[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す半導体装置1は、主として、MOSFET10と、温度検出回路40と、ゲート遮断回路50とを備えている。この図1の例では、モータ等の負荷100の一端側に電源Vddが接続され、負荷100の他端側にMOSFET10のドレインが接続されている。また、MOSFET10のソースはグランドに接続されており、ゲートには、ゲート駆動回路110が接続されている。そして、ゲート駆動回路110からのゲート駆動信号がゲートに入力されることによりMOSFET10がオン動作し、負荷100に電流が流れるように構成されている。
MOSFET10は、半導体素子の一例に相当するものであり、例えば図2、図3のようなNチャネル型のパワーMOSFETとして構成されている。図2、図3の構成では、n導電型の半導体領域として構成されるソース領域と、n導電型の半導体領域として構成されるドレイン領域とがいずれも所定の縦方向に長手状に延びており、このような長手状のソース領域及びドレイン領域が所定の横方向(ソース領域及びドレイン領域の長手方向と直交する方向であって且つ半導体基板30の一方面30aと平行な方向)に交互に並んで配置されている。
なお、本構成では、ソース領域及びドレイン領域が延びる長手方向を縦方向とし、ソース領域とドレイン領域とが交互に並ぶ方向を横方向(幅方向)とし、半導体基板30の厚さ方向を上下方向とする。また、半導体基板30においてゲート電極11側を上方側とし、それとは反対側を下方側とする。
図3に示すように、ソース領域として構成されるn+領域31は、半導体基板30の一方面(表層面)30a側に所定幅で設けられており、上述の縦方向に延びている。また、n+領域31の周囲には、p導電型のpウェル領域32が設けられている。そして、pウェル領域32から横方向に離れた位置に、ドレイン領域として構成されるn+領域33が設けられている。このn+領域33も、半導体基板30の一方面(表層面)30a側に所定幅で設けられており、上述の縦方向に延びている。そして、pウェル領域32とn+領域33の間には、n導電型のドリフト領域(n−領域)36が設けられている。
図2の例では、長手状に構成される各n+領域31の上方に、各n+領域31に沿った構成で長手状のメタル層13aがそれぞれ設けられている。なお、図2では、メタル層13aを一点鎖線にて概念的に示している。そして、各n+領域31と各メタル層13aの間には、複数のコンタクト23が間隔をあけて配置されており、これら複数のコンタクト23は、各n+領域31を、それらの上方に配置される各メタル層13aのそれぞれと電気的に接続している。また、長手状に構成される各n+領域33の上方には、各n+領域33に沿った構成で長手状のメタル層13bがそれぞれ設けられている。なお、図2では、メタル層13bを一点鎖線にて概念的に示している。そして、各n+領域33と各メタル層13bの間には、複数のコンタクト25が間隔をあけて配置されており、各n+領域33を、それらの上方に配置される各メタル層13bのそれぞれと電気的に接続している。
また、各メタル層13a及び各メタル層13bの上方側には、メタル層15a及びメタル層15bがそれぞれ設けられている。これらメタル層15a及びメタル層15bは同程度の高さの層として配置され、互いに導通しない構成となっている。メタル層15aには、各メタル層13aの上方に接続されたヴィア21を介して各メタル層13aが導通しており、且つ第1パッド18aが導通している。このような構成で第1パッド18aと、各n+領域31(ソース領域)が導通している。また、メタル層15bには、各メタル層13bの上方に接続されたヴィア22を介して各メタル層13bが導通しており、且つ第2パッド18bが導通している。このような構成で第2パッド18bと、各n+領域33(ドレイン領域)が導通している。なお、図2では、メタル層15a,15bをそれぞれ二点鎖線にて概念的に示している。
本構成では、pウェル領域32におけるn+領域31とドリフト領域36の間の部分(チャネル領域)を覆うように、ゲート電極11が設けられている。このゲート電極11と半導体基板30の一方面30aとの間には、図示しない絶縁膜が配されており、ゲート電極11は、半導体基板30の一方面30aから若干離れた位置において一方面30aに沿って配置されている。なお、ゲート電極11と一方面30aの間に配置される絶縁膜としては、例えば、厚さが10nm以下の酸化膜などを好適に用いることができる。この構成では、pウェル領域32においてn+領域31とドリフト領域36との間の表層部が、半導体基板30に形成されたチャネル部として機能し、ゲート電極11に駆動信号が入力されたときに、このチャネル部の一端側に設けられたn+領域31(第1領域)と他端側に設けられたn+領域33(第2領域)との間に電流が流れる構造となっている。
ゲート電極11は、例えば、ポリシリコンとして構成されている。なお、ポリシリコン以外の材料で構成されていてもよく、例えば、TiN、TaN、Alなどのシリサイド化されていない非シリサイド材料を好適に用いることができる。
また、ゲート電極11は、半導体基板30の上方において縦方向に長手状且つ直線状に延びる複数の長手状部11cを備えている。これら複数の長手状部11cは略平行に配置されており、縦方向一端側において互いに電気的に接続され且つ縦方向他端側において互いに電気的に接続されている。本構成では、長手状のn+領域31(ソース領域)に沿ってn+領域31の上方に複数のコンタクト23が縦方向の並んでおり、長手状のn+領域33(ドレイン領域)に沿ってn+領域33の上方に複数のコンタクト25が縦方向に並んでいる。そして、ゲート電極11の長手状部11cは、縦方向に並ぶ複数のコンタクト23と、縦方向に並ぶ複数のコンタクト25との間においてPウェル領域32の上方を覆うように縦方向に延びている。複数の長手状部11cの一方側の端部をそれぞれ連結する構成で、横方向に延びる連結部11aが設けられている。また、複数の長手状部11cの他方側の端部をそれぞれ連結する構成で、横方向に延びる連結部11bが設けられている。このように、複数の長手状部11cは、連結部11aと連結部11bの間に並列に接続されている。なお、図2の例では、両連結部11a、11b及び長手状部11cが同材質によって構成されているが、両連結部11a、11bと長手状部11cとが異なる材質であってもよい。
そして、横方向に延びる連結部11aの上方には連結部11aに沿った構成で長手状のメタル層14が設けられている。なお、図2では、メタル層14を一点鎖線にて概念的に示している。そして、連結部11aとメタル層14の間には、複数のコンタクト24が間隔をあけて配置されており、これら複数のコンタクト24は、ゲート電極11の連結部11aを、その上方に配置される各メタル層14と電気的に接続している。そして、このメタル層14には図示しないゲートパッドが接続されており、このゲートパッドには図1に示すゲート駆動回路110が接続されている。このような構成により、ゲート駆動回路110からゲート電極11に対して駆動信号が入力されるようになっている。なお、本構成では、ゲート駆動回路110からゲート電極11に対して、MOSFET10をオン動作させ得る所定電位(Vgs)の駆動信号(オン信号)を入力するように構成されており、駆動信号が入力されていない時期には所定のLレベル(例えば0V)のオフ信号を入力するようになっている。また、このゲート駆動回路110は、MOSFET10をオン動作させ得るゲート信号(オン信号)とオフ動作させ得る信号(オフ信号)とを切り替え可能なものであればよく、例えばPWM信号生成回路などの公知の駆動回路を適用することができる。
温度検出回路40は、検出部の一例に相当するものであり、ゲート電極11の所定範囲の抵抗値が予め定められた異常状態となったことを検出可能に構成されている。本構成では、複数の長手状部11cにおける縦方向両端部間の抵抗値が異常状態となったことを検出する。具体的には、連結部11a、11bの間に並列に接続された複数の長手状部11cの抵抗値を測定するべく、連結部11aの所定位置Paと、連結部11bの所定位置Pbとの間の抵抗値の変化を図4のような回路で検出している。即ち、これら位置Pa、Pbが温度検出回路40による検出位置となっている。
図4では、ゲート駆動回路110により、ゲートパッドを介してメタル層14にVgsが印加された状態を概念的に示している。即ち、図4は、ゲート電極11に駆動信号(オン信号)が入力されたときの等価回路である。なお、ゲート電極11に駆動信号(オン信号)が入力されていないときの例は省略しているが、この場合、メタル層14及びゲート電極11には、ゲート駆動回路110からVgsの信号が入力されず、その代わりに、Lレベル(例えば0V)の信号が入力される。
本構成では、図6のように、ゲート駆動回路110によりゲート電極11に駆動電圧Vgs(オン信号)が印加されているとき(即ちMOSFET10がオン状態のとき)には、位置Pdとグランドとの電位差V1がVgsとなる。一方、ゲート駆動回路110が図4のような状態ではなく、ゲート駆動回路110によりゲート電極11に駆動電圧Vgs(オン信号)が印加されていないとき(即ち、Lレベルのオフ信号が入力されているとき)には、位置Pdとグランドとの電位差V1が0となる。
また、図4の温度検出回路40は、制御回路49により、スイッチSW1の経路をφ1とφ2とに切り替える構成となっている。この構成では、制御回路49から第1信号が出力されることでスイッチSW1の経路がφ1に切り替えられている期間は、電源部から所定電圧ΔVgsが印加され、PcとPdの間の電位差V2がΔVgsとなる。一方、スイッチSW1から第2信号が出力されることでスイッチSW1の経路がφ2に切り替えられている期間は、電源部から所定電圧ΔVgsが印加されず、PcとPdの間の電位差V2が0となる。
そして、位置(接続点)Pcと位置(接続点)Pdの間には、抵抗41及びゲート電極11が直列に接続されてなる第1電流経路と、抵抗43、44が直列に接続されてなる第2電流経路とが並列に接続されている。第1電流経路は、抵抗41とゲート電極11(具体的には、ゲート電極11における位置Paと位置Pbの間の部分)とが直列に接続されており、抵抗41とゲート電極11との間には比較器46の負側の入力端子が接続されている。また、抵抗43と抵抗44との間には、比較器46の正側の入力端子が接続されている。なお、比較器46は、例えば公知のコンパレータによって構成されている。この構成では、位置Peの電位が抵抗43と抵抗44との分圧比によって定まり、この位置Peの電位が基準電位となっている。そして、抵抗41とゲート電極11との間の電位(位置Pfの電位)が基準電位(位置Pe)を超えていれば比較器46からLレベル信号(異常信号)が出力される。逆に、抵抗41とゲート電極11との間の電位(位置Pfの電位)が基準電位(位置Pe)を下回れば比較器46からHレベル信号(正常信号)が出力される。つまり、ゲート電極11の温度が相対的に高い状態であり、ゲート電極11の抵抗値が所定閾値に達していないときには比較器46からHレベル信号(異常信号)が出力される。逆に、ゲート電極11の温度が相対的に低い状態であり、ゲート電極11の抵抗値が所定閾値を超えているときには比較器46からLレベル信号(正常信号)が出力されるようになっている。なお、本構成では、ゲート電極11は、温度変化の大きいチャネル部の直近に位置するため、チャネル部の動作の影響を大きく受けて温度が大きく変動するようになっている。一方、抵抗41、43、44は、チャネル部から大きく離れた場所に配置されているため、チャネル部の温度変動の影響をあまり受けず、それぞれの温度が例えば常温付近で安定的に保たれ、チャネル部の温度が変動しても抵抗値がそれほど変化しないようになっている。
このように構成される温度検出回路40では、通電制御部に相当する制御回路49により、温度検出時間が設定されるようになっている。この制御回路49は、ゲート電極11に駆動信号が入力されていないとき(MOSFET10がオフ状態のとき)には、スイッチSW1に対して第2信号を出力し、スイッチSW1の経路を第2経路に切り替える。このようにスイッチSW1の経路がφ2側の第2経路に切り替えられている期間は温度検出時間外となり、電源部から所定電圧ΔVgsが印加されない。
一方、ゲート電極11に駆動信号(所定電圧Vgsのオン信号)が入力されているオン期間のときには、スイッチSW1に対して間欠的に第1信号を出力し、スイッチSW1の経路を間欠的に第1経路に切り替える。このように、スイッチSW1の経路がφ1側の第1経路に切り替えられ、電源部から上述の第1電流経路(抵抗41及びゲート電極11の経路)及び第2電流経路(抵抗43、44の経路)のそれぞれに対して所定電圧ΔVgsが印加されている期間が温度検出時間となっている。そして、図6のように、この温度検出時間は、ゲート電極11に駆動信号(所定電圧Vgsのオン信号)が入力されている期間(オン期間)よりも短い期間となっている。そして、この温度検出時間(即ち、スイッチSW1の経路が第1経路に切り替えられて位置Pc、Pdの間に所定電圧ΔVgsが印加されている期間)の間に、ゲート電極11の所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)に電流を流すと共に、このように電流を流した状態で比較器46により位置Pfの電位と位置Peの電位とを比較する。なお、比較器46は、例えば温度検出時間(即ち、スイッチSW1の経路が第1経路に切り替えられて位置Pc、Pdに所定電圧ΔVgsが印加されている期間)の間のみ動作するようになっており、温度検出時間外は動作しないようになっている。そして、このような所定電圧ΔVgsの印加によりゲート電極11の所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)に電流が流れているときに、位置Peの電位(基準電位)よりも位置Pfの電位のほうが大きければ比較器46からLレベル信号(正常信号)が出力される。逆に、位置Peの電位(基準電位)よりも位置Pfの電位のほうが小さければ比較器46からHレベル信号(異常信号)が出力される。
なお、温度検出回路40の電源部による印加電圧ΔVgsは、例えばゲート電極11による電圧降下が駆動電圧Vgs(ゲート駆動回路110によるオン電圧)よりも大幅に低い値(例えば5%程度)となるように設定することが望ましい。例えば、ゲート駆動回路110によるオン電圧Vgsが10V程度の場合、ΔVgsを0.5V程度で設定すると良い。
本構成では比較器46が出力部の一例に相当し、制御回路49の制御によってゲート電極11の所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)に電流が流されているときの当該所定範囲の部分での電圧降下が予め定められた異常電圧状態となった場合(即ちゲート電極11での電圧降下が小さくなり、位置Peの電位(基準電位)よりも位置Pfの電位のほうが小さくなった場合)にHレベル信号(異常信号)を出力するように機能する。
また、通電制御部に相当する制御回路49は、図6のように、ゲート駆動回路110からゲート電極11に対して駆動信号が出力される単一のオン期間(単一パルス期間)において複数の温度検出時間(ΔVgsが印加される各期間)を設定可能に構成されている。そして、それぞれの温度検出時間においてゲート電極11の所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)に電流を流すように、間欠的に通電動作を行う。
また、制御回路49は、ゲート電極11に対して駆動信号が出力される単一のオン期間(単一パルス期間)において、休止時間(ΔVgsを印加せずにゲート電極11に電流を流さない時間)と温度検出時間(ΔVgsを印加することでゲート電極11に電流を流す期間)とを交互に繰り返す構成となっている。そして、温度検出時間よりも休止時間のほうが長くなるように検出時間と休止時間とをそれぞれ設定している。なお、図6において、V3は、図4の温度検出回路40におけるグランドと位置Pcとの電位差であり、オン期間外のときにはV3は0となっている。また、温度検出期間では、V3は、ゲート駆動電圧Vgsと温度検出回路40によって印加される電圧ΔVgsとを加算した値となり、オン期間において、温度検出期間外では、V3は、ゲート駆動電圧Vgsとなる。
本構成では、例えばゲート駆動回路110から出力される信号を制御回路49でも把握できるようになっており、図6の例では、ゲート駆動回路110からゲート電極11に出力される駆動信号(オン信号)の立ち上がりのタイミングで、制御回路49により、スイッチSW1の経路が第2経路から第1経路に切り替えられるようになっている。そして、ゲート電極11に入力される駆動信号(オン信号)の立ち上がりから所定の短時間(図6の例では1μs)の間、温度検出時間に設定されるようになっている。そして、この温度検出時間のときに上述の異常検出動作が行われる。このような駆動信号(オン信号)の立ち上がり直後の温度検出時間が過ぎると、制御回路49の制御により、スイッチSW1の経路が第1経路から第2経路に切り替えられ、所定時間(図6の例では9μs)の間、休止時間となる。そして、この休止時間が過ぎると、制御回路49の制御により、再びスイッチSW1の経路が第2経路から第1経路に切り替えられ、所定の短時間(図6の例では1μs)の間、温度検出時間となる。このように制御回路49は、間欠的に温度検出時間を設定しており、比較器46は、いずれかの温度検出時間において所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)での電圧降下が異常電圧状態となった場合に異常信号を出力するようになっている。
ゲート遮断回路50は、抑制部の一例に相当するものであり、例えば図5のように構成され、温度検出回路40によって異常状態が検出された場合にゲート電極11に入力される駆動信号を抑制する所定の抑制制御を行う構成となっている。なお、図5の例では、比較器46以外の温度検出回路40の具体的構成を省略して示している。
具体的には、例えば図5のように構成されており、この構成では、ゲート駆動回路110からゲート電極11にゲート電圧を入力する入力ライン112とグラントとの間が、スイッチ素子51を介して接続されている。なお、図1では図示を省略しているが、図5のようにゲート駆動回路110とゲート電極11の間には、ゲート抵抗R1が設けられ、ゲート遮断回路50は、このゲート抵抗R1とゲート電極11の間の入力ライン112にスイッチ素子51の一端側が接続され、スイッチ素子51の他端側がグランドに接続されている。スイッチ素子51は、例えばMOSFETなどの半導体スイッチによって構成されており、上述の比較器46から異常信号(Hレベル信号)が出力されているときにオン状態となり、比較器46から正常信号(Lレベル信号)が出力されているときにオフ状態となるように動作する。そして、このゲート遮断回路50は、スイッチ素子51がオン状態となった場合に入力ライン112とグランドとの間を導通し、MOSFET10のゲート電位をLレベル(ゲート抵抗R1とスイッチ素子51の抵抗との抵抗比から決まる値)に固定する。このように、ゲート遮断回路50によってMOSFET10のゲート電位がLレベルに固定されている間は、ゲート駆動回路110から駆動信号(Hレベル信号)が出力される場合でもMOSFET10はオフ状態で維持される。つまり、ゲート電極11の温度が上昇して位置Pfの電位が位置Peの電位を下回った場合には、その下回っている期間はスイッチ素子51がオン状態で維持され、MOSFET10はオフ状態で維持されることになる。なお、本構成では、ゲート電極11のゲート電位をLレベル(MOSFET10をオフ状態で維持するレベル)に固定する制御が「所定の抑制制御」に相当する。
本構成では、ゲート電極11の所定範囲の抵抗値(位置Paと位置Pbの間の抵抗値)が予め定められた異常状態となったことを検出可能な検出部(温度検出回路40)を備えている。ゲート電極11は、チャネル部に極めて近い部位であり、チャネル部の温度状態を高精度に反映する部位である。従って、ゲート電極11の所定範囲の抵抗値が異常状態となったか否かを検出可能な構成とすることで、チャネル部の温度が異常状態となったか否かを高精度に検出することが可能となる。そして、このようにチャネル部の温度異常を高精度に検出し、適正な時期に、抑制部(ゲート遮断回路50)によってゲート電極11に入力される駆動信号を抑制する保護動作を行うことができる。特に本構成では、半導体基板30内に大きな温度センサを別途作り込む必要がないため、このように温度センサを別途作り込む構成と比較して素子サイズの低減を図りやすく、且つMOSFET10の駆動能力を高めやすくなる。
また、本構成では、検出部(温度検出回路40)は、ゲート電極11に駆動信号が入力されるオン期間において、当該オン期間よりも短い検出時間の間に、ゲート電極11の所定範囲の部分に電流を流す通電制御部(制御回路49)と、この通電制御部によって所定範囲の部分に電流が流されているときの所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)での電圧降下が予め定められた異常電圧状態となった場合に異常信号を出力する出力部(比較器46)とを有している。このように、オン動作時間よりも短い時間間隔で温度検出を行うことができるため、温度検出に伴う消費電力を抑制することができ、且つゲート電圧降下(Ronの増加)を抑えることができる。
また、通電制御部に相当する制御回路49は、ゲート電極11に駆動信号が入力されるオン期間において、複数の温度検出時間を設定可能に構成され、それぞれの温度検出時間に間欠的に所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)に電流を流すようになっている。そして、出力部に相当する比較器46は、いずれかの温度検出時間において所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)での電圧降下が異常電圧状態となった場合に異常信号を出力する構成となっている。このように単一のオン期間において複数の温度検出時間を設定することで、温度上昇をより高精度に検出することが可能となり、異常が検出された時点でより迅速に対応することができる。例えば、ゲート電極11に駆動信号が入力されるオン期間の開始直後の温度検出時間で異常が検出された場合には、より早期に駆動信号を抑制することができる。また、オン期間の開始直後だけでなく、オン期間が開始してからある程度時間が経過した後にもゲート電極11の温度異常を確認することができるため、時間が経ってから温度異常が生じるようなケースにも対応することができる。
また、通電制御部に相当する制御回路49は、ゲート電極11に駆動信号が入力されるオン期間において、所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間の部分)に電流を流さない休止時間と、温度検出時間とを交互に繰り返す構成であり、且つ温度検出時間よりも休止時間のほうが長くなるように温度検出時間と休止時間とをそれぞれ設定する構成となっている。このように休止時間よりも温度検出時間のほうが短くなるように各時間を設定することで、消費電力の一層の低減を図ることができ、ゲート電圧降下(Ronの増加)を一層抑えることができる。
また、ゲート電極11は、半導体基板30において所定方向に長手状に延びる複数の長手状部11cを備えており、これらの複数の長手状部11cは、所定方向の一端側において互いに電気的に接続され且つ所定方向の他端側においても互いに電気的に接続されている。そして、検出部(温度検出回路40)は、並列に接続される複数の長手状部11cの両端部間の抵抗値が異常状態となったことを検出する構成となっている。このように構成すると、複数の長手状部11cの全体の抵抗値が反映されることになり、複数の長手状部11cの平均的な温度状態を把握しつつ異常を判定できるようになる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について図7〜図9等を参照して説明する。この第2実施形態は、ゲート電極11の内部構造のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。なお、図1、図3、図5、図6に示す特徴は第1実施形態と同一であるため、これらの詳細な説明は省略し、適宜これらの図を参照することとする。また、図7に示す平面レイアウトは、ゲート電極11の内部構造以外は、図2と同一となっており、例えば半導体基板30内の構造は第1実施形態と同一であり、ゲート電極11についても、半導体基板30上での配置形状(外形)は第1実施形態と同一となっている。また、図9に示す回路は、ゲート電極11の具体的構造(ダイオード構造)のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態の図4と同一である。なお、図8は、長手状部11cの幅方向中心位置付近を縦方向に切断した切断面を概略的に示すものであり、コンタクト、ヴィア、メタル層などは省略して示している。
本構成で用いられるゲート電極11は、n導電型の半導体領域12aとp導電型の半導体領域12bとを備え、これら半導体領域12a、12bによってダイオード12が構成されている。n導電型の半導体領域12aは、例えばn導電型のポリシリコンによって構成されており、p導電型の半導体領域12bは、例えばp導電型のポリシリコンによって構成されている。
図7、図8に示す例では、長手状部11cの大部分が、n導電型の半導体領域12aとして構成され、少なくともチャネル部上に配置される部分はn導電型の半導体領域12aとして機能している。また、各長手状部11cの長手方向一方側を連結する連結部11aもn導電型の半導体領域12aとして構成されており、各長手状部11cの大部分を構成するn導電型の半導体領域12aと連結されている。
一方、各長手状部11cの長手方向他方側を連結する連結部11bは、p導電型の半導体領域12bとして構成されており、各長手状部11cの長手方向他方側の端部付近(チャネル部から外れた位置)もp導電型の半導体領域12bとして構成されている。この構成では、各長手状部11cの長手方向他方側の端部付近(チャネル部から外れた位置)にpn接合の接合面が設けられている。なお、図8のように、p導電型の半導体領域12bの下方にはチャネル部が配置されておらず、絶縁膜39が配置されている。また、連結部11aの下方にもチャネル部が配置されておらず、絶縁膜38が配置されている。
温度検出回路40は、第1実施形態と同一の構成であり、ゲート電極11の所定範囲の抵抗値(位置Paと位置Pbの間に構成されるダイオード12の抵抗値)が予め定められた異常状態となったことを検出可能に構成されている。検出方法は第1実施形態と同一であり、制御回路49の制御により、ゲート電極11に駆動信号(駆動電圧Vgsのオン信号)が入力されるオン期間において、当該オン期間よりも短い検出時間の間に、ゲート電極11の所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間のダイオード部分)に電流を流す。そして、このように所定範囲の部分に電流が流されているときの所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間のダイオード部分)での電圧降下が予め定められた異常電圧状態となった場合(具体的には、図9に示すダイオード12での電圧降下が小さくなって位置Peの電位が位置Pbの電位を上回った場合)に、比較器46から異常信号を出力するようになっている。
この構成でも、制御回路49は、図6と同様に温度検出時間を設定し、ゲート電極11に駆動信号が入力されるオン期間において、複数の温度検出時間を設定する。そして、それぞれの温度検出時間に間欠的に所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間のダイオード部分)に電流を流すようになっている。そして、出力部に相当する比較器46は、いずれかの温度検出時間において所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間のダイオード部分)での電圧降下が異常電圧状態(所定閾値を下回る状態)となった場合に異常信号(Hレベル信号)を出力する構成となっている。また、本構成でも、制御回路49は、図6のように、ゲート電極11に駆動信号が入力されるオン期間において、所定範囲の部分(位置Paと位置Pbの間のダイオード部分)に電流を流さない休止時間と、温度検出時間とを交互に繰り返す構成となっており、且つ温度検出時間よりも休止時間のほうが長くなるように温度検出時間と休止時間とをそれぞれ設定する構成となっている。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について図10等を参照して説明する。この第3実施形態は、ゲート電極11の構成及びゲート電極11での抵抗検出範囲のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。なお、図1、図3〜図6に示す特徴は第1実施形態と同一であるため、これらの詳細な説明は省略し、適宜これらの図を参照することとする。また、図10に示す平面レイアウトは、ゲート電極11の構造、及び位置Pa、Pb以外は、図2と同一となっており、ゲート電極11についても、各長手状部11cの長手方向他方側が連結されていない点以外は第1実施形態と同一となっている。
本構成でも、ゲート電極11は、半導体基板30(図3)上において所定方向(上述の縦方向)に長手状に延びる複数の長手状部(直線状部)11cを備えており、これら複数の長手状部11cは、長手方向一端部が連結部11aによって連結された構成で互いに電気的に接続されている。なお、この構成でも、長手状部11c及び連結部11aはいずれもポリシリコンによって構成されている。なお、チャネル領域上での長手状部11cの配置及び連結部11aの構成は第1実施形態と同一である。一方、各長手状部11cの長手方向他方側には、連結部11b(図2)が設けられておらず、それぞれが分離されている。
本構成では、温度検出回路40による検出位置Pa、Pbが第1実施形態と異なっている。この構成では、複数の長手状部11cの内、それら複数の長手状部11cの並び方向の中心部に最も近い長手状部11cを検出対象11fとし、温度検出回路40は、この検出対象の所定部分の抵抗値が異常状態になったことを検出する構成となっている。なお、図10のように、長手状部11cが偶数本並んで配置される場合、横方向(並び方向)の中心部に配置される真ん中付近の2本のいずれか又は両方を検出対象とすればよく、長手状部11cが奇数本並んで配置される場合、横方向(並び方向)の中心部に配置される真ん中の長手状部を検出対象とすればよい。
図10の例では、偶数本の長手状部11cにおける横方向中心部付近の2つの長手状部11cのうち、片方(図10において左から4番目)の長手状部11cを検出対象11fとし、この検出対象11fの長手方向一端部付近に一方の検出位置Paが定められ、検出対象11fの長手方向他端部付近に他方の検出位置Pbが定められている。そして、この検出対象11fの抵抗値が異常状態となったか否かを図4と同一の回路で検出するようになっている。なお、この構成では、図4における位置Paと位置Pbの間の抵抗は、図10に示す位置Paと位置Pbの間の抵抗であり、ほぼ検出対象11fの抵抗となっている。
このように中心部付近の長手状部11cのみを検出対象とし、それ以外の長手状部11cを検出対象としないように構成することで、半導体基板の中心部付近の温度状態を選択的に検出できるようになり、より高温になりやすい部位に限定して異常判定を行うことができるようになる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について図11等を参照して説明する。この第4実施形態は、ゲート電極11の構成、ゲート電極11での抵抗検出範囲、半導体基板上方の構成のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。なお、図1、図4〜図6に示す特徴は第1実施形態と同一であるため、これらの詳細な説明は省略し、適宜これらの図を参照することとする。また、半導体基板内の構成は図3と同一であり、半導体基板内の構成については図3を参照することとする。また、ゲート電極の構成については第2実施形態と同一であり、温度検出範囲(Pa、Pbの位置)のみが第2実施形態と異なっている。また、図11に示す平面レイアウトは、ゲート電極11の構造、及び位置Pa、Pb、メタル層13a、13bとメタル層15a、15bの間の構造以外は、図2と同一となっており、ゲート電極11については、図10と同一となっている。
本構成でも、ゲート電極11は、半導体基板30(図3)上において所定方向(上述の縦方向)に長手状に延びる複数の長手状部(直線状部)11cを備えており、これら複数の長手状部11cは、長手方向一端部が連結部11aによって連結された構成で互いに電気的に接続されている。そして、この構成でも、長手状部11c及び連結部11aはいずれもポリシリコンによって構成されている。なお、チャネル領域上での長手状部11cの配置及び連結部11aの構成は第1実施形態と同一である。一方、各長手状部11cの長手方向他方側には、連結部11b(図2)が設けられておらず、それぞれが分離されている。
本構成では、温度検出回路40による検出位置Pa、Pbが第1〜第3実施形態と異なっている。この構成では、複数の長手状部11cの内、それら複数の長手状部11cの並び方向の中心部に最も近い長手状部11cを検出対象11fとし、温度検出回路40は、この検出対象11fの所定部分の抵抗値が異常状態になったことを検出する構成となっている。なお、図11のように、長手状部11cが偶数本並んで配置される場合、横方向(並び方向)の中心部に配置される真ん中付近の2本のいずれか又は両方を検出対象とすればよく、長手状部11cが奇数本並んで配置される場合、横方向(並び方向)の中心部に配置される真ん中の長手状部を検出対象とすればよい。
図11の例では、偶数本の長手状部11cにおける横方向中心部付近の2つの長手状部11cのうち、片方(図11において左から4番目)の長手状部11cを検出対象11fとし、この検出対象11fの長手方向中心部付近に一方の検出位置Paと他方の検出位置Paが定められている。そして、この検出対象11fの所定範囲(位置Paと位置Pbの間の部分)の抵抗値が異常状態となったか否かを図4と同一の回路で検出するようになっている。なお、この構成では、図4における位置Paと位置Pbの間の抵抗は、図11に示す位置Paと位置Pbの間の抵抗であり、検出対象11fの中心部付近の抵抗となっている。本構成では、位置Paと位置Pbの間の範囲が「所定の中央部」に相当し、検出対象11fの長手状部11cにおける長手方向中心位置を含む範囲となっている。
なお、一方の検出位置Paは、検出対象となる長手状部11cにおいて、長手方向中心位置よりも長手方向一方側(連結部11a側)に寄った位置となっており且つ当該長手状部11cの長手方向一方側(連結部11a側)の端部よりも長手方向中心位置側に寄った位置となっている。また、当該長手状部11cの長手方向一方側(連結部11a側)の端部と位置Paとの間の距離よりも、当該長手状部11cの長手方向中心位置と位置Paとの間の距離のほうが小さくなるように、位置Paは長手状部11cの長手方向中心位置側に寄った位置となっている。
また、他方の検出位置Pbは、検出対象となる長手状部11cにおいて、長手方向中心位置よりも長手方向他方側(連結部11aとは反対側)に寄った位置となっており且つ当該長手状部11cの長手方向他方側(連結部11aとは反対側)の端部よりも長手方向中心位置側に寄った位置となっている。また、当該長手状部11cの長手方向他方側(連結部11aとは反対側)の端部と位置Pbとの間の距離よりも、当該長手状部11cの長手方向中心位置と位置Pbとの間の距離のほうが小さくなるように、位置Pbは長手状部11cの長手方向中心位置側に寄った位置となっている。
そして、温度検出回路40は、図4のような回路により、このような位置Paと位置Pbの間の範囲として定められる「所定の中央部」の抵抗値が異常状態になったことを第1実施形態と同一の方法で検出する構成となっている。
なお、本構成では、各n+領域31に接続されるメタル層13aと、その上方に配置されるメタル層15aの間の高さに、中間メタル層14aが設けられており、メタル層13aと中間メタル層14aとの間がヴィアで接続され、中間メタル層14aとメタル層15aの間がヴィアで接続された構成となっている。同様に、各n+領域33に接続されるメタル層13bと、その上方に配置されるメタル層15bの間の高さに、中間メタル層14bが設けられており、メタル層13bと中間メタル層14bとの間がヴィアで接続され、中間メタル層14bとメタル層15bの間がヴィアで接続された構成となっている。そして、中間メタル層14a、14bと同程度の高さに、位置Pa、Pbから温度検出回路40に続く配線が中間メタル層14a、14bとは絶縁された構成でそれぞれ設けられている。
本構成のように中心部付近の長手状部11cのみを検出対象11fとし、それ以外の長手状部11cを検出対象としないように構成し、更には、検出対象11fの長手方向中心部のみを検出範囲とすることで、半導体基板30の縦方向及び横方向の中心部付近の温度状態を選択的に検出できるようになり、より一層高温になりやすい部位に限定して異常判定を行うことができるようになる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について図12等を参照して説明する。本構成は、ゲート電極11の一部の材質をゲート電極11の他の領域の材質と異ならせた点のみが第4実施形態と異なり、それ以外は第4実施形態と同一である。よってゲート電極11の材質以外は第4実施形態と同一であるとして詳細な説明は省略する。
本構成でも、ゲート電極11は、半導体基板30(図3)上において所定方向(上述の縦方向)に長手状に延びる複数の長手状部(直線状部)11cを備えており、これら複数の長手状部11cは、長手方向一端部が連結部11aによって連結された構成で互いに電気的に接続されている。なお、チャネル領域上での長手状部11cの形状及び連結部11aの形状は第1実施形態と同一である。一方、各長手状部11cの長手方向他方側には、連結部11b(図2)が設けられておらず、それぞれが分離されている。
本構成では、温度検出回路40による検出位置Pa、Pbが第1〜第3実施形態と異なっており、第4実施形態と同一となっている。この構成では、複数の長手状部11cの内、それら複数の長手状部11cの並び方向の中心部に最も近い長手状部11cを検出対象11fとし、温度検出回路40は、この検出対象11fの所定部分の抵抗値が異常状態になったことを検出する構成となっている。なお、図12のように、長手状部11cが偶数本並んで配置される場合、横方向(並び方向)の中心部に配置される真ん中付近の2本のいずれか又は両方を検出対象とすればよく、長手状部11cが奇数本並んで配置される場合、横方向(並び方向)の中心部に配置される真ん中の長手状部を検出対象とすればよい。
図12の例では、偶数本の長手状部11cにおける横方向中心部付近の2つの長手状部11cのうち、片方(図12において左から4番目)の長手状部11cを検出対象11fとし、この検出対象11fの長手方向中心部付近に一方の検出位置Paと他方の検出位置Paが定められている。そして、この検出対象11fの所定範囲(位置Paと位置Pbの間の部分)の抵抗値が異常状態となったか否かを図4と同一の回路で検出するようになっている。なお、この構成では、図4における位置Paと位置Pbの間の抵抗は、図12に示す位置Paと位置Pbの間の抵抗であり、検出対象11fの中心部付近の抵抗となっている。本構成では、位置Paと位置Pbの間の範囲が「所定の中央部」に相当し、検出対象11fの長手状部11cにおける長手方向中心位置を含む範囲となっている。
なお、一方の検出位置Paは、検出対象となる長手状部11cにおいて、長手方向中心位置よりも長手方向一方側(連結部11a側)に寄った位置となっており且つ当該長手状部11cの長手方向一方側(連結部11a側)の端部よりも長手方向中心位置側に寄った位置となっている。また、当該長手状部11cの長手方向一方側(連結部11a側)の端部と位置Paとの間の距離よりも、当該長手状部11cの長手方向中心位置と位置Paとの間の距離のほうが小さくなるように、位置Paは長手状部11cの長手方向中心位置側に寄った位置となっている。
また、他方の検出位置Pbは、検出対象となる長手状部11cにおいて、長手方向中心位置よりも長手方向他方側(連結部11aとは反対側)に寄った位置となっており且つ当該長手状部11cの長手方向他方側(連結部11aとは反対側)の端部よりも長手方向中心位置側に寄った位置となっている。また、当該長手状部11cの長手方向他方側(連結部11aとは反対側)の端部と位置Pbとの間の距離よりも、当該長手状部11cの長手方向中心位置と位置Pbとの間の距離のほうが小さくなるように、位置Pbは長手状部11cの長手方向中心位置側に寄った位置となっている。
更に、本構成で用いられるゲート電極11は、上述の「所定の中央部」(所定範囲)がシリサイド化されていない非シリサイド材料によって構成され、「所定の中央部」以外の部分(所定範囲以外の部分)は、シリサイド化されたシリサイド材料によって構成されている。具体的には、検出対象11fの検出位置Paと検出位置Pbの間の部分(温度検出回路40によって抵抗値が検出される部分)が選択的に非シリサイド材料によって構成されている。この部分は、例えば、ポリシリコン、TiN、TaN、Alなどの非シリサイド材料を好適に用いることができる。また、ゲート電極11において検出位置Paと検出位置Pbの間以外の部分は公知のシリサイド材料によって構成されており、例えばTiSi2、NiSi2、CoSi2などで構成されていてもよく、その他のシリサイド材料であってもよい。
本構成でも、第4実施形態と同様の効果が得られる。更に、本構成では、温度検出回路40によって抵抗値を検出する部分を選択的に非シリサイド材料によって構成しているため、この部分については、他の部分よりも温度感度を高めることができ、これにより異常検出の精度を向上することができる。また、温度検出回路40によって抵抗値を検出する部分以外を選択的にシリサイド材料によって構成しているため、この部分については、ゲート抵抗の低減等を図ることができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について、図13、図14等を参照して説明する。なお、本構成は、半導体素子の具体的構成のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。例えば、図1、図4〜図6の特徴は第1実施形態と同一であるため、適宜これらの図を参照することとする。
本構成のMOSFET10は、公知のメッシュ構造のMOSFETとして構成されており、半導体基板上においてゲート電極11が格子状に構成されている。なお、図13で用いられるゲート電極11は、直交延出部11dが付加された点以外は図10等と同一である。この構成で用いられるゲート電極11は、半導体基板上において所定方向(縦方向)に長手状に延びる複数の長手状部11cと、所定方向と直交する方向(横方向)に長手状に延びる複数の直交延出部11dとを備えており、これら長手状部11cと直交延出部11dとが交差して配置された格子状の構成をなしている。
そして、ゲート電極11の下方に配置される半導体基板において、平面視したときに格子状に構成されるゲート電極11によって囲まれる各領域がソース領域(n+領域)又はドレイン領域(n+領域)として構成されており、ソース領域又はドレイン領域として構成される半導体領域が複数行且つ複数列配置されている。そして、このように複数行且つ複数列で構成される半導体領域(ソース領域又はドレイン領域)の各行では、半導体基板の表層部においてソース領域とドレイン領域が交互に配置されており、各列でも半導体基板の表層部においてソース領域とドレイン領域が交互に配置されている。例えば、図13の例では、縦方向の最も下の行(連結部11aとは反対側の端部)において、左から横方向にソース領域、ドレイン領域、ソース領域、ドレイン領域・・・と交互に並んでおり、その上の行では、左から横方向にドレイン領域、ソース領域、ドレイン領域、ソース領域・・・と交互に並んでいる。そして、横方向に交互に並ぶソース領域とドレイン領域の間にはチャネル領域(pウェル領域)が構成されており、そのチャネル領域の上方にゲート電極が配置される構成となっている。なお、この位置の断面構造は、図13のA−A位置の断面構造と同様であり、図13のA−A位置の半導体基板の断面構造は、図3と同様となっている。また、縦方向に交互に並ぶソース領域とドレイン領域の間にもチャネル領域が構成されており、そのチャネル領域の上方にゲート電極が配置される構成となっている。このように構成されるMOSFET10は、ゲート駆動回路110によって駆動信号(駆動電圧Vgsのオン信号)が入力されたオン期間にソース領域とドレイン領域とが導通し、ソース領域とドレイン領域との間に電流が流れるようになっている。なお、各ソース領域は、図示しないコンタクトを介してメタル層15aと導通しており、各ドレイン領域は、図示しないコンタクトを介してメタル層15bと導通している。
そして、本構成では、このように格子状に構成されるゲート電極11の所定の第1位置Paと第2位置Pbとの間の抵抗値が異常状態になったことを温度検出回路40によって検出し得る構成となっている。図13の例では、ゲート電極11の右上の端部(長手状部11cの長手方向一方側寄りであって、直交延出部11dの長手方向一方側寄りの端部)が検出位置Paとなっており、ゲート電極11の左下の端部(長手状部11cの長手方向他方側寄りであって、直交延出部11dの長手方向他方側寄りの端部)が検出位置Pbとなっている。そして、このような位置Paと位置Pbの間の範囲として定められる「所定範囲」の抵抗値が異常状態になったことを第1実施形態と同一の方法(図4)で検出する構成となっている。この構成では、図4における位置Paと位置Pbの間の抵抗は、図13に示す位置Paと位置Pbの間の抵抗であり、ゲート電極11の全体的な抵抗となっている。なお、格子状のゲート電極の右上の端部と左下の端部の間の抵抗を検出する場合、その抵抗は図14のような等価回路で表すことができる。なお、図14の回路は、図13のゲート電極11とは行数及び列数が異なる簡略的な例である。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、半導体素子の一例としてNチャネル型のMOSFETを例示したが、いずれの実施形態でも、半導体素子としてPチャネル型のMOSFETを用いてもよく、MOSFETに限らず、IGBTなどであってもよい。また、いずれの場合も、ゲート構造は、プレーナゲート型であってもよく、トレンチゲート型であってもよい。
第1〜第4、第6実施形態では、ゲート電極11にシリサイド化されていない材料を用いた例を示したが、これらいずれの実施形態でも、ゲート電極11にシリサイド化された材料を用いてもよい。シリサイド化された材料としては、例えば、TiSi2、NiSi2、CoSi2などを好適に用いることができる。
上記実施形態では、比較器46から異常信号(Hレベル信号)が出力されている期間中、スイッチ素子51をオン状態とし、その期間中、MOSFET10を強制的に遮断する構成を例示したが、このような構成に限られない。例えば、いずれの実施形態でも、比較器46から異常信号(Hレベル信号)が出力されたタイミングから一定時間、スイッチ素子51にHレベル信号を与え続け、その一定時間の間はMOSFET10を強制的に遮断するようにしてもよい。
上記実施形態では、抑制部としてゲート遮断回路50を例示し、所定の抑制制御として、ゲート電圧をLレベルに固定する制御を例示したが、このような例に限られない。例えば、ゲート駆動回路110を抑制部として機能させると共に、温度検出回路40からの信号を入力可能とし、温度検出回路40から異常信号が出力された場合に、ゲート駆動回路110からの駆動信号の出力自体を停止させるようにしてもよい。或いは、ゲート駆動回路110がPWM信号を出力する回路として構成される場合、温度検出回路40から異常信号が出力された場合に、デューティ比を異常信号出力前よりも下げるような制御を行うようにしてもよい。