結されていてもよく、螺合部42及び43の一方が雄ねじからなり、他方が雌ねじからなっていてもよく、このように第一アウターカバー23の他端25及び第二アウターカバー28の一端24を螺合部42及び43によって互いに連結する場合には、排気管継手1の組み立てにおいて螺合部42及び43の螺合調整を行うことにより、第二アウターカバー28の第一アウターカバー23に対する軸方向Xにおける相対位置を調整することができ、これにより、軸方向Xにおける波形スプリング19への初期負荷を簡単に調整することができ、また、例えば排気管継手1の使用によってシール体15及び18等に経時劣化が生じた際にも再螺合調整による波形スプリング19への初期負荷の再調整を行うことで、シール体15及び18の内周面32及び38に対する接触状態並びにシール体15及び18による排気ガスの密封性を良好な状態に保ち得る。螺合調整による波形スプリング19への初期負荷の再調整を行わない場合には、排気管継手1の組み立てにおける螺合部42及び43の初期の螺合調整後に第一アウターカバー23の他端25及び第二アウターカバー28の一端24を溶接等により固着してもよい。
また、例えば図4(b)に示すように、第一アウターカバー23の他端25及び第二アウターカバー28の一端24の夫々にフランジ44及び45を形成し、フランジ44及び45をボルト46及びナット47により締結して、第一アウターカバー23の他端25及び第二アウターカバー28の一端24を、ボルト及びナットによって互いに連結してもよい。
インナーカバー10は、図1及び図5に示すように、アウターカバー8に対して径方向Yにおいて隙間9をもって対面していると共にベローズ管21に対して径方向Yにおいて断熱用隙間48をもって対面している大径円筒部49と、大径円筒部49の下流側の一端50から径方向Yの内方に伸びる環状の垂直壁部51と、垂直壁部51の下端52から軸方向Xに伸びる円筒部53と、円筒部53の端部54から径方向Yの内方に伸びる環状の垂直壁部55と、垂直壁部55の下端56から軸方向Xに伸びる小径円筒部57と、大径円筒部49の上流側の一端58から径方向Yの内方に伸びると共に垂直壁部51と対面する環状の垂直壁部59と、垂直壁部59の下端60から軸方向Xに伸びると共に円筒部53と同径の円筒部61とを具備している。
シール体15及び18は、膨張黒鉛、雲母又は石綿等の耐熱材、本例では主として膨張黒鉛からなる耐熱材と、金属細線から形成された金網からなる補強材とを圧縮成形してなり、耐熱材が金網からなる補強材の隙間を充填して当該隙間に配されて形成されている。
球帯状のシール体15は、第二アウターカバー28の凹球面状の内周面38に摺動自在であって密に接触していると共に固体潤滑剤を含む潤滑滑り層の露出面からなる凸球面状の外周面12と、円筒部61の外周面62に相補的な形状を有していると共に外周面62に摺動自在に接触している内周面14と、軸方向Xにおいて互いに対向している一対の円環状端面63及び64とを具備しており、上流側の円環状端面63は、下流側の円環状端面64に対して小径であり、円環状端面64は、波形スプリング19に接触していると共に軸方向Xにおいて波形スプリング19を間にして垂直壁部59に対面しており、内周面38と内周面38の曲率半径と同一の曲率半径を有した外周面12とは、同一の位置に球心Oを有している。
球帯状のシール体18は、第一アウターカバー23の凹球面状の内周面32に摺動自在であって密に接触していると共に固体潤滑剤を含む潤滑滑り層の露出面からなる凸球面状の外周面16と、円筒部53の外周面65に相補的な形状を有していると共に外周面65に摺動自在に接触している内周面17と、軸方向Xにおいて互いに対向している一対の円環状端面66及び67とを具備しており、下流側の円環状端面66は、上流側の円環状端面67に対して小径であり、円環状端面67は、シール面としてインナーカバー10の垂直壁部51に密に接触しており、内周面32と内周面32の曲率半径と同一の曲率半径を有した凸球面状の外周面16とは、シール体15の凸球面状の外周面12の球心Oの位置と同一の位置に球心Oを有している。
例えば図6に示すように、円周方向において波形に形成されている波形スプリング19は、軸方向Xにおいてシール体15の円環状端面64及びインナーカバー10の垂直壁部59間に介在されており、軸方向Xにおいてシール体15の凸球面状の外周面12を第二アウターカバー28の内周面38に向かって弾性的に付勢していると共にシール体15及び第二アウターカバー28を介して軸方向Xにおいてシール体18の凸球面状の外周面16を第一アウターカバー23の内周面32に向かって弾性的に付勢している。波形スプリング19は、シール体15の円環状端面64に接触していると共に円周方向において等間隔をもって配置されている複数の接触部68と、インナーカバー10の垂直壁部59に接触していると共に円周方向において等間隔をもって配置されている複数の接触部69と有しており、これにより、複数の接触部68及び69を介して円環状端面64及び垂直壁部59に弾性付勢力を円周方向において均一に伝達することができ、斯かる付勢によりシール体15及び第二アウターカバー28の接触状態並びにシール体18及び第一アウターカバー23の接触状態を良好に保つことができる。また、斯かる波形スプリング19によれば、例えばコイルスプリングに対して伸縮方向のその長さを短くし得るので、排気管継手1の軸方向Xにおける寸法を小さくすることができ、また、波形スプリング19自体がアウターカバー8及びインナーカバー10間の隙間9に配設されているので、排気管継手1の径方向における寸法を小さくすることができる。
上流側排気管2の管端部3に固着されたインナーパイプ5は、図1及び図8に示すように、管端部3に固着される円筒部70と、円筒部70の端部71から径方向Yの内方に狭窄された截頭円錐管部72と、截頭円錐管部72の端部に軸方向Xに伸びる小径円筒部73と、小径円筒部73の端部に固着された縮径円筒部4とを具備しており、本例ではインナーパイプ5を、円筒部70、截頭円錐管部72及び小径円筒部73を単一管で形成し、小径円筒部73の端部に別の単一管で形成した縮径円筒部4を溶接により固着して形成したが、円筒部70、截頭円錐管部72、小径円筒部73及び縮径円筒部4を単一管で形成してもよい。
可撓性を有するベローズ管21は、図1及び図7に示すように、軸方向Xに沿って交互に配された断面ループ状の山部74及び谷部75を有するベローズ部76と、ベローズ部76の両端側にベローズ部76の外径よりも小径の円筒状の連結端部77及び78とを具備しており、ベローズ管21は、ベローズ部76でインナーパイプ5の縮径円筒部4の外周面と隙間20をもって縮径円筒部4の外周面を囲繞しており、一方の連結端部77の内周面79をインナーパイプ5の円筒部70の外周面80に嵌挿させると共に連結端部78の外周面86をインナーカバー10の小径円筒部57の内周面に嵌挿させており、一方の連結端部77は、その外周面81に嵌挿されたフランジ部82を有する筒状バンド83により円筒部70の外周面80に締付けられて且つ円筒部70の外周面80及び筒状バンド83の端面への溶接によって円筒部70の外周面80に固着されており、他方の連結端部78は、その内周面84に嵌挿された補助リング85により小径円筒部57の内周面57aに締付けられて且つ小径円筒部57の端面及び補助リング85の端面への溶接によって小径円筒部57に固着されており、而して、ベローズ管21は、一方の端部である連結端部77でインナーパイプ5の外周面である円筒部70の外周面80に、他方の端部である連結端部78でインナーカバー10の内周面である小径円筒部57の内周面57aに夫々固着されている。補助リング85に径方向Yの環状隙間85aをもって対面する縮径円筒部4の下流側の一端4aの外周面には、一端4aの補助リング85への衝突を緩衝する円筒状の弾性部材4bが固着されている。
ベローズ管21は、上流側排気管2の管端部3に固着されたインナーパイプ5の縮径円筒部4と同心に配されている。ベローズ管21は、上流側排気管2と下流側排気管7との間における軸方向Xの相対変位に対してその軸方向Xの伸縮で当該相対変位を吸収するようになっている。
ベローズ管21は、その外周面側ではインナーカバー10及びアウターカバー8に囲繞されているので、縁石、飛石等に起因する破損から保護されており、またその内周面側でインナーパイプ5を覆っているので、排気ガスによる熱害から保護されると共に異音(排気ガスがベローズ部の山部74及び谷部75に当たることで発生するチリチリ音)の生起を抑止されている。
シール体15の凸球面状の外周面12に対面しているアウターカバー8の上流側の凹球面状の内周面38及びシール体18の凸球面状の外周面16に対面しているアウターカバー8の下流側の凹球面状の内周面32が軸方向Xに直交すると共にアウターカバー8の上流側及び下流側の凹球面状の内周面38及び32の球心Oを通る平面に関して面対称に形成されている以上の排気管継手1では、アウターカバー8は、シール体15及び18を介してインナーカバー10に対して角変位方向Aに相対的に揺動自在となっていると共に球心Oを通る軸心軸の周りで方向Bに相対的に回転自在となっている結果、上流側排気管2と下流側排気管7との間の角変位方向Aの相対的な揺動変位及び上流側排気管2と下流側排気管7との間の捩り方向(回転方向)Bの相対的な回転変位は、第一アウターカバー23の内周面32とシール体18の外周面16との摺動及び第二アウターカバー28の内周面38とシール体15の外周面12との摺動によって等方性をもって許容される一方、上流側排気管2と下流側排気管7との間の軸方向Xの相対変位は、ベローズ管21の伸縮により許容されるようになっており、しかも、インナーパイプ5の内部、即ち、高温の排気ガスの流路は、上流側排気管2と下流側排気管7との間の相対揺動変位、相対回転変位及び軸方向Xの相対変位においても、シール体15及び18、ベローズ管21によりアウターカバー8の外部に対して封止されているので、当該高温の排気ガスの漏出を効果的に防ぎ得る。
第一アウターカバー23の内周面32とシール体18の外周面16との摺動及び第二アウターカバー28の内周面38とシール体15の外周面12との摺動の繰り返し等により、シール体15及び18の外周面12及び16等に経時劣化が生じたとしても、波形スプリング19の弾性付勢力により、第一アウターカバー23の内周面32とシール体18の外周面16との接触状態及び第二アウターカバー28の内周面38とシール体15の外周面12との接触状態が良好に保たれるので、エンジン側排気系の排気管に連結された上流側排気管2からインナーチューブ5に流動した排気ガスの当該排気管継手1の部位での漏洩は防止される。
本例の排気管継手1によれば、縮径円筒部4を有するインナーパイプ5を管端部3に固着した上流側排気管2及び上流側排気管2の管端部3に固着されたインナーパイプ5の縮径円筒部4に対して軸方向Xに間隔を隔てて対向して配置された円筒状の管端部6を有してテールパイプ側排気系の排気管に連結された下流側排気管7の当該管端部6に固着されたアウターカバー8と、径方向Yにおいてアウターカバー8に隙間9をもって対面するインナーカバー10と、上流側において隙間9に配されていると共にアウターカバー8の内周面11に対面した外周面12及び外周面12に対向し且つインナーカバー10の外周面13に対面した内周面14を有した円環状のシール体15と、シール体15よりも下流側において隙間9に配されていると共にアウターカバー8の内周面11に対面した外周面16及び外周面16に対向し且つインナーカバー10の外周面13に対面した内周面17を有した円環状のシール体18と、アウターカバー8及びインナーカバー10間に配設されていると共にシール体15及びシール体18を軸方向Xにおいてアウターカバー8に向かって弾性的に付勢している弾性付勢部材としての円環状の波形スプリング19と、一端がインナーパイプ5に固着されている一方、他端がインナーパイプ5の縮径円筒部4の外周面との間に隙間20をもって配されていると共にインナーカバー10に固着された可撓性を有するベローズ管21とを具備しており、シール体15の外周面12が凸球面状であり、アウターカバー8の内周面11には、当該外周面12に対面している凹球面状のシール座39としての内周面38が形成されており、シール体18の外周面16が凸球面状であり、アウターカバー8の内周面11には、当該外周面16に対面している凹球面状のシール座33としての内周面32が形成されているために、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく自動車本体の振動に起因して各部材に経時劣化が生じても当該各部材間に隙間を生じさせることなく、当該各部材同士が衝突し、異音が発生する虞をなくすことができ、しかも、上流側排気管2及び下流側排気管7の相互の捩り方向を含む揺動の等方性を確保することができると共に上流側排気管2及び下流側排気管7の相互の軸方向Xの変位をベローズ管21のベローズ部76の伸縮により許容することができ、その上、上流側排気管2及び下流側排気管7を相互に連結するために、例えばアウターカバー8の径方向外側にボルト、ナット及びコイルスプリング等からなる連結手段(図示せず)を設置する必要をなくすことができて部品点数の低減及びコンパクト化を図れ、排気管継手の低廉化や自動車の排気系システムに対する取付位置の自由度を増大することができ、また、球面排気管継手1によれば、上流側排気管2及び下流側排気管7に相対角変位及び相対回転変位が生じても、スティクスリップ等に基づく異音を発生させないで運転者等に不快感を与えない極めて乗り心地のよい自動車とし得、シール体15及び18を正常位置に保持できて上流側排気管2からインナーパイプ5内を通って下流側排気管7に流動する排気ガスの漏洩もなく、しかも、製造を容易にし得る。
排気管継手1によれば、弾性付勢部材が環状の波形スプリング19からなっているために、例えば一般のコイルスプリングに比べて全長を短くすることができ、しかも、波形スプリング19に接触する相手部材への付勢力を円周方向において均一に伝達することができる。
排気管継手1によれば、インナーカバー10及びベローズ部76間には、断熱用隙間48が形成されているために、シール体15、シール体18、波形スプリング19等への熱の伝達を遮断することができて、各部材の熱による劣化を低減することができる。
球面排気管継手1では、例えばシール体15及び18の外周面12及び16のうちの少なくとも一方は、対応の内周面32及び38のうちの少なくとも一方の曲率半径よりも小さい曲率半径を有していてもよい。
上記の排気管継手1では、波形スプリング19が軸方向Xにおいてシール体15の円環状端面64及びインナーカバー10の垂直壁部59間に介在されているが、これに代えて例えば図9に示すように、波形スプリング19を、軸方向Xにおいてシール体18の円環状端面67及びインナーカバー10の垂直壁部51間に介在させて、斯かる波形スプリング19により、軸方向Xにおいてシール体18の凸球面状の外周面16を第一アウターカバー23の内周面32に向かって弾性的に付勢すると共にシール体18及び第一アウターカバー23を介して軸方向Xにおいてシール体15の凸球面状の外周面12を第二アウターカバー28の内周面38に向かって弾性的に付勢させてもよく、斯かる場合においても、シール体18の外周面16及び第一アウターカバー23の内周面32の夫々は、互いに密に摺動自在に接触するように形成され、シール体15の外周面12及び第二アウターカバー28の内周面38の夫々は、互いに密に摺動自在に接触するように形成されてもよく、波形スプリング19を軸方向Xにおいてシール体15の円環状端面64及びインナーカバー10の垂直壁部59間にも介在させてもよい。
上記の例の排気管継手1では、インナーカバー10は、垂直壁部51と、垂直壁部51の下端52から軸方向Xに伸びる円筒部53とを具備する一方、シール体18は、垂直壁部51に接触する円環状端面67と円筒部53に接触する内周面17とを具備しているが、これに代えて、図10及び図11に示すように、インナーカバー10は、アウターカバー8に対して径方向Yの隙間9をもって対面していると共にベローズ管21に対して径方向Yに断熱用隙間48をもって対面している大径円筒部49と、大径円筒部49の下流側の一端50及び環状の垂直壁部55の端部54を連結する凸球面状筒部54aと、垂直壁部55の下端56から軸方向Xに伸びる小径円筒部57と、大径円筒部49の上流側の一端58から径方向Yの内方に伸びる環状の垂直壁部59と、垂直壁部59の下端60から軸方向Xに伸びる円筒部61とを具備しており、シール体18は、第一アウターカバー23の凹球面状のシール座33である内周面32に摺動自在であって密に接触していると共に固体潤滑剤を含む潤滑滑り層の露出面からなる凸球面状の外周面16と、凸球面状筒部54aの外周面87に対して相補的な凹球面状の形状を有していると共に当該外周面87に接触している内周面88と、軸方向Xにおいて互いに対向している一対の円環状端面89及び90とを具備していてもよく、シール体15の外周面12及びシール体18の外周面16の夫々の球心Oは同一の位置にある。
また、図1及び図2に示す排気管継手1では、第一アウターカバー23の大径円筒部30は、第二アウターカバー28の大径円筒部36よりも径方向Yにおいて内側に位置するように形成されているが、これに代えて、図12に示すように、当該大径円筒部30は、大径円筒部36よりも径方向Yにおいて外側に位置するように形成されてもよい。
更に、図1及び図2に示す排気管継手1では、インナーカバー10は、垂直壁部59と、垂直壁部59の下端60から軸方向Xに伸びる円筒部61とを具備する一方、シール体15は、波形スプリング19に接触している円環状端面64と円筒部61に接触する内周面14とを具備しており、波形スプリング19は、軸方向Xにおいてシ−ル体15と垂直壁部59との間に介在されているが、これに代えて、図12及び図13に示すように、第一アウターカバー23の大径円筒部30は、第二アウターカバー28の大径円筒部36よりも径方向Yにおいて外側に位置するように形成されており、インナーカバー10は、アウターカバー8に対して径方向Yの隙間9をもって対面していると共にベローズ管21に対して径方向Yに断熱用隙間48をもって対面している大径円筒部49と、大径円筒部49の上流側の一端58に一体的に連接する凸球面状筒部62aと、大径円筒部49の下流側の一端50から径方向Yの内方に伸びる環状の垂直壁部51と、垂直壁部51の下端52から軸方向Xに伸びる円筒部53と、円筒部53の端部54から径方向Yの内方に伸びる環状の垂直壁部55と、垂直壁部55の下端56から軸方向Xに伸びる小径円筒部57とを具備しており、シール体15は、第二アウターカバー28の凹球面状の内周面38に摺動自在であって密に接触していると共に固体潤滑剤を含む潤滑滑り層の露出面からなる凸球面状の外周面12と、凸球面状筒部62aの外周面91に相補的な凹球面状の形状を有していると共に当該外周面91に接触している内周面92と、軸方向Xにおいて互いに対向している一対の円環状端面93及び94とを具備していてもよく、シール体18の外周面16及びシール体15の外周面12の夫々の球心Oは、同一の位置にある。
図9、図10及び図11並びに図12及び図13に示す排気管継手1においても、シール体15の外周面12が凸球面状であり、アウターカバー8の内周面11は、外周面12に対面していると共に外周面12に摺動自在に接触している凹球面状の内周面38を具備しており、シール体18の外周面16が凸球面状であり、アウターカバー8の内周面11は、外周面16に対面していると共に外周面16に摺動自在に接触している凹球面状の内周面32を具備しているために、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく自動車本体の振動に起因して各部材に経時劣化が生じても当該各部材間に隙間を生じさせることなく、当該各部材同士が衝突し、異音が発生する虞をなくすことができ、しかも、上流側排気管2及び下流側排気管7の相互の捩り方向を含む揺動の等方性を確保することができると共に上流側排気管2及び下流側排気管7の相互の軸方向Xの変位をベローズ管21の伸縮により許容することができ、その上、上流側排気管2及び下流側排気管7を相互に連結するために、例えばアウターカバー8の径方向外側にボルト、ナット及びコイルスプリング等からなる連結手段(図示せず)を設置する必要をなくすことができて部品点数の低減及びコンパクト化を図れ、排気管継手1の低廉化や自動車の排気系システムに対する取付位置の自由度を増大することができ、また、図9、図10及び図11並びに図12及び図13に示す球面排気管継手1によれば、上流側排気管2及び下流側排気管7に相対角変位及び相対回転変位が生じても、スティクスリップ等に基づく異音を発生させないで運転者等に不快感を与えない極めて乗り心地のよい自動車とし得、シール体15及び18を正常位置に保持できて上流側排気管2からインナーパイプ5内を通って下流側排気管7に流動する排気ガスの漏洩もなく、しかも、製造を容易にし得る。
図10及び図11に示す例の排気管継手1において、凸球面状筒部54aの外周面87とシール体18の内周面88とを摺動自在に接触させると共にインナーカバー10に対してアウターカバー8が球心Oを中心として角変位方向Aに揺動変位できるように凸球面状筒部54aの外周面87又はシール体18の内周面88とシール体15の外周面12との夫々の球心Oを同一の位置にしてもよく、また、図12及び図13に示す排気管継手1においても、凸球面状筒部62aの外周面91とシール体15の内周面92とを摺動自在に接触させると共にインナーカバー10に対してアウターカバー8が球心Oを中心として角変位方向Aに揺動できるように凸球面状筒部62aの外周面91又はシール体15の内周面92とシール体18の外周面16との夫々の球心Oを同一の位置にしてもよい。