JP2016150876A - 銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物、その製造方法、及びそれを用いた二次電池 - Google Patents

銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物、その製造方法、及びそれを用いた二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも高容量特定を示す二次電池用電極活物質、その製造方法、及びそれを正極活物質として用いた二次電池を提供する。【解決手段】電極活物質は、一般式Li2−xCuVO4(0≦x<2)で表される銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物であり、ウルツ鉱型構造のZnOにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をバナジウム原子、リチウム原子又は銅原子に置換えた構造をしている。この銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物は、Li源物質、Cu源物質、及びVO4源物質を、モル比が2−x:1:1(0≦x<2)となるように混合し、加熱した後、急冷することにより製造する。二次電池は、この銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を正極活物質として含む。これによって、オリビン型リン酸系ポリアニオンを用いた従来の正極よりも、容量が大きい二次電池を実現することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン電池等の二次電池に使用され得る銅系の正極材料に関し、特に、銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物、その製造方法、及びそれを用いた二次電池に関する。
リチウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属、これらの合金、又は、これらの化合物等を負極活物質とする非水電解質二次電池は、正極活物質からの負極金属イオンの脱離(デインターカレーション)反応、又は、正極活物質への負極金属イオンの挿入(インターカレーション)反応によって、その大放電容量と充電可逆性とが確保されている。
リチウムイオン電池は、作動電位が高く、高エネルギー密度が達成され得る。そのようなリチウムイオン電池の正極材料には、主に層状遷移金属複合酸化物が用いられている。例えば、民生用で普及しているLiCoOが、リチウムイオン正極材料の代表的なものとして知られている。希少元素であるCoの使用量を削減したLiNi1−x−yCoAl(NCA)、又はLiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)等も開発され、一部実用化されている。しかし、これらはいずれもα−NaFeO型構造といわれる層状の結晶構造を有しており、遷移金属イオンの3価/4価間の酸化還元反応を用いているため、充電状態で昇温すると遷移金属イオンが容易に還元され酸素を放出するという熱安定性の面での問題があった。
この問題を解決するために、3価/4価間の酸化還元反応の代わりに2価/3価間の酸化還元反応を用い、酸素をリン(P)と強固に共有結合させることで熱安定性を改善した系としてオリビン型LiCoPO又はLiFePO等のリン酸塩化合物が、正極活物質として提案されている(例えば、下記特許文献1、2及び下記非特許文献1参照)。化学的な安定性に優れるポリアニオン系の化合物である鉄オリビン(LiFePO)は、二次電池の正極材料として実用化されている。
特許第3484003号明細書 特許第3523397号明細書
岡田,荒井,山木,電気化学および工業物理化学, 65, No.10, p.802-808 (1997).
しかし、LiFePOは、作動電圧が3.3Vと低く、容量が170mAh/gという限界があり、二次電池の高エネルギー密度化には不十分な特性であった。
したがって、多電子反応が可能であり、化学的な熱安定性に優れたポリアニオン系であり、二次電池の正極材料として使用された場合に、LiFePOよりも高容量を示す材料が期待されている。自動車産業及び電器産業等で電池の大型化が必要となる中で、熱安定性を有する高エネルギー密度材料への期待は高く、将来的に大きな市場が期待されている。
したがって、本発明は、多電子反応が可能な銅系材料であり、二次電池の電極活物質として使用された場合に従来よりも高容量特定を示す新規な材料である銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物、その製造方法、及びそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に係る銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物は、一般式Li2−xCuVO(0≦x<1又は1<x<2)で表される。
好ましくは、銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物は、ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をバナジウム原子に置換えて得られる四面体であるVO四面体と、ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をリチウム原子で置換えて得られる四面体であるLiO四面体と、ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子を銅原子で置換えて得られる四面体であるCuO四面体とを含み、VO四面体、LiO四面体、及びCuO四面体は、頂点に位置する酸素原子を共有する。
本発明の第2の局面に係る銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物は、一般式LiCuVOで表され、ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をバナジウム原子に置換えて得られる四面体であるVO四面体と、ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をリチウム原子で置換えて得られる四面体であるLiO四面体と、ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子を銅原子で置換えて得られる四面体であるCuO四面体とを含み、VO四面体、LiO四面体、及びCuO四面体は、頂点に位置する酸素原子を共有する。
本発明の第3の局面に係る銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法は、上記の何れかの銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法である。この製造方法は、Li、Cu及びVOのモル比が、2−x:1:1(0≦x<2)となるように、Li源物質、Cu源物質、及びVO源物質を混合して混合物を生成する第1ステップと、混合物が溶解しない所定温度まで混合物を加熱することにより、混合物に化学反応を起こさせる第2ステップと、第2ステップに続き、混合物を低温液化ガスにより冷却する第3ステップを含む。
好ましくは、第2ステップは、大気よりも還元性の雰囲気で行なわれる。
より好ましくは、第2ステップは、窒素若しくはアルゴンの気流中、又は、還元剤が配置された大気中で行なわれる。
さらに好ましくは、所定温度は、510℃以上800℃以下の温度である。
好ましくは、Li源物質は、LiOであり、Cu源物質は、CuOであり、且つ、VO源物質は、VOである。
より好ましくは、Li源物質は、LiCOであり、Cu源物質は、CuOであり、且つ、VO源物質は、Vである。
本発明の第4の局面に係る二次電池は、上記の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を正極活物質として含む。
好ましくは、二次電池は、リチウム又はナトリウムを負極活物質として含む。
本発明によれば、一般式Li2−xCuVO(0≦x<2)で表される銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を二次電池の正極活物質として使用することによって、LiFePO等のオリビン型リン酸系ポリアニオンを用いた従来の正極よりも、容量が大きい二次電池を実現することができる。
また、本銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を正極材料として用いる場合、負極はLiに限らず、Naを用いることができる。したがって、従来よりも高容量のリチウム電池及びナトリウム電池を実現することができる。
また、本銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物は、希少元素であるCoを含まず、資源的に豊富な銅系の材料であり、環境への負荷が小さい。
公知のウルツ鉱(ZnS)型構造の結晶構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るLi2−xCuVO(0≦x<2)の結晶構造を示す斜視図である。 LiCuVOの示差熱分析の結果を示すグラフである。 LiCuVOの合成の際に不純物として生成され得るLiCuVOの結晶構造を示す斜視図である。 実施例6で得られたLiCuVOの粉末のX線(銅Kα線)回折のRietveld解析結果を示すグラフである。 実施例2で得られた試料の粉末のX線(銅Kα線)回折のLe Bail解析結果を示すグラフである。 作製したコイン型二次電池の概略構造を示す断面図である。 実施例8で作製されたコイン型リチウム電池の充放電曲線を示すグラフである。 実施例9で作製されたコイン型リチウム電池の充放電曲線を示すグラフである。
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(非水電解質二次電池用電極活物質)
本発明の実施の形態に係る二次電池用電極活物質は、一般式Li2−xCuVOで表される銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物である。ここで、xは、0≦x<2の範囲内の任意の値である。
銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の結晶構造は、公知のウルツ鉱(ZnS)型構造を母体としている。図1を参照して、ウルツ鉱型構造は、亜鉛(Zn)を中心に4つの硫黄(S)が配位したZnS四面体が、四面体の頂点に位置するSを共有し、Zn層の間にジグザグなS層が挟まった結晶構造である。即ち、ウルツ鉱型構造は、硫化物イオンが六方最密構造(正六角柱の上面及び底面の各角及び中心に原子が存在し、さらに六角柱の内部で高さ1/2の位置に3つの原子が存在する構造)をなし、隣接する4つの硫化物イオンによる四面体空隙に亜鉛イオンが存在する構造である。
銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物は、ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、Sを酸素(O)に置換え、Znをバナジウム(V)に置換えた構造であるVO四面体と、Sを酸素(O)に置換え、Znをリチウム(Li)で置換えた構造であるLiO四面体と、Sを酸素(O)に置換え、Znを銅(Cu)で置換えた構造であるCuO四面体とを有する。この構造で、LiはVのモル数の最大2倍まで脱離可能である。そのため本銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の一般式は、上記の様にLi2−xCuVO(0≦x<2)で表される。なお、上記の結晶構造は、後述する実験により作製した試料に関して、公知のRietveld解析を実行することにより確認されたものである。
(銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法)
上記した銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物(一般式Li2−xCuVO(0≦x<2))は、Li源物質、Cu源物質、及びVO源物質を、Li、Cu及びVOのモル比が2−x:1:1(0≦x<2)となるように混合して混合物を生成し、生成された混合物に化学反応を起こさせることにより製造され得る。
混合物の化学反応は、大気よりも還元性の雰囲気で行なわれることが好ましい。混合物の化学反応は、例えば、窒素若しくはアルゴンの気流中、又は、還元剤が配置された大気中で行なわれることがより好ましい。また、混合物が溶解しない所定温度まで混合物を加熱することにより化学反応を起こさせることがさらに好ましい。
図3に示すLiCuVOの示差熱分析(Differential Thermal Analysis:DTA)の結果では、502.6℃において部分分解に由来すると思われるピークが観測される。また、800℃以上においても、別の相転移に由来するピークと、融解に対応すると思われるピークとが観測される(各ピークを、矢印及び温度を付して示す)。
したがって、本銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の合成は、510℃以上800℃以下の温度で実行されることが望ましい。より望ましくは560℃以上720℃以下の温度、さらに望ましくは580℃以上650℃以下の温度で実行されることが望ましい。
加熱して混合物に化学反応を起こさせた場合には、加熱後に急冷することが好ましい。例えば、実施例として後述するように、約1gのペレットを用いる場合、アルゴンガス中での室温への急冷では分解反応が生じ、単相のLiCuVOを得ることは困難であった。一方、実施例として後述するように、液体窒素(−196℃の液体冷媒)に試料を投下することにより、単相のLiCuVOを得ることができた。したがって、混合物を加熱して化学反応を起こさせた後、混合物を急冷することが好ましい。
急冷速度は試料の量と冷媒の特性とで決まるので、試料の量と溶媒の温度熱容量との関係から、適切な冷却法を使用すればよい。液体窒素を用いた急冷法に限定されず、液体酸素、液体ヘリウム、液体水素等の常温・常圧で気体である元素の液体(低温液化ガス:Cryogenic Liquid)を用いて冷却してもよい。
(銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を用いた電極)
上記した銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物は、二次電池用電極に用いることができる。具体的には、電極活物質として、上記した銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の粉末を用いる。電極中における本活物質(銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物)の含有量は、用いる活物質の種類、結着材(バインダー)、及び導電材の使用量等に応じて適宜設定すればよい。また、電極においては、電極活物質として所定の電極特性が得られる限り、上記の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を単独で使用しても、公知の電極活物質との混合物として使用してもよい。
(銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を用いた電極の製造方法)
上記した二次電池用電極の製造方法は、銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を用いる以外は、公知の電極の製造方法と同様である。例えば、上記の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の粉末を必要に応じて公知の結着材と混合する。さらに、公知の導電材と混合することが好ましく、銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の電気伝導性を考慮すると、導電材と十分に混合することがより好ましい。
得られた混合粉末を、ステンレス鋼製等の支持体上に圧着成形する、又は金属製容器に充填することによって、二次電池用電極を製造することができる。また、例えば、この混合粉末を有機溶剤と混合して得られたスラリーをアルミニウム又はステンレス等の金属基板上に塗布する等の方法によっても、二次電池用電極を製造することができる。
ここで、公知の結着材は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、又は、ニトロセルロース等である。公知の導電材は、例えば、アセチレンブラック、カーボン、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛、又はニードルコークス等である。有機溶剤は、例えば、N−メチルピロリドン、トルエン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、又はテトラヒドロフラン等である。
二次電池用電極の厚さは、通常1〜10000μm、好ましくは3〜200μm、より好ましくは5〜100μm程度である。厚過ぎると導電性が低下する傾向にあり、薄過ぎると容量が低下する傾向にある。なお、塗布及び乾燥によって得られた電極は、活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密されてもよい。
(銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を用いた非水電解質二次電池)
本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池は、上記した銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を電極として用いる以外は、公知の非水電解質二次電池における構成要素を採用することができる。上記した銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を用いた電極は、通常正極として使用することが可能である。この場合、負極には、電極活物質として公知の負極活物質を使用することが可能である。負極には、リチウム、ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群の中から選択される1つの物質、又は、その含有物を用いることが好ましい。
なお、本非水電解質二次電池における負極活物質には、リチウム及びナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ金属の化合物、又はアルカリ金属の合金等の他、アルカリ金属イオンを吸蔵及び放出することが可能な材料(例えば、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、Li2.5CO0.5N、LiTi12等)も含まれる。
負極の製造方法は公知の方法と同じである。例えば、上記した方法と同様にして製造することができる。即ち、負極活物質の粉末を必要に応じて公知の結着材、さらに必要に応じて公知の導電材と混合した後、この混合粉末をシート状に成形し、これをステンレス、及び銅等の導電体網(集電体)に圧着すればよい。また、例えば、上記の混合粉末を公知の有機溶剤と混合して得られたスラリーを、銅等の金属基板上に塗布することにより負極を製造することができる。
その他の構成要素としては、公知の非水電解質二次電池に使用されるものを構成要素として使用することができる。以下に例示する。
電解液は通常、電解質及び溶媒を含む。電解液の溶媒は、非水系であればよく、特に制限されない。電解液の溶媒には、例えばカーボネート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、ラクトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素類、アミン類、エステル類、アミド類、又はリン酸エステル化合物等を使用することができる。これらの代表的なものを列挙すると、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、メチルホルメート、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、エチルメチルカーボネート、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−ジクロロエタン、リン酸トリメチル、及びリン酸トリエチル等を使用することができる。なお、これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
電解液としては、上記の溶媒に、負極活物質中のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンが、上記の正極活物質と、又は、上記の正極活物質及び負極活物質と電気化学反応するために移動することができる電解質物質を使用することができる。電解液として、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiAsF、LiB(C、LiCl、LiBr、CHSOLi、CFSOLi、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、又はLiN(SOCF等を使用することができる。電解液に可溶であれば、塩化リチウム、又は臭化リチウム等を用いることもできる。また、Na塩ではNaClO、NaPF、NaBF、CFSONa、NaAsF、NaB(C、CHSONa、CFSONa、NaN(SOCF、NaN(SO、NaC(SOCF、NaN(SOCF等種々の塩を使用可能である。電解液に可溶であれば、塩化ナトリウム、又は臭化ナトリウム等を用いることもできる。なお、公知の固体電解質、例えば、ナシコン構造を有するLiTi(PO等をも使用できる。
また、セパレータ、電池ケース他、構造材料等の要素についても公知の各種材料を使用でき、特に制限はない。例えば、正極と負極との間にセパレータを使用する場合には、微多孔性の高分子フィルムが用いられ得る。例えば、ナイロン(登録商標)、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリブテン等のポリオレフィン高分子よりなるものが用いられ得る。セパレータの化学的及び電気化学的安定性の観点からは、ポリオレフィン系高分子が好ましい。電池セパレータの目的の1つである自己閉塞温度の観点からは、ポリエチレン製であることが望ましい。
ポリエチレンセパレータの場合、高温形状維持性の観点から超高分子量ポリエチレンであることが好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、より好ましくは100万、さらに好ましくは150万である。分子量の上限は、好ましくは500万、より好ましくは400万、さらに好ましくは300万である。分子量が大き過ぎると、流動性が低過ぎて、加熱されたときにセパレータの孔が閉塞しない場合があるからである。
本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池は、上記した電池要素を用いて公知の方法で組立てることができる。なお、電池の外形形状についても特に制限されることはない。例えば、円筒型、角型、コイン型等種々の形状、及びサイズを適宜採用することができる。
以下に実験結果を示し、本発明の有効性を示す。二次電池用の正極活物質として使用可能な銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を作製した。
LiO、CuO、及びVを2:1:1のモル比で秤量し、メノウ乳鉢でよく混合し、直径10mmで約1gのペレットを作製した。アルミナ製のボートに白金製シートを敷き、作製したペレットを白金製シートの上に載せ、700℃の温度で、12時間アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成後、試料を電気炉の中で徐冷(自然冷却)した。
得られた試料をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回折法で同定した。その結果、得られた試料は、LiCuVOに、不純物としてLiCuVOとCuOとが含まれている混合相であることが確認できた。
LiCuVOは、一般式Li2−xCuVO(0≦x<2)において、x=1の場合に該当する。その結晶構造は、図4に示すように、中心にバナジウムイオンが位置するVO四面体は含まれているが、Li及びCuの何れも、Oによって形成される四面体の中心には位置していない。即ち、LiCuVOの結晶構造は、LiO四面体及びCuO四面体の何れも含まず、図2に示した結晶構造とは異なる。
LiO、CuO、V及びVを4:4:1:1のモル比で秤量し、ボールミルで48時間混合し、直径10mmで約1gのペレットを作製した。作製したペレットを白金製ルツボに入れ、石英ガラス管で真空封入した。この封入管を、700℃の温度で、8時間焼成後、電気炉の中で徐冷した。
封入管から取出した試料をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回折法で同定した。その結果、得られた試料は、LiCuVOに、不純物としてLiCuVOが含まれている混合相であることが確認できた。
LiCO、CuO、及びVを2:1:1のモル比で秤量し、メノウ乳鉢でよく混合し、直径10mmで約1gのペレットを作製した。アルミナ製のボートに白金製シートを敷き、作製したペレットを白金製シートの上に載せ、460℃の温度で、6時間焼成し、さらに、700℃の温度で、6時間アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成後、試料を電気炉の中で徐冷した。
得られた試料をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回折法で同定した。その結果、得られた試料は、LiCuVOに、不純物としてCuOが含まれている混合相であることが確認できた。
LiCO、CuO、及びVを2:1:1のモル比で秤量し、メノウ乳鉢でよく混合し、直径10mmで約0.2gのペレットを作製した。アルミナ製のボートに白金製シートを敷き、作製したペレットを白金製シートの上に載せ、600℃の温度で、1時間、アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成後、試料を電気炉の中で徐冷(自然冷却)した。
得られた試料をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回折法で同定した。その結果、得られた試料は、LiCuVOに、不純物としてLiCuVOが含まれている混合相であることが確認できた。
LiCO、CuO、及びVを2:1:1のモル比で秤量し、メノウ乳鉢でよく混合し、直径10mmで約1gのペレットを作製した。アルミナ製のボートに白金製シートを敷き、作製したペレットを白金製シートの上に載せ、600℃の温度で、12時間アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成後、試料を600℃の電気炉から取出し、室温環境下で急冷した。
得られた試料をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回折法で同定した。その結果、得られた試料は、LiCuVOに、不純物としてCuOが含まれている混合相であることが確認できた。
LiCO、CuO、及びVを2:1:1のモル比で秤量し、メノウ乳鉢でよく混合し、直径10mmで約1gのペレットを作製した。アルミナ製のボートに白金製シートを敷き、作製したペレットを白金製シートの上に載せ、600℃の温度で、1時間アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成後、試料を600℃の電気炉から取出し、ただちに液体窒素で急冷した。
得られた試料をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回折法で同定した。その結果、得られた試料は、不純物を含まないLiCuVO単相であることが確認できた。
得られた試料粉末のX線(銅Kα線)回折のRietveld解析結果を図5に示す。図5において、最上段の相対強度のグラフは、図2に示した結晶構造に基づき計算された計算値である。2θ≦50(度)における各ピークのミラー指数hklを付記する。横軸は入射X線(銅Kα線)に対する観測角度(散乱角度)2θである。計算値のグラフに重ねたXのマーカーは、実測値を示す。図5の中断の縦のマーカーは、各ピークの位置を示し、最下段のグラフ(残差)は、測定値と計算値との差を示す。図5の残差から、図2に示した結晶構造が正しいことが確認できる。
参考に、上記の実施例2で得られた試料のX線(銅Kα線)回折のLe Bail解析結果を図6に示す。図6において、上段のグラフ、中断のマーカー、及び下段のグラフの意味は、図5と同じである。図6には、不純物であるLiCuVOによるピークが観測される。
上記の実施例3及び5で得られた試料のそれぞれを用いて、直径10mmで約1gのペレットを作製した。アルミナ製のボートに白金製シートを敷き、作製したペレットを白金製シートの上に載せ、600℃の温度で、12時間アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成後、試料を600℃の電気炉から取出し、ただちに液体窒素で急冷した。
得られた試料をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回折法で同定し。その結果、何れの試料においても、不純物のCuOが消失し、LiCuVO単相であることが確認できた。
上記の実施例6又は7で得られたLiCuVOと、導電材のアセチレンブラック(以下、ABともいう)と、結着材のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEともいう)とを重量比62:30:8で混合し、Alフィルムの上に載せ、ローラーを用いて潰した(手作業での粉砕)。潰した混合物を、直径14mmの円形状に打ち抜き、真空中で130℃、12時間乾燥させ、正極とした。Li金属シートを直径16mmの円形状に打ち抜いたものを負極に用い、有機炭酸塩溶剤にLiPFを1mol・dm−3溶かしたリチウム電池用電解液を電解質とした。露点を−60℃以下に制御したアルゴンガス雰囲気でCR2032型の二次電池を作製した(図7参照)。作製したコイン型二次電池は、正極ケース1、負極ケース2、ガスケット3、正極板4、負極板5、及びセパレータ6を備える。作製したコイン型二次電池、電池特性を評価した結果を図8に示す。図8において、縦軸は電圧(V)であり、横軸は容量(mAh/g)である。
図8に示されているように、50時間率の測定でも、初期充放電容量は100mAh/g以下であり、目標とする特性を得ることはできなかった。
上記の実施例6又は7で得られたLiCuVOとABとを、ボールミルを用いて、約1時間30分間混合し、結着材のPTFEを添加し、実施例8と同様に、コインセルを作製した。LiCuVOと、ABと、PTFEとの重量比は、62:30:8である。作製したコインセルの電池特性を評価した結果を図9に示す。縦軸は電圧(V)であり、横軸は容量(mAh/g)である。
図9に示されているように、50時間率で257mAh/gという優れた初期容量を実現することができ、銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の正極材料としての有用性が示された。
実施例8及び9の比較から、ポリアニオン系材料である銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物(LiCuVO)は、電気伝導性に乏しいため、結晶粒径の微細化と導電材との適切な混合が、電極特性の発現に重要であることが明らかになった。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。
1 正極ケース
2 負極ケース
3 ガスケット
4 正極板
5 負極板
6 セパレータ

Claims (11)

  1. 一般式Li2−xCuVO(0≦x<1又は1<x<2)で表される銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物。
  2. ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をバナジウム原子に置換えて得られる四面体であるVO四面体と、
    ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をリチウム原子で置換えて得られる四面体であるLiO四面体と、
    ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子を銅原子で置換えて得られる四面体であるCuO四面体とを含み、
    前記VO四面体、前記LiO四面体、及び前記CuO四面体は、頂点に位置する酸素原子を共有する、請求項1に記載の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物。
  3. 一般式LiCuVOで表され、
    ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をバナジウム原子に置換えて得られる四面体であるVO四面体と、
    ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子をリチウム原子で置換えて得られる四面体であるLiO四面体と、
    ウルツ鉱型構造のZnSにおいて、硫黄原子を酸素原子に置換え、亜鉛原子を銅原子で置換えて得られる四面体であるCuO四面体とを含み、
    前記VO四面体、前記LiO四面体、及び前記CuO四面体は、頂点に位置する酸素原子を共有する、銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法であって、
    Li、Cu及びVOのモル比が、2−x:1:1(0≦x<2)となるように、Li源物質、Cu源物質、及びVO源物質を混合して混合物を生成する第1ステップと、
    前記混合物が溶解しない所定温度まで前記混合物を加熱することにより、前記混合物に化学反応を起こさせる第2ステップと、
    前記第2ステップに続き、前記混合物を低温液化ガスにより冷却する第3ステップを含む、銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法。
  5. 前記第2ステップは、大気よりも還元性の雰囲気で行なわれる、請求項4に記載の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法。
  6. 前記第2ステップは、窒素若しくはアルゴンの気流中、又は、還元剤が配置された大気中で行なわれる、請求項4に記載の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法。
  7. 前記所定温度は、510℃以上800℃以下の温度である、請求項4から6の何れか1項に記載の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法。
  8. 前記Li源物質は、LiOであり、
    前記Cu源物質は、CuOであり、且つ、
    前記VO源物質は、VOである、請求項4から7の何れか1項に記載の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法。
  9. 前記Li源物質は、LiCOであり、
    前記Cu源物質は、CuOであり、且つ、
    前記VO源物質は、Vである、請求項4から7の何れか1項に記載の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物の製造方法。
  10. 請求項1から3の何れかに記載の銅含有複合ポリアニオン系複合酸化物を正極活物質として含む、二次電池。
  11. リチウム又はナトリウムを負極活物質として含む、請求項10に記載の二次電池。
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