ところで、蓄光材は、光によって、特に紫外線領域の波長の光によって、励起されて発光する。つまり、蓄光材を太陽光に晒せば、暗所に持ち込んだときに良く光る。さらに蓄光材を効果的に励起するためには、紫外線を放射する光源(いわゆるブラックライト)によって紫外線を照射すればよい。
しかしながら、一般に合成樹脂材料は紫外線によって劣化されやすく、消火用のホースであっても例外ではない。そのため、消火用のホースは、待機状態において直射日光に晒されない暗所すなわち消防車両の格納庫に保管される。ところが、消防車両の格納庫にホースを収納したままであると蓄光材に光が当たらないため、いざ使用する段階で格納庫からホースを取り出しても蓄光材が十分に光らない。消火活動が日中であれば到着した現場でホースを展開する際に蓄光材が日光に晒されるので、蓄光材は励起される。しかし、消火活動が夜間であると蓄光材を励起するための光量が足りず蓄光材を発光させることができない。
そこで、本発明は、消火用のホースや装備品に設けられている蓄光材を、昼夜によらず、使用する際には励起された状態にする格納庫、及び、この格納庫を有した車両を提供する。
本発明に係る一実施形態の格納庫は、車両に搭載され蓄光材を側部に配した消火用のホースを少なくとも収納するケースと、ケースの内部に設置されホースの周囲に紫外光を放射する光源とを備える。
このとき、光源は、ケースからホースを取り出す開口部の内側の縁に配置される。また、光源は、ケースからホースを取り出す開口部と反対側のケースの奥に配置される。また、ケースは、複数のホースを互いに間隔を空けて配置する仕切部材をさらに備えることも好ましい。ケースの奥に光源を配置する場合、ケースは、奥から開口部に向かって平行に延びてホースを1つずつ収納する区画を形成する複数の仕切部材をさらに備えることも好ましい。この場合、仕切部材は、透光性部材で造られ、光源から放射された紫外光を導光し、隣り合うホースに紫外光を照射するとよい。
また、格納庫は、車両の運転スイッチが入れられた状態で操作されることで光源の点灯と消灯とを切り換える電源スイッチをさらに備える。このとき、格納庫は、開口部に設置されて開口部を閉じる戸と、この戸が閉じられていることを検出するとともに戸が開かれている間は光源を消灯する安全スイッチとをさらに備える。この場合の戸は、開き戸、引戸、及びシャッターのいずれでもよい。
戸が開かれている間、光源に代わって点灯されてケースの内部を照らす照明装置をさらに備えることも好ましい。光源から放射された紫外光を効率よく均質にケース内に照射するために、ケースの内面を覆う反射部材をさらに備えるとよい。反射部材は、鏡面状のプレートでもよいし、紫外光を乱反射させる表面処理や塗膜であってもよい。
本発明に係る他の実施形態の車両は、開口部とケースと戸と光源と運転スイッチとを備える。開口部は、車体の外に向かって開放されている。ケースは、開口部の内側に搭載され、蓄光部材を側部に配した消火用のホースを複数少なくとも収納する。戸は、開口部に装着され、ケースを閉じる。この場合、戸は、開き戸、引戸、及びシャッターのいずれでもよい。光源は、ケースの内部に紫外光を放射する。運転スイッチは、バッテリーから車体及び光源への電力を供給または遮断に切り換える。ここでの車両とは、光源に対して電力を供給するバッテリーを搭載していることが好ましく、さらに自走可能な動力源を有していることが好ましい。したがって、車両とは、人が乗って運転する自動車に限定されるものではなく、荷車や台車のようなものであってもよい。
このとき、車両は、さらに安全スイッチを備える。安全スイッチは、戸が閉じられている間はバッテリーから光源に電力を供給可能にし、戸が開かれている間はバッテリーから光源への電力を遮断する。また、車両は、戸が開かれている間、光源に代わって点灯されてケースの内部を照らす照明装置をさらに備えてもよい。車両は、ケースの内面を覆う反射部材をさらに備えてもよい。
光源は、開口部の内側の縁に配置されるか、または開口部と反対側のケースの奥に配置される。
さらに、車両は、複数のホースを互いに間隔を空けて配置する仕切部材をケースに備える。または、車両は、ケースの奥から開口部に向かって平行に延びて複数のホースを1つずつ収納する区画を形成する複数の仕切部材をケースに備える。このとき、仕切部材は、透光性部材で造られ、光源から放射された紫外光を導光し、隣り合うホースに紫外光を照射するとよい。
本発明の一実施形態の格納庫によれば、蓄光材を側部に配した消火用のホースを少なくとも収納するケースの内部に紫外光を放射する光源を備えているので、昼夜によらず使用する際には蓄光材を紫外光によって励起された状態にすることができる。また、蓄光材は、紫外光を放射する光源によって励起されることで、強い光を発するとともに長時間にわたって発光し続ける。したがって、ビル火災など外から光が届きにくい場所で消火活動をする際に、建物の外につながる経路を示す誘導灯として機能する。また、蓄光材を有し暗闇において使用される物品であれば、消火用のホースに限らず、例えば消火活動やレスキュー活動において使用される用具や装備品を格納庫に収納してもよい。
ホースを取り出す開口部の内側の縁に光源を配置する発明の格納庫によれば、ケースの内側に向かって放射される紫外光の光量が増すので、蓄光材を効率よく励起させることができる。また、開口部と反対側のケースの奥に光源を配置する発明の格納庫によれば、ホースをケース内に満載したような場合であっても、ホースに遮られることなくケースの奥にも紫外光を供給することができる。
複数のホースを互いに間隔を空けて配置する複数の仕切部材をケースに備える発明の格納庫、または、ケースの奥から開口部に向かって平行に延び複数のホースを1つずつ収納する区画を形成する複数の仕切部材をケースに備える発明の格納庫によれば、複数のホースをケースに収納する場合に、隣り合うホースどうしの間に隙間を確保することができ、紫外光をホースの蓄光材に万遍無く提供できる。このとき、仕切部材を透光性部材で造り、光源から放射された紫外光を導光して隣り合うホースに仕切部材を通して紫外光を照射する発明の格納庫によれば、個々のホースに対して斑無く確実に紫外光を照射できる。
また、車両の運転スイッチが入れられた状態で操作されることで光源の点灯と消灯とを切り換える電源スイッチをさらに備える発明の格納庫によれば、ホースが格納庫に収納された状態で運転スイッチを入れ、さらに電源スイッチを操作することで、光源を点灯させた状態と消灯させた状態のいずれかに自由に選択できる。運転スイッチが切られている場合は光源も消灯されているので、ホースが不必要に紫外線に晒されることを防止できる。また、運転スイッチが入っている場合でも電源スイッチを操作して光源を消灯することで、不要な紫外光の照射を行わずに済むため、ホースが紫外線に晒される時間を減らしホースの耐用年数が延びる。
このとき、開口部を閉じる戸と、この戸が閉じられていることを検出するとともに戸が開かれている間は光源を消灯する安全スイッチとを備える発明の格納庫によれば、格納庫の外へ紫外線が不用意に放射されることを防止できる。さらに、戸が開かれている間、光源に代わって点灯されてケースの内部を照らす照明装置をさらに備える発明によれば、ケース内部が照明されることで作業性が向上する。また、ケースの内面を覆う反射部材をさらに備える発明の格納庫によれば、ケース内に放射された紫外光をケース内に万遍無く拡散させることができる。
本発明の他の実施形態の車両によれば、車体の外に向かって開放された開口部と、開口部の内側に搭載され蓄光材を側部に配した消火用のホースを複数少なくとも収納するケースと、このケースの内部に紫外光を放射する光源と、バッテリーから車体及び光源への電力を供給または遮断に切り換える運転スイッチとを備えるので、消火活動において車両を使用する際に運転スイッチを切り換えてバッテリーから光源へ電力を供給することで、ケースの内部に光源から紫外光を放射し、ホースの側部に配された蓄光材を励起させることができる。したがって、必要以上にホースを紫外光に晒すことなく、且つ、必要なときには蓄光材が励起された状態のホースを直ぐに使用することができる。特に、車両が消防車両である場合、消火活動のために出動する際に運転スイッチが入れられてから目的地に到着してホースを取り出すまで、蓄光材は紫外光を照射されるので、昼夜を問わずホースの蓄光材が確実に励起され、目的地ですぐに使用できるように発光する。
また、戸が閉じられている間はバッテリーから光源に電力を供給可能にし、戸が開かれている間はバッテリーから光源への電力を遮断する安全スイッチをさらに備える発明の車両によれば、不用意に戸を開けたことによって紫外光が外部へ放射されることを防止できる。さらに戸が開かれている間、光源に代わって点灯されてケースの内部を照らす照明装置を備える発明の車両によれば、夜間などケース内部が照明されることによって作業性が向上する。
また、ケース内面を覆う反射部材を備える発明の車両によれば、光源から放射された紫外光をケース内に万遍無く拡散させることができる。開口部の内側の縁に光源を配置する発明の車両によれば、光源から放射された紫外光を効率よくホースなどの蓄光材に照射することができる。また、開口部とは反対側のケースの奥に光源を配置する発明の車両によれば、ケース内に収納された蓄光材を有した物品に対して紫外光を万遍無く照射することができる。
複数のホースを互いに間隔を空けて配置する仕切部材をケースに備える発明の車両、または、ケースの奥から開口部に向かって平行に延びて複数のホースを1つずつ収納する区画を形成する複数の仕切部材をケース内に有する発明の車両によれば、蓄光材を側面に有したホースを並べて収納する場合に、隣り合うホースどうしの間に確実に隙間を確保できる。したがって、隣り合うホースによって紫外光が遮られることなく、それぞれのホースの蓄光材に紫外光を照射できる。このとき仕切部材を透光性材料で造り、光源から放射された紫外光を導光して隣り合うホースに仕切部材を通して紫外光を照射する発明の車両によれば、ここのホースに対して斑無く確実に紫外光を照射できる。
本発明に係る第1の実施形態の格納庫1について、車両100に装備した状態を一例に、図1から図5を参照して説明する。格納庫1を装備した車両100の一例として消防車両を図1に示す。格納庫1は、車体101の左右両側の側部101A及び後部101Bに設けられた開口部102の内側に配置される。この格納庫1は、蓄光材Lを側部に配した消火用のホースHを複数本少なくとも収納する。この格納庫1は、紫外光を放射する光源11を内部に設置しており、ホースHの蓄光材Lを励起することができる。
なお、発明の詳細について説明する便宜上、車両100の進行方向を基準に「前」、「後ろ」を定義する。また、車両100の運転席に着座した運転者から見て車体101の「右」及び「左」を定義する。そして、重力が作用する方向を基準に「上」と「下」をそれぞれ定義する。さらに、車体101の外側から開口部102を見た場合に、開口部102寄りを「手前」、開口部102から離れて車体101の中心寄りを「奥」、右手側を「右」、左手側を「左」と呼ぶことも有る。
図1に示す車両(消防車両)100の場合、格納庫1を閉じるための戸が、それぞれの開口部102に設置されている。本実施形態では図1に示すように戸の一例として、上方へ巻き取られるシャッター12を採用している。なお、戸は、本実施形態のようなシャッター12である代わりに、左右各々手前に開かれる扉、左右に蛇腹状に折りたたまれる扉、上方手前に跳ね上げられる扉、あるいは下方手前に引き倒される扉、または、左右どちらか一方又は左右両方にスライドする1枚又は複数枚で構成される引戸であってもよい。
格納庫1は、車体101の内部で互いにつながっていてもよいし、開口部102ごとにそれぞれ独立して設けられていてもよい。また、格納庫1は、収納する物品ごと引き出しのように車体101の外へ引き出せる構造を有していてもよい。
図1の車両100の格納庫1の1つを図2に示す。図2は、シャッター12が上方へ巻き上げられ、開口部102を開いた状態である。シャッター12は、開口部102の上縁に配置されたローラ121を介して、車体101の奥側に配置される巻取部122に格納される。図2に示す格納庫1は、ケース10と光源11とを備える。
ケース10は、車体101の外に向かって開放された開口部102の内側に搭載され、開口部102側に開かれている。ケース10は、ほぼ中央の高さに棚板13が取り付けられることによって上下2段の収納部14を有している。棚板13は取り外し可能であり、2つの収納部14を繋げて1つの収納部14として使用することもできる。図2では、下段の収納部14に捲回した保管形態の4本のホースHを横並びに収納している。この実施形態におけるケース10の場合、下段の収納部14に最大8本のホースHを横並びに収納できる容積を有している。
それぞれのホースHは、図2に示すように、一方の端部に雄金具H1を有しており、他方の端部に雌金具H2を有している。ホースHは、平坦に扁平されて雄金具H1を中心に捲回された状態で収納される。なお、雄金具H1及び雌金具H2は、結合金具の一例であって、ホースHはどちらを中心に捲回されてもよい。また、連結金具は、雄金具H1と雌金具H2の区別のない雌雄同体の連結金具でもよい。捲回したホースHが搬送中に崩れないように、個別に、あるいはケース10に対して、紐や専用バンドなどで結束されていてもよい。各ホースHは、図3に示すように、捲回したことで渦巻き状に見える側部Hs、すなわち扁平されたホースHの幅の両端(いわゆる耳部)に蓄光材Lを配している。本実施形態において、この蓄光材Lは、蓄光顔料が練り込まれた蓄光糸をホースHの外皮を形成するジャケットに編み込むことで設けられている。蓄光材Lは、蓄光糸を帯状に編んだものをホースHの耳部(側部Hs)に貼り付けてもよい。また、蓄光材Lは、蓄光顔料を含む塗料をホースHの側部Hsに直接塗装して形成されてもよいし、またはホースHの全外表面に直接塗装して形成されていてもよい。
光源11は、蓄光材Lを励起するために、ケース10の内部に紫外光を放射する。紫外光を放射する光源11は、蛍光灯であってもよいが、効率よく蓄光材Lを励起するのに適した波長の光、すなわち波長が350nm〜400nmの紫外領域の光を放射するいわゆるブラックライトであることが好ましい。ブラックライトは、蛍光管であってもよいしLED(発光ダイオード)であってもよい。光源11は、図3及び図5に示すように、ケース10からホースHを取り出す開口部102の縁102Aの内側に配置される。本実施形態の場合、ケース10は開口部102に対して内部がひとまわり大きく形成されているので、開口部102の縁102Aの内側に光源11を配置することで、光源11から放射される光は、開口部102からケース10の内部に向かってホースHの周囲に放射される。
なお、光源11は、開口部102の左右の縁102A内側に限らず上部や下部の縁102Aの内側に配置されていてもよいし、ケース10の奥側の下隅10Bや上隅10C(この場合、下段の収納部14にホースHが配置されているので棚板13の下面)にも配置されていてもよい。上段の収納部14にもホースHを収納する場合は、上段の収納部14のケース10の奥側の上下の隅にも光源11を配置すればよい。また、ケース10の中にコネクタを設けて、ケーブルを介して光源11をそのコネクタに接続してもよい。ケース10内で自由に光源11の設置場所を動かせるので、ホースHに近い位置に光源11を配置できる。
さらに、格納庫1は、図2において蓄光材Lを備えるホースHを収納する下段の収納部14だけで構成されていてもよい。その場合、紫外光を放射する光源11は、ケース10となる下段の収納部14に配置する。また、下段の代わりに上段の収納部14のみが格納庫1として機能してもよい。
この格納庫1は、車両100の運転スイッチ103が入れられた状態で操作されることで光源11の点灯と消灯とを切り換える電源スイッチ111をさらに備える。本実施形態の場合、光源11は、図5に示すように、車両100に搭載されたバッテリー104に対して運転スイッチ103、制御部105及び電源スイッチ111を介して接続されている。格納庫1が搭載される車両100が図1のように消防車両である場合、イグニッションスイッチが運転スイッチ103となるように接続される。
ここで、運転スイッチ103を入れた状態にするとは、少なくとも車両100に搭載された電装機器に電力を供給可能にする状態であって、内燃機関を有した車両の場合はイグニッションスイッチをオンにすることで車両100のエンジンやモータなどの駆動装置が起動されて走行可能な「レディー」状態にすることだけでなく、車体101に搭載された電装機器に電力が供給される「アクセサリ電源オン」の状態も含まれる。したがって、車両が電動車両やハイブリッド車両である場合は、駆動用モータに電力を供給する場合も含む。また、車両100がホース運搬車両であっても、バッテリー104を搭載する場合は、そのバッテリー104から電力を供給可能にする状態にするスイッチが運転スイッチ103であって、さらにその運転スイッチ103が入れられた状態で操作されて車両100の格納庫1の光源11を点灯または消灯するスイッチが電源スイッチ111に相当する。
また、電源スイッチ111は、図5に示すように、運転席の周辺に配置されるコンソールパネル106のスイッチのひとつとして配置される。電源スイッチ111は、運転スイッチ103及びバッテリー104に対して直列に接続される。運転スイッチ(イグニッションスイッチ)103が入れられた状態(オン)で、光源11にはバッテリー104から電力を供給可能な状態になる。したがって、電源スイッチ111を操作することで、光源11を点灯するまたは消灯することができる。
電源スイッチ111は、光源11を点灯する状態または消灯する状態のどちらかに保持されるトグルスイッチやオルタネートスイッチであってもよいし、モーメンタリスイッチによる信号を基に例えば制御部105で電子的に点灯と消灯の状態を切り換えてもよいし、一度の操作に対して一定の時間の間だけ光源11を点灯させるタイマー式スイッチでもよい。また、コンソールパネル106がタッチ操作機能を有した液晶表示装置である場合は、電源スイッチ111は、画面に表示されたスイッチであってもよい。
また、電源スイッチ111がモーメンタリスイッチであって、電源スイッチ111の初期状態が光源11を点灯させる状態に設定される場合、運転スイッチ103を入れると光源11も点灯されるので、ホースHを使用する場所に車両100を移動させる際にはいつでも使用可能な状態であり、ホースHを励起し忘れることを防止できる。ホースHの蓄光材Lを励起させる必要が無い場合、電源スイッチ111を操作して光源11を消灯すればよい。また、電源スイッチ111の初期状態が光源11を消灯させる状態に設定される場合、運転スイッチ103を入れただけでは光源11が点灯されないので、ホースHに対する不要な紫外光の照射を防止できる。ホースHを励起させる必要がある場合は、電源スイッチ111を操作して光源11を点灯させればよい。
電源スイッチ111の初期状態とは、過去の電源スイッチ111の状態によらずに運転スイッチ103を入れた時に予め設定された状態に初期化された状態のことを意味する。つまり、初期状態が光源11を消灯させる状態に設定された電源スイッチ111である場合は、運転スイッチ103を入れたときには必ず電源スイッチ111が光源11を消灯する状態であり、運転スイッチ103を入れた後で電源スイッチ111を操作すると光源11を点灯させることができる。また、初期状態が光源11を点灯させる状態に設定された電源スイッチ111である場合は、運転スイッチ103を入れたときには必ず電源スイッチ111が光源11を点灯させる状態であり、運転スイッチ103を入れると光源11も点灯される。光源11を消灯したい場合は、運転スイッチ103を入れた後で電源スイッチ111を操作して光源11を消灯させる。
上述のように運転スイッチ103及び電源スイッチ111が設けられているので、車両(消防車両)100が出動する際に運転スイッチ103を入れ、さらに電源スイッチ111を操作して光源11を点灯させることで、目的地に到着するまでの間に格納庫1に収められたホースHの蓄光材Lが励起される。したがって、目的地に到着してすぐに蓄光材Lを有したホースHを取り出して使用することができる。また、車両100が運転状態ではない場合、すなわち消防署において待機している間など、運転スイッチ103が入っていない(オフになっている)場合は、電源スイッチ111が点灯または消灯のいずれの状態であっても光源11は消灯されているので、ホースHが紫外光を浴びて劣化してしまうことを防止できる。
本実施形態の格納庫1は、図2から図5に示すように、安全スイッチ15をさらに備えている。安全スイッチ15は、戸の一例であるシャッター12が閉じられていることを検出し、シャッター12が開かれている間は、光源11を消灯するように機能する。安全スイッチ15は、図4に示すように、開口部102に設置されたシャッター12のレール123の下端の外側に配置され、レール123に嵌合している部分のシャッター12に対して作動子151が干渉するように配置される。この安全スイッチ15は、リミッタースイッチまたはマイクロスイッチであって、シャッター12が開口部102を完全に閉じる位置まで降ろされることで、シャッター12の下端によって作動子151が押されてシャッターが閉じられたことを検出する。
図5に示すように、安全スイッチ15は、運転スイッチ103、電源スイッチ111及びバッテリー104とともに制御部105へ接続されている。制御部105は、シャッター12が開かれたことを検出した場合、すなわちシャッター12が閉じられていることを安全スイッチ15で検出できなくなった場合、バッテリー104から光源11へ供給されていた電力を遮断し、光源11を消灯する。したがって、車両(消防車両)100が目的地に到着してホースHを格納庫1から取り出す際に紫外光を車体101の外へ放射しないようにすることができる。
なお、安全スイッチ15は、リミッタースイッチまたはマイクロスイッチである代わりに、非接触型の近接センサである光学センサや磁気センサなどを設けてシャッター12が閉じられたことを検出してもよい。また、シャッター12を開く際に操作される取っ手124と開口部102の下枠との間に安全スイッチ15を設けてもよい。蓄光材Lを有したホースHは、消火活動の状況によっては使用しない場合も有る。その場合は、消防車両の運転席に設置された電源スイッチ111をオフ(消灯)にして、光源11を点灯しないようにすればよい。なお、電源スイッチ111とは別に、格納庫1の内部あるいはその近傍に電源スイッチ111に直列に接続された副電源スイッチを別途設け、その副電源スイッチをオフにしておくことで、光源11の機能を停止させておくこともできる。
さらに、本実施形態の格納庫1は、シャッター12が開かれている間、光源11に代わって点灯されてケース10の内部を照らす照明装置16を備える。本実施形態において、この照明装置16は、図5に示すように光源11に並べて配置されている。照明装置16は、ケース10の内部を明るくできる位置であれば図5に示す位置以外に配置されていてもよい。この照明装置16は、制御部105に接続されている。運転スイッチ(イグニッションスイッチ)103がオンの状態で、シャッター12が閉じられていることを安全スイッチ15で検出している場合、制御部105は、光源11を点灯させ照明装置16を消灯させている。また、シャッター12が開かれたことを安全スイッチ15で検出すると、制御部105は、光源11を消灯して照明装置16を点灯させる。
このように、制御部105は、シャッター12が閉じられている間は光源11を点灯して照明装置16を消灯させ、シャッター12が開かれている間は光源11を消灯して照明装置16を点灯させる切り換え手段として安全スイッチ15を機能させる。光源11と照明装置16とを切り換えるタイミングは、ほぼ同時に切り換わるようにしてもよいし、シャッター12の動きに対して光源11が消灯または点灯されるタイミングと異なるタイミングで照明装置16を点灯または消灯させてもよい。切り換えるタイミングを異ならせる場合、例えば、シャッター12のレール123に、照明装置16に対応した専用のリミッタースイッチまたはマイクロスイッチによる点灯スイッチを別途設ければよい。なお、手動操作によって照明装置16を点灯させるためのスイッチをケース10の内側または開口部102の近傍あるいは車両100である消防車両の運転席のコンソールパネル106に配置しておいてもよい。
光源11から放射された紫外光を効率よく均質に格納庫1のケース10内に拡散及び照射するために、本実施形態の格納庫1は、ケース10の内面を覆う反射部材17を有している。開口部102側に反射された紫外光をケース10の内部に反射するために、開口部102に設置されたシャッター12の内面にも反射部材17を設けることも好ましい。これらの反射部材17は、例えばアルマイト処理されたアルミニウム合金のプレートや、鏡面仕上げしたステンレス鋼板、ミラー加工された樹脂製のプレートであって、これらをケース10の内面にライニングする。また、反射率の高い材料でケース10の内面をコーティング、メッキ、あるいは塗装してもよいし、紫外光を乱反射させる表面処理をケース10の内面やシャッター12の内面に直接施してもよい。
なお、雄金具H1とホースHの端部との接合部または雌金具H2とホースHの端部との接合部には、樹脂製の保護部材が装着されることがある。これらの保護部材に、蓄光顔料が添加されていてもよい。また、この格納庫1に収納されるものは、蓄光材Lを備えた消火用のホースHだけでなく、蓄光材Lを一部に配した装備品、例えば消火活動やレスキュー活動において使用される装備であって、夜間や暗所で使用するために蓄光材Lが取り付けられている物品あるいは蓄光材Lで造られている物品を収納してもよい。装備の一例として、退避経路を示すためのロープやテープの他に、標識、コーン、ヘルメット、ベスト、ジャケット、ズボン、グローブなどが想定される。
以上のように構成された第1の実施形態の格納庫1は、車両100に搭載され、ケース10の内部に紫外光を放射する光源11を有している。光源11は、図5に示すように、車両100の運転スイッチ103、電源スイッチ111及び制御部105を介してバッテリー104に接続されており、運転スイッチ103を入ることでバッテリー104から電力を供給できる状態になり、さらに電源スイッチ111を操作することで点灯または消灯させることができる。したがって、車両100が消防車両である場合は、格納庫1に収納されたホースHの蓄光材Lを、消火活動が行われる現場に到着するまでの間に励起させることができるため、暗所や夜間にかかわらず、ホースHを直ちに使用できる。
なお、車両100は、消防車両に限らず、消防車両の後部に搭載されるホース運搬専用車両であってもよい。この場合、格納庫1はホース運搬専用車両に搭載される。光源11に電力を供給するバッテリー104は、ホース運搬専用車両に搭載してもよいし、ホース運搬専用車両を搭載する車両(消防車両)100に搭載されていてもよい。後者の場合は、消防車両にホース運搬専用車両を乗せる際にホース運搬専用車両の光源11と消防車両のバッテリー104とをケーブルなどで接続すればよい。
本発明に係る第2の実施形態の格納庫1について、図6から図8を参照して説明する。第2の実施形態の格納庫1は、光源11及び安全スイッチ15の配置と、仕切部材18を有している点が第1の実施形態の格納庫1と異なっている。それ以外の構成は、第1の実施形態と同じである。そこで第2の実施形態において、第1の実施形態の格納庫1と同じ機能を有する構成は、以下の説明及び図面において同じ符号を付し、詳細な説明は、第1の実施形態の対応する記載を参酌することとする。また、本実施形態の格納庫1が車両100に搭載される場合、第1の実施形態と同様に運転スイッチ103、バッテリー104、電源スイッチ111及び制御部105などと接続され、光源11を点灯または消灯させる。
第2の実施形態の格納庫1において、光源11は、図6及び図7に示すように、開口部102と反対側のケース10の奥の下隅10B及び下側の収納部14の上隅10C(つまり棚板13の下面)に沿って配置されている。また、安全スイッチ15は、開口部102の下部左端に設置され、開口部102を完全に閉じる位置までレール123に沿って降ろされたシャッター12の内面に対して作動し151が干渉するように配置される。この安全スイッチ15は、第1の実施形態と同様に、シャッター12が開かれたことを検出すると光源11に供給される電力を遮断し、光源11を消灯する。第1の実施形態の図5に示したように車両100の制御部105を介して光源11を消灯するように構成されていてもよいし、光源11に対して直列に接続されている単純な構造でもよい。
照明装置16は、光源11と同じ位置に配置されていてもよいし、ケース10に収納される物品と干渉しない位置であればケース内のどの位置に配置されていてもよい。本実施形態の場合、図7に示すように、ケース10の上段の収納部14の上隅10D又はシャッター12の巻取部122とケース10の上壁とで構成される上隅10Eに配置されている。また、ケース10の奥側の下隅10B又は下段の収納部14の上隅10Cに配置された光源11に代えて一方を照明装置16に置き換えてもよい。この場合、上隅10Cに照明装置16を配置することで、下段の収納部14の中が明るく照らされ、かつ、照明装置16の光が作業者の目に直接入ることを防止できる。
第2の実施形態の格納庫1は、ケース10内に仕切部材18を有している。この仕切部材18は、複数のホースHを互いに間隔を空けて配置するために設置されている。蓄光材Lは、ホースHの側部に配置されているので、仕切部材18によってホースHどうしの間隔が保たれることにより、光源11から放射される紫外光によって確実に励起される。この仕切部材18は、図8に示すようにケース10の奥から開口部102に向かって並行に配置され、それぞれの間に一つずつホースHが配置されている。光源11は、ホースHが格納された下段の収納部14の奥の下隅10B及び上隅10Cに配置されているので、仕切部材18によって遮られることなく、ホースHどうしの間に紫外光を提供することができる。
また、図6及び図7に示すように第2の実施形態において、仕切部材18は、捲回された保管形態のホースHの捲回中心に位置する雄金具H1に紫外光が届くように、ホースHの捲回中心を外れた位置、図6及び図7では捲回中心よりも低い位置に形成されているとともに、捲回されたホースHの外周に位置する雌金具H2が当たらない位置で、ケース10の下壁に固定されている。捲回中心を外れた位置として捲回中心よりも高い位置に仕切部材18が設けられていてもよい。例えば、棚板13の下面と下段の収納部14の奥側の壁との間に、棚板13を支えるブラケットのように、仕切部材18が形成されていてもよい。
本発明に係る第3の実施形態の格納庫について、図9及び図10を参照して説明する。第3の実施形態の格納庫1は、光源11及び仕切部材18の構造が第1及び第2の実施形態の格納庫1と異なっている。それ以外の構成は、第1及び第2の実施形態の格納庫1と同じである。第3の実施形態において、第1及び第2の実施形態の格納庫と同じ機能を有する構成は、以下の説明及び図面において同じ符号を付し、詳細な説明は、第1または第2の実施形態の対応する記載を参酌することとする。また、本実施形態の格納庫1が車両100に搭載される場合、第1の実施形態と同様に運転スイッチ103、バッテリー104、電源スイッチ111及び制御部105などと接続され、光源11を点灯または消灯する。
第3の実施形態において格納庫1は、下段の収納部14にケース10の奥から開口部102に向かって平行に延びてホースHを1つずつ収納する区画141を形成する複数の仕切部材18を有している。光源11は、図10に示すように、ケース10の奥側に位置する仕切部材18の一辺に沿ってそれぞれ配置されている。各仕切部材18は、図9及び図10に示すように、下段の収納部14を上から下まで一定の厚みを有した透光性部材で造られ、光源から放射される紫外光を導光し、隣り合うホースHに紫外光を照射することができる。
ここで、透光性部材とは、光源11から放射された光を通すものであれば、透明であることに限定されず、乳白色など半透明のものも含む。仕切部材18は、光源11から放射された紫外光をホースHの側部Hsの蓄光材Lに対して効率よく照射できる光拡散性に優れた材料であればよい。例えば、磨りガラスのように内部が透明で表面がマット加工されているとよい。仕切部材18の材質は、紫外光に対して劣化しにくいアクリル樹脂であってもよいし、ホースHなどを出し入れする際の耐衝撃性を考慮して、強化ガラスやポリカーボネートなどを使用してもよい。
光源11は、蛍光管や冷陰極管でもよいが、仕切部材18の縁に沿って複数のLEDを配置してもよい。LEDを光源11として採用する場合、例えば、光源11用のLEDが配置される間に、照明装置16用のLEDを配置し、安全スイッチ15で切り換わるようにする。本実施形態では、安全スイッチ15は、シャッター12の取っ手124と開口部102の下枠との間に設けられる。
なお、第1から第3の実施形態において、格納庫1は、説明するうえで分かりやすいように、部分的にホースHを収納した状態で図示している。車両(消防車両)100が消火活動に出動する場合、格納庫1は蓄光材Lを有したホースHを満載される。また、ホースHの他に蓄光材Lを有した装備品があれば、それらも目的地に到着するまでに励起されるように、上段の収納部14にも紫外光を放射する光源11を配置し、上段の収納部14に装備品を入れておけばよい。
また、第1から第3の実施形態において格納庫1に収納されるホースHについては、偏平させて雄金具H1を中心に捲回した状態をホースHの保管形態として説明したが、一定の長さで折り返して重ねた状態、いわゆる九十九折りにした状態で保管されることも有るし、捲回する場合でもドラムに巻き取られたままで保管されることも有る。いずれの場合もホースHを偏平させたときの幅の両端となる側部Hsいわゆる耳部に蓄光材Lが配置されるので、いずれの保管形態であっても、ホースが重なり合う部分に蓄光材Lが隠れることはない。
第1から第3の実施形態では、収納部14が上下2段に形成された格納庫1の下段に蓄光材Lを有したホースHを入れる場合を示しているが、上段の収納部14にホースHを入れるように構成されていてもよい。その場合、安全スイッチ15は、シャッター12が上段の収納部14を開放する位置まで開けられたことを検出するように、棚板13の高さに設置されるとよい。
車両100が目的地に到着するまでの時間が長い場合、必要以上に紫外光をホースHに照射しないように、運転スイッチ103や電源スイッチ111をオンにしてから一定の時間で光源11が消灯するようにタイマーを制御部105に設けることも好ましい。
さらに、車両は、複数のホースを互いに間隔を空けて配置する仕切部材をケースに備える。または、車両は、ケースの奥から開口部に向かって平行に延びて複数のホースを1つずつ収納する区画を形成する複数の仕切部材をケースに備える。このとき、仕切部材は、透光性部材で造られ、光源から放射された紫外光を導光し、区画に収納された隣り合うホースに紫外光を照射するとよい。