JP2016082006A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を製造できる太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の電極を有する基板と、一般式RMX(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と、第2の電極とを有する積層体が、封止材で封止されている太陽電池を製造する方法であって、前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)と、前記第2の電極を形成する工程(2)と、前記積層体を封止材で封止する工程(3)とを有し、更に、前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)を行ってから前記積層体を封止材で封止する工程(3)を行うまでの間に、前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を水分量0.2g/m以下の環境下で加熱する工程(X)を有する太陽電池の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を製造できる太陽電池の製造方法に関する。
従来から、複数種の半導体を積層し、この積層体の両面に電極を設けた光電変換素子が開発されている。また、このような積層体の代わりに、複数種の半導体を複合化した複合膜を用いることも検討されている。このような光電変換素子では、各半導体がP型半導体又はN型半導体として働き、光励起によりP型半導体又はN型半導体で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在、実用化されている光電変換素子の多くは、シリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難である。また、無機太陽電池は形状追従性が低いこと等から利用範囲が限られてしまうこともあり、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池が注目されている。
有機太陽電池においては、対向する電極間にN型半導体とP型半導体とを配置した積層体を、外環境から保護して充分な耐久性を得るために、シール材等の封止樹脂を用いて封止することが一般的である。また、有機太陽電池においては、半導体材料として、ほとんどの場合フラーレンが用いられている(例えば、特許文献1参照)。フラーレンは、主にN型半導体として働くことが知られている。
しかしながら、近年のエネルギー需要の観点から、より高い光電変換効率を有し、かつ、充分な耐久性を有する有機太陽電池が求められている。
特開2006−344794号公報
本発明は、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を製造できる太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1の電極を有する基板と、一般式RMX(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と、第2の電極とを有する積層体が、封止材で封止されている太陽電池を製造する方法であって、前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)と、前記第2の電極を形成する工程(2)と、前記積層体を封止材で封止する工程(3)とを有し、更に、前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)を行ってから前記積層体を封止材で封止する工程(3)を行うまでの間に、前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を水分量0.2g/m以下の環境下で加熱する工程(X)を有する太陽電池の製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、太陽電池の半導体材料として、特定の有機無機ペロブスカイト化合物を用いることを検討した。即ち、第1の電極を有する基板と、特定の有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と、第2の電極とを有する積層体が、封止材で封止されている太陽電池について検討した。特定の有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率、及び、耐久性の向上が期待できる。
しかしながら、特定の有機無機ペロブスカイト化合物を用いたとしても、製造環境によっては充分な光電変換効率、及び、耐久性を得ることはできなかった。これに対して、本発明者らは、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)と、上記第2の電極を形成する工程(2)と、上記積層体を封止材で封止する工程(3)とを行い、更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)を行ってから上記積層体を封止材で封止する工程(3)を行うまでの間に、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を水分量が特定範囲に調整された環境下で加熱する工程(X)を行うことにより、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池が得られることを見出した。
本発明の太陽電池の製造方法は、第1の電極を有する基板と、一般式RMX(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と、第2の電極とを有する積層体が、封止材で封止されている太陽電池を製造する方法である。
なお、本明細書中、層又は部位とは、明確な境界を有する層又は部位だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層又は部位をも意味する。なお、層又は部位の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層又は部位とは、平坦な薄膜状の層又は部位だけではなく、他の層又は部位と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層又は部位をも意味する。
本発明の太陽電池の製造方法においては、まず、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)を行う。
上記工程(1)においては、上記第1の電極を有する基板上に直接上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成してもよいし、上記第1の電極を有する基板と上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位との間に電子輸送層又はホール輸送層を形成した後、該電子輸送層上又はホール輸送層上に上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成してもよい。
なお、上記第1の電極が陰極である場合、上記第1の電極を有する基板と上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位との間には電子輸送層が形成され、上記第1の電極が陽極である場合、上記第1の電極を有する基板と上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位との間にはホール輸送層が形成される。
上記第1の電極は、陰極であっても陽極であってもよい。上記第1の電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。第1の電極材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板、金属箔等が挙げられる。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記電子輸送層を形成する方法は特に限定されず、例えば、酸化チタンからなる電子輸送層を形成する場合、上記第1の電極を有する基板上に、チタンを含有する塗布液を塗布後、焼成して薄膜状の電子輸送層を形成し、次いで、該薄膜状の電子輸送層上に、有機バインダと酸化チタン粒子とを含有する酸化チタンペーストを塗布し、焼成して多孔質状の電子輸送層を形成する方法等が挙げられる。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸等が挙げられる。
上記ホール輸送層の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記ホール輸送層を形成する方法は特に限定されず、例えば、有機溶媒にホール輸送材料を溶解させた溶液を塗布し、その後、有機溶媒を揮発させる方法、蒸着又はスパッタリング等の真空成膜する方法等が挙げられる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、一般式RMX(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、本発明の太陽電池の製造方法により得られる太陽電池を、電荷分離効率が非常に高いために、光電変換効率に優れたものとすることができる。また、有機材料の柔軟性及び耐衝撃性と、無機材料の耐久性及び耐熱性とを併せ持つ有機無機ペロブスカイト化合物は耐久性が優れているために、本発明の太陽電池の製造方法により得られる太陽電池も耐久性に優れたものとなる。
上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン及びこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン及びこれらのイオンがより好ましい。
上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であることにより、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。結晶化度が30%以上であると、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記第1の電極を有する基板上、或いは、上記電子輸送層上又は上記ホール輸送層上に、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液(即ち、有機無機ペロブスカイト化合物の前駆体溶液)を積層する方法等が挙げられる。
本発明の太陽電池の製造方法においては、次いで、上記第2の電極を形成する工程(2)を行う。
上記工程(2)においては、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位上に直接上記第2の電極を形成してもよいし、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と上記第2の電極との間に上記電子輸送層又は上記ホール輸送層を形成した後、該電子輸送層上又はホール輸送層上に上記第2の電極を形成してもよい。
なお、上記第2の電極が陽極である場合、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と上記第2の電極との間にはホール輸送層が形成され、上記第2の電極が陰極である場合、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と上記第2の電極との間には電子輸送層が形成される。
上記第2の電極は、陽極であっても陰極であってもよい。上記第2の電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。第2の電極材料として、例えば、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記第2の電極を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位上、或いは、上記電子輸送層上又は上記ホール輸送層上に、蒸着等により金等の金属膜を形成する方法等が挙げられる。
上記工程(2)において上記第2の電極を形成することにより、上記第1の電極を有する基板と、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と、上記第2の電極とを有する積層体が得られる。
ただし、上記積層体は、更に、有機半導体又は無機半導体を含んでいてもよい。なお、ここでいう有機半導体又は無機半導体は、上述した電子輸送層又はホール輸送層としての役割を果たしてもよい。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
上記積層体は、上記有機半導体又は上記無機半導体を含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位とを積層した積層体を含んでいてもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位とを複合化した複合膜を含んでいてもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記有機半導体又は上記無機半導体中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記積層体が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位とを複合化した複合膜を含む場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
本発明の太陽電池の製造方法においては、次いで、上記積層体を封止材で封止する工程(3)を行う。
上記封止材は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができ、有機材料であっても無機材料であってもよい。上記有機材料として、例えば、硬化性樹脂、ホットメルト樹脂等が挙げられる。上記無機材料として、例えば、無機酸化物、無機窒化物、無機硫化物等が挙げられる。また、上記封止材として、有機基を有するシリコーン樹脂等を用いることもできる。なかでも、ガスバリア性に優れ、太陽電池の耐久性をより高めることができることから、無機酸化物又は無機窒化物が好ましい。
上記封止材として、具体的には例えば、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、複数の金属からなる複合酸化物窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が挙げられる。
上記積層体を上記封止材で封止する方法は、上記積層体の全体を覆うようにして封止層を形成できれば特に限定されず、例えば、上記封止材が上記有機材料である場合、ディスペンス、スクリーン印刷等の印刷法が挙げられる。上記封止材が上記無機材料である場合、スパッタリング、蒸着等が挙げられる。
上記封止材の厚みは、好ましい下限が100nm、好ましい上限が100000nmである。上記厚みのより好ましい下限は500nm、より好ましい上限は50000nmであり、更に好ましい下限は1000nm、更に好ましい上限は20000nmである。
本発明の太陽電池の製造方法においては、更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)を行ってから上記積層体を封止材で封止する工程(3)を行うまでの間に、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を水分量0.2g/m以下の環境下で加熱する工程(X)を行う。
上記工程(X)を行うことにより、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池が得られる。
上記水分量が0.2g/m以下であれば、上記工程(X)を行うことによって上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位に吸着した大気中の成分(例えば、水蒸気)を除去することができ、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池が得られる。上記水分量の好ましい上限は0.17g/mであり、より好ましい上限は0.06g/mである。
上記水分量の下限は特に限定されず、低ければ低いほうがよく、0g/mであってもよい。
なお、水分量は、露点計(例えば、東陽テクニカ社製のMMT3000等)や四重極質量分析計(例えば、インフィコン社製のTranspector XPR3等)により測定することで求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を加熱する温度の好ましい下限は40℃、好ましい上限は120℃であり、より好ましい下限は50℃、より好ましい上限は100℃である。
上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を加熱する時間の好ましい下限は10秒、より好ましい下限は60秒である。
上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を水分量0.2g/m以下の環境下で加熱する方法として、例えば、上記積層体を、減圧雰囲気下又は真空雰囲気下で加熱する方法、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で加熱する方法、不活性ガスで置換後に排気して真空雰囲気下で加熱する方法等が挙げられる。
上記減圧雰囲気下又は真空雰囲気下で加熱する場合、絶対圧力の好ましい上限は10000Paであり、より好ましい上限は1000Paである。
上記工程(X)は、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)を行ってから上記積層体を封止材で封止する工程(3)を行うまでの間に行えばよく、具体的には例えば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)と上記第2の電極を形成する工程(2)との間、上記第2の電極を形成する工程(2)と上記積層体を封止材で封止する工程(3)との間等に行えばよい。
本発明の太陽電池の製造方法により得られる太陽電池の一例を、図2に模式的に示す。
図2に示す太陽電池1は、基板7、透明電極(第1の電極)2、多孔質電子輸送層と有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と有機半導体部位とを含む層4、電極(第2の電極)3、有機材料からなる封止材5、無機材料からなる封止材6で構成されており、そのうち多孔質電子輸送層と有機無機ペロブスカイト化合物部位と有機半導体部位とが含む層4の膜厚の好ましい下限は50nm、好ましい上限は5μmである。上記膜厚が50nm以上であると、光を充分に吸収することにより、光電変換効率が上昇する。上記膜厚が5μm以下であると、生成した電荷が効率的に電極に回収されやすくなり、このため光電変換効率が上昇する。上記膜厚のより好ましい下限は100nm、より好ましい上限は2μmである。
本発明によれば、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を製造できる太陽電池の製造方法を提供することができる。
有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。 本発明の太陽電池の製造方法により得られる太陽電池の一例を、模式的に示す断面図である。 実施例及び比較例で用いたスパッタリング装置を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(チタンを含有する塗布液の作製)
チタン粉末10mmolを精秤し、ビーカーに入れ、過酸化水素水40gを加え、更にアンモニア水10gを加えた。これを2時間氷冷した後、L−乳酸30mmolを添加し、80℃に設定したホットプレートで一日加温し、そこへ蒸留水10mLを添加し、チタンを含有する塗布液を作製した。
(積層体の作製)
FTOガラス基板上に、チタンを含有する塗布液を回転数1500rpmの条件でスピンコート法により100nmの厚みに塗布した。塗布後、大気中550℃で10分間焼成し、薄膜状の電子輸送層を形成した。更に、薄膜状の電子輸送層上に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚み500nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。
次いで、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液として、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCHNHIとPbIをモル比1:1で溶かし、CHNHIとPbIの合計重量濃度を20%に調製した。この溶液を電子輸送層上にスピンコート法によって積層した[工程(1)]。更に、クロロベンゼン25μLにSpiro−OMeTAD(スピロビフルオレン骨格を有する)を68mM、Tert−butylpyridineを55mM、Lithium Bis(trifluoromethylsufonyl)imide塩を9mM溶解させた溶液をスピンコート法によって300nmの厚みに積層し、有機半導体部位を形成した。
有機半導体部位上に、陽極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、積層体を得た[工程(2)]。
(積層体の封止)
得られた積層体に対して、水分量0.001g/m以下、絶対圧力1Paの減圧雰囲気下で100℃、10秒間の加熱処理を行い[工程(X)]、その後、大気に曝すことなく、得られた積層体上に無機膜を図3に示すスパッタリング装置21を用いて形成し[工程(3)]、太陽電池を得た。なお、水分量は、インフィコン社製のTranspector XPR3により水分圧を測定し計算により求めた。
図3に示すスパッタリング装置21の成膜室22内には、基板23を支持することのできる基板ホルダー24、カソードA25及びカソードB26が備えられている。カソードA25及びカソードB26には材料となるターゲットを取り付けることができ、更に、パルス電源A27及びパルス電源B28にそれぞれ接続されている。これらのパルス電源によりカソードA25及びカソードB26にパルス電力を供給することができる。更に、成膜室22にはアルゴンガス供給ライン29及び酸素ガス供給ライン30が接続されていて、成膜室22内にアルゴンガス及び酸素ガスを供給することができる。成膜室22に接続された真空ポンプ31により、成膜室内を減圧することができる。成膜室22を減圧後、アルゴンガス及び酸素ガスを所定の流量で供給し、更に、カソードA25及びカソードB26に電力を供給することにより、基板23表面に薄膜を形成することができる。
なお、積層体上に無機膜を図3に示すスパッタリング装置21を用いて形成した[工程(3)]際には、上記で得られた積層体を基板ホルダー24に取り付け、更に、カソードA25にZnSn合金(Zn:Sn=95:5重量%)ターゲットを、カソードB26にSiターゲットを取り付けた。成膜室22を真空ポンプ31により排気し、5.0×10−4Paまで減圧した。その後、成膜条件Aに示す条件でスパッタリングし、積層体上に無機膜としてSiZnSnO薄膜を形成した。
(成膜条件A)
アルゴンガス流量:50sccm,酸素ガス流量:50sccm
電源出力:カソードA=500W、カソードB=1500W
(実施例2〜7、比較例1〜3)
得られた積層体に対して加熱処理を行った[工程(X)]際に、水分量、絶対圧力及び温度条件を表1に示すような条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。
(1)初期変換効率
太陽電池の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定した。得られた光電変換効率を初期変換効率とした。下記に示す基準で判定を行った。
○:初期変換効率が比較例1の初期変換効率の1.1倍以上であった
×:初期変換効率が比較例1の初期変換効率の1.1倍未満であった
(2)耐久性
太陽電池を温度30℃、湿度70%の状態で24時間放置した(耐久性)。耐久性試験前後の光電変換効率を上記と同様にして測定した。下記に示す基準で判定を行った。
○:光電変換効率が初期変換効率の50%以上であった
×:光電変換効率が初期変換効率の50%未満であった
Figure 2016082006
本発明によれば、光電変換効率が高く、耐久性に優れた太陽電池を製造できる太陽電池の製造方法を提供することができる。
1 太陽電池
2 透明電極(第1の電極)
3 電極(第2の電極)
4 多孔質電子輸送層と有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と有機半導体部位とを含む層
5 有機材料からなる封止材
6 無機材料からなる封止材
7 基板
21 スパッタリング装置
22 成膜室
23 基板
24 基板ホルダー
25 カソードA
26 カソードB
27 パルス電源A
28 パルス電源B
29 アルゴンガス供給ライン
30 酸素ガス供給ライン
31 真空ポンプ

Claims (3)

  1. 第1の電極を有する基板と、一般式RMX(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位と、第2の電極とを有する積層体が、封止材で封止されている太陽電池を製造する方法であって、
    前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)と、
    前記第2の電極を形成する工程(2)と、
    前記積層体を封止材で封止する工程(3)とを有し、
    更に、前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を形成する工程(1)を行ってから前記積層体を封止材で封止する工程(3)を行うまでの間に、前記有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を水分量0.2g/m以下の環境下で加熱する工程(X)を有する
    ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 封止材は、無機酸化物又は無機窒化物であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  3. 有機無機ペロブスカイト化合物を含む部位を水分量0.2g/m以下の環境下で加熱する工程(X)において、積層体を、減圧雰囲気下又は真空雰囲気下で加熱することを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池の製造方法。
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