JP2016006405A - 検出対象の検出方法及び定量方法、キット、並びに試薬の調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検体中の検出対象を検出する方法は、刺激応答性物質11を含有する第1の物質と検出対象50に対する第1の親和性物質13とが結合した第1の結合物10と、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質21と検出対象50に対する第2の親和性物質23とが結合した第2の結合物20と、検体とを混合し、この混合物を刺激応答性物質11が凝集する条件下におき、刺激応答性物質11の分散又はそれと相関する事象の有無を判定する工程を含む。第2の物質21は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものであり、第1の親和性物質13と第2の親和性物質23が、検出対象50の異なる部位において、同時に検出対象50に結合できる。
【選択図】図1
Description
刺激応答性物質を含有する第1の物質と前記検出対象に対する第1の親和性物質とが結合した第1の結合物と、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質と前記検出対象に対する第2の親和性物質とが結合した第2の結合物と、前記検体とを混合し、この混合物を前記刺激応答性物質が凝集する条件下におき、前記刺激応答性物質の分散又はそれと相関する事象の有無を判定する工程を含み、
第2の物質は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものであり、
第1の親和性物質と第2の親和性物質が、前記検出対象の異なる部位において、同時に前記検出対象に結合できる方法。
刺激応答性物質を含有する第1の物質と前記検出対象に対する第1の親和性物質とが結合した第1の結合物と、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質と前記検出対象に対する第2の親和性物質とが結合した第2の結合物と、前記検体とを混合し、この混合物を前記刺激応答性物質が凝集する所定条件下におき、
前記混合物の濁度又はそれと相関するパラメータを測定し、前記検出対象の量と濁度又は前記パラメータとの前記所定条件下における相関式に基づいて、前記検体中の検出対象の量を算出することを含み、
第2の物質は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものであり、
第1の親和性物質と第2の親和性物質が、前記検出対象の異なる部位において、同時に前記検出対象に結合できる方法。
前記方法は、前記条件においた後の前記混合物に磁力を付加することで、凝集した磁性物質を分離することを更に含む(1)又は(2)に記載の方法。
水中で、第2の物質と、第2の親和性物質とを結合させた後、固液分離させ、固相である第2の結合物を回収する工程を有する方法。
刺激応答性物質を含有する第1の物質と前記検出対象に対する第1の親和性物質とが結合した第1の結合物と、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質と前記検出対象に対する第2の親和性物質とが結合した第2の結合物を備え、
第2の物質は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものであるキット。
本発明のキットは、検出対象を検出又は定量するためのキットであって、第1の結合物と、第2の結合物とを含有する。各構成について、以下詳細に説明する。
第1の結合物は、刺激応答性ポリマーを含有する第1の物質と、検出対象に対する第1の親和性物質とが結合したものである。
本発明で用いられる第1の物質は刺激応答性物質を含有する物質であり、この刺激応答性物質は、外的な刺激に応答して構造変化を起こし、凝集及び分散を調整できる物質である。刺激としては、特に限定されないが、温度変化、光の照射、酸又は塩基の添加(pHの変化)、電場変化等が挙げられる。
ここで用いる微粒子状の磁性物質は、多価アルコールとマグネタイトとで構成されてよい。この多価アルコールは、構成単位に水酸基を少なくとも2個有し且つ鉄イオンと結合可能なアルコール構造体である限りにおいて特に限定されず、例えば、デキストラン、ポリビニルアルコール、マンニトール、ソルビトール、シクロデキストリンが挙げられる。例えば特開2005−82538公報には、デキストランを用いた微粒子状の磁性物質の製造方法が開示されている。また、グリシジルメタクリレート重合体のようにエポキシを有し、開環後多価アルコール構造体を形成する化合物も使用できる。このような多価アルコールを用いて調製された微粒子状の磁性物質(磁性微粒子)は、良好な分散性を有するように、その平均粒径が0.9nm以上1000nm未満であることが好ましい。平均粒径は、特に目的とする検出対象の検出感度を高めるためには、2.9nm以上200nm未満であることが好ましい。
第1の親和性物質は、検出対象に結合する物質、例えば、検出対象を認識する抗体であってよい。ここで用いる抗体は、いかなるタイプの免疫グロブリン分子であってもよく、Fab等の抗原結合部位を有する免疫グロブリン分子断片であってもよい。また、抗体は、モノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよい。さらに、別の態様として、検出対象が抗体(イムノグロブリン)、例えばヒトイムノグロブリンG、ヒトイムノグロブリンM、ヒトイムノグロブリンA、ヒトイムノグロブリンEの場合、第1の親和性物質は、それぞれ該ヒトイムノグロブリンG、該ヒトイムノグロブリンM、該ヒトイムノグロブリンA、該ヒトイムノグロブリンEが認識する、抗原または抗原決定基を含んだ物質であり、特に典型的には自己抗体が認識する抗原または抗原決定基でありえる。ここでいう「抗原決定基」とは、完全に天然に存在する抗原分子中と同じ構造である必要はなく、検出対象となる抗体が認識する物質であればよい。なお、本願明細書には、自己抗体(例として抗環状シトルリン 化ペプチドを認識する抗体)を検出対象とする場合に、自己抗原(例としてCCP;環状シトルリン化ペプチド)を第1の親和性物質とした例を実施例に記載し、第1の親和性物質の一態様を明示する。
第1の結合物は、第1の物質と第1の親和性物質とを結合することによって作製する。この結合方法は、特に限定されないが、例えば、第1の物質側(例えば刺激応答性物質部分)及び第1の親和性物質(例えば、第1の抗体)側の双方に、互いに親和性の物質(例えば、アビジン及びビオチン、グルタチオン及びグルタチオンSトランスフェラーゼ)を結合させ、これら物質を介して第1の物質及び第1の親和性物質を結合させる。
第2の結合物は、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質と、検出対象に対する第2の親和性物質とが結合したものである。中でも本発明における第2の物質は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものである。これにより、未結合の第2の親和性物質から固液分離等で容易に高い収率で第2の結合物を回収することができる。また、当該第2の結合物を用いても、第2の物質が親水性又は有電荷の部分を有するため、検出対象の存在に依存して刺激応答性物質の凝集阻害が生じる。これにより、適切に検出対象の検出及び定量を行うことができる。なお、常温(5〜35℃)は、第2の物質と第2の親和性物質との反応に用い得る(十分な反応効率を得る点、及び第2の親和性物質の失活を抑制する点)一般的な温度である。
第2の親和性物質は、第1の親和性物質とは異なる部位において、第1の親和性物質と同じ検出対象に結合できるものである。第1の親和性物質及び第2の親和性物質は、例えば、検出対象の異なる抗原決定基を認識する抗体、例えばモノクローナル抗体であってよい。
第2の結合物は、第2の物質と第2の親和性物質とを直接又は間接に結合することによって作製する。特に限定されないが、例えば、第2の物質側及び第2の親和性物質(例えば、第2の抗体)側の双方に、互いに親和性の物質(例えば、アビジン及びビオチン、グルタチオン及びグルタチオンSトランスフェラーゼ)を結合させ、これら物質を介して第2の物質及び第2の親和性物質を間接的に結合させる。
本発明の検出方法は、まず第1の結合物、第2の結合物及び検体を混合し、この混合物を刺激応答性物質が凝集する条件下において、刺激応答性物質の分散又はそれと相関する事象の有無を判定する工程を含む。手順の詳細を以下に説明する。
まず、第1の結合物と第2の結合物とを容器内で混合し、更に検体を添加して混合物を得る。続いて、この混合物を刺激応答性ポリマーが凝集する条件下におく。すると、検出対象が存在する場合には、刺激応答性ポリマーが第2の結合物中の親水性部分によって凝集阻害されて分散する。一方、検出対象が存在しない場合には、刺激応答性ポリマーが凝集阻害されず凝集することになる。
分散の有無の判定は、例えば目視又は濁度測定で行うことができる。濁度は光散乱装置での光透過率から算出でき、濁度が低ければ刺激応答性ポリマーの凝集が阻害されており、検出物質の存在が示唆される。ここで、使用する光の波長は、磁性物質の粒径等に応じ所望の検出感度が得られるよう適宜設定されてよい。光の波長は、従来汎用の装置を利用できる点で、可視光の範囲内(例えば、550nm)であることが好ましい。
本発明の定量方法によれば、まず、第1の結合物、第2の結合物及び検体を混合し、この混合物を刺激応答性ポリマーが凝集する所定条件下におく、次に、混合物の濁度又はそれと相関するパラメータを測定し、検出対象の量と濁度又は上記パラメータとの所定条件下における相関式に基づいて、検体中の検出対象の量を算出する。前半部分の手順は前述した検出方法と類似するので、説明を省略する。
上記所定条件と同一の条件における、検出対象の量と濁度又はそれと相関するパラメータとの相関式を作成する。この相関式を構成する検出対象の量と濁度又はパラメータとの測定は、データが多い程に信頼性の高い相関式が得られる。そこでデータは、2点以上の検出対象の量に関するものであればよく、3点以上の検出対象の量に関するものであることが好ましい。
混合物の濁度測定値を、作成した相関式に代入することによって、検体中の検出対象の量を算出できる。
第1の物質が微粒子状の磁性物質を含有する場合、本発明の検出方法又は定量方法は、磁力を付加することで、凝集した磁性物質を分離することを更に含むことが好ましい。これによって、凝集した磁性物質が、非凝集状態の磁性物質を含む夾雑物から分離される。このため、分離した磁性物質の量、溶媒に分散した際の光透過率等の測定値は、夾雑物の影響が除外され、検出物質の存在をより忠実に反映したものとなる。この効果は、特に、粒径等のために検出・定量感度が高くない第2の物質を用いる際、有利である。
検体中の検出対象としては、臨床診断に利用される物質が挙げられ、具体的には、体液、尿、喀痰、糞便中等に含まれるヒトイムノグロブリンG、ヒトイムノグロブリンM、ヒトイムノグロブリンA、ヒトイムノグロブリンE、ヒトアルブミン、ヒトフィブリノーゲン(フィブリン及びそれらの分解産物)、α−フェトプロテイン(AFP)、C反応性タンパク質(CRP)、ミオグロビン、ガン胎児性抗原、肝炎ウイルス抗原、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、ヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)、HIVウイルス抗原、アレルゲン、細菌毒素、細菌抗原、酵素、ホルモン(例えば、ヒト甲状腺刺激ホルモン(TSH)、インスリン等)、薬剤等が挙げられる。
本発明は、検出対象を検出及び/又は定量するためのキットも包含する。このキットは、刺激応答性物質を含有する第1の物質と前記検出対象に対する第1の親和性物質とが結合した第1の結合物と、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質と検出対象に対する第2の親和性物質とが結合した第2の結合物を備え、第2の物質は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものである。第1の物質は微粒子状の磁性物質を含有することが好ましい。第2の物質は、固相表面に水溶性物質が結合されたものであることが好ましい。各構成要素の詳細は前述の通りであるので、省略する。
本実施例では、第1の結合物としてCCP結合−温度応答性ポリマー表面修飾磁性粒子を、第2の結合物として抗ヒトIgG抗体結合ラテックス粒子を用いて、ヒト血清中に存在する自己抗体(具体的には、抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)を認識する抗体、以降「抗CCP抗体」という)を検出する例を示す。
ビオチン化CCPはIntegrated DNA Technologies社(米国アイオワ州コーラルビル)にて全合成した。
ポリスチレン製ラテックス粒子(平均粒径0.058μm)の水分散液0.4mL、及び抗ヒトIgG抗体(株式会社医学生物学研究所)を混合し、室温で60分間スターラーで撹拌することで、ラテックス粒子に抗ヒトIgG抗体を物理吸着させた。この反応液を20000gで80分間に亘り遠心分離し、上清を除去した。残った沈殿を、加えたPBSバッファー(pH7.4)に分散させ、再び20000gで80分間に亘り遠心分離し、上清を除去した。これを、0.5%(w/v)BSA(シグマ社製)、0.5%(w/v)Tween(登録商標)20、10mM EDTAを含有するPBSバッファー(pH7.4)に分散させ、0.025%の抗ヒトIgG抗体結合ラテックス粒子を含む第2の結合物の分散溶液を調製した。
[試料の調製]
CCP陽性ヒト血清を、抗CCP抗体の量が0U/mL、20U/mL、100U/mL、及び500U/mLとなるよう、ヒト血清で希釈したものを、それぞれ試料とした。
図4に示されるように、汎用の分光光度計用セミミクロセル71の光路外に、寸法5mm×9mm×2mmのネオジム永久磁石73(西興産業社製)を取り付けた。このセル71を、セル温度制御機が設けられた紫外可視分光光度計V−660DS(日本分光社製)内に設置し、37℃のもと10分間以上保持した。
第1の結合物の分散溶液100μL、各試料10μLをマイクロチューブ内に注ぎ、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、37℃で5分間保持した。その後、第2の結合物の分散溶液100μL加えた後、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、18℃で5分間保持した。この状態を模式的に図3に示す。図3の態様は、図1に示す態様に比べ、第1の親和性物質として自己抗原 (この例としてはCCP(符号13A)を用いている点、検出対象が抗体(符号50A)(この例としては自己抗体;抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)を認識する抗体)である点で異なる。
この撹拌液をセル71内に分注し、分光光度計に添付の使用説明書に従ってゼロ補正し、波長420nmの光を用いて、直ちにバンド幅2.0nmで1000秒間にわたって連続して測定した。この結果を図5に示す。
11 刺激応答性物質
13 第1の抗体(第1の親和性物質)
13A 自己抗原(例としてCCP;第1の親和性物質)
15 アビジン
17 ビオチン
19 磁性物質
20 第2の結合物
21 第2の物質
23 第2の抗体(第2の親和性物質)
50、50A 検出対象
Claims (8)
- 検体中の検出対象を検出する方法であって、
刺激応答性物質を含有する第1の物質と前記検出対象に対する第1の親和性物質とが結合した第1の結合物と、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質と前記検出対象に対する第2の親和性物質とが結合した第2の結合物と、前記検体とを混合し、この混合物を前記刺激応答性物質が凝集する条件下におき、前記刺激応答性物質の分散又はそれと相関する事象の有無を判定する工程を含み、
第2の物質は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものであり、
第1の親和性物質と第2の親和性物質が、前記検出対象の異なる部位において、同時に前記検出対象に結合できる方法。 - 検体中の検出対象を定量する方法であって、
刺激応答性物質を含有する第1の物質と前記検出対象に対する第1の親和性物質とが結合した第1の結合物と、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質と前記検出対象に対する第2の親和性物質とが結合した第2の結合物と、前記検体とを混合し、この混合物を前記刺激応答性物質が凝集する所定条件下におき、
前記混合物の濁度又はそれと相関するパラメータを測定し、前記検出対象の量と濁度又は前記パラメータとの前記所定条件下における相関式に基づいて、前記検体中の検出対象の量を算出することを含み、
第2の物質は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものであり、
第1の親和性物質と第2の親和性物質が、前記検出対象の異なる部位において、同時に前記検出対象に結合できる方法。 - 第1の物質が微粒子状の磁性物質を含有し、
前記方法は、前記条件においた後の前記混合物に磁力を付加することで、凝集した磁性物質を分離することを更に含む請求項1又は2記載の方法。 - 第2の物質は、固相表面に水溶性物質が結合されたものである請求項1から3いずれか記載の方法。
- 第2の結合物を含みかつ請求項1から4いずれか記載の方法で用いられる試薬の調製方法であって、
水中で、第2の物質と、第2の親和性物質とを結合させた後、固液分離させ、固相である第2の結合物を回収する工程を有する方法。 - 検出対象を検出及び/又は定量するためのキットであって、
刺激応答性物質を含有する第1の物質と前記検出対象に対する第1の親和性物質とが結合した第1の結合物と、親水性又は有電荷の部分を有する第2の物質と前記検出対象に対する第2の親和性物質とが結合した第2の結合物を備え、
第2の物質は、常温(5〜35℃)の水中で固相を構成するものであるキット。 - 第1の物質が微粒子状の磁性物質を含有する請求項6記載のキット。
- 第2の物質は、固相表面に水溶性物質が結合されたものである請求項6又は7記載のキット。
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