JP2016158593A - 表面処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外周面が略球面のワークについて、その略全表面において未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができる、表面処理装置を提供する。【解決手段】外周面が略球面とされたワークWをワーク回転軸R周りに回転させるワークホルダ3と、ワーク回転軸Rに指向し、ワーク回転軸Rに所定仰角をもって交差する線分上に配置される中心軸6と、一端が中心軸6に直交して配置される支持軸S上に支持され、かつ中心軸6を軸として回転する支持アーム9と、支持アーム9の他端に固定して連結され、支持軸Sと平行に配置され、支持アーム9を介して中心軸6を軸として回転することによりワークWの外周面に沿って移動する長尺のピーラ刃12とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、外周面が略球面のワークに対する表面処理に好適な表面処理装置に関する。
従来より、外周面が略球面とされたワークの表面を処理する装置として、例えば柿やりんご、オレンジ、蕪菁などの果菜の表皮の皮剥きを行う装置が用いられている。特許文献1には、柿の実を保持する保持部に設けた回転軸をモータで回転駆動させるとともに、柿の表皮部分に表皮剥き刃を前記回転軸方向に移動させながらあてがって皮を剥くように構成された装置が開示されている。
また、近年は家庭などにおいても簡単に果菜の表皮の皮剥きを行うことができるような小型で運搬・保管が容易でありかつ調整やメンテナンスが簡単な卓上型の表面処理装置が用いられている。
ここで、前述のような表面処理装置は、果菜の全周において表皮の剥き残しがないように未処理部分を残すことなく表面処理を行うことが求められている。特に、干し柿の場合には、乾燥によって果実の全周面から均等に水分を抜けさせるために、例えば、柑橘類の果実から搾汁する作業の前に行なう皮剥きよりも確実に、果実の全周において表皮の剥き残しが無いように皮剥きを行う必要がある。
また、特に果菜の皮剥き装置は、皮剥き対象の果菜の種々の大きさや形状に対応できることが要求される。例えば、柿は外周面が略球面である点において共通しているものの、ふっくらとして丸みがある形をした柿(富有柿)、全体的に細長く筆先のような形の柿(筆柿)、縦長で先が細くなっている釣り鐘のような形の柿(蜂屋柿)、四角張った扁平の形状の柿(平核無柿)などがあるように、産地などによって軸方向の高さ(大きさ)や形状が異なる。また、同じ種類の柿であっても、形状にそれぞれ個体差がある。そして、皮剥き装置としては、種々の大きさや形状に対応可能であることが求められている。
さらに、外周面が略球面のワークの表面処理として、前述の果菜の皮剥きだけでなく、ワークに対して研磨や塗装などの表面処理を行う場合であっても、略全表面に未処理部分を残すことなく処理を行うことが求められる。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、外周面が略球面のワークについてその略全表面に未処理部分を残すことがなく表面処理を行うことができる表面処理装置を提供することを目的とするものである。
前述した課題を解決するため、本発明に係る表面処理装置は、外周面が略球面とされたワークをワーク回転軸周りに回転させるワークホルダと、前記ワーク回転軸に指向し、前記ワーク回転軸に所定仰角をもって交差する線分上に配置される中心軸と、一端が前記中心軸および前記ワーク回転軸に直交して配置される支持軸上に支持され、かつ前記中心軸を軸として回転する支持アームと、前記支持アームの他端に固定して連結され、前記支持軸と平行に配置され、前記支持アームを介して前記中心軸を軸として回転することによりワークの外周面に沿って移動する処理部材とを有していることを特徴とする。
本発明に記載の表面処理装置によれば、中心軸をワーク回転軸に直交する面から所定の仰角をもって交差する線分上に配置して処理部材を用いて表面処理を行うことにより、処理部材を、ワークの外周面におけるワークホルダに保持されている部分の近傍からワークの頂点まで到達させることができる。これにより、本発明によれば外周面が略球面のワークについて、その略全周面において未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができる。
ここで、本発明に係る表面処理装置の対象となるワークは、外周面が略球面の柿やりんご、オレンジ、蕪菁等の果菜の他、木材、樹脂材、金属材からなる成型品など、外周面が略球面の種々のワークを対象とすることができる。また、本発明に係る表面処理装置は、皮剥き等の切削処理の他、刷毛やスプレー等を用いた塗装処理、さらには研磨処理など種々の表面処理に用いることができる。
また、本発明に係る表面処理装置において、前記支持アームを、前記支持軸に揺動自在に連結されており、前記処理部材に対して、表面処理中にワークの径方向の反対側に向かう押圧力を付勢するものであってもよい。このような構成を採用することにより、本発明に係る表面処理装置によれば、皮剥きなどの切削処理や刷毛による塗装、さらには研磨などの処理部材をワークの外表面に当接させることが必要な表面処理を行う場合に、処理部材をワークの外周面に確実に当接させながら中心軸を軸とした回転により移動させることができるので、様々な形状のワークに対して未処理部分を残すことなく均一な表面処理を行うことができる。ここで、処理部材に対する押圧力の付勢手段としては、ばね等の付勢部材を用いて処理部材に押圧力を付勢したり、さらには例えば回転シリンダを用いて支持軸を軸とした支持アームの揺動を制御する等、電気的さらには機械的に支持アームの揺動を制御することにより、支持アームを介して処理部材に対して押圧力を付勢するなど、種々の手段を用いることができる。また、例えばセンサ等を用いて処理部材とワークとの間の距離が一定となるように測定しながら処理部材に対して押圧力を付勢してもよい。これにより、処理部材がワークに当接する表面処理の場合には一定の押圧力によって、また処理部材がワークに当接しない表面処理の場合には一定の間隙寸法をもって処理部材をワークの外周面に沿って移動させることができ、より均一な表面処理を行うことができる。
また、本発明に係る表面処理装置において、前記中心軸の前記ワーク回転軸に対する仰角を、点Aをワークに対する前記処理部材の処理開始点、点Bを前記ワーク回転軸の線分上におけるワークの頂点との交点、点Cを前記中心軸の軸線分上と前記支持軸との交点、点Dを点Aと点Bとの中間点とするとき、前記ワーク回転軸に直交する面に対する点Cと点Dとを結ぶ線によって構成される角度に設定するとよい。このように前記中心軸の仰角を設定することにより、本発明に係る表面処理装置は、ワークの軸方向の高さ(大きさ)に対応した仰角を設定することができ、ワークに対して未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができる。さらに、本発明の発明者の研究によれば、前記中心軸の仰角を20〜25度に設定することにより、ワークに対応して未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができることがわかっている。
さらにまた、前記中心軸の仰角を設定するにあたり、軸方向の高さが異なる複数種類のワークを表面処理の対象とする場合には、複数種類のワークのうち標準的な軸方向の高さが最小であるワークを基準として前記中心軸の仰角を設定するとよい。このように前記中心軸の仰角を設定することにより、複数種類のワークの大きさに対応した仰角を設定することができるので、表面処理装置は、種々の軸方向の高さ寸法のワークに対して未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができる。
本発明によれば、外周面が略球面のワークについて、その略全表面において未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができ、また軸方向の高さが異なる種々の大きさのワークの表面処理に対応することができる。
以下、本発明に係る外周面が略球面のワークの表面処理装置の一実施形態として、柿等の略球形状の果菜の略全周面の皮剥き処理を行う場合について、図1乃至図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る表面処理装置の基本構成を示す概略図であり、図2は、図1の基本構成を有する表面処理装置の内部構造を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る表面処理装置1は、外周面が略球面とされた柿等のワークWをワーク回転軸R周りに回転させるワークホルダ3を有しており、ワークホルダ3は、図示しないワーク回転モータの駆動によってワーク回転軸Rを中心として回転するようになっている。ワークホルダ3には、複数のワークピン5が突設されており、ワークホルダ3は、ワークピン5によってワークWを軸支することにより、ワークWを回転自在に保持するようになっている。また、本実施形態において各ワークピン5は、ワーク回転軸Rを中心として周方向に等間隔をもって配置されており、これらの複数のワークピン5によってワークWを軸支することにより、ワークホルダ3におけるワークWの位置を確実に固定しながらワークWを回転させることができるようになっている。なお、ワークホルダ3においてワークWを軸支する手段は、本実施形態のワークピン5に限定されるものではなく、例えばワークWを吸着することにより軸支する等、ワークWを回転可能に軸支することができる種々の支持手段を用いることができる。
図3から図5は、図2の表面処理装置の内部構成がケース13に収納されている状態を示す断面側面図である。図1および図3から図5に示すように、本実施形態に係る表面装置は、ワーク回転軸Rに指向し、ワーク回転軸Rに所定仰角aをもって交差する線分上に配置される中心軸6を有している。この中心軸6は、パイプ状に形成されており、中心軸回転モータ7の駆動によって軸周りに回転するようになっている。
中心軸6におけるワークホルダ3側の先端部分には、フランジ状の取付板8が一体に固定されている。取付板8には、中心軸6を挟むようにして一対のヒンジ10が突設されており、それらの先端に設けられた軸10aを通る支持軸Sを介して一対の支持アーム9がヒンジ10を介して揺動自在に取り付けられている。換言すれば、両支持アーム9は、それらの各一端が中心軸6に直交して配置される支持軸S上に回動自在に支持されるように取り付けられており、さらに中心軸6を軸として一体に回転するようになっている。支持軸Sは、中心軸6およびワーク回転軸Rに直交して配置されている。
両支持アーム9の他端には、直線状の長尺の処理部材としてのピーラ刃12が一体に連結されており、ピーラ刃12は、支持軸Sと平行となるとともに、処理面である刃部12aがワークWに対向するように配置されている。そして、ピーラ刃12は、支持アーム9を介して中心軸6を軸として回転することにより、常にワークWに対して刃部12aを向けながら、ワークWの外周面に沿って移動するようになっている。ここで、このピーラ刃12については、ワークWの大きさ(外周面の曲率)に応じて、動作時に両支持アーム9の先端がワークに当たってしまうことによりワークWを傷つけてしまったり、あるいはピーラ刃12がワークWから浮いて(離間して)しまうことにより剥き残しが発生してしまうことがないように、その形状や長さを適宜決定すればよい。本実施形態のように既存の直線状の長尺のピーラ刃12を用いて柿やリンゴ等の拳大程度の大きさのワークWの表面処理を行うにあたっては、ピーラ刃12の長さ寸法は、60〜80mm程度とすることが好ましい。
支持アーム9は、ピーラ刃12をワークWの外周面に対向させながら支持アーム9自体はワークWと衝突しない腕状に形成されており、また、支持軸Sからピーラ刃12までの最短直線長さL1が、支持軸Sからワーク回転軸Rの線分上におけるワークWの頂点との交点までの最短直線長さL2と同一となる位置においてピーラ刃12を保持している。
なお、本実施形態においては、一対の支持アーム9によってピーラ刃12を保持しているが、本発明に係る表面処理装置1はこの構成に限定されるものではなく、例えば1つの支持アーム9によってピーラ刃12の中央部分を保持するものであってもよい。
パイプ状の中心軸6の内部には、切換用軸15が中心軸6と同軸上に配置されており、切換用軸15は、切換用軸駆動モータ16の駆動により軸周りに回転するようになっている。図2に示すように、切換用軸15の先端部にはフランジ17が取り付けられており、フランジ17における切換用軸15の軸心と離間する位置には、付勢部材としてのコイルばね18の一端が連結され、このコイルばね18の他端は、ピーラ刃12と平行に配置されており一端部が一方の支持アーム9に連結されるとともに他端部が他方の支持アーム9に連結されたリブ19の中央部に連結されている。
フランジ17は、切り換え用軸15と一緒に回動してコイルばね18のピーラ刃12に対する付勢力のオン・オフを切り換える。具体的には、ヒンジ10の軸10aとリブ19とを結ぶ思案線Xに対して、コイルばね18が思案線XよりワークW側(オン)または非ワークW側(オフ)に位置することによって切り換える。さらに説明すると、ピーラ刃12は、図3に示す表面処理装置1の駆動前に位置する基準位置において、コイルばね18が非ワークW側に位置するので、コイルばね18によってリブ19および支持アーム9を介してワークWから離間する方向(図3に示す矢印F)への押圧力が付勢されるようになっている。このときのコイルばね18の状態を基準状態とする。また、ピーラ刃12は、図4に示す表面処理装置1における表面処理の開始位置において、切換用軸15のみが切換用軸駆動モータ16の駆動によって所定の第1角度をもって一方向に回転してコイルばね18の一端部が引っ張られることにより、コイルばね18が思案線XよりワークW側に越えると、この思案線Xを越えたコイルばね18によってワークWの径方向の反対側に向かう方向(図4に示す矢印G)への押圧力が付勢されるようになっている。このときのコイルばね18の状態を処理状態とする。続いて、表面処理装置1における表面処理中において、中心軸6が中心軸回転モータ7の駆動によって所定の第2角度をもって一方向に回転するとともに、切換用軸駆動モータ16を中心軸回転モータ7に電気的に同期させて、切換用軸15が中心軸6と同一の所定の第2角度をもって一方向に回転する。これにより、ピーラ刃12は、処理状態を維持しながら中心軸6を軸として回転するコイルばね18によってワークWの径方向の反対側に向かう方向への押圧力が付勢されたまま、図5に示す表面処理装置1の表面処理の終了位置まで中心軸6を軸としてワークWの外周面に当接しながら回転するようになっている。さらに、表面処理装置1の表面処理の終了後において、切換用軸15のみが切換用軸駆動モータ16の駆動によって思案線Xを再度非ワークW側に越えるように前記第1の角度をもって他方向に回転してコイルばね18を基準状態に切り換えることにより、ピーラ刃12は、このコイルばね18によってワークWから離間する方向(図5に示す矢印F)への押圧力が付勢され離間位置に位置するようになっている。この状態で、中心軸6および切換用軸15を前記第2の角度をもって他方向に回転することにより、ピーラ刃12は、ワークWの外周面から離間した状態を維持したまま、基準位置に戻るようになっている。
図6は、ワークWの表面処理に最適なワーク回転軸Rに対する中心軸6の仰角aを決定することを説明するための概念説明図である。ここで、表面処理の対象となるワークWが果菜のように1種類であっても個々の大きさが少し異なる場合には、標準的な軸方向の高さのワークWを基準として決定するとよい。また、平核無柿と蜂屋柿のような軸方向の高さが異なる複数種類のワークWを対象とする場合には、複数種類のワークWのうち標準的な軸方向の高さが最小であるワークWを基準として決定する。また、前記複数種類のワークWを対象とする場合であって、各種類のワークWの個々の形状が少し異なる場合には、基準のワークWのうち標準的な軸方向の高さのワークWを基準として決定するとよい。図6においては、平核無柿を実線で、蜂屋柿を2点鎖線で示しており、ここでは、平核無柿を前記基準のワークWとして説明する。
図6に示すように、点AはワークWに対するピーラ刃12の処理開始点、点Bはワーク回転軸Rの線分上におけるワークWの頂点との交点であり、点Cは、中心軸6の仮想軸線分上と支持軸Sとの交点すなわち支持アーム9における中心軸6を軸とする回転の中心点(ヒンジ10の軸10a)であり、点Dは、点Aと点Bとの中間点である。そして、中心軸6は、ワーク回転軸Rに直交する面に対する点Cと点Dとを結ぶ線によって構成される角度に設定されるとよい。
前述のように、ワークWの表面処理に最適なワーク回転軸Rに対する中心軸6の仰角aの設定は、点Bを決定するためのワークWの高さ寸法の他、ワークホルダ3における回転軸Rの径方向の直径寸法に影響を受ける。すなわち、もしワークホルダ3における前記直径が小さい場合には、ワークWに対するピーラ刃12の処理開始点である点Aが回転軸Rに近づけることができるので、この結果、前記条件によれば、ワークWの高さ寸法が同一であっても、仰角aは小さく設定されることとなる。一方、ワークホルダ3における前記直径が大きい場合には、仰角aは大きく設定されることとなる。
また、中心軸6のワーク回転軸Rに対する仰角aを、ワーク回転軸Rに直交する面に対する点Cと点Dとを結ぶ線によって構成される角度よりも小さい角度とした場合には、点BにおけるワークWに対するピーラ刃12の押圧力が弱く、一方開始点A側における押圧力が強くなってしまい、押圧力が弱い点Bすなわち表面処理の終了点側において皮剥きが不良となる等の表面処理の弊害が出やすくなってしまう。特に、剥き残り(表面処理不良)の現象は、表面処理の終了点となる頂点部分で生じることが多いことがわかっており、ワークWに対するピーラ刃12の押圧力は、表面処理中において全体的に均一か、若しくは表面処理の終了点側が強くなるような設定にすることが望ましい。このことを考慮すると、中心軸6の仰角aは、少なくともワーク回転軸Rに直交する面に対する点Cと点Dとを結ぶ線によって構成される角度を含むそれよりも大きい角度となるように設定されることが好ましい。また、本発明の発明者の研究の結果によれば、中心軸6は、ワーク回転軸Rに直交する面に対して20〜25度に設定されることが好ましいことが分かっている。
次に、本実施形態の表面処理装置1を用いた表面処理(本実施形態においては皮剥き処理)およびその作用について説明する。
表面処理装置1の駆動前において、ピーラ刃12は図3に示す表面処理装置1の駆動前に位置する基準位置に配置されている。この状態で、まず、使用者によって柿などのワークWがワークホルダ3のワークピン5に突き刺されることにより、ワークWがワークホルダ3によって保持される。このとき、ワークWの重心がワーク回転軸Rに重なるように、ワークWをワークホルダ3に保持させることが好ましい。
続いて、切換用軸駆動モータ16の駆動によって切換用軸15のみを一方向へ前記第1の角度をもって回転させてコイルばね18の一端部を引っ張ることにより、ピーラ刃12に対して図3における矢印Fの方向への押圧力を付勢する基準状態であるコイルばね18を、思案線XをワークW側に越えてピーラ刃12に対して図4における矢印Gの方向への押圧力を付勢する処理状態とする。このように、コイルばね18を確実に思案線XをワークW側に越える状態とするという観点から、前記第1の角度は180度とすることが好適である。これにより、ピーラ刃12を、表面処理を開始する開始位置に移動させて、ワークWの底面側の外周面におけるワークホルダ3によって保持されている部分の近傍であってピーラ刃12がワークホルダ3との衝突を回避することができる部分に当接させる(図4参照)。
次に、中心軸回転モータ7および切換用軸駆動モータ16を電気的に同期させて駆動させることにより、中心軸6および切換用軸15を一方向へ前記第2の角度をもって回転させることにより、コイルばね18の処理状態を維持しながらピーラ刃12をワークWの外周面に沿ってワークWの頂点または頂点近傍の表面処理の終了位置まで移動させる(図5参照)。このように、ピーラ刃12をワークWの底面側から頂面側に移動させるという観点から、前記第2の角度は180度とすることが好適である。このとき、ピーラ刃12は、支持アーム9に固定して保持されているので、支持アーム9を介して中心軸6を軸として回転することにより、常にワークWに対して刃部12aを向けながら、ワークWの外周面に沿って移動する。また、ピーラ刃12の中央部分は、コイルばね18によってワークWの径方向の反対側に向かう方向への押圧力が付勢された状態のまま、ワークWの外周面に沿って点Aから点Bまたは点Eに移動することとなる。
図6における点Aから点Bを介して点Eに至る実線は、ピーラ刃12の長手方向における中央の軌道を示している。本実施形態においては、ピーラ刃12は、表面処理中はワークWの径方向の反対側に向かう押圧力が付勢されているので、個々のワークWの形状に合わせた曲線状の軌道となる。このように、ピーラ刃12の回転の中心となる中心軸6がワーク回転軸Rに対して所定の仰角aをもって交差する線分上に配置されているので、ピーラ刃12の長手方向における中央の軌道をワークWの外周面におけるワークホルダ3に保持されている部分の近傍(点A)からワークWの頂点(点B)または頂点近傍(点E)まで到達させることができる。なお、例えば、ワークWの形状が一定の場合であって表面処理がスプレーを用いた散布による塗装のようなワークWの外周面にピーラ刃12が当接する必要がない場合には、ピーラ刃12に対して前記押圧力が付勢されていなくてもよい。このようなピーラ刃12に対して前記押圧力が付勢されていない場合には、ピーラ刃12の長手方向における中央の軌道は、点Aから点Bへの直線状(点線で示す線)となる。
ここで、表面処理の対象となるワークWが、中心軸6の配置角度を求める際の基準であり、表面処理の終了点となる点Bがワーク回転軸Rの線分上におけるワークWの頂面との交点すなわち頂点に到達するようなワークWである場合(図6に示す平核無柿)、ピーラ刃12をワークWの頂点まで到達させることができるので、ワークWについてその略全表面に未処理部分を残すことなく、表面処理を行うことができる。
また、表面処理の対象となるワークWが、中心軸6の配置角度を求める際の基準となるワークWよりも軸方向の高さが高く、表面処理の終了点となる点EがワークWの頂点の近傍となるようなワークWである場合(図6に示す蜂屋柿)、中心軸6がワーク回転軸Rに対して所定の仰角aをもって交差する線分上に配置されていることにより、ピーラ刃12の中央が点Eに到達する直前に長尺のピーラ刃12における回転進行方向の前端部分が蜂屋柿の頂点に届くこととなる。このため、ピーラ刃12の長さ方向における中央部の軌道は蜂屋柿の頂点から外れているものの、ピーラ刃12の前端部分をワークWの頂点に到達させることができるので、ワークWについてその略全表面に未処理部分を残すことなく、表面処理を行うことができる。
続いて、ワークWに対する表面処理が終了した後、切換用軸駆動モータ16の駆動によって切換用軸15のみを一方向と逆の他方向に第1の角度をもって回転させてコイルばね18の一端部を引っ張ることにより、処理状態のコイルばね18を、再度思案線Xを非ワークW側に越えて基準状態とする。これにより、ピーラ刃12をワークWの外周面から離間する離間位置に移動させる。
さらに、中心軸回転モータ7および切換用軸駆動モータ16を電気的に同期させて駆動させることにより、中心軸6および切換用軸15を前記他方向へ前記第2の角度をもって回転させることにより、コイルばね18の基準状態を維持しながらピーラ刃12を基準位置に移動させる。
前述のように、本実施形態にによれば、中心軸6をワーク回転軸Rに直交する面から所定の仰角aをもって交差する線分上に配置しかつ長尺のピーラ刃12を用いて表面処理を行うことにより、ピーラ刃12の長手方向における中央の軌道をワークWの外周面におけるワークホルダ3に保持されている部分の近傍からワークWの頂点または頂点近傍まで到達させることができ、これにより、ピーラ刃12の中央部分または前端部分をワークWの頂点に到達させることができる。
したがって、本実施形態に係る表面処理装置1は、外周面が略球面のワークWに対して、略全表面において未処理部分を残すことのない表面処理を実現させることができるとともに、軸方向の高さが異なるワークWに対応して未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができる。
また、中心軸6のワーク回転軸Rに対する仰角aを、ワーク回転軸Rに直交する面に対する点Cと点Dとを結ぶ線によって構成される角度、または20〜25度に設定することにより、ワークWの大きさに対応した仰角aを設定することができるので、表面処理装置1は、ワークWに対してより確実に未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができる。
さらに、前述の平核無柿や蜂屋柿のように軸方向の高さが異なる複数種類のワークWを表面処理の対象とする場合に、複数種類のワークWのうち標準的な軸方向の高さが最小であるワークWを基準として中心軸6の仰角aを設定することにより、複数種類のワークWの大きさに対応した仰角aを設定することができるので、表面処理装置1は、種々の大きさのワークWに対してより確実に未処理部分を残すことなく表面処理を行うことができる。
このように、各ワークWの表面処理に好適な中心軸6のワーク回転軸Rに対する仰角aを実現するために、例えば、本実施形態に係る表面処理装置1において、中心軸6を、ワーク回転軸Rに対する仰角aや高さ方向、さらにはワークホルダ3に対する遠近方向の位置を調整可能に支持するようにしてもよい。
さらにまた、支持アーム9を支持軸Sに対して揺動自在に連結し、ピーラ刃12に対して表面処理中にワークWの径方向の反対側に向かう押圧力を付勢することにより、ピーラ刃12をワークWの外周面に当接させながら、中心軸6を軸とした回転により移動させることができるので、表面処理装置1は、様々な形状のワークWに対して確実に未処理部分を残すことなく均一な表面処理を行うことができる。特に、表面処理として、皮剥きなどの切削処理や刷毛による塗装、さらには研磨などの処理部材をワークWの外表面に確実に当接させることが必要な表面処理を行う場合には、表面処理装置1は、このような構成を採用することにより、種々の形状のワークWに対して未処理部分を残すことなく均一な表面処理を行うことができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
例えば、本発明に係る表面処理装置1において行う表面処理は、本実施形態の皮剥き処理に限定されるものではなく、例えば、皮剥き処理を含む表皮の切削処理の他、さらにワークWの外周面に対する塗装処理、研磨処理など種々の表面処理に用いることができる。表面処理として塗装処理を行う場合、処理部材として塗布口が長尺のスプレーや長尺の刷毛を用いて、また研磨処理を行う場合、処理部材として長尺の研磨部材を用いて表面処理を行うことができる。本発明に係る表面処理装置1は、このように処理部材としてスプレーを用いて表面処理としての塗装処理を行う場合のように、処理部材が直接ワークWに当接しない表面処理を行うこともできる。また、本発明に係る表面処理装置1において、特に処理部材が直接ワークWに当接しない表面処理を行う場合や、表面処理の対象となるワークWの大きさおよび形状が一定の場合には、表面処理中に処理部材に対してワークWの径方向の反対側に向かう押圧力を付勢しなくてもよい。
1 表面処理装置
3 ワークホルダ
5 ワークピン
6 中心軸
7 中心軸回転モータ
8 取付板
9 支持アーム
10 ヒンジ
10a 軸
12 ピーラ刃(処理部材)
12a 刃部
13 ケース
15 切換用軸
16 切換用軸駆動モータ
17 フランジ
18 コイルばね
19 リブ
W ワーク
R ワーク回転軸
S 支持軸
3 ワークホルダ
5 ワークピン
6 中心軸
7 中心軸回転モータ
8 取付板
9 支持アーム
10 ヒンジ
10a 軸
12 ピーラ刃(処理部材)
12a 刃部
13 ケース
15 切換用軸
16 切換用軸駆動モータ
17 フランジ
18 コイルばね
19 リブ
W ワーク
R ワーク回転軸
S 支持軸
Claims (5)
- 外周面が略球面とされたワークをワーク回転軸周りに回転させるワークホルダと、
前記ワーク回転軸に指向し、前記ワーク回転軸に所定仰角をもって交差する線分上に配置される中心軸と、
一端が前記中心軸および前記ワーク回転軸に直交して配置される支持軸上に支持され、かつ前記中心軸を軸として回転する支持アームと、
前記支持アームの他端に固定して連結され、前記支持軸と平行に配置され、前記支持アームを介して前記中心軸を軸として回転することによりワークの外周面に沿って移動する処理部材とを有していることを特徴とする表面処理装置。 - 前記支持アームが、前記支持軸に揺動自在に連結されており、前記処理部材に対して、表面処理中にワークの径方向の反対側に向かう押圧力が付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
- 前記中心軸の前記ワーク回転軸に対する仰角が、点Aをワークに対する前記処理部材の処理開始点、点Bを前記ワーク回転軸の線分上におけるワークの頂点との交点、点Cを前記中心軸の軸線分上と前記支持軸との交点、点Dを点Aと点Bとの中間点とするとき、前記ワーク回転軸に直交する面に対する点Cと点Dとを結ぶ線によって構成される角度に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面処理装置。
- 軸方向の高さが異なる複数種類のワークを表面処理の対象とする場合、複数種類のワークのうち標準的な軸方向の高さが最小であるワークを基準として前記中心軸の仰角が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の表面処理装置。
- 前記中心軸の仰角が、20〜25度に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面処理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015042095A JP2016158593A (ja) | 2015-03-04 | 2015-03-04 | 表面処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2015042095A JP2016158593A (ja) | 2015-03-04 | 2015-03-04 | 表面処理装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016158593A true JP2016158593A (ja) | 2016-09-05 |
Family
ID=56843424
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015042095A Pending JP2016158593A (ja) | 2015-03-04 | 2015-03-04 | 表面処理装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2016158593A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020018254A (ja) * | 2018-08-02 | 2020-02-06 | 国立大学法人北見工業大学 | 果実野菜皮むき装置及び果実野菜皮むき方法 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60259215A (ja) * | 1984-06-06 | 1985-12-21 | 山岸 正春 | 皮むき器 |
| JP2009291117A (ja) * | 2008-06-04 | 2009-12-17 | Mitsuwa:Kk | 果実皮剥き機 |
| JP2012178988A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Mitsuwa:Kk | 果実の表皮除去装置 |
-
2015
- 2015-03-04 JP JP2015042095A patent/JP2016158593A/ja active Pending
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| JP2012178988A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Mitsuwa:Kk | 果実の表皮除去装置 |
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| JP2020018254A (ja) * | 2018-08-02 | 2020-02-06 | 国立大学法人北見工業大学 | 果実野菜皮むき装置及び果実野菜皮むき方法 |
| JP7174948B2 (ja) | 2018-08-02 | 2022-11-18 | 国立大学法人北海道国立大学機構 | 果実野菜皮むき装置及び果実野菜皮むき方法 |
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