JP2017002297A - オレフィン系樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池 - Google Patents

オレフィン系樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池 Download PDF

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彰弘 小川
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貴彦 澤田
辰典 高松
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辰典 高松
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Abstract

【課題】 本発明は、非水系電解液を吸収した後においても皺の発生が低減されたオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供する。【解決手段】 本発明のオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、厚みが1〜40μm、空隙率が20〜65%及び透気度が50〜450sec/100mLであり、ジメチルカーボネートに浸漬した際の伸び率が0.2%以下であることを特徴とするので、非水電解液を吸収した後においても皺の発生が低減されており、非水電解液を吸収した後においても面方向において全体的に略均一なイオン透過性を保持する。【選択図】 なし

Description

本発明は、オレフィン系樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池に関する。
従来から携帯用電子機器の電池としてリチウムイオン二次電池が用いられている。このリチウムイオン二次電池は、一般的に正極と、負極と、セパレータとを電解液中に配設することによって構成されている。正極は、アルミニウム箔の表面にコバルト酸リチウム又はマンガン酸リチウムが塗布されることで形成される。負極は、銅箔の表面にカーボンが塗布されることで形成される。そして、セパレータは、正極と負極とを仕切るように配設され、電極間の電気的な短絡を防止している。
リチウムイオン二次電池の充電時には、正極からリチウムイオンが放出されて負極内に移動する。一方、リチウムイオン二次電池の放電時には、負極からリチウムイオンが放出されて正極内に移動する。したがって、セパレータには、リチウムイオンなどのイオン透過性を有していることが必要とされている。
セパレータとしては、絶縁性及びコスト性に優れていることから、合成樹脂微多孔フィルムが用いられている。合成樹脂微多孔フィルムは、プロピレン系樹脂などの合成樹脂を含んでいる。
一方、上記の合成樹脂微多孔フィルムは電解液に浸漬することで、電解液を吸液し寸法が増大する傾向があり、リチウムイオン二次電池に使用した際に電池内で皺が発生し、電池体積が変化してしまう問題がある。
特許文献1には、プラスチックフィルムにイオン透過性を付与し得るビニルモノマーをグラフト共重合させて成るグラフト共重合体の片面または両面に親水性物質層を形成することにより、水系電解液浸漬時の寸法変化を小さくするセパレータとして開示されている。
特開平8−64192号公報
しかしながら、水系電解液浸漬時の対策は、リチウムイオン二次電池に用いる非水系電解液浸漬時の対策に用いても効果が得られない。
本発明は、非水系電解液を吸収した後においても皺の発生が低減されたオレフィン系樹脂微多孔フィルム、並びに、このオレフィン系樹脂微多孔フィルムを用いた非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池を提供する。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、厚みが1〜40μm、空隙率が20〜65%及び透気度が50〜450sec/100mLであり、ジメチルカーボネートに浸漬した際の伸び率が0.2%以下であることを特徴とする。
上記オレフィン系樹脂微多孔フィルムにおいて、105℃で1時間加熱した後の熱収縮率が7%以下であることを特徴とする。
本発明の非水電解液二次電池用セパレータは、上記オレフィン系樹脂微多孔フィルムを含むことを特徴とする。
本発明の非水電解液二次電池は、非水電解液二次電池用セパレータを含むことを特徴とする。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、非水電解液を吸収した後においても皺の発生が低減されており、非水電解液を吸収した後においても面方向において全体的に略均一なイオン透過性を保持する。従って、本発明のオレフィン系樹脂微多孔フィルムを用いて構成された非水電解液二次電池は、優れた電池性能を有する。
特に、多数枚の正極と負極とをセパレータを介して積層させることによって構成された積層型の二次電池を構成する場合、複数枚のオレフィン系樹脂微多孔フィルム同士を全体的に均一な密着度合いでもって重ね合わせることができる。従って、複数枚のオレフィン系樹脂微多孔フィルムを重ね合わせた状態において、イオン透過性は、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの面方向において全体的に略均一に保持される。本発明のオレフィン系樹脂微多孔フィルムを用いて構成された積層型の非水電解液二次電池は、優れた電池性能を有する。
更に、本発明のオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、非水電解液の吸収前後において寸法変化率が小さいので、優れた寸法精度でもって二次電池を作製することができる。特に、多数枚の正極と負極とをセパレータを介して積層させることによって構成された積層型の二次電池を構成する場合、複数枚のオレフィン系樹脂微多孔フィルムを重ね合わせて得られる積層体の厚み変化を低く抑えることができ、寸法精度に優れた二次電池を容易に作製することができる。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、厚みが1〜40μm、空隙率が20〜65%及び透気度が50〜450sec/100mLであり、ジメチルカーボネートに浸漬した際の伸び率が0.2%以下であることを特徴とする。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムを構成しているオレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂などが挙げられ、耐熱性及び透気性に優れるオレフィン系樹脂微多孔フィルムが得られることから、エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂がより好ましい。
プロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体等が挙げられる。プロピレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。また、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。プロピレン系樹脂中におけるプロピレン成分の含有量は、好ましくは50質量%を超え、より好ましくは80質量%以上である。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。
プロピレン系樹脂としては、優れた結晶性を有することから、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)が好ましく、アイソタクチックホモポリプロピレン及びシンジオタクチックホモポリプロピレンがより好ましく、アイソタクチックホモポリプロピレンが特に好ましい。
エチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの単独重合体、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。エチレン系樹脂中におけるエチレン成分の含有量は、好ましくは50質量%を超え、より好ましくは80質量%以上である。
オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、3万〜50万が好ましく、5万〜48万がより好ましい。プロピレン系樹脂の重量平均分子量は、25万〜50万が好ましく、28万〜48万がより好ましい。エチレン系樹脂の重量平均分子量は、3万〜40万が好ましく、5万〜30万がより好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、製膜安定性に優れると共に、微小孔部が均一に形成されるオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
オレフィン系樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、5.0〜30が好ましく、7.5〜25がより好ましい。プロピレン系樹脂の分子量分布は、7.5〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。エチレン系樹脂の分子量分布は、5.0〜30が好ましく、8.0〜27がより好ましい。分子量分布が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、高い空孔率を有するオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
ここで、オレフィン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、オレフィン系樹脂6〜7mgを採取し、採取したオレフィン系樹脂を試験管に供給した上で、試験管に0.05質量%のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を含んでいるo−DCB(オルトジクロロベンゼン)溶液を加えてオレフィン系樹脂濃度が1mg/mLとなるように希釈して希釈液を作製する。
溶解濾過装置を用いて145℃にて回転数25rpmにて1時間に亘って上記希釈液を振とうさせてオレフィン系樹脂をo−DCB溶液に溶解させて測定試料とする。この測定試料を用いてGPC法によってオレフィン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量を測定することができる。
オレフィン系樹脂における重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC-8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT×3本
TSKguardcolumn-HHR(30)HT×1本
移動相:o−DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500〜8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
オレフィン系樹脂の融点は、130〜170℃が好ましく、133〜165℃がより好ましい。プロピレン系樹脂の融点は、160〜170℃が好ましく、160〜165℃がより好ましい。エチレン系樹脂の融点は、130〜140℃が好ましく、133〜138℃がより好ましい。融点が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、成膜安定性に優れていると共に、高温下における機械的強度の低下が抑制されているオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂の融点は、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル社 装置名「DSC220C」など)を用い、下記手順に従って測定することができる。先ず、オレフィン系樹脂10mgを25℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで加熱し、250℃にて3分間に亘って保持する。次に、オレフィン系樹脂を250℃から降温速度10℃/分にて25℃まで冷却して25℃にて3分間に亘って保持する。続いて、オレフィン系樹脂を25℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで再加熱し、この再加熱工程における吸熱ピークの頂点の温度を、オレフィン系樹脂の融点とする。
プロピレン系樹脂における示差走査熱量分析(DSC)によって得られる融解熱量は、85mJ/mg以上が好ましく、90mJ/mg以上がより好ましい。融解熱量が85mJ/mg以上であるプロピレン系樹脂は配向性が高く、オレフィン系樹脂微多孔フィルムに均一に微小孔部を形成することができる。
なお、プロピレン系樹脂のDSCによって得られる融解熱量は、下記の要領で測定することができる。先ず、プロピレン系樹脂10mgを採取する。次に、プロピレン系樹脂を0℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで加熱し、250℃にて3分間に亘って保持する。次に、プロピレン系樹脂を250℃から降温速度10℃/分にて0℃まで冷却して0℃にて3分間に亘って保持する。続いて、プロピレン系樹脂を0℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで再加熱し、融解ピークの総面積から融解熱量を算出することができる。上記プロピレン系樹脂のDSCは、例えば、セイコーインスツル社のDSC220Cを用いて行うことができる。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムは、微小孔部を含んでいる。微小孔部は、フィルム厚み方向に貫通していることが好ましく、これによりオレフィン系樹脂微多孔フィルムに優れた透気性を付与することができる。このようなオレフィン系樹脂微多孔フィルムはその厚み方向にリチウムイオンなどのイオンを透過させることが可能となる。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムの透気度は、50〜450sec/100mLであるが、50〜300sec/100mLが好ましく、50〜250sec/100mLがより好ましく、50〜200sec/100mLが特に好ましい。透気度が上記範囲内であるオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、機械的強度とイオン透過性の双方に優れている。
なお、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの透気度は、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気でJIS P8117に準拠して、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの任意の10箇所の透気度を測定し、それらの相加平均値を算出することにより得られた値とする。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムの空隙率は、45〜70%が好ましく、47〜67%がより好ましい。空隙率が上記範囲内であるオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、透気性及び機械的強度に優れている。
なお、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの空隙率は下記の要領で測定することができる。先ず、オレフィン系樹脂微多孔フィルムを切断することにより縦10cm×横10cmの平面正方形状(面積100cm2)の試験片を得る。次に、試験片の重量W(g)及び厚みT(cm)を測定し、下記式(1)により見掛け密度ρ(g/cm3)を算出する。なお、試験片の厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ製 シグナルABSデジマチックインジケータ)を用いて、試験片の厚みを15箇所測定し、その相加平均値とする。そして、この見掛け密度ρ(g/cm3)及びオレフィン系樹脂自体の密度ρ(g/cm3)を用いて下記式(2)に基づいてオレフィン系樹脂微多孔フィルムの空隙率P(%)を算出することができる。
見掛け密度ρ(g/cm3)=W/(100×T) (1)
空隙率P[%]=100×[(ρ−ρ)/ρ] (2)
オレフィン系樹脂微多孔フィルムの厚みは、1〜40μmであり、1〜30μmがより好ましい。なお、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ製 シグナルABSデジマチックインジケータ)を用いて、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの厚みを15箇所測定し、その相加平均値とする。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムの表面開口率は、25〜55%が好ましい。オレフィン系樹脂微多孔フィルムの表面開口率が上記範囲内であると、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの透気性及び機械的強度に優れている。
なお、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの表面開口率は下記の要領で測定することができる。先ず、オレフィン系樹脂微多孔フィルム表面の任意の部分において、縦9.6μm×横12.8μmの平面長方形状の測定部分を定め、この測定部分を倍率1万倍にて写真撮影する。
次いで、測定部分内に形成された各微小孔部を、長辺と短辺の何れか一方が延伸方向に平行となる長方形で囲む。この長方形は、長辺及び短辺が共に最小寸法となるように調整する。上記長方形の面積を各微小孔部の開口面積とする。各微小孔部の開口面積を合計して微小孔部の総開口面積S(μm2)を算出する。この微小孔部の総開口面積S(μm2)を122.88μm2(9.6μm×12.8μm)で除して100を乗じた値を表面開口率(%)とする。なお、測定部分と、測定部分でない部分とに跨がって存在している微小孔部については、微小孔部のうち、測定部分内に存在している部分のみを測定対象とする。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムにおける微小孔部の開口端の最大長径は、1μm以下が好ましく、100nm〜900nmがより好ましく、500nm〜900nmが特に好ましい。オレフィン系樹脂微多孔フィルムにおける微小孔部の開口端の最大長径が、1μm以下であると、局所的なリチウムイオンの移動を抑制してデンドライトショートの発生を抑制することができると共に、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの機械的強度が向上する。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムにおける微小孔部の開口端の平均長径は、10nm〜400nmがより好ましく、200nm〜400nmが特に好ましい。微小孔部の開口端の平均長径が上記範囲内であると、局所的なリチウムイオンの移動を抑制してデンドライトショートの発生を抑制することができる。
なお、オレフィン系樹脂微多孔フィルムにおける微小孔部の開口端の最大長径及び平均長径は次のようにして測定される。先ず、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの表面をカーボンコーティングする。次に、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの表面における任意の10個所を走査型電子顕微鏡を用いて倍率1万にて撮影する。なお、撮影範囲は、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの表面において縦9.6μm×横12.8μmの平面長方形の範囲とする。
得られた写真に現れている各微小孔部の開口端の長径を測定する。微小孔部における開口端の長径のうち、最大の長径を微小孔部の開口端の最大長径とする。各微小孔部における開口端の長径の相加平均値を微小孔部の開口端の平均長径とする。なお、微小孔部の開口端の長径とは、この微小孔部の開口端を包囲し得る最小径の真円の直径とする。撮影範囲と、撮影範囲でない部分とに跨がって存在している微小孔部については、測定対象から除外する。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムの孔密度は、15個/μm2以上が好ましく、17〜50個/μm2がより好ましい。オレフィン系樹脂微多孔フィルムの孔密度が上記範囲内であると、オレフィン系樹脂微多孔フィルムは、局所的なリチウムイオンの移動を抑制してデンドライトショートの発生を抑制することができると共に、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの機械的強度が向上する。
なお、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの孔密度は、下記の要領で測定する。先ず、オレフィン系樹脂微多孔フィルム表面の任意の部分において、縦9.6μm×横12.8μmの平面長方形状の測定部分を定め、この測定部分を倍率1万倍にて写真撮影する。そして、測定部分において微小孔部の個数を測定し、この個数を122.88μm2(9.6μm×12.8μm)で除すことによって孔密度を算出することができる。なお、測定部分と、測定部分でない部分とに跨がって存在している微小孔部は0.5個として数える。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムを、DMC(ジメチルカーボネート)に浸漬した際の伸び率が0.2%以下であるが、0.17%以下が好ましく、0.15%以下がより好ましい。これにより、電解液浸漬時に寸法変化を抑制し皺の発生を低減することができる。
なお、オレフィン系樹脂微多孔フィルムのDMC浸漬時の伸び率の測定は、次の通りに行うことができる。先ず、オレフィン系樹脂微多孔フィルムを切断することにより、1辺100mmの平面正方形状の試験片を得る。正方形の相対する辺の中点同士を結び、十字状に二本の線を引く。引いた二本の線の長さをそれぞれ、23℃の測定雰囲気温度において、二次元画像測定器(例えば、チェンウェイ社製 商品名「CW−2515N」)を用いて測定し、それぞれをMD方向の浸漬前の寸法、TD方向の浸漬前の寸法とする。MD方向とは押出工程の押出方向であり、TD方向とは押出方向に直交する方向である。そして、試験片を23℃のDMCに30分浸漬後、DMCに浸漬させながら、二次元画像測定器を用いて試験片の二本の線の長さをそれぞれ測定し、浸漬後の寸法とする。下記式に基づいて寸法変化率を算出し、二本のうち大きい方の寸法変化率を伸び率とする。
寸法変化率(%)={(浸漬後の寸法−浸漬前の寸法)/浸漬前の寸法}×100
オレフィン系樹脂微多孔フィルムを105℃で1時間加熱した後の熱収縮率は、7%以下が好ましく、6%以下がより好ましく、5%以下が特に好ましい。これにより、二次電池内部が不測に加熱された場合にあっても、正極と負極との短絡を効果的に防止することができる。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムを105℃で1時間加熱した後の熱収縮率は、次の通りに行うことができる。先ず、オレフィン系樹脂微多孔フィルムを切断することにより、1辺100mmの平面正方形状の試験片を得る。正方形の相対する辺の中点同士を結び、十字状に二本の線を引く。引いた二本の線の長さをそれぞれ、二次元画像測定器(例えば、チェンウェイ社製 商品名「CW−2515N」)を用いて測定し、それぞれをMD方向の加熱前の寸法、TD方向の加熱前の寸法とする。そして、試験片を105℃に保持されたオーブン内に1時間に亘って放置する。しかる後、試験片をオーブンから取り出して20℃にて1時間に亘って冷却する。二次元画像測定器を用いて試験片の二本の線の長さをそれぞれ測定し、加熱後の寸法とする。下記式に基づいて熱収縮率を算出し、二本のうちの大きい方の熱収縮率を、オレフィン系樹脂微多孔フィルムを105℃で1時間加熱した後の熱収縮率とする。
熱収縮率(%)={(加熱後の寸法−加熱前の寸法)/加熱前の寸法}×100
[オレフィン系樹脂微多孔フィルムの製造方法]
オレフィン系樹脂微多孔フィルムの製造方法の一例を説明する。オレフィン系樹脂微多孔フィルムは、延伸によって微小孔部が形成されたオレフィン系樹脂延伸フィルムに後述する第三延伸工程を施すことによって製造することができる。
延伸によって微小孔部が形成されたオレフィン系樹脂延伸フィルムの製造方法としては、特に限定されず、例えば、下記の方法が挙げられる。
(1)オレフィン系樹脂を押出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルム中にラメラ結晶を発生及び成長させる工程と、オレフィン系樹脂フィルムを延伸してラメラ結晶間を離間させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂延伸フィルムを得る工程とを有する方法;
(2)オレフィン系樹脂と充填剤とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸又は二軸延伸してオレフィン系樹脂と充填剤との界面を剥離させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂延伸フィルムを得る工程とを有する方法;及び
(3)オレフィン系樹脂と抽出可能物(例えば、充填剤や可塑剤など)とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、オレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸又は二軸延伸してオレフィン系樹脂延伸フィルムを得る工程と、オレフィン系樹脂延伸フィルムから抽出可能物を溶剤によって抽出することにより微小孔部を形成する工程と、微小孔部を形成したオレフィン系樹脂延伸フィルムを熱固定処理する工程とを有する方法などが挙げられる。
なかでも、微小孔部が均一に且つ多数形成されているオレフィン系樹脂延伸フィルムが得られることから、(1)及び(3)の方法が好ましい。
上記(1)の方法によって製造されたオレフィン系樹脂延伸フィルムに第三延伸工程を施してオレフィン系樹脂微多孔フィルムを製造する方法について、その一例を具体的に説明する。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、下記工程、
オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し、上記押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る押出工程と、
上記押出工程で得られたオレフィン系樹脂フィルムを、(Tm−30)〜(Tm−5)℃にて養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムを、表面温度が−20〜100℃にて延伸倍率1.05〜2倍に押出方向に一軸延伸する第一延伸工程と、
上記第一延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムを、表面温度が(Tm−65)〜(Tm−15)℃にて延伸倍率1.5〜4.0倍、延伸速度5〜1000%/分で押出方向に一軸延伸することによりオレフィン系樹脂延伸フィルムを得る第二延伸工程と、
上記第二延伸工程後のオレフィン系樹脂延伸フィルムを、その表面温度が(Tm−35)℃以上で且つ上記オレフィン系樹脂の融点以下にて加熱しながら、押出方向に0〜25%の収縮率で収縮させるアニーリング工程と、
上記アニーリング工程後のオレフィン系樹脂延伸フィルムを、表面温度が(Tm−65)〜Tm℃にて延伸倍率1.0〜1.5倍に押出方向に一軸延伸する第三延伸工程と
を有する方法によって製造することができる。なお、「Tm」とは、オレフィン系樹脂の融点を意味する。
(押出工程)
本発明の方法では、先ず、オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練した上で、押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る押出工程を行う。
オレフィン系樹脂を押出機にて溶融混練する際のオレフィン系樹脂の温度は、(Tm+20)〜(Tm+100)℃が好ましく、(Tm+25)〜(Tm+80)℃がより好ましく、(Tm+25)〜(Tm+65)℃が特に好ましい。溶融混練時のオレフィン系樹脂の温度を上記範囲内とすることにより、均一な厚みを有すると共に、オレフィン系樹脂の配向性が向上されているオレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。
オレフィン系樹脂を押出機からフィルム状に押出す際におけるドロー比は、50〜300が好ましく、70〜230がより好ましい。ドロー比を50以上とすることにより、オレフィン系樹脂に加わる張力を向上させることができる。これによりオレフィン系樹脂を十分に配向させてラメラの生成を促進させることが可能となる。また、ドロー比を300以下とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムの成膜安定性を向上させることができる。これにより均一な厚みや幅を有するオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得ることが可能となる。
なお、ドロー比とは、TダイのリップのクリアランスをTダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みで除した値をいう。Tダイのリップのクリアランスの測定は、JIS B7524に準拠したすきまゲージ(例えば、株式会社永井ゲージ製作所製 JISすきまゲージ)を用いてTダイのリップのクリアランスを10箇所以上測定し、その相加平均値を求めることにより行うことができる。また、Tダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ製 シグナルABSデジマチックインジケータ)を用いてTダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みを10箇所以上測定し、その相加平均値を求めることにより行うことができる。
更に、オレフィン系樹脂フィルムの成膜速度は、10〜300m/分が好ましく、15〜250m/分がより好ましく、15〜200m/分が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの成膜速度を10m/分以上とすることによって、オレフィン系樹脂に加わる張力を向上させることができる。これによりオレフィン系樹脂分子を十分に配向させてラメラの生成を促進させることが可能となる。また、オレフィン系樹脂フィルムの成膜速度を300m/分以下とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムの成膜安定性を向上させることができる。これにより均一な厚みや幅を有するオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得ることが可能となる。
そして、Tダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムを好ましくは、その表面温度が(Tm−100)℃以下となるまで冷却することにより、オレフィン系樹脂フィルムを構成しているオレフィン系樹脂が結晶化してラメラを生成する。本発明では、溶融混練したオレフィン系樹脂を押出すことにより、オレフィン系樹脂フィルムを構成しているオレフィン系樹脂分子を予め配向させた上で、オレフィン系樹脂フィルムを冷却することにより、オレフィン系樹脂が配向している部分においてラメラの生成を促進させることができる。
冷却されたオレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、(Tm−100)℃以下が好ましく、(Tm−140)〜(Tm−110)℃がより好ましく、(Tm−135)〜(Tm−120)℃が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を上記範囲内まで冷却することによって、オレフィン系樹脂を結晶化させてラメラを高度に生成させることができる。
(養生工程)
次いで、上述した押出工程により得られたオレフィン系樹脂フィルムを養生する。この養生工程は、押出工程においてオレフィン系樹脂フィルム中に生成させたラメラを成長させるために行う。このことにより、オレフィン系樹脂フィルムの押出方向に結晶化部分(ラメラ)と非結晶部分とが交互に配列してなる積層ラメラ構造を促進させることができ、後述するオレフィン系樹脂フィルムの延伸工程において、ラメラ内ではなく、ラメラ間において亀裂を発生させ、この亀裂を起点として微小な貫通孔(微小孔部)を形成することができる。
養生工程は、押出工程により得られたオレフィン系樹脂フィルムを、好ましくは、(Tm−30)〜(Tm−5)℃の養生温度で養生することにより行う。
オレフィン系樹脂フィルムの養生温度は、(Tm−30)〜(Tm−5)℃が好ましく、(Tm−25)〜(Tm−10)℃がより好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの養生温度を(Tm−30)℃以上とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムの結晶化を充分に促進させることができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの養生温度を(Tm−5)℃以下にすることによって、オレフィン系樹脂の分子配向の緩和によるラメラ構造の崩壊を低減することができる。
なお、オレフィン系樹脂フィルムの養生温度とは、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度である。しかしながら、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を測定できないような場合、例えば、オレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させる場合には、オレフィン系樹脂フィルムの養生温度とは、雰囲気温度とする。例えば、熱風炉などの加熱装置内部でオレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生を行う場合には、加熱装置内部の温度を養生温度とする。
オレフィン系樹脂フィルムの養生は、オレフィン系樹脂フィルムを走行させながら行ってもよく、オレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で行ってもよい。
オレフィン系樹脂フィルムの養生を、オレフィン系樹脂フィルムを走行しながら行う場合、オレフィン系樹脂フィルムの養生時間は、1分以上が好ましく、5分〜60分がより好ましい。
オレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させる場合、養生時間は、1時間以上が好ましく、15時間以上がより好ましい。このような養生時間でロール状に巻き取った状態のオレフィン系樹脂フィルムを養生させることにより、全体的にオレフィン系樹脂フィルムの温度を上述した養生温度にして十分に養生を行うことができる。これによりオレフィン系樹脂フィルム中にラメラを十分に成長させることができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの熱劣化を低減する観点から、養生時間は、35時間以下が好ましく、30時間以下がより好ましい。
なお、オレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させた場合、養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムロールからオレフィン系樹脂フィルムを巻き出して、後述する延伸工程及びアニーリング工程を実施すればよい。
(第一延伸工程)
次に、養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムを、好ましくは、表面温度が−20〜100℃にて、延伸倍率1.05〜2倍で、押出方向に一軸延伸する第一延伸工程を行う。第一延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルム中のラメラは殆ど溶融しておらず、延伸によってラメラ同士を離間させることによって、ラメラ間の非結晶部において効率的に微細な亀裂を独立して生じさせ、この亀裂を起点として多数の微小孔部を確実に形成させることができる。
第一延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、−20〜100℃が好ましく、0〜80℃がより好ましく、10〜40℃が特に好ましい。表面温度を上記範囲内とすることによって、延伸時におけるオレフィン系樹脂フィルムの破断を低減することができ、ラメラ間の非結晶部において亀裂を発生させることができる。
第一延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率は、1.05〜2倍が好ましく、1.1〜1.8倍がより好ましく、1.2〜1.5倍が特に好ましい。延伸倍率を1.05倍以上とすることにより、ラメラ間の非結晶部において微小孔部を形成することができる。また、延伸倍率を2倍以下とすることにより、微小孔部が均一に形成されたオレフィン系樹脂微多孔フィルムを形成することができる。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率とは、延伸後のオレフィン系樹脂フィルムの長さを延伸前のオレフィン系樹脂フィルムの長さで除した値をいう。
第一延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸速度は、20%/分以上が好ましく、20〜3000%/分がより好ましく、20〜2000%/分が特に好ましい。延伸速度を20%/分以上とすることにより、ラメラ間の非結晶部において微小孔部を均一に形成することができる。延伸速度を3000%/分以下とすることにより、延伸によるオレフィン系樹脂フィルムの破断を抑制することができる。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸速度とは、単位時間当たりのオレフィン系樹脂フィルムの押出方向(延伸方向)における寸法の変化割合をいう。
第一延伸工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの延伸方法としては、オレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸することができれば、特に限定されない。例えば、オレフィン系樹脂フィルムを、周速の異なるロールを用いた縦一軸延伸装置を用いて所定温度にて一軸延伸する方法などが挙げられる。
(第二延伸工程)
次いで、第一延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムを、好ましくは、その表面温度が(Tm−65)〜(Tm−15)℃にて延伸倍率1.5〜4.0倍、延伸速度5〜1000%/分で押出方向に一軸延伸することによりオレフィン系樹脂延伸フィルムを得る第二延伸工程を実施する。このような第二延伸工程を行うことによって、第一延伸工程にてオレフィン系樹脂フィルムに形成された多数の微小孔部を成長させることができる。
第二延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、(Tm−65)〜(Tm−15)℃が好ましく、(Tm−55)〜(Tm−25)℃がより好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(Tm−65)℃以上とすることによって、微小孔部を高度に成長させることができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(Tm−15)℃以下とすることによって、微小孔部の閉塞を低減することができる。
第二延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率は、1.5〜4.0倍が好ましく、1.7〜3.9倍がより好ましく、1.9〜3.9倍が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を1.5倍以上とすることによって、微小孔部を成長させることができる。これにより優れた透気性を有するオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。更に、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を1.5倍以上とすることにより、結晶間の開孔を促進させて微小孔部の数を増加させることで、オレフィン系樹脂微多孔フィルムのイオン透過性を向上させることができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を4.0倍以下とすることによって、微小孔部の閉塞を抑制することが可能となる。
第二延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸速度は、5〜1000%/分が好ましく、5〜700%/分がより好ましく、5〜400%/分が特に好ましい。延伸速度を5%/分以上とすることによって、微小孔部の過度な成長を低減することができ、これにより優れた機械的強度が確保されているオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。また、延伸速度を1000%/分以下とすることによって、微小孔部を均一に成長させることができる。
第二延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸方法としては、オレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸することができれば、特に限定されない。例えば、オレフィン系樹脂フィルムを、周速の異なるロールを用いた縦一軸延伸装置を用いて所定温度にて一軸延伸する方法などが挙げられる。
(アニーリング工程)
次に、第二延伸工程において一軸延伸が施されたオレフィン系樹脂延伸フィルムにアニール処理を施すアニーリング工程を行う。アニーリング工程では、第二延伸工程後のオレフィン系樹脂延伸フィルムを加熱しながら、押出方向にオレフィン系樹脂延伸フィルムを収縮させる。
このアニーリング工程は、上述した延伸工程において加えられた延伸によってオレフィン系樹脂延伸フィルムに生じた残存歪みを緩和するために行われる。上記方法では、上述した第二延伸工程において比較的高い延伸倍率にてオレフィン系樹脂延伸フィルムを延伸した後に、アニーリング工程を行う。これにより、第三延伸工程において、フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることができる。
アニーリング工程は、上記第二延伸工程後のオレフィン系樹脂延伸フィルムを、好ましくは、その表面温度が(Tm−35)℃以上で且つ上記オレフィン系樹脂の融点以下にて加熱しながら、押出方向に0〜25%の収縮率で収縮させることにより行われる。
アニーリング工程において、オレフィン系樹脂延伸フィルムの表面温度は、(Tm−35)℃以上で且つ上記オレフィン系樹脂の融点以下が好ましく、(Tm−25)〜(Tm−1)℃がより好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(Tm−35)℃以上とすることによって、延伸によってオレフィン系樹脂延伸フィルム中に残存した歪みを十分に緩和することができる。これにより、第三延伸工程において、フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることができる。また、オレフィン系樹脂延伸フィルムの表面温度をオレフィン系樹脂の融点の温度以下とすることによって、延伸工程で形成された微小孔部の閉塞を低減することができる。
アニーリング工程において、オレフィン系樹脂延伸フィルムの収縮率は、0〜25%が好ましく、0〜22%がより好ましい。オレフィン系樹脂延伸フィルムの収縮率を0%以上とすることによって、延伸によってオレフィン系樹脂延伸フィルム中に残存した歪みを十分に緩和して、第三延伸工程において、フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることができる。また、オレフィン系樹脂延伸フィルムの収縮率を25%以下とすることによって、微小孔部の閉塞を抑制しつつ、オレフィン系樹脂延伸フィルムを弛ませずに均一にアニールすることができる。
なお、オレフィン系樹脂延伸フィルムの収縮率とは、アニーリング工程時における押出方向(延伸方向)におけるオレフィン系樹脂延伸フィルムの収縮長さを、第二延伸工程後の押出方向(延伸方向)におけるオレフィン系樹脂延伸フィルムの長さで除して100を乗じた値をいう。
(第三延伸工程)
アニーリング工程後のオレフィン系樹脂延伸フィルムを、好ましくは、その表面温度が(Tm−65)〜Tm℃にて延伸倍率1.0〜1.5倍、延伸速度5〜1000%/分で押出方向に一軸延伸することによりオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る第三延伸工程を実施する。このような第三延伸工程を行うことによって、第一工程及び第二工程にてオレフィン系樹脂延伸フィルムに形成された多数の微小孔部の閉塞を抑制しながら、フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることができる。フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることによって、非結晶部を構成している分子間に電解液が進入し難くし、電解液の吸収によるオレフィン系樹脂微多孔フィルムの膨潤を低減して皺の発生を低減することができる。第二延伸工程の後、アニーリング工程を経てから第三延伸工程を行うことによって、第二延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの過度な延伸を回避し、生成した微小孔部の閉塞を防止しながら、微小孔部の成長を促進することができる。そして、アニーリング工程において残存歪みが緩和されたオレフィン系樹脂延伸フィルムを第三延伸工程において再度、延伸することによって、第二延伸工程において成長させた微小孔部の閉塞を抑制しながら、フィブリル化された非結晶部の配向を効果的に促進させることができる。
第三延伸工程において、オレフィン系樹脂延伸フィルムの表面温度は、(Tm−65)〜Tm℃が好ましく、(Tm−55)〜(Tm−1)℃がより好ましい。オレフィン系樹脂延伸フィルムの表面温度を(Tm−65)℃以上とすることによって、第一及び第二延伸工程にてオレフィン系樹脂延伸フィルムに形成された多数の微小孔部の閉塞を抑制しながら、フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることができる。また、オレフィン系樹脂延伸フィルムの表面温度をTm℃以下とすることによって、微小孔部の閉塞を低減することができる。
第三延伸工程において、オレフィン系樹脂延伸フィルムの延伸倍率は、1.0〜1.5倍が好ましく、1.0〜1.4倍がより好ましく、1.0〜1.3倍が特に好ましい。オレフィン系樹脂延伸フィルムの延伸倍率を1.0倍以上とすることによって、フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることができる。これにより、非水電解液を吸収した後においても皺の発生が低減され、非水電解液を吸収した後においても面方向において全体的に略均一なイオン透過性を保持するオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。また、オレフィン系樹脂延伸フィルムの延伸倍率を1.5倍以下とすることによって、微小孔部の閉塞を抑制することが可能となる。
第三延伸工程において、オレフィン系樹脂延伸フィルムの延伸速度は、5〜1000%/分が好ましく、5〜700%/分がより好ましく、5〜400%/分が特に好ましい。延伸速度を5%/分以上とすることによって、微小孔部の過度な成長を低減することができ、これにより優れた機械的強度が確保されているオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。また、延伸速度を1000%/分以下とすることによって、微小孔部を均一に成長させることができる。
第三延伸工程において、オレフィン系樹脂延伸フィルムの延伸方法としては、オレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸することができれば、特に限定されない。例えば、オレフィン系樹脂延伸フィルムを、周速の異なるロールを用いた縦一軸延伸装置を用いて所定温度にて一軸延伸する方法などが挙げられる。
又、上記(2)及び(3)の製造方法によって製造されたオレフィン系樹脂延伸フィルムにおいても、第三延伸工程を施すことによってオレフィン系樹脂微多孔フィルムを製造することができる。
(第三延伸工程)
オレフィン系樹脂延伸フィルムを、好ましくは、その表面温度が(Tm−65)〜Tm℃にて延伸倍率1.0〜1.5倍、延伸速度5〜1000%/分で押出方向に一軸延伸することによりオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得ることができる。このような第三延伸工程を行うことによって、オレフィン系樹脂延伸フィルムに形成された多数の微小孔部の閉塞を抑制しながら、フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることができる。フィブリル化された非結晶部の配向を促進させることによって、非結晶部を構成している分子間に電解液が進入し難くし、電解液の吸収によるオレフィン系樹脂微多孔フィルムの膨潤を低減して皺の発生を低減することができる。
第三延伸工程において、オレフィン系樹脂延伸フィルムの表面温度、延伸倍率及び延伸速度及び延伸方法は、上記(1)の製造方法によって作製されたオレフィン系樹脂延伸フィルムに第三延伸工程を施す場合と同様であるので説明を省略する。
上述のようにして得られたオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、フィルム表裏面を貫通して形成された微小孔部を多数含んでいる。このようなオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、優れた透気性を有しており、リチウムイオンを円滑に且つ均一に透過させることができる。
したがって、オレフィン系樹脂微多孔フィルムは、非水電解液二次電池用セパレータとして好適に用いられる。非水電解液二次電池としては、リチウムイオン二次電池などが挙げられる。オレフィン系樹脂微多孔フィルムはリチウムイオンの透過性に優れていることから、このオレフィン系樹脂微多孔フィルムを用いることによって、高電流密度で充放電を行うことが可能である非水電解液二次電池を提供することができる。更に、オレフィン系樹脂微多孔フィルムは、非水電解液の吸収に伴う膨潤が概ね抑制されており、非水電解液の吸収後において皺が発生し難く、非水電解液を吸収した後においても面方向において全体的に略均一なイオン透過性を保持し、オレフィン系樹脂微多孔フィルムを用いて構成された非水電解液二次電池は、優れた電池性能を有する。
非水電解液二次電池は、オレフィン系樹脂微多孔フィルムをセパレータとして含んでいれば特に制限されず、正極と、負極と、オレフィン系樹脂微多孔フィルムと、非水電解液とを含んでいる。オレフィン系樹脂微多孔フィルムは正極及び負極の間に配設され、これにより電極間の電気的な短絡を防止することができる。また、非水電解液は、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの微小孔部内に少なくとも充填され、これにより充放電時に電極間をリチウムイオンが移動することができる。
正極は、特に制限されないが、正極集電体と、この正極集電体の少なくとも一面に形成された正極活物質層とを含んでいることが好ましい。正極活物質層は、正極活物質と、この正極活物質間に形成された空隙とを含んでいることが好ましい。正極活物質層が空隙を含んでいる場合には、この空隙中にも非水電解液が充填される。正極活物質はリチウムイオンなどを吸蔵放出することが可能な材料であり、正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム又はマンガン酸リチウムなどが挙げられる。正極に用いられる集電体としては、アルミニウム箔、ニッケル箔、及びステンレス箔などが挙げられる。正極活物質層は、バインダーや導電助剤などをさらに含んでいてもよい。
負極は、特に制限されないが、負極集電体と、この負極集電体の少なくとも一面に形成された負極活物質層とを含んでいることが好ましい。負極活物質層は、負極活物質と、この負極活物質間に形成された空隙とを含んでいることが好ましい。負極活物質層が空隙を含んでいる場合には、この空隙中にも非水電解液が充填される。負極活物質はリチウムイオンなどを吸蔵放出することが可能な材料であり、負極活物質としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック及びケチェンブラックなどが挙げられる。負極に用いられる集電体としては、銅箔、ニッケル箔、及びステンレス箔などが挙げられる。負極活物質層は、バインダーや導電助剤などをさらに含んでいてもよい。
非水電解液とは、水を含まない溶媒に電解質塩を溶解させた電解液である。リチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液としては、例えば、非プロトン性有機溶媒に、リチウム塩を溶解した非水電解液が挙げられる。非プロトン性有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、及びエチレンカーボネートなどの環状カーボネートと、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、及びジメチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒などが挙げられる。また、リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、及びLiN(SO2CF32などが挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
(押出工程)
アイソタクチックホモポリプロピレン(重量平均分子量Mw:400000、数平均分子量Mn:37000、分子量分布(Mw/Mn):10.8、融点:163℃、融解熱量:96mJ/mg)を押出機に供給し、樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出した後、表面温度が30℃となるまで冷却して、厚みが30μmで且つ幅が200mmの長尺状のホモポリプロピレンフィルムを得た。なお、押出量は10kg/時間、成膜速度は25m/分、ドロー比は85であった。
(養生工程)
次に、長尺状のホモポリプロピレンフィルム400mを外径178mmの円筒状の芯体に巻き取り、ホモポリプロピレンフィルムロールを得た。このホモポリプロピレンフィルムロールを、ホモポリプロピレンフィルムロールを設置している場所の雰囲気温度が150℃である熱風炉中で24時間に亘って放置して養生した。このとき、ホモポリプロピレンフィルムロールの表面から内部まで全体的にホモポリプロピレンフィルムの温度が熱風炉内部の温度と同じ温度になっていた。
(第一延伸工程)
次に、養生を施したホモポリプロピレンフィルムロールからホモポリプロピレンフィルムを巻き出した後、ホモポリプロピレンフィルムの表面温度が23℃となるようにして240%/分の延伸速度にて延伸倍率1.2倍に押出方向にのみ一軸延伸装置を用いて一軸延伸した。
(第二延伸工程)
次に、ホモポリプロピレンフィルムを、一軸延伸装置を用いて表面温度が115℃となるようにして47%/分の延伸速度にて延伸倍率2.9倍に押出方向にのみ一軸延伸して、ホモポリプロピレン延伸フィルムを得た。
(アニーリング工程)
その後、ホモポリプロピレン延伸フィルムをその表面温度が143℃となるようにして45秒間加熱することによりアニールした。なお、アニール時のホモポリプロピレン延伸フィルムの押出方向における収縮率を15%とした。
(第三延伸工程)
続いて、ホモポリプロピレン延伸フィルムを、一軸延伸装置を用いて表面温度が140℃となるようにして100%/分の延伸速度にて延伸倍率1.05倍に押出方向にのみ一軸延伸して、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
[実施例2〜4及び比較例1]
第二延伸工程におけるホモポリプロピレンフィルムの表面温度、延伸倍率及び延伸速度、アニーリング工程におけるホモポリプロピレン延伸フィルムの表面温度及び収縮率、並びに、第三延伸工程におけるホモポリプロピレン延伸フィルムの表面温度、延伸倍率及び延伸速度を、それぞれ表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
[実施例5]
(押出工程)
ホモポリエチレン(PE、重量平均分子量Mw:143000、分子量分布:20.5、融点:136℃、融解熱量:225mJ/mg)を押出機に供給して、樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却してホモポリエチレンフィルム(厚み25μm)を得た。なお、押出量は6kg/時間、成膜速度は16m/分、ドロー比は90であった。
(養生工程)
得られたホモポリエチレンフィルム400mを外径178mmの円筒状の芯体に巻き取り、ホモポリエチレンフィルムロールを得た。このホモポリエチレンフィルムロールを、ホモポリエチレンフィルムロールを設置している場所の雰囲気温度が125℃である熱風炉中で24時間に亘って放置して養生した。このとき、ホモポリエチレンフィルムロールの表面から内部まで全体的にホモポリエチレンフィルムの温度が熱風炉内部の温度と同じ温度になっていた。
(第一延伸工程)
養生後のホモポリエチレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が23℃となるようにして300%/分の延伸速度にて延伸倍率1.5倍に押出方向にのみ一軸延伸した。
(第二延伸工程)
次に、ホモポリエチレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が90℃となるようにして42%/分の延伸速度にて延伸倍率2.7倍に押出方向にのみ一軸延伸してホモポリエチレン延伸フィルムを得た。
(アニーリング工程)
その後、ホモポリエチレン延伸フィルムをその表面温度が125℃となるようにして、ホモポリエチレン延伸フィルムにアニールを施した。なお、アニール時のホモポリエチレン延伸フィルムの収縮率は10%とした。
(第三延伸工程)
続いて、ホモポリエチレン延伸フィルムを一軸延伸機を用いて表面温度が90℃となるようにして200%/分の延伸速度にて延伸倍率1.1倍に押出方向にのみ一軸延伸して、微小孔部を有する厚みが20μmのホモポリエチレン微多孔フィルムを得た。
[実施例6]
超高分子量ポリエチレン(重量平均分子量Mw:3.1×106)20質量%及び高密度ポリエチレン(重量平均分子量Mn:1.7×105)80質量%を含むエチレン系樹脂組成物を得た。
得られたエチレン系樹脂組成物25質量部及び抽出可能物として流動パラフィン75質量部を押出機に供給して210℃にて溶融混練してエチレン系樹脂溶液を作製した。
得られたエチレン系樹脂溶液を押出機からダイに供給してフィルム状に押出した。得られたフィルムを50℃に温調した冷却ロールで引き取りながら冷却してゲル状フィルムを得た。
得られたゲル状フィルムを110℃にて押出方向及び押出方向に直交する方向のそれぞれに10%/分の延伸速度にて延伸倍率5倍にバッチ式同時二軸延伸した。しかる後、ゲル状フィルムを25℃に保持された塩化メチレン中に浸漬して洗浄し、流動パラフィンを除去してゲル状フィルム中に微小孔部を形成した。洗浄したフィルムを25℃にて風乾した後、フィルムに120℃で熱固定処理を5分間施すことによって厚さ20μmのエチレン系樹脂延伸フィルムを作製した。
続いて、エチレン系樹脂延伸フィルムをバッチ式一軸延伸機を用いて表面温度が125℃となるようにして200%/分の延伸速度にて延伸倍率1.05倍に押出方向にのみ一軸延伸して、エチレン系樹脂微多孔フィルムを得た。
[比較例2]
第二延伸工程におけるホモポリエチレンフィルムの表面温度、延伸倍率及び延伸速度、アニーリング工程におけるホモポリエチレン延伸フィルムの表面温度及び収縮率、並びに、第三延伸工程におけるホモポリエチレン延伸フィルムの表面温度、延伸倍率及び延伸速度を、それぞれ表1に示す通りに変更した以外は、実施例5と同様にして、ホモポリエチレン系樹脂微多孔フィルムを得た。
[評価]
実施例及び比較例において得られたオレフィン系樹脂微多孔フィルムについて、厚み、透気度、空隙率、表面開口率、微小孔部の開口端の最大長径、微小孔部の平均長径、及び、孔密度を、上述した要領に従って測定し、その結果を表1に示した。
実施例及び比較例において得られたオレフィン系樹脂微多孔フィルムについて、ジメチルカーボネートに浸漬した際の伸び率を、上述した要領に従って測定し、その結果を表1に示した。なお、表1において、「ジメチルカーボネートに浸漬した際の伸び率」は、単に「伸び率」と表記した。
実施例及び比較例において得られたオレフィン系樹脂微多孔フィルムについて、105℃で1時間加熱した後の熱収縮率を、上述した要領に従って測定し、その結果を表1に示した。なお、表1において、「105℃で1時間加熱した後の熱収縮率」は、単に「熱収縮率」と表記した。
実施例及び比較例において得られたオレフィン系樹脂微多孔フィルムについて、セル作製後のシワ観察を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(セル作製後のシワ観察)
実施例及び比較例において得られたオレフィン系樹脂微多孔フィルムについて、下記要領に従ってセル作製後のシワ発生の有無を目視観察した。
正極活物質として、ニッケル−コバルト−マンガン酸リチウム(1:1:1)を含む正極形成用組成物を調製した。この正極形成用組成物を正極集電体としてのアルミニウム箔の一面に塗布し、乾燥することにより正極活物質層を作製した。その後、正極活物質層が一面に形成されている正極集電体を打ち抜くことにより縦48mm×横117mmの平面長方形状の正極を得た。
次に、負極活物質として天然黒鉛を含む負極形成用組成物を調製した。この負極形成用組成物を負極集電体としてのアルミニウム箔の一面に塗布し、乾燥することにより負極活物質層を作製した。その後、負極活物質層が一面に形成されている負極集電体を打ち抜くことにより、縦50mm×横121mmの平面長方形状の負極を得た。
そして、オレフィン系樹脂微多孔フィルムを打ち抜くことにより、縦52mm×横124mmの平面長方形状とした。
次に、正極10層と負極11層とをそれぞれ1層ずつ交互に、オレフィン系樹脂微多孔フィルムを介して積層することにより積層体を得た。その後、各電極にタブリードを超音波溶接により接合した。積層体をアルミラミネート箔からなる外装材に収納した後、外装材をヒートシールして積層体素子を得た。得られた積層体素子に1kgf/cm2の面圧を加え、抵抗測定により短絡がないことを確認した。
続いて、積層体素子を、減圧下、80℃で24時間に亘って乾燥した後、ドライボックス(露点50℃以下)内にて電解液を常温常圧下で注液した。電解液は、溶媒としてエチレンカーボネート(E)とジメチルカーボネート(D)とを3:7の体積比(E:D)で含むLiPF6溶液(1mol/L)を用いた。積層体素子に電解液を注液した後、エージング、真空含浸、仮減圧シールを行った。
しかる後、仮減圧シール後の積層体素子を20℃で24時間に亘って保管した後、0.2CA、定電流定電圧(C.C.−C.V.)、4.2V、12時間カットオフの条件で初期充電を行った。
次に、積層体素子を減圧下でガス抜きして本シールをした後、さらに充電状態(SOC100%)にて1週間エージングを行った。この時点でセルの外観を目視で観察し、オレフィン系樹脂微多孔フィルムのシワの有無を評価した。
Figure 2017002297

Claims (4)

  1. 厚みが1〜40μm、空隙率が20〜65%及び透気度が50〜450sec/100mLであり、ジメチルカーボネートに浸漬した際の伸び率が0.2%以下であることを特徴とするオレフィン系樹脂微多孔フィルム。
  2. 105℃で1時間加熱した後の熱収縮率が7%以下であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系樹脂微多孔フィルム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のオレフィン系樹脂微多孔フィルムを含むことを特徴とする非水電解液二次電池用セパレータ。
  4. 請求項3に記載の非水電解液二次電池用セパレータを含むことを特徴とする非水電解液二次電池。
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