JP7101465B2 - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
さらに、ポリカーボネート樹脂に適切な添加剤を配合して、樹脂組成物の透明性および爪傷つき耐性が向上しても、添加剤の種類によっては、押出性や透明性が劣ってしまう場合がある。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、押出性に優れ、透明性が高く、かつ、初期および溶媒拭き取り後の爪傷付き耐性に優れた樹脂組成物、および、前記樹脂組成物を用いた成形品を提供することを目的とする。
<1>(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(B)脂肪酸モノエステルを0.5~10.0質量部含み、前記(A)ポリカーボネート樹脂が、下記式(1)で表される構造単位を5モル%以上含み、前記(B)脂肪酸モノエステルは、水酸基価が100mgKOH/g以下であり、かつ、炭素数が42以上である、樹脂組成物;
式(1)
<2>前記(B)脂肪酸モノエステルが、飽和直鎖カルボン酸と飽和直鎖アルコールから形成されている、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>(A)ポリカーボネート樹脂は、さらに、下記式(2)で表される構造単位を含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物;
式(2)
<4>前記(A)ポリカーボネート樹脂は、前記式(1)で表される構造単位を5~95モル%と、前記式(2)で表される構造単位95~5モル%を含む、<3>に記載の樹脂組成物。
<5>厚さ2mmの成形品に成形した時のヘイズが5.0%以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6>前記樹脂組成物が無機充填材を含まないか、前記(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、無機充填材を8質量部以下の割合で含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7><1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成される成形品。
<8>前記成形品がパネル状である、<7>に記載の成形品。
式(1)
このような構成とすることにより、押出性に優れ、透明性が高く、かつ、初期および溶媒拭き取り後の爪傷付き耐性に優れた樹脂組成物を提供可能になる。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の樹脂組成物は、式(1)で表される構造単位を5モル%以上含む。
式(1)
i)2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンから構成される構造単位、すなわち、R1がメチル基、R2が水素原子、X2が-C(CH3)2-である構造単位、
ii)2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンから構成される構造単位、すなわち、R1がメチル基、R2がメチル基、X2が-C(CH3)2-である構造単位、
iii)2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンから構成される構造単位、すなわち、R1がメチル基、R2が水素原子、X2がシクロヘキシリデン基である構造単位、
iv)2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)シクロドデカンから構成される構造単位、すなわち、R1がメチル基、R2が水素原子、X2がシクロドデシリデン基である構造単位である。
これらの中で、上記i)、ii)およびiii)が好ましく、上記i)およびiii)がより好ましく、上記i)がさらに好ましい。
式(2)
Zは、上記式(2)中の2個のフェニル基と結合する炭素Cと結合して、炭素数6~12の二価の脂環式炭化水素基を形成するが、二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シキロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基、シクロドデシリデン基、アダマンチリデン基、シクロドデシリデン基等のシクロアルキリデン基が挙げられる。置換されたものとしては、これらのメチル置換基、エチル置換基を有するもの等が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシリデン基、シキロヘキシリデン基のメチル置換体(好ましくは3,3,5-トリメチル置換体)、シクロドデシリデン基が好ましい。
本発明では、式(2)で表される構造単位を、(A)ポリカーボネート樹脂中に、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは15モル%以上、一層好ましくは20モル%以上、より一層好ましくは24モル%以上含む。また、60モル%以上含んでいてもよい。また、式(2)で表される構造単位を、(A)ポリカーボネート樹脂中に、95モル%以下含むことが好ましく、90モル%以下含むことがより好ましく、80モル%以下含むことがさらに好ましく、60モル%以下含むことが一層好ましく、50モル%以下含むことがより一層好ましく、40モル%以下含むことがさらに一層好ましく、35モル%以下含むことが特に一層好ましい。
本発明において、(A)ポリカーボネート樹脂は、式(2)で表される構造単位を含まなくてもよいし、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-(1-メチルエチル)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-(1-メチルプロピル)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-(1-メチルエチル)フェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-(1-メチルプロピル)フェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-(1-メチルエチル)フェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-(1-メチルプロピル)フェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、4,4'-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4'-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'-ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-6-メチル-3-tert-ブチルフェニル)ブタン。
(1)全構造単位のうち、式(1)で表される構造単位を95モル%超で含むポリカーボネート樹脂
(2)全構造単位のうち、式(1)で表される構造単位を5~95モル%と、式(1)で表される構造単位以外の構造単位(好ましくは式(2)で表される構造単位)を95~5モル%以上を含むポリカーボネート樹脂
本発明で用いるポリカーボネート樹脂が、式(1)で表される構造単位以外の構造単位(好ましくは式(2)で表される構造単位)を含む場合、以下のブレンド形態が例示される。
・全構造単位の50モル%超(好ましくは、70モル%以上、95モル%以上)が式(1)で表される構造単位からなるポリカーボネート樹脂(A1)と、全構造単位の95モル%超が式(2)で表される構造単位からなるポリカーボネート樹脂(A2)の混合物:
・式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位の合計が全構造単位の95モル%超を占める共重合ポリカーボネート樹脂(A3):
・上記ポリカーボネート樹脂(A1)と、上記カーボネート樹脂(A2)と、上記共重合ポリカーボネート樹脂(A3)の混合物:
・上記ポリカーボネート樹脂(A1)と上記共重合ポリカーボネート樹脂(A3)の混合物;
・上記共重合ポリカーボネート樹脂(A3)と上記ポリカーボネート樹脂(A2)の混合物;
・上記のいずれかの態様において、ポリカーボネート樹脂(A1)、ポリカーボネート樹脂(A2)および共重合ポリカーボネート樹脂(A3)の少なくとも1つについて、2種以上含む混合物;
いずれの実施形態においても、(A)ポリカーボネート樹脂中の式(1)で表される構造単位を5モル%以上の割合で含んでいればよく、さらには、式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位が全構造単位中に、上述の好ましい範囲を満たす割合で含まれていることが好ましい。
粘度平均分子量を上記下限値以上とすることにより、成形性が向上し、かつ、機械的強度の大きい成形品が得られる。また、上記上限値以下とすることにより、成形品の流動性が向上し、薄肉の成形品なども効率的に製造することができる。
粘度平均分子量(Mv)は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される(以下、Mvについて同じ)。
本発明の樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、(B)脂肪酸モノエステルを含む。(B)脂肪酸モノエステルは、水酸基価が100mgKOH/g以下であり、かつ、炭素数が42以上である。
水酸基価を低くすることにより、押出時に脂肪酸エステルおよびポリカーボネート樹脂が分解しにくくなり、成形時等のガスの発生を効果的に抑制できる。水酸基価は、好ましくは、80mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、さらに好ましくは35mgKOH/g以下である。
水酸基価は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
(B)脂肪酸モノエステルの炭素数は、42以上であり、44以上であることが好ましい。(B)脂肪酸モノエステルの炭素数の上限は、特に定めるものではないが、150以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、90以下であることがさらに好ましい。(B)脂肪酸モノエステルの炭素数は、一分子に含まれる炭素原子の合計数である。従って、(B)脂肪酸モノエステルが、脂肪酸と1価のアルコールから形成される場合、脂肪酸と1価のアルコールに含まれる合計炭素数が(B)脂肪酸モノエステルの炭素数となる。
また、(B)脂肪酸モノエステルを2種以上含む場合、炭素数は、各(B)脂肪酸モノエステルの炭素数に質量分率をかけた値の合計値とする。
本発明では、脂肪酸は、飽和脂肪酸であることが好ましい。本発明では特に、脂肪酸は、飽和直鎖カルボン酸であることが好ましい。
また、脂肪酸は、置換基を有していてもよいし有していなくてもよいが、有していない方が好ましい。置換基を有さない方が得られる成形品の透明性がより向上する傾向にある。
また、脂肪酸は、酸素原子、炭素原子、水素原子のみから構成されることが好ましい。
脂肪酸の炭素数は、2~45であることが好ましく、10~40であることがより好ましく、15~36であることがさらに好ましい。
脂肪酸(カッコ内は炭素数)の具体例としては、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、リグノセリシン酸(C24)、セロチン酸(C26)、モンタン酸(C28)、メリシン酸(C30)が例示される。
本発明では、1価のアルコールは、直鎖アルコールであることが好ましい。さらに、1価のアルコールは、飽和アルコールであることが好ましい。本発明では特に、1価のアルコールは、1価の飽和直鎖アルコールであることが好ましい。
また、1価のアルコールは、置換基を有していてもよいし有していなくてもよいが、有していない方が好ましい。置換基を有さない方が得られる成形品の透明性がより向上する傾向にある。
また、1価のアルコールは、酸素原子、炭素原子、水素原子のみから構成されることが好ましい。
1価のアルコールの炭素数は、2~45であることが好ましく、5~36であることがより好ましい。
1価のアルコール(カッコ内は炭素数)の具体例としては、オクタノール(C8)、ドデカノール(C12)、ステアリルアルコール(C18)、ベヘニルアルコール(C22)およびモンタニルアルコール(C28)が例示される。
前記(B)脂肪酸モノエステルの配合量の下限値は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.6質量部以上であることが好ましく、0.8質量部以上であることがより好ましい。上記範囲とすることにより、爪傷付き耐性をより向上させることができる。
前記(B)脂肪酸モノエステルの配合量の上限値は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、9.0質量部以下であることが好ましく、8.0質量部以下、7.0質量部以下、6.0質量部以下、5.0質量部以下、3.0質量部以下であってもよい。好ましい範囲とすることにより、耐加水分解性が向上し、金型汚染をより効果的に抑制できる。本発明では、(B)脂肪酸モノエステルの配合量が少なくても、爪傷付き耐性に優れる構成とできる。
本発明の樹脂組成物は、(B)脂肪酸モノエステルを、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外の他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、上記したポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、また、無機充填材を含んでいてもよい。無機充填材を含むことにより、得られる成形品の機械的強度をより向上させることができる。本発明の樹脂組成物の一実施形態として、無機充填材を含まないか、前記(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、無機充填材を8質量部以下(好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下)の割合で含む樹脂組成物が例示される。無機充填材を含まないか、上記配合量の範囲とすることにより、得られる成形品の透明性をより向上させることができる。無機充填材としては、特開2017-110180号公報の段落0075~0079の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
樹脂添加剤としては、例えば、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤等)、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料、顔料、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせおよび比率で含有されていてもよい。
本発明の樹脂組成物は、上記(B)脂肪酸モノエステル以外の他の離型剤を実質的に含まない構成とすることができる。実質的に含まないとは、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、前記他の離型剤が0.5質量部未満であることをいい、0.3質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以下であることがより好ましく、0.01質量部以下であることがさらに好ましく、0.001質量部以下であることが一層好ましく、0.0001質量部以下であることがより一層好ましい。
安定剤としては、熱安定剤や酸化防止剤が挙げられる。
熱安定剤としては、リン系安定剤が挙げられる。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP-10」、城北化学工業社製「JP-351」、「JP-360」、「JP-3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
ヒンダードフェノール系安定剤の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3',3'',5,5',5''-ヘキサ-tert-ブチル-a,a',a''-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特開2016-216534号公報の段落0059~0062の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
帯電防止剤としては、特開2016-216534号公報の段落0063~0067の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
難燃剤としては、特開2016-216534号公報の段落0068~0075の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、低いヘイズを達成できる。例えば、本発明の樹脂組成物を2mm厚さに成形した成形品のヘイズを5.0%以下とすることができ、さらには3.0%以下、2.0%以下、1.0%以下、0.5%以下、0.4%以下とすることもできる。ヘイズの下限値としては、0%が理想であるが、0.01%以上、さらには0.07%以上でも実用レベルである。ヘイズの測定方法は、後述する実施例の記載に従う。
本発明の樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、上記ポリカーボネート樹脂および脂肪酸エステル、ならびに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240~320℃の範囲である。
上記した樹脂組成物(例えば、ペレット)は、各種の成形法で成形して成形品とされる。すなわち、本発明の成形品は、本発明の樹脂組成物から成形される。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム状、ロッド状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。中でも、パネル状のものが好ましく、厚さは例えば、1mm~5mm程度である。
<製造例1:ポリカーボネート樹脂A1の製造>
ビスフェノールC(BPC)26.14モル(6.75kg)と、ジフェニルカーボネート26.79モル(5.74kg)を、撹拌機および溜出凝縮装置付きのSUS製反応器(内容積10リットル)内に入れ、反応器内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下で220℃まで30分間かけて昇温した。
次いで、反応器内の反応液を撹拌し、溶融状態下の反応液にエステル交換反応触媒として炭酸セシウム(Cs2CO3)を、BPC1モルに対し1.5×10-6モルとなるように加え、窒素ガス雰囲気下、220℃で30分、反応液を撹拌醸成した。次に、同温度下で反応器内の圧力を40分かけて100Torrに減圧し、さらに、100分間反応させ、フェノールを溜出させた。
次に、反応器内の温度を60分かけて284℃まで上げるとともに3Torrまで減圧し、留出理論量のほぼ全量に相当するフェノールを留出させた。次に、同温度下で反応器内の圧力を1Torr未満に保ち、さらに60分間反応を続け重縮合反応を終了させた。このとき、撹拌機の撹拌回転数は38回転/分であり、反応終了直前の反応液温度は289℃、撹拌動力は1.00kWであった。
次に、溶融状態のままの反応液を二軸押出機に送入し、炭酸セシウムに対して4倍モル量のp-トルエンスルホン酸ブチルを二軸押出機の第1供給口から供給し、反応液と混練し、その後、反応液を二軸押出機のダイを通してストランド状に押し出し、カッターで切断してポリカーボネート樹脂A1のペレットを得た。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度(η)(単位:dL/g)を求め、以下のSchnellの粘度式から算出した。
η=1.23×10-4Mv0.83
ポリカーボネート樹脂ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機(ファナック株式会社製「α-2000i-150B」)を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度70℃にて、スクリュー回転数100rpm、射出速度30mm/秒の条件下にて、平板状試験片(150mm×100mm×2mm厚)を作製した。この平板状試験片について、ISO 15184に準拠し、鉛筆硬度試験機(東洋精機(株)製)を用いて、750g荷重にて測定した鉛筆硬度を求めた。
水酸基価は試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、エステル化合物の原料であるアルコールがカルボン酸化合物とエステル化したときに、未反応で残った水酸基の数を示す指標である。
水酸基価は、JIS K 0070に規定された方法に従って測定した。
<樹脂組成物ペレットの製造>
上記表1に記載した各成分を、下記の表2または表3に示す割合(全て質量部にて表示)にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α)を用いて、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数180rpm、吐出量30kg/hrにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練して樹脂組成物ペレットを得た(但し、一部の比較例については、押出ができなかった)。
後述する表2または表3におけるモル比率(モル%)は、樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂中の式(1)で表される構造単位の含有量を示す指標であり、用いた樹脂の混合比率を用いて、粘度平均分子量より、算出した。
上記樹脂組成物ペレットの製造において、押出の可否を目視により確認し、以下の通り評価した。
a:押出可能
b:押出不安定
c:押出不可能(ポリカーボネート樹脂が分解)
上記樹脂組成物ペレットの製造において、ガス発生量を目視により以下の通り評価した。
a:ガス発生量標準
b:やや多い
c:多い
上記押出可否とガス発生量の結果に基づき、以下の通り評価した。
A:押出可否とガス発生量の両方がaである。
B:上記Aおよび下記C以外である。
C:押出可否とガス発生量の少なくとも一方がcである。
上記で得られた樹脂組成物ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機(ファナック株式会社製「α-2000i-150B」)を用い、シリンダー設定温度270℃、金型温度70℃、スクリュー回転数100rpm、射出速度30mm/秒の条件下にて、150mm×100mm×2mm厚の平板状試験片を射出成形した。得られた平板状試験片について、日本電色工業(株)製のNDH-2000型ヘイズメーターでヘイズ(単位:%)を測定した。
上記で製造した平板状試験片について、爪で10往復こすり、官能評価を行った。
a:傷が付かず、滑りがよい。
b:少し傷は付くが滑りはよい。
c:dより傷は少ないが、傷つく。
d:傷つく。
上記で製造した平板状試験片表面を、エタノール溶液を浸み込ませたコットンで拭き取り、上記の爪傷付き耐性と同様に、官能評価を行った。
押出性、ヘイズ、爪傷付き耐性に基づき総合的に評価した。
1:押出性総合評価がA、ヘイズが5.0%以下、かつ、爪傷付き性(初期)および溶媒拭き取り後の爪傷付き耐性がaである。
2:上記1および下記3以外である。
3:以下の1つ以上を満たす。
押出性総合評価がCである。
ヘイズが5.0%超である。
爪傷付き耐性がcまたはdである。
溶媒拭き取り後の爪傷付き耐性がcまたはdである。
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物は、押出性に優れ、ヘイズが低く、初期および溶媒拭き取り後の爪傷付き耐性に優れていた(実施例1~実施例5)。
これに対し、式(1)で表される構造単位を含まない場合(比較例1、比較例4)、初期および溶媒拭き取り後の爪傷付き耐性が劣っていた。
また、脂肪酸エステルとして、水酸基価が100mgKOH/g超のものや、炭素数が41以下もの、エステル基を複数有するものを用いたり、脂肪酸エステルの代替物を配合すると(比較例1~13)、押出性が劣ったり、ヘイズが高くなったり、初期および溶媒拭き取り後の傷付き耐性が劣る傾向にあった。
また、脂肪酸エステルの配合量が本発明の範囲を外れる場合(比較例14および比較例15)、初期および溶媒拭き取り後の爪傷付き耐性が劣ったり、押出性に劣っていた。
Claims (8)
- 前記(B)脂肪酸モノエステルが、飽和直鎖カルボン酸と飽和直鎖アルコールから形成されている、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記(A)ポリカーボネート樹脂は、前記式(1)で表される構造単位を40~95モル%と、前記式(2)で表される構造単位60~5モル%を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 厚さ2mmの成形品に成形した時のヘイズが5.0%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物が無機充填材を含まないか、前記(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、無機充填材を8質量部以下の割合で含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 爪傷付き耐性用の用途に用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される成形品。
- 前記成形品がパネル状である、請求項7に記載の成形品。
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