JP2016183234A - インクジェット用顔料インキ - Google Patents

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佑介 八木
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Abstract

【課題】本発明の目的は、インクジェット記録用の顔料インクにおいて、一般の印刷基材、特にコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどの疎水性の高い基材への浸透性に優れることにより、印字性に優れ、インクジェットノズルからの吐出安定性とインクの保存安定性に優れるインクジェット用顔料インクを提供することにある。【解決手段】前記課題は、顔料、水溶性溶剤、水及び顔料分散樹脂を含むインクジェット用顔料インキであって、前記顔料分散樹脂が、フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体、炭素数10以上24以下のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合組成に含むコポリマーであることを特徴としたインクジェット用顔料インキによって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、一般の印刷基材、特にコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどの疎水性の高い基材への印字性に優れ、インクジェットノズルからの吐出安定性、保存安定性に優れる水系インクジェット用顔料インキに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインキ液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置の騒音が小さく、操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、オフィースや家庭での出力機として広く用いられている。
一方、産業用途においても、インクジェット技術の向上によりデジタル印刷の出力機としての利用が期待され、環境面および印刷物の耐性面等から水性顔料インキが求められている。
水性顔料インキは、顔料が水に不溶であるため、インキ中での顔料分散を保つために分散樹脂を用いて水中での分散安定化を図っている。(例えば特許文献1,2,3参照)。
また、インクジェット記録方式の場合、ノズルの乾燥防止を目的として、保湿剤と位置づけられる高沸点の水溶性溶剤が含まれている。
一般的に、水性インキの乾燥機構は、インキが基材へ着弾後、基材への浸透と蒸発に分類されるが、浸透の寄与が非常に大きく、コート紙(片面に20g/m程度塗工した紙)、アート紙(片面に40g/m程度塗工した紙)や塩化ビニルシートなどの疎水性が高い基材はインキの浸透が遅いため、多色印刷の場合はインキが混色してきれいな画像を形成できない、印刷速度を上げられない等の問題があった。
このため、インキ中に基材への浸透性の高い高沸点の水溶性溶剤を添加することにより乾燥性の向上を図る必要がある。しかしながら、インキ中への浸透性溶剤の添加は、顔料分散状態を安定化させている分散樹脂の溶解状態を変化させ、顔料分散性および保存安定性を著しく低下させる場合があった。この課題に対し、長鎖アルキルモノマーと、スチレン等とを有する顔料分散剤を用いた水性インクジェットインクにおいて、疎水性が高い基材における印字性とインクの分散性とを両立することが開示されている(特許文献4)。
しかしながら、上記のインクジェットインキでは、近年益々要求が高まっている印刷速度の向上に対し、浸透性溶剤の浸透が追いつかず、印字性の要求レベルを達成することは困難であった。また、印字性を改善するために浸透性溶剤を増やしたり、より基材への浸透性が高い溶剤を使用するとインキの分散性が低下して微細分散状態を形成できず、かえって印字性が低下してしまうという問題があった。
特開昭64−6074号 特開昭64−31881号公報 特開平3−210373号公報 特開2012−140476号公報
本発明の目的は、インクジェット記録用の顔料インキにおいて、一般の印刷基材、特にコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどの疎水性の高い基材への浸透性に優れることにより、印字性に優れ、インクジェットノズルからの吐出安定性とインキの分散性に優れるインクジェット用顔料インキを提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
即ち本発明は、顔料、水溶性溶剤、水及び顔料分散樹脂を含むインクジェット用顔料インキであって、前記顔料分散樹脂が、少なくとも下記の単量体Aおよび単量体Bを共重合組成に含むコポリマーであることを特徴とするインクジェット用顔料インキに関する。
単量体A:フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体
単量体B:炭素数10以上24以下のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体
また、本発明は、単量体Aが、下記一般式(1)に示される構造である事を特徴とする前記インクジェット用顔料インキに関する。
一般式(1)


(一般式(1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、Rは直接結合、または置換または無置換の炭素数1〜5のアルキレン基であり、Y〜Yは水素原子、フッ素原子、またはCFであり、Y〜Yのうち少なくとも1つはフッ素原子、またはCFであり、nは0〜10の整数を表す。)
また、本発明は、顔料分散樹脂が、さらに下記の単量体Cを共重合組成に含むことを特徴とする前記インクジェット用顔料インキに関する。
単量体C:カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体
また、本発明は、顔料分散樹脂の共重合組成が下記の範囲であり、単量体A〜Cの合計量が65重量%以上であることを特徴とする前記インクジェット用顔料インキに関する。
単量体A:5〜60重量%
単量体B:5〜65重量%
単量体C:5〜50重量%
また、本発明は、水溶性溶剤が、グリコールエーテル類およびジオール類から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記インクジェット用顔料インキに関する。
また、本発明は、グリコールエーテル類が、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルであることを特徴とする前記インクジェット用顔料インキに関する。
また、本発明は、ジオール類が、炭素数3〜6のアルカンジオールであることを特徴とする前記インクジェット用顔料インキに関する。
本発明によれば、一般の印刷基材、特にコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどの疎水性の高い基材への印字性に優れ、インクジェットノズルからの吐出安定性、分散性に優れる水系インクジェット用顔料インキを提供できる。
まず、本発明のインキが優れた効果を発揮する理由について説明する。浸透性の高い水溶性溶剤を用いた場合には、インキの溶媒の疎水性が上がるために、顔料に吸着している分散樹脂が溶媒へ脱着しやすくなり分散性が低下するものと考えられる。
顔料分散樹脂の重合成分として、フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体(単量体A)および炭素数10以上24以下のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(単量体B)を用いる事により分散樹脂が溶媒へ脱着しにくくなり、非常に微細に分散された状態を形成する事が可能になる。さらに、浸透性の高い溶剤を多量に使用した場合においても印字性とノズルからの吐出性に優れ、微細に分散されたインキを得ることができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明のインクジェット用顔料インキ(以下、インキ又は顔料インキという)について説明する。
<顔料分散樹脂>
本発明の顔料インキは、フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体である単量体Aおよび炭素数10以上24以下のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体である単量体Bを共重合組成に含む顔料分散樹脂を含有してなることを特徴とする。
(単量体A)
本発明で使用する単量体Aは、フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体である。単量体Aを重合成分に組み込む事によって、顔料分散樹脂の疎水性を非常に高める事ができる。その結果、分散樹脂の溶媒溶解性は低くなり、先述の高浸透性溶剤存在下においても分散樹脂は顔料から溶媒へ脱着する事なく、強固な顔料吸着を保持する事が可能であり、微細な分散状態の形成が可能となる。
フッ素原子を含むエチレン性不飽和単量体であれば、単量体Aは特に構造等に制限を受けないが、汎用性や重合性等の観点から、下記一般式(1)に示される(メタ)アクリレートが好ましい。
一般式(1)

一般式(1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、Rは直接結合、または置換基または無置換の炭素数1〜5のアルキレン基であり、Y〜Yは水素原子、フッ素原子、またはCFであり、Y〜Yのうち少なくとも1つはフッ素原子、またはCFであり、nは0〜10の整数を表す。Rで示される炭素数1〜5のアルキレン基の置換基としては、水酸基が挙げられる。
一般式(1)中、Rは直接結合または置換基または無置換の良い炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、nは3〜5の整数が好ましい。
単量体Aの具体例としては、M−3F(共栄社化学株式会社)、ビスコート3F、ビスコート4F、ビスコート8F、ビスコート8FM、ビスコート13F(大阪有機化学工業株式会社)、M−1110、M−1210、M−1420、M−1433、M−1620、M−5210、M−5410、M−5610、M−7210、M−7310、R−1110、R−1210、R−1420、R−1433、R−1620、R−5210、R−5410、R−5610、R−7210、R−7310(ダイキン工業株式会社)、PFIP−A、HPIP−AE、HFIP−I、BTHB、TFMA−BTHB−NB、4−HFA−ST、3.5−HFA−ST(セントラル硝子株式会社)、CHEINOX HFP、CHEINOX FEVE、CHEINOX FPVE(ユニマテック株式会社)等を挙げる事ができる。
単量体Aは、1種類でも、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
(単量体B)
本発明で用いられる顔料分散樹脂は、単量体Aに加えて、単量体B;炭素数10以上24以下のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(フッ素原子またはカルボキシル基を有する場合を除く)を使用すると、更に高い分散性能を得る事ができる。
単量体Bは長鎖アルキルを構造中に有しており、その疎水性相互作用の高さから、単量体Aと併用する事により、非常に強い顔料吸着と微細分散を実現する事ができる。インキの経時安定性向上も、より高度に図る事が可能である。単量体Bの具体例としては、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等のα−オレフィン、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、もしくはベヘニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類等を挙げることができる。
汎用性や重合性などの観点から、ラウリル(メタ)アクリレートやベヘニル(メタ)アクリレート等のような(メタ)アクリル酸アルキルエステル類を選択する事が特に好ましい。また、分散性の向上をより高度に図るための炭素数は、好ましくは12以上24以下の範囲、より好ましくは炭素数18以上24以下の範囲である。
(単量体C)
単量体Cはカルボキシル基を有しており、イオン化した際の電荷反発によって微細分散安定化が可能となるため、単量体A、Bと併せて使用する事が好ましい。単量体Cの具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸などが挙げられる。保存安定性の向上をより高度に図るためには、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートが好ましく、アクリル酸やメタクリル酸を含む事がより好ましい。
(その他の単量体)
顔料分散樹脂は、前記単量体A〜C以外のその他の単量体を重合組成に含んでいてもよい。その他の単量体としては、炭素数1〜9のアルキル系エチレン性不飽和単量体、アルキレングリコール系エチレン性不飽和単量体、水酸基含有エチレン性不飽和単量体、窒素含有エチレン性不飽和単量体、芳香環基含有エチレン性不飽和単量体等がある。
[炭素数1〜9のアルキル系エチレン性不飽和単量体]
更に具体的に例示すると、アルキル系エチレン性不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜9のアルキル(メタ)アクリレートがあり、極性の調節を目的とする場合には好ましくは炭素数2〜9、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキル基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
[アルキレングリコール系エチレン性不飽和単量体]
また、アルキレングリコール系エチレン性不飽和単量体としては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等、末端に水酸基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有するモノ(メタ)アクリレート等、
メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等、末端にアルコキシ基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有するモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[水酸基含有エチレン性不飽和単量体]
水酸基含有エチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼンなどが挙げられる。
窒素含有エチレン性不飽和単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド等のモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。
[芳香環基含有エチレン性不飽和単量体]
芳香環基含有エチレン性不飽和単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール等が挙げられる。
[その他のエチレン性不飽和単量体]
脂肪酸ビニル化合物としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル等;
アルキルビニルエーテル化合物としては、ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等;
α−オレフィン化合物としては、1−ヘキセン、1−オクテン等;
ビニル化合物としては、酢酸アリル、アリルアルコール、アリルベンゼン、シアン化アリル等のアリル化合物、シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトン、等;
エチニル化合物としては、アセチレン、エチニルベンゼン、エチニルトルエン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等;、などを挙げることができ、これらの群から単独または複数用いることができる。
(単量体A〜Cの重量組成比、重量合計)
本発明の顔料分散樹脂において、構成成分である全単量体の合計量100重量%中、単量体A〜Cの重量組成比は、
単量体A:5〜60重量%、単量体B:5〜65重量%、単量体C:5〜50重量%、である事が好ましく、なかでも、
単量体A:5〜40重量%、単量体B:20〜65重量%、単量体C:15〜50重量%、である事がより好ましく、
単量体A:10〜25重量%、単量体B:30〜50重量%、単量体C:20〜45重量%、である事が特に好ましい。
さらに、単量体A〜Cの合計量は65〜100重量%が非常に好ましい。
(顔料分散樹脂の重量平均分子量、酸価)
本発明のインキの構成成分として用いる上記のような単量体成分を共重合してなる顔料分散樹脂は、重量平均分子量が2,000〜100,000の範囲であることが好ましく、5,000〜80,000がより好ましく、10,000〜60,000が更に好ましい。
また、酸基を有するエチレン性不飽和単量体(単量体C)を共重合する場合は、単量体Cの構成比率より算出される顔料分散樹脂の酸価が、50mgKOH/g以上500mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、100mgKOH/g以上400mgKOH/g以下の範囲であることがより好ましく、150mgKOH/g以上350mgKOH/g以下が更に好ましい。
尚、本発明における顔料分散樹脂やポリマーの重量平均分子量や酸価は、常法によって測定することができる。
(顔料分散樹脂の添加量)
本発明のインキについて、顔料分散樹脂の添加量は、インキ中の顔料合計100重量%に対して3重量%以上70重量%以下の範囲であり、好ましくは5重量%以上60重量%以下、さらに好ましくは10重量%以上45重量%以下の範囲である。
[塩基性化合物]
本発明のインキは、含有する顔料分散樹脂を形成するための、酸基を有する単量体をイオン化することで、顔料粒子の分散安定化を図ることができる。このために、塩基性化合物によってインキ全体を中性又はアルカリ性に調整することが好ましい。但し、アルカリ性が強過ぎると、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、7〜10のpH範囲とするのが好ましい。
この際に使用される塩基性化合物(pH調整剤)としては、下記のものが挙げられる。例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール等の各種有機アミンや、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等を使用することができる。
ジメチルアミノエタノールは沸点が高く、インキ吐出性の点で特に好ましい。
塩基性化合物でpH調整することで、上記したような顔料分散樹脂は、水性液媒体中に、分散又は溶解される。
(顔料分散樹脂の製造方法)
顔料分散樹脂は、通常のアクリルの溶液重合により得られる。しかしながら、アクリルの溶液重合時には溶剤に溶解しており、水性媒体中に分散または溶解させるためには、以下の方法がある。
(1)一つ目の方法としては、水と共沸する溶剤中で重合し、その後、水とアミンを加えて中和し、水性化する。さらに、溶剤を水と共沸させ、溶媒は完全に水のみとする。
(2)二つ目の方法としては、最終的にインキに含まれる水溶性溶剤を合成溶媒として重合する。その後、水とアミンを加えて中和し水性化するが、溶剤は取り除くことをせず、そのまま後述のプレミキシング、分散処理を行う。
一つ目の方法の合成溶媒としては、水と共沸するものであれば良いが、顔料分散樹脂に対し溶解性の高いものが良く、好ましくはエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールがあり、さらに好ましくは1−ブタノールがある。
二つ目の方法の合成溶媒としては、最終的にインキに含まれる水性溶媒であれば良いが、顔料分散樹脂に対し溶解性の高いものが良く、好ましくはグリコールエーテル類、ジオール類、さらに好ましくは(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、炭素数3〜6のアルカンジオール類が良い。
本発明のインキにおいて、上記で説明した顔料分散樹脂は、インキの全質量に対して、0.1質量%以上8質量%以下の範囲で含有させるのが好ましい。
本発明のインキにおいては、必要に応じて、ロジン、シェラック及びデンプン等の天然樹脂や、前記した顔料分散樹脂でない合成樹脂も好ましく用いることができる。この場合の天然樹脂や合成樹脂は、前記した顔料分散樹脂の添加量を上回らない程度に含有させることが好ましい。
<顔料>
本発明のインキは、インキの全質量中に、質量比で、0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上12質量%以下の範囲で、顔料を含有させたものであることが好ましい。本発明においては、下記に挙げるような顔料を使用することができる。
先ず、本発明で使用することのできる黒色の顔料としては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックが挙げられる。例えば、これらのカーボンブラックであって、一次粒子径が11〜40mμm(nm)、BET法による比表面積が50〜400m2/g、揮発分が0.5〜10質量%、pH値が2乃至10等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品としては下記のものが挙げられる。例えば、No.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA8、MCF88(以上、三菱化学製)、RAVEN1255(コロンビアンカーボン製)、REGAL330R、400R、660R、MOGUL L、ELFTEX415(以上、キャボット製)、Nipex90、Nipex150T、Nipex 160IQ、Nipex 170IQ、Nipex 75、Printex 85、Printex 95、Printex 90、Printex 35、Printex U(以上、エボニックデグサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
本発明で使用することのできるイエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、20、24、74、83、86、93、94、95、109、110、117、120、125、128、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213等が挙げられる。
また、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、7、9、12、31、48、49、52、53、57、97、112、122、147、149、150、168、177、178、179、202、206、207、209、238、242、254、255、269、C.I.Pigment Violet 19、23、29、30、37、40、50等が挙げられる。
また、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15:3、15:4、16、22、C.I.Vat Blue 4、6等が挙げられる。
さらに、上記以外の色の顔料を用いることもでき、その場合も含め、何れの顔料も各色インキにおいて単独でも、2つ以上の顔料を混合してもよい。勿論、本発明は、これらに限られるものではない。また、以上の他、自己分散型顔料等、新たに製造された顔料も使用することが可能である。
本発明のインクジェットインキは、顔料分散樹脂を水性媒体中に溶解、あるいは懸濁させた後、この液中に顔料を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌混合した後、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型サンドミルといったビーズミルやロールミル、メディアレス分散機等の種々の分散機を用いて分散して製造することができる。
<水性媒体(水、水溶性溶剤)>
本発明のインクジェットインキを形成する場合に好適な水性媒体は、水及び水溶性溶剤(有機溶剤)の混合溶媒であるが、水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
水と混合して使用される水溶性溶剤(有機溶剤)としては特に制限されないが、ジオール類や、グリコールエーテル類などが効果的である。これらの溶剤種は基材への浸透が非常に速く、コート紙、アート紙や塩化ビニルシートといった溶媒の吸収性の低い基材に対しても、浸透が速い。そのため、印字の際の乾燥が速く、正確な印字を実現することができる。また、沸点が高いため、保湿剤としての働きも十分である。
ジオール類の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどがあげられる。
グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ2エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ペンタエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、ペンタエチレングリコールメチルエチルエーテル、2-メトキシ-1-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール 、1-メトキシ-2-ブタノール、2-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールなどがあげられる。
基材への浸透性で特に効果が高いものは、ジオール類においては、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等の炭素数3〜6のアルカンジオールである事がより好ましく、中でも1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。また、グリコールエーテル類においては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルやジエチレングリコールモノヘキシルエーテル等のような(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルである事がより好ましい。
これらの有機溶剤は単独で使用しても良く、複数を混合して使用することもできるが、前述のコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどに対して、より高い浸透性を付与するために、上記したような有機溶剤の総量としてのインキ中における含有量が、インキの全質量の10質量%以上50質量%以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは15質量%以上40質量%以下の範囲である。
また、水の含有量としては、インキの全質量の10質量%以上90質量%以下であり、好ましくは、30質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは40質量%以上70質量%以下の範囲である。
また印刷する基材の種類によっては、その溶解性の向上を目的に、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルオキサゾリジノン、N−エチルオキサゾリジノンなどの水溶性の含窒素複素環化合物を添加することもできる。
<その他の成分>
(水性エマルジョン)
さらに、本発明のインキは、水性のエマルジョンを含有することが好ましい。水性のエマルジョンを含有することで、粘度はあまり上昇させずに、印字した塗膜の耐性を向上させることができる。これにより、耐水性、耐溶剤性、耐擦過性などが向上する。水溶性の樹脂を添加しても、ある程度耐性の向上は期待できるが、粘度が上昇してしまう傾向にある。インクジェットインキの場合、ノズルからインキを吐出できる粘度にはある範囲があり、あまり粘度が高いとインキを吐出することができなくなることがあるため、粘度の上昇を抑えることは重要である。
上記したような水性のエマルジョンのインキ中における含有量は、固形分で、インキの全質量の2質量%以上30質量%以下の範囲であり、より好ましくは、3質量%以上20質量%以下の範囲である。
(添加剤)
また、本発明のインキは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインキとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等の添加剤を適宜に添加することができる。これらの添加剤の添加量の例としては、インキの全質量に対して、0.05質量%以上10質量%以下、好ましくは0.2質量%以上5質量%以下が好適である。
<インクジェットインキの製造>
上記したような成分からなる本発明のインキの製造方法としては、下記のような方法が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。先ず初めに、顔料分散樹脂と、水とが少なくとも混合された水性媒体に顔料を添加し、混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散処理を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の顔料分散液を得る。次に、必要に応じてこの顔料分散液に、水溶性溶剤、或いは、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌、必要に応じて濾過して本発明のインクとする。
顔料インキの作製方法においては、上記で述べたように、インキの調製に分散処理を行って得られる顔料分散液を使用するが、顔料分散液の調製の際に行う分散処理の前に、プレミキシングを行うのが効果的である。即ち、プレミキシングは、顔料分散樹脂と水とが混合された水性媒体に顔料を加えて行えばよい。このようなプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるため、好ましい。
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル及びナノマイザー等が挙げられる。その中でも、ビーズミルが好ましく使用される。このようなものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(何れも商品名)等が挙げられる。
さらに、上記した顔料のプレミキシング及び分散処理において、顔料分散樹脂は水のみに溶解もしくは分散した場合であっても、水溶性溶剤と水の混合溶媒に溶解もしくは分散した場合であっても良い。特に分散処理においては、先述したように顔料分散樹脂の合成溶媒とした水溶性溶剤と水の混合溶媒に、顔料分散樹脂が溶解もしくは分散している場合の方が、分散処理過程で安定な分散体を得ることができる場合がある。
本発明のインキは、インクジェット記録用であるので、顔料としては、最適な粒度分布を有するものを用いることが好ましい。即ち、顔料粒子を含有するインキをインクジェット記録方法に好適に使用できるようにするためには、ノズルの耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料を用いることが好ましい。所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、下記の方法が挙げられる。先に挙げたような分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級すること、及びこれらの手法の組み合わせ等の手法がある。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また樹脂の重量平均分子量(Mw)は以下の通りである。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8220GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂の酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
<顔料分散樹脂の製造方法>
(合成例1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブチルジグリコール54.5部、ベヘニルアクリレート40.0部、化合物1 20.0部、アクリル酸40.0部、チオグリセロール1.2部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、V−601(和光純薬製)0.3部を添加した後、7時間反応させる事で、重量平均分子量は約3万、酸価は約300(mgKOH/g)の共重合体1溶液を得た。
さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール51.2部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。さらに、水を210部添加して、不揮発分24%の顔料分散樹脂(A−1)の水溶液ないし水性分散体を得た。
(合成例2〜11、13〜16、比較合成例1〜3)
表1、2に示す配合組成で、合成例1と同様の方法で合成し、合成例2〜11、13〜16、比較合成例1〜3の顔料分散樹脂の水溶液ないし水性分散体を得た。
(合成例12)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブチルジグリコール89.7部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、ラウリルメタクリレート40部、化合物3 20部、アクリル酸40部、およびV−601(和光純薬製)7.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量は約2万7千、酸価は約300(mgKOH/g)の共重合体12溶液を得た。
さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール51.2部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。さらに、水を168.7部添加して、不揮発分24%の顔料分散樹脂(A−12)の水溶液ないし水性分散体を得た。


表1、2中の略称を以下に示す。
LMA:ラウリルメタクリレート
STMA:ステアリルメタクリレート
VA:ベヘニルアクリレート
AA:アクリル酸
St:スチレン
BzMA:ベンジルメタクリレート
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
2EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート
V−601:ラジカル重合開始剤(和光純薬製)
DMAE:ジメチルアミノエタノール
化合物1:下記化合物(1)に示す単量体
化合物2:下記化合物(2)に示す単量体
化合物3:下記化合物(3)に示す単量体
化合物4:下記化合物(4)に示す単量体
化合物5:下記化合物(5)に示す単量体
化合物6:下記化合物(6)に示す単量体
化合物7:下記化合物(7)に示す単量体
化合物(1)

化合物(2)

化合物(3)

化合物(4)

化合物(5)

化合物(6)

化合物(7)

<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(B−1)の製造)
下記の組成の混合物を均一になるようにディスパーで予備分散した後、直径0.5mmジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、顔料分散体(B−1)を得た。
赤顔料(Pigment red 122) 20.0部
顔料分散樹脂(A−3) 25.0部
水 55.0部
(顔料分散体(B−2〜59)の製造)
顔料および顔料分散樹脂の種類と質量比率を表3〜6に記載したように変更する以外は、顔料分散体(B−1)と同様にして、顔料分散体(B−2〜59)を得た。




表3〜6中の略称を以下に示す。
青顔料:Pigment Blue 15:3
赤顔料:Pigment Red 122
黄顔料:Pigment Yellow 14
墨顔料: Pigment Black 7
<インクジェットインキの製造方法>
[実施例1]
(インクジェットインキ(J−1)の製造)
下記の組成の混合物を均一になるようにディスパーで攪拌混合し、インクジェットインキ(J−1)を得た。
顔料分散体(B−1) 25.0部
1,2−ヘキサンジオール 15.0部
水 60.0部
このとき、インキ100部の中に、顔料5部、分散樹脂1.5部が含まれている。
[実施例2〜52、比較例1〜12]
(インクジェットインキ(J−2〜64)の製造)
顔料分散体の種類と配合量を表7〜11に記載したように変更する以外は、実施例1と同様にして、インクジェットインキ(J−2〜64)を得た。
<インクジェットインキの評価>
得られたインクジェットインキ(J−1〜64)の分散性、経時安定性、印字性、吐出性の評価を下記方法で行った。表7〜11に評価結果を示す。
(インキの分散性)
インキが微細に分散できており、発色が非常に良好であるものを6、良好であるものは5、ある程度良好なものは4、やや悪いものは3、悪いものは2、非常に悪いものは1とした。評価が4,5,6のものは実用上問題のないレベルである。
(インキの経時保存安定性)
インキを70℃の恒温機に1週間保存、経時促進させた後、経時前後でのインキの粘度変化について測定した。70℃1週間保存前後の粘度変化がなければ±5%未満であれば○、±5%以上±10%未満であれば△、±10%以上であれば×とした。粘度変化が小さいほど優れており、×は実用上問題のあるレベルである。
インキの粘度はE型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数50rpmという条件で測定した。
(インキの印字性)
インキをインクジェットプリンター(エプソン社製「PM−750C」)のカートリッジに詰めて、コート紙(王子製紙製OKトップコート+、米坪104.7g/m)に印刷した。印刷したサンプルをルーペで観察し、ドットのつながりや色のムラなどを評価した。印刷品質が非常に良好なものは◎、良好なものは○、ある程度良好なものは△、良好でないものは×とした。×は実用上問題のあるレベルである。
(インキの吐出性)
インキを連続吐出させ、打ち出された液滴の状態を観察した。吐出不良がないものは◎、ほとんど見られないものは○、やや見られるものは△、多いものは×とした。×は実用上問題のあるレベルである。
表7〜11中の略称を以下に示す。
BDG:ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)
HeDG:ヘキシルジグリコール(ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル)
1,2−HD:1,2−ヘキサンジオール
1,2−BD:1,2−ブタンジオール
PG:プロピレングリコール
1,3−PD:1,3−プロパンジオール
表7〜10の結果から明らかなように、実施例のいずれもがインキ分散性、経時安定性、印字性、吐出性の面で良好であった。一方で表11の比較例においては、分散性が悪いため、印字性はおよび吐出性の面で実施例に大きく劣る。

Claims (7)

  1. 顔料、水溶性溶剤、水及び顔料分散樹脂を含むインクジェット用顔料インキであって、前記顔料分散樹脂が、少なくとも下記の単量体Aおよび単量体Bを共重合組成に含むコポリマーであることを特徴とするインクジェット用顔料インキ。
    単量体A:フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体
    単量体B:炭素数10以上24以下のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体
  2. 単量体Aが、下記一般式(1)に示される構造である事を特徴とする請求項1記載のインクジェット用顔料インキ。
    一般式(1)


    (一般式(1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、Rは直接結合、または置換基または無置換の炭素数1〜5のアルキレン基であり、Y〜Yは水素原子、フッ素原子、またはCFであり、Y〜Yのうち少なくとも1つはフッ素原子、またはCFであり、nは0〜10の整数を表す。)
  3. 顔料分散樹脂が、さらに下記の単量体Cを共重合組成に含むことを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット用顔料インキ。
    単量体C:カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体
  4. 顔料分散樹脂の共重合組成が下記の範囲であり、単量体A〜Cの合計量が65重量%以上であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット用顔料インキ。
    単量体A:5〜60重量%
    単量体B:5〜65重量%
    単量体C:5〜50重量%
  5. 水溶性溶剤が、グリコールエーテル類およびジオール類から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のインクジェット用顔料インキ。
  6. グリコールエーテル類が、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルであることを特徴とする請求項5記載のインクジェット用顔料インキ。
  7. ジオール類が、炭素数3〜6のアルカンジオールであることを特徴とする請求項5記載のインクジェット用顔料インキ。
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