JP2016150334A - エマルション破壊剤および含油水溶液の処理方法 - Google Patents

エマルション破壊剤および含油水溶液の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、無機凝集剤を使用せず、簡便に用いることができるエマルション破壊剤と含油水溶液の処理方法を提供することである。【解決手段】(I)ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、及び低級アルデヒド化合物の重縮合物であってアルキルスルホン酸基を有する重縮合物、(II)ポリカチオンの2剤を組み合わせて使用する2剤型エマルション破壊剤。【選択図】なし

Description

本発明は、エマルション等の含油水溶液から油分を除去するエマルション破壊剤および含油水溶液の処理方法に関する。
油は日常生活の様々な場所で使われ、油を含油する排水が多量に発生する。特に金属加工工場においては、鉱油、油脂、脂肪酸を含有する切削剤が使用され、金属加工後の洗浄剤に混入し、または直接排水に流れこんで廃棄される。これらの廃液はエマルション化しているので、これを廃棄または再利用するためにはエマルションを破壊する必要がある。しかし、非イオン界面活性剤により乳化されたエマルションは破壊することは困難である。
非イオン界面活性剤により乳化されたエマルションを破壊する目的で、非イオン界面活性剤の除去剤として、タンニン(特許文献1)、フェノール系縮合物(特許文献2)や芳香族スルホン酸の縮合物が開発されている。これらの非イオン界面活性剤除去剤は単独ではエマルションを破壊する能力はなく、通常は、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニム等の無機凝集剤と併用する必要がある。この方法では、硫酸バンドやポリ塩化アルミニウムを添加して酸性とした後、消石灰を添加して中和することが必要であり、本格的な廃液処理設備を必要とする。また、これらの方法で含油廃液を処理した場合には、汚泥が沢山発生し、処理液中には高濃度の硫酸イオンや塩素イオンが存在する。
近年、環境保護の観点から、排液の量を極力減少させ、水を再利用することが検討されている。硫酸イオンや塩素イオンは金属を腐食させるため、これらのイオンを高濃度で含有する廃液を金属加工用に再利用するためには、更に高度処理を必要とし、経済的に不利である。
特開平8−126890 特公昭53−27909
本発明の目的は、無機凝集剤を使用せず、簡便に用いることができるエマルション破壊剤と含油水溶液の処理方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、特定の重縮合物とポリカチオンを組み合わせて用いると、無機凝集剤を用いなくともエマルションを破壊するこができることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものであり、以下の様態の液状組成物を提供する。
項1.(I)ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、及び低級アルデヒド化合物の重縮合物であってアルキルスルホン酸基を有する重縮合物、(II)ポリカチオンの2剤を組み合わせて使用する2剤型エマルション破壊剤。
項2. ポリカチオンが1分子中に2個以上のイミノ基、1分子中に2個以上のアンモニウム基、1分子中に2個以上のアミノ基のいずれかを有するカチオン性ポリマーである項1に記載の2剤型エマルション破壊剤。
項3. (II)がさらに抗菌剤を含有する項1または2に記載の2剤型エマルション破壊剤。
項4. ポリカチオンがポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]またはポリエチレンイミンであることを特徴とする項1〜3のいずれか1項に記載の2剤型エマルション破壊剤。
項5. 項1〜4に記載のエマルション破壊剤の(I)を含油水溶液に添加後、撹拌しながら(II)を添加し、静置後に含油凝集物を除去する含油水溶液の処理方法。
本発明においては、無機凝集剤を使用しないので汚泥が少なく、pH調整も不要のため処理工程を簡略化できる。しかも、排液処理による硫酸イオンや塩素イオン等の腐食性イオン濃度の上昇がないため処理液の再利用が可能である。
本発明のエマルション破壊剤は、(I)ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、及び低級アルデヒド化合物の重縮合物であってアルキルスルホン酸基を有する重縮合物を含む剤、(II)ポリカチオンを含む剤の2剤からなる。
(I)ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、及び低級アルデヒド化合物の重縮合物の水溶液
本発明の重縮合物に用いるビス(ヒドロキシフェニル)スルホンとしては、例えば4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホンなどを挙げることができるが、特に4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホンが好ましい。
低級アルデヒドとしては、炭素数1〜3の脂肪族アルデヒドが好ましく、具体的にはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドを挙げることができる。特に、ホルムアルデヒドが好ましい。
本発明の重縮合物はビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、低級アルデヒドおよび亜硫酸水素アルカリ金属塩または亜硫酸アルカリ金属塩をアルカリの存在下で加熱反応することにより得られる。前記反応は従来公知の方法で行えばよく、例えばビス(ヒドロキシフェニル)スルホン1モルに対して、低級アルデヒドを1〜4モル、亜硫酸水素アルカリ金属塩0.1〜0.7モルをアルカリの存在下で50℃〜140℃加熱すればよい。このようにして得られる重縮合物は低級アルキルスルホン酸基を有している。アルキルスルホン酸基はビス(ヒドロキシフェニル)スルホン1個に対して平均0.05〜3.0個有することが好ましく、0.05〜2.0個がより好ましい。
重縮合物の中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホンモノメチルスルホン酸・ホルムアルデヒド重合物は性能が優れており、処理液のpHを殆ど変化させないので好適である。ビス(ヒドロキシフェニル)スルホンモノメチルスルホン酸・ホルムアルデヒド重合物はビスヒドロキシフェニル)スルホン、ホルムアルデヒド、亜硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムなどのアルカリ存在下で縮合反応させることにより得られる。
本発明の重縮合物は市販品を使用してもよいし、前述の方法により製造して使用してもよい。重縮合物の分子量は通常500〜10000であり、好ましくは500〜2000である。
(I)の残部は水であり、重縮合物を任意の濃度の水溶液にして使用すればよい。
重縮合物の作用時の濃度は、処理対象の含油水溶液に含まれる非イオン界面活性剤の種類および濃度によって異なるので限定できないが、一般的な防錆兼洗浄剤にエマルション型洗浄剤が混入した溶液の場合には、50〜10000ppm、好ましくは200〜2000ppmである。
(II)ポリカチオン及び抗菌剤を含有する溶液
本発明の含油水溶液処理剤に用いられるポリカチオンは、1分子中に2個以上のイミノ基、1分子中に2個以上のアンモニウム基、1分子中に2個以上のアミノ基のいずれかを有するカチオン性ポリマーであれば特に限定されるものではなく、ジメチルアミノエチルアクリレート系(DDA系)高分子凝集剤(例えば、アクリルアミドとN,N−ジメチルアミノエチルの共重合体、ポリジメチルアミノエチルアクリレート等)、ジメチルアミノエチルメタクリレート系(DAM系)高分子凝集剤(例えば、メタアクリルアミドとN,N−ジメチルアミノエチルの共重合体、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート等)、アルキルアミノメタクリレート四級塩重合物、アルキルアミノアクリレート四級塩・アクリルアミド共重合物、アクリロニトリル・N−ビニルホルムアルデヒド共重合物、ジシアンジアミド系高分子凝集剤(例えば、ジシアンアミド・塩化アンモニウム・ホルムアルデヒド重合物等)、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、四級化ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリペプチド(例えば、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、等)等が挙げられる。中でも、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]およびポリエチレンイミンは微生物を凝集して除去する効果があるので、特に好ましい。ポリカチオンは抗菌効果を有しており、本発明のエマルション破壊剤は処理液の生菌数を減少させる効果も有する。
ポリカチオンの分子量は特に限定されないが、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]であれば例えば分子量3000〜10000の化合物を用いればよく、ポリエチレンイミンであれば例えば分子量300〜100000の化合物を用いればよい。
(II)はポリカチオンの他に抗菌剤を含有していてもよい。本発明に用いられる抗菌剤は特に限定されず、イソチアゾリン系抗菌剤(例えば、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル4−イソチアゾリン−3−オン、ピリジン系抗菌剤(例えば、2−クロロ−6クロロメチピリジン、2−ピリジンチオール−1―オキシドナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛、等)、ニトリル系抗菌剤(例えば、4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフロロイソフタロニトリル、等)、ベンゾイミダゾール系抗菌剤(例えば、1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、1−ブチルカルバモイル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、等)、ハロアルキルチオ系抗菌剤(例えば、N−フロロジクロロメチルチオフタルイミド、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオテトラヒロフタルイミド、等)、サルファイド系抗菌剤(例えば、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジサルファイド、等)、有機ヨード系抗菌剤(例えば、ジヨードメチル−p−トリルスルフォン、3―ヨード−プロパギルブチルカルバミン酸、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール、等)、フェノール系抗菌剤(例えば、2−ベンジル−4−クロロフェノール、p−クロロフェノール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、等)、ジフェニルエーテル系抗菌剤(例えば、トリクロサン、等)、ビグアナイド系抗菌剤(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニジド、グルコン酸クロルヘキシジン、等)、有機臭素系抗菌剤(例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン)、第四級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジデシルジメチルアンモニムクロライド、ハイジェニア、等)、銀系抗菌剤(例えば、ヒスチジン銀錯体、クレアチニン銀錯体、メチオニン銀錯体、等)、アルデヒド類(グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、等)、金属イオン(例えば、銀イオン、銅イオン、等)、抗菌性ペプチド(例えば、ポリリジン、ナイシン、プロタミン、等)等が挙げられ、これらの中の1種または2種以上を用いる。
中でも銀イオンはポリエチレンイミンと錯体を形成し、この銀錯体は塩素イオンが存在する条件下でも抗菌力を発揮するので、ポリカチオンとしてポリエチレンイミンを用いる場合には好適である。ポリエチレンイミン銀錯体は、ポリエチレンイミン溶液に酸化銀を添加して撹拌することにより調製される。銀イオンの作用時の濃度は、1〜100ppm、好ましくは10〜50ppmである。
ポリカチオンとしてポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]を用いる場合には、銀イオン以外の抗菌剤を用いる。例えば、ポリヘキサメチレンビグアニジドを用いる場合には、その使用時の濃度は10〜1000ppm、好ましくは50〜200ppmである。
(II)の残部は水であり、ポリカチオンおよび抗菌剤の任意の濃度の水溶液として使用すればよい。
ポリカチオンの作用時の濃度は、含油水溶液に含まれる油分の量によって異なるので限定できないが、通常は10〜10000ppm、好ましくは100〜1000ppmである。この濃度はエマルションを処理するための使用時の濃度であり、凝集剤組成物はより高濃度の濃縮液であり、濃縮液を使用時に対象液に添加する。
(I)の重縮合物と(II)のポリカチオンの重量比は、(II)のポリカチオン1重量部に対して(I)の重縮合物が1〜5重量部、好ましくは2〜3重量部である。
含油水溶液から油分を除去するためには、処理対象の含油水溶液に(I)を添加して撹拌しながら、(II)を添加する。その後室温で撹拌を5〜30分程度継続する。撹拌を止めて1時間〜数日静置すれば、非イオン界面活性剤と油分は凝集して沈降または浮上するので、濾過等により凝集物を除去する。
本発明の含油水溶液処理剤と、含油水溶液の処理方法は、主に金属加工工場の洗浄剤使用液や切削剤・研削剤使用液に適用される。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明が実施例に限定されないことはいうまでもない。
ポリカチオンA剤
ビューサン77(バックマンラボラトリーズ株式会社製、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]60wt%溶液)を60倍量の水で希釈し、有効成分を1wt%含有する溶液を調製した。
ポリカチオンB剤
エポミンP−1000(純正化学株式会社製、分子量70000のポリエチレンイミンの30wt%水溶液)0.33gを蒸留水80gに溶解し、炭酸でpHを7.5に調整した後、蒸留水を加えて重量を100gにし、有効成分を1wt%含有する溶液を調整した。
ポリカチオンC剤
エポミンP−1000 0.33gを蒸留水80gに溶解し、硝酸を添加してpHを9.5に調整した。この溶液に酸化銀0.11gを添加してスターラーで撹拌し、酸化銀が完全に溶解した後、蒸留水を加えて重量を100gに調整した。
ポリカチオンD剤
ポリカチオンA剤に5wt%量のプロキセルIB(アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製、ポリヘキサメチレンビグアニド20wt%含有品)を添加した。
実施例1〜4、比較例1〜3
金属加工後用洗浄剤Aを水で希釈して3wt%溶液を調製した。一方、エマルション型切削油剤Xを水で希釈して10wt%溶液を調製した。洗浄剤希釈液99gと切削油剤の希釈液1gを混合し、大腸菌(IFO3301)、黄色ぶどう球菌(JCM20624)またはカンジダ・アルビカンス(JCM1542)を各菌数が106/mlとなるように接種した。
この溶液100gをビーカーに採り、スターラーで撹拌しながら、タキフロックL−2(多木化学株式会社製、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホンモノメチルスルホン酸・ホルマリン重合物15wt%含有品)、以後L−2と表す)0.3ml、およびポリカチオンA剤、ポリカチオンB剤、ポリカチオンC剤またはポリカチオンD剤2mlを添加して、10分間撹拌した。これらの溶液を室温で一夜放置した後、濾過し、濾液のpH、濁度(650nmの吸光度)、菌数を測定した。結果を表1−1、1−2に示した。
実施例5〜7
C社、D社、E社の3社の金属加工工場で使用中の洗浄剤を入手した。これらの洗浄剤100mlにL−2 0.3mlと、ポリカチオンC剤3mlを添加して混合した。室温で一夜放置し、下の基準により液の性状を評価した。また、凝集処理前後の液0.1mlをSCD寒天培地に接種して30℃にて48時間培養し、寒天培地上のコロニー数から下の基準により抗菌性を評価した。結果を表2に示した。
(液の性状の評価)
〇:エマルションは完全に破壊し、フロックと透明な液に分かれている。
×:液の性状に変化がなく、乳濁したままである。
表1−1、1−2および表2に示したように、本発明の破壊剤によりエマルションが破壊されて透明な液が得られた。また液のpHは処理前と殆ど変らず、生菌数の著しい減少が認められた。一方、(I)のみを添加した場合には、エマルションが破壊されず、生菌数も減少しなかった。また、(II)のみを添加した場合には生菌数の減少は認められたが、エマルションは完全には破壊されなかった。
Figure 2016150334
Figure 2016150334
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Claims (5)

  1. (I)ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、及び低級アルデヒド化合物の重縮合物であってアルキルスルホン酸基を有する重縮合物、(II)ポリカチオンの2剤を組み合わせて使用する2剤型エマルション破壊剤。
  2. ポリカチオンが1分子中に2個以上のイミノ基、1分子中に2個以上のアンモニウム基、1分子中に2個以上のアミノ基のいずれかを有するカチオン性ポリマーである請求項1に記載の2剤型エマルション破壊剤。
  3. (II)がさらに抗菌剤を含有する請求項1または2に記載の2剤型エマルション破壊剤。
  4. ポリカチオンがポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]またはポリエチレンイミンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2剤型エマルション破壊剤。
  5. 請求項1〜4に記載のエマルション破壊剤の(I)を含油水溶液に添加後、撹拌しながら(II)を添加し、静置後に含油凝集物を除去する含油水溶液の処理方法。
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