以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の第1実施形態による消去具を備えた筆記具1を示し、(a)は側面図であり、(b)は縦断面図である。筆記具1は、いわゆるノック式筆記具である。
筆記具1は、筒状に形成され且つ前軸2及び後軸3を備えた軸筒4と、軸筒4内に配置され且つ一端に筆記部5aを備えた筆記体であるリフィル5と、リフィル5を後方へ付勢するスプリング6とを有する。また、軸筒4の後端部には、クリップ7を備えた筒状に形成された内筒8及び操作部9を含む公知のノック機構10が配置されている。操作部9の後端部には、消去具11が、嵌合や接着等によって取り付けられている。消去具11は、カバー部材12によって覆われている。
本明細書中では、筆記具1の軸線方向において、筆記部5a側を「前」側と規定し、筆記部5aとは反対側を「後」側と規定する。消去具11を介して操作部9を前方へ押圧することによって、すなわちノック操作をすることによって、リフィル5が軸筒4内を前後方向に移動し、筆記具1の非筆記状態及び筆記状態を切り替えることができる。
図2は、図1の筆記具1の後端部分の斜視図であり、図3は、図1の筆記具の後端部分の別の斜視図である。図2及び図3に示されるように、消去具11は、操作部9に取り付けられた状態で内筒8から露出した部分の横断面形状が、略三角形となるように形成されている。具体的には、横断面において、三角形の頂点は丸く円弧状に形成され、その円弧の曲率半径は、消去具11の後端側の方がより大きくなっている。消去具11の後端面11aは、曲面状に形成されている。したがって、消去具11の後端面11aと周面11bとの境界は稜線11cを形成している。
消去具11は、後端面を用いることによって、より広い面積を擦過することができる。また、消去具11は、三角形の辺に相当する稜線11cの部分を使用することにより、より広い面積を擦過することができ、三角形の頂点に相当する稜線11cの部分を使用することにより、より狭い面積を擦過することができる。なお、当然のことながら、横断面形状は、三角形に限定されず、四角形、六角形等、その他の多角形であってもよい。
内筒8の後端部には、カバー部材12と嵌合する筒状の嵌合部8aが形成されている。嵌合部8aは、消去具11を介した操作部9のノック操作を阻害しないように、且つ、操作部9及び消去具11を受容するように、消去具11の外形に対して略相補的に形成されている。カバー部材12は、先端が閉鎖されていることによって消去具11を保護し、内筒8の嵌合部8aに嵌合するように、嵌合部8aの外周面と相補的な内周面を有している。嵌合部8aの外周面には、周方向等間隔に配置された嵌合凸部8bが形成され、対応するカバー部材12の内周面には、嵌合凹部12aが形成されている。これら嵌合凹部12a及び嵌合凸部8bが、嵌合することによって、カバー部材12が内筒8の後端部に対して取り付けられる。
消去具11を使用していない未使用時には、カバー部材12によって覆われることから、消去具11への汚れ、変質等を防ぐことができる。また、この状態では、消去具11を介して操作部9を前方へ押圧することができないことから、意図せずノック操作されることが防止される。言い換えると、ノック操作をする際には、カバー部材12を内筒8から外す必要がある。また、カバー部材12を透明又は半透明に形成することで、消去具11の状態を容易に視認することができる。また、カバー部材12の材料には、紫外線を防ぐ成分を含有することが好適である。
リフィル5は、以下に記載された消しゴム消去性インクを収容し、軸筒4内に収容された筆記具1である。
本発明の消しゴム消去性インクは、平均粒子径2〜20μmであり、かつ、非熱可塑性である着色樹脂粒子をインク組成物全量に対して5〜30重量%と、ガラス転移点が0℃未満である非着色粒子とを少なくとも含有することを特徴とするものである。なお、本発明で規定する「平均粒子径」は、粒度分布測定装置〔マイクロトラックHRA9320−X100(日機装社製)〕にて、平均粒子径を測定した値である。
本発明に用いる着色樹脂粒子は、着色された樹脂粒子からなるものであり、非熱可塑性であり、かつ、平均粒子径が2〜20μmとなる着色樹脂微粒子であることが必要である。本発明に用いる着色樹脂粒子としては、例えば、樹脂粒子中に顔料からなる着色剤が分散された着色樹脂粒子、樹脂粒子の表面が顔料からなる着色剤で被覆された着色樹脂粒子、樹脂粒子に染料からなる着色剤が染着された着色樹脂粒子などが挙げられる。本発明では、着色樹脂粒子が非熱可塑性で上記平均粒子径を充足するものであれば、その構造〔中空構造あり、中空構造なし(密実)〕、形状(球状、多角形状、扁平状、繊維状)等は特に限定されるものでないが、好ましくは、優れた消去性、筆記性、インクとしての経時安定性を発揮せしめる点から、ガラス転移点が150℃以上で熱分解温度に近く、更にはメルトフローインデックス値が0.1未満であるような分子内架橋を持つ粒子で粘着性を有せず、かつ、平均粒子径が3〜15μmとなる球状の着色樹脂微粒子の使用が好適である。着色樹脂粒子が熱可塑性で粘着性を有する場合は、粒子同士の凝集が起こりやすくなり、インクの安定性が損なわれたり、キャップを外した状態で放置した場合にカスレが生じやすくなるなど、好ましくない。また、着色樹脂粒子の平均粒子径が2μm未満であると、紙繊維の空隙に入り込みやすくなり消去性が低下してしまうこととなり、好ましくない。また、着色樹脂粒子の平均粒子径が20μmを越えるものであると、消去性は向上することとなるが、インクとしての濃度が薄くなること、着色樹脂粒子が沈殿しやすくなり、経時的安定性が損なわれること、筆記時の感触が悪くなることなどの不具合が生じることとなり、好ましくない。この着色樹脂粒子の平均粒子径を2〜20μmとし、かつ、非熱可塑性のものを用いることにより、初めて、紙の繊維の深部まで入り込むことなく、紙表面付近に留まり、消去具によって容易に除去することができることとなる。
着色樹脂粒子に用いる着色剤としては、染料として、例えば、アイゼンプリムラレッド4BH、アイゼンプリムラエローGCLH(以上、(株)アイゼン製)などの直接染料、アイゼンボンソーRH、アイゼンオパールピンクBH、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(以上、(株)アイゼン製)、オリエントソルプルブルーOBX、オリエントソルプルブルーOBB(以上、オリエント化学(株)製)などの酸性染料、タートラジン、アシッドレッド、フロキロン(以上、(株)アイゼン製)などの食料染料、蛍光染料などが挙げられる。また、顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ径顔料等の有機顔料、および硫化カルシウム等の無機蛍光顔料、その他の蛍光顔料等が挙げられる。
樹脂成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、ブタジエン等の重合体もしくはこれらの共重合体、ベンゾグアナミン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等から選択される少なくとも1種が挙げられ、必要に応じて架橋などの処理を行ったものであってもよい。これらの樹脂への着色方法としては、従来公知の懸濁重合、分散重合などの手法が用いられる。好適である着色樹脂粒子の樹脂分としては、価格や色剤との混和・染着性などの点からアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミンが好適である。また、好適である着色樹脂粒子としては、粘着性を有しないもの、熱可塑性でないものが好適である。粘着性を有するものでは、キャップを外した状態で一定時間放置した後に筆記すると、カスレが生じやすくなり、良好な描線を得ることができないことがあり、更に、熱可塑性のものでは、経時的に不安定性になりやすく、且つ筆記した描線を一定期間室温以上の温度下で放置した場合に、消去性が低下することなどがあるためである。
本発明に用いることができる上記特性、すなわち、非熱可塑性で、粘着性を有しない着色樹脂粒子としては、例えば、市販のラブコロール220(M)ブラック(顔料含有架橋PMMA粒子、平均粒子径:8.5μm、構造:密実、形状:球状、大日精化社製)、エポカラーFP112ピンク(蛍光染料染色ベンゾグアナミン・ホルムアルヒド縮合物、平均粒子径:3〜5μm、構造:密実、形状:球状)、エポカラーFP113レッド(蛍光染料染色ベンゾグアナミン・ホルムアルヒド縮合物、平均粒子径:3〜5μm、構造:密実、形状:球状)、エポカラーFP114オレンジ(蛍光染料染色ベンゾグアナミン・ホルムアルヒド縮合物、平均粒子径:3〜5μm、構造:密実、形状:球状)、エポカラーFP117イエロー(蛍光染料染色ベンゾグアナミン・ホルムアルヒド縮合物、平均粒子径:3〜5μm、構造:密実、形状:球状、以上日本触媒社製)、バーノックCFB−620C−40(黒色、顔料含有架橋ウレタン粒子、平均粒径:10〜20μm、構造:密実、形状:球状、大日本インク化学社製)などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの特性を有する着色樹脂粒子の含有量は、インク組成物全量に対して、5〜30重量%、好ましくは、8〜20重量%とすることが好適である。この着色樹脂粒子の含有量が5重量%未満であると、好適である描線が得られなくなり、また、30重量%を越えると、筆記感が重くなったり、描線にカスレが生じやすくなり、好ましくない。
本発明に用いる非着色粒子は、消去性と耐擦過性との両方の特性を更に付与させるために含有するものであり、ガラス転移点が0℃未満となる非着色粒子を用いることが必要である。本発明では、ガラス転移点が0℃未満、好ましくは−10℃未満である非着色粒子を用いることで、描線上で、上述の着色樹脂粒子との連続被膜が形成されることとなり、消去性が更に良好になるものである。また、ガラス転移点が0℃未満の非着色粒子は、弱い粘着性を有しているために、耐擦過性が付与されることとなる。なお、0℃以上の非着色粒子を用いたものでは、低温条件下では粒子の連続造膜性が十分に発揮されないため、消去性が劣ることとなる。
本発明に用いる非着色粒子としては、例えば、非着色のスチレンブタジエン粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、アクリル酸エステル粒子、メタクリル酸エステル粒子、シリコンアクリル粒子、ビニルピリジン粒子などが挙げられ、これらの非着色粒子は変性されたものであってもよい。好ましくは、連続被膜の強度、適度な粘着性、インクとしての安定性の点から、スチレンブタジエン粒子(変性有り又は無し)、スチレンアクリル樹脂粒子(変性有り又は無し)、アクリル酸エステル粒子(変性有り又は無し)、メタクリル酸エステル粒子(変性有り又は無し)の使用が好適である。これらの非着色粒子の平均粒子径は、好ましくは、0.01〜10μm、更に好ましくは、0.1〜2μmとなるものが好適である。非着色粒子の粒子径が0.01μm未満のものであると、紙繊維の空隙の奥に入り込みやすくなるため、消去効果が発揮しにくくなる。また、非着色粒子の粒子径が10μmを越えると、耐擦過性が劣ることとなる。これは粒子と紙面の接触面積が減少すること及びその大きさ故に、擦過に対して引っかかりやすくなるためと考えられる。
本発明に用いることができる上記特性を有する非着色粒子としては、例えば、市販のNipol LX435(変性スチレンブタジエンラテックス粒子、平均粒子径:0.12μm、ガラス転移点:−14℃、構造:密実、形状:球状)、Nipol 2518GL(ビニルピリジン粒子、平均粒子径:0.2μm、ガラス転移点:−44℃、構造:密実、形状:球状)、Nipol LX603(ビニルピリジン粒子、平均粒子径:0.2μm、ガラス転移点:−44℃、構造:密実、形状:球状、日本ゼオン社製)、Nipol LX110(スチレンブタジエンラバー、平均粒子径:0.08μm、ガラス転移点:−47℃、構造:密実、形状:球状、以上日本ゼオン社製)、Joncryl 7100(スチレンアクリル粒子、平均粒子径0.1μm、ガラス転移点−10℃、構造:密実、形状:球状、ジョンソンポリマー社製)、AE−200(カルボキシ変性アクリル粒子、平均粒子径0.25μm、ガラス転移点−45℃、構造:密実、形状:球状、JSR社製)、AE−517(カルボキシ変性アクリル粒子、平均粒子径0.15μm、ガラス転移点−48℃、構造:密実、形状:球状)、AE−337(カルボキシ変性アクリル粒子、平均粒子径0.25μm、ガラス転移点−37℃、構造:密実、形状:球状)、AE−8116(シリコン/アクリルコロイダルディスパージョン、平均粒子径0.06μm、ガラス転移点−10℃、構造:密実、形状:球状、以上JSR社製)、ウルトラゾールD−32(スチレンアクリル粒子、平均粒子径0.24μm、ガラス転移点−34℃、構造:密実、形状:球状)、ウルトラゾールSW−600(アクリル粒子、平均粒子径0.25μm、ガラス転移点−40℃、構造:密実、形状:球状、以上ガンツ化成社製)などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの特性を有する非着色粒子の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは、0.1〜10重量%、更に好ましくは、0.5〜5重量%とすることが好適である。この非着色粒子の含有量が0.1重量%未満であると、本発明の効果である消去性と耐擦過性を発揮せしめることができず、また、10重量%を越えると、粘着性が強くなり、耐擦過性は良好となるが、消去性は著しく低下することとなり、好ましくない。
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、水(精製水、イオン交換水、純水等)を主溶剤として用いるが、更に、溶剤として、保水性の付与、筆記感の向上の点から、水に相溶性のある極性基を有する水溶性極性溶剤を使用することができる。用いることができる水溶性極性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ピロリドン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
消去具11は、特許文献1に記載されるような従来の消し具に較べて、紙面を傷めないように、適度に摩耗するように形成される。具体的には、JIS K7204に規定された摩耗試験(ASTM D1044)の荷重9.8N、1000rpm環境下において、テーバー摩耗試験機の摩耗輪CS−17でのテーバー摩耗量が5mg以上であることが好適である。テーバー摩耗量が5mg未満の消去具だと、擦過時に消しゴム消去性インクの筆跡が消去できないことに加え、紙面等を傷めてしまう。
消去具11を形成するための材料として、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の熱硬化性ゴムやスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマーといったゴム弾性材料、2種以上のゴム弾性材料の混合物、及び、ゴム弾性材料と合成樹脂との混合物から選ばれる。特にポリエステル系エラストマーとすることが消しゴム消去性インクを消去するにあたって好適である。
さらに、消去具11は、JIS K6203に規定されたデュロメータD硬度が25以上45以下であることが好適である。D硬度が25未満であると消去部材が消去時に撓んでしまい消すことが困難である。また、D硬度が45より大きいと繊維の隙間に消去部材が入り込まなくなり消し残りが発生しやすいことに加え、消去時に紙面を傷めてしまうおそれがある。
以下、上述した成分構成の消去具の様々な実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態による消去具111を備えた筆記具100を示し、(a)は側面図であり、(b)は縦断面図である。筆記具100は、いわゆるノック式筆記具である。
筆記具100は、筒状に形成され且つ前軸102及び後軸103を備えた軸筒104と、軸筒104内に配置され且つ一端に筆記部105aを備えた筆記体であるリフィル105と、リフィル105を後方へ付勢するスプリング106とを有する。また、軸筒104の後端部には、操作部109を含む公知のノック機構110が配置されている。操作部109を前方へ押圧することによって、すなわちノック操作をすることによって、リフィル105が軸筒104内を前後方向に移動し、筆記具100の非筆記状態及び筆記状態を切り替えることができる。すなわち、ノック機構110は、ノック操作に応じて周方向に回転し、前後方向に移動しながらそれ自体、後軸103と係止又は係止解除する筒状の回転部材113を有する。
また、回転部材113の筒状の内部には、円板状の弾性部材114が配置されている。弾性部材114は、回転部材113の内部において内径の違いによって形成された段差113aによって係止している。スプリング106によって後方へ付勢されたリフィル105は、回転部材113の内部に挿入され、弾性部材114に対して当接している。
従来のノック式筆記具は、上述した弾性部材114に相当する部材を有していない。したがって、筆記状態から非筆記状態へ移行するためノック操作をすると、圧縮状態にあってリフィルを付勢するスプリングの付勢力が一気に解放され、リフィルを回転部材に衝突させてしまう。その衝撃によって、インク内に気泡が発生し、筆記不良等の原因となる。
この点、筆記具100は、弾性部材114を有することから、スプリング106の付勢力が一気に解放されたとしても、リフィル105の回転部材113に対する衝突は、弾性部材114の弾性変形によって吸収される。また、筆記具100を誤って落下させた場合でも、リフィル105の回転部材113に対する衝突による衝撃を軽減させることができる。したがって、筆記具100によれば、筆記不良等の問題が生じることがない、という効果を奏する。さらに筆記具100を落下させた場合において、衝撃を軽減させることができることから、ボールペンの筆記部先端に包持されたボールが外れてしまうことが防止される。なお、弾性部材114は、別体ではなく、回転部材113と二色成形等で一体に形成してもよい。
図5は、図4の筆記具100の前軸102の斜視図である。本実施形態では、前軸102の後端部に消去具111が設けられている。すなわち、前軸102及び後軸103は、前軸102の後端部が後軸103の前端部内において互いに螺合することで取り付けられる。前軸102のねじ部102aの後端部分の周面が、平坦な円筒状に形成され、消去具111を構成する。前軸102及び後軸103が、螺合以外、例えば圧入によって取り付けられる場合でも、前軸102の後端部分に消去具111を形成可能である。すなわち、前軸102の後端部分に設けられた消去具111は、使用していない未使用時には、カバー部材としての後軸103の前端部分によって覆われることから、汚れ等を防ぐことができる。また、後軸103を透明又は半透明の材料で形成することによって、前軸102の後端部分に設けられた消去具111の摩耗状況を容易に視認することが可能となる。
後軸103の透明材料又は半透明材料に、紫外線吸収剤を含有させることで、紫外線による消去具の劣化を防ぐことができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。透明性を高める観点からは、特に、白色系のベンゾエート系である日の丸合成樹脂工業株式会社製の商品名「TINUVIN770 DF」が好適である。また、後軸103の材料中に含有させ成形する以外に、紫外線吸収剤の液化し後軸103の表面に塗布してもよい。
なお、後軸103の前端部分に消去具111を形成してもよい。後軸103の前端部が前軸102の後端部内において互いに螺合等するようにしてもよく、その場合も前軸102の後端部分又は後軸103の前端部分に消去具111を形成してもよい。
図6は、本発明の第3実施形態による消去具211を備えた筆記具200を示し、(a)は側面図であり、(b)は縦断面図である。また、図7は、図6の筆記具200の別の縦断面図である。筆記具200は、回転繰り出し機構を有するいわゆる複式筆記具である。
筆記具200は、筒状に形成され且つ前軸202及び後軸203を備えた軸筒204と、軸筒204内に配置され且つ一端に筆記部205aを備えた筆記体である複数のリフィル205と、対応するリフィル205を後方へ付勢する複数のスプリング206とを有する。また、軸筒204の後端部には、回転部209を含む公知の回転繰り出し機構210が配置されている。回転部209を周方向に回転させることによって、すなわち回転繰り出し操作をすることによって、複数のリフィル205が順番に軸筒204内を前後方向に移動し、筆記具200の非筆記状態及び筆記状態を切り替えることができる。
回転部209の後端部には、保持部材214が取り付けられる。保持部材214は、消去具211を受容して保持するように形成されている。また、回転部209の後端部の外周面には、クリップ部212aを備えたカバー部材212が、消去具211及び保持部材214を受容しながら、着脱可能に嵌合している。すなわち、カバー部材212は、取り付けられた状態で消去具211を覆っている。
回転繰り出し機構210は、筒状の回転部209と、回転部209に接続された筒状の円筒カム213と、円筒カム213と協働する複数の摺動子215とを有する。回転部209は、後軸203の後端部に対して軸線周りに回転可能に取り付けられている。円筒カム213の前端面にはカム斜面213aが設けられている。カム斜面213aは、仮に筒状の円筒カム213を周方向に展開すると、1つの山を形成するように構成されている。摺動子215の前端部には、リフィル205の後端部が接続され、摺動子215の後端部には、スプリング206が接続されている。すなわち、リフィル205及び摺動子215は、後方へ付勢され、前後方向に沿ってのみ移動可能に構成されている。また、摺動子215は、スプリング206によって後方へ付勢されることによって、円筒カム213のカム斜面213aに対して常に押圧されることによって、当接している。
回転部209を回転させると、回転部209に接続された円筒カム213も回転する。円筒カム213の回転によって、カム斜面213aに当接した摺動子215の各々は、順番に前後に移動する。すなわち、摺動子215は、カム斜面213aに沿って相対的に摺動する。カム斜面213aの山に到達した摺動子215に接続されたリフィル205の筆記部が、軸筒204から突出し、筆記状態となる。
回転部209の外周面には、1つの係止突起209aが設けられている。また、カバー部材212には、回転部209への取り付けを阻害することなく且つ回転部209の係止突起209aを受容するように、係止溝212bが形成されている。回転繰り出し式の筆記具200には、回転部209を回転させるために、カバー部材212を取り付けた状態でないと、回転させることができないように構成されている。すなわち、回転部209の後端部は、軸筒204の後端部から少しだけ後方へ突出しているが、その部分を把持して回転部209を回転させるのは困難である。他方、図7に示されるように、カバー部材212を取り付けた状態では、カバー部材212のいずれかの部分を把持して回転させると、係止溝212bと回転部209の係止突起209aとが係止し、回転部209を回転させることができる。
なお、回転部209に形成された係止突起209aの数及び形状は任意に設定可能であり、把持部として機能するカバー部材212の係止溝の数及び形状も、少なくとも1つの係止突起209aと係止可能な範囲において、任意に設定可能である。
消去具211は、円柱状に形成され、後端部、すなわち先端部は、筆跡を擦過しやすいように半球状に形成されている。保持部材214は、消去具211の円柱状の部分を受容するように、当該部分が円筒状に形成されており、消去具211を着脱可能に保持している。したがって、消去具211は、筆記具200の後端部に取り付けられた状態で使用可能であり、また、筆記具200から取り外した状態でも使用可能である。消去具211を使用していない未使用時には、カバー部材212によって覆われることから、汚れ等を防ぐことができる。
図8は、本発明の第4実施形態による消去具311を備えたリフィル収納品300を示し、(a)は側面図であり、(b)は縦断面図である。
リフィル収納品300はリフィル収納容器301と、リフィル収納容器301内に収納された1本のリフィル305とから構成される。なお、リフィル収納容器301内に複数本のリフィル305を収納するようにしてもよい。また、リフィル305は第3実施形態でのリフィル205として用いることができることが好適である。
リフィル収納容器301は、筒状の容器本体(軸筒)304と、容器本体304の頂部側の開口部302を開閉するほぼ中実の柱状のキャップ306とを有する。なお、容器本体304の底部側の開口部307内には尾栓308が封密に嵌合されている。リフィル305は、リフィル収納容器301内に筆記部305aがキャップ306に向けて位置するように配置される。
本実施形態では、キャップ306を消去具311として使用することができる。すなわち、キャップ306が、上述した材料によって形成される。また、容器本体304又は尾栓308を消去具311として形成してもよい。
リフィル収納品300が消去具311を有することによって、リフィル305の予備としてリフィル収納品300を持ち歩く際に、リフィル収納品自体が筆記具の筆跡の擦過に使用可能であり、リフィル収納品300内のリフィル305を交換のため取り出した後でも、筆記具の筆跡の擦過に使用可能である。また、筆記具とは別体であることから、右手に筆記具を持ち、左手にリフィル収納品300の消去具311を持ち、筆記は右手、擦過は左手といった便利な使用も可能である。