JP2015231987A - 被膜粒状農薬組成物及びその製造法 - Google Patents

被膜粒状農薬組成物及びその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、新たな技術により、粒剤に含有された農薬活性成分を初期の溶出を抑えつつ長期間の溶出を保つ徐放性粒剤を提供することである。
【解決手段】粒状鉱物担体を粒核とし、これに熱で溶融させた液体状のワックスを加え混合し、これをバインダーとして粉末状の農薬活性成分を被覆させることを特徴とする被覆粒状農薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、被覆粒状農薬組成物及びその製造方法に関する。
近年、農薬従業者の高齢化に伴い、農薬使用の省力化が求められる一方、環境負荷低減の観点から、使用回数、使用量の低減及び使用時期の早期化が求められている。この要望を受け、農薬活性成分の溶出制御により、溶出期間の長期化、即ち効力持続期間の長期化を目的とした農薬粒剤の開発が行われている。
また、水稲に代表されるような苗の移植を必要とする作物は、移植時の苗の損傷や苗床と本圃の生育環境の違いなどから、移植後根の活着までの期間、苗は不安定な状態にあり、移植直後の苗は薬害を受けやすい状態にある。その為、この時期に苗に影響を及ぼす農薬活性成分を施用することは、甚大な薬害を招く恐れがあるが、農薬活性成分の初期溶出を抑えた農薬粒剤を用いることにより、移植直後の施用でも薬害の低減効果を期待出来る。また、農薬活性成分の溶出をコントロールすることにより水稲の育苗箱用粒剤にも利用することができる。
農薬活性成分の溶出を制御する製剤として、これまでに様々な製剤基材を用いた農薬粒剤が検討され、実用化されている。このような溶出制御粒剤として、農薬活性化合物を含有する液体をマイクロカプセル化したもの(例えば、特許文献1参照)、農薬活性物質を疎水性材料と練り込み、造粒するもの(例えば、特許文献2参照)、農薬活性化合物を含有する顆粒を被膜するもの(例えば、特許文献3、4、5参照)等が知られている。
特開平11−314032号公報 特開2000−26206号公報 特開平11−005704号公報 特開2007−119442号公報 特公昭52−21059号公報
本発明は、新たな技術により、粒剤に含有された農薬活性成分を初期の溶出を抑えつつ長期間の溶出を保つ徐放性粒剤を提供することを目的とする。
本発明者は,上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
「(1)粒状鉱物担体を粒核とし、これに被覆層としてワックス及び農薬活性成分の混合物を有する被覆粒状農薬組成物
(2)被覆層が更にキャリアを含有する上記(1)に記載の被覆粒状農薬組成物
(3)上記(1)又は(2)記載の被覆層から選ばれる少なくとも1種の被覆層を2層以上有する上記(1)又は(2)に記載の被覆粒状農薬組成物
(4)農薬活性成分を2種類以上被覆する上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
(5)ワックスが融点50℃以上90℃以下の動植物性硬化油である上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
(6)粒状鉱物担体が粒子径0.5〜2mmの珪砂である上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載された被覆粒状農薬組成物
(7)粉末キャリアがシルトである上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
(8)農薬活性成分の水溶解度が5ppm以上である上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
(9)農薬活性成分が殺虫化合物である上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
(10)農薬活性成分がチオシクラムである上記(9)に記載の被覆粒状農薬組成物
(11)被覆層の数が2〜8である上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
(12)バインダーとして不揮発性有機溶剤を含有する上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
(13)不揮発性有機溶剤が流動パラフィンである(12)に記載の被覆粒状農薬組成物」、に関する。
本発明の被膜粒状農薬組成物は、所望の農薬活性成分の徐放性能を容易に得ることが可能である。これにより初期の農薬活性成分の溶出を抑え、長期間に亘って農薬活性成分を放出することを可能とし、農作業の省力化、農薬使用量及び使用回数の削減に貢献できる。
縦軸に累積溶出率(%)および横軸に経過日数を示し、各経過日数後における実施例1〜4及び比較例1の製剤の水中での活性成分の累積溶出率(%)を示した。
本発明の被膜粒状農薬組成物は、粒状鉱物担体の周囲にワックスと農薬活性成分および必要に応じてキャリアを含有する被膜層によって構成される被覆粒状農薬組成物である。更に該被覆粒状農薬組成物の周囲にワックスと農薬活性成分および必要に応じてキャリアを含む被覆層を2層以上形成させた、被覆粒状農薬組成物である。
本発明に使われる粒状鉱物担体としては、例えばケイ砂粒、炭酸カルシウム粒、ロウ石粒、セリサイト粒、ベントナイト粒、ゼオライト粒、ケイソウ土粒、軽石粒、アタパルジャイト粒、海岸砂粒、河川砂粒、軽石、珪砂などを例示できるがこれらに限定されるものではない。
粒状鉱物担体の粒度は、最終製剤もしくは次段階の製造工程に要求される粒度の範囲の中で適当なものを適時選択すればよいが、そのまま農薬製剤として利用する場合は、0.1〜3mmの範囲であり、好ましくは0.5〜2mmである。本発明において、散布および製造条件の観点から、該粒状鉱物担体のグラム粒数は通常100〜1500個/g、好ましくは150〜1200個/g、更に好ましくは200〜800個/gである。グラム粒数とは、粒子1g中における平均粒数を意味し、例えば粒数を測定し、採取した粒子のグラム数で除することにより求めることができる。また、該粒状鉱物担体は、物理的な強度等の観点から、実質的に均質で一体であるものが好ましい。
本発明に使われるワックスとしては、常温で固体であるが比較的融点が低いものがよく、好ましくは融点が50〜90℃のものがよく、例えば、ステアリン酸、モンタン酸エステル、固形パラフィン、硬化油としてヒマシ硬化油、大豆極度硬化油、菜種極度硬化油、牛脂極度硬化油、牛脂硬化油等が挙げられる。この中ではヒマシ硬化油や大豆極度硬化油が被膜層の硬化を速やかに進み、工程時間の短縮効果が期待できる点からより好ましい。用いられる硬化油の量は、本発明の被膜粒状農薬組成物の重量に対して、通常0.5〜40重量%、好ましくは0.5〜20%重量である。
本発明の被膜粒状農薬組成物は、被覆層の厚さを調整することができ、例えば、被覆層を厚くすると農薬成分の溶出を遅くすることができる場合があるため、被覆層にキャリアを含有させることができる。キャリアとしては、例えばクレー、シルト、炭酸カルシウム、珪藻土、ホワイトカーボン、カオリン、タルク、白土、硫酸バリウム、パーライト、ベントナイトなどが挙げられ、好ましくはシルトが用いられる。キャリアは粉末状のものが好ましい。キャリアは、本発明の被膜粒状農薬組成物の重量に対して、通常1〜50重量%、より好ましくは2〜30重量%である。
本発明の被膜粒状農薬組成物に用いられる農薬活性成分としては、除草化合物、殺虫化合物、殺菌化合物、昆虫成長制御化合物及び植物成長制御化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは1種または2種類以上を併用してもよい。農薬活性成分は常温で固体粉末状であればそのまま用いることが出来るが、液体であってもそのまま或いは必要に応じてキャリアに吸着させて粉末状にすれば使用可能である。本発明に用いられる農薬活性成分は、本発明の被膜粒状農薬組成物の重量に対して、通常0.1〜40重量%、より好ましくは0.1〜20重量%である。
殺虫化合物としては、例えば、フェニトロチオン、フェンチオン、ダイアジノン、アセフェート、シアノホス、ジメトエート、フェントエート、マラチオン、トリクロルホン、モノクロトホス、エチオン等の有機リン系化合物、BPMC、ベンフラカルブ、カルボスルファン、メソミル、アルジカルブ、オキサミル、フェノチオカルブ等のカーバメート系化合物、エトフェンプロックス、フェンバレレート、エスフェンバレレート、フェンプロパトリン、シペルメトリン、ペルメトリン、シハロトリン、デルタメトリン、シクロプロトリン、フルバリネート、ビフェンスリン、ハルフェンプロックス、トラロメトリン、シラフルオフェン、d―フェノトリン、シフェノトリン、d―レスメトリン、アクリナスリン、シフルトリン、テフルトリン、トランスフルスリン、テトラメトリン、アレトリン、プラレトリン、エンペントリン、イミプロスリン、d―フラメトリン等のピレスロイド系化合物、ブプロフェジン等のチアジアジン誘導体、ニトロイミダゾリジン誘導体、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ等のネライストキシン誘導体、N―シアノ―N―メチル―N′―6―クロロ―3―ピリジルメチル)アセトアミジン等のN―シアノアミジン誘導体、エンドスルファン、ジコホル等の塩素化炭化水素化合物、昆虫成長制御化合物であるクロルフルアズロン、テフルベンズロン、フルフェノクスロン等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、アミトラズ、クロルジメホルム等のホルムアミジン誘導体、ジアフェンチウロン等のチオ尿素誘導体、N―フェニルピラゾール系化合物、イミダクロプリド、クロチアニジン、ニテンピラム、チアメトキサム等のネオニコチノイド系化合物、テブフェノジド、クロマフェノジド等のジアシルヒドラジン系化合物、メタアルデヒド、メトキサジアゾン、ブロモプロピレート、テトラジホン、キノメチオネート、プロパルギット、フェンブタティンオキシド、ヘキシチアゾクス、クロフェンテジン、ピリダベン、フェンピロキシメート、デブフェンピラド、ポリナクチンコンプレックス、ピリミジフェン、ミルベメクチン、アバメクチン、イベルメクチン、アザジラクチン、スピノサド、スピネトラム、フルベンジアミド、クロラントラニリプロール等を挙げることができ、好ましくはチオシクラム等を挙げることができる。
殺菌化合物としては、例えば、ベノミル、カルベンダジム、チアベンダゾール、チオファネートメチル等のベンズイミダゾール系化合物;ジエトフェンカルブ等のフェニルカーバメート系化合物;プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等のジカルボキシイミド系化合物;ジニコナゾール、プロペナゾール、エポキシコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、フルシラゾール、トリアジメフォン等のアゾール系化合物;メタラキシル等のアシルアラニン系化合物;フラメトピル、メプロニル、フルトラニル、イソチアニル、ボスカリド等のカルボキシアミド系化合物;トルクロホスメチル、フォセチルアルミニウム、ピラゾホス等の有機リン系化合物;ピリメサニル、メパニピリム、シプロジニル等のアニリノピリミジン系化合物;フルジオキソニル、フェンピクロニル等のシアノピロール系化合物;ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシン等の抗生物質;アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、SSF−126等のメトキシアクリレート系化合物;クロロタロニル、マンゼブ、キャプタン、フォルペット、トリシクラゾール、ピロキロン、プロベナゾール、フサライド、シモキサニル、ジメトモルフ、CGA245704、ファモキサドン、オキソリニック酸、フルアジナム、フェリムゾン、ジクロシメット、クロベンチアゾン、イソバレジオン、テトラクロオロイソフタロニトリル、チオフタルイミドオキシビスフェノキシアルシン、3−アイオド−2−プロピルブチルカーバメイト、パラヒドロキシ安息香酸エステル、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等を挙げることができる。
除草化合物としては、例えば、アトラジン、メトリブジン等のトリアジン系化合物;フルオメツロン、イソプロチュロン等のウレア系化合物;ブロモキシニル、アイオキシニル等のヒドロキシベンゾニトリル系化合物;ペンディメサリン、トリフルラリン等の2、6―ジニトロアニリン系化合物;2,4−D、ジカンバ、フルロキシピル、メコプロップ等のアリロキシアルカノイック酸系化合物;ベンスルフロンメチル、メツルフロンメチル、ニコスルフロン、プリミスルフロンメチル、シクロスルファムロン等のスルホニルウレア系化合物;イマザピル、イマザキン、イマゼタピル等のイミダゾリノン系化合物;メソトリオン、テフリルトリオン等のトリケトン系化合物;フェノキサスルホン等のスルホニルイソキサゾリン系化合物;ビスピリバックNa塩、ビスチオバックNa塩、アシフルオルフェンNa塩、サルフェントラゾン、パラコート、フルメツラム、トリフルスルフロンメチル、フェノキサプロップ−p―エチル、ジフルフェニカン、ノルフルラゾン、イソキサフルトール、グルフォシネートアンムニウム塩、グリフォセート、ベンタゾン、メフェナセット、プロパニル、フルチアミド、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン等を挙げることができる。
植物成長調節化合物としては、例えば、マレイックヒドラジド、クロルメカット、エテフォン、ジベレリン、メピカットクロライド、チジアズロン、イナベンファイド、パクロブトラゾール、ウニコナゾール等を挙げることができる。昆虫忌避剤としては、1S,3R,4R,6R―カラン―3、4―ジオール、ジプロピル2,5―ピリジンジカルボキシレート等を挙げることができる。
本発明の被覆粒状農薬組成物は、農薬活性成分やワックス、およびキャリアを核粒に被覆するためのバインダーを用いることができる。バインダーは常温液体で不揮発性の有機化合物の中から選択でき、流動パラフィン、シリコーン、動植物油などが挙げられる。中でも流動パラフィンが好ましい。
本発明の被覆粒状農薬組成物は、被覆層を粒核に被覆する際に、被膜層中に農薬活性成分を分散や乳化するために必要に応じて界面活性剤を含有してもよく、界面活性剤としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、フェノールスルホン酸塩及びその縮合物、スチレンスルホン酸塩の縮合物、マレイン酸とスチレンスルホン酸との縮合物の塩、アクリル酸やマレイン酸などのカルボン酸縮合物の塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ラウリルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル及びその塩等のアニオン界面活性剤やトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の界面活性剤が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の被覆農薬粒状組成物において、界面活性剤は、通常0〜50重量%、好ましくは0〜20重量%であり、1種または2種類以上を併用してもよい。
本発明の被覆粒状農薬組成物は、上記各成分に加えて、必要に応じて、被覆層に分解防止剤、安定剤、防腐剤、着色剤等の添加剤を適宜含有することができる。
本発明の被覆粒状組成物に用いられる安定剤はエポキシ化大豆油、リン酸、PAP(イソプロピル・アシド・ホスフェート)、酸化防止剤、紫外性吸収剤などが用いられる。本発明の被覆農薬粒状組成物において、安定剤は、通常0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%である。
本発明の被覆粒状農薬組成物を製造する機械としては、特に装置に制限はなく加温できるものであれば公知、慣用のものを用いることができる、例えば、回転パン、回転ドラム、コンクリートミキサー、ナウタミキサー、ダブルコーンミキサー等が挙げられる。
本発明の被覆粒状農薬組成物の製造は、通常一般に行われている被覆法を用いて行うことができる。例えば、粒核に必要により加熱して溶融したワックスを加え混合して均一に湿潤させる。この湿潤させた粒核に、農薬活性成分と必要に応じて鉱物質粉末を加えて混合して被膜して被覆農薬粒剤を製造することができる。この他に粒剤の中に農薬活性成分を加える方法としては、被覆回数を複数回被覆することにより、農薬活性成分の溶出制御することがより可能になる。例えば、粒核に溶融したワックスを加え混合して溶出しやすい農薬活性成分を被覆する、その後に溶融したワックスを加え混合して粉末キャリアで被覆するその工程を複数回被覆した後に、溶出しにくい農薬活性成分を同様に被覆すると、異なる農薬活性成分でも溶出を制御することができる。被覆方法は農薬活性成分の性質、種類、含有量、使用場面などを考慮して必要な被覆回数を選択すればよく、これらの方法には限定はされないが、好ましい被膜回数は2〜8回である。
ミキサー内でワックスが加熱溶融した状態を保てない等、機械の制約がある場合、次の方法で本発明の被覆粒状農薬組成物を製造することができる。例えば、核粒に流動パラフィン等の不揮発性有機溶剤をバインダーとして被覆した後、農薬活性成分とワックス、必要に応じて鉱物質粉末を加えて混合して被覆することで被覆粒状農薬組成物が製造できる。この場合、核粒表面への被覆のためにはワックスの平均粒径が100μm以下であることが好ましい。
本発明の被覆粒状農薬組成物は、一般的に農薬粒剤を施用する方法によって施用することができ、例えば、直接手で散布する方法や、パイプ散粒機、空中散粒機、背負い式散粒機、動力散粒機、トラクター搭載型散粒機、育苗箱用散粒機、多口ホース散粒機、散粒機を搭載した田植機等を用いた施用にも活用できる。また、本発明の被覆粒状農薬組成物を水田や畑地において使用する場合には、その施用量は10アール当たり通常0.1〜10kg、好ましくは0.25〜5kgである。
本発明の被覆粒状農薬組成物は、例えば、水田、乾田、育苗箱、畑地、果樹園、桑畑、温室、露地などの農耕地、森林、芝生、ゴルフ場、街路樹、道路、路肩、湿地などの非農耕地、池、貯水池、川、水路、下水道などの水系等において、含有する農薬活性成分や使用目的に応じて使用することができる。また、本発明の被覆粒状農薬組成物の使用にあたっては、本発明の被覆粒状農薬組成物を単独で施用することもできるし、適宜その用途により他の剤、例えば他の農薬粒剤、粒状肥料、粒状培土、粒状植物栄養剤、粒状植物調製制御剤、粒状ホルモン剤、種子等の粒状農業資材等と混合して用いることもできる。
本発明の被覆粒状農薬組成物は、農薬施用におけるあらゆる場面に適用可能であるが、本発明の被覆粒状農薬組成物は農薬活性成分の徐放化性能を活用できる場面での使用が特に好適である。特に、通常農薬が施用される時期よりも早期の施用、例えば、育苗箱施用(作物が発芽し生育している育苗箱に農薬粒剤を散粒する方法をさす)、田植時施用、育苗期施用、播種期施用、発芽時施用などは、本発明の被覆粒状農薬組成物は農薬活性成分が徐放化されたものであるという特性を活用できる場面として好適である。本発明の被覆粒状農薬組成物を育苗箱施用する場合には、その施用量は育苗箱(通常、面積0.15m2程度)1枚あたり、通常5〜300g、好ましくは25〜100gであり、その際の施用方法としては、例えば直接手で施用する方法、及び育苗箱用散粒機を用いて施用する方法が挙げられる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
容器にヒマシ硬化油を1g入れ110℃に加温し溶融した。次に珪砂粒(商品名鹿島3号)51.5gを加え加温・混合して均一に湿潤させた。次いでチオシクラム4gを加えて混合・被膜する。更に融かしたヒマシ硬化油1gを加え加温・混合しチオシクラム4.5gを加え混合・被覆する、更に融かしたヒマシ硬化油1gを加え加温・混合しチオシクラム1gを加え混合し次いでNK−300クレー4gを加え混合・被覆する、更に融かしたヒマシ硬化油1gを加え加温・混合しNK−300クレー5gを加え混合・被覆する、同様の操作を2回繰り返し混合・被覆する、更に融かしたヒマシ硬化油1gを加え加温・混合しNK-300クレー6gを加え混合・被覆する、同様の操作を繰り返して被膜し、8%チオシクラムを含む本発明の被膜粒状組成物を得た。
実施例2
容器にヒマシ硬化油を1g入れ110℃に加温し溶融した。次に珪砂粒(商品名鹿島3号)43.5gを加え加温・混合して均一に湿潤させた。次いでチオシクラム4gを加えて混合・被膜する、更に融かしたヒマシ硬化油1gを加え加温・混合しチオシクラム4.5gを加え混合・被覆する、更に融かしたヒマシ硬化油1gを加え加温・混合しチオシクラム1gを加え混合し次いでNK−300クレー4gを加え混合・被覆する、更に融かしたヒマシ硬化油1gを加え加温・混合しNK−300クレー5gを加え混合・被覆する、同様の操作を2回繰り返して被覆する、更に融かしたヒマシ硬化油1gを加え加温混合しNK-300クレー6gを加え混合・被覆する、同様の操作を2回繰り返し混合して被膜し、多層の8%チオシクラムを含む本発明の被膜粒状組成物を得た。
実施例3
容器に珪砂(商品名:竹折珪砂4号)67.9g、流動パラフィン(商品名:モレスコホワイトMT−80)1.9gを入れて均一になるまで混合した。次いでチオシクラム(純度89.1%)4.7gおよびホワイトカーボン(商品名:カープレックス#80)0.7gを加えて混合、被覆した。更に流動パラフィン1.0gを添加、混合後、ヒマシ硬化油粉末(商品名:A−S−A T−20SF)5.0gを加えて混合、被覆する工程を4回繰り返した。これを容器から取り出し、流動層乾燥機にて75℃で15分間加熱を行い、室温まで冷却後、再度容器に入れ、界面活性剤(商品名:ソルポール5050)0.8gを添加してよく混合し、チオシクラムを4.2%含む5層構造の被覆粒状農薬組成物を得た。
実施例4
容器に珪砂(商品名:竹折珪砂4号)60.4g、流動パラフィン(商品名:モレスコホワイトMT−80)3.5gを入れて均一になるまで混合した。次いでチオシクラム(純度89.1%)9.3gおよびホワイトカーボン(商品名:カープレックス#80)1.5gを加えて混合、被覆した。更に流動パラフィン1gを添加、混合後、ヒマシ硬化油粉末(商品名:A−S−A T−20SF)5.0gを加えて混合、被覆する工程を4回繰り返した。これを容器から取り出し、流動層乾燥機にて75℃で15分間加熱を行い、室温まで冷却後、再度容器に入れ、界面活性剤(商品名:ソルポール5050)0.8gを添加してよく混合し、チオシクラムを8.3%含む5層構造の被覆粒状農薬組成物を得た。
比較例1
容器に流動パラフィンを1g入れる。次に珪砂粒(商品名鹿島3号)88.5gを加え加温し混合して均一に湿潤させる。次いでチオシクラム4gを加えて混合し被膜する、更に流動パラフィンを1g加え混合して均一に湿潤させる。次いでチオシクラム5.5gを加えて混合し被膜して8%チオシクラムを含む本発明の被膜粒状組成物を得た。
試験例1(スクミリンゴガイへの食害阻害試験1)
フルーツバット(35cm×25cm)に実施例1、2及び比較例1で得られた製剤を、2kg/10aの割合になるように処理し、水深5cmなるように水を入れ、25℃の恒温室に静置した。フルーツバッド内の水は毎日入れ替え、処理10日後、13日後、17日後、19日後にスクミリンゴガイ(殻高3cm以上の成貝)3頭と5cm角に切ったキャベツ葉を入れ、放貝1日後の食害状況を調査した。食害程度を表1の基準に従って調査し、その結果を表2に示す。
食害程度の基準
Figure 2015231987
食害程度
Figure 2015231987
試験例2(スクミリンゴガイへの食害阻害試験2)
稲移植後の水田に、2m×2m波板枠を設置し、その中に実施例3、4及び比較例1で得られた各製剤を、2kg/10aの割合になるように処理した。その直後に、スクミリンゴガイ(殻高3cm以上の成貝)を4頭/枠放貝し、処理10日後、14日後に稲の食害程度を表1の基準に従って調査し、その結果を表3に示す。
食害程度
Figure 2015231987
試験例3(溶出試験)
実施例1〜4及び比較例1によって得られた製剤を用いて、成分の水溶出試験を実施した。
(試験方法)
試料の粒状組成物1gを各100mlの三角フラスコに入れ100mlの水を加え、試料は軽く撹拌して沈め、室温15~25℃の室温に静置し、経過時間毎に試料を残して水を取出し、分析試料とした、分析試料はHPLCで測定し、水に溶出してきた成分量を算出した。試料が残った容器には新たに水を加え分析試料とした。同様の操作を繰り返し実施し累積溶出率(%)を算出した。その結果を表4に及び図1に示す。
成分測定結果(累積溶出率(%))
Figure 2015231987

Claims (13)

  1. 粒状鉱物担体を粒核とし、これに被覆層としてワックス及び農薬活性成分の混合物を有する被覆粒状農薬組成物
  2. 被覆層が更にキャリアを含有する請求項1に記載の被覆粒状農薬組成物
  3. 請求項1又は2に記載の被覆層から選ばれる少なくとも1種の被覆層を2層以上有する請求項1又は2に記載の被覆粒状農薬組成物
  4. 農薬活性成分を2種類以上被覆する請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
  5. ワックスが融点50℃以上90℃以下の動植物性硬化油である請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
  6. 粒状鉱物担体が粒子径0.5〜2mmの珪砂である請求項1〜5のいずれか一項に記載された被覆粒状農薬組成物
  7. 粉末キャリアがシルトである請求項1〜6のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
  8. 農薬活性成分の水溶解度が5ppm以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
  9. 農薬活性成分が殺虫化合物である請求項1〜8のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
  10. 殺虫化合物がチオシクラムである請求項9に記載の被覆粒状農薬組成物
  11. 被覆層の数が2〜8である請求項1〜10のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
  12. バインダーとして不揮発性有機溶剤を含有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の被覆粒状農薬組成物
  13. 不揮発性有機溶剤が流動パラフィンである請求項12に記載の被覆粒状農薬組成物
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