JP2016196693A - 銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の洗浄方法、および銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法 - Google Patents
銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の洗浄方法、および銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】銅等を含む被洗浄物に付着した種々の汚れを、被洗浄物の表面をわずかにエッチングすることにより洗浄しうる銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】本発明の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物は、炭化水素系溶剤(A)と、N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)、サルコシン類(B−2)、および炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとの混合物(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物または混合物(B)と、を含み、前記炭化水素系溶剤(A)を60.0〜99.7質量%、前記化合物または混合物(B)を0.3〜30.0質量%の割合で含有することを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、洗浄剤組成物、特に、自動車、機械、精密機器、電気、電子、光学等の各種工業分野において扱われる部品、石油精製プラントや化学プラント等の各種工場の配管や装置、自動車や産業機械等を解体した部品、日常生活で使用される種々の物品であって、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる部品の洗浄剤組成物、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の洗浄方法、および亜鉛、または銅これらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法に関する。
従来、自動車、機械、精密機器、電気、電子、光学等の各種工業分野において扱われる部品の加工の際、(i)鉱物油等を主体とする不水溶性加工油、(ii)鉱物油等に界面活性剤を加えて水に乳化させた水溶性加工油、(iii)研磨剤等が使用され、被洗浄物には種々の汚れが付着している。このような汚れ成分が付着した物品を洗浄する場合には、汚れ成分に応じて、水系洗浄剤、水系洗浄剤に水溶性溶剤を配合した準水系洗浄剤、イソプロパノールなどのアルコール系洗浄剤、グリコールエーテル系洗浄剤等が使用されている。
しかしながら、加工時の熱によって変性して表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子の洗浄の全般に適したものはなく、酸性またはアルカリ性の水で表面をエッチングして除去する方法がとられているが、部品の材料によっては、酸性またはアルカリ性の水によりダメージを受けやすく、洗浄後にさびが発生し、また、乾燥工程に高いエネルギーを要するという欠点を有していた。
すなわち、酸性またはアルカリ性の水によりダメージを受ける銅等の材質を含む被洗浄物を水系洗浄剤で洗浄する場合、銅、または亜鉛等の金属の洗浄による腐食や変色を防止する技術として、所定炭素数のアルキル基またはアルケニル基を有する第1級アルコールのアルキレンオキシド付加体、所定炭素数のアルキル基またはアルケニル基を有する第2級アルコールのアルキレンオキシド付加体、界面活性剤、およびアルカリ剤を含む水性液体金属洗浄剤が開示されているが(例えば、特許文献1参照)、特許文献1の水性洗浄剤では、金属の腐食や変色を防止できるものの、加工時の熱によって変性して表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子の洗浄の全般への適合性については記載も示唆もされておらず、また、水によりすすぎを行なうため、その後の乾燥工程に時間もしくは高いエネルギーを要するという欠点を有する。
また、金属表面に付着した水分や水溶性汚れ、微粒子等を洗浄できる洗浄剤として、炭化水素系溶剤に、脂肪酸アルカノールアミドと、N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩とを配合した洗浄剤組成物(例えば、特許文献2〜4参照)や、脂肪族炭化水素系溶剤に所定炭素数のアミンと所定炭素数の飽和脂肪酸とを配合した水切り用組成物(例えば、特許文献5参照)、炭化水素に、脂肪族モノカルボン酸と脂肪族モノアミンとの塩、ノニオン系界面活性剤、飽和脂肪族アルコールを配合した水切り用溶剤組成物(例えば、特許文献6参照)が開示されているが、特許文献2〜6では、酸性またはアルカリ性の水によりダメージを受ける銅や亜鉛等の材質を有する被洗浄物を、さびを発生せずに洗浄する方法については記載も示唆もされておらず、また、加工時の熱によって変性して表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子の洗浄の全般への適合性についての記載も示唆もされていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、酸性またはアルカリ性の水によりダメージを受ける銅等を含む被洗浄物に付着した種々の汚れを、被洗浄物の表面をわずかにエッチングすることにより汚れを洗浄しうる銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金をからなる被洗浄物の洗浄方法、および銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法を提供することを目的とする。
本出願人らは、酸性またはアルカリ性の水によりダメージを受ける銅等を含む被洗浄物に付着した種々の汚れを、被洗浄物である銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金の表面を水を使うことなく本発明の洗浄剤組成物によってわずかにエッチングすることにより洗浄できるとともに、エッチング後の被洗浄物のさび発生を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物は、炭化水素系溶剤(A)と、下記一般式(1)で表されるN−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)、
R1−NH(CH2)3NH2・2R2−COOH ・・・(1)
(式(1)において、R1およびR2は、炭素数7〜22のアルキル基である)
下記一般式(2)で表されるサルコシン類(B−2)、
R3−C(O)−N(CH3)−CH2−COOH ・・・(2)
(式(2)において、R3は、炭素数7〜21のアルキル基である)、および炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとの混合物(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物または混合物(B)と、を含み、前記炭化水素系溶剤(A)を60.0〜99.7質量%、前記化合物または混合物(B)を0.3〜30.0量%含有することを特徴とする。
R1−NH(CH2)3NH2・2R2−COOH ・・・(1)
(式(1)において、R1およびR2は、炭素数7〜22のアルキル基である)
下記一般式(2)で表されるサルコシン類(B−2)、
R3−C(O)−N(CH3)−CH2−COOH ・・・(2)
(式(2)において、R3は、炭素数7〜21のアルキル基である)、および炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとの混合物(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物または混合物(B)と、を含み、前記炭化水素系溶剤(A)を60.0〜99.7質量%、前記化合物または混合物(B)を0.3〜30.0量%含有することを特徴とする。
また、本発明の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の洗浄方法は、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の洗浄方法であって、上記のいずれか一つに記載の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物に前記被洗浄物を浸漬し洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程後、前記被洗浄物を前記炭化水素系溶剤(A)に浸漬するすすぎ工程と、を有し、前記洗浄工程において、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる前記被洗浄物の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金の表面をエッチングすることにより被洗浄物の表面に付着する汚れを洗浄することを特徴とする。
また、本発明の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法は、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法であって、上記のいずれか一つに記載の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物に前記微粒子が付着した被洗浄物を浸漬し前記微粒子を除去する除去工程と、前記除去工程後、前記被洗浄物を前記炭化水素系溶剤(A)に浸漬するすすぎ工程と、を有し、前記除去工程において、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる前記微粒子の表面をエッチングすることにより被洗浄物の表面から前記微粒子を除去することを特徴とする。
本発明にかかる銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物は、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金に対してエッチング性を有する化合物または混合物(B)を、所定の割合で炭化水素系溶剤(A)に配合することにより、汚れが付着した被洗浄物の表面をわずかにエッチングすることができるため、汚れの種類や、汚れの被洗浄物への付着の機構にかかわらずに洗浄することができる。
以下に、本発明にかかる銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の洗浄方法、および銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法について詳細に説明する。
本発明の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物は、炭化水素系溶剤(A)と、下記一般式(1)で表されるN−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)、
R1−NH(CH2)3NH2・2R2−COOH ・・・(1)
(式(1)において、R1およびR2は、炭素数7〜22のアルキル基である)
下記一般式(2)で表されるサルコシン類(B−2)、
R3−C(O)−N(CH3)−CH2−COOH ・・・(2)
(式(2)において、R3は、炭素数7〜21のアルキル基である)および炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとの混合物(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物または混合物(B)と、を含み、炭化水素系溶剤(A)を60.0〜99.7質量%、化合物または混合物(B)を0.3〜30.0量%含有する。
R1−NH(CH2)3NH2・2R2−COOH ・・・(1)
(式(1)において、R1およびR2は、炭素数7〜22のアルキル基である)
下記一般式(2)で表されるサルコシン類(B−2)、
R3−C(O)−N(CH3)−CH2−COOH ・・・(2)
(式(2)において、R3は、炭素数7〜21のアルキル基である)および炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとの混合物(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物または混合物(B)と、を含み、炭化水素系溶剤(A)を60.0〜99.7質量%、化合物または混合物(B)を0.3〜30.0量%含有する。
本発明で使用する炭化水素系溶剤(A)は、市販の炭化水素系溶剤が使用でき、特に制限はないが、環境汚染の少ないものを選択するのが望ましい。このような溶剤としては、炭素数が5〜20、好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数9〜15の範囲のものを主成分としたものが使用できる。炭素数5未満のものは、引火点が低いため作業中に火災や爆発の危険が大きく安全面に問題がある。また、炭素数20を越えると、乾燥性が悪くなる上、洗浄剤組成物の粘性が増加するため、被洗浄物に付着している汚れの除去性能が低下し、好ましくない。さらに、良好な乾燥性が要求される場合は、実質的に炭素数が同一の炭化水素、或いは炭素数が1つ異なる2種の炭素数からなる炭化水素の混合物を用いることが望ましい。このような炭化水素系溶剤としては、炭素数5〜17のノルマルパラフィン系溶剤や、炭素数3または4のオレフィンを重合して得られる炭素数6〜20のイソパラフィン系溶剤、炭素数5〜20の混合ナフテン系溶剤、炭素数5〜20の芳香族系溶剤、灯油等がある。
ノルマルパラフィン系溶剤は、炭素数が5〜17、好ましくは炭素数7〜14、特に好ましくは炭素数9〜13の範囲のものが使用できる。17を超えると、乾燥性が悪くなる上、洗浄剤組成物の粘性が増加するため、被洗浄物に付着している汚れの除去性能が低下し好ましくない。さらに、沸点が高すぎて蒸留回収が困難であったり、加温しないと溶液状態にならないものがあったりする。
イソパラフィン系溶剤は、炭素数5〜20、好ましくは8〜16、特に好ましくは8〜12の範囲のものが使用できるが、合成のし易さから通常は、炭素数6、8、9、12及び16から適当なものを選択するのが実際的である。この場合において、炭素数が1異なる溶剤と混合するときは、8と9の組合せにするか、ノルマルパラフィンと組合せて使用する。
銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金の表面をわずかにエッチングする化合物または混合物(B)としては、N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)、サルコシン類(B−2)、および炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとの混合物(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。本発明の洗浄剤組成物は、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金に対し腐食性が低い炭化水素系溶剤(A)と、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金の表面をわずかにエッチングする化合物または混合物(B)とを、所定の割合で配合することにより、被洗浄物の表面をエッチングして被洗浄物表面に付着する汚れを除去するとともに、洗浄後、被洗浄物にさびを発生することがない。また、表面のエッチングにより汚れを洗浄するため、洗浄しにくい汚れ、例えば、加工時の熱によって変性して表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子の洗浄を行うことができる。
N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)は、下記一般式(1)で表されるものである。
R1−NH(CH2)3NH2・2R2−COOH ・・・(1)
(式(1)において、R1およびR2は、炭素数7〜22のアルキル基である)
R1−NH(CH2)3NH2・2R2−COOH ・・・(1)
(式(1)において、R1およびR2は、炭素数7〜22のアルキル基である)
N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)のアミンとしては、アルキル基(R1)の炭素数が7〜22、好ましくは10〜20、より好ましくは14〜18のものである。中でも、オクタデシルプロピレンジアミン、ヘキサデシルプロピレンジアミン、テトラデシルプロピレンジアミンが入手の容易さから特に好適に使用できる。
N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)の脂肪酸としては、アルキル基(R2)の炭素数が7〜22、好ましくは8〜20のものが使用できる。具体的には、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸や、オレイン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。これらの中でも、オレイン酸等の不飽和脂肪酸は、融点が低い点で好適に使用できる。
N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)は、種々の方法で合成できる。例えば、相当するN−アルキル一級アミンとアクリロニトリルを窒素雰囲気下、100〜200℃で触媒を用いて反応させ、さらに水素化し、得られたN−アルキルプロピレンジアミンに窒素雰囲気下で脂肪酸を加える方法等を採用することができる。N−アルキルプロピレンジアミンや脂肪酸は、単一のものである必要はなく、2種以上の混合物や、天然由来のものを用いることは何等問題がない。特に、牛脂や植物油を原料として用いる場合は、原料が安価であるため、製品を安価に製造する上で好ましい。
サルコシン類(B−2)は、下記一般式(2)で表される分子内にアミノ基およびカルボキシル基をそれぞれ1つ以上有する化合物である。
下記一般式(2)で表されるサルコシン類(B−2)、
R3−C(O)−N(CH3)−CH2−COOH ・・・(2)
(式(2)において、R3は、炭素数7〜21のアルキル基、アルケニル基またはフェニル基である)
下記一般式(2)で表されるサルコシン類(B−2)、
R3−C(O)−N(CH3)−CH2−COOH ・・・(2)
(式(2)において、R3は、炭素数7〜21のアルキル基、アルケニル基またはフェニル基である)
サルコシン類(B−2)としては、R3の炭素数が7〜21、好ましくは10〜20、より好ましくは14〜18のものである。また、R3は置換基を有していてもよい。中でも、ラウロイルサルコシン、オレオイルサルコシン、ココイルサルコシン等が好適に使用できる。
炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとの混合物(B−3)とは、炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとを実際に混合したものに加え、炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとを単独で配合、すなわち、炭化水素系溶剤(A)に加える際、炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとを個別に配合したものを含む。
脂肪酸としては、炭素数が7〜22、好ましくは8〜20のものが使用できる。具体的には、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸や、オレイン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。
アミンとしては、炭素数が7〜22、好ましくは8〜20のものが使用できる。具体的には、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、オレオイルアミン等を挙げることができる。アミンや脂肪酸は、単一のものである必要はなく、2種以上の混合物や、天然由来のものを用いることは何等問題がない。
本発明にかかる銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物は、炭化水素系溶剤(A)を60.0〜99.7質量%、化合物または混合物(B)を0.3〜30.0質量%含有する。化合物または混合物(B)の割合が0.3質量%を下回ると、エッチング速度が低下し、洗浄性能が不十分となるおそれがある。化合物または混合物(B)の割合が30.0質量%を超えると、洗浄剤組成物の粘度が著しく高くなり、エッチング性能が低下するおそれがある。炭化水素系溶剤(A)を88.0〜99.7質量%、化合物または混合物(B)の配合割合は、0.5〜5.0質量%が好ましい。
また、化合物または混合物(B)の選択肢の1つであるN−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)は、炭化水素系溶剤(A)への溶解性が低いため、N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)の配合量を30.0質量%程度とすることが困難であるが、脂肪酸アルカノールアミド(C)を配合することにより、N−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)の溶解性を向上することができる。
脂肪酸アルカノールアミド(C)の配合量は、化合物または混合物(B)と合わせて0.3〜40.0質量%とすることが好ましく、0.5〜10.0%がさらに好ましく、0.5〜5.0質量%が特に好ましい。また、化合物または混合物(B)と脂肪酸アルカノールアミド(C)との配合割合は、脂肪酸アルカノールアミド(C)が化合物または混合物(B)に対し、0.01〜2.0倍、好ましくは0.1〜1.5倍、より好ましくは0.3〜1.0倍の範囲とするのが望ましい。
本発明の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲、望ましくは10質量%以下で、エステル類、アルコール類、ケトン類等の配合成分や、他の界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤等の慣用の添加剤を含めることができる。
他の界面活性剤としては非イオン性界面活性剤が好ましく、例えば高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、シリコン系、フッ素系等いずれのものも使用できる。
また、紫外線吸収剤及び酸化防止剤としては、本発明の洗浄剤組成物に溶解するものであれば公知のものが使用でき、洗浄剤組成物の長期保存等における安定性の向上に役立つ。紫外線吸収剤としては例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
さらに、酸化防止剤としては例えばフェノール系、アミン系、硫黄系、リン系等の酸化防止剤が挙げられ、フェノール系酸化防止剤を100〜1000ppm添加することが特に好ましい。
さらに、酸化防止剤としては例えばフェノール系、アミン系、硫黄系、リン系等の酸化防止剤が挙げられ、フェノール系酸化防止剤を100〜1000ppm添加することが特に好ましい。
本発明の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物は、上記した各成分を所定量計量し、混合、撹拌して製造することができる。配合の順番、撹拌方法には何ら制限がなく、所定の割合の各成分を混合、撹拌することで、本発明にかかる洗浄剤組成物を製造することができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を使用する洗浄方法としては、本発明にかかる洗浄剤組成物に銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物を浸漬し洗浄した後、被洗浄物を上記した炭化水素系溶剤(A)に浸漬して、被洗浄物に付着する洗浄剤組成物をすすぐことにより行えばよい。本発明にかかる洗浄剤組成物中に被洗浄物を浸漬することで、被洗浄物の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金の表面をわずかにエッチングでき、これにより被洗浄物と汚れの間の付着、例えば、機械的付着、電気的付着、分子間力による付着、化学結合による付着を解消でき、洗浄可能となる。また、本発明にかかる洗浄剤組成物は、汚れが付着する銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金の表面をエッチングすることにより汚れを洗浄するため、汚れの種類にかかわらず洗浄することができる。
本発明にかかる洗浄剤組成物中への被洗浄物の浸漬の際、洗浄効果を高めるために、攪拌、揺動、超音波照射、噴流又はエアバブリング等を組み合わせることが好ましい。超音波の場合、この照射条件は、例えば発振周波数20〜100kHz、発振出力0.1〜200W/Lが好ましい。超音波照射により被洗浄物表面のエッチング速度が向上するとともに、洗浄液組成物に不溶性の汚れを分離して気泡と共に上昇させ、除去することもできる。
洗浄時間は、好ましくは15秒間〜10分、特に好ましくは30秒間〜5分間である。上記範囲未満では洗浄が不十分で、付着した汚れを十分に除去し得ず、一方、上記範囲を超えるとエッチング量が大きくなるおそれがある。洗浄温度は、好ましくは20〜120℃である。洗浄温度が上記範囲未満では、洗浄が不十分となり易いため、より高温で処理することにより洗浄効果を著しく上昇させることができるが、引火等の危険性を考慮し上記範囲内で洗浄することが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物による被洗浄物の洗浄後、化合物または混合物(B)等の除去を目的として、炭化水素系溶剤(A)によりすすぎ工程を行うが、すすぎ工程で使用する炭化水素系溶剤(A)は、本発明の洗浄剤組成物で使用する炭化水素系溶剤(A)より低沸点であれば同一である必要はない。また、すすぎ工程は、1回でもよく、または2回以上行なってもよい。
また、本発明の洗浄剤組成物は、汚れとして銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去に使用することができる。例えば、本発明にかかる洗浄剤組成物に、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子が付着した被洗浄物を浸漬し微粒子を除去した後、被洗浄物を炭化水素系溶剤(A)に浸漬してすすぎを行う。本発明にかかる洗浄剤組成物中に銅等からなる微粒子が付着した被洗浄物を浸漬することで、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の表面がわずかにエッチングされ、これにより被洗浄物と微粒子との間の付着、例えば、機械的付着、電気的付着、分子間力による付着、化学結合による付着を解消、すなわち洗浄することができる。
汚れとして銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去の際の、洗浄条件、例えば、攪拌、揺動、超音波照射、噴流又はエアバブリング等との組み合わせ、洗浄時間、洗浄温度、すすぎに使用する炭化水素系溶剤(A)は、銅等からなる被洗浄物を洗浄する場合と同様の条件で行えばよい。
本発明の洗浄剤組成物は、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の表面をわずかにエッチングすることにより洗浄を行うので、付着する汚れの種類にかかわらず洗浄を行うことができる。また、本発明の洗浄剤組成物は、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物のさびを抑制できる。
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜29、比較例1〜14として調製した洗浄剤組成物の組成を表1〜表3に示す。実施例1〜29、比較例1〜14において使用した成分は以下のとおりである。
<成分>
炭化水素系溶剤(A)
イソパラフィン系溶剤 イソドデカン
混合ナフテン系溶剤 炭素数11〜13のナフテンの混合物
芳香族系溶剤 炭素数11〜13の芳香族炭化水素の混合物
ノルマルパラフィン系溶剤 ドデカン
<成分>
炭化水素系溶剤(A)
イソパラフィン系溶剤 イソドデカン
混合ナフテン系溶剤 炭素数11〜13のナフテンの混合物
芳香族系溶剤 炭素数11〜13の芳香族炭化水素の混合物
ノルマルパラフィン系溶剤 ドデカン
(被洗浄物のエッチング性)
表1〜表3にその組成を示す実施例または比較例の洗浄液組成物を用い、表面を研磨した銅、亜鉛、黄銅の各テストピース(75×12.5×3mm)を、それぞれ30mLの洗浄剤組成物中に100℃で3時間浸漬した後、洗浄液組成物中に溶出した金属量をICP発光分析法にて定量した。金属量が10質量ppm以上であれば○(エッチング性良好)、10質量ppmより小さければ×(エッチング性不良)とした。結果を表1〜表3に示す。
表1〜表3にその組成を示す実施例または比較例の洗浄液組成物を用い、表面を研磨した銅、亜鉛、黄銅の各テストピース(75×12.5×3mm)を、それぞれ30mLの洗浄剤組成物中に100℃で3時間浸漬した後、洗浄液組成物中に溶出した金属量をICP発光分析法にて定量した。金属量が10質量ppm以上であれば○(エッチング性良好)、10質量ppmより小さければ×(エッチング性不良)とした。結果を表1〜表3に示す。
(洗浄性評価)
不水溶性切削油(サンワケミカル株式会社製スーパーカット)にて加工した銅製ワーク(被洗浄物)を、表1〜表3に示す実施例1〜29および比較例1〜14の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W−113(本多電子(株)製))を用いて、28KHz、室温で10分間洗浄した。洗浄後の被洗浄物をノルマルパラフィン系溶剤に浸漬し、室温で1分間すすぎを行った後、70℃で40分間乾燥した。被洗浄物を乾燥後、被洗浄物表面を目視観察した。洗浄残渣なしが○、洗浄残渣ありを×とした。結果を表1〜表3に示す。
不水溶性切削油(サンワケミカル株式会社製スーパーカット)にて加工した銅製ワーク(被洗浄物)を、表1〜表3に示す実施例1〜29および比較例1〜14の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W−113(本多電子(株)製))を用いて、28KHz、室温で10分間洗浄した。洗浄後の被洗浄物をノルマルパラフィン系溶剤に浸漬し、室温で1分間すすぎを行った後、70℃で40分間乾燥した。被洗浄物を乾燥後、被洗浄物表面を目視観察した。洗浄残渣なしが○、洗浄残渣ありを×とした。結果を表1〜表3に示す。
(被洗浄物への影響)
洗浄性評価後の銅製ワーク(被洗浄物)のうち、洗浄残渣がない被洗浄物について、目視によりさびの有無を確認した。さびがないものを○、さびがあるものを×とした。結果を表1〜表3に示す。
洗浄性評価後の銅製ワーク(被洗浄物)のうち、洗浄残渣がない被洗浄物について、目視によりさびの有無を確認した。さびがないものを○、さびがあるものを×とした。結果を表1〜表3に示す。
表1〜表3に示すように、炭化水素系溶剤(A)60.0〜99.7質量%、被洗浄物の表面をわずかにエッチングする化合物または混合物(B)を0.3〜30.0質量%、あるいは、化合物または混合物(B)と脂肪酸アルカノールアミン(C)を合わせて0.3〜40.0質量%含む実施例1〜29の洗浄剤組成物は、銅、亜鉛、および黄銅の表面をエッチングする。また、銅製の被洗浄物の表面をエッチングすることにより、銅製の被洗浄物の表面に固着した不水溶性切削油成分が洗浄できることが確認された。また、本発明にかかる洗浄剤組成物により被洗浄物がさびないことも確認できた。
本発明の洗浄剤組成物は、自動車、機械、精密機器、電気、電子、光学等の各種工業分野において扱われる部品であって、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる部品の洗浄に好適に使用可能である。
Claims (6)
- 炭化水素系溶剤(A)と、
下記一般式(1)で表されるN−アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(B−1)、
R1−NH(CH2)3NH2・2R2−COOH ・・・(1)
(式(1)において、R1およびR2は、炭素数7〜22のアルキル基である)
下記一般式(2)で表されるサルコシン類(B−2)、
R3−C(O)−N(CH3)−CH2−COOH ・・・(2)
(式(2)において、R3は、炭素数7〜21のアルキル基である)
および炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアミンとの混合物(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物または混合物(B)と、を含み、
前記炭化水素系溶剤(A)を60.0〜99.7質量%、前記化合物または混合物(B)を0.3〜30.0質量%含有することを特徴とする、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物。 - 炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアルカノールアミンとの塩である脂肪酸アルカノールアミド(C)を更に含み、
前記炭化水素系溶剤(A)を60.0〜99.7質量%、前記化合物または混合物(B)と前記脂肪酸アルカノールアミド(C)とを合わせて0.3〜40.0量%の割合で含有することを特徴とする、請求項1に記載の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物。 - 前記炭化水素系溶剤(A)は、炭素数が9〜13のノルマルパラフィン系溶剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物。
- 前記炭化水素系溶剤(A)は、炭素数が8〜12のイソパラフィン系溶剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物。
- 銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の洗浄方法であって、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物に前記被洗浄物を浸漬し洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程後、前記被洗浄物を前記炭化水素系溶剤(A)に浸漬するすすぎ工程と、を有し、
前記洗浄工程において、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる前記被洗浄物の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金の表面をエッチングすることにより被洗浄物の表面に付着する汚れを洗浄することを特徴とする銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる被洗浄物の洗浄方法。 - 銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法であって、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金用洗浄剤組成物に前記微粒子が付着した被洗浄物を浸漬し前記微粒子を除去する除去工程と、
前記除去工程後、前記被洗浄物を前記炭化水素系溶剤(A)に浸漬するすすぎ工程と、を有し、
前記除去工程において、銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる前記微粒子の表面をエッチングすることにより被洗浄物の表面から前記微粒子を除去することを特徴とする銅、亜鉛、またはこれらの金属を含む合金からなる微粒子の除去方法。
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