JP2016064458A - 自動研削加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の加工対象物を連続的なバッチ処理により、加工できる、自動研削加工装置を開示する
【解決手段】本発明の自動研削加工装置は、複数の加工対象物を、所定形状を有する部品への研削加工を、連続的に行う自動研削加工装置であって、複数の加工対象物を単位個数ずつ送り出す送出部と、送出部で送り出された単位個数の加工対象物に、定められた所定形状への研削を行う研削部と、研削部で研削された加工対象物の、研削精度を測定する測定部と、測定部で研削精度が所定値以内である場合に、研削加工の完了した完成品として排出し、研削精度が所定値外である場合に、未完成品として研削部での再度の研削を行うために研削部に戻す、振り分け部、とを備え、所定形状は、複数種類の形態を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属製の加工対象物を所定形状の部品へ研削し、特に、複数の加工対象物を連続的かつ自動でバッチ処理できる自動研削加工装置に関する。
電子機器、精密機器、輸送機器、工作機械などの機器や機械においては、様々な部品が多数用いられる。あるいは、組み込まれる部品だけでなく、必要に応じて取り付けられたり組み合わされたりする多種多様な部品が必要である。さらには、これらの機器や機械をメンテナンスするための器具も必要であり、このメンテナンス用器具にも多種多様な部品が必要であることがある。
このような多種多様な部品においては、金属製の加工対象物を特定の形状(特殊な形状であったり、規格化された形状であったりする)に加工された部品もある。
例えば、筒状の形状を有する金属製の部材(加工対象物)を、機械加工や電気加工によってその形状を変化させて、特定の形状を有する部品が製造される。このとき、機械加工や電気加工によって、筒状の部材の一部が研削されたり、折り曲げや湾曲されたりして、部材に特定形状が施される。
より具体的には、筒状の部材が研削されることで、部材の一部の形状、直径、厚みなどが変化させられて、先端が段階的に直径を変化させる形状、先端が次第にとがっていく形状、先端の断面形状が他の部分と異なる断面形状である形状、部材の途中の直径や断面形状が他の部分と異なる形状などの、特定形状の部品が製造される。
あるいは、折り曲げや湾曲などの研削以外の加工が施されてもよい。もちろん、切削や切断などの様々な加工が部材に施されて、所望の形状を有する部品が製造されることもありうる。
このような様々な部品製造において、研削加工によって、筒状の金属製の部材を、特定形状である部品に製造することが多く行われている。このように研削によって得られる特定形状(特殊形状)を有する部品は、上述した電子機器、精密機器、輸送機器、工作機械、メンテナンス器具などの様々な部位に使用されることが多いからである。
一方で、このような筒状の部材の部品への研削加工においては、非常に高い精密度が要求される。例えば、数μm程度の誤差に収まるような加工精度が要求される。加えて、部材となる金属は、硬度の高い金属製や合金製であることも多く、研削での負荷が高い。なお、加工される部材は、金属や合金製だけでなく、樹脂、セラミック、その他の非金属の素材であることもある。
研削での負荷が高いことで、金属製や合金製の部材を特定形状の部品に研削加工するのに、レーザーや放電加工などを利用した電気加工が用いられることも多い。このような電気加工の場合には、機械加工と異なり、研削用の器具(例えば砥石など)を必要としないので、器具交換などが不要であるメリットがあるからである。
あるいは、電気加工の場合には、レーザーや放電加工などによって、高速の加工を行うことができるメリットが生じることもある。
しかしながら、電気加工の場合には、レーザーや放電加工などによって、加工装置全体が大がかりかつ複雑になる。このため、加工コストが高くなり、加工コストが部品に反映されてしまう。上述した特定形状に加工される部品は、様々な機器の様々な場所に用いられるので、シビアな低コスト化が要求される。このため、電気加工による加工では、この点を満足できない。
もちろん、電気加工の場合には、レーザーや放電器などの特殊な器具を必要とするので、加工装置自体も高額となり、加工装置を多数必要とする企業にとっては導入が困難となる。多数の加工装置を導入できなければ、部品加工の時間当たりの加工数が減少するので、作業効率や加工コストの点でデメリットである。
このような状況において、研削用の砥石などの加工器具を用いた機械加工による研削加工で、特定形状の部品を製造することが行われている。また、このような機械加工においても、高い加工精度を実現することが求められるようになってきている。
機械加工の場合には、レーザーや放電加工などの特殊な器具を必要とせず、加工装置全体の複雑さや大型化を防止できる。また、機械加工での加工を行う加工器具そのもののコストも低いので、加工装置のコストを低下することができる。導入数も増やすことができるので、トータルで、加工コストを低下させることができ、部品コストを低下させることができるメリットがある。このため、従来は電気加工で行われていた部品製造を機械加工に置き換えるトレンドがある。
一方で、機械加工では、加工精度の確保以外に、加工器具への加工対象物のセッティングや加工を行う加工器具のメンテナンス作業などの必要性がある。このような状況において、機械加工で特殊な形状の部品を製造する加工装置についての技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2010−194623号公報 特開2009−208181号公報
特許文献1は、一部の円筒面を周回するように形成されたねじ溝NMを有する略円筒状のワークWをワーク回転軸CZ回りに回転可能に支持する支持手段と、ねじ溝を仕上げ研削する砥石Tと、リード方向移動手段と、切り込み方向移動手段と、を備え、ねじ溝NMの研削時におけるワークWと砥石Tとの接点である加工点Kpから、ワーク回転軸CZ方向にねじ溝NMのリード幅Lpに対応した距離だけ離れた位置に、物体に接触することなく物体までの距離に応じた検出信号を出力する非接触変位検出手段S1が、ワークWの方向に向けて設けられているねじ研削盤を開示する。
特許文献1は、砥石との機械加工による加工器具を用いて、加工対象物を加工してねじ溝を形成してねじを製造する技術を開示する。すなわち、機械加工による加工装置を開示している。
ここで、特許文献1は、加工対象物であるワークの加工器具である砥石への位置合わせを精度よく行うことを目的としている。
しかしながら、特許文献1は、精度よく位置合わせ(加工対象物のセッティング)のみを考慮しており、他の問題点への考慮は少ない。例えば、加工精度が確保されているかの確認や、加工対象物を連続的に加工する自動化、あるいは、異なる加工形状への自動対応などについては、考慮していない。
また、加工対象物のセッティングの位置決めに注力していることで、位置決めを加工対象物の個々に行う必要があり、複数の加工対象物の連続処理を実現しにくい問題がある。
このような問題によって、複数の加工対象物の加工時間が長くなり、加工速度、加工効率、加工コストを下げることが難しい問題を有している。
特許文献2は、ドレス砥石として研削装置で連続加工されるワーク15の表面16aにドレス用の砥粒56を電着したドレス用ワーク16を用いている。不良導体のワークには、ワーク表面にめっきを施した後、当該めっき層にドレス砥粒を電着する。ワーク15と同一形状の金属基材55の表面16aにドレス砥粒56を電着してドレス用ワーク16としても良い。一般的には、ドレス砥粒を電着するが、ワークの材質等によっては、電着以外の方法でドレス砥粒56をワーク15や金属基材55の表面16aに付着させても良い研削砥石のドレス方法を、開示する。
すなわち、特許文献2は、研削加工によって摩耗する砥石のメンテナンスを実現する技術を開示する。
しかしながら、特許文献2も、特許文献1と同じく、例えば、加工精度が確保されているかの確認や、加工対象物を連続的に加工する自動化、あるいは、異なる加工形状への自動対応などについては、考慮していない。当然に、複数の加工対象物の連続処理を実現しにくい問題があり、加工コストを下げることが難しい問題を有している。
また、砥石をドレスすることを開示しているが、砥石の摩耗状態を検出する方法が複雑であり、砥石の摩耗状態を検出するために加工装置を停止させなければならないなどの問題もあり、加工装置の稼働率を下げるという問題を有している。
以上、特許文献1、2などに代表される従来の加工装置は、次のような問題を有している。
(問題1)複数の加工対象物を連続的にバッチ処理によって、高速かつ効率よく加工することが難しい。
(問題2)複数の加工対象物において、異なる加工形状を含む場合での、連続的なバッチ処理での加工が難しい。
(問題3)加工された部品の加工精度に基づく加工完了や再加工などの判断ができず、良品率を上げることが難しい。
(問題4)加工器具である砥石などの摩耗を、加工作業を長時間止めることなく把握することが難しい。
(問題5)問題1〜4によって、複数の加工対象物を加工する総時間が長くなり、加工コスト、部品コストを低下させることが難しい。また、コストを下げつつも、加工精度を維持することのバランスが難しい。
本発明は、以上の問題に鑑み、複数の加工対象物を連続的なバッチ処理により、加工できる、自動研削加工装置を開示することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の自動研削加工装置は、複数の加工対象物を、所定形状を有する部品への研削加工を、連続的に行う自動研削加工装置であって、
複数の加工対象物を単位個数ずつ送り出す送出部と、
送出部で送り出された単位個数の加工対象物に、定められた所定形状への研削を行う研削部と、
研削部で研削された加工対象物の、研削精度を測定する測定部と、
測定部で研削精度が所定値以内である場合に、研削加工の完了した完成品として排出し、研削精度が所定値外である場合に、未完成品として研削部での再度の研削を行うために研削部に戻す、振り分け部、とを備え、
所定形状は、複数種類の形態を有する。
本発明の自動研削加工装置は、複数の加工対象物をバッチ処理によって連続的に加工して特定形状を有する部品を製造できる。
この連続処理において、複数の加工対象物において異なる加工形状を含んだ状態でも、連続的に異なる加工形状での部品を加工して製造できる。
更に、製造する部品の加工精度を自動で確認しつつ不備があれば再加工を自動で行うことで、加工装置の停止や手作業による対応を極力減少できる。また、加工精度に基づいて、加工器具の砥石などの摩耗度合いを測定することで、メンテナンスでの加工装置の停止を減少できる。
以上が相まって、加工コスト、部品コストを低減できる。
本発明の実施の形態1における自動研削加工装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における加工対象物の模式図である。 本発明の実施の形態1における自動研削加工装置で製造される部品を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における加工対象物100を加工した後の部品101の例を示す写真である。 、図4の一つの加工部分の拡大写真である。 本発明の実施の形態1における研削ステージの側面図である。 本発明の実施の形態1における自動研削加工装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における自動研削加工装置1の、上述した作業フローを詳細化したフローチャートである。 本発明の実施の形態2における自動研削加工装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2における自動研削加工装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2における自動研削加工装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2における研削治具の拡大模式図である。
本発明の第1の発明に係る自動研削加工装置は、複数の加工対象物を、所定形状を有する部品への研削加工を、連続的に行う自動研削加工装置であって、
複数の加工対象物を単位個数ずつ送り出す送出部と、
送出部で送り出された単位個数の加工対象物に、定められた所定形状への研削を行う研削部と、
研削部で研削された加工対象物の、研削精度を測定する測定部と、
測定部で研削精度が所定値以内である場合に、研削加工の完了した完成品として排出し、研削精度が所定値外である場合に、未完成品として研削部での再度の研削を行うために研削部に戻す、振り分け部、とを備え、
所定形状は、複数種類の形態を有する。
この構成により、自動研削加工装置は、複数の種類あるいは複数の個数の加工対象物を、それぞれの加工形状に合わせて連続的に研削加工できる。加えて、研削加工の後で研削精度を確認した上で完成品の分類を行えるので、自動状態のままで歩留まりを上げることができる。
本発明の第2の発明に係る自動研削加工装置では、第1の発明に加えて、複数の種類の形状の加工プログラムを記憶する記憶部を更に備え、複数種類の形状は、第1形状、第2形状・・第n形状を含み、記憶部は、複数種類の形状から、研削部に送出される加工対象物に対応する形状の加工プログラムを選択して、研削部に出力する。
この構成により、異なる形状の部品を研削加工しなくてはならない場合も、それぞれに対応した加工プログラムで間違いなく対応すべき形状に研削加工できる。
本発明の第3の発明に係る自動研削加工装置では、第2の発明に加えて、測定部で測定する研削精度は、形状の加工プログラムに対応する、測定ブログラムに含まれる。
この構成により、測定部は、研削精度を含む測定プログラムで研削加工後の研削精度を測定する。
本発明の第4の発明に係る自動研削加工装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、前測定部は、測定された研削精度を出力する。
この構成により、研削精度が、その後の他の要素で活用される。
本発明の第5の発明に係る自動研削加工装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、振り分け部は、振り分けられた完成品および未完成品の完成割合を算出して出力する。
この構成により、振り分け部は、完成割合により歩留まりを算出することができる。
本発明の第6の発明に係る自動研削加工装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、研削精度および完成割合の少なくとも一方に基づいて、研削部の備える研削治具の劣化度合いを検査する検査部と、を更に備える。
この構成により、研削治具そのものを直接的に検査する難しさを避けて、研削治具の劣化度合いを、研削加工される部品の研削精度の変化から間接的に検査できる。検査によって、研削治具の問題を解決して、研削精度を元に戻すことができる。
本発明の第7の発明に係る自動研削加工装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、複数の加工対象物のそれぞれにおいて、研削部で研削されて最終的に完成品として排出されるまでの総加工時間を計測する、加工時間計測部を更に備える。
この構成により、加工時間に基づいて、自動研削加工装置の改良や研削工程の改良あるいはコストの予測計算などの情報が提供される。
本発明の第8の発明に係る自動研削加工装置では、第7の発明に加えて、加工プログラム、測定プログラム、研削精度、完成割合、劣化度合いおよび総加工時間の少なくとも一つに基づいて、複数の加工対象物のそれぞれの加工コストを推定するコスト推定部を更に備える。
この構成により、自動研削加工装置は、加工コストを研削作業のみで推定できる。
本発明の第9の発明に係る自動研削加工装置では、第8の発明に加えて、記憶部は、研削精度、完成割合、劣化度合い、総加工時間および加工コストを記憶する。
この構成により、作業者は必要に応じて、記憶部が記憶している様々な測定結果などの情報を読み出すことができる。
本発明の第10の発明に係る自動研削加工装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、複数の加工対象物が、送出部によって送り出されるために、複数の加工対象物を供給する供給部を更に備える。
この構成により、送出部に次々と多数の加工対象物が供給され、研削作業が連続的に行われる。
本発明の第11の発明に係る自動研削加工装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、複数の加工対象物のそれぞれは、識別子を有しており、記憶部は、複数の加工対象物の送出されるそれぞれと識別子の対応付けを記憶する。
この構成により、加工対象物のすべては、供給から研削および出庫に至るまで、一つの識別子で管理される。この管理によって、加工プログラム、測定プログラムなどの適用に問題は生じにくい。
本発明の第12の発明に係る自動研削加工装置では、第11の発明に加えて、複数の加工対象物のそれぞれの加工プログラム、研削精度、完成割合、劣化度合い、総加工時間および加工コストは、識別子によって、加工対象物のそれぞれに固有に対応付けされている。
この構成により、識別子によって、すべての加工対象物が関連付けられた処理を受ける。
本発明の第13の発明に係る自動研削加工装置では、第10から第12のいずれかの発明に加えて、収容部に収容される複数の加工対象物において、異なる形状の加工プログラムでの加工対象物が混在する。
この構成により、一つのバッチ処理の中で、異なる形状への研削加工が、複数の加工対象物のそれぞれに対して施される。
本発明の第14の発明に係る自動研削加工装置では、第13の発明に加えて、記憶部は、複数の加工対象物の研削部への送出において、識別子で対応付けられた加工プログラムを、研削部に出力する。
この構成により、研削部は、識別子で確定された研削形状に対応した加工プログラムにて、確実に必要な所定形状に研削加工する。
本発明の第15の発明に係る自動研削加工装置では、第1から第14のいずれかの発明に加えて、記憶部は、複数の加工対象物の測定部での測定において、識別子で対応付けられた研削精度の基準となる研削精度基準を、測定部に出力する。
この構成により、測定部は、識別子で確定される研削精度基準に合わせた測定プログラムに基づいて、研削加工された部品の研削精度を測定できる。
本発明の第16の発明に係る自動研削加工装置では、第6から第15のいずれかの発明に加えて、検査部は、研削治具の劣化度合いが所定値以上の場合に、送出部および研削部の動作を停止させる。
この構成により、研削部での研削能力が劣った状態では、装置の一部を停止させて、無駄な作業時間等を生じさせない。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。
(全体概要)
図1は、本発明の実施の形態1における自動研削加工装置のブロック図である。図1は、実際に製作される自動研削加工装置の模式的な状態を示している。
自動研削加工装置1は、複数の加工対象物を、所定形状を有する部品へ、連続的に研削加工を行う。特に、この研削加工において自動で行う装置である。図1に示される通り、実際の研削加工を行う研削部5以外に必要となる要素を、自動研削装置1は、備えている。すなわち、自動研削装置1は、送出部2、供給部4、研削ステージ3、研削部5、測定部6、振り分け部7を備える。
送出部2は、複数の加工対象物100を単位個数ずつ研削ステージ3に送り出す。研削ステージ3は、実際の研削加工を行う研削部5を備えている。送出部2から送り出された加工対象物100は、この研削部5において、所定形状の部品へ研削加工される。
測定部6は、研削加工された加工対象物100(部品101とみなしてもよい)の、研削精度を測定する。測定部6は、研削精度が所定値以内である場合には、研削加工の完了した完成品であるとして、部品101を判断する。逆に、測定部6は、研削精度が所定値以外である場合には、研削加工された部品101を、未完成品として判断する。
これらの測定部6での完成品、未完成品の判断に基づいて、振り分け部7は、完成品を、出庫として排出する。一方、振り分け部7は、未完成品については、再度の研削加工を行うために、未完成品を研削部5に戻す。このように、振り分け部7は、測定部6での結果に基づいて、完成品と未完成品とのそれぞれでの次のステージを振り分ける。
このようにして、自動研削加工装置1は、未完成品が完成品に混じって出庫されて出荷されてしまうことを防止できると共に、加工精度が不十分な部品101を、再度の研削加工によって、無駄にすることなく完成品に仕上げることができる。結果として、歩留まりも向上し、出庫後での人的作業等による選別作業を省略できるので、部品101の製造コストを低減できる。
(加工対象物と部品)
ここで、自動研削加工装置1が加工する加工対象物は、図2に示されるような筒状の部材である。図2は、本発明の実施の形態1における加工対象物の模式図である。加工対象物100は、自動研削加工装置1で加工される前の部材であり、自動研削加工装置1を用いて作業する事業者が製造した部材であることもあり、それ以外の部材供給業者が製造して供給した部材であることもある。
加工対象物100は、金属、合金、樹脂、セラミックス、木材、その他の非金属を素材とする。
自動研削加工装置1は、図2に示される筒状の加工対象物100を研削加工して、図3に示されるような所定形状を有する部品101を製造する。図3は、本発明の実施の形態1における自動研削加工装置で製造される部品を示す模式図である。図3に示される部品101の所定形状は一例であり、このような所定形状以外の形状の部品101も製造される。
例えば、図3の部品101と同様に筒状の加工対象物100の側面側から研削加工されて、筒状の加工対象物100の一部の径が異なる形状の所定形状である場合がある。このときの、加工対象物100の一部の径が異なる箇所、異なる径の大きさ、径の異なる箇所の分布などが、様々である複数の種類の所定形状の部品101が製造されてもよい。
あるいは、筒状の加工対象物100の側面以外が研削加工されて、高さが異なったり、上面もしくは底面に凸凹等の加工が施されたりした所定形状の部品101が製造されてもよい。この時は、例えば、筒状の加工対象物100の上面もしくは底面に、凹みが穿たれたような所定形状の加工が施される。
図4は、本発明の実施の形態1における加工対象物100を加工した後の部品101の例を示す写真である。図5は、図4の一つの加工部分の拡大写真である。図4、図5は、図3のように、筒状の加工対象物100の側面から加工されて、加工対象物100の先端側の径が変化していく所定形状を有している。
実施の形態1の自動研削加工装置1は、図4、図5に示されるような部品101を製造する。
(供給部)
供給部4は、複数の加工対象物100を保管しつつ送出部2へ供給する。このため、供給部4は、複数の加工対象物100をストックできる構造を有している。供給部4は、ストックのために、外部から複数の加工対象物100を入庫できる状態となっている。また、ストックしている加工対象物100を、様々に定められた順序で送出部2に供給するために、加工対象物100を移動させる機構を有している。
ここで、供給部4は、複数の加工対象物100を保管しつつ供給するが、同一種類(例えば、筒状の加工対象物100の直径、高さ、素材、その他が同一である)の加工対象物100を保管しつつ供給してもよい。あるいは、異なる複数の種類(例えば、筒状の加工対象物100の直径、高さ、素材、その他が異なる)の加工対象物100を保管しつつ供給してもよい。
また、供給部4は、図1にあるように、ストック量を増加させるためもしくは複数の種類に対応するために、複数のレーン41を備えることも適当である。レーン41のそれぞれには、一列ないしは複数列で加工対象物100が並んでおり、移動させる機構が、これらの加工対象物100を、様々に定められた時間間隔で送出部2に供給されてもよい。
ここで、複数のレーン41のすべてに同じ種類の加工対象物100が並んでいてもよいし、複数のレーン41毎に、異なる種類の加工対象物100が並んでいてもよい。
なお、供給部4は、自動研削加工装置1の送出部2への加工対象物100の供給の効率化とスピードアップ等を図るものである。このため、送出部2に手作業や他の方法で加工対象物100を供給でき、それで十分な場合には、供給部4が設けられなくてもよい。この場合は、送出部2の入り口部分が、供給部4の機能を兼ねる。
(送出部)
送出部2は、供給部4であったり他の方法で供給されたりする加工対象物100を、研削部5を備える研削ステージ3に送り出す。ここで、送出部2は、複数の加工対象物100を研削部5での研削時間と研削可能数に合わせた時間間隔で、複数の加工対象物100を、単位個数ずつ送り出す。
例えば、研削部5が、一度に1つの加工対象物100を研削加工でき、研削加工時間が1分である場合には、送出部2は、研削ステージ3に、1個ずつの加工対象物100を1秒間隔(マージン時間をとってもよい)で送り出す。あるいは、研削部5が、一度に2個の加工対象物100を研削加工でき、研削加工時間が1分ずつである場合には、送出部2は、研削ステージ3に2個ずつの加工対象物100を1秒間隔で送り出す。なお、時間間隔は、加工対象物100によって変化させられてもよい。
自動研削加工装置1は、多数の加工対象物100を連続的にバッチ処理することを目的としている。このため、送出部2は、多数の加工対象物100を次々に、研削ステージ3に送り出すことを行う。このとき、連続的なバッチ処理においては、当然に研削加工および後述する測定や出庫の能力も必要とされる。
その前提として、送出部2が、多数の加工対象物100を、次々と研削ステージ3に送り出す必要がある。このとき、同一種類である多数の加工対象物100を次々と送り出すことも重要である。あるいは、複数の種類の加工対象物100を、次々と送り出すことも重要である。
このため、一例として、自動研削加工装置1の一回のバッチ処理で、同一種類である1000個の加工対象物100が、送出部2によって送り出されることもある。別の例として、第1種類である100個の加工対象物100が、まず送出部2によって送り出され、ついで、第2種類である200個の加工対象物100が、送出部2によって送り出され、更に、第3種類である100個の加工対象物100が、送出部2によって送り出されることもある。
このように、送出部2は、自動研削加工装置1全体を制御する制御部8の指示に従って、一回のバッチ処理で必要とされる加工対象物100を、様々な順序、個数、時間間隔で、研削ステージ3に送り出す。この送出部2の、制御部8による様々なバッチ処理の指示に対応した送り出しで、研削ステージ3には、適切な順序、タイミングで、加工対象物100が投入される。
実施の形態1における自動研削加工装置1は、制御部8の指示に従った送出部2の加工対象物100の送り出しによって、制御部8が求める研削加工のバッチ処理を実現できる。
なお、後述する測定部6での測定結果に基づく研削加工のやり直しなどによって、研削ステージ3の空き時間が変化する場合には、送出部2は、この空き時間変化に合わせて、送出するタイミングを変化させる。このタイミングの変化は、制御部8が測定部6や振り分け部7から情報を受けて把握し、制御部8が、タイミングの変化を送出部2に指示すればよい。
(研削ステージ)
研削ステージ3は、加工対象物100に実際の研削加工を施す研削部5を備える台座などの構造物である。研削加工を行う研削部5の構造や特性に応じて、台座であったり、その他の構造を有していたりすればよい。
図6は、本発明の実施の形態1における研削ステージの側面図である。図6は、研削ステージ3の一例を模式的に示している。研削ステージ3は、図6では、台座の構造を有している。この台座は、送出部2によって加工対象物100が送り込まれるのに合わせて、送出部2と同じ高さ(あるいは、加工対象物100を受けることのできる高さ)である。また、図6には示していないが、台座の上にレーンや把持機構があり、これらが、送出部2から研削ステージ3に到達した加工対象物100を、設置台31に設置する。
設置台31は、研削部3に対応する位置に設けられて、加工対象物100を研削加工のために固定する。固定は、例えば設置台31に凹部が設けられてこれに加工対象物100が挿入されてもよい。あるいは、周囲から加工対象物100の下方を側面から押さえる押さえ部が設けられてもよい。
設置台31は、研削部3が一度に一つの加工対象物100を研削加工できる場合には、設置台31は、一つの加工対象物100を設置する。研削部3が一度に2つ以上の加工対象物100を研削加工できる場合には、設置台31は、2つ以上の加工対象物100を設置する。
設置台31は、加工対象物100が、研削部3と正確に対応できるように、研削部3との相対位置を変化させることができることも好適である。また、図4などに示されるような加工後の部品101の場合には、加工対象物100の側面が砥石51などで研削される。この場合には砥石51を備える研削部5が、加工対象物100に対して位置を変更してもよいし、加工対象物100を固定する設置台31が研削部5に対して位置を変更してもよい。
このように、設置台31は、加工対象物100を固定するだけでなく、研削部5での研削加工において必要な加工対象物100と研削部5との相対的な位置関係の構築を実現する。
(研削部)
研削部5は、設置台31に設置固定された加工対象物100を、所定形状の部品となるように研削加工する。すなわち、研削部5は、自動研削加工装置1の研削加工の中心を担う要素である。
研削部5は、図6に示されるように、金属、合金、樹脂、セラミックス、非金属、木材などの素材でできた加工対象物100の、外周や上面等を削る砥石51を備えている。図6では、砥石51は、先端がとがった形状を有しているが、平板形状であってもよいし、棒状の形状であってもよい。
砥石51の形状によって、研削部5が研削加工できる形状を変更できる。このため、ある種類の加工対象物100にある種類の所定形状の加工が必要である場合には、その所定形状に合わせて、砥石51の形状が変更される場合と、同じ砥石51で研削部5の動作が変更される場合とがありえる。後者の場合には、研削部5の回転動作、昇降動作、回転数、回転速度などの変更で実現できる。
この研削部5の動作は、一つの加工対象物100の研削加工の間に変化してもよいし、一つの加工対象物100の研削加工の間には変化しなくてもよい。これも、制御部8によって研削部5が制御されることで実現されればよい。
また、前者の場合には、研削部5が砥石51を取り換え可能であることで実現されてもよい。あらかじめ異なる形状を有する複数の種類の砥石51が用意されており、研削加工において必要となる所定形状によって、砥石51が取り換えられて使用される。
このように、研削部5は、研削部5の研削加工での動作、砥石51の形状などによって、加工対象物100を、異なる種類の所定形状へ研削加工できる。送出部2で説明したように、送出部2によって設置台31には、ある種類の加工対象物100が設置される。このとき、設置された加工対象物100によって、制御部8によって指示される所定形状に従って、ソフトウェアプログラムで処理された動作によって、研削部5は、所定形状へ研削加工する。
図7は、本発明の実施の形態1における自動研削加工装置のブロック図である。
図7に示される自動研削加工装置1は、制御部8が読み書きできる記憶部9を更に備える。記憶部9は、複数の種類の所定形状に合わせた加工プロフラムを記憶する。この複数種類の所定形状は、第1形状、第2形状、第3形状・・・第n形状を含んでいる。記憶部9は、これらの複数の所定形状に対応した加工プログラムを記憶しており、制御部8の指示に従って、制御部8に読み出し可能に出力する。
ここで、送出部2で送り出されて研削ステージ3に到達する複数の加工対象物100のそれぞれには、識別子が付されている(物理的な識別子であってもよいし、投入される順番やバッチ処理での順番といった相対的な順序が分かる非物理的な識別子であってもよい)。記憶部9は、この加工対象物100のそれぞれの識別子を記憶している。加えて、識別子に応じた加工プログラムを記憶している。
これは、バッチ処理を開始する前に、作業者が識別子と加工プログラムとの対応付けを、記憶部に記憶させることで実現できる。これは、例えば、あるバッチ処理で、最初の100個の加工対象物100には、第1形状の研削加工が施され、次の200個の加工対象物100には、第2形状の研削加工が施され、更に次の100個の加工対象物100には、第3形状の研削加工が施される、とする。
使用者は、この内容を記憶部9に記憶させる。
記憶部9は、この記憶した内容に応じて、研削部5に送出される加工対象物100のそれぞれに指定された第1形状、第2形状、第3形状・・に対応する加工プログラムを読みだす。この読み出した加工プログラムを、制御部8に出力する。制御部8は、この読み出された加工プログラムに基づいて、研削部5に加工内容を指示する。
研削部5は、この制御部8から指示された加工プログラムに基づいて、設置台31に設置された加工対象物100に、所定の第1形状等の研削加工を施す。
このように、研削ステージ3に送出される複数の加工対象物100のそれぞれが、識別子で識別されることで、連続的なバッチ処理において、異なる所定形状への加工を必要とする加工対象物100が混在する場合でも、研削部5は、間違いなく対応する形状への研削加工を実行できる。かつ、この識別子での把握によって、後述する測定部6での測定精度の測定も、研削加工で要求される所定形状に、正確に対応したものにできる。
(測定部)
測定部6は、研削部5で研削されて製造された部品101の研削精度を測定する。図4や図5に示される部品101は、その研削されて得られる形状の、直径、長さ、曲線などを含めて、非常に細かな精度が要求される。場合によってはμm単位での精度が要求される。
例えば、図4、図5に示される部品101は、先端がとがっていくように研削されていたり、先端が湾曲面で尖っていくように研削されていたり、段階的に径が変化するように研削されていたりする。この研削された形状を有する部品101は、様々な工具として使用されたり、機器に使用される様々な構造部品として使用されたりする。
このような工具や構造部品として使用される部品101は、その使用目的から、非常に細かな様々なサイズ要素を有している必要がある。このサイズ要素のそれぞれにおいて、研削されて製造された部品101での精度が非常に重要となる。例えば、研削された径のある部分が、要求されるサイズよりも数μm大きいだけの場合でも、工具や構造部品として使用が困難となることもある。このような必要精度を有していない部品101が、研削部5の後で出庫されてしまうと、不良品が混在した状態で、多数の部品101が出荷されてしまう。このような出荷状態では、部品101を使用する顧客において不便が生じる。
一方、出庫された多数の部品101を、出荷前に人的作業等で精度チェックを行う場合には、人的作業によるコストや時間が大きくなる。これらのコストや時間は、部品101の販売価格に影響を及ぼし、低コストでの部品101の提供が困難となる。加えて、人的作業で不良品として検出された部品101は、廃棄される可能性もあり、歩留まりの低下と共に出荷可能率を低減させて、やはり部品101の単価を上げる要因になりかねない。
実施の形態1の自動研削加工装置1は、研削部5で研削加工された部品101の研削精度を測定し、完成品もしくは未完成品を判断する測定部6を備える。この測定部6によって、自動研削加工装置1から出庫される場合には、測定された上で、未完成品と判断されたものは、再度研削部5で研削されるので、送出部2から研削部5に送られる多数の加工対象物100のほとんどが、最終的には完成品としての部品101となって出庫される。この結果、余分な人的作業を必要とせず、歩留まりも上げることができる。結果として、部品101の単価コストを下げることが実現できる。
ここで、測定部6では、加工対象物100に対して研削部5が施す加工プログラムによって、測定する部位、測定する基準、測定での留意点が異なる。例えば、第1形状に対応する加工プログラムでは、ある部位の径が1mmであって、許容誤差が5μmである。あるいは、第2形状に対応する加工プログラムでは、ある部位の断面が方形であって、その角部のRの許容誤差が10μmである。
このように、測定部6が測定すべき部位、基準等は、加工対象物100に施される加工プログラムによって当然に異なる。
このため、制御部8は、ある加工対象物100を研削する研削部5に第1形状、第2形状・・・に対応する加工プログラムを指示するのに合わせて、当該加工対象物100の加工後の精度を測定する測定部6に、同じ加工プログラムを指示する。この加工プログラムの指示を受けた測定部6は、この加工プログラムに対応した部位、基準、留意点などに基づいて、加工後の部品101の精度を測定する。
ここで、測定部6は、加工プログラムの情報を制御部8から受けて、自身でそれに対応する測定プログラムに基づいて、加工された部品101の研削精度を測定してもよい。あるいは、制御部8が、加工プログラムのそれぞれに対応した測定プログラムを記憶部9から読み出して、測定プログラムそのものを測定部6に出力して指示してもよい。
前者の場合でも後者の場合でも、測定部6は、加工プログラムに対応した測定プログラムで、研削精度を測定でき、加工対象物100に施される研削内容に応じた測定が実現できる。
測定部6は、測定した研削精度を、制御部8および振り分け部7の少なくとも一方に出力する。なお、研削加工された部品101のそれぞれは、送出部2で送り込まれる加工対象物100のそれぞれに付与されている識別子と同じ識別子を有したままである。
(振り分け部)
振り分け部7は、研削精度の結果を、制御部8もしくは測定部6から受け取る。このとき、研削加工された部品101の研削精度の結果のそれぞれは、加工対象物100のそれぞれに付与された識別子と対応するように、記憶部9に記憶される。
振り分け部7は、研削精度を測定プログラムで指定された基準値と比較して、研削部5で研削されて得られた部品101が、完成品であるか未完成品であるかを判断する。例えば、研削精度が所定値以内であれば、完成品であるとして判断する。逆に、研削精度が所定値外である場合には、未完成品であるとして判断する。
ここで、測定部6は、研削精度までを測定した結果である測定結果を振り分け部7に出力し、振り分け部7が、完成品と未完成品との区別の作業を実施することでもよい。あるいは、測定部6が、研削精度の結果に基づいて、完成品と未完成品との区別の作業までを実施してもよい。後者の場合には、振り分け部7は、完成品と未完成品のその後の処理工程への振り分けを主として行う。
振り分け部7は、前者、後者のいずれにも関わらず、完成品として判断した部品101を出庫する。未完成品として判断した部品101が研削部5に対応する設置台31に設置されている状態のままであれば、制御部8を通じて、当該未完成品の部品101の、研削部5での研削加工を継続させる。あるいは、未完成品として判断した部品101が、設置台31から外されている場合には、設置台31へ戻す。設置台31に戻された後で、振り分け部7は、制御部8を通じて、当該未完成品として判断された部品101の、研削部5による研削加工を継続させる。
このように、完成品はそのまま出庫されて、出荷できる状態とされる。また未完成品は、再び研削加工を受けることで、完成品へとつながる。
未完成品は、再度研削部5で研削加工されるので、その後、再び測定部6による測定を受ける。この測定による研削精度によって、再び完成品もしくは未完成品のいずれかであるかの判断を受ける。完成品であれば、振り分け部7は、この部品101を出庫し、未完成品である場合には、再び研削部5での研削加工に戻す。
このようにして、加工対象物100は、そのほとんどが完成品になるまで、研削ステージ3のみで研削加工がなされる。結果として、ほとんどが完成品として、出庫される。
また、測定部6は、研削加工で削りすぎたために、研削精度が基準外となった部品101については、再度の研削加工の意味がないものとして、未完成品として出庫する。これも、識別子と関連付けされて出庫されるので、出庫されても、出荷には回されない。すなわち、この未完成品は、排除品である。
このようにして、送出部2から出荷状態に至るまで、すべての加工対象物100とこれが加工されて得られる部品101には、識別子が関連付けられている。この識別子での関連付けに基づいて、完成品、未完成品、排除品のそれぞれに分類されたことが、部品101のそれぞれで明確になる。この結果は、記憶部9に記憶されて、作業者はこの結果を事後的に把握できる。
このとき、識別子に関連付けられた加工対象物100と加工された部品101の測定や振り分けが行われるので、研削加工での完成品への判断、未完成品への判断、未完成品の再度の研削加工、再度の測定、排除品の判断などを受ける部品101のそれぞれは、加工対象物100の段階で付与された識別子で関連付けられる。この関連付けによって、作業者は、どの識別子に対応する部品101が、最終的に完成品となったのか、他になったのかを把握できる。もちろん、制御部8も、この識別子に関連付けて、完成品やその他の最終結果を区別し、記憶部9に記憶させることもできる。
この記憶部9の記憶によって、作業者は、整理されている最終結果や途中経過を出力や表示させて把握することもできる。
図8は、本発明の実施の形態1における自動研削加工装置1の、上述した作業フローを詳細化したフローチャートである。上述したそれぞれの要素での処理の流れおよび全体の流れは、図8のようなフローチャートを一例に、具現化できる。
以上のように、実施の形態1における自動研削加工装置は、歩留まりを上げ、かつ製造コストを下げることができる。加えて、識別子により、加工対象物100、研削部5での加工プログラム、部品101、測定プログラム、最終的な完成品等の判断結果のすべてが、一つに関連付けられる。この結果、異なる種類の加工対象物100が混在していたり、異なる研削加工の形状が混在していたりしても、多くの加工対象物100を、一度のバッチ処理で処理できる。一度のバッチ処理で処理されたとしても、作業者や自動研削加工装置1が、完成した部品101を取り違えるなどの問題もない。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1で説明した各要素の追加的な処理や、他の要素による更なる工夫について説明する。
(振り分け部での算出)
振り分け部7は、上述の通り、研削部5で研削加工された部品101を、完成品もしくは未完成品(場合によっては排除品)に区別する。このため、振り分け部7は、研削加工される対象である加工対象物100のある数量でのバッチ処理における完成品および未完成品の割合を算出することができる。例えば、全体の中での完成品の割合が99%などとして算出して出力できる。
出力結果は、記憶部9で記憶されてもよいし、表示部などにおいて表示され、作業者に把握できるようにしてもよい。
この割合は、歩留まりを示すものになり、自動研削加工装置1の作業能力や研削部5の加工精度を測る指標とできる。
(加工時間計測部)
複数の加工対象物100が送出部2によって研削ステージ3に送り込まれてから研削加工がおこなわれる。実施の形態1で説明した通り、研削部5が研削加工して、その上で測定部6での測定結果によって完成品として出庫される。
図9は、本発明の実施の形態2における自動研削加工装置のブロック図である。図9に示される自動研削加工装置1は、加工時間計測部11を更に備えている。
加工時間計測部11は、送出部2に供給部4から加工対象物100が供給されたタイミング、あるいは、送出部2で加工対象物100の送出が開始されたタイミング、あるいは、送出部2から研削ステージ3に加工対象物100が送り込まれたタイミング、あるいは、設置台31に加工対象物100が設置されたタイミングのいずれか(あるいは、他であってもよいし、それぞれであってもよい)を基準として、完成品として出庫されるまでの総加工時間(研削部5での加工や、未完成品として判断された場合の再度の研削加工、あるいは測定部6による測定時間などを、時間要素として含む)を、計算する。
加工時間計測部11は、この総加工時間を計算して、記憶部9に出力する。あるいは、表示部に表示する。ここでの総加工時間は、識別子で特定される加工対象物100の総加工時間である。つまり、複数の加工対象物100の一つずつの加工対象物100の総加工時間が計算される。
この総加工時間によって、作業者は、自動研削加工装置1の動作能力や改良点を検討することができる。あるいは、製造コストを検討することもできる。
また、上述のように、加工時間計測部11が計算する総加工時間の開始基準(あるいは終了基準)となるタイミングは、複数の種類を選択できる。加工時間計測部11は、この複数の開始および終了基準の組み合わせのそれぞれでの総加工時間を計算する。
この異なる開始基準や終了基準の組み合わせに基づく総加工時間のそれぞれから、作業者は、自動研削加工装置1の、要素ごとの動作能力や改良点を検討できる。あるいは、要素ごとでのコスト計算をより詳細に検討できる。
(コスト推定部)
図10は、本発明の実施の形態2における自動研削加工装置のブロック図である。図10に示される自動研削加工装置1は、コスト推定部12を備えている。
コスト推定部12は、加工プログラム、測定プログラム、完成割合、後述する劣化度合いおよび総加工時間の少なくとも一つに基づいて、複数の加工対象物100のそれぞれの加工コストを推定する。
この加工コストの推定結果は、記憶部9で記憶されたり、表示部で表示されたりする。この記憶や表示によって、作業者は、加工対象物100の最終的な部品101への加工コストを推定した結果を把握できる。この推定された加工コストに基づいて、作業者は、自動研削加工装置1の改良や、バッチ処理における記憶部9が記憶する加工プログラムや測定プログラムの改良などの検討を行うことができる。
また、バッチ処理において、一度のバッチ処理で投入するのに最適な加工対象物100の個数、種類の数、種類の数と種類ごとの個数などを、検討して実施することができる。
あるいは、推定された加工コストに基づいて、製造される部品101の単価を決定する際の参考にすることもできる。
コスト推定部12は、実際の自動研削加工装置1での作業を踏まえて、加工コストを推定しているので、より実際のコストに近い状態を示している。このため、製造業者が、単価を決定する際の、適切な参考情報とすることができる。
(検査部)
図11は、本発明の実施の形態2における自動研削加工装置のブロック図である。図11に示される自動研削加工装置1は、研削部5の備える研削治具の劣化度合いを検査する検査部13を更に備えている。ここで研削治具は、図6で示した砥石51が、その一例である。
検査部13は、研削精度および完成割合の少なくとも一方に基づいて、研削治具の劣化度合いを検査する。研削治具が、砥石51であれば、検査部13は、この砥石51の劣化度合いを検査する。
砥石51が劣化してしまうと、研削部5は、どのように研削加工を行っても要求される精度への研削加工を実行できない。また、測定部6で測定された後での、未完成品の割合が増え、再度の研削加工によっても未完成品を完成品に格上げすることができない状態が続く。このような状態では、自動研削加工装置1全体の能力に関わらず、加工対象物100の部品101への製造における歩留まりが上がらない状態となってしまう。
このため、砥石51の劣化度合いが所定以上となれば、砥石51の交換や砥石51の研磨などのメンテナンスを必要とする。検査部13は、砥石51そのものを直接観測するのではなく、計測プログラムおよび完成割合の少なくとも一方に基づいて、劣化度合いを間接的に検査する。特に、完成割合が下がることは、完成品として分類できるだけの研削精度を出せていない状態である。この状態は、研削部5での作業を司る加工プログラムよりも、砥石51に問題があることが多い。
この点に基づき、検査部13は、完成割合を元に劣化度合いを検査することができる。あるいは、完成割合の前段階の情報である研削精度(測定部6で測定される結果)に基づいて、砥石51の劣化度合いを検査できる。この劣化度合いの検査においては、検査部13は、研削精度や完成割合に基づく基準値を用いてもよい。このとき、用いる基準値は、複数段階であってもよく、複数段階の基準に合せて、検査部13は、砥石51の劣化度合いを段階的なレベルで表すことも適当である。
この段階的なレベルでの劣化度合いを作業者が知ることにより、砥石51のメンテナンス、交換、研削部5全体の修理などの段階的な対応判断を行えるからである。
図12は、本発明の実施の形態2における研削治具の拡大模式図である。研削部5は、図12に示されるような研削治具を備えている。図12に示されるように、砥石の外周に実際の研削を行う砥粒が取り付けられている。この砥粒が、砥石の回転によって加工対象物100の外周などを削って加工する。このように削って加工する研削加工において、この砥粒の一部がはげ落ちたり、角度がなまってしまったりする。この場合には、上述のように、砥石毎の交換であったり、砥粒の再付着作業であったりによって、メンテナンスされる。
検査部13は、検査結果である劣化度合いを記憶部9に出力する。記憶部9は、この劣化度合いを記憶したり、表示部を通じて表示したりする。これにより、作業者は、劣化度合いを把握できる。
すなわち、記憶部9は、加工プログラムや測定プログラムなどの加工や測定に必要となるプログラムだけでなく、測定や推定などに係る要素での結果である、研削精度、完成割合、劣化度合い、総加工時間および加工コストなども記憶する。この記憶においても、識別子で関連付けられた加工対象物100のそれぞれについて、記憶する。これにより、作業の事後的なタイミングで、作業者は、記憶部9からの情報の取り出しによって、自動研削加工装置1での様々な加工結果を把握できるようになる。
もちろん、識別子に関連付けられた加工プログラムや測定プログラムも、記憶部9は、記憶して、研削部5での研削作業や測定部6での測定作業における、間違いを防止できる。
(自動研削装置の停止)
検査部13は、研削部5の砥石51などの研削治具の劣化度合いが所定値以上の場合に、送出部2および研削部5の動作を停止させることも好適である。劣化度合いが一定上進んだ状態では、そのまま研削加工を行うことは却ってコストや作業時間に悪影響を与える。
加えて、研削部5をより劣化させるなどの問題も生じさせる。このため、検査部13は、劣化度合いが所定値以上となった場合には、研削加工を停止するために、送出部2などの動作を停止させる。
以上、実施の形態2における自動研削加工装置1は、種々の工夫によって、コストの削減や時間の短縮などを検討したり改良したりする指針を与えることができる。また、研削加工に問題が生じうる事態をあらかじめ防止できる。
以上、実施の形態1〜2で説明された自動研削加工装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 自動研削加工装置
2 送出部
3 研削ステージ
4 供給部
5 研削部
51 砥石
6 測定部
7 振り分け部
8 制御部
9 記憶部
11 加工時間計測部
12 コスト推定部
13 検査部

Claims (16)

  1. 複数の加工対象物を、所定形状を有する部品への研削加工を、連続的に行う自動研削加工装置であって、
    前記複数の加工対象物を単位個数ずつ送り出す送出部と、
    前記送出部で送り出された単位個数の前記加工対象物に、定められた所定形状への研削を行う研削部と、
    前記研削部で研削された前記加工対象物の、研削精度を測定する測定部と、
    前記測定部で前記研削精度が所定値以内である場合に、研削加工の完了した完成品として排出し、前記研削精度が所定値外である場合に、未完成品として前記研削部での再度の研削を行うために前記研削部に戻す、振り分け部、とを備え、
    前記所定形状は、複数種類の形態を有する、自動研削加工装置。
  2. 前記複数の種類の形状の加工プログラムを記憶する記憶部を更に備え、
    前記複数種類の形状は、第1形状、第2形状・・第n形状を含み、
    前記記憶部は、前記複数種類の形状から、前記研削部に送出される前記加工対象物に対応する形状の加工プログラムを選択して、前記研削部に出力する、請求項1記載の自動研削加工装置。
  3. 前記測定部で測定する前記研削精度は、前記形状の加工プログラムに対応する、前記測定ブログラムに含まれる、請求項2記載の自動研削加工装置。
  4. 前前記測定部は、測定された前記研削精度を出力する、請求項1から3のいずれか記載の自動研削加工装置。
  5. 前記振り分け部は、振り分けられた前記完成品および前記未完成品の完成割合を算出して出力する、請求項1から4のいずれか記載の自動研削加工装置。
  6. 前記研削精度および前記完成割合の少なくとも一方に基づいて、前記研削部の備える研削治具の劣化度合いを検査する検査部と、を更に備える、請求項1から5のいずれか記載の自動研削加工装置。
  7. 前記複数の加工対象物のそれぞれにおいて、前記研削部で研削されて最終的に前記完成品として排出されるまでの総加工時間を計測する、加工時間計測部を更に備える、請求項1から6のいずれか記載の自動研削加工装置。
  8. 前記加工プログラム、前記測定プログラム、前記研削精度、前記完成割合、前記劣化度合いおよび前記総加工時間の少なくとも一つに基づいて、前記複数の加工対象物のそれぞれの加工コストを推定するコスト推定部を更に備える、請求項7記載の自動研削加工装置。
  9. 前記記憶部は、前記研削精度、前記完成割合、前記劣化度合い、前記総加工時間および前記加工コストを記憶する、請求項8記載の自動研削加工装置。
  10. 前記複数の加工対象物が、前記送出部によって送り出されるために、前記複数の加工対象物を供給する供給部を更に備える、請求項1から9のいずれか記載の自動研削加工装置。
  11. 前記複数の加工対象物のそれぞれは、識別子を有しており、前記記憶部は、前記複数の加工対象物の送出されるそれぞれと前記識別子の対応付けを記憶する、請求項10記載の自動研削加工装置。
  12. 前記複数の加工対象物のそれぞれの前記加工プログラム、前記研削精度、前記完成割合、前記劣化度合い、前記総加工時間および前記加工コストは、前記識別子によって、前記加工対象物のそれぞれに固有に対応付けされている、請求項11記載の自動研削加工装置。
  13. 前記収容部に収容される前記複数の加工対象物において、異なる前記形状の加工プログラムでの加工対象物が混在する、請求項10から12のいずれか記載の自動研削加工装置。
  14. 前記記憶部は、前記複数の加工対象物の前記研削部への送出において、前記識別子で対応付けられた前記加工プログラムを、前記研削部に出力する、請求項13記載の自動研削加工装置。
  15. 前記記憶部は、前記複数の加工対象物の前記測定部での測定において、前記識別子で対応付けられた前記研削精度の基準となる研削精度基準を、前記測定部に出力する、請求項11から14のいずれか記載の自動研削加工装置。
  16. 前記検査部は、前記研削治具の劣化度合いが所定値以上の場合に、前記送出部および前記研削部の動作を停止させる、請求項6から15のいずれか記載の自動研削加工装置。
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