JP2015105672A - 液体封入制振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性部材のばね定数を小さくして、振動伝達率を低減することのできる液体封入制振装置を提供する。
【解決手段】液体封入制振装置10は、車体フロアに接続される外筒部材11と、排気管に接続される内筒部材13と、それらの間に介設されるとともに、液体を封入した液室14が内部に設けられた弾性部材12と、を有する。こうした液体封入制振装置10において、その弾性部材12における液室14の内周側の部分に、軸方向における位置が液室14の内側となる位置まで同軸方向に凹んだ、環状の凹部15,16を設けるようにした。
【選択図】図2
【解決手段】液体封入制振装置10は、車体フロアに接続される外筒部材11と、排気管に接続される内筒部材13と、それらの間に介設されるとともに、液体を封入した液室14が内部に設けられた弾性部材12と、を有する。こうした液体封入制振装置10において、その弾性部材12における液室14の内周側の部分に、軸方向における位置が液室14の内側となる位置まで同軸方向に凹んだ、環状の凹部15,16を設けるようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、液体を封入した液室が内部に設けられた弾性部材を有する液体封入制振装置に関する。
従来、液体封入制振装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。車両のトランスミッション・マウントとして用いられる同文献に記載の液体封入制振装置は、トランスミッションに接続される金属製の外筒部材、車体に接続される金属製の内筒部材、それらの間に介設されたゴム製の弾性部材、およびその弾性部材の内部に形成された液室とを有する。こうした制振装置は、弾性部材の弾性変形による振動伝達の抑制作用と、液室に封入された液体の流動による振動減衰作用とにより、外部から入力された振動に対する制振効果を発揮する。
ところで、こうした液体封入制振装置を、例えば排気管のような比較的軽量の部材の懸架支持部の制振装置として利用する場合、弾性部材のばね定数を十分小さくしなければ、排気管から車体フロアへの振動伝達率が大きくなって、十分な制振効果が得られなくなる。しかしながら、損傷等に対する耐久性を確保するため、弾性部材における液室の隔壁部分には一定の厚さが必要であり、弾性部材のばね定数の低減には限界があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、弾性部材のばね定数を小さくして、振動伝達率を低減することのできる液体封入制振装置を提供することにある。
上記課題を解決する液体封入制振装置は、液体を封入した液室が内部に設けられた弾性部材を有するとともに、相対変位する2つの部材にそれぞれ接続される液体封入制振装置において、当該液体封入制振装置における上記2つの部材の一方の接続側から他方の接続側に至る方向を弾性部材の延伸方向としたとき、弾性部材における上記2つの部材のいずれかの接続側の端と液室との間の部分に、上記延伸方向に直交する方向における位置が液室の内側となる位置まで該直交する方向に凹んだ凹部を設けるようにしている。
こうした液体封入制振装置では、上記延伸方向の振動荷重が入力されたとき、弾性部材における凹部の液室側の部分がせん断を受けるようになる。そのため、上記延伸方向における弾性部材のばね定数が小さくなる。したがって、弾性部材のばね定数を小さくして、振動伝達率を低減することができる。
こうした液体封入制振装置は、例えば内周および外周に上記2つの部材がそれぞれ接続されるトーラス形状に形成することができる。そうした場合、弾性部材における液室よりも内周側の部分に凹部を設けるようにすれば、液室の容積の確保が容易となる。
なお、こうした液体封入制振装置を車体フロアと排気管との間に介設する場合、車体フロアに複数設けられた排気管懸架位置のうち、最も排気管端側の位置に設けることで、車体フロアに対する排気管の振動をより効果的に抑制できるようになる。
以下、液体封入制振装置の一実施形態を、図1〜図7を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態の液体封入制振装置は、車体フロアとそれに懸架される排気管との間に介設される。すなわち、本実施形態では、車体フロアおよび排気管が、一方が他方に懸架される2つの部材に相当する。
図1に示すように、本実施形態の液体封入制振装置10は、円管形状に形成された、金属製の外筒部材11を有する。外筒部材11の内周には、略トーラス形状に形成されたゴム製の弾性部材12が圧入され、さらにその弾性部材12の内周には、円管形状に形成された内筒部材13が圧入されている。
なお、この液体封入制振装置10では、外筒部材11が車体フロアに、内筒部材13が排気管に、それぞれ接続される。よって、本実施形態では、液体封入制振装置10の径方向が、液体封入制振装置10における上記2つの部材(車体フロア、排気管)の一方の接続側から他方の接続側に至る方向、すなわち弾性部材12の延伸方向となる。さらに、全体がトーラス形状に形成された液体封入制振装置10の中心軸Lに沿う方向(以下、軸方向と記載する)が、そうした弾性部材12の延伸方向に直交する方向となる。
図2に、液体封入制振装置10の断面構造を示す。なお、以下では、図中左側を液体封入制振装置10の前方とし、図中右側を液体封入制振装置10の後方とする。
同図に示されるように、弾性部材12の外周には、その全周に亘って内周側に凹んだ部分が設けられ、その外周側を外筒部材11で塞ぐことで、液室14が形成されている。この液室14の内部には、非圧縮性の液体が封入されている。
同図に示されるように、弾性部材12の外周には、その全周に亘って内周側に凹んだ部分が設けられ、その外周側を外筒部材11で塞ぐことで、液室14が形成されている。この液室14の内部には、非圧縮性の液体が封入されている。
また、弾性部材12の前方および後方の端面には、その液室14の内周側の部分に、軸方向に凹んだ凹部15,16がそれぞれ設けられている。これらの凹部15,16は、軸方向における位置が液室14の内側となる位置まで凹むように形成されている。こうした凹部15,16を設けたことで、弾性部材12の液室14の内周側には、軸方向に伸びる腕部17,18が形成される。
図3に、こうした液体封入制振装置10を用いた車体フロアへの排気管の懸架態様の一例を示す。同図に示すように、エンジン19から車体後方に伸びるように設けられた排気管21には、そのエンジン19側の部分に触媒24が、その管端付近の部分にマフラー25がそれぞれ設置されている。車体フロア20には、こうした排気管21の懸架位置22,23が複数(同図の例では2つ)設けられている。ちなみに、同図の例では、懸架位置22は、排気管21における触媒24の管端側の位置に、懸架位置23は、排気管21におけるマフラー25の設置位置に、それぞれ設けられている。そして、本実施形態の液体封入制振装置10は、それら懸架位置22,23のうち、最も排気管後端側の懸架位置23に設置される。
図4および図5に、液体封入制振装置10の、車体フロア20および排気管21への接続態様の一例を示す。同図に示すように、車体フロア20への液体封入制振装置10の接続は、フロア取付部材26を介して行われる。フロア取付部材26は、円管形状に形成された金属製の円管部27と、その両側にそれぞれ固定された、L字型に折れ曲がった金属板材からなる2つの固定部28とを有する。そして、外筒部材11の外周に円管部27を外嵌するとともに、溶接やボルト、ビスによる締結などで固定部28を車体フロア20に固定することで、液体封入制振装置10が車体フロア20に接続されている。
また、排気管21への液体封入制振装置10の接続は、排気管取付部材29を介して行われる。排気管21のマフラー25に固定された排気管取付部材29には、排気管21の延伸方向に伸びる丸棒状の取付軸30が設けられている。そして、取付軸30を内筒部材13の内周に挿入することで、液体封入制振装置10が排気管21に接続される。なお、取付軸30は、内筒部材13に対して軸方向に摺動可能に挿入されている。そのため、排気管21の熱膨張による排気管取付部材29の変位は、内筒部材13に対する取付軸30の摺動により吸収可能となる。
続いて、以上のように構成された液体封入制振装置10の作用を説明する。
本実施形態の液体封入制振装置10では、車体フロア20に対して排気管21が振動すると、径方向において圧縮あるいは伸長するように弾性部材12が弾性変形し、それにより車体フロア20と排気管21との間の振動伝達が抑制される。また、このときの弾性部材12の弾性変形によっては液室14が変形し、その変形により、断面積が縮小した部分から拡大した部分へと液室14に封入された液体が流動することで、振動の減衰作用が生じる。
本実施形態の液体封入制振装置10では、車体フロア20に対して排気管21が振動すると、径方向において圧縮あるいは伸長するように弾性部材12が弾性変形し、それにより車体フロア20と排気管21との間の振動伝達が抑制される。また、このときの弾性部材12の弾性変形によっては液室14が変形し、その変形により、断面積が縮小した部分から拡大した部分へと液室14に封入された液体が流動することで、振動の減衰作用が生じる。
一方、排気管21から車体フロア20への振動の伝達を抑えるには、排気管21の振動変位に対して、車体フロア20に伝達される荷重が小さくなるように、液体封入制振装置10の弾性部材12のばね定数を十分小さくすることが必要となる。その点、本実施形態の液体封入制振装置10では、上述したように、弾性部材12における液室14の内周側の部分に、軸方向に凹んだ凹部15,16が設けられている。そして、下記のように、そうした凹部15,16が、上記延伸方向における弾性部材12のばね定数の低減に大きく貢献している。
図6に、比較例とする、凹部15,16が設けられていない弾性部材112を有した液体封入制振装置110の断面構造を示す。この比較例では、液体封入制振装置110に入力された荷重は、液室14の両側の部分を通ってそのまま直接、弾性部材112の内周に伝達される。そのため、この比較例では、このときの弾性部材112の弾性変形は、圧縮・引張モードで行われる。
図7に、本実施形態の液体封入制振装置10にその外周から荷重が入力されたときの状態を示す。本実施形態の液体封入制振装置10では、径方向における液室14の両側の部分の延長線上に凹部15,16が設けられているため、凹部15,16の外周側に形成された軸方向に伸びる腕部17,18に、せん断応力が作用する。そのため、このときの弾性部材12の腕部17,18は、せん断モードで弾性変形することになり、径方向の荷重の入力に対する弾性部材12のばね定数は、比較例の場合よりも小さくなる。
以上説明した本実施形態の液体封入制振装置10によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の液体封入制振装置10では、弾性部材12における排気管21の接続側の端(弾性部材12の内周)と液室14との間の部分に、軸方向における位置が液室14の内側となる位置まで同軸方向に凹んだ凹部15,16が形成されている。そのため、排気管21からの振動の入力に対して弾性部材12にせん断モードの弾性変形が生じるようになる。そのため、弾性部材12のばね定数を小さくして、排気管21から車体フロア20への振動伝達率を低減することができる。
(1)本実施形態の液体封入制振装置10では、弾性部材12における排気管21の接続側の端(弾性部材12の内周)と液室14との間の部分に、軸方向における位置が液室14の内側となる位置まで同軸方向に凹んだ凹部15,16が形成されている。そのため、排気管21からの振動の入力に対して弾性部材12にせん断モードの弾性変形が生じるようになる。そのため、弾性部材12のばね定数を小さくして、排気管21から車体フロア20への振動伝達率を低減することができる。
(2)弾性部材12における液室14の隔壁部分の厚さを薄くせずとも、ばね定数の低減が可能なため、外部損傷等に対する耐久性の確保が容易となる。
(3)トーラス形状に形成された弾性部材12における液室14の内周側に凹部15,16が設けられているため、液室14の容積の確保が容易となる。
(3)トーラス形状に形成された弾性部材12における液室14の内周側に凹部15,16が設けられているため、液室14の容積の確保が容易となる。
(4)車体フロア20に複数設けられた排気管21の懸架位置22,23のうち、排気管21の振動振幅が最大となる、最も排気管端側の懸架位置23に液体封入制振装置10が設けられているため、排気管21の振動を効果的に抑えることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、外筒部材11および内筒部材13を金属製としていたが、他の材料でそれらを形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、外筒部材11および内筒部材13を金属製としていたが、他の材料でそれらを形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、弾性部材12をゴム製としていたが、それ以外の弾性材料で弾性部材12を形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、弾性部材12の外周および内周に、金属製の外筒部材11および内筒部材13を設けていたが、それらの一方または双方を割愛し、フロア取付部材26および排気管取付部材29の一方または双方に弾性部材12を直接取り付けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、弾性部材12の外周および内周に、金属製の外筒部材11および内筒部材13を設けていたが、それらの一方または双方を割愛し、フロア取付部材26および排気管取付部材29の一方または双方に弾性部材12を直接取り付けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、フロア取付部材26および排気管取付部材29を介して車体フロア20および排気管21に液体封入制振装置10をそれぞれ接続していたが、それ以外の態様で液体封入制振装置10を接続するようにしてもよい。
・車体フロア20に設ける排気管21の懸架位置の数は、任意に変更してもよい。また、液体封入制振装置10を、最も排気管端側の懸架位置以外の懸架位置に設けるようにしてもよい。さらに、液体封入制振装置10を複数の懸架位置にそれぞれ設けるようにしてもよい。
・図8に例示する液体封入制振装置120のように、弾性部材121における液室14の外周側の部分に凹部15,16を設けるようにしてもよい。そうした場合にも、上記実施形態と同様に、弾性部材12のばね定数を小さくして、振動伝達率を好適に低減することが可能である。
・図9に例示する液体封入制振装置130ように、弾性部材131の前方側および後方側のいずれか一方のみに凹部15を設けるようにしてもよい。中心軸に対して揺動する方向に排気管21が振動する場合には、弾性部材131における液室14の両側の部分のうちの一方に振動荷重が集中して作用する。そうした場合には、振動荷重が集中して作用する側には凹部を設けなくても、好適な振動抑制が可能となる。
・上記実施形態の液体封入制振装置10は、車体フロア20に対する排気管21の懸架位置に用いられていたが、それ以外の用途にも同様の構成の液体封入装置を採用することができる。
・上記実施形態の液体封入制振装置10は、トーラス形状に形成されていたが、それ以外の形状に液体封入制振装置を形成してもよい。そうした場合にも、弾性部材における延伸方向の両端の一方と液室との間の部分に、延伸方向に直交する方向における位置が液室の内側となる位置まで同直交する方向に凹んだ凹部を設けるようにすれば、弾性部材のばね定数を小さくして、振動伝達率を低減することが可能である。
10,110,120,130…液体封入制振装置、11…外筒部材、12,112,121,131…弾性部材、13…内筒部材、14…液室、15,16…凹部、17,18…腕部、19…エンジン、20…車体フロア、21…排気管、22,23…懸架位置、24…触媒、25…マフラー、26…フロア取付部材(27…円管部、28…固定部)、29…排気管取付部材(30…取付軸)。
Claims (4)
- 液体を封入した液室が内部に設けられた弾性部材を有するとともに、相対変位する2つの部材にそれぞれ接続される液体封入制振装置において、
当該液体封入制振装置における前記2つの部材の一方の接続側から他方の接続側に至る方向を前記弾性部材の延伸方向としたとき、
前記弾性部材における前記2つの部材のいずれかの接続側の端と前記液室との間の部分に、前記延伸方向に直交する方向における位置が前記液室の内側となる位置まで該直交する方向に凹んだ凹部が設けられた、
ことを特徴とする液体封入制振装置。 - 当該液体封入制振装置は、内周および外周に前記2つの部材がそれぞれ接続されるトーラス形状に形成される、
請求項1に記載の液体封入制振装置。 - 前記凹部は、前記弾性部材における前記液室よりも内周側の部分に設けられる、
請求項2に記載の液体封入制振装置。 - 当該液体封入制振装置は、車体フロアと排気管との間に介設されるものであり、前記車体フロアに複数設けられた排気管懸架位置のうち、最も排気管端側の位置に設けられるものである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体封入制振装置。
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