JP2016216534A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Norikatsu Arai
啓克 荒井
広兼 岳志
Takashi Hirokane
岳志 広兼
中尾 公隆
Kimitaka Nakao
公隆 中尾
丸山 博義
Hiroyoshi Maruyama
博義 丸山
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Abstract

【課題】十分な耐衝撃性及び耐熱性を有し、透明性及び耐薬品性に優れ、且つ高い表面硬度を有するポリカーボネート樹脂組成物の提供。【解決手段】式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ジオール構成単位中の35〜60モル%が、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンで表される構成単位であり、ジカルボン酸構成単位中の55〜100モル%がナフタレンジカルボン酸由来の構成単位であるポリエステル樹脂(B)を5〜100質量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。(R1はメチル基;R2及びR3は各々独立にH又はメチル基;Xはアルキル基又はアルキリデン基)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくは、十分な耐衝撃性及び耐熱性を有し、透明性及び耐薬品性に優れ、且つ高い表面硬度を有するポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、強度や電気的特性に優れ、しかも、得られる成形品は寸法安定性等にも優れることから、電気電子機器のハウジング類、自動車用内装部品類、または、精密成形部品類の製造用原料樹脂として広く使用され、特に、家電機器、電子機器、液晶ディスプレイ表示機器の部品等においては、その美麗な外観を活かし、商品価値の高い商品が得られる。
例えば、タッチパネルが液晶表示機器の入力デバイスとして、急速に普及している。タッチパネルは、センサが配置されたカバーパネルに手指やペンなどの導電物によって触れることにより、機器に対する信号の入力を行う。中でも、指先と導電膜の間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する静電容量型タッチパネルは、スマートホン等のタブレット型の各種携帯端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、自動車用のカーナビやカーオーディオ等に広く利用されている。
このタッチパネルの表面は、ポリカーボネート樹脂等の平坦な透明カバーで構成することが行われている。カバーパネルをポリカーボネート樹脂で射出成形すると、カバー中に設けられる段差部分等において、溶融樹脂の流動状態に変化が生じ、せん断により複屈折が生じやすくなり、タッチパネルに複屈折に起因する位相差ムラが発生しやすく、表示像のカラーバランスやコントラストの低減を引き起こしやすい。
このような複屈折の問題とさらにはタッチ表面の耐擦傷性の問題を解決するため、本発明者の中尾、丸山は、特定の構造単位を有するポリカーボネート樹脂に、α,β−不飽和ジカルボン酸またはその無水物を共重合したスチレン系樹脂を含有するポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる静電容量型タッチパネルの発明を提案した(特許文献1)。
この発明に使用されるポリカーボネート樹脂組成物によれば、特に複屈折の問題が解決された成形体が得られる。しかし、自動車用のカーナビやカーオーディオ等に用いるタッチパネルは、自動車内に設置され人の手指で操作されるため、車内に置かれる芳香剤や手指に塗られるハンドクリーム、虫よけ剤等に対する耐薬品性が要求されるが、そのような耐薬品性や透明性は必ずしも十分なものとはいえなかった。
ポリカーボネート樹脂の耐薬品性を向上させる技術としては、例えば、特許文献2に、芳香族ポリカーボネート樹脂にアクリルエラストマーとポリエステル樹脂を配合する方法が提案されている。しかしながら、この樹脂組成物は、透明性は低下してしまい、また硬度及び耐薬品性も必ずしも十分満足できるというものではなかった。
特願2014−262161号明細書 特公昭62−37671号公報
本発明の目的(課題)は、上記した課題を解決するものであって、十分な耐衝撃性及び耐熱性を有し、透明性及び耐薬品性に優れ、且つ高い表面硬度を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、下記の一般式(1)で表される構造単位のポリカーボネート樹脂(A)に、下記一般式(2)で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来する単位とナフタレンジカルボン酸に由来する単位を含むポリエステル樹脂(B)を組み合わせること、その際ポリカーボネート樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とが非相溶であることから、環状アセタール骨格を有するジオール由来単位とナフタレンジカルボン酸由来単位を特定の量とした上で、(A)及び(B)成分を特定の量で含有するポリカーボネート樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物及び成形体である。
[1]下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ジオール構成単位中の35〜60モル%が下記一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位であり、ジカルボン酸構成単位中の55〜100モル%がナフタレンジカルボン酸由来の構成単位であるポリエステル樹脂(B)を5〜100質量部含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
(一般式(1)中、Rはメチル基、R及びRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を、Xはアルキレン基又はアルキリデン基を示す。)
(一般式(2)中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基または炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基を示す。)
[2]ポリカーボネート樹脂(A)が、上記一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂60〜100質量%と、下記化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂40〜0質量%(ただし、両者の合計を100質量%)を含有する上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3]ポリカーボネート樹脂(A)が、(i)一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂、(ii)一般式(1)の構造単位と他の構造単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂、または(iii)一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂ポリカーボネート樹脂と化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の混合物である、上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4]ポリエステル樹脂(B)がマンガン原子及び/又はアンチモン原子を含まない上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]厚さ3mmでのヘイズが10%以下である上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[6]鉛筆硬度がFまたはFより硬い上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形した成形品。
[8]タッチパネル用のカバー部材である上記[7]に記載の成形品。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、十分な耐衝撃性及び耐熱性を有し、透明性及び耐薬品性に優れ、且つ高い表面硬度を有する。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は、以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ジオール構成単位中の35〜60モル%が前記一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位であり、ジカルボン酸構成単位中の55〜100モル%がナフタレンジカルボン酸由来の構成単位であるポリエステル樹脂(B)を5〜100質量部含有することを特徴とする。
このようなポリエステル樹脂(B)を上記ポリカーボネート樹脂(A)に配合すると、得られるポリカーボネート樹脂組成物は、良好な耐衝撃性、耐熱性を有し、表面硬度が硬く、優れた透明性と耐薬品性を併せて達成できることが見いだされた。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
カバーパネルの製造に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂である。
(一般式(1)中、Rはメチル基、R及びRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を、Xはアルキレン基又はアルキリデン基を示す。)
上記一般式(1)において、Rはメチル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であるが、R及びRは特には水素原子であることが好ましい。
また、Xは、アルキレン基又はアルキリデン基であるが、アルキレン基としては炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。その例としては、メチレン、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,6−へキシレン等を挙げることができる。
アルキリデン基としては、炭素数2〜10のアルキリデン基が好ましく、例えばエチリデン、2,2−プロピリデン、2,2−ブチリデン、3,3−ヘキシリデン等を挙げることができる。
Xは、アルキリデン基であるのが好ましく、2,2−プロピリデン基(即ち、イソプロピリデン基)が特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)としての好ましい具体例としては、以下のイ)〜ニ)のポリカーボネート樹脂が挙げられる。
イ)2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造単位を有するもの、即ち、Rがメチル基、RとRが水素原子、Xがイソプロピリデン基である構造単位を有するもの、
ロ)2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造単位、即ちRがメチル基、RとRがメチル基、Xがイソプロピリデン基である構造単位を有するもの、
上記のうち、特に上記イ)のポリカーボネート樹脂が好ましい。
これらポリカーボネート樹脂は、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを、ジヒドロキシ化合物として使用して製造することができる。
ポリカーボネート樹脂(A)は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)は、一般式(1)で表される構造単位以外のカーボネート構造単位を有することもでき、例えば、下記一般式(4)で表される構造単位、あるいは後記するような他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を有していてもよい。この際の一般式(1)で表される構造単位以外の構造単位の共重合量は、通常60モル%以下であり、50モル%以下が好ましく、より好ましくは40モル%以下、さらには30モル%以下であることが好ましい。
(式中、Xは前記一般式(1)におけるXと同義である。)
上記一般式(4)で表されるポリカーボネート構造単位の好ましい具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、即ち、下記の化学式(3)の構造単位で示されるビスフェノールA由来のカーボネート構造単位である。
他のジヒドロキシ化合物としては、例えば以下のような芳香族ジヒドロキシ化合物を挙げることができる。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)は、上記一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A1)と、上記化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A2)、即ち、ビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂の混合物であることが好ましい。このような混合物とすることで、耐芳香剤性が悪いポリカーボネート樹脂(A1)と耐芳香剤性は良いが虫除け剤性が悪いポリカーボネート樹脂(A2)の両者の弱点を補い合った上で、さらに耐衝撃性や耐熱性を向上できるため、硬度と機械的物性のバランスが良好となることが見いだされた。
一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A1)と化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A2)の好ましい比率は、(A1)と(A2)の合計100質量%基準で、(A1)が60〜100質量%、より好ましくは60〜90質量%、さらに好ましくは70〜90質量%であり、(A2)は40〜0質量%であり、より好ましくは40〜10質量%、さらに好ましくは30〜10質量%である。
また、ポリカーボネート樹脂(A)として、一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A1)と前記一般式(1)の構造単位と化学式(4)の構造単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂(A3)を併用する場合は、前記ポリカーボネート樹脂(A1)及び/または前記共重合ポリカーボネート樹脂(A3)の合計の含有量が、全ポリカーボネート樹脂(A)100質量部のうち、50〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは60〜100質量部の範囲であり、ポリカーボネート樹脂(A1)/共重合ポリカーボネート樹脂(A3)の併用割合が、質量比で、90/10〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましい。このような割合で用いることにより、成形体の表面硬度や成形時の流動性を良好にしやすい傾向にある。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は、16,000〜28,000であることが好ましい。粘度平均分子量がこの範囲であると、成形性が良く、機械的強度が大きく、耐擦傷性のよい成形体が得られやすく、16,000を下回ると、耐面衝撃性が著しく低下しやすく、28,000を超えると溶融粘度が増大し射出成形が困難となりやすい。ポリカーボネート樹脂(A)の分子量の下限は、より好ましくは17,000、さらに好ましくは18,000、特に好ましくは20,000であり、その上限はより好ましくは27,000である。
ここで、ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は、上記したポリカーボネート樹脂を混合して使用する場合は、混合物としてのポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)をいい、混合物を構成する個々のポリカーボネート樹脂自体は、上記した粘度平均分子量(Mv)を外れているものであることを排除するものではない。
なお、本明細書において、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、溶媒としてジクロロメタンを使用し、ウベローデ粘度計を使用し、温度20℃での極限粘度([η])(単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式:η=1.23×10−40.83の式から算出される値を意味する。
ポリカーボネート樹脂(A)を製造する方法は、特に限定されるものではなく、公知の任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等を挙げることができる。これらの中でも、界面重合法、溶融エステル交換法が好ましい。
[ポリエステル樹脂(B)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリエステル樹脂として、ジオール構成単位中の40〜60モル%が下記一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位であり、ジカルボン酸構成単位中の55〜100モル%がナフタレンジカルボン酸由来の構成単位であるポリエステル樹脂(B)を含有する。
(一般式(2)中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基または炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基を示す。)
上記一般式(2)において、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基であるが、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基である。一般式(2)の環状アセタール骨格を有するジオール化合物としては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンが特に好ましい。
また、ポリエステル樹脂(B)における上記一般式(2)で示されるジオール以外のジオールに由来する構成単位としては、特に制限はされないが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル化合物類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類;前記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び前記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等のジオールに由来する構成単位が例示できる。ポリエステル樹脂の機械強度、耐熱性、及びジオールの入手の容易さを考慮するとエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール単位が好ましく、エチレングリコール単位が特に好ましい。
ポリエステル樹脂(B)は、ジカルボン酸構成単位中の55〜100モル%がナフタレンジカルボン酸由来の構成単位とする。ナフタレンジカルボン酸としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられるが、2,6−ナフタレンジカルボン酸が特に好ましい。
ポリエステル樹脂(B)のナフタレンジカルボン酸単位以外のジカルボン酸構成単位としては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−カルボキシ−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル)−1,3−ジオキサン等の脂肪族ジカルボン酸単位;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸単位が例示できる。ポリエステル樹脂(B)の機械強度、耐熱性等を考慮するとテレフタル酸単位、イソフタル酸単位が好ましく、特にテレフタル酸単位が好ましい。
ポリエステル樹脂(B)は、従来公知の方法で製造する事ができる。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法又は溶液重合法を挙げる事ができる。
ポリエステル樹脂(B)製造時には従来既知の触媒を用いる事ができる。例えば、ナトリウム、マグネシウムのアルコキサイド;亜鉛、鉛、セリウム、カドミウム、マンガン、コバルト、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ニッケル、マグネシウム、バナジウム、アルミニウム、チタニウム、ゲルマニウム、アンチモン、スズ等の脂肪酸塩、炭酸塩、リン酸塩、水酸化物、塩化物、酸化物;金属マグネシウムなどが挙げられる。これらは単独で用いることもできるし、複数のものを同時に用いることもできる。
上記した触媒の中でも、チタニウム、ゲルマニウムの脂肪酸塩、炭酸塩、リン酸塩、水酸化物、塩化物、酸化物がより好ましい触媒として挙げられる。マンガン、アンチモンを触媒として得られたポリエステル樹脂(B)を用いた場合、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は成形時の着色が著しくなりやすいので好ましくない。ポリエステル樹脂(B)はマンガン原子及び/又はアンチモン原子を含まないことが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)は、溶融粘弾性や分子量などを調整するために、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコールなどのモノアルコール単位やトリメチロールプロパン、グリセリン、1,3,5−ペンタントリオール、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール単位、安息香酸、プロピオン酸、酪酸などのモノカルボン酸単位、トリメリット酸、ピロメリット酸など多価カルボン酸単位、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸単位を含んでもよい。
ポリエステル樹脂(B)のジオール構成単位において、一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位の割合は35〜60モル%であり、好ましくは40モル%以上であり、好ましくは55モル%以下、より好ましくは50モル%以下である。一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位の割合が上記範囲の場合には、非相溶であるポリカーボネート樹脂(A)と併用しても透明性が良好で且つ耐薬品性に優れる。
ポリエステル樹脂(B)のジカルボン酸構成単位中のナフタレンジカルボン酸由来の構成単位の割合は、55〜100モル%であり、好ましくは60モル%以上であり、好ましくは90モル%以下であり、さらに好ましくは80モル%以下、特には70モル%以下である。ナフタレンジカルボン酸単位の割合が上記範囲の場合には、非相溶であるポリカーボネート樹脂(A)と併用しても透明性が良好で且つ耐薬品性に優れる。
一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位の割合を35〜60モル%とし、かつナフタレンジカルボン酸由来の構成単位の割合を55〜100モル%としたポリエステル樹脂(B)を、一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)に配合することにより、ポリエステル樹脂(B)はポリカーボネート樹脂(A)と良好な混合が可能となり、透明性と耐薬品性の両方を満足するポリカーボネート樹脂組成物が可能となる。
ポリエステル樹脂(B)の極限粘度[η]は、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの質量比6/4の混合溶媒による25℃での測定値で、0.5〜1.5dl/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.50〜1.2dl/g、更には0.55〜1.0dl/gであることが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の含有量は、一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、5〜100質量部である。このような範囲でポリエステル樹脂(B)を含有するポリカーボネート樹脂組成物は、十分な耐衝撃性、耐熱性を有し、透明性及び耐薬品性に優れ、且つ高い表面硬度を有する樹脂材料となる。ここでいう一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)100質量部とは、前記したように、一般式(1)の構造単位を有する単独ポリカーボネート樹脂の重合体、一般式(1)以外の構造単位を共重合単位とする共重合ポリカーボネート樹脂、または、一般式(1)の構造単位を有する単独又は共重合ポリカーボネート樹脂と一般式(1)以外の構造単位からなるポリカーボネート樹脂の混合物である等の態様を含み、これらポリカーボネート樹脂の総質量を意味する。
ポリエステル樹脂(B)の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、6質量部以上であり、より好ましくは8質量部以上、さらに好ましくは11質量部以上、特に好ましくは12質量部以上、また、好ましくは90質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは75質量部以下である。
[その他の成分]
ポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外のその他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、上記した以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。
樹脂添加剤としては、例えば、離型剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染顔料、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
・離型剤
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/またはアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、純物質であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。さらに、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5,000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
なお、上述した離型剤は、1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及び必要に応じて配合されるその他の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
・熱安定剤
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
有機ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、熱安定剤は、1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
熱安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及び必要に応じて配合されるその他の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.3質量部以下である。熱安定剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、熱安定効果が不十分となる可能性があり、熱安定剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及び必要に応じて配合されるその他の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。酸化防止剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、酸化防止剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、ポリカーボネート樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製(商品名、以下同じ)「シーソーブ701」、「シーソーブ702」、「シーソーブ703」、「シーソーブ704」、「シーソーブ705」、「シーソーブ709」、共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ583」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」、ADEKA社製「LA−32」、「LA−38」、「LA−36」、「LA−34」、「LA−31」、BASF社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及び必要に応じて配合されるその他の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、耐候性の改良効果が乏しく、紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の上限を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こしやすい。
なお、紫外線吸収剤は、1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
・帯電防止剤
帯電防止剤は特に限定されないが、好ましくは下記一般式で表されるスルホン酸ホスホニウム塩である。
上記一般式中、R11は炭素数1〜40のアルキル基又はアリール基であり、置換基を有していても良く、R12〜R15は、各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、これらは同じでも異なっていてもよい。
上記一般式中のR11は、炭素数1〜40のアルキル基又はアリール基であるが、透明性や耐熱性、ポリカーボネート樹脂への相溶性の観点からアリール基の方が好ましく、炭素数1〜34、好ましくは5〜20、特に、10〜15のアルキル基で置換されたアルキルベンゼン又はアルキルナフタリン環から誘導される基が好ましい。また、上記一般式中のR12〜R15は、各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であるが、好ましくは炭素数2〜8のアルキルであり、更に好ましくは3〜6のアルキル基であり、特に、ブチル基が好ましい。
このようなスルホン酸ホスホニウム塩の具体例としては、ドデシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルオクチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム、ジブチルベンゼンスルホン酸トリブチルメチルホスホニウム、ジブチルナフチルスルホン酸トリフェニルホスホニウム、ジイソプロピルナフチルスルホン酸トリオクチルメチルホスホニウム等が挙げられる。中でも、ポリカーボネートとの相溶性及び入手が容易な点で、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウムが好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
帯電防止剤を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及び必要に応じて配合されるその他の樹脂成分の合計100質量部に対して、0.1〜5.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0質量部、更に好ましくは0.3〜2.0質量部、特に好ましくは0.5〜1.8質量部である。
・難燃剤
難燃剤としては、例えば、有機スルホン酸金属塩系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、燐含有化合物系難燃剤及び珪素含有化合物系難燃剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、有機スルホン酸金属塩系難燃剤が好ましい。
難燃剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及び必要に応じて配合されるその他の樹脂成分の合計100質量部に対して、0.01質量部以上であり、上限は1質量部以下であり、好ましくは0.03〜0.5質量部、より好ましくは0.06〜0.3質量部の範囲である。難燃剤の含有量が過度に少ないと、難燃効果が低下する。難燃剤の配合量が過度に多いと、樹脂成形体の機械的強度が低下する。
有機スルホン酸金属塩系難燃剤としては、脂肪族スルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられ、中でも、芳香族スルホンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩が好ましく、特にはパーフルオロアルカンスルホン酸金属塩が好ましい。
有機スルホン酸金属塩の金属としては、好ましくは、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属が挙げられる。中でも難燃性と耐加水分解性との観点からはカリウムが好ましい。これら有機スルホン酸金属塩は、2種以上を混合して使用することもできる。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩としては、好ましくは、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられ、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩は重合体であってもよい。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのナトリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジカリウム塩等が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩としては、好ましくは、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられ、より好ましくは、炭素数4〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ金属塩、炭素数4〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロメチルブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロメチルブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸のテトラエチルアンモニウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、特に、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムが好ましい。
ハロゲン含有化合物系難燃剤の具体例としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノール、臭素化芳香族トリアジン、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAエポキシポリマー、デカブロモジフェニルオキサイド、トリブロモアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルエタン、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモシクロドデカン等が挙げられる。
燐含有化合物系難燃剤としては、赤燐、被覆された赤燐、ポリリン酸塩系化合物、リン酸エステル系化合物、フォスファゼン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、リン酸エステル化合物の具体例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート等が挙げられる。
珪素含有化合物系難燃剤としては、例えば、シリコーンワニス、ケイ素原子と結合する置換基が芳香族炭化水素基と炭素数2以上の脂肪族炭化水素基とからなるシリコーン樹脂、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基中に芳香族基を持つシリコーン化合物、シリカ粉末の表面に官能基を有していてもよいポリジオルガノシロキサン重合体を担持させたシリコーン粉末、オルガノポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体等が挙げられる。
[ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、特に優れた透明性及び耐薬品性、硬度が硬いことを特徴とする。
すなわち、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、厚さ3mmでのヘイズが好ましくは10%以下という高度の透明性を有する。ここで、ヘイズは、ポリカーボネート樹脂組成物を3mm厚さの成形品を、ISO14782及びISO13468−1に従って測定する値であり、その具体的な測定方法は実施例に記載される。ヘイズは、より好ましくは7%以下である。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、好ましくは鉛筆硬度がFまたはFより硬いという極めて硬い表面硬度を有する。ここで、鉛筆硬度はJIS 5600−5−4に準拠して測定される。その具体的な測定方法は実施例に記載される。鉛筆硬度は中でもH以上、特には2H以上であることが好ましい。
[成形品]
上記したポリカーボネート樹脂組成物(ペレット)は、各種の成形法で成形して成形品とされる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
成形体を成形する方法としては、特に制限されず、従来公知の成形法を採用でき、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、異形押出法、トランスファー成形法、中空成形法、ガスアシスト中空成形法、ブロー成形法、押出ブロー成形、IMC(インモールドコ−ティング成形)成形法、回転成形法、多層成形法、2色成形法、インサート成形法、サンドイッチ成形法、発泡成形法、加圧成形法等が挙げられる。
中でも、成形は射出成形法により行われることが好ましく、例えば、射出成形機、超高速射出成形機、射出圧縮成形機等の公知の射出成形機を用いて射出成形される。射出成形時における射出成形機のシリンダー温度は、好ましくは240〜340℃であり、より好ましくは、260〜300℃である。また、射出成形時の射出速度は、好ましくは10〜1,000mm/秒であり、より好ましくは10〜500mm/秒である。
[成形体]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の成形体は、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、各種容器、照明機器等の部品等に好適に用いられる。これらの中でも、特に電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品、照明機器等の部品へ用いて好適であり、電気電子機器等の部品に用いて特に好適である。
電気電子機器としては、例えば、カーナビ、パソコン、ゲーム機、テレビ、電子ペーパーなどのディスプレイ装置、プリンター、コピー機、ファックス、電子手帳やPDA、電子式卓上計算機、電子辞書、カメラ、ビデオカメラ、DVD等のディスプレイ機器、携帯電話、タブレット型携帯機器、タッチパネル式携帯機器等が挙げられる。なかでも、タブレット型端末あるいはタッチパネル式端末に代表される携帯機器に好適に用いることができる。
中でも、成形品は、その良好な耐衝撃性、耐熱性、さらに透明性、耐薬品性、表面硬度を有するので、スマートホン等のタブレット型の各種携帯端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションやカーオーディオ等の液晶表示パネル用部材、特にタッチパネル用のカバー部材として特に好適である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
実施例及び比較例にて、ポリカーボネート樹脂(A)として使用したポリカーボネート樹脂(A1)は、以下の製造例1により製造した。
<製造例1:ポリカーボネート樹脂(A1)の製造>
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「BPC」と記す。)26.14モル(6.75kg)と、ジフェニルカーボネート26.79モル(5.74kg)を、撹拌機及び溜出凝縮装置付きのSUS製反応器(内容積10リットル)内に入れ、反応器内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下で220℃まで30分間かけて昇温した。
次いで、反応器内の反応液を撹拌し、溶融状態下の反応液にエステル交換反応触媒として炭酸セシウム(CsCO)を、BPC1モルに対し1.5×10−6モルとなるように加え、窒素ガス雰囲気下、220℃で30分、反応液を撹拌醸成した。次に、同温度下で反応器内の圧力を40分かけて100Torrに減圧し、さらに、100分間反応させ、フェノールを溜出させた。
次に、反応器内を60分かけて温度を284℃まで上げるとともに3Torrまで減圧し、留出理論量のほぼ全量に相当するフェノールを留出させた。次に、同温度下で反応器内の圧力を1Torr未満に保ち、さらに60分間反応を続け重縮合反応を終了させた。このとき、撹拌機の攪拌回転数は38回転/分であり、反応終了直前の反応液温度は289℃、攪拌動力は1.00kWであった。
次に、溶融状態のままの反応液を2軸押出機に送入し、炭酸セシウムに対して4倍モル量のp−トルエンスルホン酸ブチルを2軸押出機の第1供給口から供給し、反応液と混練し、その後、反応液を2軸押出機のダイを通してストランド状に押し出し、カッターで切断してカーボネート樹脂のペレットを得た。
得られたポリカーボネート樹脂(A1)の物性は以下の通りであった。
鉛筆硬度:2H
粘度平均分子量(Mv):26,000
また、ポリエステル樹脂(B)として使用したポリエステル樹脂(B1)は、以下の製造例2により製造した。さらに、ポリエステル樹脂(B)の一般式(2)のジオールとナフタレンカルボン酸由来の構成単位の割合が本発明の規定を満たさないポリエステル樹脂(BX1)及び(BX2)は、以下の製造例3〜4により製造した。
<製造例2〜4:ポリエステル樹脂(B1)、(BX1)及び(BX2)の製造>
[製造例2]
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置、窒素導入管を備えた30リットルのポリエステル製造装置に、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下、NDCM)、ジメチルテレフタレート(以下、DMT)、ジオール成分として3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(以下、SPG)、エチレングリコール(以下、EG)を、以下の表1に記載のモル量で仕込み、ジカルボン酸成分に対しテトラブチルチタネート0.005モル%、酢酸カリウム0.02モル%の存在下、窒素雰囲気下で225℃迄昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を90%以上とした後、ジカルボン酸成分に対して二酸化ゲルマニウム0.025モル%とトリエチルホスフェート0.15モル%を加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に275℃、0.1kPa以下で重縮合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂(B1)を得た。
[製造例3、4]
製造例2において、テトラブチルチタネートの代わりに酢酸マンガン4水和物0.03モル%、二酸化ゲルマニウムの代わりに三酸化二アンチモン0.01モル%とし、NDCM、DMT、SPG及びEGの仕込みモル量を表1に記載の量とした以外は同様にして、ポリエステル樹脂(BX1)、(BX2)を得た。
得られたポリエステル樹脂(B1)、(BX1)及び(BX2)の物性を以下の表1に示す。
実施例及び比較例に使用した他の成分を併せて記載すると、以下の表2のとおりである。
(実施例1〜7、比較例1〜7)
上記表2に記載した各成分を、下記の表3〜4に示す割合(全て質量部にて表示)にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製TEX30HSST)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hrにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練してポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
[表面硬度]
上記ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度80℃、スクリュー回転数100rpm、射出速度200mm/秒の条件下にて、90mm×50mm×3mm厚の平板状試験片を射出成形した。
得られた平板状試験片につき、JIS K5600−5−4に準拠し、鉛筆硬度試験機(東洋精機株式会社製)を用いて、750g荷重にて測定した鉛筆硬度を求めた。
[ヘイズ(単位:%)]
上記で得られた3mm厚の平板状試験片につき、ISO14782およびISO13468−1に従って、日本電色工業社製のNDH−4000型ヘイズメーターでヘイズを測定した。
[耐薬品性]
・耐芳香剤性:
上記方法で得られた上述の方法で得られた3mm厚の平板状試験片の表面に、市販の自動車用芳香剤(ダイヤケミカル社製、商品名「グレースメイトポピー No.2002(柑橘系)」)を0.2mg/cm量で塗布した後、85℃で96時間保持し、試験片の外観を次の基準で評価した。評価結果が△以上のものが、実製品として問題ないレベルであるといえる。
○:白濁無し、△:白濁少し有り、×:白濁有り
・耐虫よけ剤性:
上述の方法で得られた3mm厚の平板状試験片の表面に、虫よけ剤を構成する薬品4種の等量混合液(4−メトキシけい皮酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、サリチル3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、N,N,−ジエチル−m−トルアミド)を0.2mg/cm量で塗布した後、85℃で96時間保持し、試験片の外観を次の基準で評価した。
○:白濁無し、△:白濁少し有り、×:白濁有り
[シャルピー衝撃強度]
上記の方法で得られたペレットを100℃、5時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、スクリュー回転数100rpmの条件にて、射出速度50mm/secで射出成形したISO多目的試験片(3mm厚)について、ノッチなしシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m)を測定した。ISO179−1およびISO7391−2に準拠して測定した。
[荷重たわみ温度(DTUL)]
上記で得られたペレットを100℃、5時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280〜300℃、金型温度100℃、射出時間2秒、成形サイクル40秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。ISO75−1及びISO75−2に準拠して荷重1.80MPaの条件で荷重たわみ温度を測定した。
以上の評価結果を以下の表3〜4に示す。
以上の結果から明らかなように、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、十分な耐衝撃性及び耐熱性を有し、透明性、耐薬品性及び表面硬度を全てをバランスよく満足することが分かる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、十分な耐衝撃性及び耐熱性を有し、透明性、耐薬品性及び表面硬度を全てをバランスよく満足する樹脂材料であるので、スマートホン等のタブレット型の各種携帯端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションやカーオーディオ等の部材等に特に好適であり、産業上の利用性は高いものがある。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ジオール構成単位中の35〜60モル%が下記一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位であり、ジカルボン酸構成単位中の55〜100モル%がナフタレンジカルボン酸由来の構成単位であるポリエステル樹脂(B)を5〜100質量部含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
    (一般式(1)中、Rはメチル基、R及びRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を、Xはアルキレン基又はアルキリデン基を示す。)
    (一般式(2)中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基または炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基を示す。)
  2. ポリカーボネート樹脂(A)が、上記一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂60〜100質量%と、下記化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂40〜0質量%(ただし、両者の合計を100質量%)を含有する請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート樹脂(A)が、(i)一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂、(ii)一般式(1)の構造単位と他の構造単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂、または(iii)一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂ポリカーボネート樹脂と化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の混合物である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. ポリエステル樹脂(B)がマンガン原子及び/又はアンチモン原子を含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 厚さ3mmでのヘイズが10%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 鉛筆硬度がFまたはFより硬い請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形した成形品。
  8. タッチパネル用のカバー部材である請求項7に記載の成形品。
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