JP2016169343A - 無機粒子含有組成物、塗膜、塗膜付きプラスチック基材、表示装置 - Google Patents

無機粒子含有組成物、塗膜、塗膜付きプラスチック基材、表示装置 Download PDF

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哲朗 板垣
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有紀 釘本
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Abstract

【課題】無機粒子の凝集が少なく、無機粒子が均一に分散した(均質な)無機粒子含有組成物、塗膜、塗膜付きプラスチック基材、表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の無機粒子含有組成物は、屈折率が1.9以上の無機粒子と、溶媒と、成膜成分と、を含む無機粒子含有組成物であって、無機粒子の平均一次粒子径が3nm以上かつ40nm以下であり、無機粒子の成膜成分に対する相溶性は、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高いことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機粒子含有組成物、塗膜、塗膜付きプラスチック基材、表示装置に関する。
従来、基材上に無機粒子含有組成物を被覆することにより、多様な製品が製造されている。無機粒子含有組成物は、無機粒子と、溶媒(例えば、水、有機溶媒)と、成膜成分(例えば、モノマー、オリゴマー、ポリマー等)と、を含む。いくつかの用途において、被覆時または被覆後の乾燥工程において、溶媒の一部を蒸発させ、基材の表面上に、無機粒子が分散した成膜成分が機能性フィルムを形成することを可能にする。加えて、または別の方法として、成膜成分を、例えば、熱または光等により、硬化および架橋の少なくともいずれか一方をすることにより固化させて、固体媒体(塗膜)とすることで、機能性フィルムを形成することが可能である。
例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等の表示装置で用いられるプラスチック基材の機能性フィルムには、透明性、屈折率、機械的特性等が求められる。そこで、プラスチック基材に、屈折率が高いジルコニア等の無機酸化物粒子と、溶媒と、樹脂(成膜成分)と、を混合した組成物を塗布して、機能性フィルムを設けること等が行われている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、アンチモンドープ酸化錫(ATO)または錫ドープ酸化インジウム(ITO)の粒子は、可視光透過率や熱線遮蔽性に優れた、熱線遮蔽コーティング液および熱線遮蔽フィルムを得るために用いられる(例えば、特許文献2参照)。
例えば、金属酸化物粒子の中でも、酸化亜鉛粒子は、透明性の高いガスバリア積層体を得るために用いられる(例えば、特許文献3参照)。
上記のような機能性フィルムは、平坦であることが好ましく、例えば、溶媒および成膜成分の蒸気圧と相溶性を制御することにより、均一な機能性フィルムを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特許第5515828号公報 特開平8−281860号公報 特開2006−264271号公報 特許第4805840号公報
しかしながら、特許文献4では、塗膜化工程における無機粒子の凝集を必ずしも充分に抑制することができなかった。
特に屈折率が1.9以上の無機粒子を用いた機能性フィルムにおいて、無機粒子が凝集すると、機能性フィルムの屈折率が一様ではなくなり、透明性が低下するばかりでなく、干渉ムラが発生する等、光学特性が悪化する問題や、耐擦傷性が悪化する問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、無機粒子の凝集が少なく、無機粒子が均一に分散した無機粒子含有組成物、塗膜、塗膜付きプラスチック基材、表示装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高い無機粒子含有組成物を用いることにより、無機粒子の凝集が少なく、均質性の高い機能性フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の無機粒子含有組成物は、屈折率が1.9以上の無機粒子と、溶媒と、成膜成分と、を含む無機粒子含有組成物であって、前記無機粒子の平均一次粒子径が3nm以上かつ40nm以下であり、前記無機粒子の前記成膜成分に対する相溶性は、前記無機粒子の前記溶媒に対する相溶性よりも高いことを特徴とする。
本発明の塗膜は、本発明の無機粒子含有組成物を塗布してなることを特徴とする。
本発明の塗膜付プラスチック基材は、本発明の塗膜を有することを特徴とする。
本発明の表示装置は、本発明の塗膜および本発明の塗膜付きプラスチック基材の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする。
本発明の無機粒子含有組成物によれば、無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高いため、無機粒子の凝集が少なく、均質性の高い塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜によれば、本発明の無機粒子含有組成物を塗布してなるため、均質性の高い塗膜が得られる。
本発明の塗膜付プラスチック基材によれば、本発明の塗膜を有するため、均質性の高い塗膜付きフィルムが得られる。
本発明の表示装置によれば、本発明の塗膜および本発明の塗膜付きプラスチック基材の少なくともいずれか一方を有するため、視認性に優れるとともに、表面の傷つきを防止することができる。
実施例および比較例において、無機粒子含有組成物における成膜成分の含有量とヘーズ値の関係を示すグラフである。 実施例および比較例において、波長500nm〜750nmにおける塗膜の反射スペクトルを示す図である。
本発明の無機粒子含有組成物、塗膜、塗膜付きプラスチック基材、表示装置を実施するための好ましい形態について説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「無機粒子含有組成物」
本実施形態の無機粒子含有組成物は、屈折率が1.9以上の無機粒子と、溶媒と、成膜成分と、を含む無機粒子含有組成物であって、無機粒子の平均一次粒子径が3nm以上かつ40nm以下であり、無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高い組成物である。
「無機粒子の相溶性」
無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高い理由は、次の通りである。
無機粒子含有組成物の塗膜化工程においては脱溶媒化が進行するため、無機粒子含有組成物中において、連続的に、溶媒よりも成膜成分の含有率が高くなる。そのため、無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高い場合、脱溶媒化の進行段階で無機粒子の凝集、偏析等が抑制され、均一な塗膜が得られる。さらに、無機粒子含有組成物中で無機粒子が弱凝集している場合には、上記脱溶媒化の過程において、相溶性が向上するため、解膠することも期待できる。
無機粒子含有組成物を光硬化または熱硬化する場合、一般的に、溶媒をほとんど含まない、または、溶媒を含まない状態まで脱溶媒化が進行した後、無機粒子含有組成物を硬化する。この場合、無機粒子の分散剤がアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基等の重合性不飽和基を有する官能基を含み、成膜成分も重合性不飽和基等を有する場合、無機粒子と成膜成分の間に結合ができるため、より凝集や偏析が抑制される。
無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高いため、塗膜化工程において、無機粒子の凝集、偏析が抑制され、塗膜中に無機粒子が隙間なく均一に充填されやすく、均質性の高い塗膜が得られる。無機粒子の大きさが均一な場合、塗膜中に無機粒子がより隙間なく均一に充填されやすくなるため、より均質性の高い塗膜が得られる。
均質性の高い塗膜は、塗膜面内全ての箇所での性能が均一となる。従って、例えば、膜面内における屈折率がほぼ均一になるため、塗膜の色ムラの発生が抑制され、表示装置に適用された場合、視認性を向上することができる。
また、均質性の高い塗膜は、塗膜表面の状態も一様であるため、耐擦傷性に優れ、表示装置に適用された場合に、表面の傷つきを防止することができる。
無機粒子の成膜成分に対する相溶性、および、無機粒子の溶媒に対する相溶性は、液ヘーズ値により評価する。ここで、「ヘーズ値」とは、全光線透過光に対する拡散透過光の割合(%)のことである。液ヘーズ値の測定では、例えば、金属酸化物粒子の含有率を10質量%とし、成膜成分と溶媒の構成比率の異なる2つ以上の無機粒子含有組成物を調製する。これらの無機粒子含有組成物について、光路長が2mmのキュベットを用いて、ヘーズメーター(商品名:HAZE METER TC−H3DP、東京電色社製)で液ヘーズ値を測定する。
成膜成分と溶媒の構成比率の異なる2種以上の無機粒子含有組成物について、液ヘーズ値を比較し、成膜成分の構成比率が高い方の液ヘーズ値が小である場合、当該成膜成分の無機粒子に対する相溶性が、当該溶媒の無機粒子に対する相溶性よりも高くなる。すなわち、無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高くなる。
成膜成分と溶媒の構成比率は、質量比で、0:100〜100:0の範囲内で任意の値でよい。なお、成膜成分の粘度が高い場合には、混合性の観点から、成膜成分の構成比率が低いことが好ましい。
「無機粒子」
無機粒子は、屈折率が1.9以上であれば、特に限定されないが、例えば、ジルコニウム、亜鉛、鉄、銅、チタン、スズ、セリウム、タンタル、ニオブ、タングステン、ユーロピウムおよびハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属酸化物粒子が好適に用いられる。
1種の金属元素からなる金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム(IV)(ZrO:屈折率2.05〜2.4)、酸化亜鉛(II)(ZnO:屈折率2.01〜2.1)、酸化鉄(III)(Fe:屈折率3.01)、酸化銅(I)(CuO:屈折率2.71)、酸化チタン(IV)(TiO:屈折率2.3〜2.7)、酸化錫(IV)(SnO:屈折率2.00)、酸化セリウム(IV)(CeO:屈折率2.1)、酸化タンタル(V)(Ta:屈折率2.2)、酸化ニオブ(V)(Nb:屈折率2.4)、酸化タングステン(VI)(WO:屈折率2.2)、酸化ユーロピウム(III)(Eu:屈折率1.98)、酸化ハフニウム(IV)(HfO:屈折率2.0)等が好適に用いられる。
2種の金属元素からなる金属酸化物粒子としては、例えば、チタン酸カリウム(KTi13:屈折率2.68)、チタン酸バリウム(BaTiO:屈折率2.3〜2.5)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO:屈折率2.37)、ニオブ酸カリウム(KNbO:屈折率2.17)、ニオブ酸リチウム(LiNbO:屈折率2.35)、タングステン酸カルシウム(CaWO:屈折率1.91)、アンチモン添加酸化スズ(ATO;Sb固溶SnO:屈折率1.95〜2.05)、インジウム添加酸化スズ(ITO;In固溶SnO:屈折率1.95〜2.05)等が好適に用いられる。
これらの金属酸化物粒子の中でも、原材料費や製造コストの点から、酸化ジルコニウム(IV)、酸化亜鉛(II)、酸化チタン(IV)、アンチモン添加酸化錫、インジウム添加酸化スズがより好適に用いられ、400nm付近の吸収・散乱により着色するおそれが少ないため、酸化ジルコニウム(IV)がさらに好適に用いられる。
無機粒子の平均一次粒子径は、3nm以上かつ40nm以下であり、8nm以上かつ35nm以下であることが好ましく、10nm以上かつ25nm以下であることがより好ましい。
無機粒子の平均一次粒子径を、上記の範囲に限定した理由は、無機粒子の平均一次粒子径が3nm未満では、無機粒子の結晶性が低く、目的とする屈折率が得られない場合や、無機粒子が凝集し易くなるため、透明性が高く、分散安定性に優れる無機粒子含有組成物が得られない場合があるからである。一方、無機粒子の平均一次粒子径が40nmを超えると、無機粒子含有組成物中における無機粒子の分散粒径が大きくなり、透明性の高い無機粒子含有組成物が得られない場合があるからである。
本実施形態において、「平均一次粒子径」とは、個々の粒子そのものの粒子径を意味する。平均一次粒子径の測定方法としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて、無機粒子それぞれの長径、例えば、100個以上の無機粒子それぞれの長径、好ましくは500個の金属酸化物粒子それぞれの長径を測定し、その算術平均値を算出する方法が挙げられる。
本実施形態における無機粒子は、表面処理剤によって表面処理されていてもよい。
表面処理剤は、溶媒と成膜成分への相溶性を勘案しながら適宜選択して用いられる。
表面処理剤としては、例えば、金属アルコキシド、シランカップリング剤、シリコーン化合物等のアルコキシ基を有する分散剤や、界面活性剤等が用いられる。
表面処理剤としては、多官能アクリレートとの相溶性が高い点で、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランおよび3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
ここで、無機粒子の表面処理とは、表面処理剤と無機粒子が何らかの相互作用をして互いに結合するように処理すること、表面処理剤と無機粒子が共有結合により結合するように処理すること、表面処理剤と無機粒子が物理吸着等の非共有結合により結合するように処理することである。
表面処理剤がアルコキシ基を有する分散剤の場合、プレ加水分解を行い、アルコキシ基を有する分散剤の一部または全部の加水分解を進行させたものを用いてもよい。
無機粒子含有組成物における無機粒子の含有量は、所望の特性に応じて適宜調整される。
「溶媒」
溶媒は、特に限定されないが、水、有機溶媒が好適に用いられる。溶媒は、相分離しない範囲において、2種以上を混合して用いてもよい。
成膜成分として、エポキシ樹脂(SP値:10.9)、アクリル樹脂(SP値:9.5)、ポリスチレン(SP値:8.5〜10.3)、ウレタン樹脂(SP値:10〜11)、フェノール樹脂(SP値:11.5)、セルロース樹脂(SP値:10〜12)、ポリエステル樹脂(SP値:10〜11)、エポキシ樹脂(SP値:10〜11)のように極性が中程度の樹脂(SP値:8.5〜12)を用いる場合、溶解度パラメーター(SP値)が8.0以上かつ12以下である溶媒を用いることが好ましい。
成膜成分と溶媒の溶解度パラメーターを同程度にすることにより、成膜成分と溶媒の混合が容易になり、かつ、無機粒子の凝集や偏析を抑制することができる。
無機粒子含有組成物における溶媒の含有量は、所望の特性に応じて適宜調整される。
本実施形態における溶媒としては、例えば、メチルイソブチルケトン(SP値:8.4)、酢酸ブチル(SP値:8.5)、ジアセトンアルコール(SP値:9.2)、メチルエチルケトン(SP値:9.3)、シクロヘキサノン(SP値:9.9)、1−メトキシ−2−プロパノール(SP値:9.5)、ドデカノール(SP値:9.8−10.3)、シクロペンタノン(SP値:10.4)、2,3−ブタンジオール(SP値:11.1)、1−プロパノール(SP値:11.9)等が挙げられる。
本実施形態において、溶解度パラメーター((cal/cm)1/2)は、例えば、J.Brandrup等による「Polymer Handbook fourth edition」のVII 675から713に記載されている方法(特に、B3式、B8式)で算出することができる。また、前記文献の表1(VII 711)、表7(VII 688−694)、表8(VII 694−697)の値を用いることができる。
溶媒の蒸気圧は、後述する成膜成分の蒸気圧よりも高いことが好ましい。その理由は、成膜成分の蒸気圧が、溶媒の蒸気圧よりも高い場合、脱溶媒の工程において、多量の成膜成分が蒸発するため、コストが高くなる傾向があり、また、成膜成分の蒸発量が多いため、所望の厚さの塗膜を形成することが難しくなり、好ましくないからである。
本実施形態における溶媒は、上記の溶媒の他に、本実施形態の無機粒子含有組成物を用いて塗膜を形成する際の乾燥速度や、塗膜から溶媒を除去する際の揮発速度等を調整するために、高沸点溶媒や分散剤等を含んでいてもよい。
「成膜成分」
成膜成分は、特に限定されないが、例えば、樹脂モノマー、樹脂オリゴマー、樹脂ポリマー、有機ケイ素化合物またはその重合体等が好適に用いられる。
成膜成分としては、光硬化性樹脂のモノマー、光硬化性樹脂のオリゴマー、光硬化性樹脂のポリマーを用いてもよく、熱硬化性樹脂のモノマー、熱硬化性樹脂のオリゴマー、熱硬化性樹脂のポリマーを用いてもよい。
光硬化性樹脂のモノマーとしては、例えば、1官能アクリレート、2官能アクリレート、3官能アクリレート、4−6官能アクリレート等のラジカル重合系モノマーや、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のカチオン重合系モノマーが挙げられる。
光硬化性樹脂のオリゴマー、光硬化性樹脂のポリマーとしては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、共重合系アクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコンアクリレート、アミノ樹脂アクリレート等のラジカル重合系オリゴマー、ラジカル重合系ポリマーや、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のカチオン重合系オリゴマー、カチオン重合系ポリマーが挙げられる。
これらの中でも、複数成分を配合しやすく、光重合開始剤と光安定化剤等を用いることで硬化障害を抑制できるラジカル重合性のモノマー、ラジカル重合性のオリゴマー、ラジカル重合性のポリマーが好適に用いられる。
耐擦傷性、耐摩耗性が必要とされる用途には、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のラジカル重合系多官能モノマーが好適に用いられる。
柔軟性、低収縮性が必要とされる用途には、ウレタンアクリレート等のラジカル重合系オリゴマー、ラジカル重合系ポリマーが好適に用いられる。
これらの光重合性樹脂のモノマー、光重合性樹脂のオリゴマー、光重合性樹脂のポリマーは、1種を単独で用いることもでき、必要とされる機能に併せて2種以上を混合して用いることもできる。
多官能モノマーのアクリロイル基、メタクリロイル基以外の官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アリルエーテル基、スチリル基、水酸基等が挙げられる。
多官能アクリレートの具体例としては、例えば、(メタ)トリメチロールプロパントリアクリレート、(メタ)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、(メタ)ペンタエリスリトールトリアクリレート、(メタ)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、(メタ)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリシロキサンアクリレート等が挙げられる。
これらの多官能アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
無機粒子含有組成物における成膜成分の含有量は、所望の特性に応じて適宜調整される。
本実施形態の無機粒子含有組成物は、無機粒子がアルコキシ基を有する分散剤で表面処理される場合、炭素原子数が2以上のアミンを含有することが好ましい。炭素原子数が2以上のアミンは、アルコキシ基を有する分散剤による無機粒子の表面処理における触媒としての機能を果たす。また、炭素原子数が2以上のアミンは、無機粒子の分散剤としての役割を果たし、無機粒子が凝集した状態で表面処理反応が進行することを抑制する。
また、炭素原子数が2以上のアミンは、その置換基が無機粒子と相互作用するため、無機粒子の表面で加水分解反応が進行して、アルコキシ基を有する分散剤同士の縮合の進行を抑制し、アルコキシ基を有する分散剤による無機粒子の表面処理反応を進行し易くする役割を果たす。そのため、アミンは、炭素原子数が6以上のものが好ましく、炭素原子数が10以上のものがより好ましい。
炭素原子数が2以上のアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、ジエチレントリアミン、2−エチルヘキシルアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン;アニリン、o−トルイジン、メチレンオルソクロルアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、2,4’−トリレンジアミン、2,6’−トリレンジアミン、4−アミノ安息香酸等の芳香族ポリアミン;ポリアミノアマイド、ポリアルキロールアミノアマイド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリエステルポリアミン、アミノ変性シリコーン等のアミノ基を有する高分子;等が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態の無機粒子含有組成物において、無機粒子の分散剤・分散助剤としての機能も有するポリアミノアマイド、ポリアルキロールアミノアマイド等のアミノ基を有する高分子が好ましい。
無機粒子含有組成物における炭素原子数が2以上のアミンの添加量は、所望の透明性が得られるように適宜調整されるが、例えば、0.01質量%以上かつ1質量%以下であることが好ましい。無機粒子含有組成物における炭素原子数が2以上のアミンの添加量を、上記の範囲内とすることにより、無機粒子含有組成物の特性を損なうことなく、アルコキシ基を有する分散剤の加水分解を促進することができる。そのため、無機粒子含有組成物における水の含有量を減らすことができ、粒子径が揃った状態で無機粒子が組成物中に分散される。
本実施形態の無機粒子含有組成物は、カールフィッシャーで測定した水分量が1質量%以下であることが好ましく、0.8質量%以下であることが好ましく、0.6質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の無機粒子含有組成物は、光増感剤、重合開始剤、帯電防止剤、屈折率調節剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、無機充填剤、防腐剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤や、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性活性剤及びケイ素化合物(シラノール基を有するか、または、加水分解によってシラノール基を生成する基を有する有機ケイ素化合物)等の分散剤等の一般的な各種添加剤を適宜含有していてもよい。
重合開始剤は、成膜成分であるモノマーの種類に応じて、適宜選択される。光硬化性樹脂のモノマーを用いる場合、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤の種類や添加量は、光硬化性樹脂のモノマーに応じて適宜選択される。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ジケトン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、キノン系、ベンジルジメチルケタール系、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、フェニルフォスフィンオキサイド系等の公知の光重合開始剤が挙げられる。
「無機粒子含有組成物の製造方法」
本実施形態の無機粒子含有組成物の製造方法は、無機粒子と、溶媒と、成膜成分と、を均一に混合できる方法であれば、特に限定されない。本実施形態の無機粒子含有組成物を製造するには、例えば、無機粒子と、溶媒と、成膜成分と、を機械的に混合してもよく、予め、無機粒子を溶媒に分散した無機粒子分散液を調製し、この無機粒子分散液と成膜成分を機械的に混合してもよい。
成膜成分の粘度が溶媒よりも大きい場合、機械的に混合する際に無機粒子の分散効率が劣るため、予め無機粒子を溶媒に分散した無機粒子分散液を調製し、この無機粒子分散液と成膜成分を混合することが好ましい。
無機粒子を溶媒に分散する方法は、特に限定されず、例えば、特開2007−277505号公報に記載されている公知の方法が用いられる。
無機粒子分散液は、粒度分布の累積堆積百分率が90%のときの粒径(D90)が60nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
無機粒子分散液の粒度分布の累積堆積百分率が90%のときの粒径(D90)が60nm以下であれば、無機粒子分散液の透明性を高くすることができる。
また、無機粒子分散液の粒度分布が幅広いと、粗大粒子も多くなるため、無機粒子分散液の透明性が低くなり易い。また、粗大粒子ほど沈降し易いため、無機粒子分散液の経時安定性を向上させるには、粒度分布がシャープな分散液を得る必要がある。そのため、透明性、経時安定性の両面から、本実施形態における無機粒子分散液では、粒度分布の累積体積百分率が90%のときの粒径(D90)を、粒度分布の累積体積百分率が50%のときの粒径(D50)で除した値が、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。なお、D90/D50の下限は1以上である。
本実施形態における無機粒子分散液は、空気を基準として測定した場合、液ヘーズ値が35%以下であることが好ましく、27%以下であることがより好ましく、22%以下であることがさらに好ましい。
無機粒子分散液の液ヘーズ値が、上記の範囲であることが好ましい理由は、液ヘーズ値が35%を超えると、成膜成分と混合して組成物とし、この組成物を用いて形成した塗膜は、光の散乱が強くなり、その塗膜は、光学用途での仕様に適さなくなるおそれや、保護層等として用いられた場合、下地層の意匠性を損なうおそれがあるからである。
また、本実施形態における無機粒子分散液は、無機粒子の含有率を30質量%とし、かつ光路長を2mmとしたときの液ヘーズ値が35%以下であることが好ましく、27%以下であることがより好ましく、22%以下であることがさらに好ましい。
無機粒子の含有率を30質量%とし、かつ光路長を2mmとしたとき、無機粒子分散液の液ヘーズ値が、上記の範囲であることが好ましい理由は、液ヘーズ値が35%を超えると、成膜成分と混合して組成物とし、この組成物を用いて形成した塗膜は、光の散乱が強くなり、その塗膜は、光学用途での仕様に適さなくなるおそれや、保護層等として用いられた場合、下地層の意匠性を損なうおそれがあるからである。
また、本実施形態の無機粒子分散液は、無機粒子の含有率を10質量%とし、かつ光路長を2mmとしたときの液ヘーズ値が26%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。
無機粒子の含有率を10質量%とし、かつ光路長を2mmとしたとき、無機粒子分散液の液ヘーズ値が、上記の範囲であることが好ましい理由は、液ヘーズ値が26%を超えると、成膜成分と混合して組成物とし、この組成物を用いて形成した塗膜は、光の散乱が強くなり、その塗膜は、光学用途での仕様に適さなくなるおそれや、保護層等として用いられた場合、下地層の意匠性を損なうおそれがあるからである。
本実施形態において、無機粒子分散液のヘーズ値は、上述の無機粒子含有組成物と同様にして測定することができる。
本実施形態における無機粒子分散液の製造方法としては、無機粒子を溶媒に懸濁させて懸濁液を調製し、この懸濁液に分散剤を添加して無機粒子の表面処理を行った後、無機粒子と溶媒の混合物を、機械的に混合することにより、溶媒に無機粒子を分散させる方法が用いられる。また、無機粒子と、溶媒と、分散剤と、を混合し、これらの混合物を機械的に混合することにより、無機粒子の表面処理と、溶媒に対する無機粒子分散とを同時に行う方法も好適に用いられる。
機械的に混合する方法としては、ジルコニアビーズ等のメディアを用いたビーズミル、ボールミルや、ホモジナイザー、ディスパー、撹拌機等が好適に用いられる。
アルコキシ基を有する分散剤を用いる場合、必要に応じて、水や上述したアミン等の触媒を添加してもよい。水や触媒は、懸濁液に添加してもよく、無機粒子の表面処理反応の際に添加してもよい。また、水や触媒は、無機粒子の表面処理反応の反応速度を調整するために、段階的にまたは連続的に添加してもよい。
無機粒子分散液と成膜成分を機械的に混合する装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
[塗膜]
本実施形態の塗膜は、本実施形態の無機粒子含有組成物を、例えば、基材等の被塗布物上に塗布してなる。
本実施形態の塗膜の厚さは、用途に応じて適宜調整されるが、通常、0.01μm以上かつ20μm以下であることが好ましく、0.5μm以上かつ10μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上かつ2μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の塗膜の製造方法は、上記の無機粒子含有組成物を被塗布物上に塗布して塗膜を形成する工程と、その塗膜を硬化する工程と、を有する。
被塗布物上に無機粒子含有組成物を塗布して塗膜を形成する方法としては、例えば、バーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、グラビアコート法、吸上げ塗工法、はけ塗り法等、通常のウェットコート法が用いられる。
塗膜を硬化させる硬化方法としては、成膜成分の種類に応じて適宜選択され、熱硬化させるか光硬化させる方法が用いられる。
光硬化に用いるエネルギー線としては、塗膜が硬化すれば、特に限定されないが、例えば、紫外線、遠赤外線、近紫外線、赤外線、X線、γ線、電子線、プロトン線、中性子線等のエネルギー線が用いられる。これらのエネルギー線の中でも、硬化速度が速く、装置の入手および取り扱いが容易である点から、紫外線を用いることが好ましい。
紫外線照射により塗膜を硬化する場合、200nm〜500nmの波長帯域の紫外線を発生する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、100〜3,000mJ/cmのエネルギーにて、紫外線を照射する方法等が挙げられる。
本実施形態の塗膜では、膜面内の全ての箇所での性能が均一となるため、厚さが1μm以上の厚膜にしても、光学ムラの発生を抑制することができる。特に無機粒子の分散剤が重合性不飽和基を有する官能基を有する場合、無機粒子が硬化時に樹脂と結合するため、硬化時に塗膜中で、無機粒子が凝集したり、塗膜の表面と内部で粒子分布が異なることが抑制されるので好適であり、塗膜が1μm以上の厚膜の場合は特に好適である。
すなわち、本実施形態の塗膜は、屈折率を調整するための薄膜であってもよく、屈折率を調整でき、かつ、ハードコート性も有する厚膜であっても、用途に応じて適宜選択して用いられる。
[塗膜付きプラスチック基材]
本実施形態の塗膜付きプラスチック基材は、樹脂材料を用いて形成された基体本体(プラスチック基材)と、基体本体の少なくとも一面に設けられた本実施形態の塗膜と、を有する。
本実施形態の塗膜付きプラスチック基材は、本実施形態の無機粒子含有組成物を、公知の塗工法を用いて基体本体上に塗工することで塗膜を形成し、その塗膜を硬化させることにより得られる。
基材本体は、プラスチック基材であれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、アクリル、アクリル−スチリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、塩化ビニル等のプラスチックから形成されたものが用いられる。
表示装置用途で用いる場合には、基材本体としては、光透過性を有するプラスチック基材を用いることが好ましい。
基材本体は、シート状であってもよく、フィルム状であってもよいが、フィルム状であることが好ましい。
本実施形態の塗膜付きプラスチック基材は、空気を基準として測定した場合、ヘーズ値が1.4%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。
ここで、「塗膜付きプラスチック基材のヘーズ値」とは、全光線透過光に対する拡散透過光の割合(%)のことであり、空気を基準として、ヘーズメーターNDH−2000(日本電色社製)を用い、日本工業規格JIS−K−7136に基づいて測定した値を意味する。
本実施形態の塗膜付きプラスチック基材は、500nm以上かつ750nm以下の範囲内における反射率の最大値と最小値の差が1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましく、0.7%以下であることがさらに好ましい。
500nm以上かつ750nm以下の範囲内における、塗膜付きプラスチック基材の反射率の最大値と最小値の差が1%以下であることにより、本実施形態の塗膜付きプラスチック基材は、光干渉によるリップルの発生が抑制され、色ムラが抑制された塗膜が得られる。
色ムラは、塗膜とプラスチック基材の屈折率差によって発生する。そのため、塗膜の屈折率と基材の屈折率を一致させるか、屈折率差を小さくすることにより、色ムラの発生を抑制することができる。しかしながら、塗膜中で粒子の凝集や偏析が発生している場合には、塗膜面内の場所によって屈折率差が異なるため、塗膜全体の屈折率が基材と一致していたとしても、色ムラが発生する。すなわち、無機粒子を含む塗膜において、500nm〜750nmの可視光域における反射スペクトルの最大値と最小値の差は、塗膜中における無機粒子の分散性を表す1つの指標となる。そのため、500nm以上かつ750nm以下における反射率の最大値と最小値の差が小さければ小さいほど、無機粒子が塗膜中に均一に分散しており、均質性の高い塗膜が得られることとなる。
本実施形態の塗膜付きプラスチック基材は、プラスチック基材と塗膜の間にハードコート膜を設けてもよく、塗膜とは屈折率等の性能が異なる膜を積層させてもよい。
[表示装置]
本実施形態の表示装置は、本実施形態の塗膜および本実施形態の塗膜付きプラスチック基材の少なくともいずれか一方を有する。
本実施形態の表示装置としては、特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等が挙げられる。
本実施形態の表示装置では、その表示面に、本実施形態の塗膜および本実施形態の塗膜付きプラスチック基材の少なくともいずれか一方が設けられる。
本実施形態の無機粒子含有組成物によれば、無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高いため、無機粒子の凝集が少なく、均質性の高い塗膜を形成することができる。
本実施形態の塗膜によれば、本実施形態の無機粒子含有組成物を塗布してなるため、均質性の高い塗膜が得られる。
本実施形態の塗膜付プラスチック基材によれば、本実施形態の塗膜を有するため、耐擦傷性、および、透明性が良好で干渉ムラ(色ムラ)が抑制され光学特性に優れた塗膜付きプラスチック基材が得られる。
本実施形態の表示装置によれば、本実施形態の塗膜および本実施形態の塗膜付きプラスチック基材の少なくともいずれか一方を有するため、視認性に優れるとともに、表面の傷つきを防止することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
「無機粒子分散液の作製」
酸化ジルコニウム(IV)(平均一次粒子径12nm、住友大阪セメント社製)を40質量%、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを6.0質量%、アルキルジメチルアミン(アミン価140)を0.3質量%、水を0.8質量%、および、メチルイソブチルケトン(MIBK)を52.9質量%混合した後、ビーズミルを用いて、分散処理を行って、無機粒子分散液を得た。
「無機粒子分散液の評価」
(1)水分率の測定
無機粒子分散液の水分率を、カールフィッシャー水分計(型番:AQL−22320、平沼産業社製)で測定した結果、水分率は0.8質量%であった。
(2)粒度分布の測定
無機粒子分散液の粒度分布を、粒度分布計(商品名:マイクロトラックUPA150、日機装社製)で測定した結果、D50は15nm、D90は20nmであった。
(3)ヘーズ値の測定
無機粒子分散液のヘーズ値を、光路長2mmのキュベットを用いて、ヘーズメーター(商品名:HAZE METER TC−H3DP、東京電色社製)で測定した結果、18.6であった。
「無機粒子含有組成物の作製」
上記の無機粒子分散液を71.3質量%、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、固形(樹脂)分100質量%、日本化薬社製)を17.2質量%、重合開始剤を0.9質量%、イソプロピルアルコールを3.4質量%、および、メチルイソブチルケトンを7.2質量%混合して、実施例の無機粒子含有組成物を得た。
得られた無機粒子含有組成物の粒度分布を、粒度分布計(商品名:マイクロトラックUPA150、日機装社製)で測定した結果、D50は11nm、D90は16nmであった。
「相溶性の評価」
上記の無機粒子分散液に、成膜成分であるDPHAと、溶媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)とを、表1に示す組成となるように添加して、4種類の無機粒子含有組成物(組成物1〜4)を調製した。
この4種類の無機粒子含有組成物(組成物1〜4)のヘーズ値を、光路長2mmのキュベットを用いて、ヘーズメーター(商品名:HAZE METER TC−H3DP、東京電色社製)で測定した結果を表1と図1に示す。
図1の結果から、無機粒子含有組成物におけるDPHAの含有量が高くなるにつれて、液ヘーズ値が小さくなり、無機粒子のDPHAに対する相溶性は、無機粒子のMIBKに対する相溶性よりも高かった。
「塗膜付きプラスチック基材(塗膜)の作製」
上記の無機粒子含有組成物を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(アッベ屈折計で測定した屈折率;1.66)に、乾燥膜厚が1μmとなるようにバーコーティング法で塗布し、90℃ にて1分間加熱して乾燥させ、塗膜を形成した。
次いで、高圧水銀灯(120W/cm)を用い、塗膜に紫外線を250mJ/cmのエネルギーとなるように露光し、塗膜を硬化させて、実施例の塗膜付きプラスチック基材を得た。
「塗膜付きプラスチック基材の評価」
(1)全光線透過率およびヘーズ値の測定
塗膜付きプラスチック基材の全光線透過率およびヘーズ値を、空気を基準として、ヘーズメーターNDH−2000(日本電色社製)を用い、日本工業規格JIS−K−7136に基づいて測定した。全光線透過率およびヘーズ値の測定には、作製した塗膜付きプラスチック基材から100mm×100mmの試験片を作製し、その試験片を用いた。
その結果、全光線透過率は89.8%であり、ヘーズ値は0.9%であった。
(2)耐擦傷性の評価
塗膜付きプラスチック基材の塗膜面に対して、#0000のスチールウールを装着したラビングテスター157C型(井元製作所社製)を用いて、250g/cm、100g/cmの荷重を掛け、10往復させた。次いで、目視で傷の本数を数えたところ、それぞれ10本以下(250g/cm)、5本以下(100g/cm)であった。
(3)屈折率の測定
屈折計(商品名:多波長アッベ屈折計DR−M2、アタゴ社製)を用い、塗膜の屈折率を測定した結果、1.65であった。
(4)色ムラの評価
塗膜に含まれる無機粒子の分散性を、紫外可視分光硬度計(商品名:V−570、日本分光社製)の反射スペクトルにより評価した。反射スペクトルデータを図2に示す。500nmから750nm波長域の最大値は7.8%(564nm)で、最小値は7.2%(660nm)で、最大値と最小値の差は0.6%であった。
また、この塗膜付きプラスチック基材を目視で観察した結果、色ムラはほとんどなかった。
[比較例]
「無機粒子含有組成物の作製」
実施例の無機粒子分散液を62.4質量%、アクリルアクリレート(商品名:EXP−172、固形(樹脂)分55質量%、メチルイソブチルケトン45質量%、大日精化社製)を27.4質量%、重合開始剤を0.9質量%、イソプロピルアルコールを3.4質量%、および、メチルイソブチルケトンを5.9質量%混合して、比較例の無機粒子含有組成物を得た。
得られた無機粒子含有組成物の粒度分布を、実施例と同様に測定した結果、D50は13nm、D90は19nmであった。
「相溶性の評価」
上記の無機粒子分散液に、成膜成分であるEXP−172と、溶媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)とを、表2に示す組成となるように添加して、4種類の無機粒子含有組成物(組成物5〜8)を調製した。
この4種類の無機粒子含有組成物(組成物5〜8)のヘーズ値を、光路長2mmのキュベットを用いて、ヘーズメーター(商品名:HAZE METER TC−H3DP、東京電色社製)で測定した結果を表2と図1に示す。
図1の結果から、無機粒子含有組成物におけるEXP−172の含有量が高くなるにつれて、液ヘーズ値が大きくなり、無機粒子のEXP−172に対する相溶性は、無機粒子のMIBKに対する相溶性よりも高かった。
「塗膜付きプラスチック基材(塗膜)の作製」
実施例の無機粒子含有組成物を用いる替わりに、比較例の無機粒子含有組成物を用いた以外は実施例と同様にして、比較例の塗膜付きプラスチック基材を得た。
「塗膜付きプラスチック基材の評価」
(1)全光線透過率およびヘーズ値の測定
実施例と同様にして、塗膜付きプラスチック基材の全光線透過率およびヘーズ値を評価した結果、全光線透過率は89.8%で、ヘーズ値は0.9%であった。
(2)耐擦傷性の評価
実施例と同様にして耐擦傷性を評価した結果、250g/cmの場合も、100g/cmの場合も、傷の本数は20本以上であった。
(3)屈折率の測定
実施例と同様にして塗膜の屈折率を測定した結果、1.65であった。
(4)色ムラの評価
実施例と同様にして塗膜の反射スペクトルを測定した。結果を図2に示す。500nmから750nm波長域の最大値は7.6%(551nm)で、最小値は6.4%(638nm)で、最大値と最小値の差は1.2%であった。
また、この塗膜付きプラスチック基材を目視で観察した結果、色ムラが観察された。
Figure 2016169343
Figure 2016169343
本発明の無機粒子含有組成物は、無機粒子の成膜成分に対する相溶性が、無機粒子の溶媒に対する相溶性よりも高くすることにより、無機粒子の凝集が少なく、均質性の高い塗膜を形成することができる。したがって、本発明の無機粒子含有組成物は、耐擦傷性、および、透明性が良好で干渉ムラ(色ムラ)が抑制され光学特性に優れた塗膜付きプラスチック基材を提供することができ、その工業的価値は大きい。

Claims (7)

  1. 屈折率が1.9以上の無機粒子と、溶媒と、成膜成分と、を含む無機粒子含有組成物であって、
    前記無機粒子の平均一次粒子径が3nm以上かつ40nm以下であり、
    前記無機粒子の前記成膜成分に対する相溶性は、前記無機粒子の前記溶媒に対する相溶性よりも高いことを特徴とする無機粒子含有組成物。
  2. 前記無機粒子は、酸化ジルコニウムであることを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有組成物。
  3. 前記成膜成分は、多官能アクリレートを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の無機粒子含有組成物。
  4. 前記溶媒の蒸気圧は、前記成膜成分の蒸気圧よりも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機粒子含有組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無機粒子含有組成物を塗布してなることを特徴とする塗膜。
  6. 請求項5に記載の塗膜を有することを特徴とする塗膜付プラスチック基材。
  7. 請求項5に記載の塗膜および請求項6に記載の塗膜付きプラスチック基材の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする表示装置。
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