JP2016204864A - ハイブリッドフレームと合板又はclt板等の組合せ構造 - Google Patents

ハイブリッドフレームと合板又はclt板等の組合せ構造 Download PDF

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Junichi Tezuka
純一 手塚
勝 北構
Masaru Kitakamae
勝 北構
寛之 門馬
Hiroyuki Momma
寛之 門馬
慎一 手塚
Shinichi Tezuka
慎一 手塚
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Abstract

【課題】地震力(水平荷重)を負担する耐震開口フレームと鉛直荷重を負担する軽量形鋼を組み合わせたハイブリッドフレームに対し水平構面の床剛性を高められる構造を付加する。【解決手段】一対の縦部材(41)と一対の縦部材(41)の上端間に横架された横部材とを少なくとも有する耐震開口フレーム(4)における横部材(40)と、横部材(40)の上方に同じ全長をもって配置された上弦材(3)と、横部材(40)及び上弦材(3)の双方の少なくとも全長に亘って延在しかつ双方の両側面に留め具により緊結された一対の軽量形鋼(2)と、を具備するハイブリッドフレーム(1)と、ハイブリッドフレーム(1)の上面に、一体となるべく留め具により張り付けられた床材(8)としての合板又はCLT板等と、を有するハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造である。【選択図】図2

Description

本発明は、木造建築物の躯体構造に関し、とくに、開口部の耐震化及び大空間を実現するため耐震開口フレームと軽量形鋼からなるハイブリッドフレームを構成し、さらに床用の合板(構造用・厚手)又はCLT板(Cross Laminated Timber)やLVB板(Laminated Veneer Board)などを組合わせた構造に関する。
今、木造建築物は地球規模で環境保全の一翼としてCOの固定化に向け注目されている。そのため、専門家らの技術開発が試みられ、木質部材の工業化からシステム構築に至るアイテムは多様で、建築市場性は活性化している。そんな中、木造建築物のあり方として中スパンによる大空間のニーズが注目され、産・学・官による研究・開発や実践に向けた環境都市の期待が高まっている。そこで、安定した性能木材である集成材やLVLといったエンジニアリングウッドによる構造システムも、ようやく生産・供給も可能となってきたた。しかし、それらの利用は、大スパン・空間構成のため一定の大きさを超えた大断面(120×450以上)を余儀なくされるため必然的に高コストが課題となっている。
図16及び図17に示すように、木造建築物における従来の一般的な大スパン技術は、木造軸組構造体に軽量形鋼の一種である軽みぞ形鋼を二枚合わせで用いるものである。図16に示すように一定間隔で配置した木束5を両側面から二枚の軽みぞ形鋼2により挟み、ボルトとナットで緊結した梁である。図16、図17に示す梁は、「木造軽量梁」と通称され、鉛直方向の荷重に対する梁とされている。
特許文献1の木材からなる心材の両側面に断面コ字薄板軽量形鋼を用いて床支持部材及び床支持構造が開示されている。
また、特許文献2には、地震力(水平力)に対して抵抗する構造躯体に組込んで用いる門型及び箱型の耐震用フレームが開示されている。これらは構造躯体の開口部となる部位で、筋かい、構造用合板、鉄筋バットレスなどと同様に地震力などの水平力に有効な耐力壁効果をもたらす。
さらに、特許文献3には、木質部材と引張りボルト、繊維シート、柱脚金物などから成る門型の開口フレームが開示されている。
特許文献4には、木造建築物において耐震開口フレームと軽量形鋼とを融合させたハイブリッドフレームが開示されている。ここで「ハイブリッドフレーム」とは、木と鉄の異質素材を融合させたことを意味する。また、「合成梁」とは、複数の部材を一体化して構成した梁を意味する。特許文献4の「合わせ梁」は合成梁と同じ意味である。
特開2005−155027号公報 特開平9−119170号公報 特開2006−46055号公報 登録実用新案第3189392号公報
しかしながら、従来、大断面の構造材は、施工性や材料供給市場などの点で問題も多い。つまり、単に大スパン化に対応する断面性能を上げるだけの大断面集成梁や大断面コ字薄板軽量形鋼を用いた場合、コストアップや施工の手間の増加につながる。また、大断面の潜在的悩みである自重増による曲げモーメント及びたわみが増大する等により、特注品での対応となるが、そのことが材料供給の不安定や数倍の単価アップを招くという矛盾が障壁となっている。
さらに、従来の木造建築物の床組では、水平構面の床剛性がなく、火打ち梁や丸鋼などによる水平ブレスを取り付ける必要があり、作業性が悪い。
また、特許文献1の合成梁では、軽量形鋼は梁部材の両端部の柱以外の部分にのみ固定されており、床支持部材としての梁部材の曲げ剛性を高める効果しか得られない。軽量形鋼のみの合成梁では耐力壁不足及び水平構面の床剛性不足を十分に補うことはできず、建物全体の変形を防ぐことができない。
また、特許文献2、3を利用して、大開口、大スパン、大空間の木造構造躯体を強化した特許文献4は、耐力壁不足を補強するには有効であるが、水平構面の床剛性不足についてはさらに強化が要望されている。
以上の現状に鑑み本発明は、木造建築物の大開口化及び大スパン化に対応するべく、地震力(水平荷重)を負担する耐震開口フレームと鉛直荷重を負担する軽量形鋼を組み合わせたハイブリッドフレームに対し、さらに水平構面の床剛性を高められる合板又はCLT板等の構造を付加することで小梁及び根太を省略して大幅なコストダウン及び工期短縮を目的とする。
上記目的を達成するべく本発明は、新規の構造材として注目されている合板又はCLT板等をハイブリッドフレームと組み合わせた構造を提供する。具体的には以下の構成を有する。なお、括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり参考のために付するものである。
本発明の態様は、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造であって、一対の縦部材(41)と前記一対の縦部材(41)の上端間に横架された横部材(40)とを少なくとも有する耐震開口フレーム(4)における前記横部材(40)と、
前記横部材(40)の上方に同じ全長をもって配置された上弦材(3)と、
前記横部材(40)及び前記上弦材(3)の双方の少なくとも全長に亘って延在しかつ双方の両側面に留め具により緊結された一対の軽量形鋼(2)と、を具備するハイブリッドフレーム(1)と、
前記ハイブリッドフレーム(1)の上面に留め具により張り付けられた床材としての合板又はCLT板等(8)と、を有する。
上記態様において、壁材としての合板又はCLT板等(8’)をさらに有してもよい。
上記態様において、前記耐震開口フレーム(4)における前記横部材(40)の上方に前記上弦材(3)が隙間なく配置されていてもよい。
上記態様において、前記耐震開口フレーム(4)における前記横部材(40)の上方に前記上弦材(3)が所定の隙間を介在させて配置されており、前記隙間に長さ方向に所定の間隔にて木束(5)が配置され、前記一対の軽量形鋼(2)は前記木束(5)の両側面に対しても留め具により緊結されていてもよい。
上記態様において、前記留め具がボルトとスプリングワッシャーとナットである。
上記態様において、前記留め具が木ビス又はラグスクリューボルトである。
本発明では、耐震開口フレームの横部材と上弦材と軽量形鋼とを具備するハイブリッドフレームに、床材としての合板又はCLT板等、又は、床材及び壁材としての合板若しくはCLT板等を組み合わせた構造により、ハイブリッドフレームの梁成を小さくできる。鋼材の軽量形鋼は、一般流通品なので安価であり、軽量であるため施工性がよい。特に、信頼性の高い耐震開口フレームとの組み合わせは、合成梁の理論による安全かつ安定的な部材及びその架構システムを実現できる。これにより、大開口、大スパン、大空間へのニーズに対応した住宅、店舗及び事務所などの提供が可能となる。
本発明による、ハイブリッドフレームとCLTの組合せ構造の具体的効果は以下の通りである。
イ.地震力(水平荷重)を負担する耐震開口フレームと、鉛直荷重を負担する軽量形鋼を組み合わせたハイブリッドフレームにより、大開口、大スパン、大空間を設けた場合に不利となる耐力壁不足を補う。同時に、剛性の高い合板又はCLT板等を床全面に用いることにより、水平構面の床剛性が得られる。この結果、従来の火打ち梁や丸鋼などによる水平ブレス、及び小梁や根太を取り付ける必要が無く、建物全体の変形を防止して耐震性を高められる。
ロ.耐震開口フレームの横部材を下弦材とし、軽量形鋼の梁上部の繋ぎ材に床材の合板又はCLT板等も含めて広い意味での上弦材とした合成梁と考えることもできる。この結果、軽量でありながら梁材としての曲げ及びたわみに対する抵抗性能が向上する。
ハ.従来から木造の大スパン化に用いられてきた信頼性の高い軽量形鋼と、コーナー部を剛接合として耐震性が評価されている耐震開口フレームの横部材の下弦材と、合板又はCLT板等も一体に含む広い意味での上弦材とにより、鉛直荷重と水平荷重の両荷重を受け持つ架構システムを構築できる。
ニ.それぞれの部材及びパーツとしての役割を理論付けることができ、特殊かつラーメン的な構造計算を必要とせず、安価で使いやすい架構システムの構築が可能である。
ホ.柱に取り付けるコーナー部や柱脚部の剛性度をさらに高めることにより、鉛直力と水平力を同時に受け持つラーメン化も可能としている。
図1は、本発明の概要を説明するために各構成要素を一部切り欠いて示した木造建築物の軸組斜視図である。 図2は、図1に概略的に示した木造建築物の構造躯体の一実施例の主要部のみを示した概略斜視図である。 図3は、図1に概略的に示した木造建築物の構造躯体の別の実施例の主要部のみを示した概略斜視図である。 図4は、図1に概略的に示した木造建築物の構造躯体の別の実施例の主要部のみを示した概略斜視図である。 図5は、図1に概略的に示した木造建築物の構造躯体の別の実施例の主要部のみを示した概略斜視図である。 図6は、図1に概略的に示した木造建築物の構造躯体の別の実施例の主要部のみを示した概略斜視図である。 図7は、図4の実施例を用いて、ハイブリッドフレーム及び合板又はCLT板等の概略断面を示した図である。 図8は、図4の実施例を用いて、ハイブリッドフレーム及び合板又はCLT板等の概略断面を示した図である。 図9は、図4の実施例を用いて、ハイブリッドフレーム及び合板又はCLT板等の概略断面を示した図である。 図10は、耐震開口フレーム4のフレームコーナー端部及び柱頭接合部の繊維シートなどによる剛接合化部分を示す図面である。 図11は、本発明を、1階建ての店舗軸組の小屋梁に適用した例を概略的に示す図である。 図12は、本発明を、2階建ての住宅軸組の1階部分の大スパン化に適用した例を概略的に示す図である。 図13は、図2に示したハイブリッドフレームの実施例の変形例を示しており(a)は断面図、(b)は一端側の正面図である。(c)は、CLT8を床材として用いる場合の従来の合成梁の例である。 (a)(b)は、それぞれCLT及び構造用合板を床材として用いる場合の取り付け方法を示した図である。 図15(a)(b)(c)は、本発明のハイブリッドフレーム(合板又はCLT板等は図示を省略)における耐震開口フレームの横部材と、上弦材と、軽量形鋼の配置例を示したものである。 図16は、 従来の軽量形鋼梁の実施例斜視図である。 図17は、従来の軽量形鋼梁の実施例写真である。
以下、本発明の実施例を示した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。各図面において、共通の構成要素には同じ符号を付し、繰り返しの説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の概要を説明するために各構成要素を一部切り欠いて概略的に示した木造建築物の軸組斜視図である。
図1の木造建築物では、複数の門型の耐震開口フレーム4が一列に、建物内部の大空間の両側の柱11の内側にそれぞれ取り付けられている。柱11は、構造躯体の一部である。耐震開口フレーム4は、一対の縦部材41とそれらの上端間に横架された横部材40とを有する。縦部材41と横部材40は剛接合されている。縦部材41は、所定間隔にてラグスクリューボルト4Aにより柱11に緊結されている。また、縦部材41は、柱脚金物4Bにより基礎に緊結されている。
耐震開口フレームは門型タイプと箱型タイプがあり、本発明はいずれを選択しても可能である。
本発明の、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造は、ハイブリッドフレーム1と、その上面に一体化された床材としての合板又はCLT板等8とを有する。ここで、「合板又はCLT板等」とは、床用の合板(構造用合板及び厚手合板を含む)、又は、CLT板(Cross Laminated Timber)若しくはLVB板(Laminated Veneer Board)などの板材を意味する。また、CLTとは、Cross Laminated Timberの略称で、挽き板の各層を繊維方向が互いに直交するように積層接着した大型のパネルを示す用語である。
先ず、ハイブリッドフレーム1について説明する。ハイブリッドフレーム1は、耐震開口フレーム4の横部材40と、横部材40の上方に配置された上弦材3と、横部材40及び上弦材3の双方の両側面に留め具によりそれぞれ緊結された一対の軽量形鋼2とを具備する。上弦材3は横部材40と同じ全長である。また、軽量形鋼2は、横部材40及び上弦材3の双方の全長に亘って延在し、さらに軽量形鋼2の両端部は柱11の側面まで延在している。さらに、耐震開口フレーム4及び上弦材3においては、全長を3分割や2分割して全長に亘って延在させることも可能である。
図示の例では、横部材40と上弦材3の間に隙間があり、所定の間隔で木束5が配置されている。別の例では、横部材40の上に隙間無く上弦材3が配置される場合もある。
軽量形鋼2は、ボルトとスプリングワッシャーとナットである留め具2Aにより、横部材40、上弦材3、木束5、柱11に緊結されている。これによりハイブリッドフレーム1が一体化されている。図1を含め、以下に示す実施例の軽量形鋼2は軽みぞ形鋼であるが、別の例としてリップみぞ形鋼でもよい。
ハイブリッドフレーム1により、大開口、大スパン、大空間を設けた場合に不利となる耐力壁不足を補い、建物全体の変形を防止して耐震性を高めている。
本発明では、ハイブリッドフレーム1の上面に床材として合板又はCLT板等8が張り付けられている。合板又はCLT板等8は、ハイブリッドフレーム1と一体となるべく適宜の留め具により緊結されている。この場合、ハイブリッドフレーム1と合板又はCLT板等8とが一体化することにより、上弦材3にCLTを含めた構造材が広い意味での上弦材として機能する。床材としての合板又はCLT板等8は、水平構面の床剛性不足を補い、床剛性が強化される。
本発明では、合板又はCLT板等8がハイブリッドフレーム1と一体化されるので、従来、合板又はCLT板等を設置する際に必要であったかなりの個数の金具が不要となるという利点がある。この金具は、例えば、合板又はCLT板等同士を垂直に接続する際の断面L型の金具や、合板又はCLT板等を床材として並べて敷設する際に隣り合う合板又はCLT板等を連結する平板状の金具であり、多くの個数と取付け手間を要していた。
図2〜図6は、図1に概略的に示した木造建築物の構造躯体のいくつかの実施例の主要部のみを示した概略斜視図である。
図2の実施例では、耐震開口フレーム4の横部材40と上弦材3が隙間なく配置されている。それらの両側面に軽量形鋼2を当接させ、所定の間隔にボルトとスプリングワッシャーとナット2Aにより緊結している。これにより、ハイブリッドフレーム1全体としてのモーメント抵抗を大きくすることができる。また、図示の例では、ハイブリッドフレーム1の両端部の柱11に取り付ける部分(軽量形鋼2の両端部)をボルトとスプリングワッシャーとナット2Aによる緊結としている。別の例として、これらを木ビスやジベルなどを用いたモーメント抵抗接合とした場合、ハイブリッドフレーム1によるラーメン化も可能となる。
本発明では、床材としての合板又はCLT板等8が、ハイブリッドフレーム1の上面に適宜の留め具(図示せず)により張り付けられている。合板又はCLT板等8の端部は、柱11を囲むように延在している。合板又はCLT板等8は、建物の床全面に張り付けられることが好適である。合板又はCLT板等8がハイブリッドフレーム1と一体化することにより、水平構面の床剛性が補強される。上弦材3の上面に当接している合板又はCLT板等8の部分は、上弦材3と一体化することにより、広い意味での上弦材として機能する。
図3の実施例では、耐震開口フレーム4の横部材40と上弦材3が隙間なく配置されている。それらの両側面に軽量形鋼2を当接させ、所定の間隔に木ビス又はラグスクリューボルト2Bにより緊結している。床材としての合板又はCLT板等8は、図2と同様に張り付けられている。
図4の実施例では、耐震開口フレーム4の横部材40と上弦材3との間に所定の隙間を設けられている。この隙間に、所定間隔に木束5を設けている。この構成により、ハイブリッドフレーム1において応力の小さい、梁スパンの1/4以内に配管や換気ダクトなどのためのスリーブ孔2Cを設けることができる。
図5の実施例では、図2の実施例にさらに、壁材としての合板又はCLT板等8’を付加している。壁材としての合板又はCLT板等8’は、床材としての合板又はCLT板等8の上面に載置されるように隣り合う柱11の間に取り付けられている。この場合、合板又はCLT板等8は真壁を形成することになる。
図6の実施例は、壁材としての合板又はCLT板等8’を付加する場合の別の例である。壁材としての合板又はCLT板等8’は、床材としての合板又はCLT板等8の側面に当接するように柱11の外面に取り付けられている。この場合、合板又はCLT板等8’は大壁を形成することになる。
図7〜図9は、図4の実施例を用いて、ハイブリッドフレーム1及び合板又はCLT板等8の概略断面を示した図である。これらの図面により、本発明の、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造の構造力学性能を説明する。
図7は、本発明のハイブリッドフレーム1及び合板又はCLT板等8の概略断面を示している。合板又はCLT板等8は、留め具8Aにより軽量形鋼2と一体化されるように固定される。
鉛直荷重による長期モーメントMoを単純梁モーメントとしている。上弦材3と、耐震開口フレーム4の横部材40の軽量形鋼2底部ライン(点線)より上部の部分40’と、軽量形鋼2との組合せによるハイブリッドフレーム1としている。耐震開口フレーム4の横部材上部40’部分を安全率を持った下弦材として適用断面性能での合成を可能としている。
図8は、鉛直荷重による長期単純たわみ量δmaxが、上弦材3と、軽量形鋼2と、耐震開口フレーム4の横部材40の合成全断面性能で対応可能となることを示している。このことは、梁に生じるたわみ量は長期のみの荷重で評価されることを意味する。地震時のたわみ量は、検討外の要求性能と位置づけられる。つまり、構造計算外のことである。そこで、もっぱら地震時の水平荷重で計画された耐震開口フレーム4は、鉛直荷重に対抗する能力を除外してきたが、鉛直力に対する抵抗を潜在的に有するので、構造設計上たわみ量のチェックは耐震開口フレーム4の横部材40の断面を加算する。
図9は、水平荷重における地震時モーメントMeを耐震開口フレーム4の横部材40全体で負担するよう計画する。後述する図10で示すフレームコーナー端部及び柱頭接合部の繊維シート4Cなどによる剛接合化により実施されている。
ハイブリッドフレーム1及び合板又はCLT板等8を組み合わせた構成により、軽量で梁材としての曲げ及びたわみに対する抵抗性能が向上する。尚、特に図示していないが、2階などの床張りに用いる場合は上弦材3を軽量形鋼2より少し上げて用いる。これにより上弦材3などの乾燥による木痩せによる床鳴り防止やハイブリッドフレーム1の盛り上がりを防止することができる。
図10は、耐震開口フレーム4のフレームコーナー端部及び柱頭接合部の繊維シート4Cなどによる剛接合化部分を示す図面である。
図11は、本発明を、1階建ての店舗軸組の小屋梁に適用した例を概略的に示す図である。なお、合板又はCLT板等8は一部のみを示しているが、全面に張り付けられることが好ましい。
図12は、本発明を、2階建ての住宅軸組の1階部分の大スパン化に適用した例を概略的に示す図である。この場合も、合板又はCLT板等8は一部のみを示しているが、全面に張り付けられることが好ましい。
図13は、図2に示したハイブリッドフレーム1の実施例の変形例を示しており(a)は断面図、(b)は一端側の正面図である。この変形例では、耐震開口フレームの横部材40と上弦材3が隙間無く配置されるとともに、横部材40の下面は、軽量形鋼2の下端よりも下方に突出している。
図13(c)は、合板又はCLT板等8を床材として用いる場合の従来の合成梁の例である。従来例では、耐震開口フレームが設けられておらず、下弦材31のみが設けられている。なおこの例では、上弦材3と下弦材31の間には隙間が設けられている。
図14(a)はCLT板8を、(b)は厚手合板8を床材として用いる場合の取り付け方法を示した図である。図14に示すCLT板8及び厚手合板8はそれぞれ、合板又はCLT板等の一例である。(a)に示すCLT板8を取り付ける場合、CLT板8をハイブリッドフレームの上面に載置し、特殊ビスである留め具8Aにより軽量形鋼2に固定する。厚手合板又はCLT板8は、一枚ずつ取り付ける。(b)に示す厚手合板8は、CLT板8よりも薄いが、取り付け方法は同様である。
図15(a)(b)(c)は、本発明のハイブリッドフレーム(合板又はCLT板等は図示を省略)における耐震開口フレームの横部材40と、上弦材3と、軽量形鋼2の配置例を示した断面図である。
(a)の例では、横部材40と上弦材3の間に隙間がなく、上弦材3の上面と軽量形鋼2の上面が揃い、横部材40の下面と軽量形鋼2の下面が揃っている。(b)の例では、横部材40と上弦材3の間に隙間があり、上弦材3の上面と軽量形鋼2の上面が揃い、横部材40の下面は軽量形鋼2の下面より突出している。(c)の例では、横部材40と上弦材3の間に隙間があり、上弦材3の上面が軽量形鋼2の上面より突出し、横部材40の下面も軽量形鋼2の下面より突出している。
本発明の、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造は、それぞれの部材が流通品なので工場製作に適し、加工性や現場による施工性が良い。また、耐震開口フレームなど信頼性の高い部材との組み合わせにより、組み合わせ方法による合成梁の理論による安全・安定的な部材及びそのシステムを大開口・大スパン・大空間を要望する住宅及び店舗・事務所などに広く提供できる。
地震力(水平荷重)を負担する耐震開口フレームと鉛直荷重を負担する軽量形鋼梁を組み合わせることで、大開口・大スパン・大空間を設けた場合不利となる耐力壁不足を補い、建物全体の変形を防止して大空間を可能とする。
耐震開口フレームの横部材を下弦材とし、軽量形鋼梁上部の繋ぎ材(さらに繋ぎ材と合板又はCLT板等の一部)を上弦材とする合成梁としての構成要素により、軽量で梁材としての曲げやたわみに対する抵抗性能が向上するので施工性がよく、コストダウンが図れる。
従来から木造の大スパン化に用いられてきた信頼性の高い軽量形鋼と、コーナー部を剛接合として耐震性が評価されている耐震開口フレームと、合板又はCLT板等とにより、新たな機能である鉛直荷重と水平荷重の両荷重を受け持つ架構システムとして安価に構築できる。
それぞれの部材・パーツとしての役割を理論付けることができ、特殊でラーメン的な構造計算を必要とせず、安価で使いやすい架構システムの構築が可能である。
本発明は、柱に取り付けるコーナー部及び柱脚部の剛性度をさらに高めることによりラーメン化構成とすることも可能としている。
1 ハイブリッドフレーム
2 軽量形鋼
3 上弦材
4 耐震開口フレーム
40 横部材
41 縦部材
5 木束
8 合板又はCLT板等(床材)
8’合板又はCLT板等(壁材)
11 開口部柱

Claims (6)

  1. 一対の縦部材(41)と前記一対の縦部材(41)の上端間に横架された横部材(40)とを少なくとも有する耐震開口フレーム(4)における前記横部材(40)と、
    前記横部材(40)の上方に同じ全長をもって配置された上弦材(3)と、
    前記横部材(40)及び前記上弦材(3)の双方の少なくとも全長に亘って延在しかつ双方の両側面に留め具により緊結された一対の軽量形鋼(2)と、を具備するハイブリッドフレーム(1)と、
    前記ハイブリッドフレーム(1)の上面に留め具により張り付けられた床材としての合板又はCLT板等(8)と、を有する
    ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造。
  2. 壁材としての合板又はCLT板等(8’)をさらに有する
    請求項1に記載の、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造。
  3. 前記耐震開口フレーム(4)における前記横部材(40)の上方に前記上弦材(3)が隙間なく配置されている、請求項1又は2に記載の、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造。
  4. 前記耐震開口フレーム(4)における前記横部材(40)の上方に前記上弦材(3)が所定の隙間を介在させて配置されており、前記隙間に長さ方向に所定の間隔にて木束(5)が配置され、前記一対の軽量形鋼(2)は前記木束(5)の両側面に対しても留め具により緊結される、請求項1又は2に記載の、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造。
  5. 前記留め具がボルトとスプリングワッシャーとナットである、請求項1〜4のいずれかに記載の、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造。
  6. 前記留め具が木ビス又はラグスクリューボルトである、請求項1〜4のいずれかに記載の、ハイブリッドフレームと合板又はCLT板等の組合せ構造。
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