JP2015106978A - Pwm制御装置及びpwm制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリア周波数が序列された周波数テーブル34のデータ量を抑制しつつ、キャリア周波数に起因する可聴域のノイズ音をホワイトノイズ音に近づける。
【解決手段】PWM制御装置は、PWM制御方式で用いる複数のキャリア周波数が乱数列として序列された周波数テーブル34を少なくとも記憶するテーブル記憶部31を備え、周波数テーブル34の中から、序列に従って順番にキャリア周波数を選択する選択サイクルを繰り返し実施し、選択されるキャリア周波数に従って、PWM制御方式に用いる所定周期分のキャリア波を生成する。PWM制御装置は、選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、PWM制御装置及びPWM制御方法に関するものである。
インバータ及びコンバータを含む電力変換装置の制御に用いるパルス幅変調(PWM)制御方式において、キャリア周波数を一定とせず、様々な周波数へ変化させることにより、キャリア周波数に起因する高調波スペクトルを分散させる方法が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1では、予め定めたキャリアパターンテーブルを参照してキャリア周波数を決定する。キャリアパターンテーブルは複数(NN個)用意され、各キャリアパターンテーブルにおけるキャリア周波数は擬似的にランダムに変化している。
特開2010−130850号公報
しかし、特許文献1では、NN個のキャリアパターンテーブルを順次参照するサイクルを繰り返しているため、決定されるキャリア周波数も、このサイクルに従って繰り返されることになる。NN個のキャリアパターンテーブルを参照して決定されるキャリア周波数の合計数、つまりNN個のキャリアパターンテーブルのデータ量が多い場合、高調波スペクトルの分散性能は高まるが、キャリアパターンテーブルを記憶する記憶装置の負荷が高まる。一方、キャリア周波数の合計数が少ない場合、記憶装置の負荷は軽減されるが、高調波スペクトルの分散性能が低下してしまう。
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、キャリア周波数が序列された周波数テーブルのデータ量を抑制しつつ、キャリア周波数に起因する可聴域のノイズ音をホワイトノイズ音に近づけることができるPWM制御装置及びPWM制御方法を提供することである。
本発明の一態様に係わるPWM制御装置は、PWM制御方式で用いる複数のキャリア周波数が乱数列として序列された周波数テーブルを少なくとも記憶するテーブル記憶部を備え、周波数テーブルの中から、序列に従って順番にキャリア周波数を選択する選択サイクルを繰り返し実施し、選択されるキャリア周波数に従って、PWM制御方式に用いる所定周期分のキャリア波を生成する。PWM制御装置は、選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる。
本発明のPWM制御装置及びPWM制御方法によれば、選択サイクル毎に、選択されるキャリア周波数の数が変化するため、選択サイクル毎に、選択サイクルに要する時間、つまり周期が異なる。よって、周波数テーブルを構成するキャリア周波数の合計数、つまり周波数テーブルのデータ量が少なくとも、選択サイクルの繰り返しが可聴域のノイズ音として検知されにくくなる。よって、キャリア周波数が序列された周波数テーブルのデータ量を抑制しつつ、キャリア周波数に起因する可聴域のノイズ音をホワイトノイズ音に近づけることができる。
図1は、実施形態に係わるインバータ制御装置10により制御されるインバータ12と直流電源11及びモータ13とを含むモータ駆動システムを示すブロック図である。 図2は、図1のキャリア波演算部28aの詳細な構成を示すブロック図である。 図3(a)は周波数テーブル34の一例を示す表であり、図3(b)は、繰り返される選択サイクルの様子を示す図であり、図3(c)は選択数テーブル35の一例を示す表であり、図3(d)は選択サイクル毎に、選択されるデータ数の変化を示すグラフである。 図4(a)は、カウンタのカウント値(Wna、Wnb、Wnc)の変化を示すグラフであり、図4(b)は、図4(a)のカウント値に基づいて生成されるキャリア波(WCa、WCb、WCc)と変調率(MRa、MRb、MRc)の一例を示すグラフである。 図5は、第2実施形態に係わるキャリア波演算部28bの詳細な構成を示すブロック図である。 図6(a)は周波数テーブル34の一例を示す表であり、図6(b)は繰り返される選択サイクルの様子を示す図であり、図6(c)は選択サイクル毎に、選択されるデータ数の変化を示すグラフである。 図7は、第3実施形態に係わるキャリア波演算部28bの詳細な構成を示すブロック図である。 図8(a)は周波数テーブル34の一例を示す表であり、図8(b)は、繰り返される選択サイクルの様子を示す図であり、図8(c)は選択数テーブル35の一例を示す表であり、図8(d)は開始位置テーブル38の一例を示す表である。
図面を参照して、実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付し説明を省略する。
(第1実施形態)
実施形態に係わるインバータ制御装置10は、バッテリ11から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ13へ供給するインバータ12を、PWM制御方式により制御するPWM制御装置の一例である。
図1は、本発明の実施形態に係わるインバータ制御装置10により制御されるインバータ12と、直流電源としてのバッテリ11及びモータ13とを含むモータ駆動システムを示す。バッテリ11の出力端子はインバータ12の入力端子に接続され、インバータ12の出力端子はモータ13の入力端子に接続されている。インバータ12は1または2以上のスイッチング素子を備え、インバータ制御装置10は、スイッチング素子のオン状態及びオフ状態をスイッチングするためのPWM信号をインバータへ供給する。これにより、インバータ12は、PWM信号に従って、バッテリ11からの直流電圧を交流電圧に変換してモータ13へ供給することができる。
インバータ制御装置10は、位相速度演算部21と、dq変換演算部22と、PI制御器23と、三相変換器24a、24bと、デッドタイム補償演算部25と、変調率演算部26と、キャリア波比較部27と、キャリア波演算部28aと、目標指令値演算部29とを備える。インバータ制御装置10は、例えば、CPU、ROM、RAMなどのハードウェアを備えるマイクロコントローラを用いて構成することができる。
位相速度演算部21は、モータ13からレゾルバ15の信号が入力され、モータ13の位相θと回転速度ωを演算する。dq変換演算部22は、インバータ12とモータ13間を接続する三相ケーブル上に設けられた電流センサ14a、14bにより検出された二相以上の電流が入力され、回転速度ωから三相電流値(iu、iv、iw)を二相電流値(id、iq)に変換する。目標指令値演算部29は、トルク要求値及びモータ13の回転速度ωから、目標電流指令値(id、iq)を演算する。
PI制御器23は、目標電流指令値(id、iq)と二相電流(id、iq)との差分に基づいてPID制御を行い、目標電圧指令値(vd、vq)を出力する。三相変換器24a、24bは、回転速度ωから二相の目標電圧指令値(vd、vq)を三相の目標電圧指令値(vu、vv、vw)に変換する。デッドタイム補償演算部25は、インバータ12の上アームと下アームの短絡を防止するためのデッドタイム補償量(mu’、mv’、mw’)を演算する。
変調率演算部26は、インバータ12に入力される直流電圧に対する交流の目標電圧指令値(vu、vv、vw)の割合を変調率(mu、mv、mw)として演算する。変調率演算部26は、目標電圧指令値(vu、vv、vw)及びデッドタイム補償量(mu’、mv’、mw’)から、変調率(mu、mv、mw)を演算する。
キャリア波演算部28aは、PWM制御方式に用いるキャリア波を生成する。キャリア波演算部28aは、キャリア周期を決定するカウンタを備える。図4(a)に示すように、カウンタは定期的にカウントアップを行い、カウンタのカウント値(Wna、Wnb、Wnc)が予め定めたカウントアップ上限値(CMa、CMb、CMc)に達すると、カウント値はリセットされ、再度1からカウントを始める。キャリア波演算部28aは、カウンタがカウントアップ上限値に達する度に、カウントアップ上限値(CMa、CMb、CMc)を変更する。キャリア波演算部28aによるカウントアップ上限値の変更については、図2を参照して後述する。
キャリア波演算部28aは、図4(b)に示すように、カウンタのカウント値及びカウントアップ上限値(CMa、CMb、CMc)に基づいてキャリア波(WCa、WCb、WCc)を生成する。具体的に、キャリア波(WCa、WCb、WCc)は、カウンタがカウントアップを始めると同時に上昇し始める。そして、キャリア波(WCa、WCb、WCc)は、カウントアップ上限値(CMa、CMb、CMc)に対して半分の高さで折り返して減少し始める。キャリア波(WCa、WCb、WCc)は、カウント値(Wna、Wnb、Wnc)がカウントアップ上限値(CMa、CMb、CMc)に達すると同時(Tcu)に下限値に到達する。
のこぎり波状のカウント値(Wna、Wnb、Wnc)の1周期(FCa、FCb、FCc)が三角波(キャリア波:WCa、WCb、WCc)のキャリア周波数となる。そして、カウントアップ上限値(CMa、CMb、CMc)を変化させることによって、キャリア波の周期(FCa、FCb、FCc)を変更することが可能となる。また、変調率(MRa、MRb、MRc)は、キャリア周波数の変更に応じて変化する。このため、変調率演算部26は、図4(b)に示すように、変調率(MRa、MRb、MRc)をキャリア波の周期(FCa、FCb、FCc)に応じて補正する機能を備えている。図4(b)では、1つの変調率の変化を図示するが、各相について、変調率(mu、mv、mw)を補正する。
キャリア波比較部27は、各相の変調率(mu、mv、mw)とキャリア波(WCa、WCb、WCc)とを比較して、インバータ12に対してPWM信号を出力する。インバータ制御装置10は、PWM信号を用いて、変調率がキャリア波よりも大きい場合、上アームのスイッチング素子をオン状態に制御し、変調率がキャリア波よりも大きい場合、下アームのスイッチング素子をオン状態に制御する。
図2を参照して、図1のキャリア波演算部28aの詳細な構成を説明する。キャリア波演算部28aは、テーブル記憶部31と、キャリア周波数選択部32と、キャリア波生成部33と、を有する。テーブル記憶部31は、PWM制御方式で用いる複数のキャリア周波数が乱数列として序列された周波数テーブル34を少なくとも記憶する。キャリア周波数選択部32は、周波数テーブル34の中から、序列に従って順番にキャリア周波数を選択する「選択サイクル」を繰り返し実施する。キャリア波生成部33は、キャリア周波数選択部32により選択されるキャリア周波数に従って、PWM制御方式に用いる所定周期分のキャリア波(例えば、1周期分のキャリア波)を生成する。
キャリア周波数選択部32は、以下に示す方法により、選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる。
第1実施形態において、テーブル記憶部31は、一の選択サイクルで選択されるキャリア周波数の数が乱数列として序列された選択数テーブル35を更に記憶する。キャリア周波数選択部32は、選択数テーブル35の中から、序列に従って順番にキャリア周波数の数を選択する選択数変更部36を備える。キャリア周波数選択部32は、選択数変更部36により選択されるキャリア周波数の数に従って、選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる。
図3(a)に示すように、周波数テーブル34には、PWM制御方式で用いる複数のキャリア周波数(周波数1、2、3、4、・・・X、・・・Y、・・・Z、・・・N)が乱数列として序列されている。例えば、複数のキャリア周波数は、4000Hz〜6000Hzの範囲の乱数であって、その平均値は5000Hzとなるように予め設定されている。図3(c)に示すように、選択数テーブル35には、一の選択サイクルで選択されるキャリア周波数の数(データ数A、C、D、B、・・・M)が乱数列として序列されている。
制御が開始されると、選択数変更部36は、選択数テーブル35の中から、序列に従って上位から下位に向けて順番にキャリア周波数の数を選択する。選択数変更部36は、先ず、データ数Aを選択する。キャリア周波数選択部32は、周波数テーブル34の中から、序列に従って上位から下位に向けて順番にキャリア周波数を選択する。キャリア周波数選択部32は、先ず、周波数1を選択する。そして、キャリア波生成部33は、キャリア周波数選択部32により選択されるキャリア周波数(周波数1)に従って、図4(a)及び(b)に示した方法により、カウンタ37を用いて1周期分のキャリア波を生成する。
その後、キャリア周波数選択部32は、周波数テーブル34の序列に従って順番にキャリア周波数(周波数2、3、4、・・・)を選択し、キャリア波生成部33は、キャリア周波数選択部32により選択されるキャリア周波数(周波数2、3、4、・・・)に従って、1周期分のキャリア波を順番に生成する。キャリア周波数選択部32は、キャリア周波数選択部32によるキャリア周波数の選択、及びキャリア波生成部33によるキャリア波の生成という「キャリア波生成処理」を、選択数変更部36により選択されたデータ数Aだけ、繰り返し実施する。このキャリア波生成処理を、選択数テーブル35から選択されたデータ数(データ数A)だけ繰り返し実施するサイクルは、「選択サイクル」に相当する。
次に、選択数変更部36は、選択数テーブル35のうち、データ数Aの後に序列されたデータ数Cを選択する。そして、キャリア周波数選択部32は、キャリア波生成処理をデータ数Cだけ繰り返し実施する。キャリア周波数選択部32は、選択サイクルを繰り返し実施し、選択数テーブル35の末尾に序列されたデータ数Mが選択された後、次の選択サイクルで、再び、データ数Aを選択する。つまり、選択数変更部36は、選択数テーブル35の中に序列されたデータ数を繰り返し選択する。
このように、選択数変更部36は、選択サイクル毎に、選択数テーブル35の中から、序列に従って順番にキャリア周波数の数を選択する。よって、図3(b)及び図3(d)に示すように、キャリア周波数選択部32は、1回の選択サイクルの中で繰り返されるキャリア波生成処理の回数を、選択サイクル毎に変化させることができる。これにより、選択サイクルの周期がランダムになり、選択サイクルの繰り返しが可聴域のノイズ音として検知されにくくなる。
各選択サイクルで選択されるキャリア周波数の平均値は互いに等しくてもよい。つまり、図3(a)の周波数1〜周波数Xまでの平均値、周波数1〜周波数Zまでの平均値、周波数1〜周波数Nまでの平均値、周波数1〜周波数Yまでの平均値は、互いに等しい。ここで、「平均値が互いに等しい」とは、平均値の変動幅が、例えば−10%以上10%以下であることを意味する。これにより、インバータ駆動時のスイッチング損失を抑制し、スイッチング速度の低下による応答性の悪化を抑制することができる。
更に、各選択サイクルで選択されるキャリア周波数の平均値は、周波数テーブル34内の総てのキャリア周波数の平均値と等しくてもよい。これにより、インバータ駆動時のスイッチング損失を抑制し、スイッチング速度の低下による応答性の悪化を抑制することができる。
図4を参照して前述したように、キャリア周波数選択部32は、キャリア波の1周期毎に次のキャリア周波数を選択し、キャリア波生成部33は、キャリア周波数選択部32により選択されるキャリア周波数に従って、1周期分のキャリア波を生成してもよい。もちろん、キャリア周波数選択部32により選択されるキャリア周波数に従って、2周期分以上のキャリア波を生成しても構わない。
選択数変更部36が、選択数テーブル35の中から、序列に従って順番にキャリア周波数の数を選択するサイクルの周期は、2秒以上であることが望ましい。つまり、図3(d)に示すように、最上位のデータ数Aを選択してから、最下位のデータ数Mを選択した後に再び最上位のデータ数Aを選択するまでの時間(Tf)は、2秒以上となるように、周波数テーブル34及び選択数テーブル35に登録されたデータ数を設定することが望ましい。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
直流電力を交流電力に変換するインバータ12をPWM制御方式により制御する場合に、PWM制御方式に用いるキャリア周波数に応じた電流リップルが、キャリア周波数1次の側帯波及びキャリア周波数2次の周期で、直流電力を供給する電流ケーブル上に発生する。電流リップルによって励起された振動が可聴ノイズ音として認識される。
そこで、実施形態では、キャリア周波数を固定の値とするのでは無く、ランダムな周波数で常時可変させる。これにより、電流リップルの周波数帯が拡散され、可聴音がホワイトノイズ化されるので、ノイズレベルが低減することができる。
さらに、キャリア周波数選択部32は、選択サイクル毎に、周波数テーブル34の中から選択するキャリア周波数の数を変化させる。これにより、選択サイクル毎に、選択サイクルの実施に要する時間、つまり周期が変化する。よって、周波数テーブル34を構成するキャリア周波数の合計数、つまり周波数テーブル34のデータ量が少なくとも、選択サイクルの繰り返しが可聴域のノイズ音として検知されにくくなる。よって、キャリア周波数が序列された周波数テーブル34のデータ量を抑制しつつ、キャリア周波数に起因する可聴域のノイズ音をホワイトノイズ音に近づけることができる。つまり、ランダムな周波数でキャリア周波数を可変させるスペクトラム拡散制御において、インバータ制御に必要となるメモリ負荷を低減させることが可能となる。
テーブル記憶部31は、一の選択サイクルで選択されるキャリア周波数の数が乱数列として序列された選択数テーブル35を更に記憶している。選択数変更部36は、選択数テーブル35の中から、序列に従って順番にキャリア周波数の数を選択する。キャリア周波数選択部32は、選択数変更部36により選択されるキャリア周波数の数に従って、選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる。これにより、選択サイクル毎に、キャリア周波数の数がランダムに変化するため、キャリア周波数が序列された周波数テーブル34のデータ量を増やすことなく、スペクトラム拡散を実施することができる。
各選択サイクルで選択されるキャリア周波数の平均値を互いに等しくすることにより、インバータ駆動時のスイッチング損失を抑制し、スイッチング速度の低下による応答性の悪化を抑制することができる。
キャリア周波数選択部32は、キャリア波の1周期毎に次のキャリア周波数を選択し、キャリア波生成部33は、キャリア周波数選択部32により選択されるキャリア周波数に従って、1周期分のキャリア波を生成する。これにより、スペクトラム拡散による可聴域のノイズ音の音質が耳障りでない、滑らかなホワイトノイズとなる。
選択数変更部36が、選択数テーブル35の中から、序列に従って順番にキャリア周波数の数を選択するサイクルの周期(Tf)を、2秒以上とする。これにより、可聴性のノイズ音のループによる周期性が耳で認識できなくなる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、選択数テーブル35及び選択数変更部36を用いることなく、キャリア周波数選択部32が、選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる方法の一例を説明する。
図5に示すように、第2実施形態に係わるキャリア波演算部28bは、周波数テーブル34を記憶するテーブル記憶部31と、周波数テーブル34の中から、序列に従って順番にキャリア周波数を選択する選択サイクルを繰り返し実施するキャリア周波数選択部32と、キャリア周波数選択部32により選択されるキャリア周波数に従って、PWM制御方式に用いる所定周期分のキャリア波を生成するキャリア波生成部33とを有する。テーブル記憶部31は、図3(c)の選択数テーブル35を記憶していなくてもよく、キャリア周波数選択部32は、図2の選択数変更部36の機能を備えていなくてもよい。
キャリア周波数選択部32は、前の選択サイクルにおいて選択したキャリア周波数の数に対して、予め定めた数を加算した数値を、次の選択サイクルにおいて選択するキャリア周波数の数として定める。これにより、キャリア周波数選択部32は、選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる。
図6(a)は、図3(a)と同じ周波数テーブル34の一例を示す。最初の選択サイクルにおいて選択するキャリア周波数の数の初期値(データ数A)が予め定められている。図6(b)に示すように、キャリア周波数選択部32は、最初の選択サイクルにおいて、初期値(データ数A)だけ、キャリア周波数を順番に選択する。次の選択サイクルでは、初期値(データ数A)に所定値(X)を加算した数値(データ数B)だけ、キャリア周波数を順番に選択する。このように、キャリア周波数選択部32は、選択サイクル毎に、前回よりも所定値(X)だけ多いキャリア周波数を、周波数テーブル34の中から順番に選択する。
そして、図6(c)に示すように、選択されるキャリア周波数の数を初期値とする選択サイクルの周期(Tf)が2秒以上となるように、周波数テーブル34に登録されたデータ数及び所定値(X)を設定することが望ましい。
以上説明したように、キャリア周波数選択部32は、前の選択サイクルにおいて選択したキャリア周波数の数に対して、予め定めた数(X)を加算した数値を、次の選択サイクルにおいて選択するキャリア周波数の数として定めることにより、選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる。これにより、テーブル記憶部31に記憶するデータ量を更に抑制しつつ、キャリア周波数に起因する可聴域のノイズ音をホワイトノイズ音に近づけることができる。
選択されるキャリア周波数の数を初期値(データ数A)とする選択サイクルの周期を2秒以上とすることにより、可聴性のノイズ音のループによる周期性が耳で認識できなくなる。
各選択サイクルで選択されるキャリア周波数の平均値は互いに等しくてもよい。これにより、インバータ駆動時のスイッチング損失を抑制し、スイッチング速度の低下による応答性の悪化を抑制することができる。
更に、各選択サイクルで選択されるキャリア周波数の平均値は、周波数テーブル34内の総てのキャリア周波数の平均値と等しくてもよい。これにより、インバータ駆動時のスイッチング損失を抑制し、スイッチング速度の低下による応答性の悪化を抑制することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係わるキャリア周波数選択部32は、選択サイクル毎に、周波数テーブル34の中から選択し始めるキャリア周波数の位置を変化させる。
具体的に、第3実施形態に係わるキャリア波演算部28cは、図2のキャリア波演算部28aと比較して、以下の点が相違する。すなわち、図7に示すように、テーブル記憶部31は、周波数テーブル34の中から選択し始めるキャリア周波数の位置が無作為に序列された開始位置テーブル38を更に記憶する。キャリア周波数選択部32は、開始位置テーブル38の中から、序列に従って順番にキャリア周波数の位置を選択する開始位置変更部39を更に備える。
キャリア周波数選択部32は、開始位置変更部39により選択されるキャリア周波数の位置に従って、選択サイクル毎に、周波数テーブル34の中から選択し始めるキャリア周波数の位置を変化させる。
最初の選択サイクルにおいて、選択数変更部36は、図8(c)の選択数テーブル35の中から、最上位のデータ数Aを選択し、開始位置変更部39は、図8(d)の開始位置テーブル38の中から、最上位の開始周波数3を選択する。キャリア周波数選択部32は、開始位置変更部39により選択された開始周波数3から、選択数変更部36により選択されたデータ数Aだけ、「キャリア波生成処理」を繰り返し実施する。次の選択サイクルでは、選択数変更部36は、次のデータ数Cを選択し、開始位置変更部39は、次の開始周波数1を選択する。キャリア周波数選択部32は、開始周波数1から、データ数Cだけ、「キャリア波生成処理」を繰り返し実施する。
このように、キャリア周波数選択部32は、選択サイクル毎に、周波数テーブル34の中から選択し始めるキャリア周波数の位置を変化させる。これにより、繰り返し選択されるキャリア周波数の周期が更にランダムになり、可聴域のノイズ音として検知されにくくなる。
開始位置変更部39は、開始位置テーブル38の中から、序列に従って順番にキャリア周波数の位置を選択する。よって、図8(b)に示すように、キャリア周波数選択部32は、周波数テーブル34の中から選択し始めるキャリア周波数の位置を、選択サイクル毎に変化させることができる。これにより、繰り返し選択されるキャリア周波数の周期が更にランダムになり、可聴域のノイズ音として検知されにくくなる。
各選択サイクルで選択されるキャリア周波数の平均値は互いに等しくてもよい。これにより、インバータ駆動時のスイッチング損失を抑制し、スイッチング速度の低下による応答性の悪化を抑制することができる。
更に、各選択サイクルで選択されるキャリア周波数の平均値は、周波数テーブル34内の総てのキャリア周波数の平均値と等しくてもよい。これにより、インバータ駆動時のスイッチング損失を抑制し、スイッチング速度の低下による応答性の悪化を抑制することができる。
選択数変更部36が、選択数テーブル35の中から、序列に従って順番にキャリア周波数の数を選択するサイクルの周期は、2秒以上であることが望ましい。
上記のように、本発明の第1乃至第3の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
実施形態では、直流電力を変換する電力変換装置の一例として、直流電力を交流電力へ変換するインバータ12を例示した。しかし、電力変換装置には、これに限らず、直流電力を直流電力へ変換するDCDCコンバータが含まれる。
10 インバータ制御装置(PWM制御装置)
28a、28b、28c キャリア波演算部
31 テーブル記憶部
32 キャリア周波数選択部
33 キャリア波生成部
34 周波数テーブル
35 選択数テーブル
36 選択数変更部
38 開始位置テーブル
39 開始位置変更部

Claims (10)

  1. 直流電力を変換する電力変換装置をPWM制御方式により制御するPWM制御装置であって、
    PWM制御方式で用いる複数のキャリア周波数が乱数列として序列された周波数テーブルを少なくとも記憶するテーブル記憶部と、
    前記周波数テーブルの中から、序列に従って順番にキャリア周波数を選択する選択サイクルを繰り返し実施するキャリア周波数選択部と、
    前記キャリア周波数選択部により選択されるキャリア周波数に従って、PWM制御方式に用いる所定周期分のキャリア波を生成するキャリア波生成部と、を有し、
    前記キャリア周波数選択部は、前記選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる
    ことを特徴とするPWM制御装置。
  2. 前記テーブル記憶部は、一の選択サイクルで選択されるキャリア周波数の数が乱数列として序列された選択数テーブルを更に記憶し、
    前記キャリア周波数選択部は、前記選択数テーブルの中から、序列に従って順番にキャリア周波数の数を選択する選択数変更部を備え、
    前記キャリア周波数選択部は、前記選択数変更部により選択されるキャリア周波数の数に従って、前記選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のPWM制御装置。
  3. 前記キャリア周波数選択部は、前の選択サイクルにおいて選択したキャリア周波数の数に対して、予め定めた数を加算した数値を、次の選択サイクルにおいて選択するキャリア周波数の数として定めることにより、前記選択サイクル毎に、選択するキャリア周波数の数を変化させることを特徴とする請求項1に記載のPWM制御装置。
  4. 前記キャリア周波数選択部は、前記選択サイクル毎に、前記周波数テーブルの中から選択し始めるキャリア周波数の位置を変化させること特徴とする請求項1に記載のPWM制御装置。
  5. 前記テーブル記憶部は、周波数テーブルの中から選択し始めるキャリア周波数の位置が無作為に序列された開始位置テーブルを更に記憶し、
    前記キャリア周波数選択部は、前記開始位置テーブルの中から、序列に従って順番にキャリア周波数の位置を選択する開始位置変更部を備え、
    前記キャリア周波数選択部は、前記開始位置変更部により選択されるキャリア周波数の位置に従って、前記選択サイクル毎に、前記周波数テーブルの中から選択し始めるキャリア周波数の位置を変化させる
    ことを特徴とする請求項2に記載のPWM制御装置。
  6. 各選択サイクルで選択されるキャリア周波数の平均値は互いに等しいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のPWM制御装置。
  7. 前記キャリア周波数選択部は、キャリア波の1周期毎に次のキャリア周波数を選択し、
    前記キャリア波生成部は、前記キャリア周波数選択部により選択されるキャリア周波数に従って、1周期分のキャリア波を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のPWM制御装置。
  8. 前記選択数変更部が、前記選択数テーブルの中から、序列に従って順番にキャリア周波数の数を選択するサイクルの周期は、2秒以上であることを特徴とする請求項2に記載のPWM制御装置。
  9. 前記キャリア周波数選択部は、前記周波数テーブルの最後に位置するキャリア周波数を選択した後、次の選択サイクルにおいて選択するキャリア周波数の数を初期値に戻し、
    選択されるキャリア周波数の数を初期値とする選択サイクルの周期は2秒以上である
    ことを特徴とする請求項3に記載のPWM制御装置。
  10. 直流電力を変換する電力変換装置をPWM制御方式により制御するPWM制御方法であって、
    PWM制御方式で用いる複数のキャリア周波数が乱数列として序列された周波数テーブルの中から、序列に従って順番にキャリア周波数を選択する選択サイクルを繰り返し実施し、
    選択されているキャリア周波数に従って、PWM制御方式に用いるキャリア波を生成し、
    選択サイクル毎に、選択されるキャリア周波数の数を変化させる
    ことを特徴とするPWM制御方法。
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