JP2016199148A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンが停止状態にありかつクラッチが解放状態にあってモータにより車両が走行しているときにおいて、モータが回生状態になったときに、クラッチにおける損失を出来る限り低減して、モータの回生効率を高くする。【解決手段】エンジン制御部101によりエンジン2が停止状態にありかつクラッチ制御部103によりクラッチC1が解放状態にあるときに、モータ制御部102により制御されるモータ3により車両1が走行しているときにおいて、車両1の乗員の減速要求によって、モータ制御部102による制御によりモータ3が回生状態になったときには、自動変速機4の変速比を、変速比制御部104による基本変速比から、該基本変速比よりも高速側の変速比に変更する変速比変更処理を実行する変速比変更部105を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する技術分野に属する。
従来より、エンジンと、該エンジンの動力伝達経路の下流側に設けられたモータと、該エンジン及び該モータ間の動力伝達の断接を行うクラッチと、該モータの動力伝達経路の下流側に設けられた自動変速機とを備えたパラレル方式のハイブリッド車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、車両減速時にクラッチを切断して回生する場合には、変速機の伝達効率及びモータの発電効率の少なくとも一方に基づいて変速制御を実行する第1変速制御手段と、車両減速時に上記クラッチを締結して回生する場合には、上記第1変速制御手段による変速制御の実行時よりも、上記変速機の変速比を小さくする変速制御を実行する第2変速制御手段とを備え、これにより、車両減速時にクラッチを切断して回生する場合、変速機の伝達効率やモータの発電効率を適切にして、車両減速時の回生効率を高めることができるとともに、クラッチが締結されてモータとエンジンとが接続状態であるときに、エンジントルク損失を小さくして、減速時の回生効率を高めることができるようにしている。
特開2012−224321号公報
ところで、エンジンとモータとの間の上記クラッチは、通常、オイルに浸された複数の摩擦板を有する湿式の多板クラッチであり、このクラッチの解放状態では、モータ側に連結されて回転する摩擦板と、エンジン側に連結されて回転しない摩擦板との間のオイルの粘性抵抗によって、該クラッチにて損失(所謂クラッチの引き摺り損失)が生じる。このクラッチにおける損失は、モータ側の摩擦板とエンジン側の摩擦板との間の回転数差が大きいほど大きくなる。
ここで、特許文献1では、クラッチが解放状態にあるときの車両減速時に、変速機の伝達効率及びモータの発電効率の少なくとも一方に基づいて変速制御を実行するようにしているが、上記クラッチにおける損失を考慮していないので、モータの回生効率をより高める観点からは不十分である。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンが停止状態にありかつクラッチが解放状態にあってモータにより車両が走行しているときにおいて、モータが回生状態になったときに、クラッチにおける損失(引き摺り損失)を出来る限り低減することによって、モータの回生効率を高くしようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、エンジンと、該エンジンの動力伝達経路の下流側に設けられたモータと、該エンジン及び該モータ間の動力伝達の断接を行うクラッチと、該モータの動力伝達経路の下流側に設けられた自動変速機とを備えるハイブリッド車両の制御装置を対象として、上記エンジンの作動を制御するエンジン制御部と、上記モータの作動を制御するモータ制御部と、上記クラッチの作動を制御するクラッチ制御部と、上記自動変速機の変速比を、上記車両の走行状態に応じて予め設定された基本変速比になるように制御する変速比制御部と、上記エンジン制御部により上記エンジンが停止状態にありかつ上記クラッチ制御部により上記クラッチが解放状態にあるときに、上記モータ制御部により制御される上記モータにより上記車両が走行しているときにおいて、上記車両の乗員の減速要求によって、上記モータ制御部による制御により上記モータが回生状態になったときには、上記自動変速機の変速比を、上記変速比制御部による上記基本変速比から、該基本変速比よりも高速側の変速比に変更する変速比変更処理を実行する変速比変更部とを備えている、という構成とした。
上記の構成により、モータが回生状態になったときに、変速比変更部により、自動変速機の変速比が、基本変速比から、該基本変速比よりも高速側の変速比に変更されるので、自動変速機の入力軸の回転数、つまりモータの回転数が、変速比変更処理を実行しない場合よりも低下する。これにより、クラッチにおけるモータ側の摩擦板とエンジン側の摩擦板との間の回転数差が小さくなり、クラッチにおける損失(引き摺り損失)が低下する。このクラッチにおける損失の低下分だけ、車両の走行抵抗が軽減され、この結果、モータの回生効率が増加することになる。
上記ハイブリッド車両の制御装置において、上記減速要求から所定時間以内に上記車両の乗員の加速要求の発生の可能性が大きいか否かを判定する加速要求可能性判定部を更に備え、上記変速比変更部は、上記エンジン制御部により上記エンジンが停止状態にありかつ上記クラッチ制御部により上記クラッチが解放状態にあって、上記モータ制御部により制御される上記モータにより上記車両が走行しているときにおいて、上記車両の乗員の減速要求によって、上記モータ制御部による制御により上記モータが回生状態になっても、上記加速要求可能性判定部により上記可能性が大きいと判定された場合には、上記変速比変更処理を実行しないように構成されている、ことが好ましい。
すなわち、モータが回生状態になったときに変速比変更処理を実行して高速側の変速比にした後、所定時間以内に加速要求があると、この加速要求に対応して、その高速側の変速比から低速側の変速比に切り換える(シフトダウンする)必要が生じ、シフトアップ後の短時間の間に大きなシフトダウンが生じて、ドライバビリティが低下する。そこで、減速要求から所定時間以内に加速要求の発生の可能性が大きい場合には、モータが回生状態になっても、変速比変更処理を実行しないようにすることで、減速要求後の加速要求時におけるドライバビリティを向上させることができる。
上記ハイブリッド車両の制御装置において、上記車両が走行している走行路が所定値以上の勾配を有する降坂路であるか否かを判定する降坂路判定部を更に備え、上記変速比変更部は、該変速比変更部による変更後の変速比を、上記降坂路判定部により上記走行路が所定値以上の勾配を有する降坂路であると判定された場合には、そうでないと判定された場合に比べて高速側にするように構成されている、ことが好ましい。
すなわち、車両が走行している走行路が所定値以上の勾配の降坂路である場合には、そうでない場合に比べて、加速要求時の変速段を高速側にすることができ、この結果、走行路が所定値以上の勾配の降坂路である場合において減速要求後に加速要求があっても、シフトダウン量が小さくて済み、減速要求時に、より高速側の変速比にしたとしても、その減速要求後の加速要求時におけるドライバビリティを低下させるようなことはない。しかも、より高速側の変速比にすることで、クラッチにおけるモータ側の摩擦板とエンジン側の摩擦板との間の回転数差をより一層小さくして、クラッチにおける損失をより一層低下させることが可能になる。
以上説明したように、本発明のハイブリッド車両の制御装置によると、エンジン制御部によりエンジンが停止状態にありかつクラッチ制御部によりクラッチが解放状態にあるときに、モータ制御部により制御されるモータにより上記車両が走行しているときにおいて、上記車両の乗員の減速要求によって、上記モータ制御部による制御により上記モータが回生状態になったときには、自動変速機の変速比を、変速比制御部による基本変速比から、該基本変速比よりも高速側の変速比に変更する変速比変更処理を実行する変速比変更部を備えるようにしたことにより、モータが回生状態になったときに、クラッチにおけるモータ側の摩擦板とエンジン側の摩擦板との間の回転数差を小さくして、クラッチにおける損失(引き摺り損失)を低下させることができ、よって、モータの回生効率を高くすることができる。
本発明の実施形態に係る制御装置が搭載されたハイブリッド車両のシステムの概要を示す図である。 VCMにおける制御の一例を示すフローチャートである。 ハイブリッド車両の車速、エンジン回転数、クラッチの状態、モータトルク、変速比変更処理の有無、及び、クラッチでの損失パワーの変化を示すタイムチャートである。 VCMにおける制御の別の例を示すフローチャートである。 下り勾配とバイアスの値との関係を示すマップである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る制御装置が搭載されたハイブリッド車両1(以下、単に車両1という)のシステムの概要を示す。この車両1は、エンジン2と、該エンジン2の動力伝達経路の下流側に設けられたモータ3と、該エンジン2と該モータ3との間に設けられ、エンジン2及びモータ3間の動力伝達の断接を行うクラッチC1と、該モータ3の動力伝達経路の下流側に設けられた自動変速機4(以下、単に変速機4という)とを備えている。変速機4の出力は、デファレンシャル装置6を介して左右の駆動輪8(図1では、一方の駆動輪8のみを示す)に伝達される。
クラッチC1は、オイルに浸された複数の摩擦板を有する湿式の多板クラッチであり、上記複数の摩擦板は、エンジン2側に連結されたエンジン側摩擦板とモータ3側に連結されたモータ側摩擦板とからなり、これらエンジン側摩擦板とモータ側摩擦板とが交互に並んで配設されている。
クラッチC1が締結状態にあるときには、基本的にエンジン2により変速機4を介して駆動輪8を駆動する一方、クラッチC1が解放状態にあるときには、モータ3により変速機4を介して駆動輪8を駆動する。本実施形態では、通常は、モータ3により駆動輪8を駆動し、所定以上の加速要求時等のように、モータ3では対応できない駆動力を必要とするときに、エンジン2により駆動輪8を駆動する。エンジン2により駆動輪8を駆動しているとき、モータ3は、エンジン2により駆動されて発電する発電状態になる。
変速機4は、変速機ケース4c内に、モータ3に連結される入力軸4aと、デファレンシャル装置6に連結される出力軸4bと、入力軸4aから出力軸4bへの複数の動力伝達経路(互いに変速比が異なる複数の動力伝達経路)を形成するための複数のプラネタリギヤセット(図示せず)と、上記複数の動力伝達経路の中から1つを選択して動力伝達経路(つまり変速比)を切り換えるためのクラッチC2とを有している。図1では、クラッチC2は、簡略化のために、1つしか描いていないが、実際には、複数あり、これら複数のうちの一部は、ブレーキとなる場合もある。ここでは、ブレーキも含めてクラッチC2と呼んでいる。
車両1には、車両1のアクセル開度(車両1の乗員によるアクセルペダルの踏込量)を検出するアクセル開度センサ112、車両1の車速を検出する車速センサ112、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数センサ113、車両1と該車両1の前方を走行する先行車との間の車間距離を検出するレーダー等の車間距離センサ114、車両1が走行する走行路の勾配を検出する勾配センサ115等の各種センサが設けられているとともに、これら各種センサからの情報が入力されるVCM(Vehicle Control Module)10が設けられている。VCM10は、上記各種センサからの情報を取得して、これらの情報に基づいて、エンジン2、モータ3、クラッチC1及び変速機4の変速比を制御する。VCM10は、個別のコントロールモジュール(PCM21及びTCM41)の制御を統合し、ハイブリッド車両1の全体を制御する、周知のマイクロコンピュータをベースとする制御装置である。
VCM10は、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラムおよびデータを格納するメモリと、種々の信号の入出力を行うための入出力(I/O)バスとを含む。上記PCM21及びTCM41も、VCM10と同様の構成のものである。
VCM10内には、エンジン2の作動を制御するエンジン制御部101と、モータ3の作動を制御するモータ制御部102と、クラッチC1の作動を制御するクラッチ制御部103と、変速機4の変速比を、後述の基本変速比になるように制御する変速比制御部104と、変速機4の変速比を、変速比制御部104による該基本変速比から後述の如く変更する変速比変更部105とが設けられている。
エンジン制御部101は、PCM(Powertrain ControlModule)21を介して、エンジン2の作動を制御する。すなわち、エンジン制御部101は、PCM21へエンジントルク指令値を出力し、これを受けてPCM21は、エンジントルクが当該指令値になるようにエンジン2への燃料供給量等を制御する。
エンジン2には、ベルト23を介してジェネレータ22が連結されている。このジェネレータ22は、停止した状態のエンジン2を始動させるためのものである。エンジン制御部101は、PCM21を介して、ジェネレータ22の作動も制御する。すなわち、エンジンの始動が必要になったときに、エンジン制御部101は、PCM21へエンジンON指令を出力し、これを受けてPCM21は、ジェネレータ22を作動させてエンジン2を始動する。
モータ3は、バッテリ31に充電された電気エネルギーにより駆動される電動機として動作するとともに、バッテリ31に電気エネルギーを充電する発電機として動作する。インバータ32は、VCM10のモータ制御部102により制御されて、モータ3の駆動及びモータ3による発電を制御する。具体的には、インバータ32は、モータ制御部102から出力される正のモータトルク指令値を受けると、モータトルクが当該指令値になるようにバッテリ31からモータ3への電力供給を制御する。これにより、モータ3は力行状態になる。一方、インバータ32は、モータ制御部102から出力される負のモータトルク指令値を受けると、モータトルクが当該指令値になるようにモータ3を発電させてその発電電力をバッテリ31に充電させる。こうしてモータ3は、モータ制御部102からの正又は負のモータトルク指令値に応じて、発電状態又は回生状態になる。このようにモータ制御部102は、インバータ32を介してモータ3の作動を制御することになる。
クラッチ制御部103は、クラッチC1に対してクラッチON/OFF指令を出力して、クラッチC1の締結/解放を制御する。クラッチC1は、クラッチ制御部103からクラッチON指令を受けたときには、締結状態となり、クラッチOFF指令を受けたときには、解放状態になる。
変速比制御部104は、TCM(Transmission ControlModule)41を介して、変速機4の変速比を制御する。すなわち、変速比制御部104は、TCM41に、変速機4の変速段(つまり変速比)をどの変速段にすべきかという要求変速段の情報と、この要求変速段に対応する、各クラッチC2に対するクラッチON/OFF指令とを出力する。変速比制御部104がTCM41に出力する上記要求変速段の情報は、車両1の走行状態(本実施形態では、アクセル開度センサ111によるアクセル開度、及び、車速センサ112による車速)に応じて予め設定された基本変速段(つまり、基本変速比)の情報である。車両1の走行状態(アクセル開度及び車速)と、該走行状態に応じた基本変速段との関係は、予めマップに設定されており、変速比制御部104は、アクセル開度及び車速から上記マップを用いて上記基本変速段を設定する。TCM41は、上記基本変速段の情報と、この基本変速段に対応する、各クラッチC2へのクラッチON/OFF指令とを受けて、各クラッチC2の締結/解放を制御して、変速機4の変速段を、車両1の走行状態に応じた上記基本変速段にする。すなわち、変速比制御部104は、変速機4の変速段(変速比)を、車両1の走行状態に応じた上記基本変速段(基本変速比)になるように制御することになる。
変速比変更部105は、エンジン制御部101によりエンジン2が停止状態にありかつクラッチ制御部103によりクラッチC1が解放状態にあるときに、モータ制御部102により制御されるモータ3により車両1が走行しているときにおいて、上記車両の乗員の減速要求によって、モータ制御部102による制御によりモータ3が回生状態になったときには、変速機4の変速段(変速比)を、変速比制御部104による上記基本変速段(基本変速比)よりも高速側の変速段(変速比)に変更する変速比変更処理を実行する。そして、変速比変更部105は、TCM41に、変速機4の変速段をどの変速段にすべきかという要求変速段の情報として、その変更後の変速段の情報を出力するとともに、この変更後の変速段に対応する、各クラッチC2へのクラッチON/OFF指令を出力する。モータ3が回生状態になったときに、変速比制御部104による上記基本変速段が例えば第3速であったとして、変速比変更部105により変速比変更処理が実行されると、変速機4の変速段が、基本変速段である第3速から、例えば第4速又は第5速に変更される(基本変速段に対して例えば1段又は2段シフトアップされる)ことになる。
本実施形態では、VCM10には、上記減速要求から所定時間以内に車両1の乗員の加速要求の発生の可能性が大きいか否かを判定する加速要求可能性判定部106と、車両1が走行している走行路が所定値以上の勾配の降坂路であるか否かを判定する降坂路判定部107とが更に設けられている。尚、これら加速要求可能性判定部106及び降坂路判定部107は必須のものではなく、その両方又はいずれか一方がなくてもよい。
加速要求可能性判定部106は、例えば、車間距離センサ114により検出された車間距離が所定距離以下であるときに、上記可能性が大きいと判定する。すなわち、車両1とその前方の先行車との間の車間距離が上記所定距離以下であるような状況では、車両1は、上記先行車に追従走行することになり、加速及び減速が繰り返し頻繁に行われる可能性が大きいので、上記減速要求から上記所定時間以内の加速要求の発生の可能性が大きいと判定する。
これに代えて、又は、これに加えて、加速要求可能性判定部106は、上記のようにモータ3が回生状態になった時点(つまり、モータトルクが正の値から負の値に切り換わった時点(以下、切換え時点という))の前後で、モータトルクの低下速度が大きいときに、上記減速要求から上記所定時間以内の加速要求の可能性が大きいと判定するようにしてもよい。すなわち、上記切換え時点に対して第1基準時間(例えば1秒〜数秒)前の時点から該切換え時点までの間の正のモータトルクの低下量ΔT1が第1基準値Ta以上であるときには、上記減速要求から上記所定時間以内の加速要求の可能性が大きいと判定する。また、上記切換え時点から、第2基準時間(例えば1秒〜数秒)経過後までの間の負のモータトルクの低下量ΔT2(モータトルクの絶対値では、増大量)が第2基準値Tb以上であるときにも、上記減速要求から上記所定時間以内の加速要求の可能性が大きいと判定する。このようにモータトルクの低下速度(第1又は第2基準時間内のモータトルクの低下量)が大きいということは、急激な減速が行われたということであり、急減速の後には、速度を回復するべく加速される可能性が大きいので、上記減速要求から上記所定時間以内の加速要求の発生の可能性が大きいと判定する。一方、緩やかに減速している場合には、その減速が上記所定時間以上継続する(加速要求が生じない)ものと判定することができ、上記可能性は大きくないと判定する。
降坂路判定部107は、勾配センサ115からの情報に基づいて、車両1が走行している走行路が所定値以上の勾配を有する降坂路であるか否かを判定する。尚、勾配センサ115に代えて加速度センサを設けて、該加速度センサ及び車速センサからの情報とモータトルクとから、上記走行路が所定値以上の勾配を有する降坂路であるか否かを判定するようにしてもよい。
変速比変更部105は、エンジン制御部101によりエンジン2が停止状態にありかつクラッチ制御部103によりクラッチC1が解放状態にあって、モータ制御部102により制御されるモータ3により車両1が走行しているときにおいて、車両1の乗員の減速要求によって、モータ制御部102による制御によりモータ3が回生状態になっても、上記加速要求可能性判定部106により上記可能性が大きいと判定された場合には、上記変速比変更処理を実行しないように構成されている。
すなわち、モータ3が回生状態になったときに変速比変更処理を実行して高速側の変速比にした後、上記所定時間以内に加速要求があると、この加速要求に対応して、その高速側の変速比から低速側の変速比に切り換える(シフトダウンする)必要が生じ、シフトアップ後の短時間の間に大きなシフトダウンが生じて、ドライバビリティが低下する。本実施形態では、そのようなライバビリティの低下を防止するために、変速比変更部105は、加速要求可能性判定部106により上記可能性が大きいと判定された場合には、変速比変更処理を実行しないようにする。
また、変速比変更部105は、該変速比変更部105による変更後の変速比を、上記降坂路判定部107により上記走行路が上記所定値以上の勾配を有する降坂路であると判定された場合には、そうでないと判定された場合に比べて高速側にする。例えば、上記走行路が上記所定値以上の勾配を有する降坂路でない場合(つまり、平坦路や登坂路である場合)には、変速機4の変速段が、基本変速段に対して1段シフトアップした変速段にされ、上記走行路が上記所定値以上の勾配を有する降坂路である場合には、基本変速段に対して2段シフトアップした変速段にされる。
すなわち、上記走行路が所定値以上の勾配の降坂路である場合には、そうでない場合に比べて、加速要求時の変速段を高速側にすることができ、この結果、上記走行路が所定値以上の勾配の降坂路である場合において減速要求後に加速要求があっても、シフトダウン量が小さくて済み、減速要求時に、より高速側の変速比にしていたとしても、その減速要求後の加速要求時におけるドライバビリティを低下させるようなことはない。しかも、より高速側の変速比にすることで、クラッチC1における損失をより一層低下させることが可能になる。
次に、VCM10における制御(モータ3が回生状態になったときの変速比の変更に関する制御)の一例について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS1で、各種センサから情報を取得し、次のステップS2で、エンジン2が停止状態にあるか否かを判定する。このステップS2の判定がNOであるときには、上記ステップS3に進んで、変速比制御部104において、変速機4の変速段を基本変速段にし、しかる後にリターンする。
上記ステップS2の判定がYESであるときには、ステップS4に進んで、クラッチC1が解放状態にあるか否かを判定する。このステップS4の判定がNOであるときには、上記ステップS3に進む。
上記ステップS4の判定がYESであるときには、ステップS5に進んで、車両1の乗員の減速要求によって、モータ3が回生状態にあるか否かを判定する。このステップS5の判定がNOであるときには、上記ステップS3に進む。
上記ステップS5の判定がYESであるときには、ステップS6に進んで、加速要求可能性判定部106において、上記減速要求から上記所定時間以内に車両1の乗員の加速要求の発生の可能性が大きいか否か(例えば、車間距離センサ114により検出された車間距離が上記所定距離以下であるか否か)を判定する。このステップS6の判定がYESであるときには、上記ステップS3に進む。
上記ステップS6の判定がNOであるときには、ステップS7に進んで、降坂路判定部107において、車両1が走行している走行路が上記所定値以上の勾配を有する降坂路であるか否かを判定する。
上記ステップS7の判定がNOであるときには、ステップS8に進んで、変速比変更部105において、変速機4の変速段を、上記基本変速段に対して1段シフトアップした変速段にし、しかる後にリターンする。一方、上記ステップS7の判定がYESであるときには、ステップS9に進んで、変速比変更部105において、変速機4の変速段を、上記基本変速段に対して2段シフトアップした変速段にし、しかる後にリターンする。
上記ステップS7及びS8では、変速比変更部105により、変速機4の変速段が、基本変速比よりも高速側の変速比に変更する変速比変更処理が実行されて、基本変速段に対して1段又は2段シフトアップした変速段にされることになる。そして、変速比変更部105による変更後の変速比は、降坂路判定部107により上記走行路が上記所定値以上の勾配を有する降坂路であると判定された場合(ステップS7の判定がYESである場合)には、そうでないと判定された場合(ステップS7の判定がNOである場合)に比べて高速側にされることになる。
ここで、車両1の車速、エンジン回転数、クラッチC1の状態(締結状態又は開放状態)及びモータトルクが、図3のように変化したとする。すなわち、時刻t1までは、乗員1の加速要求により加速しており、このとき、モータ3では対応できないので、エンジン2で駆動輪8を駆動しており、モータ3は、発電状態になっている(モータトルクは負の値になっている)。やがて、要求される加速のレベルが小さくなって、時刻t1で、モータ3による走行に切り換えられる(モータトルクは正の値になる)。これにより、エンジン2が停止状態になるとともに、クラッチC1が解放状態になる。
時刻t1から時刻t2まで、要求される加速のレベルが徐々に小さくなり、正のモータトルクが徐々に小さくなる。そして、時刻t2で、減速要求に変わり、これにより、モータ3が回生状態になる(モータトルクが正の値から負の値になる)。本例では、急激な減速ではなく、上記低下量ΔT1が上記第1基準値Taよりも小さく、かつ、上記低下量ΔT2が上記第2基準値Tbよりも小さい。つまり、加速要求可能性判定部106において、上記減速要求(時刻t2)から上記所定時間以内の加速要求の発生の可能性が大きいとは判定されない。
そして、図3の下から2番目の欄のグラフに示すように、時刻t2で、変速比変更部105による変速比変更処理が実行され(例えば、基本変速段に対して1段シフトアップされ)、該変速比変更処理が時刻t3まで継続する。時刻t3と時刻t2との間の時間(t3−t2)は、上記所定時間よりも長い。時刻t2から時刻t3までの間、図3の下から2番目の欄のグラフにて二点鎖線で示すように、変速比変更処理が実行されないとすると、クラッチC1での損失パワーは、図3の最下欄のグラフにて二点鎖線で示すように変化するが、変速比変更処理が実行されることにより、最下欄のグラフで実線で示すように、クラッチC1での損失パワーが、変速比変更処理が実行されない場合よりも低下することになる。尚、クラッチC1が締結状態にあるとき(時刻t1以前、及び、時刻t4以降)には、クラッチC1での損失パワーは0になる。
時刻t3で、再び加速要求がなされ、モータトルクが負の値から正の値に切り換わり、時刻t4で、モータ3では対応できないので、エンジン2を始動し、クラッチC1を締結状態にしてエンジン2で駆動輪8を駆動する。このとき、モータ3は、時刻t1以前と同様に、発電状態になる(モータトルクは負の値になる)。
次に、VCM10における制御の別の例について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS21〜S25では、それぞれ上記ステップS1〜S5と同様の処理動作を実行し、ステップS25の判定がNOであるときには、ステップS23に進んで、変速機4の変速段を上記基本変速段にし、しかる後にリターンする。一方、ステップS25の判定がYESであるときには、ステップS26に進む。
上記ステップS26では、上記低下量ΔT1を算出し、次のステップS27で、その低下量ΔT1が上記第1基準値Ta以上であるか否かを判定する。このステップS27の判定がYESであるときには、上記ステップS23に進む。
一方、上記ステップS27の判定がNOであるときには、ステップS28に進んで、上記低下量ΔT2を算出し、次のステップS29で、その低下量ΔT2が上記第2基準値Tb以上であるか否かを判定する。このステップS29の判定がYESであるときには、上記ステップS23に進む。
一方、上記ステップS29の判定がNOであるときには、ステップS30に進んで、第1損失パワーを算出する。この第1損失パワーは、変速機4の変速段を基本変速段にしたときの、クラッチC1での損失パワー、モータ3での損失パワー、及び、変速機4での損失パワーを含むトータル損失パワーである。尚、クラッチC1での損失パワー、モータ3での損失パワー、及び、変速機4での損失パワーは、変速機4の変速段毎に、VCM10のメモリに記憶されている。
次のステップS31では、第2損失パワーを算出する。この第2損失パワーは、変速機4の変速段を、基本変速段に対して1段シフトアップしたときの上記トータル損失パワーに、下り勾配を考慮するためのバイアス分を加えた値である。
次のステップS32では、第3損失パワーを算出する。この第3損失パワーは、変速機4の変速段を、基本変速段に対して2段シフトアップした変速段にしたときの上記トータル損失パワーに上記バイアス分を加えた値である。
上記バイアスの値は、例えば図5に示すようなマップとしてVCM10のメモリに記憶されている。これによると、上記バイアスの値は、下り勾配が大きいほど、小さくなる値であり、また、変速機4の変速段を、基本変速段に対して1段シフトアップした変速段にしたときのバイアスの方が、2段シフトアップした変速段にしたときのバイアスよりも小さい。
次のステップS33では、上記第1損失パワー、第2損失パワー及び第3損失パワーの中から最小損失パワーを選択し、当該最小損失パワーとなる変速段を選択する。
次のステップS34では、上記最小損失パワーとなる変速段でのモータ3の回転数が、所定回転数よりも大きいか否かを判定する。すなわち、モータ3の回転数が上記所定回転数以下であると、クラッチC1を締結したときに、エンジン2が必要なトルクを出せなくなるので、そのような低い回転数にならないようにするために、上記ステップS34の判定を行う。上記所定回転数は、例えば1000rpmである。
上記ステップS34の判定がNOであるときには、上記最小損失パワーとなる変速段に対して1段シフトダウンした変速段にして、ステップS36に進む。一方、上記ステップS34の判定がYESであるときには、そのままステップS36に進む。
上記ステップS36では、車間距離センサ114により検出された車間距離が上記所定距離以下であるか否かを判定する。このステップS36の判定がYESであるときには、上記ステップS23に進む一方、ステップS36の判定がNOであるときには、そのままリターンする。
上記制御の別の例では、モータ3が回生状態になったときの変速機4の変速段を、トータル損失パワーが最も小さい変速段にするので、基本変速段にする可能性もあるが、モータ3での損失パワーや変速機4での損失パワーは、変速段によって大きく相違することはなく、変速段によってクラッチC1の損失パワーが大きく異なるので、基本的には、第1損失パワーよりも第2損失パワーが小さくなり、第2損失パワーよりも第3損失パワーが小さくなる。但し、上記バイアスにより、下り勾配が上記所定値よりも小さい、例えば平坦路又はそれに近い降坂路では、第3損失パワーの方が第2損失パワーよりも大きくなって、第2損失パワーが最も小さくなり、下り勾配が上記所定値以上であれば、第3損失パワーが最も小さくなる。この結果、変速比変更部105により、変速機4の変速段は、上記基本変速段に対して1段又は2段シフトアップした変速段に変更され、その変更後の変速段は、車両1が走行している走行路が上記所定値以上の勾配を有する降坂路であると判定された場合には、そうでないと判定された場合に比べて高速側になることになる。
尚、変速機4の変速段を、上記基本変速段に対して1段又は2段シフトアップした変速段にしたとしても、モータ3の回転数が所定回転数以下であれば、上記最小損失パワーとなる変速段に対して1段シフトダウンした変速段にされることになる。
また、上記制御の別の例では、上記ステップS27,S29,S36が、加速要求可能性判定部106における、上記減速要求から上記所定時間以内に車両1の乗員の加速要求の発生の可能性が大きいか否かという判定に相当し、その可能性が大きいと判定されたとき(上記ステップS27,S29,S36の各判定がYESであるとき)には、変速比変更部105による上記変速比変更処理が実行されず、変速機4の変速段は上記基本変速段とされる。
したがって、本実施形態では、エンジン2が停止状態にありかつクラッチC1が解放状態にあるときに、モータ3により車両1が走行しているときにおいて、車両1の乗員の減速要求によって、モータ制御部102による制御によりモータ3が回生状態になったときには、変速比変更部105が、変速機4の変速比を、変速比制御部104による基本変速比から、該基本変速比よりも高速側の変速比に変更する変速比変更処理を実行するようにしたので、モータ3が回生状態になったときに、変速機4の入力軸の回転数、つまりモータ3の回転数が、変速比変更処理を実行しない場合よりも低下し、これにより、クラッチC1におけるモータ摩擦板とエンジン側摩擦板との間の回転数差が小さくなり、その結果、クラッチC1における損失(引き摺り損失)が低下する。このクラッチC1における損失の低下分だけ、車両1の走行抵抗が軽減され、よって、モータ3の回生効率を高くすることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、エンジンと、該エンジンの動力伝達経路の下流側に設けられたモータと、該エンジンと該モータ間に設けられたクラッチと、該モータの動力伝達経路の下流側に設けられた自動変速機とを備えるハイブリッド車両の制御装置に有用である。
1 ハイブリッド車両
2 エンジン
3 モータ
4 自動変速機
10 VCM(制御装置)
101 エンジン制御部
102 モータ制御部
103 クラッチ制御部
104 変速比制御部
105 変速比変更部
106 加速要求可能性判定部
107 降坂路判定部
C1 エンジン及びモータ間の動力伝達の断接を行うクラッチ

Claims (3)

  1. エンジンと、該エンジンの動力伝達経路の下流側に設けられたモータと、該エンジン及び該モータ間の動力伝達の断接を行うクラッチと、該モータの動力伝達経路の下流側に設けられた自動変速機とを備えるハイブリッド車両の制御装置であって、
    上記エンジンの作動を制御するエンジン制御部と、
    上記モータの作動を制御するモータ制御部と、
    上記クラッチの作動を制御するクラッチ制御部と、
    上記自動変速機の変速比を、上記車両の走行状態に応じて予め設定された基本変速比になるように制御する変速比制御部と、
    上記エンジン制御部により上記エンジンが停止状態にありかつ上記クラッチ制御部により上記クラッチが解放状態にあるときに、上記モータ制御部により制御される上記モータにより上記車両が走行しているときにおいて、上記車両の乗員の減速要求によって、上記モータ制御部による制御により上記モータが回生状態になったときには、上記自動変速機の変速比を、上記変速比制御部による上記基本変速比から、該基本変速比よりも高速側の変速比に変更する変速比変更処理を実行する変速比変更部とを備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    上記減速要求から所定時間以内に上記車両の乗員の加速要求の発生の可能性が大きいか否かを判定する加速要求可能性判定部を更に備え、
    上記変速比変更部は、上記エンジン制御部により上記エンジンが停止状態にありかつ上記クラッチ制御部により上記クラッチが解放状態にあって、上記モータ制御部により制御される上記モータにより上記車両が走行しているときにおいて、上記車両の乗員の減速要求によって、上記モータ制御部による制御により上記モータが回生状態になっても、上記加速要求可能性判定部により上記可能性が大きいと判定された場合には、上記変速比変更処理を実行しないように構成されていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1又は2記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    上記車両が走行している走行路が所定値以上の勾配を有する降坂路であるか否かを判定する降坂路判定部を更に備え、
    上記変速比変更部は、該変速比変更部による変更後の変速比を、上記降坂路判定部により上記走行路が所定値以上の勾配を有する降坂路であると判定された場合には、そうでないと判定された場合に比べて高速側にするように構成されていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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