JP2015108536A - 燃料集合体および加圧水型原子炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料棒のサイクル末期においても燃料棒の除熱が容易な燃料集合体および加圧水型原子炉を提供する。
【解決手段】燃料集合体は、上下方向に延びる形状を有し、互いに隣接して配置された複数の燃料棒21と、前記上下方向に延びる形状を有し、前記燃料棒21と隣接して配置された複数のシンブル管とを備える。さらに、前記複数の燃料棒21は、前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値である第1領域R1と、前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、前記第1の値よりも小さい第2の値であり、前記第1領域の上方に位置する第2領域R2とを有する。
【選択図】図5
【解決手段】燃料集合体は、上下方向に延びる形状を有し、互いに隣接して配置された複数の燃料棒21と、前記上下方向に延びる形状を有し、前記燃料棒21と隣接して配置された複数のシンブル管とを備える。さらに、前記複数の燃料棒21は、前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値である第1領域R1と、前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、前記第1の値よりも小さい第2の値であり、前記第1領域の上方に位置する第2領域R2とを有する。
【選択図】図5
Description
本発明の実施形態は、燃料集合体および加圧水型原子炉に関する。
加圧水型原子炉は、炉心圧力を増加させることにより、冷却材である水の沸点を高めている。よって、加圧水型原子炉の炉心出口における水の温度は、沸点未満でありながら高温である。また、加圧水型原子炉内の蒸気発生器の熱伝達は、炉心出口からくる水の温度が高いほど向上する。よって、蒸気発生器は、炉心出口からくる水の温度が高いほど、発生させる蒸気の圧力を高めることができ、発電効率を高めることができる。
加圧水型原子炉においては、炉心内での水の沸騰を許容すれば、原子炉内の水の温度をさらに高めることができる。しかしながら、加圧水型原子炉の炉心内で水の沸騰を許容する場合に関しては、このような炉心内で用いる燃料について十分に検討されていない。
一方、沸騰水型原子炉に関しては、水の密度が沸騰により変化することを考慮した様々な提案がなされている。例えば、沸騰水型原子炉において部分長燃料棒を採用することが提案されている。
牧原義明著「一体型モジュラー軽水炉(IMR)」日本原子力学会誌、Vol.43, No.11, pp.1065-1070
図10は、一般的な加圧水型原子炉の炉心内における軸方向出力分布と、熱流束と限界熱流束との比とを示すグラフである。
図10(a)および図10(b)の縦軸Zは、炉心内の燃料棒の軸方向に沿った高さ(軸方向高さ)を示す。図10(a)は、軸方向高さZと、燃料棒からの熱出力との関係(軸方向出力分布)を示す。図10(b)は、軸方向高さZと、燃料棒からの熱流束と限界熱流束との比との関係を示す。限界熱流束とは、燃料棒の除熱が可能な最大の熱流束を示す。
加圧水型原子炉の炉心内で水の沸騰を許容する場合、サイクル初期(燃料棒の使用開始直後)の軸方向出力分布では、図10(a)の曲線CAのように、炉心の下部側(上流側)にピークが出る。このような分布を、ボトムピーク型と呼ぶ。一方、加圧水型原子炉の炉心内で水の沸騰を許容する場合、サイクル末期(燃料棒の使用終了直前)の軸方向出力分布では、図10(a)の曲線CBのように、炉心の上部側(下流側)にピークが出る。このような分布を、トップピーク型と呼ぶ。
燃料棒の除熱の際、炉心上部の水温が炉心下部の水温より高いことから、炉心上部は、炉心下部に比べ、限界熱流束に対する熱流束の余裕が少ない。そのため、サイクル末期に軸方向出力分布がトップピーク型に近付くと、図10(b)の曲線CDのように、限界熱流束に対する熱流束の余裕がさらに少なくなってしまう。図10(b)の曲線CC、CDはそれぞれ、サイクル初期、サイクル末期における熱流束と限界熱流束との比を示す。
なお、図10(b)において、熱流束と限界熱流束との比が1未満になることは、燃料棒からの発熱が限界熱流束を超えることを意味する。燃料棒からの発熱が限界熱流束を超えると、燃料棒の発熱に対して燃料棒表面からの除熱が追いつかなくなる。そのため、燃料棒の表面温度が上昇してしまい、最終的には燃料棒の破損に至る可能性がある。
そこで、本発明は、燃料棒のサイクル末期においても燃料棒の除熱が容易な燃料集合体および加圧水型原子炉を提供することを課題とする。
一の実施形態によれば、燃料集合体は、上下方向に延びる形状を有し、互いに隣接して配置された複数の燃料棒と、前記上下方向に延びる形状を有し、前記燃料棒と隣接して配置された複数のシンブル管とを備える。さらに、前記複数の燃料棒は、前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値である第1領域と、前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、前記第1の値よりも小さい第2の値であり、前記第1領域の上方に位置する第2領域とを有する。
本発明によれば、燃料棒のサイクル末期においても燃料棒の除熱が容易な燃料集合体および加圧水型原子炉を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の加圧水型原子炉の構造を示す断面図である。
図1は、第1実施形態の加圧水型原子炉の構造を示す断面図である。
図1の加圧水型原子炉は、原子炉容器1と、炉心槽2と、炉心3と、上部炉心支持板4と、下部炉心支持板5と、制御棒駆動機構6と、フロースカート7と、冷却材入口ノズル8と、冷却材出口ノズル9と、燃料集合体10とを備えている。
図1は、水平方向に相当するX方向およびY方向と、上下方向に相当するZ方向とを示している。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに垂直である。なお、+Z方向は上向き方向に相当し、−Z方向は下向き方向に相当する。
原子炉容器1は、Z方向を軸方向とする円筒形の形状を有している。炉心槽2と炉心3は、原子炉容器1内に配置されており、炉心槽2が炉心3の周囲を包囲している。上部炉心支持板4と下部炉心支持板5はそれぞれ、炉心槽2の上方と下方に配置されている。制御棒駆動機構6は、炉心3に制御棒を挿入するための機構である。フロースカート7は、下部炉心支持板5の下方に配置されている。冷却材入口ノズル8は、原子炉容器1に冷却材(水)を導入するために使用され、冷却材出口ノズル9は、原子炉容器1から冷却材を排出するために使用される。燃料集合体10は、炉心3内に収容されており、燃料棒とシンブル管とを備えている。シンブル管は、制御棒や中性子検出器を通すための管である。
冷却材入口ノズル8から導入された冷却材は、原子炉容器1と炉心槽2との間のダウンカマ11を下降する。冷却材は、下部炉心支持板5の下方の下部プレナム13に到達すると、下降流から上昇流に転じる。そして、冷却材は、下部炉心支持板5、炉心3、上部炉心支持板4内を上昇する。冷却材は、燃料集合体10内の燃料棒間を上昇する際に、燃料棒により加熱される。そして、冷却材は、上部炉心支持板4の上方の上部プレナム12に到達し、冷却材出口ノズル9から排出され、加圧水型原子炉内の蒸気発生器(不図示)に送られる。
図2は、第1実施形態の燃料集合体10の構造を示す断面図である。
本実施形態の燃料集合体10は、複数の燃料棒21と、複数のシンブル管22と、上部ノズル23と、下部ノズル24と、複数のスペーサ25とを備えている。
燃料棒21は、Z方向に延びる形状を有し、互いに隣接して配置されている。燃料棒21のZ方向に垂直な断面の形状は、円形である。シンブル管22は、Z方向に延びる形状を有し、燃料棒21と隣接して配置されている。シンブル管22のZ方向に垂直な断面の形状は、円形である。Z方向は、燃料棒21およびシンブル管22の軸方向に相当する。
上部ノズル23は、燃料棒21およびシンブル管22の上端付近に配置され、下部ノズル24は、燃料棒21およびシンブル管22の下端付近に載置されている。スペーサ25は、燃料棒21およびシンブル管22の間隔を保つための部材である。
本実施形態の複数の燃料棒21は、燃料棒21の下端側に位置する第1領域R1と、燃料棒21の上端側に位置する第2領域R2とを有し、第2領域R2が第1領域R1の上方に位置している。第1領域R1においては、これらの燃料棒21のZ方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値S1となっている。第2領域R2においては、これらの燃料棒21のZ方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値S1よりも小さい第2の値S2となっている(S2<S1)。
図3は、図2のA−A線に沿った断面図である。図3は、燃料棒21の第1領域R1の断面を示している。図4は、図2のB−B線に沿った断面図である。図4は、燃料棒21の第2領域R2の断面を示している。
図3および図4に示すように、本実施形態の燃料集合体10は、264本の燃料棒21と、25本のシンブル管22を備えている。燃料棒21とシンブル管22の合計本数は、289本(17×17本)である。
図3および図4に示すように、各燃料棒21は、第1領域R1内において第1の直径D1を有しており、第2領域R2内において第1の直径D1よりも小さい第2の直径D2を有している(D2<D1)。その結果、第2の値S2が、第1の値S1よりも小さくなっている。なお、S1とD1との間には、S1=264×π×(D1/2)2の関係が成り立つ。また、S2とD2との間には、S2=264×π×(D2/2)2の関係が成り立つ。
なお、図2においては、作図の便宜上、各燃料棒21の直径が一様に描かれている。しかしながら、本実施形態の各燃料棒21は、図3〜図5に示すように、第1領域R1内において第1の直径D1を有し、第2領域R2内において第2の直径D2を有することに留意されたい。
図5は、第1実施形態の各燃料棒21の形状を示す断面図である。
本実施形態の加圧水型原子炉は、炉心3内での水(冷却材)の沸騰を許容するように構成されている。符号Z0は、燃料棒21間を流れる水の沸騰開始位置を示す。
加圧水型原子炉の稼働時において、燃料棒21間を上向きに流れる水は、燃料棒21により加熱され、沸騰開始位置Z0において沸騰し始める。よって、加圧水型原子炉の稼働時において、沸騰開始位置Z0よりも下方(上流側)の水は、沸騰しておらず、沸騰開始位置Z0よりも上方(下流側)の水は、沸騰している。
本実施形態においては、第1領域R1と第2領域R2との境界面の高さを、沸騰開始位置Z0と同じ高さに設定している。よって、第1領域R1は、沸騰開始位置Z0よりも下方に位置している。また、第2領域R2は、沸騰開始位置Z0よりも上方に位置している。その結果、各燃料棒21は、沸騰開始位置Z0よりも下方では第1の直径D1を有し、沸騰開始位置Z0よりも上方では第2の直径D2を有している。
なお、第1領域R1と第2領域R2との境界面の高さは、沸騰開始位置Z0の高さと厳密に一致していなくてもよい。境界面の高さが沸騰開始位置Z0よりも高い場合には、沸騰開始位置Z0が第1領域R1と重なるため、第1領域R1は、その一部が沸騰開始位置Z0よりも下方に位置することとなる。一方、境界面の高さが沸騰開始位置Z0よりも低い場合には、沸騰開始位置Z0が第2領域R2と重なるため、第2領域R2は、その一部が沸騰開始位置Z0よりも上方に位置することとなる。なお、沸騰開始位置Z0のさらなる詳細については、後述する。
図6は、第1実施形態の燃料集合体10内における水のボイド率、水の密度、燃料棒21の合計断面積、水と燃料棒21との質量比を示すグラフである。
図6(a)〜図6(d)の縦軸Zは、上述のZ方向の座標を示しており、燃料棒21の軸方向に沿った高さ(軸方向高さ)を示している。
一般に、水が沸騰すると、水の中にボイドが発生し、水の密度が急激に低下する。よって、図6(a)では、沸騰開始位置Z0よりも上方を流れる水のボイド率が、0よりも大きくなっている。また、図6(b)では、沸騰開始位置Z0よりも上方を流れる水の密度が、沸騰開始位置Z0よりも下方を流れる水の密度よりも低くなっている。
また、一般に水の沸騰時間が長くなるほど、水のボイド率が上昇し、水の密度がさらに低下する。よって、図6(a)では、沸騰開始位置Z0よりも上方を流れる水のボイド率が、軸方向高さZが増加するほど増加している。また、図6(b)では、沸騰開始位置Z0よりも上方を流れる水の密度が、軸方向高さZが増加するほど低下している。
図6(c)は、燃料棒21の合計断面積を示す。図6(c)の曲線E1は、第1領域R1の合計断面積を示している。よって、曲線E1における合計断面積の値は、第1の値S1である。また、図6(c)の曲線E2は、第2領域R2の合計断面積を示している。よって、曲線E2における合計断面積の値は、第2の値S2である。
図6(d)は、Z方向の単位長さあたりの水と燃料棒21との質量比を示す。燃料集合体10を設計する際、水と燃料棒21との質量比は、燃料棒21内での核反応に最適な比に設計することが望ましい。図6(d)において、最適な比は符号R0で示されている。
この際、水が沸騰しないという想定で質量比を設定すると、沸騰開始位置Z0よりも上方での質量比が、最適な比から大きく遠ざかってしまう。理由は、沸騰開始位置Z0よりも上方においては、水の沸騰により水の密度が急激に低下するためである。そのため、沸騰開始位置Z0よりも上方での中性子の減速が不十分となり、沸騰開始位置Z0よりも上方での熱出力が小さくなってしまう。
よって、本実施形態の各燃料棒21は、第1領域R1内において第1の直径D1を有し、第2領域R2内において第2の直径D2を有するように設計されている。よって、本実施形態によれば、図6(d)の曲線E4のように、沸騰開始位置Z0よりも上方での質量比を最適な比に近付けることができる。図6(d)の曲線E3、E4はそれぞれ、第1および第2領域R1、R2における質量比を示す。
本実施形態によれば、沸騰開始位置Z0よりも下方だけでなく、沸騰開始位置Z0よりも上方でも、核反応によるエネルギーを有効に獲得することが可能となる。
(1)沸騰開始位置Z0の詳細
本実施形態の燃料集合体10は、第1領域R1と第2領域R2との境界面の高さが、燃料集合体10の実際の使用時において沸騰開始位置Z0と同じ高さとなるように設計される。しかしながら、燃料集合体10の実際の使用時の沸騰開始位置Z0は、燃料集合体10の設計時には通常知ることができない。そこで、本実施形態の燃料集合体10を設計する際には、沸騰開始位置Z0を物理学的に計算し、第1領域R1と第2領域R2との境界面の高さを沸騰開始位置Z0の計算値と同じ高さに設定する。
本実施形態の燃料集合体10は、第1領域R1と第2領域R2との境界面の高さが、燃料集合体10の実際の使用時において沸騰開始位置Z0と同じ高さとなるように設計される。しかしながら、燃料集合体10の実際の使用時の沸騰開始位置Z0は、燃料集合体10の設計時には通常知ることができない。そこで、本実施形態の燃料集合体10を設計する際には、沸騰開始位置Z0を物理学的に計算し、第1領域R1と第2領域R2との境界面の高さを沸騰開始位置Z0の計算値と同じ高さに設定する。
また、図10(a)に示すように、燃料棒21の軸方向出力分布は、燃料棒21の使用サイクルに伴い変化する。そのため、燃料集合体10における沸騰開始位置Z0も、燃料棒21の使用サイクルに伴い変化する。よって、沸騰開始位置Z0を物理学的に計算する際には、どのような使用サイクルの軸方向出力分布を想定して沸騰開始位置Z0を計算するかが問題となる。
本実施形態では例えば、サイクル初期の軸方向出力分布における沸騰開始位置Z0を計算し、第1および第2領域R1、R2の境界面の高さをこの計算値と同じ高さに設定してもよい。理由は次の通りである。
水と燃料棒21との質量比の分布(図6(d)を参照)において、サイクル初期に燃料棒21に対する水の割合が少ない領域では、U238からPuへの転換が促進される。よって、サイクル末期には、この領域の熱出力が高くなる。よって、本実施形態においては、沸騰開始位置Z0よりも上方における熱出力がサイクル末期に高くなる。一方、限界熱流束に対する熱流束の余裕は、熱流束が高いほど小さくなる傾向がある。そのため、沸騰開始位置Z0よりも上方における熱出力がサイクル末期に高くなることは避けたい。
そこで、本実施形態においては、第1および第2領域R1、R2の境界面の高さを、サイクル初期の沸騰開始位置Z0の計算値と同じ高さに設定する。その結果、燃料棒21の使用開始直後において、境界面の高さが実際の沸騰開始位置Z0の高さとよく一致することとなる。よって、燃料棒21の使用開始直後から、燃料棒21の燃焼が、燃料棒21の軸方向に比較的均一に進むこととなる。よって、本実施形態によれば、沸騰開始位置Z0よりも上方の熱出力がサイクル末期に高くなる傾向を緩和することができる。
また、本実施形態では例えば、軸方向出力分布は一様であると想定して沸騰開始位置Z0を計算してもよい。理由は、本実施形態のように燃料棒21が第1および第2の直径D1、D2を有する構造は、軸方向出力分布は一様に近付ける作用があるためである。よって、本実施形態においては、一様な軸方向出力分布を想定して沸騰開始位置Z0を計算することにより、燃料集合体10の実際の使用時の沸騰開始位置Z0に近い計算値を得ることが可能となる。
(2)第1実施形態の変形例
図7は、第1実施形態の変形例の各燃料棒21の形状を示す断面図である。
図7は、第1実施形態の変形例の各燃料棒21の形状を示す断面図である。
本変形例の燃料棒21は、燃料棒21の下端側に位置する第1領域R1と、燃料棒21の上端側に位置する第2領域R2と、第1領域R1と第2領域R2との間に位置する第3領域R3とを有している。第3領域R3は、沸騰開始位置Z0を含む高さに位置している。
本変形例の燃料棒21は、第3領域R3内においてテーパー形状の側面を有している。よって、本変形例の燃料棒21は、第3領域R3内において、第1の直径D1と第2の直径D2との間の長さの直径を有している。このような構造には例えば、使用サイクルに伴う沸騰開始位置Z0の変化や、沸騰開始位置Z0の計算値の誤差に対処しやすいという利点がある。
このように、本実施形態の燃料棒21は、第1領域R1と、第2領域R2と、第1および第2領域R1、R2以外の1つ以上の領域とを有していてもよい。
なお、第1の直径D1と第2の直径D2との比は、どのように決定してもよい。ただし、比が1に近すぎると、燃料棒21に第1および第2領域R1、R2を設ける効果が弱まってしまう。一方、比が1から離れすぎると、第2領域R2が細すぎて第2領域R2の発熱効率が悪くなってしまう。よって、第1の直径D1と第2の直径D2との比は、これらのバランスを考慮して設定することが望ましい。
以上のように、本実施形態の燃料集合体10は、複数の燃料棒21を備え、これらの燃料棒21は、その合計断面積が第1の値S1である第1領域R1と、第1領域R1の上方に位置し、その合計断面積が第1の値S1よりも小さい第2の値S2である第2領域R2とを有している。
よって、本実施形態によれば、燃料棒21のサイクル末期においても燃料棒21の除熱が容易な燃料集合体10を実現することが可能となる。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態の燃料集合体10の構造を示す断面図である。
図8は、第2実施形態の燃料集合体10の構造を示す断面図である。
本実施形態の燃料集合体10は、第1実施形態の燃料集合体10と同様に、複数の燃料棒21と、複数のシンブル管22と、上部ノズル23と、下部ノズル24と、複数のスペーサ25とを備えている。
また、本実施形態の複数の燃料棒21は、燃料棒21の下端側に位置する第1領域R1と、燃料棒21の上端側に位置する第2領域R2とを有し、第2領域R2が第1領域R1の上方に位置している。第1領域R1においては、これらの燃料棒21のZ方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値S1となっている。第2領域R2においては、これらの燃料棒21のZ方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値S1よりも小さい第2の値S2となっている(S2<S1)。
ただし、本実施形態の複数の燃料棒21は、1本以上の第1燃料棒21aと、1本以上の第2燃料棒21bとを含んでいる。第1燃料棒21aは、Z方向に沿って第1の長さL1を有しており、第1および第2領域R1、R2の両方を有している。第2燃料棒21bは、Z方向に沿って第1の長さL1よりも短い第2の長さL2を有しており(L2<L1)、第1および第2領域R1、R2のうちの第1領域R1のみを有している。その結果、第2領域R2の合計断面積である第2の値S2が、第1領域R1の合計断面積である第1の値S1よりも小さくなっている。
なお、第1の長さL1は、第1および第2領域R1、R2の合計長さと同じ長さである。また、第2の長さL2は、第1領域R1の長さと同じ長さである。第2燃料棒21bは、部分長燃料棒に相当する。
ここで、第1燃料棒21aの本数をN1と表し、第2燃料棒21bの本数をN2と表すことにする。また、第1および第2燃料棒21a、21bの直径をDと表すことにする。この場合、第1の値S1は、S1=(N1+N2)×π×(D/2)2で表される。また、第2の値S2は、S2=N1×π×(D/2)2で表される。なお、第1燃料棒21aの直径と第2燃料棒21bの直径は、異なる値でもよい。
本実施形態においては、第1領域R1と第2領域R2との境界面の高さを、沸騰開始位置Z0と同じ高さに設定している。そのため、図8に示すように、第2燃料棒21bの上端の高さが、沸騰開始位置Z0と同じ高さに位置している。
なお、第1領域R1と第2領域R2との境界面の高さは、沸騰開始位置Z0の高さと厳密に一致していなくてもよい。例えば、第2燃料棒21bの上端の高さを沸騰開始位置Z0よりも高く設定した場合には、境界面の高さは沸騰開始位置Z0よりも高くなる。一方、第2燃料棒21bの上端の高さを沸騰開始位置Z0よりも低く設定した場合には、境界面の高さは沸騰開始位置Z0よりも低くなる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様、沸騰開始位置Z0よりも下方だけでなく、沸騰開始位置Z0よりも上方でも、核反応によるエネルギーを有効に獲得することが可能となる。
(1)シンブル管22の詳細
本実施形態の各シンブル管22は、図8に示すように、第1領域R1に隣接し、第1の直径d1を有する第1部分r1と、第2領域R2に隣接し、第1の直径d1よりも大きい第2の直径d2を有する第2部分r2とを有している(d2>d1)。
本実施形態の各シンブル管22は、図8に示すように、第1領域R1に隣接し、第1の直径d1を有する第1部分r1と、第2領域R2に隣接し、第1の直径d1よりも大きい第2の直径d2を有する第2部分r2とを有している(d2>d1)。
本実施形態の各シンブル管22はさらに、第1部分r1と第2部分r2との間に位置し、テーパー形状の側面を有する第3部分r3を有している。第3部分r3は、第1の直径r1と第2の直径r2との間の長さの直径を有している。本実施形態の第3部分r3は、沸騰開始位置Z0よりも上方に位置しており、第2領域R2に隣接している。
このように、本実施形態においては、シンブル管22の直径を、沸騰開始位置Z0よりも上方において増加させている。本実施形態においては、シンブル管22内の水を、沸騰開始位置Z0よりも下方から取水して、沸騰開始位置Z0よりも上方から排出する構成を採用している。
シンブル管22内の水は、燃料棒21間の流路を流れる水と分離されている。よって、燃料棒21間の流路を流れる水が沸騰している場合にも、シンブル管22内の水は沸騰しないままに保つことが可能である。
よって、本実施形態によれば、シンブル管22の直径を沸騰開始位置Z0よりも上方において増加させることにより、シンプル管22から沸騰開始位置Z0よりも上方に多量の未沸騰の水を供給して、沸騰開始位置Z0よりも上方における水の密度を増加させることが可能となる。よって、本実施形態によれば、沸騰開始位置Z0よりも上方において、水と燃料棒21との質量比を最適な比に近付けることが可能となる(図6(d)を参照)。
(2)第2実施形態の変形例
図9は、第2実施形態の変形例の各シンブル管22の形状を示す断面図である。
図9は、第2実施形態の変形例の各シンブル管22の形状を示す断面図である。
図8において、各シンブル管22の第3部分r3の直径は、沸騰開始位置Z0から急激に増加している。しかしながら、図6(a)に示すように、水のボイド率は、沸騰開始位置Z0から急激に増加するわけではない。第3部分r3の直径を急激に増加させると、水のボイド率が急激に増加しないにもかかわらず、水の密度が急激に増加してしまうことが懸念される。
よって、本変形例においては、各シンブル管22の第3部分r3の直径を、図6(a)に示す水のボイド率の上昇曲線に従って増加させている。よって、本変形例によれば、水のボイド率の増加量に対応して水の密度を増加させることが可能となる。
なお、各シンブル管22の第3部分r3の直径を設計する際に利用する水のボイド率の上昇曲線は、例えば、物理学的な計算により算出可能である。
以上のように、本実施形態の燃料集合体10は、複数の燃料棒21を備え、これらの燃料棒21は、その合計断面積が第1の値S1である第1領域R1と、第1領域R1の上方に位置し、その合計断面積が第1の値S1よりも小さい第2の値S2である第2領域R2とを有している。
よって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、燃料棒21のサイクル末期においても燃料棒21の除熱が容易な燃料集合体10を実現することが可能となる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な燃料集合体および加圧水型原子炉は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した燃料集合体および加圧水型原子炉の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1:原子炉容器、2:炉心槽、3:炉心、
4:上部炉心支持板、5:下部炉心支持板、6:制御棒駆動機構、
7:フロースカート、8:冷却材入口ノズル、9:冷却材出口ノズル、
10:燃料集合体、11:ダウンカマ、12:上部プレナム、13:下部プレナム、
21:燃料棒、21a:第1燃料棒、21b:第2燃料棒、22:シンブル管、
23:上部ノズル、24:下部ノズル、25:スペーサ
4:上部炉心支持板、5:下部炉心支持板、6:制御棒駆動機構、
7:フロースカート、8:冷却材入口ノズル、9:冷却材出口ノズル、
10:燃料集合体、11:ダウンカマ、12:上部プレナム、13:下部プレナム、
21:燃料棒、21a:第1燃料棒、21b:第2燃料棒、22:シンブル管、
23:上部ノズル、24:下部ノズル、25:スペーサ
Claims (10)
- 上下方向に延びる形状を有し、互いに隣接して配置された複数の燃料棒と、
前記上下方向に延びる形状を有し、前記燃料棒と隣接して配置された複数のシンブル管とを備え、
前記複数の燃料棒は、
前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値である第1領域と、
前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、前記第1の値よりも小さい第2の値であり、前記第1領域の上方に位置する第2領域と、
を有する燃料集合体。 - 前記第1領域の少なくとも一部は、前記燃料棒間を流れる水の沸騰開始位置よりも下方に位置し、
前記第2領域の少なくとも一部は、前記燃料棒間を流れる水の沸騰開始位置よりも上方に位置する、
請求項1に記載の燃料集合体。 - 前記燃料棒の各々は、前記第1領域内において第1の直径を有し、前記第2領域内において前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、請求項1または2に記載の燃料集合体。
- 前記複数の燃料棒はさらに、前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、各燃料棒の側面がテーパー形状を有する第3領域を有する、請求項3に記載の燃料集合体。
- 前記第3領域は、前記燃料棒間を流れる水の沸騰開始位置を含む高さに位置する、請求項4に記載の燃料集合体。
- 前記複数の燃料棒は、第1の長さを有する1本以上の第1燃料棒と、前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する1本以上の第2燃料棒とを含む、請求項1または2に記載の燃料集合体。
- 前記第1燃料棒は、前記第1および第2領域の両方を有し、
前記第2燃料棒は、前記第1および第2領域のうちの前記第1領域のみを有する、
請求項6に記載の燃料集合体。 - 前記シンブル管の各々は、
前記第1領域に隣接し、第1の直径を有する第1部分と、
前記第2領域に隣接し、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2部分と、
を有する請求項6または7に記載の燃料集合体。 - 前記シンブル管の各々はさらに、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、テーパー形状の側面を有する第3部分を有する、請求項8に記載の燃料集合体。
- 原子炉容器と、
前記原子炉容器内に配置された炉心と、
前記炉心内に収容された燃料集合体とを備え、
前記燃料集合体は、
上下方向に延びる形状を有し、互いに隣接して配置された複数の燃料棒と、
前記上下方向に延びる形状を有し、前記燃料棒と隣接して配置された複数のシンブル管とを備え、
前記複数の燃料棒は、
前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、第1の値である第1領域と、
前記複数の燃料棒の前記上下方向に垂直な断面における合計断面積が、前記第1の値よりも小さい第2の値であり、前記第1領域の上方に位置する第2領域と、
を有する加圧水型原子炉。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013250986A JP2015108536A (ja) | 2013-12-04 | 2013-12-04 | 燃料集合体および加圧水型原子炉 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013250986A JP2015108536A (ja) | 2013-12-04 | 2013-12-04 | 燃料集合体および加圧水型原子炉 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2015108536A true JP2015108536A (ja) | 2015-06-11 |
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ID=53438992
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2013250986A Pending JP2015108536A (ja) | 2013-12-04 | 2013-12-04 | 燃料集合体および加圧水型原子炉 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2015108536A (ja) |
Citations (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2013
- 2013-12-04 JP JP2013250986A patent/JP2015108536A/ja active Pending
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