以下、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。
図1に示すように圧縮成型品として例えば錠剤を製造する回転式粉末圧縮成型装置(以下成型装置と略称する。)例えば回転式の打錠装置1は、回転式の粉末圧縮成型機例えば回転式の打錠機2、圧力緩衝装置3、及び制御盤4等を備える。
打錠機2が備えるフレームは、図示しない下側フレーム部材、図2及び図3に示す上側フレーム部材10、及びこれら下上のフレーム部材を連結した図示しないフレーム柱を備える。下側フレーム部材の内側に駆動装置が配置されている。打錠機2は臼取付け部を有した回転盤11を備える。回転盤11は、上側フレーム部材10と下側フレーム部材との間に配置されていて、前記駆動装置により回転駆動される。
臼取付け部の周部に複数の臼12が回転盤11の周方向に一定間隔で取付けられている。これら臼12の上面は臼取付け部の上面と同じ高さである。臼12はダイとも称されており、上下方向に貫通する臼孔(つまり、成型孔)を有する。この成型孔は回転盤11とともに同じ角度で回転される。なお、臼取付け部が回転盤11の周方向に分割された複数のセグメント(つまり、ダイ)を組み合わせた構成では、各セグメントが複数の成型孔を有する臼として機能する場合もある。
打錠機2はその粉末供給位置に配置された粉末供給器14を備える。粉末供給器14は、その下面開口を回転盤11の臼取付け部上面に接するようにして配置されている。回転盤11の回転により臼12が粉末供給器14の下面開口に臨んで通過することにより、粉末供給器14内の粉末が臼12の臼孔に供給(充填)される。なお、粉末供給器14には、臼12に供給される粉末の密度を均一にするために回転される攪拌部材(図示しない)が収められた構成の粉末供給器を用いることもできる。
打錠機2は、各臼孔の夫々に個別に対応して配設された上杵15と下杵16を備える。なお、上杵15は上パンチ、下杵16は下パンチと称されることがある。これら上杵15と下杵16は上下動可能に回転盤11に支持されている。そのため、上杵15と下杵16は回転盤11とともに同じ角度で回転される。
上杵15の先端部(下端部)は臼12の臼孔に対してその上方から挿脱される。下杵16の先端部(上端部)は、臼12の臼孔に対して下方から上向きに挿入された状態を保持していて、臼孔の底をなしている。これら上杵15と下杵16は、回転盤11の回転に伴って打錠機2が備える図示しない(次に説明する質量調節軌道を除く)各種の案内軌道等を摺動し、それにより、軸線が延びる方向(上下方向)に必要量動かされる。
粉末供給位置において下杵16の下端が摺動する質量調節軌道(重量調節軌道ともいう。)17は、回転盤11の臼取付け部の下方に配設されている。質量調節軌道17は、軌道昇降機構19により昇降可能に支持される。この軌道昇降機構19は、軌道昇降用モータ19aと、昇降軸19bと、歯車19cと、駆動歯車19dを有している。
軌道昇降用モータ19aには、例えばサーボモータを好適に使用できるが、汎用モータを使用することもできる。この軌道昇降用モータ19aにロータリー式のエンコーダ19eが取付けられている。このエンコーダ19eによる回転量の検出を基に質量調節軌道17の高さ位置を知ることが可能である。昇降軸19bは、図示しないガイドに沿って昇降され、その上端部に質量調節軌道17が連結されている。歯車19cは内周歯車部及び外周歯車部を有し、その内周歯車部は昇降軸19bの下部に形成された雄ねじ部に噛み合わされている。駆動歯車19dは歯車19cの外周歯車部に噛み合わされていて、軌道昇降用モータ19aにより回転される。したがって、軌道昇降機構19の軌道昇降用モータ19aの正逆回転に従い、昇降軸19bとともに質量調節軌道17が昇降される。
前記図示しない各種の案内軌道の中には、粉末供給器14の下方で、かつ、質量調節軌道17の直前に配置された低下軌道が含まれている。この低下軌道に従って下杵16が下降される時に、粉末供給器14内の粉末が臼孔内に吸込まれて供給(充填)される。この直後に下杵16が低下軌道から質量調節軌道17の傾斜面を摺動して上がることに伴い、余剰粉末が粉末供給器14内に吐き出される。次いで、下杵16が質量調節軌道17の傾斜面の上端に連続した水平面を摺動することに伴い、粉末供給器14の下流側壁14aの下端で臼12の上面が摺り切られる。それによって、臼12への供給粉末量、言い換えれば、製造しようとする錠剤の質量(重量)が秤量される。したがって、質量調節軌道17の高さ位置が変更されることにより、製造しようとする錠剤の質量が変更される。
打錠機2はその圧縮成型位置に配設された上側の加圧ロール21と下側の加圧ロール22を備える。圧縮成型位置は、粉末供給位置を基準に回転盤11の回転方向下流側に設定されている。上側の加圧ロール21は回転盤11の臼取付け部の上方に配置され、下側の加圧ロール22は回転盤11の臼取付け部の下方に配置されている。加圧ロール21,22は、夫々を支持したロール軸の軸回りに回転可能である。加圧ロール21,22は、それらの間を上杵15と下杵16が通過することに伴い自由回転しながら、上杵15と下杵16を互に近付くように移動させるために設けられている。こうした上杵15と下杵16との移動により、臼12内に取り込まれた粉末が圧縮成型される。
上側の加圧ロール21は図2に示すように上側フレーム部材10に支持されている。
即ち、第1軸受41と第2軸受42とが上側フレーム部材10に取付けられている。第1軸受41と第2軸受42は、上側フレーム部材10が有する逃げ孔10aを挟むようにこの逃げ孔10aの両側に配置されている。なお、第1軸受41は、上側フレーム部材10に複数のボルトで固定された軸受ホルダ43に支持されている。
ロール軸44の一端部と他端部が、第1軸受41と第2軸受42に夫々回転自在に支持されている。このロール軸44は逃げ孔10aを横切っている。ロール軸44は、その一端部と他端部との間に、これらの端部の直径より大径な偏心軸部44aを有している。図3において、ロール軸中心を符号S1で示し、偏心軸部中心を符号S2で示し、更に、偏心軸部中心S2とロール軸中心S1との間の距離、つまり、偏心量を符号eで示している。
そして、上側の加圧ロール21が軸受45を介して偏心軸部44aの軸回りに回転可能に支持されている。したがって、加圧ロール21は、逃げ孔10aを上下方向に貫通し、かつ、上下方向に移動することがないように上側フレーム部材10に支持されている。この加圧ロール21の中心は偏心軸部中心S2に一致している。
図1に示すように下側の加圧ロール22は、ロール支持体23に回転自在に支持されていて、成型圧力を調整するために杵先間隔調整機構24によりロール支持体23とともに昇降可能である。
杵先間隔調整機構24は、上側の加圧ロール21と下側の加圧ロール22間を通過しようとする上杵15と下杵16との間の杵先間隔を変更するために設けられている。この杵先間隔調整機構24は、軌道昇降機構19と同様な構成であって、ロール昇降用モータ24aと、昇降軸24bと、歯車24cと、駆動歯車24dを有する。
ロール昇降用モータ24aには例えばサーボモータを好適に使用できるが、汎用モータを使用することもできる。このロール昇降用モータ24aにロータリー式のエンコーダ24eが取付けられている。このエンコーダ24eによるロール昇降用モータ24aの回転量の検出を基に、下側の加圧ロール22の高さ位置、したがって、圧縮成型位置での下杵16の高さ位置、ひいてはこの下杵16と上杵15との間の杵先間隔を知ることが可能である。
昇降軸24bは、図示しないガイドに沿って昇降され、その上端部でロール支持体23を下方から支持している。歯車24cは内周歯車部及び外周歯車部を有し、その内周歯車部は昇降軸24bの下部に形成された雄ねじ部に噛み合わされている。駆動歯車24dは、歯車24cの外周歯車部に噛み合わされているとともに、ロール昇降用モータ24aにより回転される。したがって、杵先間隔調整機構24のロール昇降用モータ24aの正逆回転に従い、昇降軸24bとともに下側の加圧ロール22が昇降されるので、これに伴って下杵16の高さ位置が変更される結果、圧縮成型位置での杵先間隔が変更される。
打錠機2は、その排出位置に、不良品排出手段31と良品排出手段37を備えている。排出位置は圧縮成型位置を基準に回転盤11の回転方向下流側に設定されている。更に、この排出位置を基準に回転盤11の回転方向下流側に前記粉末供給位置が設定されている。
不良品排出手段31は良品排出手段37を基準に回転盤11の回転方向上流側に配置されている。この不良品排出手段31は、以下の構成に限定されるものではないが、例えばチャンバ32と、シュート33と、噴気ノズル34と、通気管35を有している。
チャンバ32はその開放された下端を回転盤11の臼取付け部上面に接しないように近接させて設けられている。チャンバ32は臼12の回転軌跡と交差している。このチャンバ32にシュート33が接続されている。シュート33は回転盤11の外側でかつ斜め下方に向けて延びている。噴気ノズル34は、臼12の回転軌跡で囲まれる領域外に配設されたシュート33に向けて、圧縮空気を前記領域内から噴出するようにチャンバ32に支持されている。
通気管35の一端は噴気ノズル34に接続され、通気管35の他端は図示しない圧縮空気源に接続されている。通気管35の中間部に電磁弁36が設けられている。電磁弁36には後述の圧力センサが圧力異常を検出することに基づいて開弁信号が入力される。電磁弁36は、開弁信号が入力されるに従い所定の短時間だけ開かれ、それ以外の時期(通常)は閉じた状態を維持する。
チャンバ32は、臼12の回転軌跡上に位置される入口側通過口(図示しない)と出口側通過口32aを有する。これらの通過口は、チャンバ32の側壁を下端から切り欠くように設けられ、回転盤11の臼取付け部の上面に下杵16により押出された錠剤が通過可能である。そのため、成型圧力に基づいて規格範囲内であると判断された錠剤(通常は良品)は、図示しない入口側通過口と出口側通過口32aを通ってチャンバ32を通り抜けることができる。この通過時に噴気ノズル34から圧縮空気が噴出されることはない。
しかし、成型圧力に基づいて規格範囲外であると判断された錠剤(通常は不良品)がチャンバ32に搬入されてきた場合は、それにタイミングを合わせて電磁弁36が開かれ噴気ノズル34から圧縮空気が噴出されて、この圧縮空気が下杵16上の不良品に噴き付けられる。そのため、規格範囲から外れていると判断された錠剤は、下杵16から剥離されると同時にシュート33に向けて吹き飛ばされ、回転盤11外に排出される。
良品排出手段37は、例えば不良品排出手段31のチャンバ32に連結して移動不能に設けられ、臼12の回転軌跡と交差するスクレーパ38と、これに連なる排出シュート39からなる。チャンバ32を通過し、かつ、規格範囲内にあると判断された錠剤(良品)は、良品排出手段37のスクレーパ38により下杵16上から外されるとともに排出シュート39に向けて導かれ、排出シュート39を通って回転盤11の臼取付け部上から回転盤11の外部に取出される。
次に、フレームの例えば上側フレーム部材10に取付けられた圧力緩衝装置3について説明する。図4に示すように圧力緩衝装置3は、本体ケース51と、ピストン例えばばねケース61と、目盛バー66と、圧縮コイルばね71と、好ましくはオイル式のダンパ手段74と備え、更に、第1実施形態では圧力センサとして例えばロードセル81を備える。
本体ケース51は、ケース筒部52とばね受け部材55とを備える。
ケース筒部52は、円筒形で、取付けフランジ53と突出部54を有する。取付けフランジ53は、ケース筒部52の上部例えば上端部に外方に張り出して形成され、かつ、ケース筒部52の周方向に切れ目なく連続している。突出部54は、取付けフランジ53の下方、例えば第1実施形態ではケース筒部52の下端部に設けられているとともに本体ケース51の底をなしている。
この突出部54は、ケース筒部52の内部に突出され、かつ、ケース筒部52の周方向に切れ目なく連続していて環状であり、ケース筒部52の最小内径を規定している。突出部54の上面は支持面54aをなしている。支持面54aとこの上側に連続したケース筒部52の内周面52aとがなす角度は直角であることが好ましい。
ケース筒部52は、その中心線がほぼ垂直(なお、垂直を含む)となるようにフレームの例えば上側フレーム部材10に固定されている。この固定は、上側フレーム部材10が有する水平な装置取付け部10bにケース筒部52を上方から下向きに貫通させた状態で、取付けフランジ53を装置取付け部10bにボルトで連結することで、なされている。装置取付け部10bはロール軸44より上方に位置している。
ばね受け部材55は、下端が開放された円筒形で、その外周部に雄ねじ部55aが形成されている。ばね受け部材55は、その雄ねじ部55aを、ケース筒部52の上部内周面に形成された雌ねじ溝52cに、ケース筒部52の上方から螺合して取付けられていて、回転されることにより上下方向に進退可能である。
ケース筒部52の上部の内径は下部の内周面52aの径より大きい。このばね受け部材55の上部はケース筒部52の上方に突出されている。ばね受け部材55はその上部に例えば周面に開放する操作穴55bを有する。これらの操作穴55bに図示しない手回し工具を挿入した状態で、この工具を用いてばね受け部材55を回転操作することで、ばね受け部材55の高さを変えることができる。
ばねケース61は、上端が開放された円筒部62と、この円筒部62より小径でかつ円筒部62の下側に一体に連続された底部63とからなる。そのため、ばねケース61は上端が開放された凹部61aを有しており、この凹部61aに後述の圧縮コイルばね71の下部が収められる。なお、凹部61aはピストンに必須ではなく省略することも可能であるが、圧力緩衝装置3の高さ方向の長さを短くする上で、凹部61aを有したばねケース61をピストンとして使用することが好ましい。
ばねケース61は支持面54aに接離される接触面62aを有し、この接触面62aは円筒部62の環状をなす下面で形成されている。更に、第1実施形態では円筒部62の下部、具体的には接触面62aより上側に、連通溝62bが形成されている。この連通溝62bは、環状で、かつ、ばねケース61の内部に開放されている。第1実施形態において底部63は、下向きに突出する中央凸部63aを有する。
ばねケース61は、その円筒部62の外周面をケース筒部52の内周面52aに摺動自在に接触させてケース筒部52に嵌合され、本体ケース51に対して上下方向に移動可能に設けられている。これとともに、ばねケース61の底部63はケース筒部52の突出部54が形成する孔に摺動自在に嵌合されている。このばねケース61は、支持面54aへの接触面62aの接触により、本体ケース51の下方に外れ止めされている。
第1実施形態では、底部63は突出部54が形成した前記孔を貫通し、それにより、底部63の下部は本体ケース51から下方に突出されている。これとともに、底部63の下部は、その中央凸部63aに嵌合されたキャップ状の接続部品64で覆われている。
目盛バー66は連結ねじ67によってばねケース61に取付けられている。詳しくは、目盛バー66の上部はばね受け部材55の上壁部の中央部に形成された通孔を貫通し、目盛バー66の下端部は底部63に形成された凹部63bに嵌合している。目盛バー66は、円筒状であり、その上部外周面に、後述する圧縮コイルばね71によって規定される設定圧力を表示する目盛66aを有する。連結ねじ67は、目盛バー66を軸方向に貫通するとともに、第1実施形態では更に底部63の中央凸部63aを貫通して接続部品64にねじ込まれている。この連結ねじ67の頭部67aが目盛バー66の上端を押さえている。したがって、目盛バー66は、底部63が有する凹部63bの底面と連結ねじ67の頭部67aとで上下から挟まれた形態でばねケース61に取付けられている。
圧縮コイルばね71の上端はスラスト軸受72を介してばね受け部材55に支持され、圧縮コイルばね71の下端は底部63に支持されている。このようにばね受け部材55と底部63とで挟まれた圧縮コイルばね71は、弾性変形された状態を保持してばねケース61を常に下向きに付勢している。それにより、ばねケース61の接触面62aが本体ケース51の支持面54aに押付けられている。
本体ケース51に対するばね受け部材55の高さ位置を変えることにより、圧縮コイルばね71が圧縮された状態を変えることができる。具体的には、ばね受け部材55の高さ位置を低くすると、圧縮コイルばね71の圧縮の程度は強められ、この逆に、ばね受け部材55の高さ位置を高くすると、圧縮コイルばね71の圧縮の程度は弱められる。圧縮コイルばね71の圧縮の程度が圧力緩衝装置3の設定圧力であり、この圧力はオペレータが目盛バー66の目盛66aを目視で読み取りことで知ることができる。
ダンパ手段74は、圧縮成型において過加圧が発生した場合、非圧縮性の流体の流体抵抗を利用してばねケース61の移動速度を緩和するもので、第1実施形態では、ばねケース61に設けられた少なくとも一つ好ましくは複数のオリフィス75と、非圧縮性の流体例えばオイル77と、前記連通溝62bを有する。
オリフィス75は例えばばねケース61の中心軸線と平行で上下方向に延びており、その上端(一端)は連通溝62bに開放されている。したがって、オリフィス75は連通溝62bを介してばねケース61の内部に連通されている。オリフィス75の下端(他端)は接触面62aに開放されている。
オイル77は、オリフィス75より高い位置に液面を形成して、本体ケース51の内側、具体的には第1実施形態の場合本体ケース51内に配置されたばねケース61に溜められている。なお、オイル77はばねケース61の上端よりも高い位置に液面を形成して本体ケース51の内側に溜めることも可能である。
更に、圧力緩衝装置3は、図4及び図5に示すようにオイル77の漏れを防止するための環状の第1シール材78と環状の第2シール材79を、オリフィス75より下方に有することが好ましい。第1シール材78及び第2シール材79には、Oリングやシリンダパッキンなどを好適に使用できる。第1シール材78は、ばねケース61の底部63の中央凸部63aより上側の部位の外周部に取付けられ、本体ケース51の突出部54が形成する孔とこの孔を貫通した底部63の前記部位との間をシールしている。第2シール材79は、目盛バー66の下端部の外周部に取付けられ、底部63に形成された凹部63bと目盛バー66の下端部との間をシールしている。
これら第1シール材78及び第2シール材79によりオイル77が圧力緩衝装置3の外に漏れることが防止されるとともに、オイル77の液面がオリフィス75の上端より下がって、必要なオイル量が不足しないようにできる。それにより、後述のダンパ効果の低下やダンパ作用が発揮されない、といった機能不良を回避できるので好ましい。更に、第1実施形態では、ばねケース61の底部63及びこれより下側に配設された部品例えば第1実施形態では後述するロードセル81等が、漏れ出したオイルで汚されることを回避できる点でも好ましい。
ロードセル81はばねケース61の下側に配置されている。具体的には、ばねケース61の底部を下側から覆った接続部品64の下面に接した状態に、この接続部品64に複数のボルト82で取付けられている。ロードセル81はその下面から下向きに突出された受圧部81aを有する。したがって、ロードセル81は、このロードセル81を介して後述する反力Pが圧縮コイルばね71を圧縮する方向に作用するように配置されている。
次に、圧縮成型に伴い上側の加圧ロール21に加わる成型圧力の反力Pをロードセル81に作用させる伝達アーム85と、この伝達アーム85を受圧部81aに接した状態に保持する予圧手段91について説明する。
伝達アーム85は、間隙86aを形成して欠円環状に形成されたアーム基部86と、アーム部87と、接触子88を有する。
図2に示すようにアーム基部86は、前記第1軸受41に支持されたロール軸44の一端部外周に嵌合され、間隙86aを横切ってアーム基部86にねじ込まれた固定ボルト89の締め付けにより、ロール軸44の一端部に固定されている。このアーム基部86はロール軸44に対してキー90により回り止めされている。
図4及び図5に示すようにアーム部87はアーム基部86と一体である。アーム部87の先端部はロードセル81に下側から対向している。アーム部87はその先端部に上向きに突出して取付けられた接触子88を有する。接触子88の上面は球面の一部からなり、この上面が受圧部81aに下側から接している。
図4に示すように予圧手段91は、アーム部87の下側に配置された上側フレーム部材10の手段設置部10dに取付けられている。この予圧手段91は、ロードセル81の受圧部81aにアーム部87の接触子88が押付けられた状態を維持するために設けられていて、調整ねじ92と、ロックナット93と、予圧ばね94を備える。
調整ねじ92はその軸方向に延びて上面に開放するばね収容凹部を有する。調整ねじ92は、手段設置部10dに形成されたねじ穴10cに上方から進退可能にねじ込まれている。ロックナット93は調整ねじ92に螺合されている。予圧ばね94は、その上部を調整ねじ92の上側に突出させて前記ばね収容凹部に収容されている。この予圧ばね94の上端は、アーム部87の先端部に下側から接している。この状態で予圧ばね94は、弾性変形された状態を保持していて、アーム基部86の先端部を上向きに付勢している。
したがって、前記予圧手段91は、予圧ばね94のばね力で、接触子88を受圧部81aに押付けられている。調整ねじ92を回転させて任意のねじ込み深さに配置した状態で、ロックナット93を回転させて手段設置部10dの上面に密接させることにより、調整ねじ92の高さ位置を変えて、予圧ばね94のばね力を調節することができる。
打錠機2の運転全般の制御を担う制御盤4は、図示しない制御盤筐体の表面等に露出して設けられたタッチパネル式等の入力装置(図示しない)、及び制御盤筐体に内蔵された制御装置4aなどを備えている。制御装置4aはマイクロコンピュータ等を有する。
制御装置4aにはロードセル81の検出出力、つまり、圧縮成型において加圧ロール21に加わる成型圧力の反力Pが供給される。入力された前記検出出力に応じて、制御装置4aは質量制御をするか否かを判断し、その必要がある場合に軌道昇降用モータ19aを駆動し制御する。また、制御装置4aは、製造された成形品が不良品であるか否かを前記検出出力に基づいて判断し、不良品の製造が判断された場合に、電磁弁36を所定時間開く制御を行う。更に、製造される成形品の厚みを変える必要がある場合、制御装置4aはロール昇降用モータ24aを駆動し制御する。
第1実施形態の打錠機2が運転されると、粉末圧縮成型位置において、上下に対をなした上杵15と下杵16が上側の加圧ロール21と下側の加圧ロール22に接しつつこれらの間に進入するに伴い、上杵15と下杵16は互いに近づくように移動される。そのため、粉末圧縮成型位置に至る以前に臼12に取り込まれた粉末が圧縮成型される。
この圧縮成型において加圧ロール21と加圧ロール22は、夫々を支持しているロール軸の軸回りに回転される。この場合、上側の加圧ロール21は、ロール軸44の偏心軸部44aの軸回りに回転される。このとき、加圧ロール21を介してロール軸44に対して成型圧力の反力P(図4に示す)が上向きに加わる。
後述する非過加圧状態(通常の状態)において、ロール軸中心S1を通る鉛直線に対して、偏心軸部中心S2は、ロール軸中心S1を通って前記鉛直線に直交する直線上に、偏心量eを隔てて配置されている。このため、前記反力Pは、図3及び図4においてロール軸中心S1を中心として反時計回りにロール軸44を回転させるように偏心軸部中心S2に作用するので、図4中矢印に示すようにロール軸44に連結された伝達アーム85は反時計回りに回転しようとする。これにより、反力Pが、ロードセル81及び接続部品64を介してばねケース61に上向きに加わる。
伝達アーム85は、ばねケース61に、接続部品64及びロードセル81を介して圧縮コイルばね71で下向きに付勢されている。本体ケース51に対するばね受け部材55の高さ位置の調節によって、圧縮コイルばね71のばね力(設定圧力)の大きさが設定されている。このばね力で伝達アーム85は図4において反時計回りに回転されないように保持されている。
このため、前記反力Pが、前記調節により設定された圧縮コイルばね71のばね力以下であるとき、言い換えれば、圧縮成型において過加圧が発生しない状態(非過加圧状態)のとき、ロール軸44及び伝達アーム85は、回転されることなく、図4に示す状態を維持する。この非過加圧状態では、圧縮コイルばね71のばね力でばねケース61の接触面62aが本体ケース51の支持面54aに押付けられ、接触面62aと支持面54aとの間に隙間が形成されることがないように保たれている。したがって、ロードセル81において前記反力Pを成型圧力として検出できる。
これに対し、成型圧力の反力Pが、設定された圧縮コイルばね71のばね力を超えるとき、言い換えれば、圧縮成型において過加圧が発生した状態(過加圧状態)のときは、ロール軸44及び伝達アーム85は、圧縮コイルばね71を更に圧縮させながら図4において反時計回りに回転する。なお、この過加圧状態においても、ロードセル81は成型圧力を検出できる。
こうして伝達アーム85が図4中反時計回りに回転されるに伴い、ばねケース61が本体ケース51に対して押し上げられる。それにより、支持面54aから接触面62aが離されるとともに、これらの間に隙間C(図5参照)が形成され、この隙間Cは成型圧力の反力Pと圧縮コイルばね71のばね力が互いに均衡するまで拡大する。
こうして隙間Cが形成されると、この隙間Cとばねケース61の内部とが、オリフィス75及び連通溝62bからなる連通経路により連通されるので、ばねケース61内のオイル77がオリフィス75を通って隙間Cに流入する。
そのため、押し上げられるばねケース61の移動速度が、オイル77の質量及び圧縮される圧縮コイルばね71により緩和(低下)される。加えて、オリフィス75を流れるオイル77の流体抵抗によって、ばねケース61の移動速度が更に緩和される。
前記過加圧状態は、上側の加圧ロール21と下側の加圧ロール22との間を上杵15及び下杵16が通過することで解放される。この解放に伴い、圧縮コイルばね71のばね力によって、ばねケース61は下方に押し戻され、その接触面62aが支持面54aに当るように接する。このとき、ダンパ手段74がショックアブソーバとして機能する。つまり、隙間C内のオイルがオリフィス75を通ってばねケース61内に流入するので、オリフィス75を流れるオイル77の流体抵抗によって、圧縮コイルばね71で押し下げられるばねケース61の移動速度が緩和される。
このようにオリフィス75を流れるオイル77の流体抵抗によって、ばねケース61が押し上げられるとき及び押し下げられるときの移動速度が緩和される。このため、ばねケース61の接触面62aが本体ケース51の支持面54aに強く当らないようになるとともに、それに伴い、衝撃が緩和される。したがって、下方に押し戻されるばねケース61が、支持面54aで上向きに跳ね返された直後、再び下方に押し戻されて支持面54aに当るという挙動が、減衰しながら繰り返えされる、という振動現象の発生を防止できる。
これとともに、過加圧の緩衝に伴って圧力緩衝装置3と伝達アーム85との間、具体例としてはロードセル81の受圧部81aと伝達アーム85の接触子88との間に隙間が発生することが防止される。つまり、既述のようにばねケース61が押し下げられるときの移動速度と衝撃が緩和されることで、支持面54aへの接触面62aの衝突に伴って伝達アーム85の接触子88に作用する下向きの力が小さくなるので、過加圧の緩衝に伴って伝達アーム85が図4において時計回りに回転されてしまうことがなくなる。それによって、受圧部81aと接触子88との間に、隙間が発生することが防止されて、受圧部81aへの接触子88の接触が維持される。このため、ばねケース61と伝達アーム85の挙動パターンがほぼ同じになる。これとともに、次の上杵15が上側の加圧ロール21に到達して成型圧力の反力が発生した時点で、伝達アーム85が強制的に図4において反時計回りに回転されて、接触子88が受圧部81aに激しく衝突することがなくなることに伴い、伝達アーム85の振動やそれによる騒音の発生も抑制できる。
以上説明した圧力緩衝装置3でのばねケース61の挙動のイメージを図6中(A)で示し、これとの対比でダンパ手段74を備えない従来の圧力緩衝装置でのばねケース61の挙動のイメージを図6中(C)で示す。なお、図6(A)及び図6(C)において、縦軸はばねケース又はこれに相当する可動部材の変位(量)を示し、横軸は時間を示す。図6中(B)は、ばねケース61の挙動のイメージとの関係で示した伝達アーム85の挙動のイメージである。なお、図6(B)において、縦軸は伝達アーム85の変位(量)を示し、横軸は時間を示す。
以上説明したように圧縮成型において過加圧が発生した場合において、圧力緩衝装置3のばねケース61の移動速度が緩和されることに伴い、圧力緩衝装置3での衝撃を緩和できる。それにより、圧力緩衝装置3及び伝達アーム85での振動を緩和できるとともに、低騒音で打錠機2を運転できる。これとともに、激しい衝撃や激しい振動に基づく、圧力緩衝装置3における接触部の異常摩耗及び損傷や破損を抑制できる。
ここで、接触部とは、支持面54aとこれに接する接触面62aを指す他、圧縮コイルばね71の両端とこの両端が接する部分、受圧部81aとこれに接する接触子88等を指している。なお、仮にばねケース61に激しい振動が発生した場合、受圧部81aと接触子88との接触関係においては、受圧部81aと接触子88とが激しく衝突し、それに伴い発生する激しい衝撃で、受圧部81aと接触子88とが金属摩耗などの損傷を引き起こすとともに、前記衝突に伴う激しい衝撃が周囲に波及し、ロードセル81等の周囲部品に悪影響を及ぼす。更に、既述のように激しい衝撃や激しい振動を抑制できることから、ロードセル81の損傷や破損、並びに性能低下や寿命低下も抑制できる。
これに伴い、摩耗や損傷などにより不具合が起きた部品の交換やロードセル81の交換、成型圧力の表示値の再調整や再校正等をしなければならない事態を回避することが可能である。そのため、前記事態を修復するメンテナンスのために打錠機2の運転を中断することを余儀なくされる、という問題も回避することが可能である。
また、既述の圧力緩衝装置3のダンパ手段74は、ばねケース61に連通溝62bを加工するとともに、ばねケース61の内部とばねケース61が押し上げられることに伴い形成される隙間Cとを連通できるようにばねケース61に1個以上のオリフィス75を加工し、ばねケース61内にオイル77を溜めることで構成される。このため、加工が比較的容易で、簡単に圧力緩衝装置3を構成することが可能である。
図7〜図9を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。第2実施形態で、以下説明する構成以外は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同一の構成又は同様の機能を奏する構成については、第1実施形態の対応構成と同じ符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態は、支持面54aと接触面62aとの間に形成される隙間Cとばねケース61の内部を連通する構成が、第1実施形態とは異なり、これ以外は、図7〜図9に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。
第2実施形態において、ダンパ手段74が有する連通溝62bは、図9に示すようにばねケース61が有した円筒部62の下部の外周面に、オリフィス75と同数上下方向に延びて設けられている。これら連通溝62bの下端は、夫々ばねケース61の接触面62aに開放されている。図8に示すように連通溝62bの下端は、成型圧力が非過加圧状態にあるとき、本体ケース51の支持面54aで閉じられている。各オリフィス75は、円筒部62にその半径方向に貫通して設けられている。これらオリフィス75の一端はばねケース61の内周面に開放され、オリフィス75の他端は連通溝62bの例えば上部に開放されている。
この第2実施形態の圧力緩衝装置3においても、支持面54aと接触面62aとの間に成型圧力が過加圧状態のときに形成される隙間C(図7参照)とばねケース61の内部とを連通する連通経路を連通溝62bとともに形成するオリフィス75を流れるオイル77の流体抵抗によって、ばねケース61が押し上げられるとき及び押し下げられるときの移動速度を緩和できる、という第1実施形態で説明したのと同様な作用を得られる。
このため、圧縮成型において発生する過加圧を緩衝することに伴う衝撃および騒音と振動を緩和できる圧力緩衝装置3、及びこれを備える回転式の打錠機を提供できる。更に、第2実施形態においては、ばねケース61の内部と隙間Cとを連通する連通経路を形成するオリフィス75及び連通溝62bを、夫々ばねケース61の外部から加工できるので、前記連通経路の加工性が良い点で優れている。
図10を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。第3実施形態で、以下説明する構成以外は第2実施形態と同じであるので、第2実施形態と同一の構成又は同様の機能を奏する構成については、第2実施形態の対応構成と同じ符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態は、上側の加圧ロール21に作用する成型圧力の反力が直接的にロードセル81に波及する直受型の圧力緩衝装置3を用いた点が、第2実施形態とは異なる。
詳しくは、圧力緩衝装置3が備える本体ケース51は、突出部54より下方に突出するとともに下端が開放されたケース下部51aを有する。ケース下部51aの内径は突出部54の内径より大きい。
ケース下部51aにはロール受け101の上部が挿入され、ロール受け101の下部は本体ケース51の下方に突出されている。ロール受け101は上下方向(本体ケース51の中心軸線が延びる方向)に移動可能である。ロール受け101の下部に、この下部に両端支持されたロール軸44を介して上側の加圧ロール21が支持されている。加圧ロール21は図示しない玉軸受を介してロール軸44に支持され、このロール軸44の軸回りに回転自在である。ロール軸44の中心と加圧ロール21の中心とは一致している。
ケース下部51aに、ロール受け101の脱落を防止するストッパ102がボルト止めされている。ストッパ102は円筒部を有し、この円筒部にロール受け101が上下動可能に貫通されている。ストッパ102の円筒部の内面に上下方向に延びて形成されたキー溝102aに、ロール受け101に取付けられた滑りキー103が嵌合されている。この嵌合によりロール受け101が回り止めされている。
前記円筒部に、その上端から突出して複数(図10では一個のみ図示する。)のばね104が取付けられている。これらのばね104の上端は、ロール受け101の上部に前記円筒部の上端と対向して形成された張出部101aに接している。それにより、ロール受け101が上向きに付勢されている。
ロール受け101にその上面から突出するロードセル81が取付けられている。したがって、各ばね104によってロードセル81の受圧部81aがばねケース61の下面に押付けられている。つまり、第3実施形態においてばねケース61の底部63は、第1実施形態等で説明して中央凸部に相当する構成を有していないため、受圧部81aが底部63の下面に押付けられている。
更に、第3実施形態において圧力緩衝装置3が有する連結ねじ67は、その下端部をばねケース61の底部63にねじ込んで底部63を貫通することなく取付けられている。このように連結ねじ67が底部63を貫通していないことに伴い、第1実施形態等で説明した第2シール材は省略されている。これとともに、圧力緩衝装置3が有する目盛バー66はその下端を、底部63の内底面に接触させて、底部63と連結ねじ67の頭部67aとで挟まれている。
圧縮成型に伴う上向きの成型圧力の反力Pが圧縮コイルばね71で設定された設定圧力以下の非過加圧状態において、ばねケース61は、圧縮コイルばね71により動かないように保持されている。打錠機が運転され、非過加圧状態であるときは、圧縮成型に伴う上向きの成型圧力の反力Pが上側の加圧ロール21に作用する。この反力Pは、ロール受け101を介してロードセル81に上向きに加わるので、ロードセル81において成型圧力を検出できる。
これに対し、前記反力Pが、設定された圧縮コイルばね71のばね力(設定圧力)を超えるとき、言い換えれば、圧縮成型において過加圧が発生した状態(過加圧状態)のとき、ばねケース61は、圧縮コイルばね71を更に圧縮させながら本体ケース51に対して押し上げられる。それにより、支持面54aから接触面62aが離れるとともに、これらの間に隙間(図10では図示されない)が形成され、この隙間は成型圧力の反力Pと圧縮コイルばね71のばね力が互いに均衡するまで拡大する。それに伴い、隙間にオイル77がオリフィス75及び連通溝62bを通って流れ込む。なお、この過加圧状態においても、ロードセル81は成型圧力を検出できる。また、過加圧状態が開放されると、隙間内のオイル77が連通溝62b及びオリフィス75を通ってばねケース61の内部に戻される。
したがって、圧縮成型において過加圧状態が発生した場合、圧力緩衝装置3の支持面54aと接触面62aとの間に形成される隙間とばねケース61の内部とを連通する連通経路を連通溝62bとともに形成するオリフィス75を流れるオイル77の流体抵抗によって、前記過加圧の緩衝に伴うばねケース61の挙動、つまり、ばねケース61が押し上げられるとき及び押し下げられるときの移動速度を緩和できる、という第2実施形態で説明したのと同じ作用を得られる。このため、圧縮成型において発生する過加圧を緩衝することに伴う騒音及び衝撃と振動を緩和できる圧力緩衝装置3、及びこれを備える回転式の打錠機を提供できる。
更に、第3実施形態においては、圧力緩衝装置3が直受型であるので、第1実施形態で説明した偏心軸部を要しないのでロール軸44の構成が単純である。これとともに、第3実施形態によれば、第1実施形態等で説明した偏心カムや伝達アーム等を要しないので、打錠機の構成を単純化できる点で優れている。
図11及び図12を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。第4実施形態で、以下説明する構成以外は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同一の構成又は同様の機能を奏する構成については、第1実施形態の対応構成と同じ符号を付してその説明を省略する。
第4実施形態において圧力緩衝装置3は、ロードセル81を備えない構成である。このため、図12に示すように接続部品64はその下面中央に下方に突出する受圧凸部64aを有する。更に、伝達アーム85の接触子88は、ばねケース61に連結された接続部品64の受圧凸部64aに下側から接触されている。
なお、第4実施形態においては、第3実施形態で説明したように連結ねじ67の下端部をばねケース61の底部63にねじ込むとともに、目盛バー66の下端を底部63の内底面に接触させて、底部63と連結ねじ67の頭部67aとで目盛バー66を挟んで、接続部品64及び第1実施形態で説明した第2シール材を省略することも可能である。
また、成型時の成型圧力を検出するロードセル81は、図11に示すように杵先間隔調整機構24のロール支持体23と昇降軸24bとで上下から挟まれて配設されている。ロードセル81は昇降軸24bの上端に固定されていて、その受圧部81aでロール支持体23の下面を受けている。第4実施形態において成型圧力は下杵16、下側の加圧ロール22、及びロール支持体23を介してロードセル81に加えられる。
この第4実施形態でも、圧縮成型において過加圧が発生したときに、圧力緩衝装置3の支持面54aと接触面62aとの間に形成される隙間(なお、図12では図示されない)とばねケース61内とを連通する連通経路を連通溝62bとともに形成するオリフィス75を流れるオイル77の流体抵抗によって、ばねケース61が押し上げられるとき及び押し下げられるときの移動速度を緩和できる、という第1実施形態で説明したのと同様な作用を得られる。なお、第4実施形態においても、過加圧の緩衝に伴って圧力緩衝装置3と伝達アーム85との間、具体的には接続部品64の受圧凸部64aと伝達アーム85の接触子88との間に、隙間が発生することが防止されるので、ばねケース61と伝達アーム85の挙動パターンはほぼ同じとなる。
このため、圧縮成型において発生する過加圧を緩衝することに伴う騒音及び衝撃と振動を緩和できる圧力緩衝装置3、及びこれを備える回転式の打錠機2を提供できる。
図13を参照して本発明の第5の実施の形態を説明する。この第5実施形態で、以下説明する構成以外は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同一の構成又は同様の機能を奏する構成については、第1実施形態の対応構成と同じ符号を付してその説明を省略する。
第5実施形態は、オリフィスを、ピストンをなす例えばばねケースとケース筒部との間に形成し、ばねケースにオリフィスを設ける穿孔加工を必要としない構成とした点が、第1実施形態とは異なり、これ以外は、図13に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。
詳しくは、図13に示すようにばねケース61の円筒部62の外周面の径はケース筒部52の内周面52aの径より小さく、それにより、円筒部62の外周面とケース筒部52の内周面52aとの間に隙間からなるオリフィス75を形成する。このオリフィス75は、円筒部62の周方向の一回り連続する環状であることが好ましい。オリフィス75は円筒部62の軸方向の全長と同じ長さで上下方向に延びている。そのため、オリフィス75の一端(下端)は接触面62aに達しており、オリフィス75の他端(上端)はばねケース61の上端近傍に達してケース筒部52の内部に連通されている。また、オイル77は本体ケース51の内部にばねケース61を沈める状態に溜められ、オイル77の液面はオリフィス75の上端より高い位置に形成されている。それにより、第5実施形態では、オイル77と隙間からなるオリフィス75とによって、ダンパ手段74が形成されている。
この第5実施形態の圧力緩衝装置3においても、成型圧力が過加圧状態のときに、支持面54aと接触面62aとの間に形成される隙間(図13では図示されない)と本体ケース51の内部とを連通するオリフィス75を流れるオイル77の流体抵抗によって、ばねケース61が押し上げられるとき及び押し下げられるときの移動速度を緩和できる、という第1実施形態で説明したのと同様な作用を得られる。
このため、圧縮成型において発生する過加圧を緩衝することに伴う衝撃および騒音と振動を緩和できる圧力緩衝装置3、及びこれを備える回転式の打錠機を提供できる。
更に、第5実施形態においては、オリフィス75をばねケース61とケース筒部52との間に設けた環状の隙間によって形成したことで、オリフィス75を設けるために、ばねケース61に対して孔を開ける加工をする必要がなくなり、加工的にも構造的にもより簡素化することができる。
なお、第5実施形態において、オリフィス75は、環状であることが好ましいが、環状でなくてもよい。つまり、ばねケース61の円筒部62の外周面とケース筒部52の内周面52aとのうちの一方の面に、その軸方向に延びる凸部を複数好ましくは3ヶ所以上周方向に均等に配分して形成し、この凸部に他方の面を接触させることで、オリフィス75を円筒部62の周方向に複数設けた構成とすることも可能である。このようにすることで、加工の手間は増えるが、振動緩和動作に伴うばねケース61の揺動現象による倒れやこじれなどが発生する可能性を減じることが可能である。
なお、本発明は前記各実施形態には制約されない。例えば、第1〜第4の実施形態での圧力緩衝装置3において、オリフィス75の孔径、形状、長さ、及び個数、圧力緩衝装置3の作動時におけるオリフィス75の流量に関係する受圧面積(つまり、ばねケース61の接触面62aの面積)、オイル77の粘度や量等は、特に限定されるものではなく、打錠機(回転式粉末圧縮成型機)2及び圧力緩衝装置3の設計仕様に応じて適宜設定できる。
更に、また、各実施形態においては、非過加圧状態において上側の加圧ロール21を静止状態に保持する圧力緩衝装置3で、圧縮成型において過加圧が発生したときに、この過加圧を緩衝したが、これには制約されない。例えば、第4実施形態において下側の加圧ロール22を支持するロール軸に、偏心軸部を有したものを使用し、この偏心軸部に加圧ロール22を回転自在に支持する。これとともに、加圧ロール22を支持するロール軸の端部に伝達アーム85を連結し、この伝達アーム85上に成型圧力の反力が伝達アーム85を介して上向きに作用するように圧力緩衝装置3を配置する。このような配置の圧力緩衝装置3により、非過加圧状態において下側の加圧ロール22が静止状態に保持されるので、圧縮成型において過加圧が発生したときに、この過加圧を圧力緩衝装置3で緩衝することが可能である。この場合、ロードセル81は、第4実施形態のように配置してもよく、或いは圧力緩衝装置3が第1実施形態のようにロードセル81を含む場合は、このロードセル81を伝達アーム85とばねケース61との間に配置してもよく、若しくは、ロードセル81が上側の加圧ロール21に加わる成型圧力の反力を検出するように配置することも可能である。
また、第1〜第4の各実施形態では、オリフィス75と連通溝62bとで、圧縮成型において過加圧が発生した場合にばねケース61の内部と隙間Cとを連通する連通経路を形成したが、連通溝62bは必須ではない。具体的には、オリフィス75の長手方向に延長した直線がばねケース61の中心軸線と斜めに交差するように、オリフィス75の一端を接触面62aに開放させるとともに他端をばねケース61の内周面に開放させて、斜めのオリフィス75を円筒部62に設けてもよく、或いは、オリフィス75の長手方向に延長した直線がばねケース61の中心軸線と直交するように、オリフィス75の一端を接触面62aに連続させて底部63の周面に開放させるとともに他端をばねケース61の内周面に開放させて、オリフィス75をばねケース61に設けてもよく、これらの場合、オリフィス75のみで連通経路が形成される。
前記課題を解決するために、本発明の回転式粉末圧縮成型装置用圧力緩衝装置は、支持面を有する本体ケースと、支持面に接離される接触面を有して本体ケースに対し上下動可能に設けられ、回転式粉末圧縮成型機での圧縮成型において上下の加圧ロールのうちの一方に加わる成型圧力の反力で押されるピストンと、支持面に接触面を押付ける圧縮コイルばねと、非圧縮性の流体の流体抵抗を利用するダンパ手段とを備える。ダンパ手段は、ピストンが上向きに動かされるに伴って支持面と接触面との間に形成される隙間に連通されるオリフィス、及びこのオリフィスより高い位置に液面を形成して本体ケースの内側に溜められた前記流体、を有する。そして、ピストンが、圧縮コイルばねの一部とともに前記流体の少なくとも一部が収まる凹部を有するばねケースであって、圧縮成型において過加圧が発生した場合、この過加圧を圧縮コイルばねの弾性変形により緩衝するとともに、ダンパ手段での流体抵抗を利用してピストンの移動速度を緩和することを特徴としている。
ばねケース61は、上端が開放された円筒部62と、この円筒部62より小径でかつ円筒部62の下側に一体に連続された底部63とからなる。そのため、ばねケース61は上端が開放された凹部61aを有しており、この凹部61aに後述の圧縮コイルばね71の下部が収められる。圧力緩衝装置3の高さ方向の長さを短くする上で、凹部61aを有したばねケース61をピストンとして使用している。
本体ケース51に対するばね受け部材55の高さ位置を変えることにより、圧縮コイルばね71が圧縮された状態を変えることができる。具体的には、ばね受け部材55の高さ位置を低くすると、圧縮コイルばね71の圧縮の程度は強められ、この逆に、ばね受け部材55の高さ位置を高くすると、圧縮コイルばね71の圧縮の程度は弱められる。圧縮コイルばね71の圧縮の程度が圧力緩衝装置3の設定圧力であり、この圧力はオペレータが目盛バー66の目盛66aを目視で読み取ることで知ることができる。
1…打錠装置(回転式粉末圧縮成型装置)、2…打錠機(回転式粉末圧縮成型機)、3…圧力緩衝装置、12…臼孔(成型孔)を有する臼、15…上杵、16…下杵、21…上側の加圧ロール、22…下側の加圧ロール、51…本体ケース、52…ケース筒部、52c…雌ねじ溝、54…突出部、54a…支持面、55…ばね受け部材、55a…雄ねじ部、61…ばねケース(ピストン)、61a…凹部、62a…接触面、62b…連通溝、66…目盛バー、66a…目盛、71…圧縮コイルばね、74…ダンパ手段、75…オリフィス、77…オイル(非圧縮性の流体)、78…第1シール、81…ロードセル(圧力センサ)、C…隙間、P…成型圧力の反力