JP2016004751A - リチウム二次電池及び非水電解液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高電圧環境下において、リチウムを吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解液と、を備えるリチウム二次電池であって、前記非水電解液は、下記一般式(I)で表される化合物を含有するまたは添加して調製された、リチウム二次電池。一般式(I)中、nは2〜4の整数を表し、nが2の場合MはSO又はSO2、nが3の場合MはB、P、又はP=O、nが4の場合MはSiを表す。Rはそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Rで表される基の少なくとも1つは炭素−炭素三重結合を有する。
【選択図】なし
Description
リチウム二次電池は、主に、リチウムを吸蔵放出可能な材料を含む正極及び負極、並びに、リチウム塩と非水溶媒とを含む電池用非水電解液から構成される。
正極に用いられる正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiFePO4のようなリチウム金属酸化物が用いられる。
また、非水電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどカーボネート類の混合溶媒(非水溶媒)に、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF2CF3)2のようなLi電解質を混合した溶液が用いられている。
一方、負極に用いられる負極用活物質としては、金属リチウム、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、酸化物、リチウムとの合金など)や炭素材料が知られており、特にリチウムを吸蔵、放出が可能なコークス、人造黒鉛、天然黒鉛を採用したリチウム二次電池が実用化されている。
例えば、電極の界面抵抗増大を抑制し、電池の負荷特性、低温特性、及び寿命特性を与えるリチウム電池用非水電解液として、ホウ酸エステルを含有するリチウム電池用非水電解液が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、電池のサイクル特性、電池容量などの電池特性を向上できるリチウム電池用非水電解液として、非水溶媒に電解質が溶解されてなり、リン酸トリエステルを0.1〜10質量%添加したリチウム電池用非水電解液が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、電池の充電/放電容量、サイクル寿命を向上できるリチウム電池用非水電解液として、芳香環や多重結合を置換基に有するホスフェート化合物を含有させた非水電解液が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、グラファイト等の結晶性の高い結晶性炭素材料を活物質とし、高分子カルボン酸化合物を結着剤として製造された負極を使用した二次電池において、不飽和リン酸エステル化合物を非水電解液に含有させることで、小さな内部抵抗と高い電気容量を長期使用において維持することを可能にした例が知られている(例えば、特許文献4、及び特許文献5参照)。
<1> 高電圧環境下において、リチウムを吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解液と、を備えるリチウム二次電池であって、前記非水電解液が、下記一般式(I)で表される化合物を含有するまたは添加して調製されたリチウム二次電池。
<3> 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、遷移金属元素中のコバルト含有比率が1/3を超え1.0未満であって、さらにZr、Mg、Al、Ti、及びSnから選ばれる少なくとも1つの元素を含む<2>に記載のリチウム二次電池。
<4> 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、遷移金属中のコバルト含有比率が1/3を超え1.0未満であって、さらにZr及びMgを含む<2>に記載のリチウム二次電池。
<5> 前記非水電解液は、前記一般式(I)で表される化合物を前記非水電解液の全質量に対して0.001質量%以上含有するまたは添加して調製された<1>〜<4>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<6> 前記一般式(I)で表される化合物は、MがB、P、又はP=Oであり、前記非水電解液に、前記非水電解液の全質量に対して0.01質量%〜3質量%含有されるまたは添加された<1>〜<5>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<8> 前記一般式(I)で表される化合物は、Rで表される基のいずれもがプロパルギル基である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<9> 前記一般式(I)で表される化合物が、トリプロパルギルボレート又はトリプロパルギルホスフェートである<1>〜<8>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<12> <1>〜<11>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池に用いられる非水電解液。
本発明のリチウム二次電池は、少なくとも、高電圧環境下において、リチウムを吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解液と、を備える。
本発明のリチウム二次電池によれば、高電圧で繰り返し充電又は作動させても非水電解液に起因するガスの発生が抑制される。
即ち、本発明のリチウム二次電池では、初期充電時において、電極表面(正極表面及び負極表面)に、後述する本発明の一般式(I)で表される化合物に由来する被膜が形成されると考えられる。それにより、高電圧で繰り返し充電又は作動させたとしても電極と非水電解液溶媒との接触が抑制され非水電解液の酸化分解に起因するガスの発生が低減されると考えられる。
以下、本発明のリチウム二次電池の各構成要素について説明する。
本発明の非水電解液は、下記一般式(I)で表される化合物を含有するまたは添加して調製される。
一般式(I)で表される化合物の含有量が0.001質量%以上であると一般式(I)で表される化合物またはその反応物が電極表面(正極表面又は負極表面)に被膜を形成することができ、高電圧で繰り返し充電又は作動した場合において、非水電解液の酸化分解に起因するガスの発生を抑制することができる。
一般式(I)で表される化合物の含有量は、非水電解液の全質量に対して0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜3質量%がより好ましく、0.1質量%〜3質量%がさらに好ましい。
含有量が3質量%以下であるとコストの観点から有利である。
なお、非水電解液が一般式(I)で表される化合物を添加して調製された場合、一般式(I)で表される化合物の含有量は、調製された時点の含有量を表す。
また、「置換されてもよい炭素数1〜12のアルキル基」における「炭素数1〜12のアルキル基」とは、炭素数1以上12以下である、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが具体例として挙げられる。
これらの中でも炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
また、「置換されてもよい炭素数2〜12のアルケニル基」における「炭素数2〜12のアルケニル基」とは、炭素数2以上12以下である、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルケニル基であり、ビニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、などが具体例として挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。
また、「置換されてもよい炭素数2〜12のアルキニル基」における「炭素数2〜12のアルキニル基」とは、炭素数2以上12以下である、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキニル基であり、エチニル基、プロパルギル基(2−プロピニル基)、2−ブチニル基、3−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、などが具体例として挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルキニル基がより好ましい。
一般式(I)中、Rで表される基の少なくとも1つがプロパルギル基であることで、リチウム二次電池を高電圧で繰り返し充電又は作動させた場合において、非水電解液に起因するガスの発生をより抑制することができる。
ジエチニルスルフェート、ジプロパルギルスルフェート、ビス(3−ブチニル)スルフェート、(3−ブチニル)プロパルギルスルフェート、エチニルメチルスルフェート、プロパルギルメチルスルフェート、(3−ブチニル)メチルスルフェート、エチニルビニルスルフェート、プロパルギルビニルスルフェート、(3−ブチニル)ビニルスルフェート、等のスルフェート化合物;
トリエチニルボレート、トリプロパルギルボレート、トリス(3−ブチニル)ボレート、ジプロパルギル(3−ブチニル)ボレート、ビス(3−ブチニル)プロパルギルボレート、ジエチニルメチルボレート、ジプロパルギルメチルボレート、ビス(3−ブチニル)メチルボレート、ジエチニルビニルボレート、ジプロパルギルビニルボレート、ビス(3−ブチニル)ビニルボレート、エチニルジメチルボレート、ジメチルプロパルギルボレート、ジメチル(3−ブチニル)ボレート、エチニルジビニルボレート、ジビニルプロパルギルボレート、ジビニル(3−ブチニル)ボレート、等のボレート化合物;
トリエチニルホスファイト、トリプロパルギルホスファイト、トリス(3−ブチニル)ホスファイト、ジプロパルギル(3−ブチニル)ホスファイト、ビス(3−ブチニル)プロパルギルホスファイト、ジエチニルメチルホスファイト、ジプロパルギルメチルホスファイト、ビス(3−ブチニル)メチルホスファイト、ジエチニルビニルホスファイト、ジプロパルギルビニルホスファイト、ビス(3−ブチニル)ビニルホスファイト、エチニルジメチルホスファイト、ジメチルジプロパルギルホスファイト、ジメチル(3−ブチニル)ホスファイト、エチニルジビニルホスファイト、ジビニルプロパルギルホスファイト、ジビニル(3−ブチニル)ホスファイト、等のホスファイト化合物;
トリエチニルホスフェート、トリプロパルギルホスフェート、トリス(3−ブチニル)ホスフェート、ジプロパルギル(3−ブチニル)ホスフェート、ビス(3−ブチニル)プロパルギルホスフェート、ジエチニルメチルホスフェート、ジプロパルギルメチルホスフェート、ビス(3−ブチニル)メチルホスフェート、ジエチニルビニルホスフェート、ジプロパルギルビニルホスフェート、ビス(3−ブチニル)ビニルホスフェート、エチニルジメチルホスフェート、ジメチルプロパルギルホスフェート、ジメチル(3−ブチニル)ホスフェート、エチニルジビニルホスフェート、ジビニルプロパルギルホスフェート、ジビニル(3−ブチニル)ホスフェート、等のホスフェート化合物;
テトラキス(エチニルオキシ)シラン、テトラプロパルギルオキシシラン、テトラキス(3−ブチニル)シラン、トリプロパルギル(3−ブチニル)シラン、ジプロパルギルビス(3−ブチニル)シラン、プロパルギルトリス(3−ブチニル)シラン、トリス(エチニルオキシ)メトキシシラン、トリプロパルギルオキシメトキシシラン、トリス(3−ブチニル)メトキシシラン、ビス(エチニルオキシ)ジメトキシシラン、ジプロパルギルオキシジメトキシシラン、ビス(3−ブチニル)ジメトキシシラン、エチニルオキシトリメトキシシラン、プロパルギルオキシトリメトキシシラン、(3−ブチニル)メトキシシラン、等のシラン化合物;等が挙げられる。
ジプロパルギルスルフェート、ビス(3−ブチニル)スルフェート、(3−ブチニル)プロパルギルスルフェート、プロパルギルメチルスルフェート、(3−ブチニル)メチルスルフェート、プロパルギルビニルスルフェート、(3−ブチニル)ビニルスルフェート、等のスルフェート化合物;
トリプロパルギルボレート、トリス(3−ブチニル)ボレート、ジプロパルギル(3−ブチニル)ボレート、ビス(3−ブチニル)プロパルギルボレート、ジプロパルギルメチルボレート、ビス(3−ブチニル)メチルボレート、ジプロパルギルビニルボレート、ビス(3−ブチニル)ビニルボレート、ジメチルプロパルギルボレート、ジメチル(3−ブチニル)ボレート、ジビニルプロパルギルボレート、ジビニル(3−ブチニル)ボレート、等のボレート化合物;
トリプロパルギルホスファイト、トリス(3−ブチニル)ホスファイト、ジプロパルギル(3−ブチニル)ホスファイト、ビス(3−ブチニル)プロパルギルホスファイト、ジプロパルギルメチルホスファイト、ビス(3−ブチニル)メチルホスファイト、ジプロパルギルビニルホスファイト、ビス(3−ブチニル)ビニルホスファイト、ジメチルジプロパルギルホスファイト、ジメチル(3−ブチニル)ホスファイト、ジビニルプロパルギルホスファイト、ジビニル(3−ブチニル)ホスファイト、等のホスファイト化合物;
トリプロパルギルホスフェート、トリス(3−ブチニル)ホスフェート、ジプロパルギル(3−ブチニル)ホスフェート、ビス(3−ブチニル)プロパルギルホスフェート、ジプロパルギルメチルホスフェート、ビス(3−ブチニル)メチルホスフェート、ジプロパルギルビニルホスフェート、ビス(3−ブチニル)ビニルホスフェート、ジメチルプロパルギルホスフェート、ジメチル(3−ブチニル)ホスフェート、ジビニルプロパルギルホスフェート、ジビニル(3−ブチニル)ホスフェート、等のホスフェート化合物;
テトラプロパルギルオキシシラン、テトラキス(3−ブチニル)シラン、トリプロパルギル(3−ブチニル)シラン、ジプロパルギルビス(3−ブチニル)シラン、プロパルギルトリス(3−ブチニル)シラン、トリプロパルギルオキシメトキシシラン、トリス(3−ブチニル)メトキシシラン、ジプロパルギルオキシジメトキシシラン、ビス(3−ブチニル)ジメトキシシラン、プロパルギルオキシトリメトキシシラン、(3−ブチニル)メトキシシラン、等のシラン化合物;等が好ましい。
よって、一般式(I)で表される化合物における特徴的な部分構造である炭素−炭素三重結合が、非水電解液中から検出できる場合には、非水電解液に本発明の一般式(I)で表される化合物が添加されたとみなすことができる。
なお、炭素−炭素三重結合は、以下の方法により検出することができる。
非水電解液を1H NMR、及び13C NMRにて分析することにより、炭素−炭素三重結合に特徴的なシグナルが観測されることから検出が可能である。
本発明における非水電解液は、更に、炭素−炭素不飽和結合を有するカーボネート化合物、フッ素原子で置換されたカーボネート化合物、フルオロリン酸化合物、オキサラト化合物、環状スルトン化合物、及び環状硫酸エステル化合物(一般式(I)で表される化合物に包含されるものを除く)からなる群から選ばれる少なくとも1種である添加剤を含有することが好ましい。本発明における非水電解液が添加剤を含有することにより、上述した本発明の効果がより効果的に奏される。この理由は、添加剤が、本発明の一般式(I)で表される化合物によって電極表面に形成された被膜を強化することにより、電極表面での溶媒の分解がより効果的に抑制されるためと考えられる。
炭素−炭素不飽和結合を有するカーボネート化合物としては、メチルビニルカーボネート、エチルビニルカーボネート、ジビニルカーボネート、メチルプロピニルカーボネート、エチルプロピニルカーボネート、ジプロピニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどの鎖状カーボネート類;ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、4,4−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、4,4−ジエチニルエチレンカーボネート、4,5−ジエチニルエチレンカーボネート、プロピニルエチレンカーボネート、4,4−ジプロピニルエチレンカーボネート、4,5−ジプロピニルエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類;などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネートであり、より好ましくは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートである。
フッ素原子を有するカーボネート化合物としては、メチルトリフルオロメチルカーボネート、エチルトリフルオロメチルカーボネート、ビス(トリフルオロメチル)カーボネート、メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネートなどの鎖状カーボネート類;4−フルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−トリフルオロメチルエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類;などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、4−フルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートである。
フルオロリン酸化合物としては、ジフルオロリン酸リチウム、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸、モノフルオロリン酸、ジフルオロリン酸メチル、ジフルオロリン酸エチル、フルオロリン酸ジメチル、フルオロリン酸ジエチルなどが挙げられる。これらのうち、好ましくはジフルオロリン酸リチウム、モノフルオロリン酸リチウムである。
ジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウム、トリス(オキサラト)リン酸リチウム、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、ビスオキサラトホウ酸リチウムなどが挙げられる。これらのうち、好ましくはジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウム、ビスオキサラトホウ酸リチウムである。
環状スルトン化合物としては、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1−メチル−1,3−プロペンスルトン、2−メチル−1,3−プロペンスルトン、3−メチル−1,3−プロペンスルトン等のスルトン類が挙げられる。これらのうち、好ましくは、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトンである。
環状硫酸エステル化合物としては、エチレングリコールサルフェート、プロピレングリコールサルフェート、ブチレングリコールサルフェート、ペンテングリコールサルフェート、4−メチルスルホニルオキシメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、4−エチルスルホニルオキシメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、ビス((2,2−ジオキソ1,3,2−ジオキサチオラン−4−イル)メチル)サルフェート、4,4’−ビス(2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン)等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ペンテングリコールサルフェート、4−メチルスルホニルオキシメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、及び4,4’−ビス(2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン)である。また、その他の環状硫酸エステル化合物は、例えば、国際公開第2012/053644号パンフレットに記載の添加剤の中から、適宜選択して用いることができる。
本発明における非水電解液が添加剤を含有する場合、その含有量(2種以上である場合には総含有量)には特に制限はないが、本発明の効果がより効果的に奏される観点から、非水電解液の全量に対し、0.001質量%〜10質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましく、0.1質量%〜4質量%の範囲であることが更に好ましく、0.1質量%〜2質量%の範囲であることが更に好ましく、0.1質量%〜1質量%の範囲であることが特に好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、上述のジフルオロリン酸リチウム以外のジフルオロリン酸塩、モノフルオロリン酸リチウム以外のモノフルオロリン酸塩、及びフルオロスルホン酸塩が挙げられる。
非水電解液は、一般的には、電解質と非水溶媒とを含有する。
本発明の非水電解液は、電解質と非水溶媒とを含有する溶液に、前記一般式(I)で表される化合物を添加することで、調製することができる。
本発明における非水溶媒としては、種々公知のものを適宜選択することができるが、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を用いることが好ましい。
電池の安全性の向上のために、溶媒の引火点の向上を志向する場合は、非水溶媒として環状の非プロトン性溶媒を使用することが好ましい。
環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状カルボン酸エステル、環状スルホン、環状エーテルを用いることができる。
環状の非プロトン性溶媒は単独で使用してもよいし、複数種類を混合して使用してもよい。
環状の非プロトン性溶媒の非水溶媒中の混合割合は、10質量%〜100質量%、さらに好ましくは20質量%〜90質量%、特に好ましくは30質量%〜80質量%である。このような比率にすることによって、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
これらのうち、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適に使用される。
負極活物質に黒鉛を使用した電池の場合は、エチレンカーボネートがより好ましい。また、これら環状カーボネートは2種類以上を混合して使用してもよい。
環状カルボン酸エステルは、蒸気圧が低く、粘度が低く、かつ誘電率が高く、非水電解液の引火点と電解質の解離度を下げることなく非水電解液の粘度を下げることができる。このため、非水電解液の引火性を高くすることなく電池の放電特性に関わる指標である非水電解液の伝導度を高めることができるという特徴を有する。そのため、溶媒の引火点の向上を指向する場合は、上記環状の非プロトン性溶媒として環状カルボン酸エステルを使用することが好ましい。環状カルボン酸エステルの中でも、γ−ブチロラクトンが最も好ましい。
また、環状カルボン酸エステルは、他の環状の非プロトン性溶媒と混合して使用することが好ましい。例えば、環状カルボン酸エステルと、環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートとの混合物が挙げられる。
環状エーテルの例として、具体的には、ジオキソランを挙げられる。
鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状エーテル、鎖状リン酸エステルなどを用いることができる。
鎖状の非プロトン性溶媒の非水溶媒中の混合割合は、10質量%〜100質量%、さらに好ましくは20質量%〜90質量%、特に好ましくは30質量%〜80質量%である。
鎖状エーテルの例として具体的には、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
鎖状リン酸エステルの例として具体的には、リン酸トリメチルなどが挙げられる。
本発明における非水電解液で使用する非水溶媒は、1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。また、環状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、鎖状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、又は環状の非プロトン性溶媒及び鎖状のプロトン性溶媒を混合して用いてもよい。
電池の負荷特性、低温特性の向上を特に意図した場合は、非水溶媒として環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒を組み合わせて使用することが好ましい。
さらに、非水電解液の電気化学的安定性から、環状の非プロトン性溶媒には環状カーボネートを、鎖状の非プロトン性溶媒には鎖状カーボネートを適用することが最も好ましい。また、環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートの組み合わせによっても電池の充放電特性に関わる非水電解液の伝導度を高めることができる。
本発明における非水電解液は、非水溶媒として、上記以外の他の溶媒を含んでいてもよい。その他の溶媒の例として、具体的には、ジメチルホルムアミドなどのアミド、メチル−N,N−ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート、N−メチルピロリドンなどの環状アミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリメチルシリル等のホウ素化合物、及び下記の一般式で表されるポリエチレングリコール誘導体などを挙げることができる。
HO[CH2CH(CH3)O]bH
CH3O(CH2CH2O)cH
CH3O[CH2CH(CH3)O]dH
CH3O(CH2CH2O)eCH3
CH3O[CH2CH(CH3)O]fCH3
C9H19PhO(CH2CH2O)g[CH(CH3)O]hCH3
(Phはフェニル基)
CH3O[CH2CH(CH3)O]iCO[OCH(CH3)CH2]jOCH3
上記式中、a〜fは、5〜250の整数、g〜jは2〜249の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250である。
非水電解液は、一般的には、電解質と非水溶媒とを含有する。
本発明における非水電解液は、種々公知の電解質を含有することができる。電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、いずれをも使用することができる。
これらのうち、特にリチウム塩が望ましく、さらには、LiPF6、LiBF4、LiOSO2CkF(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiClO4、LiAsF6、LiNSO2[CkF(2k+1)]2(k=1〜8の整数)、LiPFn[CkF(2k+1)](6−n)(n=1〜5、k=1〜8の整数)が好ましい。これらのリチウム塩のうち、特に好ましくはLiPF6である。
本発明に係る電解質は、通常は、非水電解液中に0.1mol/L〜3mol/L、好ましくは0.5mol/L〜2mol/Lの濃度で含まれることが好ましい。
具体例としては、LiPF6とLiBF4、LiPF6とLiN[SO2CkF(2k+1)]2(k=1〜8の整数)、LiPF6とLiBF4とLiN[SO2CkF(2k+1)](k=1〜8の整数)などが挙げられる。
過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、ターフェニル(o−、m−、p−体)の部分水素化体(例えば、1,2−ジシクロヘキシルベンゼン、2−フェニルビシクロヘキシル、1,2−ジフェニルシクロヘキサン、o−シクロヘキシルビフェニル)、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,3−ジ−t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;フルオロトルエン(o−、m−、p−体)、ジフルオロトルエン、トリフルオロトルエン、テトラフルオロトルエン、ペンタフルオロトルエン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン(o−、m−、p−体)、1−フルオロ−4−t−ブチルベンゼン、2−フルオロビフェニル、フルオロシクロヘキシルベンゼン(例えば、1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン)等の芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物等が挙げられる。これらの中でも、上記で例示した芳香族化合物が好ましい。
また、過充電防止剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、上記過充電防止剤の含有量は、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり、コストの観点などからより好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
本発明における正極は、高電圧環境下においてリチウムイオンを吸蔵・放出可能である正極活物質を含む。
本発明における正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物を含むことが好ましい。本発明の正極は、正極活物質を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
しかし、本発明のリチウム二次電池では、上述した非水電解液中の一般式(I)で表される化合物の作用により、上記電池の膨れを抑制できる。
正極上限電位の範囲の例として、具体的には、4.2V〜4.7Vが挙げられ、4.3V〜4.7Vが好ましい。
前述のとおり、正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物を少なくとも1種含むことが好ましい。
前述のとおり、正極活物質中には、リチウム遷移金属複合酸化物が1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
添加元素の含有比率が0.0001以上であると、容量低下を抑制する効果を得る点で有利である。また、添加元素の含有比率が0.02以下であると、正極の放電特性に有利である。
正極活物質の製造方法には特に制限はなく、無機化合物の製造方法として一般的な方法が用いられる。
例えば、遷移金属硝酸塩、硫酸塩等の遷移金属原料物質と、必要に応じ他の元素の原料物質を水等の溶媒中に溶解ないし粉砕分散して、攪拌をしながらpHを調節して球状の前駆体を作製回収し、これを必要に応じて乾燥した後、LiOH、Li2CO3、LiNO3等のLi源を加えて高温で焼成してリチウム遷移金属複合酸化物を得る方法が挙げられる。
また、遷移金属硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物等の遷移金属原料物質と、必要に応じ他の元素の原料物質を水等の溶媒中に溶解ないし粉砕分散して、それをスプレードライヤー等で乾燥成型して球状ないし楕円球状の前駆体とし、これにLiOH、Li2CO3、LiNO3等のLi源を加えて高温で焼成してリチウム遷移金属複合酸化物を得る方法も挙げられる。
また、遷移金属硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物等の遷移金属原料物質と、LiOH、Li2CO3、LiNO3等のLi源と、必要に応じ他の元素の原料物質とを水等の溶媒中に溶解ないし粉砕分散して、それをスプレードライヤー等で乾燥成型して球状ないし楕円球状の前駆体とし、これを高温で焼成して活物質を得る方法等が挙げられる。
焼成温度は、通常800℃以上、好ましくは900℃以上、より好ましくは950℃以上である。
また、焼成温度は、通常1100℃以下、好ましくは1075℃以下、より好ましくは1050℃以下である。
焼成工程は、通常、昇温・最高温度保持・降温の三工程に分けられる。
二番目の最高温度保持工程は必ずしも一回とは限らず、目的に応じて二段階又はそれ以上の段階をふませてもよく、二次粒子を破壊しない程度に凝集を解消することを意味する解砕工程又は、一次粒子或いは更に微小粉末まで砕くことを意味する粉砕工程を挟んで、昇温・最高温度保持・降温の工程を二回又はそれ以上繰り返してもよい。
また、上記保持時間は、通常50時間以下、好ましくは25時間以下、より好ましくは20時間以下である。
その他の正極活物質としては、MoS2、TiS2、MnO2、V2O5などの遷移金属酸化物又は遷移金属硫化物が挙げられる。
また、その他の正極活物質としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾール、ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料等も挙げられる。
また、負極がリチウム金属又はリチウム合金である場合は、正極として炭素材料を用いることもできる。
また、正極として、リチウム遷移金属複合酸化物と、炭素材料と、の混合物を用いることもできる。
正極活物質は、1種類のみ使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。正極活物質は導電性が不充分である場合には、導電性助剤とともに使用することができる。 導電性助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
リチウム遷移金属複合酸化物の含有量が上記範囲であると、前述の一般式(I)で表される化合物による効果がより効果的に発揮される。
本発明における正極の好ましい構成は、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極活物質を含有する正極活物質層を、集電体上に形成してなる構成である。正極活物質層は、更に、結着剤(バインダー)を含有することが好ましい。
また、正極活物質層中における正極活物質の含有量(又はリチウム遷移金属複合酸化物の含有量)は、正極活物質層の強度の観点から、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99質量%以下である。
また、正極活物質層は、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極活物質と、結着剤と、(更に必要に応じて用いられる導電材及び増粘剤等と、)を、液体媒体中に溶解又は分散させてスラリーとし、得られたスラリーを、正極集電体に塗布し、乾燥させることにより作製することもできる。
また、薄膜である正極集電体の厚さは、取り扱い性の観点から、通常100mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは50μm以下である。
なお、これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、正極活物質層中の結着剤の割合は、電池容量及び導電性をより向上させる観点から、通常80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
導電材の種類に特に制限はないが、具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)、無定形炭素(例えばニードルコークス、)等の炭素材料;等を挙げることができる。
なお、これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正極活物質層中の導電材の割合は、導電性をより向上させる観点から、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
また、正極活物質層中の導電材の割合は、電池容量をより向上させる観点から、通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
上記液体媒体としては、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いてもよい。
水系溶媒の例としては、水、アルコール等が挙げられる。
有機系溶媒の例としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルフォキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等を挙げることができる。
特に、水系溶媒を用いる場合には、増粘剤に併せて分散剤を加え、SBR等のラテックスを用いてスラリー化することもできる。
なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明における負極を構成する負極活物質は、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属もしくは合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料からなる群から選ばれた少なくとも1種(単独で用いてもよいし、これらの2種以上を含む混合物を用いてもよい)を用いることができる。
リチウム(又はリチウムイオン)との合金化が可能な金属もしくは合金としては、シリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金などを挙げることができる。また、チタン酸リチウムでもよい。
これらの中でもリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料としては、カーボンブラック、活性炭、黒鉛材料(人造黒鉛、天然黒鉛)、非晶質炭素材料、等が挙げられる。上記炭素材料の形態は、繊維状、球状、ポテト状、フレーク状いずれの形態であってもよい。
上記黒鉛材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。人造黒鉛としては、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなどが用いられる。また、黒鉛材料としては、ホウ素を含有するものなども用いることができる。また、黒鉛材料としては、金、白金、銀、銅、スズなどの金属で被覆したもの、非晶質炭素で被覆したもの、非晶質炭素と黒鉛を混合したものも使用することができる。
上記炭素材料としては、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔d(002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましい。また、炭素材料としては、真密度が1.70g/cm3以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料も好ましい。以上のような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度をより高くすることができる。
上記結着剤としては、前述した正極活物質層中の結着剤と同様のものを用いることができる。
負極活物質層は、前述の正極活物質層と同様に、負極活物質(及び好ましくは結着剤)を含むスラリーを用いて形成することができる。負極活物質層を形成するためのスラリー中の溶媒としては、正極活物質層を作製するためのスラリー中の溶媒と同様のものを用いることができる。負極活物質層を形成するためのスラリー中には、増粘剤(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン及びこれらの塩等)を含有させることもできる。
また、集電体の形状は、集電体が金属材料の場合は、例えば、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等が挙げられる。中でも、好ましくは金属薄膜、より好ましくは銅箔である。更に好ましくは、圧延法による圧延銅箔、電解法による電解銅箔である。
また、銅箔の厚さが25μmよりも薄い場合、銅箔の材質として、純銅よりも強度の高い銅合金(リン青銅、チタン銅、コルソン合金、Cu−Cr−Zr合金等)を用いることができる。
本発明のリチウム二次電池は、正極と負極との間に、セパレータを備えることができる。
上記セパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁し且つリチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。
上記多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。
特に、多孔性ポリオレフィンが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされてもよい。
上記高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
本発明のリチウム二次電池は、種々公知の形状をとることができ、円筒型、コイン型、角型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は、形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
本発明のリチウム二次電池(非水電解液二次電池)の例として、図1に示す角型電池及び図2に示すコイン型電池が挙げられる。
この一例では、セパレータ16に注入される非水電解液として、本発明における非水電解液を用いることができる。
即ち、本発明のリチウム二次電池は、まず、負極と、正極と、上記本発明の非水電解液と、を含む充放電前のリチウム二次電池を作製し、次いで、この充放電前のリチウム二次電池を1回以上充放電させることによって作製されたリチウム二次電池(充放電されたリチウム二次電池)であってもよい。
なお、以下の実施例において、「wt%」は質量%を表す。
また、以下の実施例において、「添加量」は、非水電解液中における含有量(即ち、非水電解液全量に対する量)を表す。
<正極の作製>
Li2CO3とCo3O4とZrO2とMgOとを混合後のLi:Co:Zr:Mgの含有比率が1:0.993:0.002:0.005となるように混合した後、空気雰囲気中850℃で20時間熱処理し、その後、混合物を粉砕しLi1Co0.993Zr0.002Mg0.005O2である正極活物質を得た。
この正極活物質を90質量部、アセチレンブラック5質量部及びポリフッ化ビニリデン5質量部を、溶媒としてN−メチルピロリジノンを用いて混錬してペースト状の正極合剤スラリーを調製した。
次に、この正極合剤スラリーを厚さ20μmの帯状アルミ箔の正極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して正極集電体と正極活物質とからなるシート状の正極を得た。このときの正極活物質層の塗布密度は30mg/cm2であり、充填密度は2.5g/mlであった。
人造黒鉛20質量部、天然黒鉛系黒鉛80質量部、カルボキシメチルセルロース1質量部及びSBRラテックス2質量部を水溶媒で混錬してペースト状の負極合剤スラリーを調製した。
次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して負極集電体と負極活物質層からなるシート状の負極を得た。このときの負極活物質層の塗布密度は10mg/cm2であり、充填密度は1.5g/mlであった。
セパレータは厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。
非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とメチルエチルカーボネート(EMC)とを30:35:35(質量比)の割合で混合し、混合溶媒を得た。
得られた混合溶媒中に、電解質であるLiPF6を、最終的に得られる非水電解液中における電解質濃度が1mol/Lとなるように溶解させた。
上記で得られた溶液に対して、トリプロパルギルボレート(添加量0.05wt%)を添加し、非水電解液を得た。
上記で得られたシート状の負極、セパレータ、シート状の正極をこの順に重ね、渦巻状に巻回し電極群を得た。電池ケースに、得られた電極群を収納し、上記非水電解液3mLを注入してセパレータと正極と負極に含漬させた。
電池ケースの開口部は、安全弁が設けられたケース蓋を、レーザー溶接することで電池を密封し、図1に示す構成を有する角型のリチウム二次電池(以下、試験用電池と称する)を作製した。
得られた試験用電池について、各測定を実施した。
<ガス発生抑制効果の評価1:高温保存後の電池厚み変化率>
上記試験用電池におけるガス発生抑制効果を、高温保存前後の試験用電池の厚みを比較することで評価した。評価手順を以下に示す。
作製した試験用電池を、800mAの電流で下記表1に示す充電電圧まで3時間定電流定電圧充電し、試験用電池の厚みを測定し初期電池厚み[mm]とした。その後、80℃の恒温槽中で2日間保存した後の試験用電池の厚みを測定し高温保存後電池厚み[mm]とし、高温保存前後の電池厚みの差[mm](厚み増分)を求めた。
図1に示す断面図において、電池ケース6の中央部における厚みを測定した。
得られた結果を表1に示す。
=(実施例1での高温保存後の電池厚みの差/比較例1での高温保存後厚みの差)×100
上記試験用電池におけるガス発生抑制効果を、充放電サイクル前後の試験用電池の厚みを比較することで評価した。評価手順を以下に示す。
作製した試験用電池を、800mAの電流で下記表1に示す充電電圧まで3時間定電流定電圧充電し、試験用電池の厚みを測定し初期電池厚み[mm]とした。その後、45℃の恒温槽中で、800mAの電流で3Vまで放電を行った。充放電サイクルを400サイクル繰り返した後の試験用電池の厚みを測定し充放電サイクル後電池厚み[mm]とし、充放電サイクル前後での電池厚みの差[mm](厚み増分)を求めた。
得られた結果を表1に示す。
=(実施例1での充放電サイクル後の電池厚みの差/比較例1での充放電サイクル後の電池厚みの差)×100
実施例2〜実施例4及び比較例1は、一般式(I)で表される化合物の種類、一般式(I)で表される化合物の添加量、充電電圧の組み合わせを下記表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例5〜実施例8及び比較例2は、一般式(I)で表される化合物の種類、一般式(I)で表される化合物の添加量、充電電圧の組み合わせを下記表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。
但し、これらの例における高温保存後の電池厚み変化率[%]は、比較例2での高温保存後の電池厚み変化率[%]を100%としたときの相対値として求めた。得られた結果を表1に示す。
実施例9〜実施例15及び比較例3は、一般式(I)で表される化合物の種類、一般式(I)で表される化合物の添加量、充電電圧の組み合わせを下記表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。
但し、これらの例における高温保存後の電池厚み変化率[%]は、比較例3での高温保存後の電池厚み変化率[%]を100%としたときの相対値として求めた。得られた結果を表1に示す。
また、表1から、ガス膨れの低減効果は充電電圧が高くなるにつれて、顕著に現れることがわかる。
2 電極群
3 負極板
4 正極板
5 セパレータ
6 電池ケース
7 ケース蓋
8 安全弁
9 負極端子
10 負極リード
11 コイン型リチウム二次電池
12 正極
13 負極
14 正極缶
15 封口板
16 セパレータ
17 ガスケット
18、19 スペーサー板
Claims (12)
- 高電圧環境下において、リチウムを吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解液と、を備えるリチウム二次電池であって、
前記非水電解液が、下記一般式(I)で表される化合物を含有するまたは添加して調製されたリチウム二次電池。
〔一般式(I)中、nは2〜4の整数を表し、nが2の場合MはSO又はSO2、nが3の場合MはB、P、又はP=O、nが4の場合MはSiを表す。Rはそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Rで表される基の少なくとも1つは炭素−炭素三重結合を有する。〕 - 前記正極活物質は、Liと、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも1種を含む遷移金属と、を含むリチウム遷移金属複合酸化物を含有する請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、遷移金属中のコバルト含有比率が1/3を超え1.0未満であって、さらにZr、Mg、Al、Ti、及びSnから選ばれる少なくとも1つの元素を含む請求項2に記載のリチウム二次電池。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、遷移金属中のコバルト含有比率が1/3を超え1.0未満であって、さらにZr及びMgを含む請求項2に記載のリチウム二次電池。
- 前記非水電解液は、前記一般式(I)で表される化合物を前記非水電解液の全質量に対して0.001質量%以上含有するまたは添加して調製された請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式(I)で表される化合物は、MがB、P、又はP=Oであり、前記非水電解液に、前記非水電解液の全質量に対して0.01質量%〜3質量%含有されるまたは添加された請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式(I)で表される化合物は、Rで表される基の少なくとも1つがプロパルギル基である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式(I)で表される化合物は、Rで表される基のいずれもがプロパルギル基である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、トリプロパルギルボレート又はトリプロパルギルホスフェートである請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
- 前記負極が金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属若しくは合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料からなる群から選ばれる少なくとも1種を負極活物質として含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
- 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のリチウム二次電池を充放電させて得られたリチウム二次電池。
- 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のリチウム二次電池に用いられる非水電解液。
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