JP2015199057A - 分散型高分子凝集剤、土壌固化剤及び凝集沈殿剤、並びに放射性物質の汚染拡大防止方法と汚染土壌の除染方法、植生基盤造成方法及び水浄化方法 - Google Patents
分散型高分子凝集剤、土壌固化剤及び凝集沈殿剤、並びに放射性物質の汚染拡大防止方法と汚染土壌の除染方法、植生基盤造成方法及び水浄化方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】カチオン性高分子とアニオン性高分子とを含み、どちらかの高分子を第1の高分子とし、もう一方の高分子を第2の高分子としたときに、第1の高分子の配合量(C1)を第1の高分子が有するイオン当量質量(EW1)で除算した値(C1/EW1)と、第2の高分子の配合量(C2)を第2の高分子が有するイオン当量質量(EW2)で除算した値(C2/EW2)とが(C1/EW1)/(C2/EW2)>1の関係を満たすように、第1の高分子が第2の高分子よりも過剰に配合されており、且つ、沈殿物を生成しない、不透明又は乳白色のコロイド水溶液。
【選択図】図1
Description
[1]本発明は、カチオン性高分子とアニオン性高分子とを含む水溶液の分散型高分子凝集剤であって、前記カチオン性高分子及び前記アニオン性高分子は、どちらかの高分子を第1の高分子とし、もう一方の高分子を第2の高分子とし、前記第1の高分子の配合量(C1)を前記第1の高分子が有するイオン当量質量(EW1)で除算した値(C1/EW1)と、前記第2の高分子の配合量(C2)を前記第2の高分子が有するイオン当量質量(EW2)で除算した値(C2/EW2)とが(C1/EW1):(C2/EW2)=1:1の場合に電荷比が1であるとしたときに、(C1/EW1)/(C2/EW2)>1の関係を満たすように、前記第1の高分子が前記第2の高分子よりも過剰に配合されており、且つ、前記水溶液は沈殿物を生成しない、不透明又は乳白色のコロイド水溶液であることを特徴とする分散型高分子凝集剤を提供する。
[2]本発明は、前記コロイド水溶液が、前記カチオン性高分子又は前記アニオン性高分子に含まれる対イオン以外の塩として塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムから選択される塩の少なくとも1種を含み、前記コロイド水溶液の全量を100質量部としたときに、前記塩を構成するカチオン及びアニオンを合わせたイオンの全濃度が1.5質量%未満であることを特徴とする前記[1]に記載の分散型高分子凝集剤を提供する。
[3]本発明は、前記第1の高分子が前記第2の高分子に対して、前記(C1/EW1)を前記(C2/EW2)で除算した値である電荷比が2倍以上となる配合量であり、且つ、前記コロイド水溶液には前記カチオン性高分子又は前記アニオン性高分子に含まれる対イオン以外の塩が含まれないことを特徴とする前記[2]に記載の分散型高分子凝集剤を提供する。
[4]本発明は、前記第1の高分子を前記第2の高分子に対して過剰に配合するときの配合量の上限値が、前記コロイド水溶液が沈殿物を形成しない半透明又は乳白色の均一状態を維持することができるまでの配合量であることを特徴とする前記[1]〜[3]の何れかに記載の分散型高分子凝集剤を提供する。
[5]本発明は、前記カチオン性高分子が、カチオン化セルロース、カチオン化でんぷん、アミノ基を有する高分子若しくは4級アンモニウム塩の高分子から選択される少なくとも1種であり、前記アニオン高分子が、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、リグニンスルホン酸及びその塩、ポリアクリル酸及びその塩、ポリスルホン酸及びその塩から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]〜[4]の何れかに記載の分散型高分子凝集剤を提供する。
[6]本発明は、前記[1]〜[5]の何れかに記載の分散型高分子凝集剤において、前記コロイド水溶液が、前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子を前記コロイド水溶液100mlに対して質量で0.5gを超え10g以下の範囲で含有することを特徴とする土壌固化剤を提供する。
[7]本発明は、前記[1]〜[5]の何れかに記載の分散型高分子凝集剤において、前記コロイド水溶液は、前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子を前記コロイド水溶液100mlに対して質量で0.1gを超え10g以下の範囲で含有することを特徴とする凝集沈殿剤を提供する。
[8]本発明は、前記[1]〜[5]の何れかに記載の分散型高分子凝集剤から水を除去した後に残留物として得られる固形物又は該固形物を粉砕加工して得られる粉状体であることを特徴とする凝集沈殿剤を提供する。
[9]本発明は、放射性セシウムにより汚染された土壌に、前記[6]に記載の土壌固化剤を散布した後、前記土壌を固定させることによって放射性物質の移動及び拡散を防止する放射性物質の汚染拡大防止方法を提供する。
[10]本発明は、放射性セシウムにより汚染された土壌に、前記[6]に記載の土壌固化剤を散布して前記土壌の少なくとも一部を固定させた後、前記土壌の表層を剥離除去することを特徴とする汚染土壌の除染方法を提供する。
[11]本発明は、放射性セシウムにより汚染された土壌に、粘土微粒子を有する懸濁液と前記[6]に記載の土壌固化剤とをこの順に散布することによって、放射性セシウムを前記粘土微粒子中に取り込み、当該放射性セシウムを取り込んだ粘土微粒子を含む土壌を固化させることによって放射性物質の移動及び拡散を防止する放射性物質の汚染拡大防止方法を提供する。
[12]本発明は、前記粘土微粒子が、ベントナイト及びゼオライトの少なくとも何れか1つであることを特徴とする前記[11]に記載の放射性物質の汚染拡大防止方法を提供する。
[13]本発明は、前記粘土微粒子を有する懸濁液が、前記粘土微粒子を0.05〜5質量%含有する水溶液であることを特徴とする前記[11]又は[12]に記載の放射性物質の汚染拡大防止方法を提供する。
[14]本発明は、放射性セシウムにより汚染された土壌に、粘土微粒子を有する懸濁液と前記[6]に記載の土壌固化剤とをこの順に散布することによって、放射性セシウムを前記粘土微粒子中に取り込み、当該放射性セシウムを取り込んだ粘土微粒子を含む土壌を前記土壌固化剤によって前記土壌の少なくとも一部を固化させた後、前記土壌の表層を剥離除去することを特徴とする汚染土壌の除染方法を提供する。
[15]本発明は、前記粘土微粒子が、ベントナイト及びゼオライトの少なくとも何れか1つであることを特徴とする前記[14]に記載の汚染土壌の除染方法を提供する。
[16]本発明は、前記粘土微粒子を有する懸濁液が、前記粘土微粒子を0.05〜5質量%含有する水溶液であることを特徴とする前記[14]又は[15]に記載の汚染土壌の除染方法を提供する。
[17]本発明は、前記[6]に記載の土壌固化剤を被施工面の土壌に吹き付けて該土壌の表層を固化することによって、前記施工面の土壌を造成し緑化を行うことを特徴とする植生基盤造成方法を提供する。
[18]本発明は、汚染水又は排水に前記[7]又は[8]に記載の凝集沈殿剤を混入させ、前記汚染水又は排水に含まれる帯電浮遊粒子を沈殿させることによって水浄化を行うことを特徴とする水浄化方法を提供する。
本発明の分散型高分子凝集剤を土壌固定化剤として使用するときは、前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子を前記コロイド水溶液100mlに対して質量で0.5g[0.5%(w/v=質量/容量)]を超え10g[10%(w/v=質量/容量)]以下の範囲で含有するコロイド水溶液を用いる。前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子の含有量が0.5%(w/v)を超えるときに土壌固化剤として所望の凝集力が得られるため、散布回数を少なくすることができ、簡便な処理を行うのに適している。また、土壌固定した後の土壌連続層の広さと厚さを調整しやすくなり、数cm厚の土壌の固定化も可能となる。この含有量が10%(w/v)以下であると前記コロイド水溶液の粘度の大幅な上昇を抑制できるため、液の散布性と取扱い性が向上するだけでなく、土壌への浸透性を高めることができる。加えて、液中に含まれるカチオン及びアニオンの濃度を低く設定できるため、環境に対する負荷を小さくできる。この含有量が10%(w/v)を超えると、前記コロイド水溶液を長期間保管したときに沈殿物が生成する場合もあり、液の管理と調整が難しくなるという問題が起きやすい。さらに、土壌への浸透性が顕著に低下し、固定できる土壌の厚さが制約を受けるようになり、効率的な土壌固定ができなくなる。
本発明の土壌固化剤を放射性物質の汚染拡大防止方法として適用するときは、前記コロイド水溶液において前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子の含有量を前記コロイド水溶液100mlに対して質量で0.5%(w/v)を超え10%(w/v)以下に規定するだけでなく、4〜30℃における粘度を0.1〜100mPa・sの範囲に調整することが好ましい。
上記で説明したような配合比率に基づいて、カチオン性高分子とアニオン性高分子とを含む水溶液を調整するとともに、水中に前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせたイオン性高分子の含有量を上記で説明したような電荷比の範囲に規定した本発明の土壌固化剤を調整する。また、塗布又は散布を容易に、且つ確実に行うために、土壌固化剤の水溶液の粘度の調整も行う。ここで使用する土壌固化剤には新たに塩が添加されないが、必要であれば、土壌固化剤に含まれるカチオン及びアニオンを合わせたイオンの全濃度が4.0質量%未満に収まるように、1.5質量%未満の範囲で新たな塩を添加しても良い。また、前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子及び/又は塩の成分の他にも、必要に応じて、高分子接着剤、可塑剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、防腐剤、着色剤、又は防臭剤等を配合することができる。
上記(S1)で調整した土壌固化剤は、放射性物質が付着した土壌へ室温(通年で4〜30℃の範囲)で散布又は塗布される。散布又は塗布は、汚染土壌の場所や設置形態に応じて、吹き付け法、流し込み法又は刷毛塗り法等によって行われるが、広範囲の除染を行う場合にはスプレー等による吹き付け法が一般的に使用される。また、散布又は塗布において、本発明の土壌固化剤をあらかじめ加温して粘度調整することができる。さらに、散布又は塗布のときに、加温できる塗布装置又はスプレー装置を用いても良い。
上記(S2)の工程の後、本発明の土壌固化剤を乾燥して水又は水系媒体を揮散させる。乾燥は、外気温度で所定時間(通常は1時間〜1週間)行われるが、必要に応じて、塗布又は散布場所に熱風を加えて乾燥を速める方法を採用しても良い。本発明は、乾燥時間として通常、2〜3日あれば剥離を行うことができ、気温が高ければ、最短1日で剥離作業を開始することができる。
本発明の土壌固化溶液を乾燥後、前記イオン性高分子によって固定された汚染土壌からなる連続層が土壌表面及びその近くに形成される。前記連続層の厚さは数mm〜100mm位の範囲であり、通常は数十mmで形成される。
粘土微粒子を有する懸濁液の散布又は塗布する本工程は、図2に示すように上記(S2)の工程の前に行うのが最も効果的である。粘土粒子による放射性物質の選択的な吸着及び捕捉を促進させるため、前記粘土粒子を放射性物質を含む土壌とできるだけ直に接触させる必要があるためである。本工程の後、粘土粒子を含む土壌が完全に乾燥する前に上記(S2)〜(S4)の工程を経ることによって粘土粒子を含む土壌が確実に固化されるため、放射性物質の外部への漏れや飛散を抑制することができる。このとき、必要であれば、本工程の後、長期間放置や熱風等を利用した乾燥工程を導入して土壌をほぼ完全に乾燥させた後、上記(S2)の工程において土壌固化剤の散布又は塗布を行っても良い。本工程において散布又は塗布は、上記(S2)の工程の場合と同じように、汚染土壌の場所や設置形態に応じて、吹き付け法、流し込み法又は刷毛塗り法等によって行われる。本発明の汚染拡大防止方法においては、放射性セシウム等の放射性物質を補足して取り込む効果が高いことから、本発明の土壌固化剤とともに、前記粘土微粒子を有する懸濁液を使用することが好ましい。
本発明の土壌固化剤を使用した汚染土壌の除染方法の工程を、図3を参照しながら説明する。図3に示すように、本発明による汚染土壌の除染方法は、図2に示す(S1)〜(S5)の工程と同じ工程を経て、汚染土壌からなる連続層の形成を行う。その後、以下の(S6)〜(S9)の工程を追加して、汚染土壌を剥離又は除去して除染を行う。ここで、本発明の土壌固化剤を放射性物質の汚染土壌の除染方法として適用するときは、前記の汚染拡大防止方法と同じように、前記コロイド水溶液において前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子の含有量を0.5〜10%(w/v)に規定するだけでなく、4〜30℃における粘度を0.1〜100mPa・sの範囲に調整することが好ましい。
本発明の土壌固化剤で固定された汚染土壌からなる連続層は、手動で又は剥離装置を用いて剥離する。前記連続層は薄膜であるために容易に剥離することができる。剥離装置は、前記の連続層の片面を固定した後、この固定面又は固定点を起点にしてゆっくりと移動させながら剥離操作を行うものを用いても良い。本発明においては、前記剥離層が剥離に十分に耐えうるような強度と適度の弾性を有するため、操作性と作業性に優れる。また、必要に応じて、前記連続層の剥離部分に熱風又は寒風を当てながら剥離を行っても良い。熱風は、水又は水系媒体の揮散のため又は前記連続層に柔軟性を持たせるために使用する。寒風は、逆に、前記の連続層をやや固くして、剥離時の強度を上げるときに使用する。
上記の(S6)の工程で剥離、除去した後、土壌固化剤で固定された汚染土壌からなる連続層はセシウム等の放射性物質を含むため、放射性物質が外部へ飛散又は漏洩しないような処置が施された場所に集めて保管、保存される。最終的に、人体に全く影響が出ないレベルに放射線量の低減が確認される段階まで密閉状態で保管・保存された後、通常の土壌として戻されるか、又は産業廃棄物として廃棄される。
この工程は、前記汚染土壌を減容化するために行うものであり、次の2つの方法を採用することができる。第1の方法として、上記(S6)の工程において剥離、除去された前記汚染土壌を十分に乾燥・固化させた後、固化した汚染土壌の篩分け選別を行う。篩分けは、所定のメッシュ径を有するアルミニウム等の金属製の篩を用いて、固化した土壌部分のみを選り分けて除去する。この第1の方法において篩から落ちた固化していない土壌は元の場所に戻して再利用し、篩に残存している固化した大粒径の土壌の塊のみを保管又は保存する。本発明では上記(S5)の工程を導入したときに、本発明の土壌固化剤とともに前記汚染土壌に含まれるゼオライトやベントナイト等の粘土微粒子によってセシウム等の放射性物質を吸着、捕捉する効果が得られため、前記放射性物質のほとんどは固化した大粒径の土壌の塊に残存することになる。他方、篩から落ちた固化していない土壌は、放射性物質の除去率が約80%以上と非常に高くなる。このようにして、後述する(S9)の工程で大粒径の土壌塊のみを別の場所に保管、保存し、前記汚染土壌の減容化を図ることができる。したがって、前記汚染土壌の減容化を実現するために実施する第1の方法は、上記(S5)の工程を導入することにより大きな効果を得ることができる。
前記(S8)の工程において、第1の方法によって篩分けされた大粒径の土壌の塊のみを別の場所に移して隔離した状態で保管、保存する。同様に、第2の方法によって分級し、選別された粘土質の微粒子成分についても隔離した状態で保管・保存する。
本発明の土壌固化剤を適用する別の土壌固定化方法として、植生基盤造成方法について説明する。
本発明の分散型高分子凝集剤は、前記の土壌固化剤としてだけでなく、生活排水及び産業排水の水浄化法に適用する凝集沈殿剤として適用することができる。水浄化の対象は特に制限されないが、下水、し尿及び産業用排水中の帯電浮遊粒子を凝集させて取り除くために使用するだけでなく、汚泥を含む各種の排水又は廃水にも使用することができる。例えば、生活廃水処理汚泥、食品工場廃水処理汚泥、化学工場廃水処理汚泥、養豚場排水処理汚泥、パルプ又は製紙工場汚泥、一般産業排水で発生する有機汚泥及び凝集沈降汚泥を含む混合汚泥等へ適用が可能である。
アニオン性高分子として下記の(1)式で示されるカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(ダイセル化学工業株式会社商品名CMCダイセル1220:分子量16万〜38万、以下CMCと略す。)と、カチオン性高分子として下記の(2)式で示されるポリジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩(あるいはクロリド)(センカ株式会社商品名ユニセンスFPA1001L:分子量10〜50万、以下PDADMACと略す。)とを用い、ポリアニオン過剰(CMC過剰)又はポリカチオン過剰(PDADMAC過剰)の水溶液をそれぞれ作成し、ポリイオンコンプレックス水溶液とした。
アニオン性高分子として上記の(3)式で示されるPAANaとカチオン性高分子として上記の(2)式で示されるPDADMACとを用い、ポリアニオン(PAANa)過剰又はポリカチオン(PDADMAC)過剰の水溶液をそれぞれ作成し、ポリイオンコンプレックス水溶液とした。PAANaは純度が高く、前記(3)式に示す繰返し構成単位あたりの電荷が1当量で存在するため、イオン当量質量(EW2)は94g/1当量で計算でき、これは繰り返し構成単位の分子量と同じ94(g/mol)になる。
実施例1の分散高分子凝集剤において、高分子濃度を1%(w/v)に調整したコロイド水溶液を用いて、セシウム等の放射性物質で汚染された土壌の上から、室温(約20℃)において5L/m2の条件でスプレー装置によって均一に塗布し、室温で3日間放置して分散型高分子凝集剤中のイオン性高分子で固定された汚染土壌からなる連続層を形成した後、前記連続層の剥離を行った。初期の汚染土壌表面と前記の連続層を剥離した後の土壌表面について、それぞれの放射線量を測定した結果、初期に対する剥離後の放射線量の割合は20%であり、除染率は80%であった。
粘土粒子としてベントナイトの一種であるベントナイトドンミン((株)ボルクレイ・ジャパン製)を0.5質量%含む懸濁水溶液を5L/m2の条件でスプレー装置によって土壌の上から均一に散布した後、実施例17と同じ方法で実施例1の分散型高分子凝集剤のコロイド水溶液を土壌の上から均一に散布した。室温で3日間放置した後、前記ベントナイト粒子を含み、分散型高分子凝集剤中のイオン性高分子によって固定された汚染土壌からなる連続層を形成した後、前記連続層の剥離を行った。初期の汚染土壌表面と前記の連続層を剥離した後の土壌表面について、実施例17と同じ方法で放射線量を測定した結果、初期に対する剥離後の放射線量の割合は10%であり、除染率は90%であった。このように、本発明の分散型高分子凝集剤を散布し、その後にベントナイト等の粘土粒子を含有する懸濁液を散布することによって、汚染土壌の除染率を高める効果のあることが確認された。また、本発明では、粘土粒子としてベントナイトに代えてゼオライトを使用しても、放射線量の低減ができることを確認している。
アニオン性高分子として上記(1)式で示されるCMC(分子量:約111万)を、カチオン性高分子として上記(2)式で示されるPDADMACを用いた。PDADAMACについては、分子量の異なる1001L(分子量:10万〜50万)と1002L(分子量:50万〜100万)を実験に供した。PDADMACは0.06モル/L、CMCは0.0035モル/Lになるように調整し、両者の電荷比がPDADMAC:CMC=1:5となるように、PDADMAC水溶液を撹拌しながらCMC水溶液を加えた。この水溶液に水を加えて、PDADMACとCMCを合わせた高分子濃度が0.2%(w/v)となるようにアニオン過剰のコロイド水溶液を調整した。また、比較例として、PDADMAC1001L及びPDADMAC1002がそれぞれ単独で0.2%(w/v)含まれる水溶液を比較例3及び比較例4として使用した。PDADMAC1001L及びPDADMAC1002のそれぞれに、前記の方法に従ってCMCを電荷比がPDADMAC:CMC=1:5となるように添加して調整したコロイド水溶液をそれぞれ実施例19及び実施例20とする。
Claims (18)
- カチオン性高分子とアニオン性高分子とを含む水溶液の分散型高分子凝集剤であって、前記カチオン性高分子及び前記アニオン性高分子は、どちらかの高分子を第1の高分子とし、もう一方の高分子を第2の高分子とし、前記第1の高分子の配合量(C1)を前記第1の高分子が有するイオン当量質量(EW1)で除算した値(C1/EW1)と、前記第2の高分子の配合量(C2)を前記第2の高分子が有するイオン当量質量(EW2)で除算した値(C2/EW2)とが(C1/EW1):(C2/EW2)=1:1の場合に電荷比が1であるとしたときに、(C1/EW1)/(C2/EW2)>1の関係を満たすように、前記第1の高分子が前記第2の高分子よりも過剰に配合されており、且つ、前記水溶液は沈殿物を生成しない、不透明又は乳白色のコロイド水溶液であることを特徴とする分散型高分子凝集剤。
- 前記コロイド水溶液は、前記カチオン性高分子又は前記アニオン性高分子に含まれる対イオン以外の塩として塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムから選択される塩の少なくとも1種を含み、前記コロイド水溶液の全量を100質量部としたときに、前記塩を構成するカチオン及びアニオンを合わせたイオンの全濃度が1.5質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の分散型高分子凝集剤。
- 前記第1の高分子は前記第2の高分子に対して、前記(C1/EW1)を前記(C2/EW2)で除算した値である電荷比が2倍以上となる配合量であり、且つ、前記コロイド水溶液には前記カチオン性高分子又は前記アニオン性高分子に含まれる対イオン以外の塩が含まれないことを特徴とする請求項2に記載の分散型高分子凝集剤。
- 前記第1の高分子を前記第2の高分子に対して過剰に配合するときの配合量の上限値は、前記コロイド水溶液が沈殿物を形成しない半透明又は乳白色の均一状態を維持することができるまでの配合量であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の分散型高分子凝集剤。
- 前記カチオン性高分子が、カチオン化セルロース、カチオン化でんぷん、アミノ基を有する高分子若しくは4級アンモニウム塩の高分子から選択される少なくとも1種であり、
前記アニオン高分子が、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、リグニンスルホン酸及びその塩、ポリアクリル酸及びその塩、ポリスルホン酸及びその塩から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の分散型高分子凝集剤。 - 請求項1〜5の何れかに記載の分散型高分子凝集剤において、前記コロイド水溶液は、前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子を前記コロイド水溶液100mlに対して質量で0.5gを超え10g以下の範囲で含有することを特徴とする土壌固化剤。
- 請求項1〜5の何れかに記載の分散型高分子凝集剤において、前記コロイド水溶液は、前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子を前記コロイド水溶液100mlに対して質量で0.1gを超え10g以下の範囲で含有することを特徴とする凝集沈殿剤。
- 請求項1〜5の何れかに記載の分散型高分子凝集剤から水を除去した後に残留物として得られる固形物又は該固形物を粉砕加工して得られる粉状体であることを特徴とする凝集沈殿剤。
- 放射性セシウムにより汚染された土壌に、請求項6に記載の土壌固化剤を散布した後、前記土壌を固定させることによって放射性物質の移動及び拡散を防止する放射性物質の汚染拡大防止方法。
- 放射性セシウムにより汚染された土壌に、請求項6に記載の土壌固化剤を散布して前記土壌の少なくとも一部を固定させた後、前記土壌の表層を剥離除去することを特徴とする汚染土壌の除染方法。
- 放射性セシウムにより汚染された土壌に、粘土微粒子を有する懸濁液と請求項6に記載の土壌固化剤とをこの順に散布することによって、放射性セシウムを前記粘土微粒子中に取り込み、当該放射性セシウムを取り込んだ粘土微粒子を含む土壌を固化させることによって放射性物質の移動及び拡散を防止する放射性物質の汚染拡大防止方法。
- 前記粘土微粒子が、ベントナイト及びゼオライトの少なくとも何れか1つであることを特徴とする請求項11に記載の放射性物質の汚染拡大防止方法。
- 前記粘土微粒子を有する懸濁液が、前記粘土微粒子を0.05〜5質量%含有する水溶液であることを特徴とする請求項11又は12に記載の放射性物質の汚染拡大防止方法。
- 放射性セシウムにより汚染された土壌に、粘土微粒子を有する懸濁液と請求項6に記載の土壌固化剤とをこの順に散布することによって、放射性セシウムを前記粘土微粒子中に取り込み、当該放射性セシウムを取り込んだ粘土微粒子を含む土壌を前記土壌固化剤によって前記土壌の少なくとも一部を固化させた後、前記土壌の表層を剥離除去することを特徴とする汚染土壌の除染方法。
- 前記粘土微粒子が、ベントナイト及びゼオライトの少なくとも何れか1つであることを特徴とする請求項14に記載の汚染土壌の除染方法。
- 前記粘土微粒子を有する懸濁液が、前記粘土微粒子を0.05〜5質量%含有する水溶液であることを特徴とする請求項14又は15に記載の汚染土壌の除染方法。
- 請求項6に記載の土壌固化剤を被施工面の土壌に吹き付けて該土壌の表層を固化することによって、前記施工面の土壌を造成し緑化を行うことを特徴とする植生基盤造成方法。
- 汚染水又は排水に請求項7又は8に記載の凝集沈殿剤を混入させ、前記汚染水又は排水に含まれる帯電浮遊粒子を沈殿させることによって水浄化を行うことを特徴とする水浄化方法。
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