JP2015145014A - 走行台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化することなく鋼板に対する吸着力を増加し得るようにした走行台車を提供する。
【解決手段】鋼板Bに磁石6の吸着力を作用させて走行する走行台車Aであって、ケーシング1と、車輪21を駆動する駆動モータ22と、開口部4が設けられケーシングの内部に収容空間2を形成する底板3と、収容空間に位置移動可能に収容される磁石6と、磁石を保持した保持部材7に取り付けられ前後に傾斜部8bを設けた支持部材8と、保持部材の走行方向と交差する側面に取り付けられ支持部材を収容空間に収容したとき、レバー10がケーシングの外部に配置される操作部材と、を有し、支持部材8は傾斜部の間隔が、底部側では開口部の走行方向の寸法よりも小さく、上部側では開口部の走行方向の寸法よりも大きく形成され、該支持部材が底板に設けた開口部からケーシングの底部の下方に突出し得るように構成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、磁石や全体構造を大型化することなく、鋼板に対する吸着力を増大し得るようにした走行台車に関するものである。
溶接トーチや切断トーチを走行台車に搭載し、該走行台車の走行に伴って搭載したトーチを稼働させて鋼板に対する溶接或いは切断を行うことがある。このような走行台車は、搭載したトーチに接続されたホースや電源コードを牽引するため、大きい牽引力を発揮させることが必要である。特に、走行台車を利用して行う溶接或いは切断では、目的の作業部位に対する溶接或いは切断が終了した後、次の作業部位まで走行台車を移動させることが頻繁に行われる。この走行台車の移動は作業員が持ち上げて運搬するのが一般的であり、牽引力を必要としない。
本件出願人は、作業時には大きい牽引力を発揮し、運搬時には牽引力を低下させるようにした走行台車を提案している(例えば特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1に記載した技術では、走行台車に設けた軸に対し磁石を回動可能に装着し、作業員がレバーを操作して磁石を回動させ、磁石を被加工材に対し略水平にして接近させて大きい吸着力を作用させることで牽引力を増大させ、或いは磁石を傾斜させて吸着力を減少させることで牽引力を低下させるよう構成されている。
特許文献2に記載した技術では、ケーシングの底面に非磁性体からなる底板を取り付け、この底板に磁石を載置して吸着面を接触させることで大きい吸着力を作用させて牽引力を増大させ、ハンドルを操作して磁石の一方側を底板から離隔させて傾斜させることで吸着力を減少させて牽引力を低下させるように構成されている。
特開2009−028753号公報 実用新案登録第3170533号公報
最近では、傾斜した或いは起立した鋼板を吸着して走行しつつ、溶接や切断を行うことができる走行台車が要求されている。このような走行台車では、水平方向に配置された鋼板を吸着して走行しつつ溶接や切断を行う場合と比較して、鋼板に対する大きな吸着力が要求される。
単に吸着力を増加させるのであれば磁石の大型化をはかることで実現できるものの、磁石を収容する台車本体の大型化が必須となる。しかし、大型化した走行台車では操作性が劣化する虞があり、顧客からは走行台車の小型化が要求されているのが実情である。
本発明の目的は、大型化することなく鋼板に対する吸着力を増加し得るようにした走行台車を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る走行台車は、鋼板に対し磁石の吸着力を作用させて走行する走行台車であって、底部が開放され走行方向の前後に車輪を設けたケーシングと、前記ケーシングの内部に配置され前記車輪を駆動する駆動モータと、予め設定された寸法を有する開口部が設けられ、前記ケーシングの底部に取り付けられて該ケーシングの内部に収容空間を形成する底板と、保持部材に保持されて前記収容空間に位置移動可能に収容される磁石と、前記磁石を保持した保持部材に取り付けられ、走行方向の前後に互いの間隔が下方から上方にかけて大きくなる傾斜部を設けた支持部材と、前記磁石を保持した保持部材の走行方向と交差する側面に取り付けられ、該保持部材を取り付けた支持部材を前記収容空間に収容したとき、操作部が前記ケーシングの外部に配置される操作部材と、を有し、前記支持部材は、走行方向の前後に設けた傾斜部の間隔が、磁石の底部側では前記底板に設けた開口部の走行方向の寸法よりも小さく、磁石の上部側では前記底板に設けた開口部の走行方向の寸法よりも大きく形成されており、該支持部材が前記底板に設けた開口部から前記ケーシングの底部よりも下方に突出し得るように構成されているものである。
上記走行台車に於いて、前記支持部材は、磁石の底面と対向する底部を有しており、該底部に連続した前後に傾斜部が設けられていることが好ましい。
また、上記何れかの走行台車に於いて、前記保持部材は、走行方向の前後に高さ調整部材が設けられており、該高さ調整部材を操作することによって、磁石の底面と前記ケーシングの底部に取り付けた底板との間隔を調整し得るように構成されていることが好ましい。
本発明に係る走行台車では、台車の全体構成を大型化することなく、鋼板に対する吸着力を大きくすることが可能となる。即ち、磁石は保持部材を介して支持部材に取り付けられており、この支持部材の傾斜部がケーシングの底部に取り付けた底板の開口部の縁に接触して支持されている。特に、支持部材の前後に設けた傾斜部は、磁石の底部側では開口部の走行方向の寸法よりも小さい間隔を有し、磁石の上部側では開口部の走行方向の寸法よりも大きい間隔を有する平面や曲面、或いは平面と曲面とが組み合わされた形状に構成されている。
従って、磁石を取り付けた支持部材をケーシングの内部に構成された収容空間に収容したとき、支持部材は傾斜部の一部が底板の開口部の縁に接触して支持されることとなる。このため、磁石の底部側の支持部材が開口部からケーシングの下方に向けて突出することとなり、この突出分だけ磁石を鋼板に接近させることができ、この結果、鋼板に対する吸着力を増大することができる。従って、牽引力を増大させた走行台車を実現することができる。
また、走行すべき鋼板の表面に溶接ビードや何等かの突起等の障害物が存在した場合でも、この障害物が走行台車の走行に悪影響を与えることがない。即ち、磁石の底面側の支持部材がケーシングの下方に突出したとき、走行方向の前後には傾斜部が配置されるため、障害物には先ず傾斜部が当接する。そして、支持部材は、傾斜部の一部が開口部の縁に接触して支持されるのみであり、上方への位置の移動が自由であるため、障害物との当接に従って支持部材が上方に移動して乗り越えることができる。
また、支持部材が、磁石の底面と対向した底部を有しており、この底部に連続した前後に傾斜部が設けられるため、磁石の底面は支持部材の底部によって覆われることとなる。このため、溶接時或いは切断時にスパッタやスラグが発生しても、これらが直接磁石の底面である吸着面に付着することがない。
また、磁石を保持する保持部材に高さ調整部材が設けられているため、支持部材に於ける磁石の底面側の開口部からの突出寸法を調整することができる。このため、磁石と鋼板との間隔を調整して吸着力を調整することができる。
走行台車の構成を説明する三面図である。 レバーの操作と長穴の関係を説明する図である。 走行台車の走行状態を説明する図である。 保持部材が障害物に衝突したときの状態を説明する図である。 保持部材が障害物を乗り越える状態を説明する図である。 保持部材が障害物を乗り越えた状態を説明する図である。
本発明に係る走行台車について説明する。本発明に係る走行台車は、鋼板上を走行する際に磁石の吸着力による牽引力を作用させることで、安定した走行を実現するものであり、特に、全体構造を大きくすることなく吸着力を向上させるようにしたものである。走行台車に搭載され該走行台車の走行に伴って目的の作業を行うための作業部材としては、限定するものではなく、例えば、鋼板を溶接するための溶接トーチや鋼板を切断するための切断トーチがある。また、鋼板上を走行しつつ溶射する装置や塗装を行う塗装装置であっても良い。
本発明に係る走行台車では、磁石を大きくすることなく吸着力を向上させるために、磁石を保持した保持部材に取り付けた支持部材をケーシングの底面から突出させることで、磁石を鋼板に接近させている。磁石を鋼板に対して接近させる場合、両者の離隔距離は限定するものではなく、可及的に小さくすることが好ましい。
しかし、支持部材が鋼板に対して接近するほど、該鋼板上に存在する溶接ビードやスパッタ等の障害物と衝突する虞が生じるため、支持部材は上下方向への移動と傾斜の自由度が高いことが好ましい。支持部材を上下方向に自由に移動させる機構や、自由に傾斜させる機構は特に限定するものではなく、例えばバネによって支持部材或いは磁石を保持する保持部材を付勢する機構であって良い。
また、支持部材の走行方向の前後に下方から上方にかけて互いの離隔距離が大きくなるような傾斜部を形成し、ケーシングの底板に支持部材の傾斜部を係止するための開口部を形成し、傾斜部の一部が開口部の縁に接触して支持されるように構成しても良い。この場合、開口部の寸法と支持部材の傾斜部の傾斜角度に応じて、支持部材の突出寸法が規定される。支持部材の前後に形成する傾斜部の形状は限定するものではなく、傾斜方向に沿って直線的な平面や、曲線的な曲面、或いは平面と曲面とが組み合わされた形状であって良い。
また、対象となる作業の種類に応じて最適な吸着力を発揮し得るように、支持部材のケーシングからの突出寸法は調整可能であることが好ましい。このため、磁石を保持する保持部材に高さ調整部材を設け、該高さ調整部材を操作することで、支持部材の鋼板からの距離を適宜設定し得るように構成されている。
磁石による鋼板に対する吸着力の作用方向と、走行台車の走行方向とは互いに直交するように構成されている。このため、走行台車の走行に伴って生じる力をケーシングに伝えて支持することが必要である。この力を伝えるための構造は特に限定するものではなく、例えば支持部材を底板に当接させる構造、或いは保持部材と操作部材との接合部をケーシングに当接させる構造、などの構造によって磁石の吸着に伴って生じる力をケーシングに伝達することが可能である。
次に、本実施例に係る走行台車Aの構成について説明する。先ず、走行台車Aの全体構成について図1〜図3により簡単に説明する。走行台車Aは、水平に配置された鋼板Bに載置され、該鋼板Bから起立した図示しない鋼板に沿って矢印a、b方向(以下、矢印a方向を前方、矢印b方向を後方ということもある)に走行可能しつつ、両鋼板が交差した隅部に溶接し得るように構成されている。特に、大型化をはかることなく、鋼板Bに対する吸着力を増大させてより大きな牽引力を発揮することが可能である。
従って、後述するトーチホルダー31aには図示しない溶接トーチが取り付けられ、この溶接トーチにはガスを供給するホースや溶接線が通るホースや電源コード等のホース類が接続される。しかし、トーチホルダー31aに取り付けるべきトーチは溶接トーチにのみ限定されるものではなく、ガス切断トーチやプラズマ切断トーチ等の切断トーチであっても取り付けることが可能である。この場合、走行台車Aの所定位置にはガスを供給するための弁機構や、通電するためのキャップタイヤケーブルの中継部材などの選択された切断トーチに特有の機構や部材が搭載され、且つ必要なガスを供給するホースや電源コード等のホース類が接続される。
走行台車Aは、上部がカバー1aによって覆われたケーシング1を有している。このケーシング1の走行方向である前後方向の両端側に複数の車輪21が回転可能に配置されている。車輪21の少なくとも1個は駆動モータ22によって駆動される駆動輪として構成され、他の車輪21は従動輪として構成されている。しかし、車輪21のうちのいくつを駆動輪とするかは限定するものではなく、2個の車輪或いは4個の車輪を駆動輪として構成しても良い。
カバー1aの上面には、電源コードを接続するためのソケット23、走行台車Aの動作を操作するための押ボタンスイッチ24、走行台車Aの走行方向を設定し且つ走行を停止させるスナップスイッチ25、速度を調整するためのダイヤル26、走行台車Aの動作モードを表示するためのLED27が設けられており、内部には走行台車Aの動作を制御するための制御装置28が設けられている。
ケーシング1の一方側の側面には、走行方向前後の両端部分に夫々ガイドローラ30aが配置されている。これらのガイドローラ30aは、夫々伸縮可能に構成されたアーム30bの先端に回転可能に設けられており、隅肉溶接を実行する際には、鋼板Bに起立して配置された鋼板の表面に接触して走行台車Aの走行を案内し得るように構成されている。
走行台車Aを構成するケーシング1の前後方向の何れかの端部(本実施例では後方側の端部)に図示しないトーチを取り付けるトーチホルダー31aを有するトーチ調整装置31が設けられている。このトーチ調整装置31では、走行台車Aの略中央で且つガイドローラ30a側にトーチホルダー31aが配置されており、該トーチホルダー31aの出入り及び上下の位置を調整することでトーチの位置を溶接するのに最適な位置に調整することが可能である。
ケーシング1の底部にはアルミニウムや銅或いは合成樹脂等の非磁性体からなる底板3が設けられている。また、駆動モータ22はケーシング1の内部であって上方に傾斜した状態で配置され、該駆動モータ22の駆動軸に固定した歯車22aが車輪21の駆動軸21aに固定された歯車21bに噛合している。
底板3の所定位置には、後述する磁石体Cの寸法に対応させて予め設定された寸法を有する開口部4が形成されており、該開口部4に向かって傾斜部3aが形成されている。このため、傾斜部3aがケーシング1から外部に向けて突出するようにして底板3をケーシング1の底部に取り付けたとき、底部が底板3によって規定されると共に上部が駆動モータ22によって規定された収容空間2が形成される。
従って、収容空間2はケーシング1の底部を結ぶ線よりも外部に向けて突出することとなり、走行台車Aを鋼板Bに載置したとき、底板3に形成した開口部4がケーシング1の底部よりも鋼板Bに接近することとなる。しかし、収容空間2の形状や寸法は限定するものではなく、収容すべき磁石体Cの形状や寸法、及び磁石体Cが移動するのに必要な寸法等の条件に応じて設定することが好ましい。
磁石6は箱状に形成された保持部材7によって上面、及び前後左右の側面が囲まれた状態で保持され、下面側に配置された支持部材8が保持部材7に取り付けられて支持されることで、保持部材7、支持部材8によって全面が露出することなく保護されている。従って、磁石6は、保持部材7、支持部材8と共に一つの組立体(以下「磁石体C」ということもある)として構成されている。
保持部材7の走行方向に沿った側面には、操作部材となるレバー10を取り付けるためのボルト10aが締結される複数のねじ穴7aが形成されている。また、ケーシング1の走行方向に沿った側面であって保持部材7のねじ穴7aと対向する位置には、ボルト10aが貫通するための長穴11が上下方向に一対形成されている。
そして、磁石体Cを収容空間2に収容すると共にケーシング1とレバー10の間にスペーサ10bを介在させた後、ボルト10aをレバー10、スペーサ10b、長穴11に挿通させて保持部材7のねじ穴7aに締結している。従って、レバー10は、ケーシング1との間にスペーサ10bの厚さに相当する距離だけ離隔して配置されて磁石体Cと一体化している。
作業員が操作部材の操作部となるレバー10のハンドルを把持して図2に実線又は二点鎖線で示すように操作することで、磁石体Cの姿勢を鋼板Bに対し平行に、或いは傾斜させることで、磁石6の鋼板Bに対する吸着力を変化させることが可能である。
支持部材8は、磁石6の底面と対向する底部となり、保持部材7の下面を覆うのに必要な寸法を持った平面部8aと、該平面部8aの前後に形成され互いに下方から上方にかけて互いの間隔が大きくなるように傾斜する傾斜部8bと、を有して形成されている。また、支持部材8の平面部8aと傾斜部8bの側面には、上方に向けた起立片(図示せず)が形成されており、支持部材8は全体としてトレイ状に形成されている。
支持部材8の幅方向の寸法(図示しない起立片の外側寸法)は、ケーシング1の底部に取り付けた底板3の開口部4の幅寸法よりも僅かに小さい。また、支持部材8の平面部8aの前後方向の寸法は開口部4の前後方向の寸法よりも充分に小さく、傾斜部8bの最上端どうしの間隔は開口部4の前後方向の寸法よりも充分に大きくなるように、平面、曲面或いは平面と曲面とが組み合わされた形状で形成されている。
このため、磁石体Cを収容空間2に収容したとき、磁石体Cは支持部材8の平面部8aが底板3の開口部4を通過し、傾斜部8bの一部が開口部4の前後方向の縁に接触した支持される。即ち、磁石体Cの底板3からの突出寸法は、平面部8aの前後方向の寸法と開口部4の前後方向の寸法によって規定される。
本発明に於いて、平面部8aの前後方向の寸法や傾斜部8bの最上端どうしの間隔は限定するものではなく、開口部4の前後方向の寸法や、底板3から鋼板Bまでの間隔等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。
しかし、磁石体Cの底板3からの突出寸法を予め調整しておくことが好ましい場合がある。このため、保持部材7の前後の側面には高さ調整部材13が設けられている。この高さ調整部材13は、保持部材7に固定されたブラケット13aと、ブラケット13aに螺合する複数のボルト13bと、によって構成されている。ボルト13bはブラケット13aの上方から下方に向けて突出するように螺合し、先端がケーシング1の底部に取り付けた底板3に当接することで、磁石体Cの底板3に対する高さ(底板3から外部に突出する寸法)を調整することが可能である。
次に、上記の如く構成された走行台車Aによって鋼板B上を走行する際に、鋼板B上にスパッタやビード或いは置き忘れた板材等の障害物Dが存在した場合に、この障害物Dに衝突した磁石体Cの動作について図3〜図6により説明する。
先ず、図3に示すように、予め磁石体Cを収容空間2に収容し、高さ調整部材13のボルト13bを操作して磁石体Cのケーシング1に取り付けた底板3からの突出寸法を調整する。このとき、磁石体Cを底板3からどの程度突出せるかは限定するものではなく、走行台車Aに搭載するトーチの性格や鋼板Bの水平線に対する傾き等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、走行台車Aが溶接トーチを搭載しており、鋼板Bが垂直を含む急角度に傾斜しているような場合、磁石体Cと鋼板Bとの間隔が約1mm程度になるように高さ調整部材13を操作して調整しておくことが好ましい。
高さ調整部材13によって磁石体Cの底板3からの突出寸法を調整する。このとき、磁石体Cを構成する支持部材8の傾斜部8bと開口部4の前後方向の縁との間には隙間が構成される。その後、走行台車Aを鋼板Bに載置し、図示しない溶接トーチによる溶接を開始させて矢印a方向への走行を開始させる。これにより、走行台車Aが走行し、この走行に伴って目的の溶接を実行する。走行台車Aが走行を開始した時点では障害物Dは前方にあり、磁石体Cは鋼板Bとの間に予め設定された間隔を保持している。
このとき、鋼板Bには磁石体Cの吸着力が作用し、この吸着力の作用方向は走行台車Aの走行方向と直交することとなる。このため、走行台車Aの走行により、ケーシング1に形成した長穴11が、該長穴11に挿通されているボルト10aと当接し、該ボルト10aを介して磁石体Cを引きずるようにして走行を継続する。
走行台車Aが矢印a方向に走行し、図4に示すように、磁石体Cを構成する支持部材8の傾斜部8bが先ず最初に障害物に衝突する。しかし、支持部材8が障害物Dに衝突した瞬間に多少の衝撃が生じるものの、走行台車Aの引き続く矢印A方向への走行が継続される。
走行台車Aの引き続く走行に伴って、図5に示すように、磁石体Cを構成する支持部材8の傾斜部8bは障害物Dの表面に沿って滑ることで、支持部材8が障害物Dに乗り上げる。このとき、磁石体Cは後方の高さ調整部材13を構成するボルト13bの底板3に対する接触を保持しており、前方の高さ調整装置13が底板3から浮き上がって傾斜することとなる。
走行台車Aの更なる矢印a方向への走行に伴って、図6に示すように、磁石体Cは障害物Dの上表面に乗り上がることとなる。このとき、磁石体Cを構成する支持部材8の平面部8aは鋼板Bの表面と略平行となる。従って、磁石体Cとレバー10を一体化させているボルト10aは、一対の長穴11に沿って上方に移動することとなる。
上記の如く構成された走行台車Aでは、ケーシング1の底部に取り付けた底板3と鋼板Bとの間隔の如何に関わらず、磁石体C(磁石6)の鋼板Bに対する間隔を小さくすることが可能となる。このため、磁石のサイズ、ひいてはケーシング1の大きさを大きくすることなく、吸着力を増大させることが可能となる。
また、磁石6、保持部材7、支持部材8を一体化させた磁石体Cが、収容空間2に収容されたとき、該収容空間2の内部で位置移動可能に構成されている。このため、磁石体Cが鋼板B上に存在する障害物Dと衝突した場合でも、上下に移動して障害物Dを乗り越えることが可能となる。
本発明に係る走行台車は、溶接用に限定することなく、切断用に利用して有利である。
A 走行台車
B 鋼板
C 磁石体
D 障害物
1 ケーシング
1a カバー
2 収容空間
3 底板
3a 傾斜部
4 開口部
6 磁石
7 保持部材
7a ねじ穴
8 支持部材
8a 平面部
8b 傾斜部
10 レバー
10a ボルト
10b スペーサ
11 長穴
13 高さ調整部材
13a ブラケット
13b ボルト
21 車輪
21a 駆動軸
21b、22a 歯車
22 駆動モータ
23 ソケット
24 押ボタンスイッチ
25 スナップスイッチ
26 ダイヤル
27 LED
28 制御装置
30a ガイドローラ
30b アーム
31 トーチ調整装置
31a トーチホルダー

Claims (3)

  1. 鋼板に対し磁石の吸着力を作用させて走行する走行台車であって、
    底部が開放され走行方向の前後に車輪を設けたケーシングと、
    前記ケーシングの内部に配置され前記車輪を駆動する駆動モータと、
    予め設定された寸法を有する開口部が設けられ、前記ケーシングの底部に取り付けられて該ケーシングの内部に収容空間を形成する底板と、
    保持部材に保持されて前記収容空間に位置移動可能に収容される磁石と、
    前記磁石を保持した保持部材に取り付けられ、走行方向の前後に互いの間隔が下方から上方にかけて大きくなる傾斜部を設けた支持部材と、
    前記磁石を保持した保持部材の走行方向と交差する側面に取り付けられ、該保持部材を取り付けた支持部材を前記収容空間に収容したとき、操作部が前記ケーシングの外部に配置される操作部材と、を有し、
    前記支持部材は、走行方向の前後に設けた傾斜部の間隔が、磁石の底部側では前記底板に設けた開口部の走行方向の寸法よりも小さく、磁石の上部側では前記底板に設けた開口部の走行方向の寸法よりも大きく形成されており、該支持部材が前記底板に設けた開口部から前記ケーシングの底部よりも下方に突出し得るように構成されていることを特徴とする走行台車。
  2. 前記支持部材は、磁石の底面と対向する底部を有しており、該底部に連続した前後に傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載した走行台車。
  3. 前記保持部材は、走行方向の前後に高さ調整部材が設けられており、該高さ調整部材を操作することによって、磁石の底面と前記ケーシングの底部に取り付けた底板との間隔を調整し得るように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載した走行台車。
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