JP2016216534A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリカーボネート樹脂の耐薬品性を向上させる技術としては、例えば、特許文献2に、芳香族ポリカーボネート樹脂にアクリルエラストマーとポリエステル樹脂を配合する方法が提案されている。しかしながら、この樹脂組成物は、透明性は低下してしまい、また硬度及び耐薬品性も必ずしも十分満足できるというものではなかった。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物及び成形体である。
[4]ポリエステル樹脂(B)がマンガン原子及び/又はアンチモン原子を含まない上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]厚さ3mmでのヘイズが10%以下である上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[6]鉛筆硬度がFまたはFより硬い上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形した成形品。
[8]タッチパネル用のカバー部材である上記[7]に記載の成形品。
カバーパネルの製造に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂である。
また、Xは、アルキレン基又はアルキリデン基であるが、アルキレン基としては炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。その例としては、メチレン、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,6−へキシレン等を挙げることができる。
アルキリデン基としては、炭素数2〜10のアルキリデン基が好ましく、例えばエチリデン、2,2−プロピリデン、2,2−ブチリデン、3,3−ヘキシリデン等を挙げることができる。
Xは、アルキリデン基であるのが好ましく、2,2−プロピリデン基(即ち、イソプロピリデン基)が特に好ましい。
イ)2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造単位を有するもの、即ち、R1がメチル基、R2とR3が水素原子、Xがイソプロピリデン基である構造単位を有するもの、
ロ)2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造単位、即ちR1がメチル基、R2とR3がメチル基、Xがイソプロピリデン基である構造単位を有するもの、
上記のうち、特に上記イ)のポリカーボネート樹脂が好ましい。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル等が挙げられる。
一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A1)と化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A2)の好ましい比率は、(A1)と(A2)の合計100質量%基準で、(A1)が60〜100質量%、より好ましくは60〜90質量%、さらに好ましくは70〜90質量%であり、(A2)は40〜0質量%であり、より好ましくは40〜10質量%、さらに好ましくは30〜10質量%である。
ここで、ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は、上記したポリカーボネート樹脂を混合して使用する場合は、混合物としてのポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)をいい、混合物を構成する個々のポリカーボネート樹脂自体は、上記した粘度平均分子量(Mv)を外れているものであることを排除するものではない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリエステル樹脂として、ジオール構成単位中の40〜60モル%が下記一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位であり、ジカルボン酸構成単位中の55〜100モル%がナフタレンジカルボン酸由来の構成単位であるポリエステル樹脂(B)を含有する。
ポリエステル樹脂(B)の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、6質量部以上であり、より好ましくは8質量部以上、さらに好ましくは11質量部以上、特に好ましくは12質量部以上、また、好ましくは90質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは75質量部以下である。
ポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外のその他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、上記した以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。
樹脂添加剤としては、例えば、離型剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染顔料、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5,000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及び必要に応じて配合されるその他の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、熱安定剤は、1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、ポリカーボネート樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる。
なお、紫外線吸収剤は、1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
帯電防止剤は特に限定されないが、好ましくは下記一般式で表されるスルホン酸ホスホニウム塩である。
上記一般式中のR11は、炭素数1〜40のアルキル基又はアリール基であるが、透明性や耐熱性、ポリカーボネート樹脂への相溶性の観点からアリール基の方が好ましく、炭素数1〜34、好ましくは5〜20、特に、10〜15のアルキル基で置換されたアルキルベンゼン又はアルキルナフタリン環から誘導される基が好ましい。また、上記一般式中のR12〜R15は、各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であるが、好ましくは炭素数2〜8のアルキルであり、更に好ましくは3〜6のアルキル基であり、特に、ブチル基が好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、例えば、有機スルホン酸金属塩系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、燐含有化合物系難燃剤及び珪素含有化合物系難燃剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、有機スルホン酸金属塩系難燃剤が好ましい。
有機スルホン酸金属塩の金属としては、好ましくは、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属が挙げられる。中でも難燃性と耐加水分解性との観点からはカリウムが好ましい。これら有機スルホン酸金属塩は、2種以上を混合して使用することもできる。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのナトリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジカリウム塩等が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロメチルブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロメチルブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸のテトラエチルアンモニウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、特に、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムが好ましい。
ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
すなわち、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、厚さ3mmでのヘイズが好ましくは10%以下という高度の透明性を有する。ここで、ヘイズは、ポリカーボネート樹脂組成物を3mm厚さの成形品を、ISO14782及びISO13468−1に従って測定する値であり、その具体的な測定方法は実施例に記載される。ヘイズは、より好ましくは7%以下である。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、好ましくは鉛筆硬度がFまたはFより硬いという極めて硬い表面硬度を有する。ここで、鉛筆硬度はJIS 5600−5−4に準拠して測定される。その具体的な測定方法は実施例に記載される。鉛筆硬度は中でもH以上、特には2H以上であることが好ましい。
上記したポリカーボネート樹脂組成物(ペレット)は、各種の成形法で成形して成形品とされる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
中でも、成形は射出成形法により行われることが好ましく、例えば、射出成形機、超高速射出成形機、射出圧縮成形機等の公知の射出成形機を用いて射出成形される。射出成形時における射出成形機のシリンダー温度は、好ましくは240〜340℃であり、より好ましくは、260〜300℃である。また、射出成形時の射出速度は、好ましくは10〜1,000mm/秒であり、より好ましくは10〜500mm/秒である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の成形体は、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、各種容器、照明機器等の部品等に好適に用いられる。これらの中でも、特に電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品、照明機器等の部品へ用いて好適であり、電気電子機器等の部品に用いて特に好適である。
中でも、成形品は、その良好な耐衝撃性、耐熱性、さらに透明性、耐薬品性、表面硬度を有するので、スマートホン等のタブレット型の各種携帯端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションやカーオーディオ等の液晶表示パネル用部材、特にタッチパネル用のカバー部材として特に好適である。
<製造例1:ポリカーボネート樹脂(A1)の製造>
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「BPC」と記す。)26.14モル(6.75kg)と、ジフェニルカーボネート26.79モル(5.74kg)を、撹拌機及び溜出凝縮装置付きのSUS製反応器(内容積10リットル)内に入れ、反応器内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下で220℃まで30分間かけて昇温した。
次いで、反応器内の反応液を撹拌し、溶融状態下の反応液にエステル交換反応触媒として炭酸セシウム(Cs2CO3)を、BPC1モルに対し1.5×10−6モルとなるように加え、窒素ガス雰囲気下、220℃で30分、反応液を撹拌醸成した。次に、同温度下で反応器内の圧力を40分かけて100Torrに減圧し、さらに、100分間反応させ、フェノールを溜出させた。
次に、溶融状態のままの反応液を2軸押出機に送入し、炭酸セシウムに対して4倍モル量のp−トルエンスルホン酸ブチルを2軸押出機の第1供給口から供給し、反応液と混練し、その後、反応液を2軸押出機のダイを通してストランド状に押し出し、カッターで切断してカーボネート樹脂のペレットを得た。
鉛筆硬度:2H
粘度平均分子量(Mv):26,000
[製造例2]
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置、窒素導入管を備えた30リットルのポリエステル製造装置に、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下、NDCM)、ジメチルテレフタレート(以下、DMT)、ジオール成分として3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(以下、SPG)、エチレングリコール(以下、EG)を、以下の表1に記載のモル量で仕込み、ジカルボン酸成分に対しテトラブチルチタネート0.005モル%、酢酸カリウム0.02モル%の存在下、窒素雰囲気下で225℃迄昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を90%以上とした後、ジカルボン酸成分に対して二酸化ゲルマニウム0.025モル%とトリエチルホスフェート0.15モル%を加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に275℃、0.1kPa以下で重縮合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂(B1)を得た。
製造例2において、テトラブチルチタネートの代わりに酢酸マンガン4水和物0.03モル%、二酸化ゲルマニウムの代わりに三酸化二アンチモン0.01モル%とし、NDCM、DMT、SPG及びEGの仕込みモル量を表1に記載の量とした以外は同様にして、ポリエステル樹脂(BX1)、(BX2)を得た。
得られたポリエステル樹脂(B1)、(BX1)及び(BX2)の物性を以下の表1に示す。
上記表2に記載した各成分を、下記の表3〜4に示す割合(全て質量部にて表示)にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製TEX30HSST)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hrにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練してポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上記ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度80℃、スクリュー回転数100rpm、射出速度200mm/秒の条件下にて、90mm×50mm×3mm厚の平板状試験片を射出成形した。
得られた平板状試験片につき、JIS K5600−5−4に準拠し、鉛筆硬度試験機(東洋精機株式会社製)を用いて、750g荷重にて測定した鉛筆硬度を求めた。
上記で得られた3mm厚の平板状試験片につき、ISO14782およびISO13468−1に従って、日本電色工業社製のNDH−4000型ヘイズメーターでヘイズを測定した。
・耐芳香剤性:
上記方法で得られた上述の方法で得られた3mm厚の平板状試験片の表面に、市販の自動車用芳香剤(ダイヤケミカル社製、商品名「グレースメイトポピー No.2002(柑橘系)」)を0.2mg/cm2量で塗布した後、85℃で96時間保持し、試験片の外観を次の基準で評価した。評価結果が△以上のものが、実製品として問題ないレベルであるといえる。
○:白濁無し、△:白濁少し有り、×:白濁有り
・耐虫よけ剤性:
上述の方法で得られた3mm厚の平板状試験片の表面に、虫よけ剤を構成する薬品4種の等量混合液(4−メトキシけい皮酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、サリチル3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、N,N,−ジエチル−m−トルアミド)を0.2mg/cm2量で塗布した後、85℃で96時間保持し、試験片の外観を次の基準で評価した。
○:白濁無し、△:白濁少し有り、×:白濁有り
上記の方法で得られたペレットを100℃、5時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、スクリュー回転数100rpmの条件にて、射出速度50mm/secで射出成形したISO多目的試験片(3mm厚)について、ノッチなしシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。ISO179−1およびISO7391−2に準拠して測定した。
上記で得られたペレットを100℃、5時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280〜300℃、金型温度100℃、射出時間2秒、成形サイクル40秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。ISO75−1及びISO75−2に準拠して荷重1.80MPaの条件で荷重たわみ温度を測定した。
以上の評価結果を以下の表3〜4に示す。
Claims (8)
- 下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ジオール構成単位中の35〜60モル%が下記一般式(2)で表されるジオール由来の構成単位であり、ジカルボン酸構成単位中の55〜100モル%がナフタレンジカルボン酸由来の構成単位であるポリエステル樹脂(B)を5〜100質量部含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
(一般式(1)中、R1はメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を、Xはアルキレン基又はアルキリデン基を示す。)
(一般式(2)中、R4及びR5はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基または炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基を示す。) - ポリカーボネート樹脂(A)が、上記一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂60〜100質量%と、下記化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂40〜0質量%(ただし、両者の合計を100質量%)を含有する請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A)が、(i)一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂、(ii)一般式(1)の構造単位と他の構造単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂、または(iii)一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂ポリカーボネート樹脂と化学式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の混合物である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(B)がマンガン原子及び/又はアンチモン原子を含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 厚さ3mmでのヘイズが10%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 鉛筆硬度がFまたはFより硬い請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形した成形品。
- タッチパネル用のカバー部材である請求項7に記載の成形品。
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