以下、一実施の形態について図に基づいて説明する。
まず一実施の形態の半導体装置の構成について、図1を用いて説明する。
図1を参照して、一実施の形態の半導体装置は、メモリセル領域MCRと周辺回路領域PPRとを有している。メモリセル領域MCRおよび周辺回路領域PPRは、主表面S1を有する半導体基板SUBに形成されている。より具体的には、メモリセル領域MCRは、半導体基板SUBの主表面S1に形成されたp型ウェル領域PW1に形成されており、周辺回路領域PPRは、半導体基板SUBの本体としての、たとえばシリコンの単結晶からなる基板本体SBの主表面S1に形成されたp型ウェル領域PW2に形成されている。
メモリセル領域MCRには不揮発性メモリとしてたとえばフラッシュメモリが形成されている。このフラッシュメモリはスプリットゲート構造を有しており、ゲート電極としてコントロールゲート電極CGを有する制御用トランジスタと、ゲート電極としてメモリゲート電極MGを有する記憶用トランジスタとの2つのトランジスタが接続された、MONOS型フラッシュメモリである。
図1のメモリセル領域MCRには2つのMONOS型フラッシュメモリのメモリセルが互いに間隔をあけて配置された態様が示されている。それぞれの(MONOS型フラッシュメモリの)メモリセルは、半導体基板SUBの主表面S1に互いに間隔をあけて形成されたソース領域MSとドレイン領域MDとを有しており、上記2つのメモリセルはソース領域MSを共有している。図1に示されないが、図1の左右側にはたとえば複数のメモリセル間を電気的に絶縁するための分離絶縁膜が形成されている。
それぞれのメモリセルは、半導体基板SUBの主表面S1上に形成されたコントロールゲート絶縁膜GIとコントロールゲート電極CGとを有しており、これらは制御用トランジスタを構成している。またそれぞれのメモリセルは、半導体基板SUBの主表面S1上に形成されたメモリゲート絶縁膜ONIとメモリゲート電極MGとを有しており、これらは記憶用トランジスタを構成している。さらに当該メモリセルは、コントロールゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの側面を覆うように、主表面S1上に側壁絶縁膜SWを有している。
なお図1の2つのメモリセルは、メモリゲート電極MG側が互いに対向するように並べられている。コントロールゲート電極CG側にドレイン領域MDが、メモリゲート電極MG側にソース領域MSが形成されるため、上記2つのメモリセルは互いに対向する1対のメモリゲート電極MG側に形成されたソース領域MSを共有している。
コントロールゲート絶縁膜GIは、シリコン酸化膜など、通常のMOS(Metal Oxide Semiconductor)型トランジスタにおけるゲート絶縁膜と同様の材質により形成される。コントロールゲート絶縁膜GIは、半導体基板SUBとコントロールゲート電極CGとの密着性を高めるため、および界面準位の抑制のために形成される。
第1のゲート電極としてのコントロールゲート電極CGは読み込み・書き込み・消去動作を行なうものであり、一般公知のn型の不純物(第1導電型の不純物)を含む多結晶シリコンの薄膜(半導体層)により形成されている。
第2のゲート電極としてのメモリゲート電極MGは書き込み/消去のフラッシュ動作を行なうものであり、メモリセルにおいてコントロールゲート電極CGと隣接するように配置されている。メモリゲート電極MGは一般公知のp型の不純物(第2導電型の不純物)を含む多結晶シリコンの薄膜(半導体層)により形成されている。
コントロールゲート電極CGは、半導体基板SUBから最も離れた最上面が概ね半導体基板SUBの主表面S1に沿う方向に延びるように形成されている。このためコントロールゲート電極CGの、半導体基板SUBの厚み方向に関する厚みは、コントロールゲート電極CGを構成する位置にかかわらずほぼ一定である。これに対してメモリゲート電極MGは、半導体基板SUBから最も離れた最上面は半導体基板SUBの主表面S1に沿う方向に延びていてもよいが、図1に示すようにコントロールゲート電極CGから離れるにつれて半導体基板SUB側に向かうように傾いた断面形状を有していてもよい。したがってメモリゲート電極MGの、半導体基板SUBの厚み方向に関する厚みは、コントロールゲート電極CGから離れるにつれて薄くなる(言い換えれば側壁絶縁膜SWと同様の)形状を有していてもよい。
メモリゲート絶縁膜ONI(絶縁膜)は、メモリゲート電極MGと半導体基板SUBとに挟まれた領域から、コントロールゲート電極CGとメモリゲート電極MGとに挟まれた領域に連なるように延びている。つまりメモリゲート絶縁膜ONIは、メモリゲート電極MGと半導体基板SUBとに挟まれた領域と、コントロールゲート電極CGとメモリゲート電極MGとに挟まれた領域との間において、その延びる方向が(たとえば約90°)変更するように屈曲している。
1対のソース領域MSおよびドレイン領域MDは、少なくともコントロールゲート電極CG(およびコントロールゲート絶縁膜GI)の真下の(半導体基板SUB内すなわちp型ウェル領域PW1内である)チャネル領域を挟むように形成されている。すなわち図1の左側のコントロールゲート電極CGは、その左側のドレイン領域MDおよびその右側のソース領域MSに挟まれており、図1の右側のコントロールゲート電極CGは、その左側のソース領域MSおよびその右側のドレイン領域MDに挟まれている。
側壁絶縁膜SWは、コントロールゲート電極CGの側面を覆うように(コントロールゲート電極CGと隣接するように)、コントロールゲート電極CGのドレイン領域MD側に形成されるドレイン側側壁絶縁膜SWと、メモリゲート電極MGの側面を覆うように(メモリゲート電極MGと隣接するように)、メモリゲート電極MGのソース領域MS側に形成されるソース側側壁絶縁膜SWとを有している。側壁絶縁膜SWはたとえばシリコン窒化膜により形成されることが好ましいが、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造であってもよい。
ソース領域MSは2つのメモリセルの互いに対向するメモリゲート電極MG側に形成されており、第1のソース領域としての低濃度ソース領域MS1と、第2のソース領域としての高濃度ソース領域MS2とを有している。低濃度ソース領域MS1および高濃度ソース領域MS2はp型ウェル領域PW1内に形成される、第1導電型すなわちn型の不純物を含む不純物拡散領域である。
低濃度ソース領域MS1は概ねソース側側壁絶縁膜SWの真下に配置されており、高濃度ソース領域MS2は、概ね半導体基板SUBの主表面S1に沿う方向に関して、低濃度ソース領域MS1に隣り合う領域に形成されており、言い換えればソース側側壁絶縁膜SWの外側に配置されている。さらに言いかえれば高濃度ソース領域MS2は概ね2つの低濃度ソース領域MS1に挟まれた領域に形成されており、概ね互いに対向する2つのソース側側壁絶縁膜SWに挟まれた領域の真下のp型ウェル領域PW1内に形成されている。本実施の形態においてはソース領域MSおよびドレイン領域MDは、コントロールゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの真下のチャネル領域を挟むように形成されている。
高濃度ソース領域MS2は上側ソース領域MS2aと下側ソース領域MS2bとを有している。上側ソース領域MS2aは2つの低濃度ソース領域MS1の間に形成されており、上側ソース領域MS2aの半導体基板SUBの厚み方向(図1の上下方向)に関する深さは低濃度ソース領域MS1の上記深さとほぼ等しい。下側ソース領域MS2bは上側ソース領域MS2aの下側(基板本体SB側)の面に接するように、2つの低濃度ソース領域MS1に挟まれた領域に形成されている。
つまり下側ソース領域MS2bは上側ソース領域MS2aよりも、半導体基板SUBの主表面S1から(図の下方向に)離れた位置に形成されている。一般的に下側ソース領域MS2bの(図の上下方向の)厚みは上側ソース領域MS2aの厚みよりも厚いことが好ましいがこれに限られない。また以上のように高濃度ソース領域MS2は2つのソース領域MS2a,MS2bが図の上下方向に積層された構成を有するため、高濃度ソース領域MS2は低濃度ソース領域MS1よりも図の上下方向に厚く(深く)形成されている。
ドレイン領域MDは各メモリセルのコントロールゲート電極CG側に形成されており、第1のドレイン領域としての低濃度ドレイン領域MD1と、第2のドレイン領域としての高濃度ドレイン領域MD2とを有している。低濃度ドレイン領域MD1および高濃度ドレイン領域MD2はp型ウェル領域PW1内に形成される、第1導電型としてのn型の不純物を含む不純物拡散領域である。
低濃度ドレイン領域MD1は概ねドレイン側側壁絶縁膜SWの真下のp型ウェル領域PW1内に形成されている。高濃度ドレイン領域MD2は概ね半導体基板SUBの主表面S1に沿う方向に関して、低濃度ドレイン領域MD1に隣り合う領域に形成されている。言いかえれば高濃度ドレイン領域MD2は、ドレイン側側壁絶縁膜SWの外側に配置されている。
高濃度ドレイン領域MD2は上側ドレイン領域MD2aと下側ドレイン領域MD2bとを有している。上側ドレイン領域MD2aは半導体基板SUBの主表面S1に沿う方向に関して、低濃度ドレイン領域MD1に隣り合う領域に形成されており、上側ドレイン領域MD2aの半導体基板SUBの厚み方向(図1の上下方向)に関する深さは低濃度ドレイン領域MD1の上記深さとほぼ等しい。下側ドレイン領域MD2bは上側ドレイン領域MD2aの下側(基板本体SB側)の面に接するように、低濃度ドレイン領域MD1に隣り合う領域に形成されている。
つまり下側ドレイン領域MD2bは上側ドレイン領域MD2aよりも、半導体基板SUBの主表面S1から(図の下方向に)離れた位置に形成されている。一般的に下側ドレイン領域MD2bの(図の上下方向の)厚みは上側ドレイン領域MD2aの厚みよりも厚いことが好ましいがこれに限られない。また以上のように高濃度ドレイン領域MD2は2つのドレイン領域MD2a,MD2bが図の上下方向に積層された構成を有するため、高濃度ドレイン領域MD2は低濃度ドレイン領域MD1よりも図の上下方向に厚く(深く)形成されている。
一方、周辺回路領域PPRには不揮発性メモリ(MONOS型フラッシュメモリ)を駆動するための周辺回路が形成されており、nチャネルMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)などが形成されている。
この周辺回路領域PPRのMISFETの左右側には、図示されないが分離絶縁膜が形成されており、そこで複数のMISFET間が電気的に絶縁されている。MISFETは、半導体基板SUBの主表面S1に互いに間隔をあけて形成されたソース領域MSとドレイン領域MDとを有しており、さらに半導体基板SUBの主表面S1上に形成されたゲート絶縁膜GIと、ゲート電極GEと、側壁絶縁膜SWとを有している。ゲート電極GEは、ソース領域MSとドレイン領域MDとに挟まれる半導体基板SUBの主表面S1上に、ゲート絶縁膜GIを介在して形成されている。
ソース領域MSおよびドレイン領域MDは、半導体基板SUBのp型ウェル領域PW2内に形成される、第1導電型すなわちn型の不純物を含む不純物拡散領域である。ソース領域MSは低濃度ソース領域MS1と高濃度ソース領域MS2とを有しており、ドレイン領域MDは低濃度ドレイン領域MD1と高濃度ドレイン領域MD2とを有している。
低濃度ソース領域MS1および低濃度ドレイン領域MD1は概ね側壁絶縁膜SWの真下に形成され、高濃度ソース領域MS2は低濃度ソース領域MS1と隣り合い、高濃度ドレイン領域MD2は低濃度ドレイン領域MD1と隣り合うように、側壁絶縁膜SWの外側に形成されている。
周辺回路のMISFETについてもメモリセルと同様に、高濃度ソース領域MS2は上側ソース領域MS2aと下側ソース領域MS2bとを有しており、これらの配置はメモリセルにおける上側ソース領域MS2aなどと基本的に同様である。また周辺回路のMISFETについてもメモリセルと同様に、高濃度ドレイン領域MD2は上側ドレイン領域MD2aと下側ドレイン領域MD2bとを有しており、これらの配置はメモリセルにおける上側ドレイン領域MD2aなどと基本的に同様である。
図2を参照して、メモリゲート絶縁膜ONIは、コントロールゲート電極CGの側面および半導体基板SUBの主表面S1に接するように形成される第1の絶縁膜O1と、第1の絶縁膜O1の上面を覆うように形成される第2の絶縁膜NIと、第2の絶縁膜NIの上面を覆うように形成される第3の絶縁膜ON2とがこの順に積層された構造を有している。ここで第1の絶縁膜O1の上面とは、第1の絶縁膜O1のコントロールゲート電極CGの側面および半導体基板SUBの主表面S1と反対側の面を意味し、第2の絶縁膜NIの上面とは、第2の絶縁膜NIの第1の絶縁膜O1と反対側の面を意味する。
第1の絶縁膜O1はたとえばシリコン酸化膜を含んでおり、第2の絶縁膜NIはたとえばシリコン窒化膜を含むことが好ましい。また第3の絶縁膜ON2はたとえばシリコン酸化膜を含むことが好ましいが、窒素を含むシリコン酸化膜としての、いわゆるシリコン酸窒化膜であることがより好ましい。
図3(A)、(B)を参照して、半導体装置の概略断面図中に示すIIIA−IIIA線に沿う部分およびIIIB−IIIB線に沿う部分は、不純物濃度を示す領域を明示している。本実施の形態のメモリセルのソース領域MSは、第1のソース領域としての低濃度ソース領域MS1と、低濃度ソース領域MS1よりも第1導電型(n型)の不純物濃度が高い第2のソース領域としての高濃度ソース領域MS2を有する構成となっている。つまりたとえば図3(B)のようにソース領域MSが単一の低濃度ソース領域MS1のみを有する構成である場合と異なり、本実施の形態のメモリセルは図3(A)のようにソース領域MSがn型不純物濃度の異なる2つのソース領域MS1,MS2aを有している。
図3は半導体基板SUBの主表面S1に沿う横方向に関して、ソース領域MSが不純物濃度の異なる2つの不純物領域MS1,MS2aを有することを示している。しかし図4(A)、(B)を参照して、本実施の形態のメモリセルのソース領域MSは、半導体基板SUBの主表面S1に交差する縦方向に関しても、不純物濃度の異なる2つの不純物領域MS2a,MS2bを有している。上側ソース領域MS2aのn型不純物濃度は下側ソース領域MS2bのn型不純物濃度よりも高い。また下側ソース領域MS2bのn型不純物濃度は低濃度ソース領域MS1のn型不純物濃度よりも高い。
上記主表面S1に交差する縦方向に関して、図4においては、メモリゲート電極MGの外側(ここでは特にソース側の側壁絶縁膜SWの外側)に形成された上側ソース領域MS2aを上記第2のソース領域(第1のソース領域よりも不純物濃度の高い領域)と考え、上側ソース領域MS2aの下側の面に接するように配置された下側ソース領域MS2bを上記第1のソース領域(第2のソース領域よりも不純物濃度の低い領域)と考える。このように考えれば、ソース領域の上記縦方向に関しても、第2のソース領域が第1のソース領域よりもn型の不純物濃度が高いということができる。
なお図3および図4のようなグラフに示されないが、本実施の形態のドレイン領域MDはソース領域MSと同様に、半導体基板SUBの主表面S1に沿う横方向に関して、低濃度ドレイン領域MD1(第1のドレイン領域)およびそれよりも第1導電型(n型)の不純物濃度が高い高濃度ドレイン領域MD2(第2のドレイン領域)の、不純物濃度の異なる2つの領域を有する構成となっている。
ドレイン領域MDの主表面S1に交差する縦方向についてもソース領域MSと同様に、下側ドレイン領域MD2bおよびそれよりも第1導電型(n型)の不純物濃度が高い上側ドレイン領域MD2aの、不純物濃度の異なる2つの領域を有する構成となっている。すなわちコントロールゲート電極CGの外側に形成された上側ドレイン領域MD2aを上記第2のドレイン領域(第1のドレイン領域よりも不純物濃度の高い領域)と考え、上側ドレイン領域MD2aの下側の面に接するように配置された下側ドレイン領域MD2bを上記第1のドレイン領域(第2のドレイン領域よりも不純物濃度の低い領域)と考える。このように考えれば、ドレイン領域の上記縦方向に関しても、第2のドレイン領域が第1のドレイン領域よりもn型の不純物濃度が高いということができる。
次に、図5〜図18を参照しながら、上記の一実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図5を参照して、まず主表面を有する半導体基板SUBが準備される。具体的には、たとえばp型の不純物を有するシリコンの単結晶からなる基板本体SBが準備され、その一方(図の上側)の主表面に、通常の写真製版技術およびイオン注入技術によりp型ウェル領域PW1およびp型ウェル領域PW2が形成される。このようにして、基板本体SBの主表面S1にp型ウェル領域PW1およびp型ウェル領域PW2が形成された半導体基板SUBが形成される。
最終的にメモリセルが形成される領域であるメモリセル領域MCRにおいては、p型ウェル領域PW1上に、通常の熱酸化法によりシリコン酸化膜からなる絶縁膜が形成される。次に当該絶縁膜の上面を覆うように、通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、n型不純物(たとえば砒素またはリン)を含む多結晶シリコンの薄膜が厚み100nm以上300nm以下となるように形成される。次に通常の写真製版技術およびエッチングにより、上記多結晶シリコンの薄膜およびその真下の絶縁膜がパターニングされ、コントロールゲート電極CGおよびその真下のゲート絶縁膜GIが形成される。
なおここで、成膜しようとする多結晶シリコンの薄膜にn型不純物を導入する場合には、たとえばコントロールゲート電極CGとなるべき半導体膜である多結晶シリコンの薄膜CGを形成する際に、当該薄膜に第1導電型(n型)の不純物がイオン注入される。ただし成膜用のガスにドーピングガス(n型不純物添加用のガス)を含ませることにより、n型不純物を含有する多結晶シリコンの薄膜を形成することができる。また当該薄膜の形成時に、まず非晶質シリコンの薄膜を堆積した後、熱処理を施すことにより当該非晶質シリコンの薄膜を結晶化させてもよい。すなわちここでは、イオン注入技術、またはイオン注入技術以外の方法を用いて、コントロールゲート電極CGとなるべき半導体膜である多結晶シリコンの薄膜CGを形成する際に、当該薄膜に第1導電型(n型)の不純物を導入することができる。
最終的に周辺回路としてのMISFETが形成される周辺回路領域PPRにおいても、メモリセル領域MCRと同様に、p型ウェル領域PW2上に、絶縁膜GIと多結晶シリコンの薄膜CGとが形成されるが、ここではパターニングされなくてもよい。
次に、メモリセル領域MCRのコントロールゲート電極CGをマスクとして、コントロールゲート電極CGの真下以外の半導体基板SUBの主表面に不純物領域MVが、通常のイオン注入技術を用いた自己整合技術により形成される。ここではn型不純物が注入されることにより比較的不純物濃度の低い不純物領域MVが形成されることが好ましい。この不純物領域MVは、後に形成されるメモリゲート電極MGの真下の領域のしきい値電圧/電流を調整するために形成されるものである。ただしこの不純物領域MVは必ずしも形成されなくてもよいため、以降の各図においては、不純物領域MVは図示が省略される。
図6を参照して、メモリセル領域MCRに形成されたコントロールゲート電極CGの上面および側面を覆うように、半導体基板SUBの主表面S1上に、シリコン酸化膜を含む第1の絶縁膜O1と、シリコン窒化膜を含む第2の絶縁膜NIと、シリコン酸化膜を含むダミー絶縁膜D2との3層がこの順に積層される。第2の絶縁膜NIは第1の絶縁膜O1の上面を覆うように、ダミー絶縁膜D2は第2の絶縁膜NIの上面を覆うように、それぞれ形成される。これらの絶縁膜O1,NI,D2が、たとえば通常のCVD法により形成される。
周辺回路領域PPRにおいては、多結晶シリコンの薄膜CGの上面を覆うように、上記の第1の絶縁膜O1、第2の絶縁膜NIおよびダミー絶縁膜D2が形成される。
なお上記の第1の絶縁膜O1は厚みが3nm以上6nm以下となるように、第2の絶縁膜NIは厚みが5nm以上10nm以下となるように、ダミー絶縁膜D2は厚みが4nm以上7nm以下となるように、形成されることが好ましい。
図7を参照して、コントロールゲート電極CGの上面および側面を覆うように積層された絶縁膜の最上層であるダミー絶縁膜D2の全体の上面を覆うように、メモリセル領域MCRには、ダミーゲートとなるべきシリコン薄膜PSが形成され、周辺回路領域PPRにもシリコン薄膜PSが形成される。シリコン薄膜PSは、導電性不純物を含まない多結晶シリコンの薄膜であってもよいし、非結晶(アモルファス)シリコンの薄膜であってもよい。シリコン薄膜PSは通常のCVD法により形成されることが好ましい。
図8を参照して、積層された絶縁膜を構成する最上層(最も半導体基板SUBから離れた層)であるダミー絶縁膜D2をエッチングストッパとした異方性ドライエッチングがなされ、シリコン薄膜PSがエッチバックされる。その結果、メモリセル領域MCRにおいてはコントロールゲート電極CGに隣接する(より詳しくはコントロールゲート電極CGの側面上のダミー絶縁膜D2に接する)ようにダミーゲート電極DMGが形成される。ダミーゲート電極DMGはコントロールゲート電極CGから離れるにつれて(コントロールゲート電極CGの外側に向かうにつれて)図の上下方向の厚みが薄くなるように形成される。なお周辺回路領域PPRのシリコン薄膜PSはエッチング除去される。
図9を参照して、ダミーゲート電極DMGをマスクとして、半導体基板SUBの主表面S1の一部に第1のソース領域としての不純物領域MS1が、通常のイオン注入技術を用いた自己整合技術により形成される。具体的には、ソース領域を形成しようとする領域が露出するように、通常の写真製版技術によりフォトレジストPHRのパターンが形成される。次にフォトレジストPHRのパターンで覆われない半導体基板SUBの主表面にn型不純物がイオン注入されることにより、第1のソース領域としての低濃度ソース領域MS1が形成される。
ここで形成される低濃度ソース領域MS1のn型不純物は、不純物領域MVを形成するために注入されるn型不純物と同程度の濃度であることが好ましく、また低濃度ソース領域MS1の接合深さも、不純物領域MVと同程度の濃度であることが好ましい。
図10を参照して、いったんフォトレジストPHRがアッシングなどにより除去される。その状態で、シリコン窒化膜、またはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造が形成され、これが通常の異方性ドライエッチングによりエッチバックされる。その結果、メモリセル領域MCRにおいては、最終的にソース領域が形成される側のダミーゲート電極DMGと隣接するように(側面に接するように)、ダミー側壁絶縁膜DSWが形成される。このダミー側壁絶縁膜DSWは、ドレイン領域が形成される側のダミーゲート電極DMGとも隣接するように形成されてもよい。
最終的にソース領域MSが形成される側のダミー側壁絶縁膜であるダミーソース側側壁絶縁膜DSWをマスクとして、再度n型不純物がイオン注入される。なおこのとき、図9の工程と同じ位置には再度フォトレジストPHRのパターンが形成されており、(ソース領域MSが形成される側の)ダミーソース側側壁絶縁膜DSWを用いた自己整合技術により、第2のソース領域としての高濃度ソース領域MS2が形成される。言いかえれば、ダミーソース側壁絶縁膜DSWをマスクとして、半導体基板SUBの主表面S1の一部にソース領域としての不純物領域MS2a,MS2bが、通常のイオン注入技術を用いた自己整合技術により形成される。
具体的には、ソース領域を形成しようとする領域が露出するように、通常の写真製版技術によりフォトレジストPHRのパターンが形成される。次にフォトレジストPHRのパターンで覆われない半導体基板SUBの主表面に、n型不純物がイオン注入されることにより、高濃度ソース領域MS2が形成される。
ここでイオン注入されるn型不純物は、上記の低濃度ソース領域MS1を形成するためにイオン注入されたn型不純物よりも不純物濃度が高く、接合深さが深い。このため高濃度ソース領域MS2の上側の(主表面S1に近い)領域においては高濃度ソース領域MS2が低濃度ソース領域MS1に重なるように主表面S1に上側ソース領域MS2aが形成され、上側ソース領域MS2aの下側の面に接するように下側ソース領域MS2bが形成され、ソース領域MS2a,MS2bを合わせた高濃度ソース領域MS2が形成される。
これを縦方向に見れば、第1のソース領域としての下側ソース領域MS2bと、その上側の面に接する第2のソース領域としての上側ソース領域MS2aとが、いずれもダミーソース側側壁絶縁膜DSWをマスクとして形成される。第2のソース領域としての上側ソース領域MS2aは、図10の工程において注入されたn型不純物濃度に、元々存在する低濃度ソース領域MS1のn型不純物濃度が加わるため、第1のソース領域としての下側ソース領域MS2bよりもn型不純物濃度が高くなる。また図9の工程においてダミーゲート電極DMGをマスクとして形成される不純物領域MS1は、縦方向に見た場合には、上記第1および第2のソース領域MS2b,MS2aのいずれとも異なる第3のソース領域MS1として形成される。
また横方向に見れば、低濃度ソース領域MS1の両端部(ダミーゲート電極DMGに近い領域)の、図10の工程において不純物が追加注入されない領域は最終的に第1のソース領域である低濃度ソース領域MS1として形成され、低濃度ソース領域MS1の中央部には図10の工程において不純物が追加注入されることにより第2のソース領域としての高濃度ソース領域MS2が形成される。低濃度ソース領域MS1はダミーゲート電極DMGをマスクとして主表面S1に形成され、高濃度ソース領域MS2はダミーソース側側壁絶縁膜DSWをマスクとして主表面S1に形成される。
以上により、低濃度ソース領域MS1と、(上側ソース領域MS2aおよび下側ソース領域MS2bからなる)高濃度ソース領域MS2とを有するソース領域MSが形成される。
なおダミーゲート電極DMGをマスクとして形成される低濃度ソース領域MS1はソース領域の一部のみをなし、ソース領域を構成する他の領域である高濃度ソース領域MS2は必ずしもダミーゲート電極DMGをマスクとして形成されなくてもよい。しかしここでは上記領域MS1のようにソース領域の少なくとも一部がダミーゲート電極DMGをマスクとして形成されれば一実施の形態の構成(ダミーゲート電極DMGをマスクとしてソース領域を形成する)を満足するものと考える。
図11を参照して、フォトレジストPHRがアッシングなどにより除去された後、ダミー側壁絶縁膜DSWおよびダミーゲート電極DMGがエッチングにより除去される。またメモリセル領域MCR、周辺回路領域PPRともに、シリコン窒化膜を含む第2の絶縁膜NIをエッチングストッパとして、ダミー絶縁膜D2がエッチングにより除去される。
図12を参照して、メモリセル領域MCR、周辺回路領域PPRともに、コントロールゲート電極CGの上面および側面を覆う積層絶縁膜の最上層である第2の絶縁膜NIの上面を覆うように、メモリセル領域MCR、周辺回路領域PPRともに、第3の絶縁膜ON2が形成される。
第3の絶縁膜ON2はシリコン酸化膜を含んでおり、たとえば通常のCVD法により形成される。ただし第3の絶縁膜ON2は窒素を含むシリコン酸窒化膜として形成されることがより好ましい。第3の絶縁膜ON2はいわゆるISSG(In Situ Steam Generation)酸化により、たとえば4nm以上7nm以下の厚みとなるように形成されることが好ましい。以上により、第1の絶縁膜O1、第2の絶縁膜NIおよび第3の絶縁膜ON2が積層された構成を有する、メモリゲート絶縁膜となるべき積層構造ONIが形成される。
図12を再度参照して、コントロールゲート電極CGの上面および側面を覆うように積層された絶縁膜の最上層である第3の絶縁膜ON2の全体の上面を覆うように、メモリセル領域MCR、周辺回路領域PPRともに、メモリゲート電極MGとなるべき半導体膜である多結晶シリコンの薄膜MGが形成される。多結晶シリコンの薄膜は、通常のCVD法により、厚みが30nm以上100nm以下となるように形成される。ただしこの薄膜MGとしては、多結晶シリコンの代わりに非晶質(アモルファス)のシリコンが成膜されてもよい。
図13を参照して、上記薄膜MGに第2導電型すなわちp型の不純物(たとえばホウ素またはインジウム)が、たとえば通常のイオン注入技術により注入される。ただし上記のコントロールゲート電極CGの薄膜に第1導電型(n型)の不純物を導入するときと同様に、ここでもイオン注入技術の代わりに、たとえば図12の成膜時に成膜用のガスにドーピングガス(p型不純物添加用のガス)を含ませることにより、p型不純物を含有する多結晶シリコンの薄膜が形成されてもよい。つまりここでは、イオン注入技術、またはイオン注入技術以外の方法を用いて、メモリゲート電極MGとなるべき半導体膜である多結晶シリコンの薄膜MGを形成する際に、当該薄膜に第2導電型(p型)の不純物を導入することができる。
上記p型の不純物を導入する際にイオン注入技術が用いられる場合、図13中の矢印に示す方向、すなわち半導体基板SUBの主表面S1に延在する方向に平行または垂直な方向に対して斜めの方向に、導電性不純物が注入される。このようにすれば、たとえばコントロールゲート電極CGの側面上に形成される薄膜MGの表面にもp型不純物が注入される。
図14を参照して、積層された絶縁膜を構成する最上層(最も半導体基板SUBから離れた層)である第3の絶縁膜ON2をエッチングストッパとした異方性ドライエッチングがなされ、薄膜MGがエッチバックされる。その結果、メモリセル領域MCRにおいては、半導体基板SUBの主表面S1上に、コントロールゲート電極CGと隣接する(コントロールゲート電極CGの側面上の第3の絶縁膜ON2に接する)ようにメモリゲート電極MGが形成される。メモリゲート電極MGはコントロールゲート電極CGから離れるにつれて(コントロールゲート電極CGの外側に向かうにつれて)図の上下方向の厚みが薄くなるように形成される。なお周辺回路領域PPRの薄膜MGはエッチング除去される。
図15を参照して、メモリセル領域MCRにおいては、ソース領域MS1およびソース領域MS側のメモリゲート電極MG(およびコントロールゲート電極CGの一部)を覆うように、通常の写真製版技術により、フォトレジストPHRのパターンが形成される。周辺回路領域PPRにおいては、ゲート電極を形成すべき領域における薄膜CGの真上を覆うようにフォトレジストPHRのパターンが形成される。
図16を参照して、フォトレジストPHRのパターンを用いた通常のエッチングにより、メモリセル領域MCRにおいては、フォトレジストPHRで覆われない領域のメモリゲート電極MGおよび積層絶縁膜ONIが除去される。フォトレジストPHRがアッシングなどにより除去されることにより、コントロールゲート電極CGのソース領域MS側のメモリゲート電極MGが残存する。また積層絶縁膜ONIは、残存するメモリゲート電極MGとその真下の半導体基板SUBとに挟まれた領域から、コントロールゲート電極CGとメモリゲート電極MGとに挟まれた領域に連なるように延びる、メモリゲート絶縁膜ONIとして形成される。すなわちメモリゲート絶縁膜ONIは、コントロールゲート電極CGの最下部(半導体基板SUBに近い下部)において、その延在する方向が半導体基板SUBの主表面に沿う方向からコントロールゲート電極CGの側面に沿う方向に約90°屈曲する。
また周辺回路領域PPRにおいては、フォトレジストPHRのパターンを用いた通常のエッチングにより、薄膜CGがゲート電極GEとして形成され、その真下の絶縁膜GIがゲート絶縁膜GIとして形成される。上記以外の領域の薄膜CGおよび絶縁膜GIはすべて除去され、また薄膜CG上の絶縁膜ONIも除去される。
図17を参照して、メモリセル領域MCRにおいては図15の工程と同じ位置に、すなわちソース領域MS1およびメモリゲート電極MG(およびコントロールゲート電極CGの一部)を覆うように、通常の写真製版技術により、フォトレジストPHRのパターンが形成される。次にこの状態で、半導体基板SUBの主表面S1における、コントロールゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのソース領域MSと反対側(コントロールゲート電極CGの外側)に、通常のイオン注入技術により、n型不純物が注入される。ここでn型不純物が注入される領域は、図5の工程により形成された不純物領域MVとほぼ同じ領域である。
この処理における、コントロールゲート電極CGをマスクとした自己整合技術により、不純物領域MVは主表面S1に形成されるドレイン領域MDとなる。なおここでのイオン注入は、半導体基板SUBの主表面S1に対して斜め方向になされてもよい。
なお周辺回路領域PPRにおいては、ゲート電極GEの両側の半導体基板SUBの主表面S1に、通常のイオン注入技術により、n型不純物が注入される。ゲート電極GEをマスクとした自己整合技術により、図中に示す位置にソース領域MS1およびドレイン領域MD1が形成される。
図18を参照して、図17の工程におけるフォトレジストPHRがアッシングなどにより除去される。その状態で、シリコン窒化膜、またはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造が形成され、これが通常の異方性ドライエッチングによりエッチバックされる。その結果、メモリセル領域MCRにおいては、コントロールゲート電極CGとメモリゲート電極MGと隣接するように(側面に接するように)、側壁絶縁膜SWが形成される。
これらの側壁絶縁膜SWは、電極CG,MGから離れるにつれて厚みが薄くなる形状を有している。ここでは便宜上、コントロールゲート電極CGと隣接するように形成される(最終的にドレイン領域MDが形成される側の)側壁絶縁膜SWをドレイン側側壁絶縁膜と呼び、メモリゲート電極MGと隣接するように形成される(ソース領域MS側の)側壁絶縁膜SWをソース側側壁絶縁膜と呼ぶこととする。
次に、メモリセル領域MCRにおいては再度図17の工程と同じ位置に、すなわちソース領域MS1およびメモリゲート電極MG(およびコントロールゲート電極CGの一部)を覆うように、通常の写真製版技術により、フォトレジストPHRのパターンが形成される。次にこの状態で、半導体基板SUBの主表面S1における、コントロールゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのソース領域MSと反対側(コントロールゲート電極CGの外側)に、通常のイオン注入技術により、n型不純物が注入される。
このとき、ドレイン側側壁絶縁膜SWをマスクとした自己整合技術により、図17の工程で形成されたドレイン領域MDよりもドレイン側側壁絶縁膜SWから見て外側の領域の主表面S1に、言い換えれば不純物領域MVの中央部に、不純物が追加注入される。
なおここでは図17の工程に比べて不純物濃度が高く、接合深さが深い不純物領域が形成されるようにn型不純物が注入される。その結果、図18の工程においてイオン注入された領域には第2のドレイン領域としての高濃度ドレイン領域MD2として形成される。また図17の工程のみで不純物領域MVとほぼ重なる領域にn型不純物が注入された、高濃度ドレイン領域MD2の両端側(コントロールゲート電極CGに近い領域)は第1のドレイン領域としての低濃度ドレイン領域MD1として形成される。
つまり横方向に見れば、不純物領域MVの両端部(コントロールゲート電極CGに近い領域)の、図18の工程において不純物が追加注入されない領域は第1のドレイン領域としての低濃度ドレイン領域MD1が形成される。また不純物領域MVの中央部には図18の工程において不純物が追加注入されることにより、第1のドレイン領域よりもn型不純物の濃度が高い第2のドレイン領域としての高濃度ドレイン領域MD2が形成される。低濃度ドレイン領域MD1はコントロールゲート電極CGをマスクとして主表面S1に形成され、高濃度ドレイン領域MD2はドレイン側側壁絶縁膜SWをマスクとして主表面S1に形成される。
また縦方向に見れば、図18の工程において、ドレイン側側壁絶縁膜SWをマスクとして、高濃度ドレイン領域MD2が不純物領域MVに重なるように主表面S1に上側ドレイン領域MD2a(第2のドレイン領域)が形成される。また同様にドレイン側側壁絶縁膜SWをマスクとして、上側ドレイン領域MD2aの下側の面に接するように下側ドレイン領域MD2b(第1のドレイン領域)が形成される。以上によりドレイン領域MD2a,MD2bを合わせた高濃度ドレイン領域MD2が形成される。
第2のドレイン領域としての上側ドレイン領域MD2aは、図18の工程において注入されたn型不純物濃度に、元々存在する不純物領域MVのn型不純物濃度が加わるため、第1のドレイン領域としての下側ドレイン領域MD2bよりもn型不純物濃度が高くなる。
以上により、低濃度ドレイン領域MD1と、(上側ドレイン領域MD2aおよび下側ドレイン領域MD2bからなる)高濃度ドレイン領域MD2とを有するドレイン領域MDが形成される。
周辺回路領域PPRについては、メモリセル領域MCRと同様にゲート電極GEの側面を覆うように形成される側壁絶縁膜SWをマスクとして、通常のイオン注入技術を用いた自己整合技術により、高濃度ソース領域MS2および高濃度ドレイン領域MD2が形成される。このうち図17の工程で形成されたソース領域MS1およびドレイン領域MD1と重なる領域はそれぞれ上側ソース領域MS2aおよび上側ドレイン領域MD2aとなり、それ以外の領域は下側ソース領域MS2bおよび下側ドレイン領域MD2bとなる。また高濃度ソース領域MS2および高濃度ドレイン領域MD2の両端側に配置された、図17の工程のみで不純物が注入された領域は低濃度ドレイン領域MD1として形成される。
以上の各工程の後、フォトレジストPHRのパターンをアッシングなどにより除去し、層間絶縁膜の形成など一般公知の後工程を行なうことにより、MONOS型フラッシュメモリを有する半導体装置が形成される。
次に、一実施の形態の作用効果について説明する。始めに図19の比較例の構成および図20の一実施の形態の構成を参照しながら、MONOS型フラッシュメモリの書き込みおよび消去の動作について説明する。
図19(A)を参照して、比較例のMONOS型フラッシュメモリは、n型不純物を含むコントロールゲート電極CGと、n型不純物を含むn型メモリゲート電極NMGとを有している。メモリゲート絶縁膜ONIは、シリコン酸化膜を含む第1の絶縁膜O1と、シリコン窒化膜を含む第2の絶縁膜NIと、シリコン酸化膜を含む(窒素を含まない)第3の絶縁膜O2とがこの順に積層された構造を有している。ソース領域MSおよびドレイン領域MDは一実施の形態と同様にn型不純物を有している。
比較例のMONOS型フラッシュメモリへのデータの書き込み時は、コントロールゲート電極CGに電圧+Vcg1Aが、n型メモリゲート電極NMGに電圧+Vmg1Aが、ドレイン領域MDに電圧+Vd1Aが、ソース領域MSに電圧+Vs1Aが、それぞれ印加される。これらの電圧はいずれも正の値であり、+Vs1Aは+Vd1Aより大きい。
このとき、ドレイン領域MDから半導体基板SUB内に供給される電子(丸で囲んだ「−」で示す)が、半導体基板SUB側からn型メモリゲート電極NMGの真下の第1の絶縁膜O1を通過して第2の絶縁膜NIに注入される。第2の絶縁膜NIに注入された電子は、第2の絶縁膜NI中のトラップ準位に捕獲され、その結果、記憶用トランジスタのしきい値電圧が上昇する。
図19(B)を参照して、比較例のMONOS型フラッシュメモリは、BTBT(Band-To-Band Tunneling)ホットホール注入消去方式によりデータが消去される。具体的には、コントロールゲート電極CGに電圧Vcg1Bが、n型メモリゲート電極NMGに電圧−Vmg1Bが、ドレイン領域MDに電圧Vd1Bが、ソース領域に電圧Vs1Bが、それぞれ印加される。ここでは通常は電圧Vcg1Bおよび電圧Vd1Bは0Vであり、電圧−Vmg1Bは負の値、電圧Vs1Bは正の値とする。このとき、BTBT(バンド間トンネル現象)により発生したホール(丸で囲んだ「+」で示す)がソース領域MSから半導体基板SUB内に供給され、さらに半導体基板SUB側からn型メモリゲート電極NMGの真下の第1の絶縁膜O1を通過して第2の絶縁膜NIに注入される。その結果、記憶用トランジスタのしきい値電圧が低下する。
以上のように、比較例のようなn型メモリゲート電極NMGを有するn型MONOS型フラッシュメモリは、データの書き込み時と消去時との双方において、電子またはホールがメモリゲート電極NMGの下側の第1の絶縁膜O1を通過する。このため書き換え回数が増加すると、第1の絶縁膜O1の劣化が顕在化し書き換え特性および信頼性(第2の絶縁膜NIが電荷を保持する機能)に影響を及ぼす可能性がある。
また比較例のn型MONOS型フラッシュメモリは、データを書き込む際にはn型メモリゲート電極NMGに正電圧が印加されるのに対し、データの消去時にはn型メモリゲート電極NMGに負電圧が印加される。このため周辺回路としては正負2種類の電源回路が必要となるため、半導体装置全体のうち電源回路が占める面積が大きくなり、その分フラッシュメモリなどのフラッシュモジュールの占める面積を小さくしたり、他の周辺回路を構成する素子の占める面積を小さくする必要が生じる。
図20(A)を参照して、一実施の形態のMONOS型フラッシュメモリは、図19の比較例のMONOS型フラッシュメモリに対して、メモリゲート電極がp型不純物を含むp型メモリゲート電極PMGである点において異なっている。
一実施の形態のMONOS型フラッシュメモリへのデータの書き込み時は、比較例のMONOS型フラッシュメモリと同様に、コントロールゲート電極CGに電圧+Vcg1Aが、p型メモリゲート電極PMGに電圧+Vmg1Aが、ドレイン領域MDに電圧+Vd1Aが、ソース領域MSに電圧+Vs1Aが、それぞれ印加される。これらの値は図19(A)に示す各値と同様である。このようにすれば、上記比較例と同様に電子が第1の絶縁膜O1を通過して第2の絶縁膜NIに注入される。
図20(B)を参照して、一実施の形態のMONOS型フラッシュメモリのデータの消去時には、コントロールゲート電極CGに電圧Vcg2Bが、p型メモリゲート電極PMGに電圧+Vmg2Bが、ドレイン領域MDに電圧Vd2Bが、ソース領域に電圧Vs2Bが、それぞれ印加される。ここでは通常は電圧Vcg2B、電圧Vd2Bおよび電圧Vs2Bは0Vであり、電圧+Vmg2Bは正の値でありデータ書き込み時の電圧+Vmg1Aよりも大きくなる。
このとき、p型メモリゲート電極MGから発生したホールがその真下の第3の絶縁膜を通過して第2の絶縁膜NIに注入される。このようにデータ消去時には電子とホールとのいずれも、第1の絶縁膜O1を通らずに第2の絶縁膜NIに注入される。このため一実施の形態においては、上記比較例に比べて第1の絶縁膜O1を電子またはホールが通過する回数を減少させることができ、第1の絶縁膜O1の劣化を抑制することができる。そのため書き換え特性(書き換え可能回数)および信頼性を向上させることができる。
また一実施の形態においては、データの書き込み時と消去時との双方において、p型メモリゲート電極PMGには正の電圧(+Vmg1Aまたは+Vmg2B)が印加される。このため周辺回路から負の電圧を印加する電源回路を排除することができ、半導体装置における各素子の占有面積など、スペースをセーブすることが可能となる。
次に、図20(A)、(B)に示すように、一実施の形態のメモリゲート絶縁膜ONIは、最上層である第3の絶縁膜が窒素を含むシリコン酸窒化膜ON2として形成されていることが好ましい。このようにすれば、たとえば図19(A)、(B)のように第3の絶縁膜が窒素を含まないシリコン酸化膜O2として形成される場合に比べて、p型メモリゲート電極PMGから第3の絶縁膜ON2へのホールの注入を容易にすることができる。
図21(A)を参照して、n型メモリゲート電極NMGを用いた場合には半導体基板SUB側からしかホール(図中の丸印)を(図中に矢印で示すように)第2の絶縁膜NIに供給することができない。一方図21(B)に示すように、p型メモリゲート電極PMGを用いた場合には、p型メモリゲート電極MGに正電圧を印加することにより、p型メモリゲート電極PMG側から第3の絶縁膜を経由して第2の絶縁膜NIにホールを供給することができる。
図21(B)を参照して、第3の絶縁膜ON2に窒素を含ませることにより、第3の絶縁膜のホールに対する電位障壁は、窒素を含ませない場合の第3の絶縁膜のホールに対する電位障壁(図21(B)中に点線で示す)に比べて低くなる。このため窒素を含む第3の絶縁膜ON2は、ホールを容易に通過させることができる。
上記のシリコン酸窒化膜としての第3の絶縁膜ON2は、CVD法の一種であるいわゆるISSG酸化により形成される。このようにして形成された第3の絶縁膜ON2は、たとえば熱酸化法により形成された(窒素を含まない)シリコン酸化膜に比べて絶縁性能が劣るものの、熱酸化膜よりも低コストで形成することが可能となる。一実施の形態の第3の絶縁膜ON2は、たとえば比較例の第3の絶縁膜O2とは異なり、ホールが通過するため、比較例の第3の絶縁膜O2に比して高い絶縁性を要するものではない。このため窒素を含むシリコン酸窒化膜を上記手法により形成することで、低コストで動作上のニーズに応えるメモリゲート絶縁膜を形成することが可能となる。
次に、一実施の形態においては、ソース領域が、第1のソース領域としての低濃度ソース領域MS1と、低濃度ソース領域MS1よりもn型不純物の濃度が高い第2のソース領域としての高濃度ソース領域MS2とを有している。このためたとえばソース領域として低濃度ソース領域MS1のみを有する場合に比べて、ソース領域全体の電気抵抗を小さくすることができ、その結果、ソース−ドレイン間の電気抵抗を小さくすることもできる。またソース−ドレイン間で電子などが横方向に通過する、比較的主表面S1に近い領域に高濃度ソース領域MS2が形成されることから、電子などの通過をより容易にすることができる。以上によりMONOS型フラッシュメモリの駆動能力を高めることができる。
また第1のソース領域としての低濃度ソース領域MS1はソース側側壁絶縁膜SWの真下に配置され、第2のソース領域としての高濃度ソース領域MS2がソース側側壁絶縁膜SWの外側に配置されている。したがって半導体基板SUBの主表面に沿う横方向に関して、ソース領域MSの両端部よりも中央部における不純物濃度が高く、電気抵抗が低くなるように形成される。このことから、ソース領域における電界を緩和する効果が得られる。またソース領域およびソース−ドレイン間などにおける電気抵抗を低下させることができるため、MONOS型フラッシュメモリの駆動能力を高めることができる。
本実施の形態の半導体装置の製造方法においては、ダミーゲート電極DMGを用いてソース領域MSが形成され、ダミーゲート電極DMGが除去された後に正式のメモリゲート電極MGが形成され、メモリゲート電極MGを覆った状態でドレイン領域MDが形成される。このため、メモリゲート電極MGの高いp型不純物濃度を損なうことなく、高い不純物濃度を有するソース領域MSを形成することができる。
本実施の形態においてはダミーゲート電極DMGをマスクとして第1のソース領域としての低濃度ソース領域MS1が形成された後、ダミーゲート電極DMGのソース領域側に、ダミーゲート電極DMGと隣接するようにダミーソース側側壁絶縁膜DSWが形成され、これをマスクとして第2のソース領域としての高濃度ソース領域MS2が形成されている。このため、半導体基板SUBの主表面に沿う横方向に関して、ソース領域MSの両端部よりも中央部における不純物濃度が高く、電気抵抗が低くなるように形成される。このことから、ソース領域における電界を緩和する効果が得られる。
なお上記においては、低濃度ソース領域MS1よりも横方向に関する幅の小さい高濃度ソース領域MS2が形成される際、自己整合技術のマスクとしてダミーソース側側壁絶縁膜DSWが形成される。しかしたとえば図13の工程のように所望の領域にイオン注入するために斜め方向にイオン注入を行なえば、必ずしもマスクとしてのダミー側壁絶縁膜DSWを形成しなくても、図10の工程により形成される高濃度ソース領域MS2と同様の領域を占める高濃度ソース領域MS2を形成することができる。
次に、一実施の形態においては、ドレイン領域が、第1のドレイン領域としての低濃度ドレイン領域MD1と、低濃度ドレイン領域MD1よりもn型不純物の濃度が高い第2のドレイン領域としての高濃度ドレイン領域MD2とを有している。このためたとえばドレイン領域として低濃度ドレイン領域MD1のみを有する場合に比べて、ドレイン領域全体の電気抵抗を小さくすることができ、その結果、ソース−ドレイン間の電気抵抗を小さくすることもできる。またソース−ドレイン間で電子などが横方向に通過する、比較的主表面S1に近い領域に高濃度ドレイン領域MD2が形成されることから、電子などの通過をより容易にすることができる。以上によりMONOS型フラッシュメモリの駆動能力を高めることができる。
また第1のドレイン領域としての低濃度ドレイン領域MD1はドレイン側側壁絶縁膜SWの真下に配置され、第2のドレイン領域としての高濃度ドレイン領域MD2がドレイン側側壁絶縁膜SWの外側に配置されている。したがって半導体基板SUBの主表面に沿う横方向に関して、ドレイン領域MDの両端部よりも中央部における不純物濃度が高く、電気抵抗が低くなるように形成される。このことから、ドレイン領域における電界を緩和する効果が得られる。
また半導体基板SUBの主表面に交差する縦方向に関しても、第1のソース領域としての下側ソース領域MS2bと、その上側の面に接する、下側ソース領域MS2bよりもn型不純物の濃度が高い第2のソース領域としての上側ソース領域MS2aとを有している。さらに第1のドレイン領域としての下側ドレイン領域MD2bと、その上側の面に接する、下側ドレイン領域MD2bよりもn型不純物の濃度が高い第2のドレイン領域としての上側ドレイン領域MD2bとを有している。このため縦方向に関しても、不純物濃度を高くしてソース領域全体の電気抵抗を低下させることができ、MONOS型フラッシュメモリの駆動能力を高めることができる。
縦方向に関する第1のソース領域としての下側ソース領域MS2b、および第2のソース領域としての上側ソース領域MS2aは、ダミーソース側側壁絶縁膜DSWをマスクとして形成される。また第3のソース領域としての低濃度ソース領域MS1は、ダミーゲート電極DMGをマスクとして形成される。これにより縦方向に関しても、不純物濃度を高くしてソース領域全体の電気抵抗を低下させることができ、MONOS型フラッシュメモリの駆動能力を高めることができる。
以上に述べた2つの濃度の異なる不純物領域を有するソース領域は、たとえばp型不純物を有するメモリゲート電極MGを形成した後に形成することは困難である。そのことについて以下に説明する。
たとえばp型のメモリゲート電極MGの形成後に、メモリゲート電極MG側のソース領域を濃度の濃淡を設けるように形成する場合、ソース領域用の高濃度のn型不純物領域が通常のイオン注入技術により注入される。このとき、仮にp型メモリゲート電極MGを覆うようにフォトレジストPHRなどが形成されることなくイオン注入がなされれば、p型メモリゲート電極MGにn型不純物が大量に形成され、メモリゲート電極MGのp型不純物濃度が低下する不具合を来す。またメモリゲート電極MGはその厚みが非常に薄いため、イオン注入時にメモリゲート電極MGを貫通して半導体基板SUB内に達するように意図せず不純物が注入される可能性がある。
しかしメモリゲート電極MGに隣接する(外側の)領域にソース領域用のn型不純物注入を行なう際に、メモリゲート電極MGを覆うようにフォトレジストPHRのパターンを形成しようとしても、おおよそメモリゲート電極MGの端部にその端部が来るようにフォトレジストPHRのパターンを形成することは困難である。これはメモリゲート電極MGの外側は内側に比べて厚みが薄くなるように最上面が傾斜しているためである。
したがって、メモリゲート電極MGの上面を覆うフォトレジストPHRのパターンを形成する場合には、その外側の端部から横方向に離れた位置に端部が来るように(メモリゲート電極MGの真上が端部とならないように)パターンが形成される必要がある。この場合、そのようなフォトレジストPHRのパターンを用いて、メモリゲート電極MGの外側に隣接する位置に不純物領域を注入形成することは困難である。
上記の各理由により、一実施の形態においては、まずダミーのメモリゲート電極としてダミーゲート電極DMGが形成され、これを用いた自己整合技術によりソース領域MS(の少なくとも一部であるたとえばソース領域MS2)が形成される。ソース領域MSの形成後にダミーゲート電極DMGが除去され、メモリゲート電極MGが形成される。そのメモリゲート電極MGを(ソース領域MSの形成される領域も)フォトレジストPHRのパターンで覆った状態で、ドレイン領域MDが形成される。
したがって、ソース領域MSを形成する際にはダミーゲート電極DMGが用いられ、メモリゲート電極はまだ形成されていない。このため、p型のメモリゲート電極へのn型不純物の注入を憂慮することなく高濃度のソース領域MSを形成することが可能となる。またドレイン領域MDを形成する際にはメモリゲート電極MGが形成されるが、このメモリゲート電極MGを(ソース領域MSを含むように:すなわちメモリゲート電極MGの端部にフォトレジストPHRの端部が来ないように)フォトレジストPHRのパターンで覆った状態で処理がなされる。このため、メモリゲート電極MGへの不純物の注入の可能性を低減することができる。
ダミーゲート電極DMGを用いて(メモリゲート電極MGの形成前に)ソース領域MSを形成する製造方法は、一実施の形態のMONOS型フラッシュメモリを形成する方法として有益である。
以上においてはメモリゲート電極MGはp型の不純物を含む多結晶シリコンの薄膜(半導体層)として形成されているが、これに限らず、n型の不純物を含む多結晶シリコンの薄膜、またはn型、p型のいずれの不純物をも含まない多結晶シリコンの薄膜として形成されたメモリゲート電極MGを有するフラッシュメモリに対しても同様の効果を奏することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。